JP3721193B2 - 2−メルカプトベンゾイミダゾール誘導体及び該誘導体を含有する抗高脂血症剤又は抗動脈硬化症剤 - Google Patents

2−メルカプトベンゾイミダゾール誘導体及び該誘導体を含有する抗高脂血症剤又は抗動脈硬化症剤 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、2−メルカプトベンゾイミダゾール類、更に詳しくはビス型の2−メルカプトベンゾイミダゾール化合物に関する。これらの2−メルカプトベンゾイミダゾール化合物は、医薬、例えば抗高脂血症剤及び抗動脈硬化症剤、ハロゲン化銀感光材料の添加剤、液晶などに使用することができる。
特に本発明の2−メルカプトベンゾイミダゾール誘導体は動脈硬化症の引き金となっているマクロファージの泡沫化を防ぐことができる。
発明の背景
生活水準が向上するに従い、高カロリー・高コレステロール食を多く含む食生活が増加している。更に、これに人口の高齢化が加わり、高脂血症およびそれに起因する動脈硬化性疾患が急増し大きな社会問題となっている。
高脂血症・動脈硬化症の薬物療法としては主に血中脂質を低下させることが行われているが、動脈硬化病巣そのものの退縮が期待できる薬物は現在のところない。
動脈硬化症は、血管の内膜肥厚と脂質蓄積という特徴的な病変であるので、その薬物療法として上記のように血中脂質を低下させる薬物が用いられているが、最近の生化学的知見からマクロファージの泡沫化が動脈硬化病巣の形成に中心的な役割を果たしていることがわかっているので、これを抑えることで動脈硬化病巣そのものを退縮できることが期待されている。
発明の開示
本発明は、高脂血症や動脈硬化症の治療に有効な新規化合物を提供することを目的とする。
本発明は、抗高脂血症剤又は抗動脈硬化症剤を提供することを目的とする。
本発明の上記及び他の目的は、以下の記載及び実施例から明らかになるであろう。
本発明者らは、上記目的を達成するため研究を続けた結果、特定のベンゾイミダゾール化合物が、ACAT阻害作用及び細胞内コレステロール輸送阻害作用を有しかつ優れた血中コレステロール低下作用を有すると共にマクロファージ泡沫化抑制作用をも有することを見出し本発明を完成するに至った。
本発明の第1の態様によれば、式I〜IIIで示される2−メルカプトベンゾイミダゾール誘導体又はその塩が提供される。
Figure 0003721193
[式中R1およびR2はそれぞれアルキル基、ハロゲン原子を表わし;
3およびR4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルバモイル、スルファモイル、アシルアミノ、スルフォニルアミノ、シアノ、ニトロの各基を表わし;
5およびR6はそれぞれアルキル基、アシル基を表わし;
7及びR8は、それぞれ水素原子、アルキル基又はアルキルカルボニル基を表し;
9及びR10は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基又はアルキル基を表し;
1、n2、n3、n4、n5およびはn6それぞれ1または2を表わし;
mは1、2または3を表わし;
1およびL2はアルキレン基またはフェニレン基を含むアルキレン基よりなる連結基を表わし、L1がペンタメチレン基の場合には、R1およびR2が水素原子であってもよい。]
本発明の第2の態様によれば、上記式III又は下記の式IVで示される2−メルカプトベンゾイミダゾール誘導体又はその塩、及び希釈剤及び/又は賦形剤を含有する抗高脂血症剤又は抗動脈硬化症剤が提供される。
Figure 0003721193
[式中、R3、R4、n3、n4及びL2は、式IIにおけると同じ意味を有し、R50およびR60はそれぞれ水素、アルキル基、アシル基を表わす。]
発明を実施するための最良の形態
以下に本発明の化合物について詳細に説明する。
式Iにおいて、R1およびR2によって表わされるアルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、オクチル、ドデシル、オクタデシル基)、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、オクチル基)が挙げらる。特に好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、トリフルオロ)である。直鎖状、分岐状あるいは環状のいずれの場合も含み、これらのアルキル基は更に置換基を有していても良い。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられ、塩素原子が特に好ましい。尚、L1がペンタメチレン基の場合には、R1およびR2が水素原子であってもよい。
式IIにおいて、R3およびR4によって表わされるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられ、塩素原子が特に好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル、ブチル、オクチル、ドデシル、オクタデシル基)、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、オクチル基)が挙げられる。特に好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、トリフルオロ)である。アルコキシ基としては、炭素数1〜18のアルコキシ基(例えば、メトキシ、ブトキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、オクタデシルオキシ基)、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、オクチルオキシ基)が挙げらる。特に好ましくは、炭素数1〜3のアルコキシ基である。アルコキシカルボニル基としては、炭素数1〜18のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル基)、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル基)が挙げらる。特に好ましくは、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基である。カルバモイル基としては、炭素0〜18のカルバモイル基(例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、オクチルカルバモイル、ヘキサデシルカルバモイル、フェニルカルバモイル基)、好ましくは炭素数0〜8のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、オクチルカルバモイル基)が挙げらる。
スルファモイル基としては、炭素数0〜18のスルファモイル基(例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、オクチルスルファモイル、ヘキサデシルスルファモイル、フェニルスルファモイル基)、好ましくは炭素数0〜8のスルファモイル基(例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、オクチルスルファモイル基)が挙げらる。アシルアミノ基としては、炭素数1〜18のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ、ブタノイルアミノ、オクタノイルアミノ、ヘキサデカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ基)、好ましくは炭素数1〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ、ブタノイルアミノ、オクタノイルアミノ基)が挙げらる。スルフォニルアミノ基としては、炭素数1〜18のスルフォニルアミノ基(例えばメタンスルフォニルアミノ、ブタンスルフォニルアミノ、オクタンスルフォニルアミノ、ヘキサデカンスルフォニルアミノ、ベンゼンスルフォニルアミノ基)、好ましくは炭素数1〜8のスルフォニルアミノ基(例えばメタンスルフォニルアミノ、ブタンスルフォニルアミノ、オクタンスルフォニルアミノ、ベンゼンスルフォニルアミノ基)が挙げられる。これらのアルキル部分は直鎖状、分岐状あるいは環状のいずれの場合も含み、アルキル基、アリール基は更に置換基を有していても良い。
これらのうち、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、スルファモイル基、ニトロ基が好ましい。
式IIにおいてR5およびR6によって表わされるアルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、オクチル、ドデシル、オクタデシル基)、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、オクチル基)が挙げられ、直鎖状あるいは分岐状のいずれの場合も含む。アシル基としてはアルカノイル、アリールカルボニル、アルキルスルフォニル、アリールスルフォニル、アルコキシカルボニル、スルファモイル、カルバモイル基が挙げられる。アルカノイル基としては炭素数1〜18のアルカノイル基(例えばアセチル、ブタノイル、オクタノイル、オクタデカノイル基)、好ましくは炭素数1〜8のアルカノイル基(例えば、アセチル、ブタノイル、オクタノイル基)が挙げられ、直鎖状、分岐状あるいは環状のいずれの場合も含み、アルキル基、アリール基は更に置換基を有していても良い。アリールカルボニル基としては炭素数6〜18のアリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル、ナフトイル基)であり、これらは更に置換基を有していても良い。アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜18のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、オクタデシルカルボニル基)、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル基)が挙げられ、直鎖状、分岐状あるいは環状のいずれの場合も含み、更に置換基を有していても良い。
アルキルスルフォニルおよびアリールスルフォニル基としては炭素数1〜18のアルキルおよび炭素数6〜18のアリールスルフォニル基(例えばメタンスルフォニル、ブタンスルフォニル、ヘキサデカンスルフォニル、ベンゼンスルフォニル、ナフタレンスルフォニル基)が挙げられ、これらは更に置換基を有していても良い。アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜18のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、テトラデシルオキシカルボニル基)、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル基)が挙げられ、これらは更に置換基を有していても良い。スルファモイル基としては炭素数0〜18のスルファモイル基(例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、オクチルスルファモイル、ヘキサデシルスルファモイル、フェニルスルファモイル基)、好ましくは炭素数0〜8のスルファモイル基(例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、オクチルスルファモイル基)が挙げられ、これらは更に置換基を有していても良い。カルバモイル基としては炭素数0〜18のカルバモイル基(例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、オクチルカルバモイル、ヘキサデシルカルバモイル、フェニルカルバモイル基)、好ましくは炭素数0〜8のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、オクチルカルバモイル基)が挙げられ、これらは更に置換基を有していても良い。
これらのアシル基としては、アルカノイル、アリールカルボニル、アルキルスルフォニル、アルコキシカルボニル、カルバモイル基が好ましい。
これらのうち式IおよびIIにおいてL1およびL2によって表わされるアルキレン基としては炭素数4〜10のアルキレン基(例えば、1,4−ブチレン、1,5−ペンチレン、1,6−ヘキシレン、1,10−ドデシレン基)、好ましくは炭素数4〜8のアルキレン基(例えば、1,4−ブチレン、1,5−ペンチレン、1,6−ヘキシレン、1,8−オクチレン基)が挙げられ、このアルキレン基は置換基を有していても良い。フェニレン基を含むアルキレン基よりなる連結基は2価のアルキレン−フェニレン−アルキレン基(例えば、1,4−キシリレン、1,3−キシリレン、1,2−キシリレン、2−エチリデン−4−フェニルメチル基)を表わす。
式IおよびIIで表わされる化合物は塩を形成していても良い。形成しうる塩としては塩酸塩、臭素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、トルエンスルフォン酸塩などが挙げられる。
式Iにおいて特に好ましいものは次の式I−Iで表わされる化合物である。
Figure 0003721193
[式中L1は前述と同じ定義であり、R11、R12、R21およびR22は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子を表わすが、R11とR12およびR21とR22のそれぞれは同時に水素原子であることはない。]
式I−Iにおいて、R11、R12、R21およびR22によって表わされるアルキル基としては炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、オクチル、ドデシル、オクタデシル基)、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、オクチル基)が挙げられ、直鎖状、分岐状あるいは環状のいずれの場合も含み、これらのアルキル基は更に置換基を有していても良い。特に好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、トリフルオロ)である。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられ、塩素原子が特に好ましい。
式I−Iにおいて更に好ましくはR11とR21およびR12とR22は同じである。
式Iにおいてもう1つの特に好ましいものは次のI−aで表わされる化合物である。
Figure 0003721193
〔式中L1はペンタメチレン基を表わす〕。
式IIにおいて特に好ましいものは次の式II−Iで表わされる化合物である。
Figure 0003721193
[式中L2、R5およびR6は前述と同じ定義であり、R31およびR32はそれぞれ前述のR3と同義であり、R41およびR42はそれぞれ前述のR4と同義である。]
式II−IにおいてR5とR6は同じであることが好ましい。
式II−Iにおいて更に好ましくはR31とR32の組み合わせとR41とR42の組み合わせが同じである(R31=R41かつR32=R42またはR31=R42かつR32=R41である組み合わせ)。式IIにおける置換基の好ましいものが式II−Iにおける置換基にもあてはまる。
式II−1の化合物中、薬理作用の点から下記(i)〜(iii)群の化合物が特に好ましい。
(i)R31とR32の1つ及びR41とR42の1つが水素、他が低級アルキル、ハロゲン(特にクロル)、ニトロ又は低級アシルアミノ、R5及びR6が低級アルキル又は低級アルカノイルである化合物。
(ii)R3132、R4142が水素、R5とR6が低級アルカノイル又は低級アルキルである化合物。L2は炭素数4〜10、好ましくは4〜8のアルキレン基が望ましく、又アルキレン−フェニレン−アルキレン基(ここでアルキレンは炭素数1〜2が望ましい)が好ましい。
(iii)R31〜R32、R41〜R42がハロゲン(特にクロル)又は低級アルキル、R5〜R6が低級アルカノイル又は低級アルキルである化合物。
上記(i)及び(iii)におけるL2は、炭素数4〜10、好ましくは4〜8のアルキレン基がよい。又、上記(i)〜(iii)において低級は炭素数1〜3を示す。
式I−I、I−aおよびII−Iで表わされる化合物は塩を形成していても良い。形成しうる塩としては塩酸塩、臭素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、トルエンスルフォン酸塩などが挙げられる。
式IIおよび式II−IにおいてR5およびR6で表わされるアルキル基ならびにアシル基にはアリール基を含まないものが特に好ましい。
式I、II、I−I、I−aおよびII−Iにおいて特に好ましいL1およびL2は炭素数4〜8のアルキレン基である。
次に式IIIについて説明する。
式IIIにおいてR7およびR8によって表わされるアルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル、ブチル、オクチル、ドデシル、オクタデシル基)、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、オクチル基)が挙げられる。アルキルカルボニル基としては炭素数1〜18のアルキルカルボニル(例えば、アセチル、ブタノイル、オクタノイル、テトラデカノイル、オクタデカノイル基)、好ましくは炭素数1〜8のアルキルカルボニル基(例えば、アセチル、ブタノイル、オクタノイル基)が挙げられる。これらの基に含まれるアルキル基は直鎖状、分岐状あるいは環状のいずれの場合も含み、更に置換基を有していても良く、最も好ましくは直鎖状のアルキル基である。置換基を含むアルキル基としては、アリール基を有するアルキル基、特にアルキレン基の炭素数が1〜3のフェニルアルキレン基が好ましい。
式IIIにおいて、R9およびR10によって表わされるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられ、塩素原子が特に好ましい。アルキル基としては炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル、ブチル、オクチル、ドデシル、オクタデシル基)、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、オクチル基)が挙げらる。
式IIIで表わされる化合物は塩を形成していても良い。形成しうる塩としては塩酸塩、臭素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、トルエンスルフォン酸塩などが挙げられる。
式IIIにおいて特に好ましいものは、次の式III−aで表わされる化合物である。
式III−a
Figure 0003721193
[式中、R7及びR8は前述と同じ定義であり、R71及びR72はそれぞれ前述のR9と同義であり、R73及びR74はそれぞれ前述のR10と同義である。]
式III−aにおいてR7とR8は同じであることが好ましい。
式III−aにおいて更に好ましくはR71とR72の組み合わせとR73とR74の組み合わせが同じである(R71=R73かつR72=R74またはR71=R74かつR72=R73である組み合わせ)。
式III−aで表わされる化合物は塩を形成していても良い。形成しうる塩としては塩酸塩、臭素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、トルエンスルフォン酸塩などが挙げられる。
式III及びIII−aにおいてR7及びR8で表わされるアルキル基ならびにアルキルカルボニル基としては、置換基としてアリール基を有しないものが特に好ましい。さらに好ましくは、直鎖状のアルキル基及び直鎖状のアルキルカルボニル基である。
さらに、式III−a中、次の化合物が好ましい。
(i)R7及びR8の両方が水素原子であるか、炭素数1〜8のアルキル基(特に無置換、直鎖)であるか、又は炭素数1〜8のアルキルカルボニル基(特に無置換、直鎖)であり、R71、R72、R73及びR74が水素、mが1である化合物。
(ii)R7及びR8の両方が炭素数1〜8のアルキル基(特に無置換、直鎖)であるか、又は好ましくは炭素数1〜8のアルキルカルボニル基(特に無置換、直鎖)であり、R71とR72の一方又は両方が炭素数1〜8のアルキル基(特に無置換、直鎖)又はハロゲン原子(特に塩素原子)、R73とR74の一方又は両方が炭素数1〜8のアルキル基(特に無置換、直鎖)又はハロゲン原子(特に塩素原子)、mが1である化合物。
(iii)R7及びR8の両方が水素原子であり、R71とR72の一方又は両方がハロゲン原子(特に塩素原子)又はニトロ基、好ましくはR71がハロゲン原子(特に塩素原子)又はニトロ基、R73とR74の一方又は両方がハロゲン原子(特に塩素原子)又はニトロ基、好ましくはR73がハロゲン原子(特に塩素原子)又はニトロ基、mが1である化合物。
(iv)R7及びR8の両方が水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基(特に無置換、直鎖)、R71、R72、R73及びR74が水素、mが2又は3である化合物。
次に式IVで表される化合物について説明する。
この化合物の式中のR3、R4、n3、n4及びL2は、式IIにおけると同じ意味を有し、好ましいものも同様に適用される。尚、式IVにおいては、R3とR4が共に水素原子であるものも好ましい。
式IVにおいてR50およびR60によって表わされるアルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、オクチル、ドデシル、オクタデシル基)、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、オクチル基)が挙げられ、直鎖状あるいは分岐状のいずれの場合も含む。アシル基としてはアルカノイル、アリールカルボニル、アルキルスルフォニル、アリールスルフォニル、アルコキシカルボニル、スルファモイル、カルバモイル基が挙げられる。アルカノイル基としては炭素数1〜18のアルカノイル基(例えばアセチル、ブタノイル、オクタノイル、オクタデカノイル基)、好ましくは炭素数1〜8のアルカノイル基(例えば、アセチル、ブタノイル、オクタノイル基)が挙げられ、直鎖状、分岐状あるいは環状のいずれの場合も含み、アルキル基、アリール基は更に置換基を有していても良い。アリールカルボニル基としては炭素数6〜18のアリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル、ナフトイル基)であり、これらは更に置換基を有していても良い。アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜18のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、オクタデシルカルボニル基)、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル基)が挙げられ、直鎖状、分岐状あるいは環状のいずれの場合も含み、更に置換基を有していても良い。
アルキルスルフォニルおよびアリールスルフォニル基としては炭素数1〜18のアルキルおよび炭素数6〜18のアリールスルフォニル基(例えばメタンスルフォニル、ブタンスルフォニル、ヘキサデカンスルフォニル、ベンゼンスルフォニル、ナフタレンスルフォニル基)が挙げられ、これらは更に置換基を有していても良い。アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜18のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、テトラデシルオキシカルボニル基)、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル基)が挙げられ、これらは更に置換基を有していても良い。スルファモイル基としては炭素数0〜18のスルファモイル基(例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、オクチルスルファモイル、ヘキサデシルスルファモイル、フェニルスルファモイル基)、好ましくは炭素数0〜8のスルファモイル基(例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、オクチルスルファモイル基)が挙げられ、これらは更に置換基を有していても良い。カルバモイル基としては炭素数0〜18のカルバモイル基(例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、オクチルカルバモイル、ヘキサデシルカルバモイル、フェニルカルバモイル基)、好ましくは炭素数0〜8のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、オクチルカルバモイル基)が挙げられ、これらは更に置換基を有していても良い。
これらのアシル基としては、アルカノイル、アリールカルボニル、アルキルスルフォニル、アルコキシカルボニル、カルバモイル基が好ましい。
式IVで表わされる化合物は塩を形成していても良い。形成しうる塩としては塩酸塩、臭素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、トルエンスルフォン酸塩などが挙げられる。
式IVにおいて特に好ましいものは次の式IV−aで表わされる化合物である。
式IV−a
Figure 0003721193
[式中L2、R50およびR60は前述と同じ定義であり、R31およびR32はそれぞれ前述のR3と同義であり、R41およびR42はそれぞれ前述のR4と同義である。]
上述した式IVの置換基において好ましいものが、式IV−aにおける置換基としても好ましい。
式IV−aにおいてR50とR60は同じであることが好ましい。
式IV−aにおいて更に好ましくはR31とR32の組み合わせとR41とR42の組み合わせが同じである(R31=R41かつR32=R42またはR31=R42かつR32=R41である組み合わせ)。
式IV−aで表わされる化合物は塩を形成していても良い。形成しうる塩としては塩酸塩、臭素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、トルエンスルフォン酸塩などが挙げられる。
式IV−aの化合物中、薬理作用の点から下記(i)〜(v)群の化合物が特に好ましい。
(i)R3132、R4142、R50及びR60のすべてが水素である化合物。L2は炭素数4〜10、好ましくは4〜8のアルキレン基が望ましく、又アルキレン−フェニレン−アルキレン基(ここでアルキレンは炭素数1〜2が望ましい)が好ましい。
(ii)R31とR32の1つ及びR41とR42の1つが水素、他が低級アルキル、ハロゲン(特にクロル)、ニトロ又は低級アシルアミノ、R50及びR60は水素、低級アルキル又は低級アルカノイルである化合物。
(iii)R3132、R4142がハロゲン(特にクロル)でR50とR60が水素である化合物。
(iv)R3132、R4142が水素、R50とR60が低級アルカノイル又は低級アルキルである化合物。L2は(i)と同じである。
(v)R3132、R4142がハロゲン(特にクロル)又は低級アルキル、R50、R60が低級アルカノイル又は低級アルキルである化合物。
上記(ii)、(iii)及び(v)におけるL2は、炭素数4〜10、好ましくは4〜8のアルキレン基がよい。又、上記(i)〜(v)において低級は炭素数1〜3を示す。
式IVおよびIV−aにおいてR50およびR60で表わされるアルキル基ならびにアシル基にはアリール基を含まないものが特に好ましい。さらに好ましくは、直鎖状のアルキル基及び直鎖状のアルキルアシル基である。
式IVおよびIV−aにおいて特に好ましいL2は炭素数4〜8のアルキレン基である。
次に、式I〜IIIに含まれる本発明の代表的なベンゾイミダゾール誘導体を例示する。尚、式IIIで表される化合物(1)〜(22)の番号は、実施例2における対応する番号の合成例により製造されたものである。
Figure 0003721193
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次に式IVで表される化合物を例示する。
Figure 0003721193
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式IVで表される化合物には、上記化合物のほか、前記化合物(I−1)〜(I−7)及び(II−1)〜(II−36)も含まれる。
式I、I−I、I−a、II、II−a及びVIで表わされる2−メルカプトベンゾイミダゾール誘導体は以下に示す反応式(式−1、2および3)に従って製造することができる。
Figure 0003721193
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[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、n1、n2、n3、n4、L1およびL2は前記の通りであり、R107はR1、R2、R3ならびにR4と同義であり、R108はR5ならびにR6と同義であり、n5はn1、n2、n3ならびにn4と同義であり、X1およびX2はハロゲン原子またはスルフォン酸エステルなどの求核置換反応に対する離脱基である。〕
(式−1)
[工程1]本反応で用いる2−メルカプトベンゾイミダゾール(V)は市販品であるか公知の化合物であるが、一般的にはOrg. Syn., Col. Vol. 4, p569に記載の方法で合成することができる。対応する2−メルカプトベンゾイミダゾール(V)と2個の離脱基を有する連結基(VI)と反応させることで化合物(I−▲1▼)を合成することができる。通常この反応では一般的な有機溶剤(例えばエタノール、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、DMF(ジメチルフォルムアミド)、THF(テトラヒドロフラン)など)中で、脱酸剤として水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ナトリウムエチラートなどの塩基触媒を使用することが望ましいが、本反応はアルコール中無触媒で加熱することによっても遂行することができる。
塩基を用いる場合反応温度は基質と溶媒により変わるが、通常0〜150℃、好ましくは20〜100℃で行う。一方、アルコール中無触媒で反応させる場合は50〜120℃で行うのが好ましい。
本工程に於いて用いる(VI)は副反応を抑えるために化合物(V)に対して過少量でも過剰量でも好ましくなく化合物(V)に対して0.35〜0.7倍モル、好ましくは0.45〜0.55倍モル用いるのが好ましい。
(式−2)
[工程2]化合物(I−▲1▼)に対してアシル化を行って化合物(II−▲1▼)とする場合、通常の不活性溶媒(例えばアセトニトリル、酢酸エチル、THF、DMF、DMAc(ジメチルアセトアミド)など)中で脱酸剤として塩基触媒(例えば炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジンなど)を用いて対応する酸ハライドと反応させることにより遂行できるが、極性の強いDMF、DMAc、アセトニトリルなどを用いた場合には塩基触媒を用いなくとも良い。
本工程に用いる溶媒の使用量は化合物(I−▲1▼)に対して2〜50倍量が好ましく、用いる酸ハライドの量は化合物(I−▲1▼)に対して1.8〜2.4倍のモル数を使うことが好ましい。反応は30〜150℃で進行するが、50〜100℃で行うことが好ましい。
本反応においてn=1の場合、ほとんどの場合に合成例に示すような非対称に置換した生成物が優先生成物として得られる。
化合物(I−▲1▼)に対してアルキル化を行って化合物(II−▲1▼)とする場合、一般的な有機溶剤(例えばエタノール、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、DMF(ジメチルフォルムアミド)、THF(テトラヒドロフラン)など)中で、脱酸剤として水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ナトリウムエチラートなどの塩基触媒を用いてアルキルハライドかアルキルトシラートなどと反応させることで遂行できる。
反応温度は基質と溶媒により変わるが、通常0〜100℃、好ましくは20〜60℃である。
(式−3)はR5およびR6がアルキル基の場合に(式−1)、(式−2)の代わりに行える製造方法である。
[工程3]〜[工程5]本工程は(VII)で示されるo−ニトロアミン体をアルキルハライド(例えばアルコール、THF、DMFなどの溶媒中で理論量のアルキルハライドを作用させる)または還元条件でのアルデヒドとの反応(例えば、オートクレーブ中、ラネーニッケルを触媒として、酢酸ナトリウムを塩基として用い、過剰量のアルデヒドとアンモニア、水素を作用させる)によりアルキル化して化合物(VIII)とした後にニトロ基を還元(例えばバナジウム、白金、ラネーニッケルを触媒として、メタノール、エタノール中で水素添加するか、還元鉄を用いて酢酸中あるいはイソプロパノール中で還元を行うなどの方法がある)し、続けてOrg. Syn., Col. Vol. 4, p569に記載の方法で2−メルカプトベンゾイミダゾールに交換し(式−1)と同様の工程で化合物(II−▲2▼)を製造するものである。
一方、式III及びIII−aで表される本発明のベンゾイミダゾール誘導体は、例えば、以下に示す反応式(式−4および5)に従い製造することができる。
Figure 0003721193
Figure 0003721193
[式中、R7、R8、R9、R10、n5、n6、mは前記の通りであり、R75はR9ならびにR10と同義であり、X1およびX2はハロゲン原子またはスルフォン酸エステルなどの求核置換反応に対する離脱基である。
(式−4)
[工程1]本反応で用いる2−メルカプトベンゾイミダゾール(X)は市販品であるか公知の化合物であるが、一般的にはOrg. Syn., Col. Vol. 4, p569に記載の方法で合成することができる。対応する2−メルカプトベンゾイミダゾール(X)と2個の離脱基を有する連結基(XI)と反応させることで(III−▲1▼)を合成することができる。通常この反応では一般的な有機溶剤(例えばエタノール、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、DMF(ジメチルフォルムアミド)、THF(テトラヒドロフラン)など)中で、脱酸剤として水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ナトリウムエチラートなどの塩基触媒を使用することが望ましいが、本反応はアルコールもしくはアセトニトリル中で無触媒で加熱することによっても遂行することができる。尚、2個の離脱基を有する連結基(XI)としては、ジエチレングリコールジ−p−トシラート、トリエチレングリコールジ−p−トシラート、テトラエチレングリコールジ−p−トシラート、2,2′−ジヨードジエチルエーテル、2,2′−ジクロルジエチルエーテルなどを用いることができる。
塩基を用いる場合反応温度は基質と溶媒により変わるが、通常0〜150℃、好ましくは20〜100℃で行う。一方、アルコールもしくはアセトニトリル中で無触媒で反応させる場合は50〜120℃で行うのが好ましい。
本工程に於いて用いる(XI)は副反応を抑えるために(X)に対して過少量でも過剰量でも好ましくなく(X)に対して0.35〜0.7倍モル、好ましくは0.45〜0.55倍モル用いるのが好ましい。
(式−5)
[工程2](III−▲1▼)に対してアシル化を行って(III−▲2▼)とする場合、通常の不活性溶媒(例えばアセトニトリル、酢酸エチル、THF、DMF、DMAc(ジメチルアセトアミド)など)中で脱酸剤として塩基触媒(例えば炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジンなど)を用いて対応する酸ハライドと反応させることにより遂行できるが、極性の強いDMF、DMAc、アセトニトリルなどを用いた場合には塩基触媒を用いなくとも良い。
本工程に用いる触媒の使用量は(III−▲1▼)に対して2〜50倍量が好ましく、用いる酸ハライドの量は(III−▲1▼)に対して1.8〜2.4倍のモル数を使うことが好ましい。反応温度は30〜150℃で進行するが、50〜100℃で行うことが好ましい。
本反応においてn5及びn6が1の場合、ほとんどの場合に実施例2の各合成例に示すような非対称に置換した生成物が優先生成物として得られる。
(III−▲1▼)に対してアルキル化を行って(III−▲2▼)とする場合、一般的な有機溶剤(例えばエタノール、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、DMF(ジメチルフォルムアミド)、THF(テトラヒドロフラン)など)中で、脱酸剤として水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ナトリウムエチラートなどの塩基触媒を用いてアルキルハライドかアルキルトシラートなどと反応させることで遂行できる。反応温度は基質と溶媒により変わるが、通常0〜100℃、好ましくは20〜60℃で行う。
本発明の抗高脂血症剤または抗動脈硬化症剤は、式III又はIVで表される1または2以上の化合物を含有してもよく、当該技術分野において従来から用いられている両立可能な公知の抗高脂血症剤または抗動脈硬化症剤と組み合わせて使用しても良い。かかる従来から用いられている抗高脂血症剤または抗動脈硬化症剤としては、メリナマイド、プロブコール、メバロチン等が挙げられる。
本発明の薬剤の投与は、経口投与、注射(主として筋肉内、静脈内、皮下)などにより行われ、各投与方法に応じた剤型に調剤される。錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、乳化剤、懸濁剤、溶液剤などの経口投与剤、注射剤などとして用いることができる。また、剤型に応じて適当な担体ないし希釈剤及び適当な生理活性物質を配合して調剤することができる。
式III又はIVで表される化合物と組み合わせて用いることのできる医薬キャリアーまたは希釈剤の好適な例としては、グルコース;サッカロース;ラクトース;エチルアルコール;グリセリン;マンニトール;ソルビトール;ペンタエリスリトール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール400、他のポリエチレングリコール;トリラウリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル及びジステアリン酸グリセリルの如き飽和脂肪酸のモノ、ジ及びトリグリセリド;ペクチン;でんぷん;コーンスターチ;アルギニン酸;キシロース;タルク;石松子;オリーブ油、ピーナッツ油、ヒマシ油、コーン油、小麦麦芽油、ゴマ油、綿実油、ヒマワリ油及びタラ肝油の如きオイル及び油脂;ゼラチン;レシチン;シリカ;セルロース;メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース;カルボキシメチルセルロースカルシウムの如きセルロース誘導体;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム、ベヘン酸カルシウム及びステアリン酸マグネシウム等の12〜22の炭素原子を有する脂肪酸のマグネシウム塩またはカルシウム塩;シクロデキストリン類;例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、カルボキシメチル−β−シクロデキストリン及びジメチル−β−シクロデキストリン;乳化剤;例えば、2〜22、特に10〜18の炭素原子を有する飽和及び不飽和の脂肪酸とグリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、ペンタエリスリトール、エチルアルコール、ブチルアルコール、オクタデシルアルコールの如き一価の脂肪族アルコール(例えば、アルカノールの如き1〜20の炭素原子を有するもの)または多価アルコールとのエステルまたは;ジメチルポリシロキサンの如きシリコーン;及びパイロジェン不含蒸留水が挙げられる。
本発明の薬剤の投与量は疾患の種類、患者の年齢、体重、症状の程度及び投与経路などによっても異なるが、通常、成人一日体重一キログラム当たり有効成分化合物が0.1〜500mg、好ましくは0.2〜100mgの範囲となる量が適当である。
本発明により、優れた血中コレステロール低下作用及びマクロファージ泡沫化抑制作用を有し、毒性も低く、高脂血症さらには動脈硬化症にすぐれた治療効果を示す長期投与可能な薬剤が提供される。
次に実施例により本発明を説明する。
実施例1
以下に本発明にかかわる化合物の合成例について説明する。
(1)1,5−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例I−7)の合成
2−メルカプトベンゾイミダゾール45gと1,5−ジブロモペンタン36gをエタノール120mlに溶かし、湯浴上で14時間攪拌還流した。冷却後、2N水酸化ナトリウム水溶液150mlで中和した。このとき析出した結晶を濾集し、含水エタノールとアセトニトリルで洗浄した。乾燥後、目的物が55g得られた(収率99%)。
融点 240−242℃
元素分析C192042として
計算値:C、61.92;H、5.47;N、15.21(%)
実測値:C、61.67;H、5.63;N、14.98(%)
(2)1,6−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ヘキサン(化合物例IV−1)の合成
(1)と同様にして2−メルカプトベンゾイミダゾール30gと1,6−ジブロモヘキサン27gより目的物38gを得た(収率99%)。
融点 222−229℃
元素分析C202242として
計算値:C、62.79;H、5.80;N、14.65(%)
実測値:C、62.46;H、5.92;N、14.48(%)
(3)1,8−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)オクタン(化合物例IV−2)の合成
(1)と同様にして2−メルカプトベンゾイミダゾール8.2gと1,8−ジブロモオクタン5.5gより目的物8.1gを得た(収率99%)。
融点 218−222℃
元素分析C222642として
計算値:C、64.35;H、6.38;N、13.65(%)
実測値:C、64.18;H、6.49;N、13.44(%)
(4)1,4−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ブタン(化合物例IV−3)の合成
(1)と同様にして2−メルカプトベンゾイミダゾール4.5gと1,4−ジブロモブタン3.1gより目的物5.0gを得た(収率94%)。
融点 274−277℃
元素分析C181842として
計算値:C、60.98;H、5.12;N、15.81(%)
実測値:C、60.77;H、5.36;N、15.70(%)
(5)1,5−ビス(5−メチル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例I−1)の合成
(1)と同様にして2−メルカプト−5−メチルベンゾイミダゾール8.2gと1,5−ジブロモペンタン5.5gより目的物8.1gを得た(収率82%)。
融点 161−163℃
元素分析C212442として
計算値:C、63.60;H、6.10;N、14.13(%)
実測値:C、63.42;H、6.02;N、14.29(%)
(6)1,5−ビス(5−メトキシ−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例IV−4)の合成
(1)と同様にして2−メルカプト−5−メトキシベンゾイミダゾール3.6gと1,5−ジブロモペンタン2.2gより目的物3.8gを得た(収率88%)。
融点 170−172℃
元素分析C2124422として
計算値:C、58.85;H、5.64;N、13.08(%)
実測値:C、58.69;H、5.49;N、13.12(%)
(7)1,5−ビス(5−クロロ−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例I−3)の合成
5−クロロ−2−メルカプトベンゾイミダゾール12gと1,5−ジブロモペンタン7.45gをエタノール200mlに溶かし、湯浴上で12時間攪拌還流した。冷却後、2N水酸化ナトリウム水溶液35mlで中和した。このとき油状物が析出したので、水200mlを加え、水層をデカントして除去した。油状物をアセトニトリル500mlの分散させ、塩酸60mlを加えて2時間攪拌した。生成した結晶を濾集しアセトニトリルで洗浄した。乾燥後、目的物が2塩酸塩として32g得られた(収率91%)。
融点 182−188℃
元素分析C192042Cl4として
計算値:C、44.72;H、3.95;N、10.98(%)
実測値:C、44.51;H、3.73;N、10.75(%)
(8)1,5−ビス(5−ニトロ−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例IV−5)の合成
(1)と同様にして5−ニトロ−2−メルカプトベンゾイミダゾール1.95gと1,5−ジブロモペンタン1.1gより目的物1.0gを得た(収率42%)。
融点 〜300℃(分解)
元素分析C1918642として
計算値:C、43.82;H、3.96;N、15.72(%)
実測値:C、43.66;H、3.82;N、15.56(%)
(9)1,5−ビス(5−エトキシカルボニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例IV−6)の合成
(7)と同様にして5−エトキシカルボニル−2−メルカプトベンゾイミダゾール2.24gと1,5−ジブロモペンタン1.1gより目的物を2塩酸塩として2.1gを得た(収率72%)。
融点 176−180℃
元素分析C2530442Cl2として
計算値:C、51.28;H、5.16;N、9.57(%)
実測値:C、51.03;H、5.06;N、9.39(%)
(10)1,5−ビス(5−スルファモイル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例IV−7)の合成
(1)と同様にして5−スルファモイル−2−メルカプトベンゾイミダゾール2.3gと1,5−ジブロモペンタン1.1gより目的物2.25gを得た(収率86%)。
融点 181−184℃
元素分析C1922644として
計算値:C、43.33;H、4.21;N、15.96(%)
実測値:C、43.12;H、4.10;N、15.73(%)
(11)1,5−ビス(5−プロパンアミド−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例IV−8)の合成
5−アミノ−2−メルカプトベンゾイミダゾール16.5gをジメチルアセトアミド40mlとアセトニトリル70mlに懸濁させ、50℃でプロピオニルクロライド9.8gを滴下した。さらに50℃で2時間攪拌した後に、水50mlを加え、2N水酸化ナトリウム水溶液70mlで中和して得られる結晶を濾集した。結晶を水洗後乾燥して17gの2−メルカプト−5−プロパンアミドベンゾイミダゾールを得た(収率77%)。
さらに(1)と同様にして2−メルカプト−5−プロパンアミドベンゾイミダゾール4.4gと1,5−ジブロモペンタン2.2gより目的物3.7gを得た(収率71%)。
融点 160−163℃
元素分析C2530622として
計算値:C、58.80;H、5.92;N、16.46(%)
実測値:C、58.63;H、5.86;N、16.33(%)
(12)1,5−ビス(5−オクタンアミド−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例IV−9)の合成
5−アミノ−2−メルカプトベンゾイミダゾール8.3gをジメチルアセトアミド20mlとアセトニトリル35mlに懸濁させ、50℃でオクタノイルクロライド8.5gを滴下した。さらに50℃で2時間攪拌した後に、水20mlを加え析出した結晶を濾集した。結晶を水洗後乾燥して12.8gの2−メルカプト−5−オクタンアミドベンゾイミダゾールを得た(収率88%)。
さらに(1)と同様にして2−メルカプト−5−オクタンアミドベンゾイミダゾール2.9gと1,5−ジブロモペンタン1.1gより目的物5.2gを得た(収率80%)。
融点 132−135℃
元素分析C3550622として
計算値:C、64.58;H、7.74;N、12.29(%)
実測値:C、64.42;H、7.65;N、12.73(%)
(13)1,5−ビス(5−メタンスルフォンアミド−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例IV−10)の合成
(1)と同様にして5−メタンスルファオンアミド−2−メルカプトベンゾイミダゾール2.4gと1,5−ジブロモペンタン1.1gより目的物2.2gを得た(収率80%)。
融点 168−172℃
元素分析C2126644として
計算値:C、45.47;H、4.72;N、15.15(%)
実測値:C、45.22;H、4.61;N、15.28(%)
(14)1,5−ビス(5−オクタンするフォンアミド−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例IV−11)の合成
(1)と同様にして5−オクタンスルファオンアミド−2−メルカプトベンゾイミダゾール3.0gと1,5−ジブロモペンタン1.1gより目的物2.2gを得た(収率80%)。
融点 153−156℃
元素分析C3552644として
計算値:C、56.12;H、7.00;N、11.22(%)
実測値:C、55.96;H、6.87;N、11.12(%)
(15)1,5−ビス(5−シアノ−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例IV−12)の合成
(1)と同様にして5−シアノ−2−メルカプトベンゾイミダゾール1.8gと1,5−ジブロモペンタン1.1gより目的物1.9gを得た(収率91%)。
融点 172−175℃
元素分析C211862として
計算値:C、60.26;H、4.34;N、20.08(%)
実測値:C、59.99;H、4.17;N、19.93(%)
(16)1,5−ビス(5−クロロ−6−トリフルオロメチル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例I−6)の合成
(1)と同様にして5−クロロ−6−トリフルオロメチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール2.5gと1,5−ジブロモペンタン1.1gより目的物2.1gを得た(収率69%)。
融点 159−163℃
(17)1,5−ビス(5,6−ジメチル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例I−2)の合成
(1)と同様にして2−メルカプト−5,6−ジメチルベンゾイミダゾール3.6gと1,5−ジブロモペンタン2.5gより目的物3.9gを得た(収率93%)。
融点 188−191℃
元素分析C232842として
計算値:C、65.05;H、6.65;N、13.20(%)
実測値:C、65.20;H、6.52;N、13.36(%)
(18)1,5−ビス(5,6−ジクロロ−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例I−4)の合成
(1)と同様にして2−メルカプト−5,6−ジクロロベンゾイミダゾール4.4gと1,5−ジブロモペンタン2.5gより目的物4.6gを得た(収率91%)。
融点 213−217℃
元素分析C191642Cl4として
計算値:C、45.07;H、3.19;N、11.07(%)
実測値:C、44.89;H、3.17;N、10.93(%)
(19)1,8−ビス(5,6−ジクロロ−2−ベンゾイミダゾイルチオ)オクタン(化合物例I−5)の合成
(1)と同様にして2−メルカプト−5,6−ジクロロベンゾイミダゾール2.2gと1,8−ジブロモオクタン1.36gより目的物4.9gを得た(収率90%)。
融点 172−174℃
元素分析C222242Cl4として
計算値:C、48.18;H、4.04;N、10.22(%)
実測値:C、47.97;H、3.93;N、10.03(%)
(20)1,4−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオメチル)ベンゼン(化合物例IV−13)の合成
(1)と同様にして2−メルカプト−ベンゾイミダゾール3.0gとp−キシリレンジクロライド1.66gより目的物3.8gを得た(収率95%)。
融点 267−270℃
元素分析C221842として
計算値:C、65.64;H、4.51;N、13.92(%)
実測値:C、65.45;H、4.47;N、13.83(%)
(21)1,3−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオメチル)ベンゼン(化合物例IV−14)の合成
(1)と同様にして2−メルカプト−ベンゾイミダゾール3.0gとm−キシリレンジブロマイド3.0gより目的物3.88gを得た(収率97%)。
融点 227−229℃
元素分析C221842として
計算値:C、65.64;H、4.51;N、13.92(%)
実測値:C、65.49;H、4.42;N、13.79(%)
(22)1,5−ビス(1−アセチル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−1)の合成
1,5−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.92gをジメチルアセトアミド4mlとアセトニトリル7mlおよびトリエチルアミン0.84mlに懸濁させ50℃でアセチルクロライド0.4mlを滴下した。2時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル10mlと水4mlを添加し、析出した結晶を濾集した。アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物1.0gを得た(収率86%)。
融点 140−142℃
元素分析C2324422として
計算値:C、61.10;H、5.35;N、12.38(%)
実測値:C、61.02;H、5.42;N、12.16(%)
(23)1,5−ビス(1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−2)の合成
1,5−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.92gをジメチルアセトアミド4mlとアセトニトリル7mlおよびトリエチルアミン0.84mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.48mlを滴下した。2時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル10mlと水4mlを添加し、析出した結晶を濾集した。アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.9gを得た(収率75%)。
融点 109−111℃
元素分析C2528422として
計算値:C、62.47;H、5.87;N、11.66(%)
実測値:C、62.34;H、5.99;N、11.54(%)
(24)1,5−ビス(1−オクタノイル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−3)の合成
1,5−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.92gをジメチルアセトアミド4mlとアセトニトリル8mlおよびトリエチルアミン0.84mlに懸濁させ50℃でオクタノイルクロライド0.94mlを滴下した。4時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル10mlと水4mlを添加し、析出した結晶を濾集した。アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物1.5gを得た(収率97%)。
融点 80−82℃
元素分析C3548422として
計算値:C、67.56;H、7.61;N、8.92(%)
実測値:C、67.70;H、7.79;N、9.03(%)
(25)1,5−ビス(1−(2−エチルヘキサノイル)−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−4)の合成
1,5−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.92gをジメチルアセトアミド4mlとアセトニトリル7mlおよびトリエチルアミン0.84mlに懸濁させ50℃で2−エチルヘキサノイルクロライド1.15mlを滴下した。3時間50℃で攪拌した後に冷却し、水24mlを添加し、析出した油状物を酢酸エチルで抽出した。2回水洗後有機層を分離し、減圧下に溶媒を溜去し、残渣をシリカゲルクロマトで精製した(シリカゲル70g、溶媒クロロホルム)ところ、目的物を油状物として1.5g得た(収率97%)。
(26)1,5−ビス(1−フェニルアセチル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−5)の合成
1,5−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.92gをジメチルアセトアミド4mlとアセトニトリル8mlおよびトリエチルアミン0.84mlに懸濁させ50℃でフェニルアセチルクロライド0.73mlを滴下した。2時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル10mlと水4mlを添加し、析出した結晶を濾集した。アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.88gを得た(収率58%)。
融点 139−140℃
元素分析C3532422として
計算値:C、69.51;H、5.33;N、9.27(%)
実測値:C、69.37;H、5.25;N、9.34(%)
(27)1,5−ビス(1−(4−クロロベンゾイル)−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−6)の合成
1,5−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.92gをジメチルアセトアミド4mlとアセトニトリル7mlおよびトリエチルアミン0.84mlに懸濁させ50℃で4−クロロベンゾイルクロライド0.70mlを滴下した。2時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル10mlと水20mlを添加し、析出した油状物を集め、アセトニトリル+エタノールより晶析した。結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物1.28gを得た(収率79%)。
融点 74−76℃
元素分析C3326422Cl2として
計算値:C、61.39;H、3.82;N、8.68(%)
実測値:C、61.24;H、3.93;N、8.53(%)
(28)1,5−ビス(1−エトキシカルボニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−7)の合成
1,5−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.92gをジメチルアセトアミド4mlとアセトニトリル7mlおよびトリエチルアミン0.84mlに懸濁させ50℃でクロル炭酸エチル0.71mlを滴下した。2時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル10mlと水4mlを添加し、析出した結晶を濾集した。アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物1.3gを得た(収率100%)。
融点 72−74℃
元素分析C2528442として
計算値:C、58.57;H、5.51;N、10.93(%)
実測値:C、58.43;H、5.62;N、11.14(%)
(29)1,5−ビス(1−ジメチルカルバモイル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−8)の合成
1,5−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.92gをジメチルアセトアミド4mlとアセトニトリル7mlおよびトリエチルアミン0.84mlに懸濁させ50℃でジメチルカルバモイルクロライド0.51mlを滴下した。3時間50℃で攪拌した後に冷却し、水20mlを添加し、析出した油状物を酢酸エチルで抽出した。水洗後減圧下に溶媒を溜去し、残渣を熱アセトニトリルより晶析した。結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.4gを得た(収率31%)。
融点 245−247℃
元素分析C2530622として
計算値:C、58.80;H、5.92;N、16.46(%)
実測値:C、58.74;H、5.89;N、16.54(%)
(30)1,4−ビス(1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ブタン(化合物例II−9)の合成
1,4−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ブタン0.36gをジメチルアセトアミド2mlとアセトニトリル4mlおよびトリエチルアミン0.35mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.2mlを滴下した。2時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル5mlと水2mlを添加し、析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.36gを得た(収率77%)。
融点 126−129℃
元素分析C2426422として
計算値:C、61.77;H、5.62;N、12.01(%)
実測値:C、61.54;H、5.49;N、11.84(%)
(31)1,6−ビス(1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ヘキサン(化合物例II−10)の合成
1,6−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ヘキサン0.38gをジメチルアセトアミド2mlとアセトニトリル4mlおよびトリエチルアミン0.35mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.2mlを滴下した。2時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル5mlと水2mlを添加し、析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.34gを得た(収率69%)。
融点 98−101℃
元素分析C2630422として
計算値:C、63.13;H、6.11;N、11.32(%)
実測値:C、63.33;H、5.98;N、11.44(%)
(32)1,8−ビス(1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)オクタン(化合物例II−11)の合成
1,8−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)オクタン0.62gをジメチルアセトアミド3mlとアセトニトリル5mlおよびトリエチルアミン0.55mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.29mlを滴下した。2時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル7mlと水5mlを添加し、析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.60gを得た(収率77%)。
融点 93−94℃
元素分析C2834422として
計算値:C、64.33;H、6.56;N、10.72(%)
実測値:C、64.21;H、6.48;N、10.64(%)
(33)1,4−ビス(1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオメチル)ベンゼン(化合物例II−12)の合成
1,4−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオメチル)ベンゼン0.4gをジメチルアセトアミド2mlとアセトニトリル4mlおよびトリエチルアミン0.34mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.2mlを滴下した。2時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル5mlと水2mlを添加し、析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.42gを得た(収率92%)。
融点 220−223℃
元素分析C2826422として
計算値:C、65.34;H、5.09;N、10.88(%)
実測値:C、65.15;H、4.98;N、10.62(%)
(34)1,3−ビス(1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオメチル)ベンゼン(化合物例II−13)の合成
1,3−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオメチル)ベンゼン0.4gをジメチルアセトアミド2mlとアセトニトリル4mlおよびトリエチルアミン0.34mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.2mlを滴下した。2時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル5mlと水2mlを添加し、析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.45gを得た(収率99%)。
融点 193−195℃
元素分析C2826422として
計算値:C、65.34;H、5.09;N、10.88(%)
実測値:C、65.41;H、5.12;N、10.73(%)
(35)1,5−ビス(5,6−ジクロロ−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−14)の合成
1,5−ビス(5,6−ジクロロ−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.6gをジメチルアセトアミド2.5mlとアセトニトリル5mlおよびトリエチルアミン0.44mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.23mlを滴下した。4時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル7mlと水3mlを添加し、析出した結晶を濾集した。アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.6gを得た(収率95%)。
融点 136−138℃
元素分析C2524422Cl4として
計算値:C、48.55;H、3.91;N、9.06(%)
実測値:C、48.37;H、3.82;N、8.91(%)
(36)1,5−ビス(5,6−ジメチル−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−15)の合成
1,5−ビス(5,6−ジメチル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.64gをジメチルアセトアミド3mlとアセトニトリル5mlおよびトリエチルアミン0.5mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.29mlを滴下した。3時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル7mlと水3mlを添加し、析出した結晶を濾集した。アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.65gを得た(収率81%)。
融点 143−144℃
元素分析C2936422として
計算値:C、64.89;H、6.76;N、10.44(%)
実測値:C、64.98;H、6.81;N、10.28(%)
(37)1−(5−クロロ−1−プロピオニル−6−トリフルオロメチル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)−5−(6−クロロ−1−プロピオニル−5−トリフルオロメチル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−16)の合成
1,5−ビス(5−クロロ−6−トリフルオロメチル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.57gをジメチルアセトアミド2mlとアセトニトリル4mlおよびトリエチルアミン0.34mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.2mlを滴下した。3時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル5mlと水3mlを添加し、析出した結晶を濾集した。アセトニトリルで洗浄し、乾燥後目的物0.55gを得た(収率80%)。
融点 111−114℃
(38)1−(5−メチル−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)−5−(6−メチル−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−17)の合成
1,5−ビス(5−メチル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.59gをジメチルアセトアミド3.5mlとアセトニトリル7mlおよびトリエチルアミン0.5mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.29mlを滴下した。1.5時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル7mlと水3mlを添加し、析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.60gを得た(収率79%)。
融点 105−108℃
元素分析C2732422として
計算値:C、63.75;H、6.34;N、11.06(%)
実測値:C、63.61;H、6.22;N、10.89(%)
(39)1−(5−メトキシ−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)−5−(6−メトキシ−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−18)の合成
1,5−ビス(5−メトキシ−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.64gをジメチルアセトアミド3.5mlとアセトニトリル7mlおよびトリエチルアミン0.5mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.29mlを滴下した。1.5時間50℃で攪拌した後に冷却し、水10mlを添加し、析出した油状物を酢酸エチルで抽出した。水洗後減圧下で溶媒を溜去し、残渣をアセトニトリルより晶析した。結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.52gを得た(収率64%)。
融点 103−106℃
元素分析C2732442として
計算値:C、59.97;H、5.97;N、10.36(%)
実測値:C、59.69;H、5.84;N、10.23(%)
(40)1−(5−プロパンアミド−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)−5−(6−プロパンアミド−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−19)の合成
1,5−ビス(5−プロパンアミド−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.6gをジメチルアセトアミド3mlとアセトニトリル6mlおよびトリエチルアミン0.6mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.33mlを滴下した。1時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル5mlと水5mlを添加し、析出した結晶を濾集した。アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.58gを得た(収率89%)。
融点 109−112℃
元素分析C3138642として
計算値:C、59.78;H、6.15;N、13.50(%)
実測値:C、59.66;H、6.09;N、13.21(%)
(41)1−(5−クロロ−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)−5−(6−クロロ−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−20)の合成
1,5−ビス(5−クロロ−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン・2塩酸塩0.51gをジメチルアセトアミド3mlとアセトニトリル6mlおよびトリエチルアミン0.65mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.2mlを滴下した。1.5時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル7mlと水3mlを添加し、析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.4gを得た(収率81%)。
融点 95−98℃
元素分析C2526422Cl2として
計算値:C、54.39;H、4.77;N、10.20(%)
実測値:C、54.18;H、4.62;N、10.04(%)
(42)1−(5−エトキシカルボニル−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)−5−(6−エトキシカルボニル−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−21)の合成
1,5−ビス(5−エトキシカルボニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン・2塩酸塩0.58gをジメチルアセトアミド3mlとアセトニトリル6mlおよびトリエチルアミン0.65mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.2mlを滴下した。2時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル7mlと水3mlを添加し、析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.52gを得た(収率83%)。
融点 83−86℃
元素分析C3136462として
計算値:C、59.59;H、5.81;N、8.97(%)
実測値:C、59.42;H、5.79;N、8.81(%)
(43)1−(1−プロピオニル−5−スルファモイル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)−5−(1−プロピオニル−6−スルファモイル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−22)の合成
1,5−ビス(5−スルファモイル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.52gをジメチルアセトアミド3mlとアセトニトリル6mlおよびトリエチルアミン0.33mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.2mlを滴下した。1.5時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル7mlと水3mlを添加し、析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.56gを得た(収率88%)。
融点 141−146℃
元素分析C2530664として
計算値:C、47.00;H、4.73;N、13.16(%)
実測値:C、46.86;H、4.68;N、13.01(%)
(44)1−(5−メタンスルフォンアミド−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)−5−(6−メタンスルフォンアミド−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−23)の合成
1,5−ビス(5−メタンスルフォンアミド−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.55gをジメチルアセトアミド3mlとアセトニトリル6mlおよびトリエチルアミン0.33mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.2mlを滴下した。2時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル7mlと水3mlを添加し、析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.58gを得た(収率87%)。
融点 138−140℃
元素分析C2734664として
計算値:C、48.63;H、5.14;N、12.61(%)
実測値:C、48.75;H、5.22;N、12.42(%)
(45)1−(5−シアノ−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)−5−(6−シアノ−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−24)の合成
1,5−ビス(5−シアノ−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.42gをジメチルアセトアミド3mlとアセトニトリル6mlおよびトリエチルアミン0.33mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.2mlを滴下した。2時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル7mlと水3mlを添加し、析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.42gを得た(収率79%)。
融点 128−131℃
元素分析C2726622として
計算値:C、61.11;H、4.94;N、15.84(%)
実測値:C、60.97;H、4.87;N、15.68(%)
(46)1−(5−オクタンアミド−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)−5−(6−オクタンアミド−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−25)の合成
1,5−ビス(5−オクタンアミド−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.65gをジメチルアセトアミド3mlとアセトニトリル6mlおよびトリエチルアミン0.6mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.33mlを滴下した。1時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル5mlと水5mlを添加し、析出した結晶を濾集した。アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.65gを得た(収率87%)。
融点 122−126℃
元素分析C4158642として
計算値:C、64.53;H、7.77;N、11.02(%)
実測値:C、64.33;H、7.68;N、11.08(%)
(47)1−(5−オクタンスルフォンアミド−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)−5−(6−オクタンスルフォンアミド−1−プロピオニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−26)の合成
1,5−ビス(5−オクタンスルフォンアミド−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.75gをジメチルアセトアミド3mlとアセトニトリル6mlおよびトリエチルアミン0.33mlに懸濁させ50℃でプロピオニルクロライド0.2mlを滴下した。2時間50℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル7mlと水3mlを添加し、析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.65gを得た(収率76%)。
融点 147−150℃
元素分析C4162664として
計算値:C、57.04;H、7.24;N、9.74(%)
実測値:C、57.21;H、7.08;N、9.63(%)
(48)1,5−ビス(1−メタンスルフォニル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−27)の合成
1,5−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.74gをジメチルアセトアミド4mlとアセトニトリル7mlおよびトリエチルアミン0.67mlに懸濁させ15℃でメタンスルフォニルクロライド0.35mlを滴下した。12時間20℃で攪拌した後に冷却し、アセトニトリル10mlと水4mlを添加し、析出した結晶を濾集した。アセトニトリルで洗浄後乾燥して目的物0.78gを得た(収率74%)。
融点 140−142℃
元素分析C2124444として
計算値:C、48.07;H、4.61;N、10.68(%)
実測値:C、47.86;H、4.47;N、10.56(%)
(49)1,5−ビス(1−メチル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−28)の合成
1,5−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.92gとメチルアイオダイド0.78g、炭酸カリウム1.04gをジメチルフォルムアミド7mlに加え、30℃で6.5時間攪拌した。冷却後水10mlを加え、2N塩酸で中和した。析出した結晶を濾集し、水、アセトニトリルの順に洗浄した。乾燥後目的物0.8gを得た(収率81%)。
融点 104−106℃
元素分析C212442として
計算値:C、63.60;H、6.10;N、14.13(%)
実測値:C、63.45;H、6.23;N、15.36(%)
(50)1,5−ビス(1−プロピル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−29)の合成
1,5−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.92gとプロピルブロマイド0.68g、炭酸カリウム1.04gをジメチルフォルムアミド7mlに加え、30℃で7時間攪拌した。冷却後水10mlを加え、2N塩酸で中和した。析出した油状物を酢酸エチルで抽出し、2回水洗した。減圧で溶媒を溜去した後にシリカゲルカラムクロマトで分離精製し(シリカゲル30g、溶媒:クロロフォルム)、目的物を油状物として0.8g得た(収率71%)。
(51)1,5−ビス(1−オクチル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−30)の合成
1,5−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.92gとオクチルブロマイド1.06g、炭酸カリウム1.04gをジメチルフォルムアミド7mlに加え、30℃で7時間攪拌した。冷却後水10mlを加え、2N塩酸で中和した。析出した油状物を酢酸エチルで抽出し、2回水洗した。減圧で溶媒を溜去した後にシリカゲルカラムクロマトで分離精製し(シリカゲル35g、溶媒:クロロフォルム)、目的物を油状物として1.38g得た(収率93%)。
(52)1,5−ビス(1−(2−エチルヘキシル)−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−31)の合成
1,5−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.74gと2−エチルヘキシルブロマイド0.85g、炭酸カリウム0.83gをジメチルフォルムアミド7mlに加え、50℃で18時間攪拌した。冷却後水10mlを加え、2N塩酸で中和した。析出した油状物を酢酸エチルで抽出し、2回水洗した。減圧で溶媒を溜去した後にシリカゲルカラムクロマトで分離精製し(シリカゲル100g、溶媒:クロロフォルム)、目的物を油状物として0.9g得た(収率76%)。
(53)1,5−ビス(1−ベンジル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−32)の合成
1,5−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.74gとベンジルブロマイド0.75g、炭酸カリウム0.83gをジメチルフォルムアミド7mlに加え、30℃で7時間攪拌した。冷却後水10mlを加え、2N塩酸で中和した。析出した油状物を酢酸エチルで抽出し、2回水洗した。減圧で溶媒を溜去した後にアセトニトリルより晶析して目的物の結晶0.82gを得た(収率75%)。
融点 111−113℃
元素分析C333242として
計算値:C、72.22;H、5.88;N、10.21(%)
実測値:C、71.95;H、5.76;N、10.07(%)
(54)1,5−ビス(5,6−ジクロロ−1−メチル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−33)の合成
1,5−ビス(5,6−ジクロロ−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.60gとメチルアイオダイド0.37g、炭酸カリウム0.50gをジメチルフォルムアミド5mlに加え、30℃で8時間攪拌した。冷却後水10mlを加え、2N塩酸で中和した。析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄し、目的物の結晶0.63gを得た(収率98%)。
融点 141−144℃
元素分析C212042Cl4として
計算値:C、47.20;H、3.77;N、10.49(%)
実測値:C、47.08;H、3.69;N、10.33(%)
(55)1,5−ビス(5,6−ジクロロ−1−プロピル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−34)合成
1,5−ビス(5,6−ジクロロ−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.60gとプロピルブロマイド0.32g、炭酸カリウム0.50gをジメチルフォルムアミド5mlに加え、30℃で24時間攪拌した。冷却後水10mlを加え、2N塩酸で中和した。析出した油状物を酢酸エチルで抽出し、水洗後減圧で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトで分離精製し(シリカゲル30g、溶媒:クロロフォルム)、目的物を油状物として0.55g得た(収率78%)。
(56)1,8−ビス(1−メチル−2−ベンゾイミダゾイルチオ)オクタン(化合物例II−35)の合成
1,8−ビス(2−ベンゾイミダゾイルチオ)オクタン0.62gとメチルアイオダイド0.47g、炭酸カリウム0.62gをジメチルフォルムアミド10mlに加え、30℃で12時間攪拌した。冷却後水10mlを加え、2N塩酸で中和した。析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄し、目的物の結晶0.58gを得た(収率88%)。
融点 117−118℃
元素分析C243042として
計算値:C、65.71;H、6.89;N、12.78(%)
実測値:C、65.54;H、6.71;N、12.56(%)
(57)1−(1−メチル−5−ニトロ−2−ベンゾイミダゾイルチオ)−5−(1−メチル−6−ニトロ−2−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン(化合物例II−36)の合成
1,5−ビス(5−ニトロ−ベンゾイミダゾイルチオ)ペンタン0.32gとメチルアイオダイド0.27g、炭酸カリウム0.45gをジメチルフォルムアミド5mlに加え、40℃で48時間攪拌した。水10mlを加え、2N塩酸で中和した。析出した油状物をデカントして水で洗い、残渣をアセトニトリルより晶析して目的物の結晶1.6gを得た(収率47%)。
融点 158−185℃
なお、本結晶は表記化合物以外にニトロ基が5位、5位に付いたものと、6位、6位に付いたものとの分離困難な混合物であった。
実施例2
1) 化合物(1)の合成
2−メルカプトベンゾイミダゾール3.0gとジエチレングリコールジ−p−トシラート3.94gをアセトニトリル35mlに懸濁させ、窒素気流下50〜70℃で15時間攪拌した。冷却後、水を加えて沈澱物を溶解した後に2N:NaOHで中和した。析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで取り出し洗いを行なって目的物(1)を2.2g得た(収率59%)。
融点 230−232℃
元素分析C1818412として
計算値:C、58.35;H、4.90;N、15.13(%)
実測値:C、58.21;H、4.78;N、15.25(%)
2) 化合物(2)の合成
化合物(1)0.68gをDMAc3ml、アセトニトリル5mlおよびトリエチルアミン0.8mlに溶かし、50℃でプロピオン酸クロライド0.21gをゆっくりと加えた。1時間攪拌した後に冷却し、アセトニトリル10mlと水4mlを添加し、析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄して目的物(2)を0.74g(収率84%)。融点 148−149℃
元素分析C2426432として
計算値:C、59.73;H、5.43;N、11.61(%)
実測値:C、59.55;H、5.38;N、11.46(%)
3) 化合物(3)の合成
合成例2)と同様にして、化合物(1)0.44gと酪酸クロライド0.31gより目的物(3)を0.42g得た(収率69%)。
融点 111−113℃
元素分析C2630432として
計算値:C、61.15;H、5.92;N、10.97(%)
実測値:C、60.98;H、5.89;N、11.06(%)
4) 化合物(4)の合成
合成例2)と同様にして、化合物(1)0.44gとカプロン酸クロライド0.34gより目的物(4)を0.46g得た(収率76%)。
融点 69−71℃
元素分析C2834432として
計算値:C、62.42;H、6.36;N、10.40(%)
実測値:C、62.23;H、6.21;N、10.57(%)
5) 化合物(5)の合成
合成例2)と同様にして、化合物(1)0.44gと吉草酸クロライド0.40gより目的物(5)を0.55g得た(収率82%)。
融点 92−93℃
元素分析C3038432として
計算値:C、63.57;H、6.75;N、9.89(%)
実測値:C、63.46;H、6.57;N、9.74(%)
6) 化合物(6)の合成
合成例2)と同様にして、化合物(1)0.96gとカプリル酸クロライド1.0gより目的物(6)を1.52g得た(収率94%)。
融点 88−89℃
元素分析C3446432として
計算値:C、65.56;H、7.44;N、9.00(%)
実測値:C、65.43;H、7.27;N、8.84(%)
7) 化合物(7)の合成
合成例2)と同様にして、化合物(1)0.68gとミリスチン酸クロライド1.1gより目的物(7)を1.4g得た(収率97%)。
融点 95−97℃
元素分析C4670432として
計算値:C、69.83;H、8.92;N、7.08(%)
実測値:C、69.78;H、8.85;N、7.22(%)
8) 化合物(8)の合成
化合物(1)0.68gと炭酸カリ1.1gをDMF3mlに懸濁させ、プロピルブロマイド0.76gを加え、35℃で8時間攪拌した。冷却後、水を加え、油状物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗した後、溶媒を減圧で留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト(シリカゲル30g、溶媒:5%酢酸エチル−クロロホルム)で精製しで目的物(8)を油状物として0.8g得た(収率96%)。
9) 化合物(9)の合成
合成例8)と同様にして、化合物(1)0.34gとオクチルブロマイド1.13gより目的物(9)を油状物として0.52gを得た(収率95%)。
10) 化合物(10)の合成
合成例8)と同様にして、化合物(1)0.34gとベンジルブロマイド0.51gより目的物(10)を油状物として0.41gを得た(収率88%)。
11) 化合物(11)の合成
5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール1.6gとジエチレングリコールジ−p−トシラート2.1gをアセトニトリル20mlに懸濁させ、窒素気流下で28時間加熱還流した。冷却後、水を加えて沈澱物を溶解した後に2N:NaOHで中和した。析出した油状物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト(シリカゲル50g、溶媒:2%メタノール−20%酢酸エチル−クロロホルム)で精製し目的物(11)を油状物として1.6g得た(収率80%)。
12) 化合物(12)の合成
合成例2)と同様にして、化合物(11)0.4gとプロピオン酸クロライド0.2gより目的物(12)を粉状物として0.3g得た(収率59%)。
このものは、分離困難なアシル化の位置の異なる生成物の混合であった。
13) 化合物(13)の合成
5,6−ジメチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール1.8gとジエチレングリコールジ−p−トシラート2.1gをアセトニトリル20mlに懸濁させ、窒素気流下で28時間加熱還流した。冷却後、水を加えて沈澱物を溶解した後に2N:NaOHで中和した。析出した結晶を濾集し、アセトニトリルで洗浄し、目的物(13)を1.1g得た(収率52%)。
融点 122−125℃
元素分析C2226412として
計算値:C、61.94;H、6.14;N、13.14(%)
実測値:C、61.77;H、6.02;N、13.32(%)
14) 化合物(14)の合成
5−クロロ−2−メルカプトベンゾイミダゾール0.74gとジエチレングリコールジ−p−トシラート0.84gをアセトニトリル10mlに懸濁させ、窒素気流下で28時間加熱還流した。冷却後、水を加えて沈澱物を溶解した後に2N:NaOHで中和した。析出した結晶を濾集し、メタノール−アセトニトリル(1:5)より再結晶して目的物(14)を0.4g得た(収率45%)。
融点 90−92℃
元素分析C181612412として
計算値:C、49.20;H、3.67;N、12.75(%)
実測値:C、49.12;H、3.58;N、12.62(%)
15) 化合物(15)の合成
合成例2)と同様にして、化合物(14)0.16gとプロピオン酸クロライド0.08gより目的物(15)を粉状物として0.12g得た(収率55%)。
このものは、分離困難なアシル化の位置の異なる生成物の混合であった。
16) 化合物(16)の合成
5,6−ジクロロ−2−メルカプトベンゾイミダゾール0.66gとジエチレングリコールジ−p−トシラート0.65gをアセトニトリル8mlに懸濁させ、窒素気流下で28時間加熱還流した。冷却後、水を加えて沈澱物を溶解した後に2N:NaOHで中和した。析出した結晶を濾集し、メタノール−アセトニトリル(1:5)より再結晶して目的物(14)を0.64g得た(収率84%)。
融点 208−211℃
元素分析C181414412として
計算値:C、42.53;H、2.78;N、11.03(%)
実測値:C、42.36;H、2.61;N、11.24(%)
17) 化合物(17)の合成
合成例2)と同様にして、化合物(16)0.20gとプロピオン酸クロライド0.08gより目的物(15)を0.15g得た(収率67%)。
融点 134−136℃
元素分析C242214432として
計算値:C、46.46;H、3.57;N、9.03(%)
実測値:C、46.31;H、3.62;N、9.17(%)
18) 化合物(18)の合成
5−ニトロ−2−メルカプトベンゾイミダゾール0.82gとジエチレングリコールジ−p−トシラート1.1gをアセトニトリル15mlに懸濁させ、窒素気流下で22時間加熱還流した。冷却後、水を加えて沈澱物を溶解した後に2N:NaOHで中和した。析出した結晶を濾集し、アセトニトリル洗浄して目的物(14)を0.44g得た(収率58%)。
融点 129−133℃
元素分析C1816652として
計算値:C、46.95;H、3.50;N、18.25(%)
実測値:C、46.79;H、3.41;N、18.44(%)
19) 化合物例(19)の合成
合成例1)と同様にして、2−メルカプトベンゾイミダゾール3.0gとトリエチレングリコールジ−p−トシラート4.4gより化合物(19)を2.4g得た(収率58%)。
融点 162−164℃
元素分析C2022422として
計算値:C、57.94;H、5.35;N、13.52(%)
実測値:C、57.89;H、5.43;N、13.39(%)
20) 化合物例(20)の合成
合成例2)と同様にして、化合物(19)0.41gとプロピオン酸クロライド0.2gより化合物(20)を0.34g得た(収率65%)。
融点 135−136℃
元素分析C2630442として
計算値:C、59.29;H、5.74;N、10.64(%)
実測値:C、58.18;H、5.55;N、10.71(%)
21) 化合物(21)の合成
合成例8)と同様にして、化合物(18)0.4gとプロピルブロマイド0.4gより、カラムクロマトで精製後に目的の(21)を油状物として0.4g得た(収率80%)。
22) 化合物(22)の合成
2−メルカプトベンゾイミダゾール1.5gとテトラエチレングリコールジ−p−トシラート2.5gをアセトニトリル10mlに懸濁させ、窒素気流下26時間加熱還流した。冷却後、水を加えて沈澱物を溶解した後に2N:NaOHで中和した。析出した油状物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、溶媒を減圧で留去し、残渣をカラムクロマト(シリカゲル80g、溶媒:10%酢酸エチル−クロロホルム)で精製し、目的とする(22)を1.8g得た(収率79%)。
実施例3
式IIIで表される本発明のベンゾイミダゾール誘導体を含有する抗高脂血症剤及び抗動脈硬化症剤の効果を次のようにして調べた。
薬理試験
(1)in vitroマウス腹腔マクロファージを用いた、マクロファージ泡沫化抑制作用試験
15週令ICRマウス♀(日本SLC)の頚部を切断し、放血した後、腹腔内にハンクス緩衝液(日水製薬)を注入する。腹部をもんだ後これをすみやかに回収し、1000回転・5分間遠心し、腹腔マクロファージを集める。集められた腹腔マクロファージは次にGIT培地(和光純薬工業製)に懸濁し、24穴マイクロプレートに播種する。37℃ 5%CO2条件下で2時間培養した後、培地をダルベッコ変法イーグルMEM培地(日水製薬)に変換する。さらに、37℃5%CO2条件下で16時間培養した後以下のものをこの順で添加する。
▲1▼ 被験物質−−−DMSO(和光純薬工業製)に溶解したもの
▲2▼ リポソーム
PC/PS/DCP/CHOL.=50/50/10/75(n mols)
PC:フォスファチジルコリン(フナコシ製)
PS:フォスファチジルセリン(フナコシ製)
DCP:ジセチルフォスフェイト(フナコシ製)
CHOL.:コレステロール(シグマ製)
37℃ 5%CO2条件下でさらに16時間培養した後、クロロホルムとメタノールで脂質画分を抽出する。抽出した脂質画分をイソプロピルアルコールで溶解し、酵素発色法を用いて、生成したコレステリルエステル(CE)の定量を行った。各化合物のコレステリルエステルの生成率は対照との比率で算出した。細胞毒性に関しては、顕微鏡下で細胞の形態を観察することによって行った。
結果を表2に示す。
Figure 0003721193
表1から、これら化合物は5μMにおいて細胞毒性を示さない。即ち、毒性が低く、かつ、CE生成率を顕著に抑制することが明らかである。即ち、これら化合物はマクロファージに高い毒性を示すことなく、マクロファージの泡沫化を顕著に抑制するものである。
(2)高コレステロール飼料食ラビットにおける血中脂質低下作用
体重約2Kgのニュージーランドホワイトラビット・オスを高コレステロール飼料(100g/日/匹:オリエンタル酵母社製ORC−4+0.5%コレステロール+0.5%オリーブ油)にて7日間飼育し、高コレステロール血症とした。
引き続き同量の高コレステロール飼料で飼育すると共に、1群3羽(試験群)に被験化合物(2)30mg/kg/日/匹を飼料に混ぜて14日間連続投与した。一方、同ラビット1群3羽を同量の高コレステロール飼料のみで飼育し対照群とした。
14日間連続投与後1日間絶食し、耳下静脈より少量採血し、血中総コレステロール量を測定した(イアトリポTC:ヤトロン社製使用)。
血中総コレステロール低下率は、薬剤を投与しない対照(3羽)との比率で表して25%であった。
このように、被験化合物(2)は、優れた血中コレステロール降下作用を有することが明かになった。
(3)急性毒性試験
化合物(2)を0.5%ツイーン80溶液に懸濁し、8週令ddyマウス一群6匹に経口投与し、1カ月間急性毒性を観察した。その結果当該化合物のLD50値は、5000mg/kg以上であった。これは、本発明の化合物が低毒性である事を示している。
実施例4
表−2記載の化合物の薬理効果を実施例3と同じ方法により求めた。
Figure 0003721193
Figure 0003721193
表−2の結果から、これら化合物は5μMにおいて細胞毒性を示さないことがわかる。即ち、毒性が低く、かつ、CE生成率を顕著に抑制することが明らかである。即ち、これら化合物はマクロファージに高い毒性を示すことなく、マクロファージの泡沫化を顕著に抑制するものである。
(ii)急性毒性試験
化合物I−7を0.5%ツイーン80溶液に懸濁し、8週令ddyマウス一群6匹に経口投与し、1カ月間急性毒性を観察した。その結果当該化合物のLD50値は、5000mg/kg以上であった。これは、本発明の化合物が低毒性である事を示している。
実施例5 錠剤
化合物(1)又はI−7を25mg含有する錠剤の調製
Figure 0003721193
上記の処方に従って▲1▼〜▲6▼を均一に混合し、打錠機にて圧縮成型して一錠250mgの錠剤をえた。この錠剤一錠には、化合物(1)又はI−7が25mg含有されており、成人1日5〜30錠を数回に分けて服用する。
実施例6 カプセル剤
化合物(1)又はI−7を40mg含有するカプセル剤の調製
Figure 0003721193
上記の処方に従って▲1▼〜▲3▼を均一に混合し、その200mgをカプセルに充填してカプセル剤を得た。このカプセル剤には1カプセル当たり化合物(1)又はI−7が40mg含まれており、成人1日1〜20カプセルを数回に分けて服用する。
実施例7 顆粒剤
1g中に化合物(1)又はI−7を100mg含有する顆粒剤の調製
Figure 0003721193
上記の処方にしたがって▲1▼〜▲3▼を均一に混合し、練合した後、押し出し造粒機により造粒後、乾燥して顆粒剤をえた。この顆粒剤1gには化合物(1)又はI−7が100mg含有されており、成人1日1〜8gを数回にわけて服用する。

Claims (9)

  1. 式III又はIVで示される2−メルカプトベンゾイミダゾール誘導体又はその塩、及び希釈剤及び/又は賦形剤を含有する抗高脂血症剤又は抗動脈硬化症剤。
    Figure 0003721193
    〔式中R3およびR4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルバモイル、スルファモイル、アシルアミノ、スルフォニルアミノ、シアノ、ニトロの各基を表わし;
    7及びR8は、それぞれ水素原子、アルキル基又はアルキルカルボニル基を表し;
    9及びR10は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基又はアルキル基を表し;
    50およびR60はそれぞれ水素、アルキル基、アシル基を表し;
    3、n4、n5およびn6はそれぞれ1または2を表わし;
    mは1、2または3を表わし;
    2はアルキレン基またはフェニレン基を含むアルキレン基よりなる連結基を表わす。〕
  2. 式IIIの化合物が、式III−aで表わされる化合物である請求項1記載の抗高脂血症剤又は抗動脈硬化症剤。
    Figure 0003721193
    〔式中、R7及びR8は前述と同じ定義であり、R71及びR72はそれぞれ前述のR9と同義であり、R73及びR74はそれぞれ前述のR10と同義である。〕
  3. 式III−aにおいて、R7及びR8の両方が水素原子であるか、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数1〜8のアルキルカルボニル基であり、R71、R72、R73及びR74が水素、mが1である請求項2記載の抗高脂血症剤又は抗動脈硬化症剤。
  4. 式III−aにおいて、R7及びR8の両方が炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数1〜8のアルキルカルボニル基であり、R71とR72の一方又は両方が炭素数1〜8のアルキル基又はハロゲン原子、R73とR74の一方又は両方が炭素数1〜8のアルキル基又はハロゲン原子であり、mが1である請求項2記載の抗高脂血症剤又は抗動脈硬化症剤。
  5. 式III−aにおいて、R7及びR8の両方が水素原子であり、R71とR72の一方又は両方がハロゲン原子又はニトロ基であり、R73とR74の一方又は両方がハロゲン原子又はニトロ基であり、mが1である請求項2記載の抗高脂血症剤又は抗動脈硬化症剤。
  6. 式III−aにおいて、R7及びR8の両方が水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、R71、R72、R73及びR74が水素であり、mが2又は3である請求項2記載の抗高脂血症剤又は抗動脈硬化症剤。
  7. 式IVで表される化合物が、式IV−aで表される化合物である請求項1記載の抗高脂血症剤又は抗動脈硬化症剤。
    Figure 0003721193
    〔式中L2、R50およびR60は前述と同じ定義であり、R31およびR32はそれぞれ前述のR3と同義であり、R41およびR42はそれぞれ前述のR4と同義である。〕
  8. 式IV−aにおいて、R3132、R4142、R50及びR60のすべてが水素であり、L2が炭素数4〜10のアルキレン基又はアルキレン−フェニレン−アルキレン基(ここでアルキレンは炭素数1〜2)である請求項7記載の抗高脂血症剤又は抗動脈硬化症剤。
  9. 式IV−aにおいて、R3132及びR4142がハロゲンであり、R50とR60が水素である請求項7記載の抗高脂血症剤又は抗動脈硬化症剤。
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