JP3720605B2 - 包装装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は物品をフィルムを用いて包装する包装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
伸長し得る合成樹脂(例えば軟質塩化ビニール)からなるフィルムを用いて例えば商品を入れたトレイ(物品)を包装する包装装置は、ロール状に巻かれたフィルムを引出し、その引出し部を物品を入れたトレイに対してフィルム幅方向両側に引っ張って長手方向両側と合わせて夫々トレイの底部外面に折込み、包装したフィルムの繰出し部をカッタで切断して、折込んだ部分を加熱して密着させて包装するものである。
【0003】
ところで、この包装装置では、ロールから引出したフィルムをトレイまで到達する前に、図18および図19に示すようにフィルムFの一部を幅方向に折畳み、この折畳み部Faをフィルム長さ方向に連続して形成する折畳み機構が設けられている。
【0004】
この折畳み機構は次に述べる理由により設けられている。フィルムはトレイの幅より広い幅を有しており、トレイにはその幅方向および長さ方向に引き伸ばしつつ上側から被せて下面で折り返して溶着されている。トレイを包装したフィルムの最後の部分と、この最後の部分に連続してこれらからの包装に使用される未使用のフィルムの部分とをカッタで切断する時に、フィルムの最後の部分がトレイの幅より広いと、この最後の部分をトレイの幅より狭くする処理を行う必要が生じる。トレイの包装を終える都度にこの処理を施すためには大変複雑な機構を設ける必要があり、またその処理の時間を特別に取らなければならない。
【0005】
そこで、前記折畳み機構により、フィルムをトレイの包装に供する前に予め図18および図19に示すようにフィルムFにその幅方向に折畳む折畳み部Faを形成して、フィルムFの幅をトレイの幅に相当する大きさまで小さくして前記問題の発生を回避するようにしている。
【0006】
なお、この折畳み部はフィルムでトレイを包装する場合には不要であり、フィルムの包装使用部分を未使用部分から切断する時に必要となる。このため、フィルムでトレイを包装するために引伸ばす時には折畳み部も他の部分と同様に均一に伸張して展開している。
【0007】
折畳み機構は、図19に示すようにフィルムFをその幅方向に折畳む折畳み部Faを長さ方向に連続して形成する中央折畳み板1および両側折畳み板2を有しており、さらに図18に示すようにフィルム幅方向に移動して折畳み時の全体幅を調整する左右両側一対の調整ローラ3と、この一対の調整ローラ3の上側に位置してフィルムFを押えて蛇行を調整する押えローラ4を有している。一対の調整ローラ3はフィルムFの幅方向両側の縁部を受けてこの縁部を押えローラ4とともに挟持する。一対の両側折畳み板2と一対の調整ローラ3は一体にフィルム幅方向に沿って移動するもので、一対の両側折畳み板2は折畳み時のフィルム折畳み部寸法を調整し、一対の調整ローラ3は折畳み時のフィルムの全体幅を調整する。
【0008】
そして、ロールから引出されたフィルムFは中央折畳み板1および両側折畳み板2の間を通過し、さらに一対の調整ローラ3と押えローラ4との間を通過する。一対の両側折畳み板2と一対の調整ローラ3をトレーの大きさに合わせてフィルム幅方向に沿って移動させて、トレイの大きさ、言い換えればトレーの大きさに応じたフィルムの包装寸法に合わせた折畳み時のフィルム折畳み部寸法およびフィルムFの全体幅を調整する。
【0009】
すなわち、一対の両側折畳み板2は中央折畳み板1と組合せてフィルムFの幅方向の一部を折畳み、一対の調整ローラ3はフィルムFを押えローラ4とで挟みつつフィルム幅方向に沿って移動することによりフィルムFの縁部を摩擦によりフィルム幅方向に沿って移動させて全体幅を調整する。これによりフィルムFは中央折畳み板1および一対の両側折畳み板2により折畳み部Faが長さ方向に連続して形成され、さらにフィルムFは押えローラ4と調整ローラ3との間を通って折畳み部Faを維持しつつ移動される。そして、フィルムFはフロントグリッパに掴まれてトレイを覆う箇所まで引かれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の包装装置においては次に述べる問題がある。
従来、折畳み機構に設ける調整ローラは金属からなるローラ基体の外周面にニトリルゴムを焼き付けて構成され、ニトリルゴムの表面でフィルムに接触するようになっている。しかし、この従来の調整ローラ4でフィルムFを押えローラ1に押え調整ローラ3をフィルム幅方向に沿って移動することによりフィルムFの縁部を摩擦により移動させて全体幅を調整する場合に、調整ローラ3がフィルムFに対して滑りを起こしてフィルムFが調整ローラ3に追従して移動できず、この結果フィルムFがトレイに応じた所定の全体幅に調整することができない事態がしばしば生じている。このように従来の調整ローラ3はフィルム幅を調整する作業を行う上でフィルムとの密着性に限界があり、フィルムに対して滑る事態を発生させている。このため、フィルムFをトレイの大きさに合わせた包装寸法に応じた所定の幅寸法を得ることができず、トレイをその大きさに合わせた過不足ない良好な包装を行うことができなくなる。
【0011】
例えばトレイの寸法が大きく、一対の調整ローラ3をフイルム幅方向外側へ向けて間隔を広げる向きに移動する場合、一対の調整ローラ3が滑ってフィルムAの両側縁部が一対の調整ローラ3に追従して外側へ向けて移動しない場合がある。この場合は、包装に際してフロントグリッパがフィルムの先端を掴んで包装位置まで引出そうとする場合にフロントグリッパにおけるフィルムの掴み幅が充分でなく、次にサイドグリッパがフィルムを掴んで引伸ばす場合にサイドグリッパにおけるフィルムにおける掴み代が不足になる。このため、フィルムFを引伸ばす時にフィルムがグリッパから抜けたり、あるいはフィルムが破れたりして、フィルムによりトレイを必要な形態で包装できない部分が生じる。これによって包装物の外観を悪くしたり、また商品が汁分を含むものである場合にはその汁分が包装の不十分な部分から染み出して他の商品や人の手に付着して衛生上および商品価値上問題を生じている、
また、従来の調整ローラは金属からなるローラ基体の外周面にニトリルゴムを焼き付けて構成しており、ニトリルゴムをローラ基体から剥がすことはできない。このため、ローラ表面の摩耗や汚れにより調整ローラを交換する必要が生じた時には、ローラ基体とニトリルゴムの両方、すなわち調整ローラ全体を交換する必要があるために経済性が悪いという問題がある。
【0012】
このように従来における包装装置は信頼性の面で問題があった。
【0013】
本発明は、包装前にフィルムに折畳み部を形成する機構にフィルム幅を調整するために設ける調整ローラのフィルムに対する密着性を高めて良好な包装を行えて信頼性に優れた包装装置を提供することを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の包装装置は、ロール状態に巻回された合成樹脂からなるフィルムを引出して物品を包装する機構と、ロール状態から引出されたフィルムが前記物品を包装する前の段階で前記フィルムの幅方向の一部を折畳む折畳み部を長さ方向に連続して形成する折畳み機構とを備え、この折畳み機構は、前記フィルムの幅方向の一部を折畳む折畳み部材と、折畳み時の前記フィルムの全体幅を調整する調整ローラとを具備し、この調整ローラは前記フィルムと接触する外周部がアルミニウム箔テープを巻き付けて接着したものであることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、フィルムと接触する外周部にアルミニウム箔テープを用いた調整ローラはニトリルゴムを用いた調整ローラに比較してフィルムとの密着性が良好で、折畳みに際してフィルムの全体幅を調整するために移動する時にフィルムが確実に追従して移動して必要とするフィルム幅を調整できる。そして、アルミニウム箔テープは剥し取ることができるために、アルミニウム箔テープを容易に交換することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の第1参考例について図面を参照して説明する。
【0030】
この第1参考例は商品を入れたトレイを包装する包装装置を対象にしている。この実施の形態の包装装置の全体の概略的な構成について説明する。図1は包装装置の外観を示す斜視図、図2は図3の矢印方向から見た断面図、図3は搬入、搬出および包装機構を示す平面図、図4は包装機構を示す平面図、図5は搬出機構を示す平面図、図6は搬出機構を示す断面図、図7は折畳み機構を示す平面図、図8は折畳み機構に設ける調整ローラおよび押えローラを示す断面図、図9は調整ローラを示す断面図である。
【0031】
図1において21は本体フレームで、この本体フレーム21には搬入口12が設けられている。本体フレーム21には搬入ベルトコンベア22がその一部を搬入口21aを介して本体フレーム21外部へ突出して設けてある。この搬入ベルトコンベア22は、商品を入れたトレイAを載せて本体フレーム21の搬入口21aを介して内部へ搬入するものである。搬入ベルトコンベア22は、一対のフレームに設けられた一対のプーリ11(図3に一方のプーリ11のみを示している。)により平行に並ぶ複数の無端ベルト12を支持したもので、本体フレーム21に設けた図示しない回転駆動装置によりプーリ11を回転し、このプーリ11の回転により無端ベルト12を回転するようになっている。本発明では搬入ベルトコンベア22によって搬入機構Zを構成している。
【0032】
本体フレーム21には搬入ベルトコンベア22に対して直角な方向に沿って搬出ベルトコンベア23が設けられている。すなわち、搬入ベルトコンベア22のトレイ排出側端部に対して搬出ベルトコンベア23は直角な方向で且つ上側に位置して設けられる。
【0033】
搬出ベルトコンベア23は本体フレーム21の内部において包装されたトレイAを本体フレーム21の外部に搬出するものである。搬出ベルトコンベア23は、対向配置されたフレーム31に設けた一対のプーリ32で無端ベルト33を支持したもので、この無端ベルト33で囲まれる領域には図5に示すように電気ヒータ34を配置している。
【0034】
搬出ベルトコンベア23は本体フレーム21の内部と外部にわたって配置されており、図3に示すように本体フレーム21に設けた回転駆動機構37によりプーリ32が回転され、このプーリ32の回転により無端ベルト33が回転されるようになっている。なお、フレーム31は本体フレーム21の内部に向けて延長され、この延長部の先端には後述する動作を行う折返しローラ35が設けられ、さらに延長部には複数の搬出ローラ36が設けられている。折り返しローラ35および搬出ローラ36は回転駆動機構37から回転を伝達されて回転される。本発明では搬出ベルトコンベア23、折返しローラ35および搬出ローラ36で搬出機構Yを構成している。
【0035】
本体フレーム21における搬出ベルトコンベア23の下側には、図2に示すように透明で伸張し得る柔軟な塩化ビニールなどの合成樹脂からなるフィルムFが巻回されたリール41と、このリール41から引出されたフィルムFを導き支持するテンションローラ42と、折り返しローラ35に対して接離可能に設けられたグリップローラ43が設けられている。また、図16(g)に示すように折り返しローラ35の近傍にカッタ45が設けてある。
【0036】
また、テンションローラ42とグリップローラ43との間には図2および図12に示すように折畳み機構44が設けてあり、この折畳み機構44はリール41から引出されたフィルムFに対して図18および図19に示すように幅方向に間隔を存した位置に幅方向に折畳む一対の折畳み部Faを長さ方向に連続して幅方向の一部を折畳むものである。この折畳み機構44は前述した従来の技術の項で述べた理由により設けるものである。折畳み機構44により、フィルムFをトレイAの包装に供する前に予めフィルムFの移動を利用して長さ方向に連続する幅方向の折畳み部を形成して、フィルムFの幅をトレイAの幅に相当する大きさまで小さくしている。この折畳み機構44の構成については後述する。
【0037】
リール41、テンションローラ42、グリップローラ43、折畳み機構44およびカッタ45をもってフィルム供給機構Xを構成している。
【0038】
さらに、本体フレーム21の内部には、図2ないし図4に示すようにグリップローラ43を通過したフィルムFの長さ方向前端縁を掴んでフィルムFを引き伸ばすフロントグリッパ51が設けてあり、フィルムFの幅方向両側縁を掴んでフィルムFを引き伸ばす一対のサイドグリッパ52、53が設けてある。
【0039】
フロントグリッパ51はスライダ51aにより搬入ベルトコンベア22のトレイ排出側端部の上側において搬出ベルトコンベア23のトレイ搬入側端部に設けたグリップローラ43に対して接近離間する方向に移動されるようになっている。一対のサイドグリッパ52、53は搬入ベルトコンベア21のトレイ排出側端部の上側においてフロントグリッパ51の移動通路を挟んで対向して設けられ、互いに接近する向きに移動されるとともに互いに離間する向きに移動されるようになっている。
【0040】
図2および図3に示すように搬入ベルトコンベア22のトレイ排出側端部の下側には、搬入ベルトコンベア21で搬入されてきたトレイAを搬出ベルトコンベア23のトレイ搬入側端部高さ位置まで上昇させるリフタ54が設けてある。
【0041】
このリフタ54は、ブラケット54aと,このブラケット54aに支持されて搬入ベルトコンベア22における無端ベルトの間を通過して昇降可能な多数の支持体54bと、ブラケット54aを昇降させる昇降機構(図示せず)を有している。多数の支持体54bのうち一部を除くものは搬入ベルトコンベア長さ方向に沿い起立倒伏する方向へ回動可能でばねにより自立状態に保持されるようになっている。このリフタ54は、支持体54bの上端が搬入ベルトコンベア22の無端ベルト13より低い下降位置と、トレイAを搬出ベルトコンベア23の無端ベルト33上までに上昇させる上昇位置との間をブラケット54aを昇降させるものである。本発明では、フロントグリッパ51、サイドグリッパ52、53およびリフタ54をもって包装機構Wを構成している。
【0042】
なお、本体フレーム21には図1に示すように本体フレーム21、搬入ベルトコンベア21および搬出ベルトコンベア23を上側から覆うカバー24が設けられている。ここで、本体フレーム21とカバー24とで装置本体Hが構成されている。
【0043】
このような構成の包装装置においてフィルムFによりトレイAを包装する手順について図16および図17を参照して説明する。図16はフィルムFをその長手方向からトレイAを包装する手順を示し、図17はフィルムFをその幅方向からトレイAを包装する手順を示している。
【0044】
まず、図16(a)に示されるように搬入ベルトコンベア22には食品などの商品Bが予め収納されたトレイAが載せられ、このトレイAは搬入ベルトコンベア22の回転により本体フレーム21の内部に搬入される。各グリッパは初期位置に停止する。
【0045】
トレイAは発泡ポリスチレンなどの軽量な材料で平面形状が四角形状に形成されている。これと同時に搬出ベルトコンベア23の下方に設けられたフィルムFが巻かれたリール41から引出されたフィルムFは、テンションローラ42に支持されて折畳み機構44を通過して折返しローラ35の直下に引出される。なお、フィルムFは折畳み機構44によって幅方向の一部が長さ方向に連続して折り畳まれる。
【0046】
図16(b)に示されるようにグリップローラ43が折返しローラ35から離れた初期位置からフロントグリッパ51が搬出ベルトコンベア23に近寄ってフィルムFの引出し端を掴む。
【0047】
次に、図16(c)に示されるようにトレイAの長さに応じてフロントグリッパ51が戻されてフィルムFが引出される。これに先立ちグリップローラ43が折返しローラ35との間にフィルムFの引出し部を挟むので、これらローラ35、43の抵抗に応じて引出し部は適当な張りをもって引出される。
【0048】
また、この状態でフィルムFの引出し部とサイドグリッパ52、53との関係は図17(a)に示されており、サイドグリッパ52、53は引出し部の両側縁から離された初期位置に配置されている。
【0049】
この後、図17(b)に示されるようにサイドグリッパ52、53は、初期位置から互いに近付く方向に夫々移動してフィルムFの引出し部の両側縁を夫々別々に掴んでから、図17(c)に示されるように互いに遠ざかる方向にトレイAの幅に応じて移動される。それによりフィルムFの引出し部が幅方向両側から引っ張られて予備伸張される。図6はトレイAの上側において各グリッパ51〜53がフィルムFを長さ方向および幅方向に伸張している状態を示している。
【0050】
次に、図16(d)および図17(d)に夫々示されるようにリフター54のブラケット54aが上昇動作されて、ブラケット54aに設けた多数の支持体54bが予備伸張されたフィルムFの引出し部をさらに伸張させながらトレイAを押し上げる。なお、リフタ54の支持体54bは搬入ベルトコンベア22の各無端ベルト12の間を通って昇降動作される。
【0051】
次に、図17(e)に示されるようにサイドグリッパ52、53が、互いに近付く方向に移動されて夫々トレイAの平らな底部B1の外面に接するように入り込み、これらが掴んだ引出し部の両側縁を夫々トレイAの底部の外面に沿って折り込んでから、サイドグリッパ52、53は開かれて初期位置に戻される。以上のようにしてフィルムFの引出し部が、トレイAの幅方向両側から、トレイAの底部の外面に折込まれる。この折り込みが完了した状態は図17(f)に示されている。
【0052】
なお、この折込み動作に伴って、サイドグリッパ52、53と干渉するリフタ54の一部は、サイドグリッパ52、53に押されて倒れるとともに、初期位置へのサイドグリッパ52、53の復帰に伴いばねの力で起立される。
【0053】
次に、図16(e)に示されるようにスライダ51aが折返しローラ35に向けて移動してフロントグリッパ51が再び搬出ベルトコンベア23に近付けられるから、まず、このフロントグリッパ51がトレイAの底部の外面に接するように入り込み、これが掴んだフィルムFの引出し部がトレイAの底部の外面に沿って折込まれる。これに引き続くスライダ51aの移動に伴い、トレイAが押されて折返しローラ35および搬出ローラ36上に乗り上がるように移動される。
【0054】
そうすると、図16(f)に示されるように引出されているフィルムFは折返しローラ35および搬出ローラ36に巻き付くように引出し方向が反転されて各ローラ35、36とトレイAの底面との間に導入される。搬出ベルトコンベア23の搬出動作でトレイAが搬出されるに伴い、フィルムFが引出されながらトレイAの底面に沿って折り込まれる。
【0055】
以上のようにしてストレッチフィルムFの引出し部が、トレイAの長手方向両側から、トレイAの底部の外面に折り込まれる。
【0056】
最後に図16(g)に示されるようにカッタ45が動作されて、フィルムFの引出し部がトレイAの下側において切断される。切断されたフィルムFの引出し部の端は折返しローラ35によってトレイAの底面に導かれる。それによってトレイAの包装が完了される。
【0057】
こうして包装されたトレイAは、図16(h)に示されるように折返しローラ35および搬出ローラ36により搬出ベルトコンベア23は搬送され、さらに回転する搬出ベルトコンベア23の無端ベルト33により搬出される。この際、トレイAを包装するフィルムFは搬出ベルトコンベア23に設けたヒータ34より下側から加熱される。それによりトレイAの底部の外面において互いに重なり合ったフィルムFは密着されてトレイAにおける包装状態が崩れることを防止できる。
【0058】
次に、フィルム供給機構Xに設ける折畳み機構44の構成について図6ないし図9を参照して説明する。
【0059】
折畳み機構44は図6に示されるように搬出ベルトコンベア23、折返しローラ35および搬出ローラ36の下側に設けられている。図6および図7は折畳み機構44の全体を示している。図6および図7において61は折畳み機構44の機構フレームで,これは本体フレーム21に装着されている。62は中央部折畳み板(折畳み部材)で、この中央部折畳み板62はフィルム幅方向中心線上に位置してフィルム長さ方向(フィルム移動方向)に沿って配置されて機構フレーム61に固定されている。
【0060】
63、64は一対の側部折畳み板(折畳み部材)で、これら側部折畳み板63、64は中央部折畳み板62の下側の左右両側にフィルム長さ方向に沿って配置されて、機構フレーム61に設けた支持棒65によりフィルム幅方向に沿って移動自在に支持されている。すなわち、側部折畳み板63、64は中央部折畳み板62に対してフィルムFに一対の折畳み部Faを形成するように上下側で適当な隙間を存して互いに重なり合う部分を有している。そして、一対の側部折畳み板63、64は次に述べる構成によりフィルム幅方向に沿って移動されるようになっている。
【0061】
図7において66は中央部折畳み板62に対して一側に位置して機構フレーム61に設けられた回転を得るための電動機、67はフィルム幅方向に沿って機構フレーム61に回転および移動自在に支持され電動機66により回転される送りねじである。68、69は一対の側部移動体で、これら側部移動体68、69は一対の側部折畳み板63、64の左右両側にフィルム長さ方向(フィルム移動方向)に沿って配置されて前記の支持棒65にフィルム幅方向に沿って移動自在に支持されている。一方の側部移動体68は送りねじ67および側部折畳み板63に連結され、他方の側部移動体69は側部折畳み板64に連結されている。70は側部移動体68と側部右移動体69との間に配置された複数のリンク部材を組合せてなる平行リンクで、この平行リンク70を構成するリンク部材の一部は側部移動体68および側部移動体69に夫々連結されている。
【0062】
すなわち、電動機66の駆動回転により送りねじ67を回転すると、送りねじ67はフィルム幅方向に沿って移動する。送りねじ67の移動に伴い側部移動体68が移動して、これと一体に側部折畳み板63がフィルム幅方向に沿って移動し、また側部移動体6の移動によって平行リンク70を介して側部移動体69が移動してこれと一体に側部折畳み板64がフィルム幅方向に沿って移動する。そして、電動機66に回転方向により一対の側部折畳み板63、64が互い接近するように内向きに平行移動し、あるいは互いに離間するように外向きに平行移動する。
【0063】
図7および図8において71、72は外周面部がゴムにより形成された一対の調整ローラで、これは前記折畳み板62〜64に対してフィルム移動方向下流側の箇所にフィルムFの左右両側の縁に対向して配置されている。すなわち、一対の側部移動体68、69の内側に位置して配置された一対の側部移動体73、74は夫々支持棒65にフィルム幅方向移動自在に支持されており、これら一対の側部移動体73、74には一対の調整ローラ71、72がフィルム幅方向に沿って回転自在に支持されている。そして、これら一対の側部移動体73、74は側部折畳み板63、64に連結されている。このため、一対の調整ローラ71、72および一対の側部移動体73、74は側部折畳み板63、64がフィルム幅方向に沿って互いに接近する方向および離間する方向に移動する時に夫々一体に同じ方向へ移動する。なお、一対の側部移動体73、74には平行リンク70を構成するリンク部材の他の部分が連結されている。
【0064】
この第1参考例では一対の調整ローラ71、72は図9に示すように構成されている。図中91は金属により形成された両端開放の円筒体からなるローラ基体を示し、これは両端に夫々軸受92が装着されている。一対の調整ローラ71、72の両端に装着した軸受92は側部移動体73、74に水平に取付けたローラ軸93に保持されており、ローラ基体91は水平なローラ軸93に回転自在に保持される。なお、ローラ軸93の先端に取付けた抜止めリング94により軸受92を押えてローラ基体91が抜け出ることを阻止している。ローラ基体91の外周部における基端(側部移動体73、74側の端)には周方向全体にわたり突条95が形成され、ローラ基体91の外周部における先端(側部移動体73、74とは反対側の端)には周方向全体にわたり突条95より小径の突条96が形成されている。97は両端開放の円筒体からなるローラで、これはローラ基体91の外径に対応する内径と突条95より大きい外径を有するとともに、ローラ基体91の両端の突条95、96の間隔に対応した軸方向長さを有している。ローラ97は、ニトリルゴムに比較して塩化ビニールなどからなるフィルムに対する密着性に優れ、且つ弾性を有する材料であるウレタンゴム(ポリウレタンゴム)により形成されている。ウレタンゴムには、ポリエステル系のものとポリエーテル系のものがあるが、特にポリエステル系ウレタンゴムが密着性に優れている。この第1参考例ではローラ97をポリエステル系ウレタンゴムにより形成する。
【0065】
ポリエステル系ウレタンゴムは、硬度の違いにより可塑剤含有フィルムとの密着性が大きく変化する。図15は低温環境(温度5℃、湿度50%)における各材料からなるシートの摩擦力試験の結果を示す線図であり、縦軸に摩擦力(g)をとり、横軸に材料名をとっている。シートを形成する材料としては、硬度50°のウレタンゴム、硬度60°のウレタンゴム、硬度70°のウレタンゴムおよび硬度90°のウレタンゴムと、ニトリルゴム、アルミニウムテープである。
【0066】
摩擦力試験の方法は図14に示す通りである。すなわち、金属板ベース131に素材試料(幅40mm×長さ25mm×厚さtmm)132を両面接着テープで貼付け固定し、この素材試料132の上面に可塑剤含有ポリ塩化ビニールフィルム(幅40mm×長さ約140mm)Pを載せ、さらに天板133に両面接着テープで貼付け固定した素材試料132と同じ素材試料134をフィルムPの上側に載せ、さらに天板133上に錘(200g)135を載せる。この状態でフィルムPをテンションゲージ(1000g計)136により水平方向へ引き、その時の数値を摩擦力とした。この図14によれば、材料がウレタンゴムの場合、硬度が低いものほど摩擦力が大きくフィルムとの密着性が高いことが判る。なお、この説明はポリエステル系ウレタンゴムを対象したものであるが、ポリエーテル系のウレタンゴムについても同様に硬度が低いものほどフィルムとの密着性が高くなる。また、ローラ97の弾性は、一対の調整ローラ71、72が金属からなる抑えローラ75と接触するために利用する。
【0067】
そして、ポリエステル系ウレタンゴムからなるローラ97はローラ基体91の外周部における両端の突条95、96に挟まれた部分に嵌合保持されている。すなわち、弾性を有するポリエステル系ウレタンゴムからなるローラ97は元の形状から直径方向に広げるようにして弾性変形させてローラ基体91の外周部に嵌合し、再び弾性により元の形状に戻すことによりローラ基体91の外周部に保持される。ローラ基体91の外周部基端にある突条95は位置決め用としてローラ97の一端を押え、ローラ基体91の外周部先端にある突条96は抜止め用としてローラ97の他端を押えている。これによりローラ97はローラ基体91の外周部に着脱可能に保持固定される。
【0068】
図6および図8において75は押えローラで、これはフィルムFに適度な圧力を加えてフィルムFの移動時の蛇行を防止するものであり、前記折畳み板62〜64に対してフィルム移動方向下流側の箇所においてフィルム幅方向に沿って配置されている。すなわち、押えローラ75は金属からなる中空円筒形のローラ76と、このローラ76の内部で挿入された一対の軸受77と、ローラ76の内部を貫通して配置され一対の軸受77に支持されたローラ軸78とで構成されている。ローラ76はフィルムFの最大幅より大きい長さを有している。
【0069】
そして、押えローラ75は一対の調整ローラ71、72の上側に位置してフィルム幅方向に沿って配置されており、押えローラ75の両端部が一対の調整ローラ71、72と接触するようになっている。押えローラ75のローラ軸78の両端部は図8に示すように搬出ベルトコンベア23のフレーム31に上下方向(直径方向)に沿って変位可能に支持されている。ローラ軸78の両端部を支持するフレーム31の箇所には、夫々ローラ軸78を下向きに押圧する圧縮コイルばね80と、この圧縮コイルばね80を押えてそのばね力を調節するねじ81が設けてある。押えローラ75はローラ軸78を介して一対の圧縮コイルばね80により圧力を加えられて一対の調整ローラ71、72に接触する。すなわち、押えローラ75の両端側において各圧縮コイルばね80のばね力をねじ81により調節して変化させることにより、フィルムFの蛇行を調整することが可能である。例えば一方の端側のばねのばね力を大きくすると、ばね力を大きく下側へ向けてフィルムFが移動するのでフィルムFの芯出しを行なうことができる。なお、押えローラ75と調整ローラ71、72は外部から回転駆動力は付与されない。
【0070】
なお、図7において82は導入ローラで、これは機構フレーム61におけるフィルム入り側端部に設けられている。導入ローラ82は湾曲したローラ軸84に分割した複数のローラ83を回転自在支持している。これはフィルムFを安定して支持するものである。85はローラで、これは中央部折畳み板62におけるフィルム入り側端部に設けられている。
【0071】
このように構成された折畳み機構44の作動について述べる。
ロールから引出されたフィルムFは中央部分が中央部折畳み板62の上面側を、両側部分が一対の両側部折畳み板63、64の下面側を夫々通過し、さらに一対の調整ローラ71、72と押えローラ75との間を通過する。搬入機構Zに設けた図示しないセンサが搬入するトレイAの大きさを検出し、このトレイAの大きさに合せて前述した作動により一対の両側部折畳み板63、64と一対の調整ローラ71、72をトレイの大きさに合わせてフィルム幅方向に沿って移動させて、トレイの大きさ、言い換えれば、トレイの大きさに応じたフィルムFの包装寸法に合わせた折畳み時のフィルム折畳み部Fa(図18および図19参照)寸法およびフィルムFの所定の全体幅を調整する。トレイの寸法が大きい場合には一対の両側部折畳み板63、64と一対の調整ローラ71、72は幅方向外側へ広がる向きへ移動し、トレイAの寸法が小さい場合には一対の両側部折畳み板63、64と一対の調整ローラ71、72は幅方向内側へ閉じる向きへ移動する。すなわち、一対の両側部折畳み板63、64は中央部折畳み板62と組合せてフィルムFの幅方向の一部を折畳み、一対の調整ローラ71、72はフィルムFを押えローラ75とで挟みつつフィルム幅方向に沿って移動することによりフィルムFの縁部を摩擦によりフィルム幅方向に沿って移動させて全体幅を調整する。
【0072】
説明を加える。一対の調整ローラ71、72はフロントグリップ51がフィルムFの先端を掴んで引出す時に基準待機位置に待機していて、トレイAの大きさによるが、引出したフィルムFを一対のサイドグリップ52、53で幅方向へ引伸ばす時に同時に一対の調整ローラ71、72は基準位置から外側へ向けて移動し、次に一対のサイドグリップが引伸ばしたフィルムFをトレイAの底面側へ折込む時に一対の調整ローラ71、72は再び基準待機位置まで移動して戻る。この動作を繰返して行う。小さめのトレイの場合は一対の調整ローラ71、72は基準待機位置にあって移動しない。
【0073】
また、一対の両側部折畳み板63、64の移動量は一対の調整ローラ71、72の移動量の1/2となっている。しかし、中央部折畳み板62はフィルムFの中央にあり、一対の両側部折畳み板63、64はフィルムFの両側部が上下面に沿うように配置される。このため、フィルムFが一対の両側部折畳み板63、64の上下側で夫々1/2ずつ動くので、一対の両側部折畳み板63、64は一対の調整ローラ71、72上のフィルムFと同じ量だけ移動する。
【0074】
そして、引出されるフィルムFは中央部折畳み板62および両側部折畳み板63、64により折畳み部Faが長さ方向に連続して形成され、さらにフィルムFは押えローラ75と調整ローラ71、72との間を通って折畳み部Faを維持しつつ移動される。
【0075】
ところで、このようにして一対の調整ローラ71、72がフィルム幅方向に移動してフィルムFの全体の幅を調整する場合には、一対の調整ローラ71、72のローラ97がフィルムFを金属からなる押えローラ75の表面に押し付けながら、ローラ97とフィルムFとの間の摩擦によりフィルムFを幅方向に移動させる。ここで、一対の調整ローラ71、72は従来のニトリルゴムに比較して塩化ビニールなどからなるフィルムFに対する密着性に優れ、且つ弾性を有する材料であるポリエステル系ウレタンゴムにより形成されている。このため、一対の調整ローラ71、72、すなわちローラ97をフィルム幅方向に移動すると、フィルムFがローラ97に強固に密着してローラ97に追従して幅方向に移動する。すなわち、フィルムFの両側部は一対の調整ローラ71、72の移動距離と同等の距離をもって一対の調整ローラ71、72の移動地点まで移動する。このため、トレイAの大きさに合せてフィルムFの全体幅を調整するために所定距離移動すると、フィルムFの両側部も密着して一体に移動して所定の幅の位置に移動し、フィルムFの全体幅がトレイAの大きさに合せた所定の大きさに調整される。従って、フィルムFをトレイAの大きさに合わせた包装寸法に応じた所定の幅寸法に調整し、トレイをその大きさに合わせた過不足ない良好な包装を行うことができる。
【0076】
例えば、トレイの寸法が大きく一対の調整ローラ71、72をフイルム幅方向外側へ向けて間隔を広げる向きに移動する場合、一対の調整ローラ71、72が滑ってフィルムAの両側縁部が一対の調整ローラ71、72に追従して外側へ向けて移動する。このため、包装に際してフロントグリッパがフィルムの先端を掴んで包装位置まで引出そうとする場合にフロントグリッパにおけるフィルムの掴み幅が充分であり、次にサイドグリッパがフィルムを充分な掴み代で掴んで引伸ばすことができる。従って、フィルムFによりトレイAを良好に包装して、包装物の外観を悪くしたり、また商品に含まれる汁分が包装の不十分な部分から染み出すという事態の発生を防止できる。
【0077】
そして、この第1参考例の調整ローラ71、72を用いた場合にはフィルムFのスリップが全く発生しなかった。
【0078】
また、一対の調整ローラ71、72におけるローラ97の表面の摩耗や汚れにより交換する必要が生じた場合、古いローラ97をローラ基体91から外し、新しいローラ97をローラ基体91に嵌合することにより簡素な作業により容易に交換することができる。そして、このローラ97に交換に際してはローラ97のみを交換すれば良く、ローラ基体91をローラ軸93から取り外したり交換する必要がないために交換作業の手数がかからないとともに大変経済的である。
【0079】
図10は本発明の一実施の形態のトレイ包装装置が備える一対の調整ローラ71、72を示している。図10において図9と同じ部分は同じ符号を付して示している。この実施の形態では、一対の調整ローラ71、72においてローラ基体91の外周部には、後述するアルミニウム箔テープ101を巻き付けるためのローラとして、例えば円筒体をなす弾性ローラ102が弾性を利用して嵌合固定されている。弾性ローラ102は弾性材料により形成されており、これは一対の調整ローラ71、72が金属からなる押えローラ75と接触する。弾性ローラ102の外周面にはアルミニウム箔テープ101が巻き付けて接着してある。すなわち、アルミニウム箔テープ101は所定幅を有するもので、両面接着テープを用いて弾性ローラ102の外周面に巻き付けて接着固定している。アルミニウム箔テープ101の巻き付け回数は必要に応じて設定する。
【0080】
アルミニウム箔テープ101は従来のニトリルゴムに比較して塩化ビニールなどからなるフィルムFに対する密着性に優れている。第1参考例の場合と同様に一対の調整ローラ71、72がフィルムFの幅を調整するために幅方向へ移動すると、フィルムFが一対の調整ローラ71、72に強固に密着して追従移動する。このため、折畳み機構44でフィルムFを折畳むに際しては、フィルムFを所定の幅に設定して折畳み、良好な包装を行うことができる。アルミニウム箔テープ101は腐食防止表面処理を施して腐食による劣化を抑えて耐久性を高めている。
【0081】
そして、アルミニウム箔テープ101が摩耗、汚れあるいは剥がれなどにより交換の必要が生じた場合には、古いアルミニウム箔テープ101を弾性ローラ102の外周面から剥して、新しいアルミニウム箔テープ101を弾性ローラ102の外周面に巻き付ければ良く、ローラ基体91および弾性ローラ102を取り外したり交換する必要がないために交換作業が大変容易で経済性も大変良い。
【0082】
図11は一対の調整ローラ71、72の第2参考例を示している。図11において図9と同じ部分は同じ符号を付して示している。この第2参考例では、第1参考例に示すところのローラ基体91に嵌合固定するローラとして、フィルムFと同じ材質により形成したローラ103を採用している。ローラ103の構成およびローラ基体91に嵌合固定する構成は第1参考例に示すローラ97と同様である。ローラ103はフィルムFと同じ材質、例えば塩化ビニールにより形成されている。塩化ビニールからなるローラ103はフィルムFと同じ材質からなるためにフィルムFとの密着性が大変良好であり、弾性も有している。このため、折畳み機構44でフィルムFを折畳むに際しては、フィルムFを所定の幅に設定して折畳み、良好な包装を行うことができる。
【0083】
また、ローラ103が表面の摩耗や汚れにより交換する必要が生じた場合、古いローラ103をローラ基体91から外し、新しいローラ103をローラ基体91に嵌合することにより簡素な作業により容易に交換することができ、このローラ103に交換に際してはローラ103のみを交換すれば良く、ローラ基体91をローラ軸93から取り外したり交換する必要がないために交換作業の手数がかからないとともに大変経済的である。
【0084】
第3参考例について図12を参照して説明する。図12において図9と同じ部分は同じ符号を付して示している。
この第3参考例では、調整ローラ71、72において、第1参考例に示すところのローラ基体91の外周部に嵌合するローラとして、外周部に複数の凸部と凹部を分散して形成したローラ111を用いている。ローラ111は例えばポリエステル系ウレタンゴムにより形成された円筒体をなすもので、第1参考例と同様にローラ基体91の外周部に弾性を利用して嵌合固定されている。ローラ111の外周部には、その円周方向全体にわたり円環状の突条をなす複数個の円環状凸部112が軸方向に間隔を存して形成されており、各円環状凸部112の間は円周方向全体にわたり円環状の溝条をなす複数個の円環状凹部113となっている。各円環状凸部112はフィルムFと接触する凸部で所定の直径、幅および数を有しており、各円環状凹部113はフィルムFに接触しない凹部で、円環状凸部112より小さい直径を有している。なお、各円環状凸部112の幅と数はフィルム7との接触面積の大きさを考慮して設定する。
【0085】
この構成によれば、ローラ111の外周表面として各円環状凸部112の外周面のみがフィルムFに接触するので、ローラ111とフィルムFとの接触面積が外周面全体がフィルムFに接触する場合に比較して減少してフィルムFに対するローラ111の密着性が抑制される。これにより調整ローラ71、72によりフィルムFを移動する際に、フィルムFがローラ111から無理なく剥がれて、フィルムFがローラ111に過度に付着して剥れにくくなり破れてしまうという事態の発生を防止することができる。これにより破れたフィルムFでトレイAを包装することを回避できる。すなわち、ローラ111における密着度を適度な大きさに調節してローラ111に適切な剥離性をもたせることによりフィルムFの破損を防止して良好な包装を実現している。
【0086】
特にローラ111をフィルムFとの密着度が高い低い硬度のウレタンゴム(ポリエステル系およびポリエーテル系を問わず)により形成したもの、なかでもポリエステル系ウレタンゴムにより形成したものについては、ロールに対ししてフィルムFとの密着性を損なうことなく剥離性をもたせることができ大変有効な構成である。
【0087】
さらに説明を加える。硬度が低いウレタンゴムからなるローラ111はフィルムFとの密着度が大変高いためにフィルムFが非常に密着し追従性が良いが、反面フィルムFの一部がローラ表面に強固に付着して剥れにくくなり破れてしまう事態が発生することがある。こうなると破れたフィルムFで物品を包装することになり包装品質が低下する。概ね硬度60°前後以下の硬度のウレタンゴムでローラを形成する場合にはローラをこの第3参考例に示す構造および後述する第4参考例に示す構造にして、フィルムFとの接触面積を小さくして良好な包装を可能にしている。硬度70°前後のウレタンゴムを用いてローラを形成した場合には、第3および第4参考例に構造を採用しなくとも非常に良好な密着性を得ることができる。硬度90°前後のウレタンゴムを用いてローラを形成した場合には、低温環境(温度5℃、湿度50%)においてフィルムFとの密着性があまり良くない。
【0088】
なお、低い硬度のウレタンゴムに限らず、フィルムFとの経年変化や膨潤に対して問題がなく、且つ密着性が良すぎる他の材料、例えばフィルムFと同じ材料により形成したローラに対しても、ローラ表面に第3参考例に示す構造および後述する第4参考例に示す構造を採用して、フィルムFにとの接触面積を適切な大きさに調節することにより調整ローラとしての使用が可能である。
【0089】
第4参考例について図13を参照して説明する。図13において図9と同じ部分は同じ符号を付して示している。
この第4参考例では、調整ローラ71、72において第1参考例に示すローラ基体91の外周部に、複数のリング121をスペーサ122を介して軸方向に並べて嵌合したものである。各リング121は例えばポリエステル系ウレタンゴムにより形成された円環状をなすものであり、各スペーサ122は金属、合成樹脂、ゴムなどにより形成された円環状をなすもので、リング121より小さい直径を有している。複数のリング121は外周面がフィルムFに接触するもので、その直径と幅と数はフィルム7とに接触面積の大きさを考慮して設定する。そして、各リング121と各スペーサ122は各交互に並べてローラ基体91の外周部に嵌合されて、ローラ基体91の突条95、96により支持される。
【0090】
この構成によれば、前述した第3参考例の場合と同様に、調整ローラ71、72がフィルムFに対して接触する面積を調節して、フィルムFに対して適切な密着度合を接触するとともにフィルムFを無理なく剥離することができて良好な包装を実現している。なお、複数のリング121を形成する材質はポリエステル系ウレタンゴムに限定されず、フィルムFと同じ材料などの他の材料により形成することも可能である。
【0091】
なお、本発明は前述した実施の形態に限定されずに、種々変形して実施することができる。例えばフィルムに形成する折畳み部は2個に限定されず、1個あるいは3個以上であっても良い。包装する物品はトレイに限定されず種々のものを広く対象にすることができる。
【0092】
【発明の効果】
請求項1の発明の包装装置によれば、包装前にフィルムに折畳み部を形成する機構にフィルム幅を調整するために設ける調整ローラのフィルムに対する密着性を高めて良好な包装を行うことができ高い信頼性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1参考例における包装装置の全体を示す斜視図。
【図2】同参考例の包装装置における包装機構を示す断面図。
【図3】同参考例の包装装置における搬入機構、包装機構および搬出機構を示す平面図。
【図4】同参考例の包装装置における包装機構を示す平面図。
【図5】同参考例の包装装置における搬出機構を示す平面図。
【図6】同参考例の包装装置における搬出機構および折畳み機構を示す断面図。
【図7】同参考例の包装装置における折畳み機構を示す平面図。
【図8】同参考例の折畳み機構に設ける調整ローラおよび押えローラを示す断面図。
【図9】同参考例の折畳み機構に設ける調整ローラを拡大して示す断面図。
【図10】本発明の一実施の形態における折畳み機構に設ける調整ローラを拡大して示す断面図。
【図11】第2参考例における折畳み機構に設ける調整ローラを拡大して示す断面図。
【図12】第3参考例における折畳み機構に設ける調整ローラを拡大して示す断面図。
【図13】第4参考例における折畳み機構に設ける調整ローラを拡大して示す断面図。
【図14】各種材料の摩擦力を測定する方法を示す説明図。
【図15】各種材料の摩擦力を示す線図。
【図16】包装装置における包装行程を示す図。
【図17】包装装置における包装行程を示す図。
【図18】包装装置における折畳み機構に設ける押えローラおよび調整ローラの動作を示す図。
【図19】包装装置の折畳み機構に設ける折畳み板の動作を示す図。
【符号の説明】
21…本体フレーム、22…搬入ベルトコンベア、23…搬出ベルトコンベア、44…折畳み機構、62…中央部折畳み板、63…側部折畳み板、64…側部折畳み板、71…調整ローラ、72…調整ローラ、75…押えローラ、91…ローラ基体、92…軸受、101…アルミニウ箔テープ、102…弾性ローラ、A…トレイ、H…装置本体、Z…搬入機構、Y…搬出機構、X…フィルム供給機構、W…包装機構。
Claims (1)
- ロール状態に巻回された合成樹脂からなるフィルムを引出して物品を包装する機構と、ロール状態から引出されたフィルムが前記物品を包装する前の段階で前記フィルムの幅方向の一部を折畳む折畳み部を長さ方向に連続して形成する折畳み機構とを備え、この折畳み機構は、前記フィルムの幅方向の一部を折畳む折畳み部材と、折畳み時の前記フィルムの全体幅を調整する調整ローラとを具備し、この調整ローラは前記フィルムと接触する外周部がアルミ二ウム箔テープを巻き付けて接着したものであることを特徴とする包装装置。
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