JP3720598B2 - 切削インサート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属等を切削加工する切刃を構成する切削インサートに関するもので、特に、延性の大きい圧延鋼板や冷間鋳造部品等の加工に多い断続加工に適した切削インサートに関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】
従来より、切削インサートには、切削中に生じる欠損を防ぐために刃先のRホーニングが大きく設定されたものが用いられてきた。
【0003】
しかしながら、上記延性の大きい圧延鋼板や冷間鋳造部品等の加工に多い断続切削では、Rホーニングが大きいとバリ等の製品不良の問題が生じることがしばしばあった。
【0004】
特に、図6に圧延鋼板の加工形態例を示す如く、水平方向又は垂直方向に加工する時に生ずる断続加工では、前述したようなRホーニングが大きいものを使用すると切れ味が悪い為、バリ等の不良が発生した。
【0005】
また、切れ味を良くするためにRホーニングを小さくした場合では、強度不足によりチップの欠損が生ずる不具合があった。
【0006】
此のようにバリ(製品不良の原因)や欠損が生ずることによる作業能率や品質不良、歩留りダウンは部品加工を行う切削インサートのユーザーにとっては大きな問題であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術の問題点に鑑み、本発明は延性の大きい圧延鋼板や冷間鋳造部品等の加工に多い断続加工等において、切れ味が良い上に切屑のカールが安定し、刃先強度も大きな高性能の切削インサートを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、板状体の上下いずれかの稜線に切刃を備えてなる切削インサートにおいて、上記切刃の略全周にRホーニングと斜平面(以下、C面と称する)とを設ける。
【0009】
さらに、C面の傾斜角度を15°〜30°の範囲とし、Rホーニングの曲率半径を0.06mm以下とすればよい。
【0010】
なお、本発明において上記斜平面とは傾斜角度が10°以上で、水平方向幅が0.08mm以上のものを言う。
【0011】
【作用】
上記の如く構成する本発明の切削インサートは、切刃の略全周にRホーニングと斜平面とを備えたものであり、例えば圧延鋼板の外周又は端面の加工の際に生ずる断続切削等において、従来の切屑処理を維持し、且つ、切れ味も維持しつつ、断続切削性能を大幅に向上せしめる。
【0012】
すなわち上記インサートでは、Rホーニングの曲率半径が非常に小さく、そのため切れ味が良好である。しかも、C面により切屑の流れを減速(ブレーキング)せしめるので切屑処理が良好となる。また、このC面により刃先強度が大きいという作用も兼ね備える。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
【0014】
図1乃至図3に本実施形態の切削インサート10の外観形状を示し、この切削インサート10の全体形状は菱形形状をなし、すくい面1と逃げ面2の稜辺に切刃3が形成されている。また、ノーズ部4には、切刃3に連続してブレーカ溝6、そして該ブレーカ溝6の中央部位には座り面7に連続するブレーカ突起8が形成されている。
【0015】
図1に示すように、ノーズ部4は湾曲状の先端切刃3aの両側に直線状の横切刃3bを備えている。また、横切刃3bの後方の切刃は、上下方向に湾曲する波状切刃3cとし、この波状切刃3cの山部31と谷部32のそれぞれに連なるすくい面の最高部位と最低部位には、平面カット31a、32aが施されいる。
【0016】
図4、図5はそれぞれ図1のX−X線断面図、Y−Y線断面図である。これら図に示すように、波状切刃3cの山部31と谷部32はともに上端稜線31cと下端稜線のうち少なくとも下端稜線にRホーニング31bを施してなるC面32bを設けた構成となっている。なお、この切刃構成は切刃全周に共通したものであるが、切削に全く関与しない一部分が他の切刃構成であっても構わない。
【0017】
上記の如く構成する切削インサート10は、切刃3の略全周にRホーニング31bとC面32bとを備えたものであり、例えば圧延鋼板の外周又は端面の加工の際に生ずる断続切削等において、従来の切屑処理を維持し、且つ、切れ味も維持しつつ、断続切削性能を大幅に向上せしめたものである。
【0018】
すなわち上記切削インサート10では、Rホーニング31bの曲率半径R1(図4参照)が非常に小さく、そのため切れ味が良好である。しかも、C面32bにより切屑の流れを減速(ブレーキング)せしめるので切屑処理が良好となる。
【0019】
また、このC面32bにより刃先強度が大きいという作用も兼ね備える。
【0020】
尚、前記C面32bの傾斜角度α°は15°〜30°の範囲が好ましく、Rホーニング31bの曲率半径R1としては0.06mm以下であることが好ましい。また、C面32bの水平方向幅wは0.08mm〜0.3mmの範囲であることが好ましい。
【0021】
上記傾斜角度α°が15°未満の場合、欠損し易くなる恐れがある。他方、上記傾斜角度が30°を超える場合、或いは、曲率半径R1が0.06mmを超える場合はいずれも、切れ味が鈍り、切削抵抗が増す傾向となるとともに、切屑の排出方向が安定せず切屑が延びやすくなるという恐れがある。
【0022】
また、C面32bの水平方向幅wが0.08mm未満の場合は、刃先強度による欠損の恐れがあり、他方、0.3mmを越える場合は切れ味が鈍化する傾向がある。
【0023】
また、横切刃3bは、図3に示すように横切刃3bをノーズ最先端から離れる方向に下り角度β=4°〜8°で形成したことにより、R加工や倣い加工など、切り込み変動が起こり易い種類の加工において、切り込み量が多くて流れやすい切屑でも、横切刃部分でらせん状に確実にカールさせる。すなわち、引きの加工や、押しの加工でも流れ易い巾広の切屑はブレーカ突起8を越えようとするよりも、ワークから離れていく方向でブレーカ突起8に沿って斜めに流れ、その結果、切屑の流れがスムーズであるとともに、らせん状にカールされて切断され易く、かつ切削抵抗も小さい。したがって、上記切削インサート10は、引きの加工においても押しの加工においても切屑がブレーカ突起8に確実に当たり、カールして安定的に排出され、さらに、段部の隅部位を加工する際など急激に切り込み量が変化する場合などでも、良好に切屑を処理する。
【0024】
上記横切刃3bのすくい角は15°を越えると、バリの発生の恐れがある。また、この横切刃3bのすくい角は、ノーズ最先端のすくい角よりも大きいことが好ましい。これは、ノーズ最先端のすくい角よりも小さい場合には切屑がワークから離れる方向に流れ難くなるためである。また、横切刃3bの前記下り角β°が4°未満の場合、或いは8°より大きい場合、切屑処理が悪くなる恐れがある。
【0025】
尚、上記のような波状切刃3cを備えた切削インサート10において、全周の切刃に略均一のC面32bとRホーニング31bを形成する方法として、切刃部分を含めてモールド成形することができる。切刃構成を全周に沿って略均一とすることで切削性能や刃先強度を安定的なものとすることができる。
【0026】
以上、本発明の実施形態を具体的に例示したが、本発明は、この実施形態に限定されるものでなく、例えば、波状切刃を備えないタイプの切削インサートであっても良い。発明の目的を逸脱しない限り、任意の形態とすることができることは言うまでもない。
【0027】
実施例
上記図1乃至5に示す切削インサート10において、C面32bの傾斜角とRホーニング31bの曲率半径R1をそれぞれ表1乃至3に示すようになし、以下の条件で加工試験を行った。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
切削条件
V=350m/min
d=0.5mm
f=0.15mm/rev
被削材:クラッチドラム(SPHE)
工具形状:CNMG120404XP−T
ホルダー形状:PCLNR2525M−12
切削液:有
工具材種:京セラ(株)製 TN60材種およびPV90材種
加工態様:外径加工
これらの加工において、切削抵抗の大小、刃先欠損の有無、切屑処理、バリ発生等について肉眼で評価した。これらの結果を表1乃至3に示す。
【0032】
表1から明らかなように、本発明実施例品である、試料No.2〜4、7〜10、13〜14は切削抵抗が小さく、刃先欠損もなく良好であった。これに対して、試料No.1はC面32bの幅wが0.08mm未満であり刃先に欠損が発生した。また上記幅wが0.3mmを越える試料No.5は切れ味が悪かった。
【0033】
C面32bの傾斜角が10°未満の試料No.6は刃先欠損が発生してしまった。反対に、この傾斜角が30°を越える試料No.11は切れ味が悪かった。また、Rホーニング31bの曲率半径R1が0.06mmを越えるNo.15も切れ味が悪かった。
【0034】
【発明の効果】
叙上のように本発明によれば、切刃の略全周にRホーニングと斜平面とを備えたことを特徴とする。
【0035】
したがって、Rホーニングの曲率半径が非常に小さく、そのため切れ味が良好である。しかも、C面により切屑の流れを減速(ブレーキング)せしめるので切屑処理が良好となる。また、このC面により刃先強度が大きいという作用も兼ね備える。
【0036】
これにより、例えば圧延鋼板の外周又は端面の加工の際に生ずる断続切削等において、従来の切屑処理を維持しつつ、且つ、切れ味も維持しつつ、断続切削性能を大幅に向上せしめることができる。
【0037】
また、上記のような構成に加えて板状体の上下いずれかの稜線に山部と谷部を有する波状の切刃を設けることにより、例えばシャフト外周の加工の際、垂直上方向への引き加工の場合に、切屑をカールさせることができ、この場合でも、切刃にRホーニングを施したC面を備えるので、切れ味を向上せしめ且つ、切屑のカールが安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施形態の切削インサートの斜視図である。
【図2】図1の切削インサートの上面図である。
【図3】図1の切削インサートの側面図である。
【図4】図1のX−X線断面図である。
【図5】図1のY−Y線断面図である。
【図6】クラッチドラムの切削加工形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 すくい面
2 逃げ面
3 切刃
3a 先端切刃
3b 横切刃
3c 波状切刃
4 ノーズ部
6 ブレーカ溝
7 座り面
8 ブレーカ突起
31 山部
32 谷部
31a、32a 平面カット
31b Rホーニング
32b C面(斜平面)
R1 曲率半径
w C面の水平方向幅
Claims (2)
- 板状体の稜線に切刃を設けてなる切削インサートであって、ノーズ部に先端切刃と該先端切刃の両側に前記ノーズ部の先端から離れる方向に4〜8°の下り角度でインサート底面側に傾く横切刃を備え、上記切刃の略全周に、水平方向幅が0.08mm〜0.3mmであり且つ下端稜線にRホーニングを施してなる斜平面を形成したことを特徴とする切削インサート。
- 上記横切刃の後方に山部と谷部とを有する波状の切刃を備えたことを特徴とする請求項1記載の切削インサート。
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