JP3720426B2 - アルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤 - Google Patents

アルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤に関する。本明細書中ではさらに、殺菌剤、及びエチルアルコールに起因するアセトアルデヒドの生成が抑制される食品の製造方法及びその食品について触れる。
【0002】
【従来の技術】
アルコールデヒドロゲナーゼ(Alcohol dehydrogenase)は、生体内において胃や小腸で吸収されたアルコールに対して最初に作用する代謝酵素である。アルコールはこの酵素の作用によってアセトアルデヒドになる。アセトアルデヒドは毒性が強く、悪酔い、二日酔いなどの原因になることが知られている。
アルコールデヒドロゲナーゼはまた、生体だけではなく昆虫、植物の種子、微生物など、広く生物界に存在していることが知られている。
メタノール中毒では、アルコールデヒドロゲナーゼにより有毒な代謝産物が生成される。このため、このアルコールデヒドロゲナーゼの阻害剤が注目され、既にメチルピラゾール類が阻害剤として知られている(H. Theorell 等, Acta. Chem. Scand., 23, 255 (1969); R. Dahlbom 等, Biochem. Biophys. Res. Commun., 57, 549 (1974))。
しかしながら、これらは合成物であって毒性について問題点があった(R. W. Fries 等, J. Med. Chem., 22, 356 (1979) )。
【0003】
一方食品の領域では、殺菌、静菌など食品の保存の目的でエチルアルコールを使用することが一般化している。しかしながら、特に生そばなどのように原料に比較的強いアルコールデヒドロゲナーゼ活性が存在する場合、エチルアルコールがアセトアルデヒドに分解して悪臭を発生するといった難点があった。
アルコールデヒドロゲナーゼを阻害することにより、飲酒による悪酔い、二日酔いの症状を軽減あるいは解消すること、さらにはアルコール性肝障害の予防が考えられる。また食品の分野では、食品におけるアルコールの使用、例えばエタノール殺菌に伴うアセトアルデヒド臭の発生を防止することが考えられる。
ある種のアミノ酸類が、アルコールデヒドロゲナーゼに対して阻害作用を有することが報告されているが(特開昭61−50917号公報、特開昭61−134313号公報及び特開平6−116144号公報)、未だ満足できるものではなかった。これらのアミノ酸類はアルコールに溶解しにくく、使用上難点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、安全性が高く、優れたアルコールデヒドロゲナーゼ阻害活性を有するアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤を提供することである。本明細書中ではさらに、エチルアルコールのアセトアルデヒドへの分解が抑制された殺菌剤、及びアルコールに起因するアセトアルデヒドの生成が抑制される食品の製造方法及びその食品について説明する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するために、アルコールデヒドロゲナーゼに対する阻害物質を天然界に存在する物質から探索したところ、ヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類が、アルコールデヒドロゲナーゼに対して強い阻害作用を示すことを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、ヒノキチオールを有効成分として含有するアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤である。
ここで、上記本発明のほかに、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤、ヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種と、エチルアルコールを含有することを特徴とする殺菌剤、ヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種と、エチルアルコールを配合することを特徴とする食品の製造方法、及びヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種と、エチルアルコールを含有することを特徴とする食品についても言及する。
【0006】
【発明の実施の形態】
ヒノキチオールは、ツヤプリシンとも呼ばれ、天然品と合成品がある。天然品は青森ヒバが原料で、この青森ヒバを水蒸気処理し、ヒバ油を得、これからヒノキチオール粗結晶が得られる。このようにして得られたヒノキチオール粗結晶はβ−ドラブリンとの混晶(ほぼ1:1)であるが、β−ドラブリンは水素添加処理によってヒノキチオールとすることができる。本発明では天然品でも合成品でも使用できる。
ヒノキチオールは、古くから広範囲の抗菌スペクトルを持つ天然物として知られ、さらに褐変に関係する酵素に対する阻害作用(チロシンヒドロキシラーゼ阻害、チロシナーゼ阻害)が知られている。
ルチンは、ソバやエンジュのつぼみなど、広範囲の植物から得られる。生体内での働きとしては、フラバノンのヘスペリジンなどと共に血管透過性を抑制するビタミンP作用があるとされ、出血傾向の改善や高血圧に使用される処方に用いられることが知られている。また、ルチンには水溶性、非水溶性の2種類が知られていて市販されているがそのいずれをも用いることができる。
【0007】
タンニン酸は、五倍子または没食子などから製したタンニンで、単一化合物ではなく、ペンタガロイルグルコース(1,2,3,4,6-penta-O-galloyl-β-D-glucose) あるいは、テトラガロイルグルコース(1,2,3,6-tetra-O-galloyl-β-D-glucose) を基本単位としてこれらのgalloyl 基の幾つかがさらに数個の没食子酸とデプシド結合した構造を持つものの混合物が主体であり、デプシド結合の位置、数によって多くの同類化合物が存在し、複雑な混合物を形成している。インキ、染料、酸化防止剤などの原料に広く利用されており、また、薬用には他の医薬品と配合し、タンニン酸剤として、局所収れん、止血剤として用いることが知られている。
タンニン酸の塩類としては、アルコールデヒドロゲナーゼ阻害作用を有するものであればいずれでもよく、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、またはタンニン酸アルブミン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、タンニン酸ベルベリン等が挙げられる。
【0008】
本発明で使用するヒノキチオール、純度の高いものが望ましいが、純度が比較的低くても実用に耐え得るものであればよい。
これら有効成分は、市場で一般に入手することができ、本発明では市販品を使用してもよい。ヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類は、アルコールに溶解させることができる。
ヒノキチオール、ルチン及びタンニン酸はまた、極めて毒性の低いものである。
【0009】
本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤は、その有効成分であるヒノキチオールの他に添加剤を含んでもよい。
本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤は、食品や健康食品に含有させることができる。また食品添加物の成分とすることができる。
本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤を配合させる食品は、特に限定されるものではなく、例えばパン、麺類、菓子類、惣菜類、飲料などが挙げられる。特にアルコールを使用した食品に含有させることが好ましい。
本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤を食品に配合する方法としては、直接食材に混ぜ込んだり、製造時に加える水等に溶解するなど、種々の添加方法が取り得、食品に応じて適宜選択することができる。
本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤の食品への添加量は、有効成分として食材、例えば生麺の場合ならば粉に対して0.001〜50重量%程度であって、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0010】
本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤の一用途としてまた、アルコール性肝障害予防薬が挙げられる。
すなわち、本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤の有効成分は、適当な助剤とともに製剤化して、経口投与が可能なアルコール性肝障害予防薬とすることができる。
製剤化に際して、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤などの稀釈剤または賦形剤を用いることができる。また医薬製剤としては各種形態が選択でき、例えばカプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤などが挙げられる。
賦形剤としては、例えば蔗糖、乳糖、デンプン、結晶セルロース、マンニット、軽質無水珪酸、アルミン酸マグネシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、合成珪酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム等の1種または2種以上を組み合わせて添加することができる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油等を1種または2種以上添加することができる。
【0011】
また矯味剤及び矯臭剤として、食塩、サッカリン、糖、マンニット、オレンジ油、カンゾウエキス、クエン酸、ブドウ糖、メントール、ユーカリ油、リンゴ酸等の甘味剤、香料、着色剤、保存料等を含有させてもよい。
懸濁剤、湿潤剤のような佐剤としては、例えばココナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、乳酸カルシウム、ベニバナ油、大豆リン脂質等を含有させることができる。
界面活性剤としては、例えばエステル類、ポリエチレングリコール誘導体、ソルビタンの脂肪酸エステル類などの1種または2種以上を添加することができる。
また、有効成分に長時間の保存に耐える安定性及び耐酸性を付与して薬効を完全に持続させるために、更に医薬的に許容し得る被膜を施して製剤化すれば、優れた安定性を有するアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤とすることができる。被膜形成物質としては、例えばセルロース、糖類等の炭水化物誘導耐として酢酸フタル酸セルロース(CAP)、またアクリル酸系共重合体、二塩基酸モノエステル類等のポリビニル誘導体としてアクリル酸メチル・メタアクリル酸共重合体、メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸共重合体が挙げられる。また、上記被膜形成物質をコーティングするに際し、通常使用されるコーティング剤、例えば可塑剤の他、コーティング操作時の薬剤相互の付着防止のための各種添加剤を添加することによって被膜形成剤の性質を改良したり、コーティング操作をより容易にすることができる。
【0012】
本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤の有効成分は、上記のような添加剤を使用して、常法に従って各種剤形に製剤化することができる。
アルコール性肝障害予防薬における有効成分の割合は、剤形によって多少変更され得るが、通常0.01〜15.0重量%が適当である。投与方法は特に限定されるものではなく、患者の年齢、その他の条件、疾患の状態、各種製剤形態に応じて適宜選択され得る。
投与量は、投与方法、患者の年齢、症状などによって変化し得るが、一日当たり有効成分として0.5〜5,000mgが適当である。
【0013】
ここで更に、ヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種と、エチルアルコールを含有することを特徴とする殺菌剤について触れる。すなわち、上記有効成分のアルコールデヒドロゲナーゼ阻害作用により、エチルアルコールがアセトアルデヒドへ分解されるのを抑制することができ、殺菌作用を保持することができる。
上記殺菌剤は、エチルアルコールを60〜90%程度含有する水溶液に上記有効成分を含ませることにより作られる。
殺菌剤におけるヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種の含有量は、1ml当たり1〜500mgが適当であって、好ましくは10〜200mgである。
殺菌剤を適用する対象は特に限定されるものではないが、例えば生麺といった食品類が挙げられる。特に、原料に比較的強いアルコールデヒドロゲナーゼ活性が存在する生そばなどに好ましく使用されて、アセトアルデヒドの生成が抑制され、従来難点であったアセトアルデヒド臭を軽減あるいは解消することが可能である。
殺菌剤で殺菌処理をする場合、対象物に改良殺菌用アルコールを噴霧する、あるいは対象物を改良殺菌用アルコールに浸漬するといった常法により実施すればよい。
【0014】
ここで更に、ヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種と、エチルアルコールを配合することを特徴とする食品の製造方法について触れる
その食品の製造方法の1実施態様として、食品の製造において、上記の殺菌剤により殺菌処理することが挙げられる。
また別の実施態様として、食品を製造する際に、ヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種を直接食材に混ぜ込んだり、使用する水に溶解しておき添加するといった方法で適宜配合し、別に殺菌用エタノールで殺菌処理することが挙げられる。
食品に配合するヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種の量は、食品に使用されるアルコールの量により適宜変動させることができるが、食材、例えば生麺の場合ならば粉に対して0.001〜50重量%が適当であり、好ましくは0.001〜20重量%、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0015】
上記食品の製造方法を適用する食品は、特に限定されるものではないが、麺類の製造に適し、中でも生そばの製造に好適である。
例えば生そばを製造する際に、そば粉及び水で生地を作る時にヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種を配合し、生そば麺帯を調製し、次いで殺菌用エタノールを噴霧する。また、穀粉類を主成分とする菓子類の生地の調製時にヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種を配合し、焼成、あるいは蒸すといった加熱処理の後、殺菌用エタノールで処理することができる。
こうして、エチルアルコールからのアセトアルデヒドの生成を抑制することができ、従来難点であったアセトアルデヒド臭を解消することができる。
食品の製造方法の別の実施態様として、食品原料としてエチルアルコールを使用する食品の製造において、ヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種を配合することが挙げられる。この場合、ヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種と、エチルアルコールを別個に配合することができ、また使用するエチルアルコールにヒノキチオール、ルチン、タンニン酸、タンニン酸の塩類を溶解させてから配合することもできる。
【0016】
ここで更に、ヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種と、エチルアルコールを含有することを特徴とする食品について説明する
食品は特に限定されるものではなく、広範囲にわたるが、具体的にはパン、麺類、菓子類、惣菜類、飲料などが挙げられ、好ましくは麺類、特に生そばが挙げられる。
食品は、例えば各種食品の製造過程で、適当な段階でヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種、及びエチルアルコールを配合することによって得られる。該エチルアルコールの配合は、食品原料としての配合や殺菌用エタノールによる殺菌処理を含む。
その食品はまた、各種食品の製造過程で上述の殺菌剤により殺菌処理を施して得られるものである。
その食品における、ヒノキチオール、ルチン、タンニン酸及びタンニン酸の塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種の含有量は、食品に使用されるエチルアルコールの量により適宜変動させることができるが、食材、例えば生麺の場合ならば粉に対して0.001〜50重量%程度が適当であり、好ましくは0.001〜20重量%、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0017】
以下試験例及び参考例により、本発明をより詳細に説明する。
【試験例】
ヒノキチオール、ルチン及びタンニン酸のアルコールデヒドロゲナーゼ阻害活性の検定
下記の反応液(反応液1.5ml+酵素10μl +検体)を、30℃、OD 340nmで20分間タイムスキャンしたときの吸光度の上昇カーブで、アルコールデヒドロゲナーゼ阻害活性を検定した。
[反応液] 0.1M TRIS-HCl (pH 8.0) 10 ml
0.013M β−ニコチンアミド アデニン ジヌクレオチド 1.5ml
1.8v/v% エタノール 0.5ml
[酵素 ] アルコールデヒドロゲナーゼ(ベーリンガー 127540) ×1,000 希釈 液使用
その結果、各検体のIC50は下記表1に示すとおりであった。
【0018】
【表1】
Figure 0003720426
【0019】
参考例1】
生そばの製造及びアセトアルデヒド抑制効果
下記表2に示す各種配合で、試験区0〜16の生そばを製造した。試験区1〜8では麺帯状にした生そばに、タンニン酸、ヒノキチオールまたはルチンを含む殺菌剤(エチルアルコール70%)を噴霧し、密閉容器中に、37℃で3時間放置した。その後、アセトアルデヒドの発生量をガス検知器((株)ガステック製)にて測定した。
試験区9〜16では、タンニン酸、ヒノキチオールまたはルチンのいずれかを添加し練り込んだ後、麺帯状にした生そばに、殺菌用エタノール(エチルアルコール70%)を噴霧し、試験区1〜8と同様にしてアセトアルデヒドの発生量を測定した。
各試験区における発生アセトアルデヒドの阻害率(%)を求めた。その結果を下記表3に示す。
なお、発生アセトアルデヒドの阻害率(%)は次の式により求めた。
〔(試験区0における発生量−各試験区1〜16における発生量)/試験区0における発生量〕×100
【0020】
【表2】
Figure 0003720426
【0021】
【表3】
Figure 0003720426
【0022】
参考例2】
ホットケーキの製造
小麦粉100g、ルチン1g、全卵50g、砂糖15g、ベーキングパウダー3g、水30gを混ぜ合わせ常法により、生地を調製後、ホットプレートで焼いてホットケーキを作成した。これに殺菌用エタノール(エチルアルコール70%)を噴霧し、パッキングした。
【0023】
参考例3】
錠菓及び錠剤
酵母エキス150g、小麦エキス60g、DK−エステル60g、アビセル35g、ソルビトール170g、ルチン25gをミキサーによって常法により混和した後、打錠し、錠菓及び錠剤を製造した。
参考例4】
パン
小麦粉3kg、ヒノキチオール3g、イースト60g、イーストフード3g、砂糖150g、食塩60g、ショートニング150g、脱脂粉乳60g、水2070gを用いて、常法によりドウを作成し、成形、焼成してパンを製造した。
【0024】
参考例5】

準強力小麦粉に対して、1重量%のタンニン酸、34重量%の水、1重量%の食塩及び1重量%のかんぷんを加えたものと、12分間混捏した後、麺機にて数回圧延し、成形して、中華麺の生麺帯、生麺線を得た。
参考例6】
ビスケット
小麦粉120g、水溶性ルチン1.2g、砂糖35g、ショートニング15g、全卵粉1.5g、食塩1g、炭酸水素ナトリウム0.6g、炭酸アンモニウム0.75g、水20gを用いて、常法によりドウを作成し、成形、焼成したビスケットを製造した。
【0025】
【発明の効果】
本発明により、安全性が高く、優れたアルコールデヒドロゲナーゼ阻害活性を有するアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤が提供される。本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤はまた、アルコール性肝臓障害予防薬として有用である。本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤の有効成分と、エチルアルコールを殺菌剤の成分とすることにより、アルコールのアセトアルデヒドへの分解が抑制され、かつ殺菌効果を持続させることができる。本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤の有効成分をまた、食品に含有させることにより、食品、とりわけアルコールを使用する食品において、悪臭の原因となるアセトアルデヒドの生成を抑制することができる。

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  1. ヒノキチオールを有効成分として含有するアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤。
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