JP3719955B2 - 同期分離装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は同期分離装置に関し、特にゴースト信号の状況下や外部機器接続時のサグ状況下等における同期信号の分離に有効な同期分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン受像機においては、受信したテレビジョン放送信号から同期信号を分離し、この同期信号に基づいて各種処理に必要なタイミング信号を得ている。
【0003】
ところで、テレビジョン放送信号の受信において、ある特定地域によって、反射信号の干渉や異なる中継局からの放送信号の干渉によってゴースト信号が発生してしまい、特にゴースト信号が酷い地域では垂直同期信号のつぶれやVサグ(垂直周期で発生するサグ)により垂直同期外れが発生している。
【0004】
従って、同期設計においては、従来、ゴースト信号による垂直同期外れを対策するため、図7に示すような構成をとっている。
【0005】
図7では、図示しない映像信号生成手段からのベースバンドの複合映像信号が直流阻止コンデンサC1を介して同期分離IC1の入力端子1aに供給される。同期分離IC1では、内部に設定されている所定の同期分離レベルV1に基づいて水平,垂直の同期信号HS,VSを分離している。ところが、図示A1のような垂直同期信号のつぶれ(ゴーストが無い状態での正常な同期分離レベルV1に対して垂直同期信号がつぶれている)の映像信号がコンデンサC1を介して同期分離IC1の入力端子1aに供給されると、同期分離IC1では垂直同期信号をスライスできず垂直同期外れとなる。そこで、その垂直同期外れを対策するため、入力端子1aと基準電位点(GND)間に抵抗R1を追加することにより、図8に示すように等価的に同期分離レベルV1をレベルV2のように深く設定することが行われている。
【0006】
しかし、上記の垂直同期外れ対策を行なうと垂直同期つぶれの映像信号A1に対しては強くなるが、実際には入力端子1aの映像信号には垂直周期でサグが発生する(Vサグという)ため、図示しない水平同期信号に対しては同期分離するレベルが深くなり過ぎてしまい水平同期乱れが発生してしまうことがある。
【0007】
一方、ゴースト状況下でも安定した同期を得るための先行例として、本出願人による特開平3-117178号公報、特開平5-161031号公報に記載されている同期分離装置がある。
【0008】
上記の特開平3-117178号公報では、入力テレビジョン信号をクランプするクランプ手段のクランプ時定数を垂直同期期間とそれ以外の期間とで切り替えることにより、垂直同期信号の後方に存在する等化パルスを正確に分離する方法が提案されている。これにより、垂直同期信号後方の等化パルスの位相を基準位相として同期状態を確立し、ゴースト信号の絵柄部分の影響により水平同期信号の位相が乱れてしまうのを防止している。一方、上記の垂直同期期間を検出するために、ゴースト判別回路と垂直同期分離回路が用いられている。ゴースト判別回路では、入力テレビジョン信号にゴーストが乗っているか否かが判別され、この判別結果に基づいて垂直同期信号を安定に分離することができるように垂直同期分離回路のスライスレベル(即ち同期分離レベル)が制御される。これによれば、垂直ブランキング期間は絵柄が存在しないため同期先頭レベルは一定であり、安定な同期分離を行えるが、映像重畳期間においてはゴーストによる絵柄の同期部分への漏れ込みにより同期先頭レベルが変動してしまい、同期信号を安定に分離することが難しかった。
【0009】
また、上記の特開平5-161031号公報には、複合映像信号を入力し、先端レベル検出回路で検出した同期信号レベルと、ペデスタルレベル検出回路で検出したペデスタルレベルとの差である同期振幅を減算器で求め、さらにその変化量をレベル変動検出回路で求める。そして、同期振幅の大小に応じてシフト回路でスライスレベル(同期分離レベル)を増減させ、また同期振幅が急激に減少した場合及び垂直同期期間にはセレクタでスライスレベルを切り替える。これにより、ゴーストによる絵柄の影響で同期先端レベルが変動してもスライスレベルが追従し、強ゴースト状況下においても安定に同期分離が行われるようにしている。
【0010】
しかしながら、上記公報記載のいずれの同期分離装置においても、ゴーストレベルを判別して分離レベルを設定(可変)するものであった。従って、ゴースト除去回路(GC/GR)を採用しているテレビジョンセットにおいてゴースト除去機能がオン,オフ可能に構成されているような場合に、そのオン,オフに応じて分離レベルが可変されるものではなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、従来の同期分離装置は、ゴーストの有無を検出して分離レベルを可変するものであり、ゴースト除去機能がオン,オフ可能に構成されているような場合に、そのオン,オフに応じて分離レベルが可変されるものではなかった。
【0012】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑み、ゴースト除去機能がオン,オフ可能に構成されているような場合に、そのオン,オフに応じて分離レベルを設定(可変)して、ゴースト信号等による垂直同期乱れや水平同期乱れを適切に改善できるようにした同期分離装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明による同期分離装置は、
複合映像信号を入力しゴースト除去を行うもので、そのゴースト除去機能をオン,オフすることが可能なゴースト除去回路と、
前記ゴースト除去回路を通した複合映像信号を入力し同期信号を分離するもので、その同期分離レベルが前記ゴースト除去機能のオン,オフに応じて可変される同期分離回路と、を具備したものである。
【0014】
この発明によれば、ゴースト除去回路のゴースト除去機能をオン,オフすることが可能なテレビジョンセットにおいて、ゴースト除去回路のゴースト除去機能をオン,オフすると同時に、同期分離回路の同期分離レベルを適宜に切り替えることによって、ゴースト除去機能のオン,オフに伴う同期外れ及び同期乱れに対して対策することができる。
【0015】
請求項2の発明による同期分離装置は、
複合映像信号を入力しゴースト除去を行うもので、ゴーストレベルを検出し、その検出結果に応じてゴースト除去機能をオン,オフするゴースト除去回路と、前記ゴースト除去回路を通した複合映像信号を入力し同期信号を分離するもので、制御信号によってその同期分離レベルが可変される同期分離回路と、
前記ゴースト除去回路のゴースト除去機能オン,オフを参照して、前記同期分離回路の同期分離レベルを切り替えるための前記制御信号を出力する制御手段と、を具備したものである。
【0016】
この発明によれば、ゴースト信号のレベルを自動的に判別して、ゴースト除去回路のゴースト除去機能をオン,オフすると同時に、同期分離回路の同期分離レベルを適宜に切り替えることによって、同期外れ及び同期乱れに対応することができる。
【0017】
請求項3の発明による同期分離装置は、
複合映像信号を入力しゴースト除去を行うもので、そのゴースト除去機能を、第1の制御信号によってオン,オフすることができるゴースト除去回路と、
前記ゴースト除去回路を通した複合映像信号を入力し同期信号を分離するもので、第2の制御信号によってその同期分離レベルが可変される同期分離回路と、前記ゴースト除去回路のゴースト除去機能をオン,オフする指示を入力する操作手段と、
前記操作手段からの指示に基づいて、前記ゴースト除去回路のゴースト除去機能をオン,オフする前記第1の制御信号を出力する一方前記同期分離回路の同期分離レベルを切り替える前記第2の制御信号を出力する制御手段と、を具備したものである。
【0018】
この発明によれば、ユーザーが操作により、ゴースト除去回路のゴースト除去機能をオン,オフすると同時に、同期分離回路の同期分離レベルを適宜に切り替えることによって、同期外れ及び同期乱れに対応することができる。
【0019】
請求項4の発明による同期分離装置は、
複合映像信号を入力しゴースト除去を行うもので、映像信号のゴーストレベルを検出しその検出結果に応じてゴースト除去機能のオン,オフを自動的に切り替える第1の動作モードと、ゴースト除去機能のオン,オフを操作手段からの指示に基づいて行う第2の動作モードとを有したゴースト除去回路と、
前記ゴースト除去回路を通した複合映像信号を入力し同期信号を分離するもので、制御信号によってその同期分離レベルが可変される同期分離回路と、
前記ゴースト除去回路の第1または第2の動作モードを指示する機能と、前記第2の動作モードが設定されている状態で前記ゴースト除去回路のゴースト除去機能のオン,オフを指示する機能を有した操作手段と、
前記ゴースト除去回路のゴースト除去機能オン,オフを参照して、前記同期分離回路の同期分離レベルを切り替えるための前記制御信号を出力する制御手段と、を具備したものである。
【0020】
この発明によれば、ゴースト除去回路を自動切替えモードまたは手動切替えモードに設定することが可能であって、どちらの動作モードの場合にも、ゴースト除去回路のゴースト除去機能をオン,オフすると同時に、同期分離回路の同期分離レベルを適宜に切り替えることによって、同期外れ及び同期乱れに対応することができる。
【0021】
請求項1〜3のいずかの発明において、前記ゴースト除去機能のオフ時には同期分離レベルを深くして垂直同期外れに対して対策し、ゴースト除去機能のオン時には同期分離レベルを浅くして水平同期乱れに対して対策することが可能となる。
【0022】
請求項6の発明による同期分離装置は、
複合映像信号を入力し、垂直周期で発生するVサグのレベルを検出するVサグ検出回路と、
前記複合映像信号を入力し同期信号を分離するもので、その同期分離レベルが制御信号によって可変される同期分離回路と、
前記Vサグ検出回路の検出結果に応じて、前記同期分離回路の同期分離レベルを切り替えるための前記制御信号を出力する制御手段と、を具備したものである。
【0023】
この発明によれば、外部機器からの映像信号を入力した場合などに、Vサグレベルを検出して、その検出結果に応じて同期分離回路の同期分離レベルを適宜に切り替えることによって、Vサグによる同期不良に対応することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施の形態の同期分離装置を適用したテレビジョン受像機のブロック図を示している。本実施の形態はゴースト除去回路(以下GC/GR回路という)を採用しているテレビジョンセットに適用して有効である。
【0025】
図1において、アンテナ11に入力したテレビジョン放送信号はチューナ12で選局,周波数変換及び検波が行われて、ベースバンドの複合映像信号となってAV切替え手段13の一方の入力端に供給される。AV切替え手段13のもう一方の入力端にはVTR、DVDなどの記録再生装置などの外部機器からの外部入力映像信号が供給できるようになっている。
【0026】
AV切替え手段13からの複合映像信号はGC/GR回路15に供給される。GC/GR回路15は、複合映像信号を入力しゴースト除去を行うもので、そのゴースト除去機能をオン,オフすることが可能に構成され、マイクロコンピュータ18の制御により、入力映像信号のゴーストレベルを検出しその検出結果に応じてゴースト除去機能のオン,オフを自動的に切り替える自動切替えモードと、ユーザー操作に基づいてゴースト除去機能のオン,オフを切り替える手動切替えモードと、を設定することが可能である。従って、操作手段としてのリモコン19は、マイクロコンピュータ18に対してGC/GR回路15の第1の動作モードである自動切替えモードと第2の動作モードである手動切替えモードを指示することが可能なキー構成となっている。
【0027】
GC/GR回路15は、自動切替えモードでは、ゴーストレベルを検出し、その検出レベルが所定値を越えたか否かによりゴースト除去機能を自動的にオン,オフする。即ち、この動作モードでは、ゴーストの検出レベルが所定値を越えていればゴースト除去機能を自動的にオンにし、検出レベルが所定値を越えていなければゴースト除去機能を自動的にオフにすることができる。
【0028】
また、GC/GR回路15は、手動切替えモードでは、そのゴースト除去機能を、マイクロコンピュータ18からのユーザー操作に基づく制御信号によってオン,オフすることができる。即ち、この動作モードでは、ユーザーがリモコン19によりゴースト除去機能をオンにする指示を入力すれば、GC/GR回路15のゴースト除去機能がオンし、ユーザーがゴースト除去機能をオフにする指示を入力すれば、GC/GR回路15のゴースト除去機能をオフすることができる。なお、GC/GR回路15による自動切替えの場合は、GC/GR回路15とマイクロコンピュータ18間、及び同期分離IC17とマイクロコンピュータ18間でバス(BUS)通信を行うことで、GC/GR回路15のオン,オフ状態に応じてマイクロコンピュータ18が同期分離IC17内部の同期分離レベルを切替え制御できるようにしている。
【0029】
GC/GR回路15を通した複合映像信号は映像信号処理回路16にてYC分離等が行われ、表示手段としてのCRT22aやそのドライブ回路を含んだ表示装置22に供給される。表示装置22では、映像信号処理回路16からの輝度信号(Y信号)と色信号(C信号)を入力し、R,G,Bの3原色信号を生成して、CRTなどの表示手段に供給し、画像として表示する。
【0030】
映像信号処理回路16からのY信号は同期分離回路としての同期分離IC17の信号入力端子(YIN)17aに入力される。
【0031】
同期分離IC17は、GC/GR回路15を経た映像信号としてのY信号を入力する入力端子17aと同期分離レベルを制御するための制御信号の入力端子17bを有し、入力端子17aに入力したY信号を内部に設定される同期分離レベルでスライスすることにより水平,垂直の同期信号HS,VSを分離する一方、その同期分離レベルがマイクロコンピュータ18から入力端子17bに供給される第2の制御信号によって可変されるようになっている。
【0032】
同期分離IC17からの水平,垂直の同期信号HS,VSは、水平偏向回路20,垂直偏向回路21にそれ供給され、ここで水平,垂直の偏向信号を生成して、前記表示装置22内のCRT22aの偏向ヨーク22bに供給すされることで、CRT22aを偏向走査する。
【0033】
マイクロコンピュータ18は、ハードウェア的には演算処理用のCPU,プログラム用のROM,及び実行データ用のRAMを少なくとも含んで構成されており、操作手段としてのリモコン19からの指示信号に基づき、GC/GR回路15の手動切替えモードと自動切替えモードを指示したり、チューナ12への選局信号を生成したり、AV切替え手段13の入力切替え用制御信号を生成したり、或いはGC/GR回路15の手動切替えモード時は、ゴースト除去機能をオン,オフ制御する第1の制御信号を生成すると同時に同期分離IC17の同期分離レベルを切り替える第2の制御信号を生成したりする。また、マイクロコンピュータ18は、GC/GR回路15の自動切替えモード時は、GC/GR回路15からのゴーストレベル判別結果に基づき、同期分離IC17の同期分離レベルを切り替える制御信号を生成したりする。
【0034】
次に、同期分離IC17の同期分離レベルを切り替えるための回路構成について図2を参照して説明する。
【0035】
同期分離IC17は、入力端子17aから入力した映像信号としてのY信号がシンクチップクランプ回路171に入力され、入力されたY信号は先ず同期信号先端(シンクチップ)レベルTsにクランプされる。このシンクチップクランプされたY信号は、同期分離レベル(分離する閾値)Thを設定(可変)するための分離レベル切替え回路172を経て波形整形回路173に供給され、ここで同期信号部分が前記同期分離レベルを用いてスライス及び波形整形され、同期信号として出力される。前記分離レベル切替え回路172では、入力端子17bからの閾値切替え用制御信号(GC/GR回路15のオン,オフに対応した制御信号)に応答して、前記シンクチップクランプレベルTsを基準としてこの基準レベルTsに加える電圧を切り替えることによって同期分離レベルThを可変し設定することができる。この閾値電圧Thの切替え設定は、例えば機器内データバスとしてのIIC(インターIC)制御にて行っている。
【0036】
次に、上記のように構成された同期分離装置の動作を説明する。
まず、リモコン19にて自動切替えモードが設定されている場合は、GC/GR回路15は入力波形のゴーストレベルを検出し、その検出したゴーストレベルが所定値を越えた場合にはゴースト除去機能をオンにし、所定値以下ならばゴースト除去機能をオフにする。このとき、マイクロコンピュータ18は、GC/GR回路15のゴースト除去機能オン,オフに応じて、同期分離IC17の同期分離レベルを可変して設定する。
【0037】
一方、リモコン19にて手動切替えモードが設定されている場合に、ユーザーがリモコン19にてGC/GR回路15のゴースト除去機能オン,オフを指示したときは、マイクロコンピュータ18はGC/GR回路15のゴースト除去機能をオン,オフする一方そのオン,オフに応じて同期分離IC17の同期分離レベルを可変して設定する。
【0038】
次に、説明を簡単にするため、ゴーストにより同期つぶれを起こした映像信号A1(図5(b) 参照)がGC/GR回路15を経て同期分離IC17に入力した場合について図3及び図4を参照して説明する。図3には、GC/GR回路15と、このGC/GR回路15を通した映像信号を入力しその同期信号を分離するための同期分離IC17とが示されている(映像信号処理回路については省略してある)。図3では、図7に示した同期分離ICの入力端子と基準電位点(GND)間の抵抗R1は削除してあり、GC/GR回路15のオン,オフに応じて(或いはマイクロコンピュータ18の制御により)同期分離IC17の同期分離レベルを可変し得るようになっている。
【0039】
図4(a) に示すような同期つぶれを起こした映像信号A1が、図3に示すようにGC/GR回路15を経て同期分離IC17(図3)に入力した場合、ゴースト除去回路15のオフ時では、ゴースト除去回路15からの映像信号は図4(b) に示すように図4(a) の入力映像信号と同様に同期つぶれしたままの映像信号A1である。このとき、同期分離IC17に入力する映像信号A1の垂直同期信号部分は潰れており通常の同期分離レベルV1から離れているが、この状態でもスライスできるように、同期分離IC17内の同期分離レベルはマイクロコンピュータ18の制御によってスライス可能な深いレベルV2に切り替えられ、垂直同期外れが起こらないように対策される。
【0040】
また、ゴースト除去回路15のオン時には、図4(a) の同期つぶれの映像信号A1はゴースト除去回路15を通すことによって図4(c) の映像信号A0に示すように同期つぶれは改善されるため、同期分離IC17内の同期分離レベルはマイクロコンピュータ18の制御により浅いレベル(例えば元の同期分離レベルV1)に切り替えられ、垂直同期の確立と共に水平同期乱れに対して有利となるように対策される。
【0041】
図5は、(a)正常な映像信号、(b)ゴーストによる同期つぶれの映像信号、(c)ゴーストによるVサグ(垂直周期で発生するサグ)、をそれぞれ示している。
【0042】
図6は本発明の他の実施の形態の同期分離装置を示すブロック図である。本実施の形態は、VTR、DVDプレイヤーなど外部機器を接続した場合、機器によって出力のカップリングコンデンサの容量が小さいためにV周期のサグが生じることがある。これにより正常な同期分離ができなくなり、同期不良が発生してしまう。これを改善するため、同期分離ICの前段で垂直周期で発生するサグ(Vサグ)のレベルを検出し、その結果によって同期分離レベルを切り替えるシステムである。
【0043】
図6において図1と異なる点は、図1におけるGC/GR回路15に代わりに、入力として供給される複合映像信号のVサグのレベル(度合い)を検出するVサグ検出回路23を設ける。制御手段であるマイクロコンピュータ18は、前記Vサグ検出回路23の検出結果に応じた制御信号を出力し、前記同期分離IC17の同期分離レベルを切り替えるように制御する。従って、AV切替え手段13を外部入力端子14の側に切り替え、外部機器からの複合映像信号を入力し表示する場合に有効である。その他の構成は図1の実施の形態と同様である。
【0044】
なお、先に述べた先行例(特開平3-117178号公報、特開平5-161031号公報)では、ゴーストの有無を検出して同期分離レベルを設定(可変)するものであったが、本発明では、ゴースト除去回路のオン時とオフ時で同期分離レベルを可変することができ、しかもゴースト除去回路のオン時には同期つぶれを改善した信号状態で同期分離することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、ゴースト除去機能がオン,オフ可能に構成されているような場合に、そのオン,オフに応じて分離レベルを設定(可変)して、ゴースト信号等による垂直同期乱れや水平同期乱れを適切に改善することができる。また、Vサグが発生する場合に、これを検出した結果に応じて分離レベルを設定(可変)して、同期乱れを適切に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の同期分離装置を適用した、テレビジョン受像機のブロック図。
【図2】図1の実施の形態における、同期分離ICの同期分離レベルを切り替えるための回路構成を示す図。
【図3】図1の実施の形態の動作を簡単化して説明するための構成であって、ゴーストにより同期つぶれを起こした映像信号がGC/GR回路を経て同期分離ICに入力した場合の動作を説明するためのブロック図。
【図4】図3にて図1の実施の形態の動作を説明するための波形図。
【図5】同期つぶれやVサグを説明する波形図。
【図6】本発明の他の実施の形態の同期分離装置を適用した、テレビジョン受像機のブロック図。
【図7】従来の同期分離装置の構成を示すブロック図。
【図8】図7の従来例の問題点を説明するための波形図。
【符号の説明】
15…ゴースト除去回路
17…同期分離IC(同期分離回路)
18…マイクロコンピュータ(制御手段)
19…リモコン(操作手段)
23…Vサグ検出回路
【発明の属する技術分野】
この発明は同期分離装置に関し、特にゴースト信号の状況下や外部機器接続時のサグ状況下等における同期信号の分離に有効な同期分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン受像機においては、受信したテレビジョン放送信号から同期信号を分離し、この同期信号に基づいて各種処理に必要なタイミング信号を得ている。
【0003】
ところで、テレビジョン放送信号の受信において、ある特定地域によって、反射信号の干渉や異なる中継局からの放送信号の干渉によってゴースト信号が発生してしまい、特にゴースト信号が酷い地域では垂直同期信号のつぶれやVサグ(垂直周期で発生するサグ)により垂直同期外れが発生している。
【0004】
従って、同期設計においては、従来、ゴースト信号による垂直同期外れを対策するため、図7に示すような構成をとっている。
【0005】
図7では、図示しない映像信号生成手段からのベースバンドの複合映像信号が直流阻止コンデンサC1を介して同期分離IC1の入力端子1aに供給される。同期分離IC1では、内部に設定されている所定の同期分離レベルV1に基づいて水平,垂直の同期信号HS,VSを分離している。ところが、図示A1のような垂直同期信号のつぶれ(ゴーストが無い状態での正常な同期分離レベルV1に対して垂直同期信号がつぶれている)の映像信号がコンデンサC1を介して同期分離IC1の入力端子1aに供給されると、同期分離IC1では垂直同期信号をスライスできず垂直同期外れとなる。そこで、その垂直同期外れを対策するため、入力端子1aと基準電位点(GND)間に抵抗R1を追加することにより、図8に示すように等価的に同期分離レベルV1をレベルV2のように深く設定することが行われている。
【0006】
しかし、上記の垂直同期外れ対策を行なうと垂直同期つぶれの映像信号A1に対しては強くなるが、実際には入力端子1aの映像信号には垂直周期でサグが発生する(Vサグという)ため、図示しない水平同期信号に対しては同期分離するレベルが深くなり過ぎてしまい水平同期乱れが発生してしまうことがある。
【0007】
一方、ゴースト状況下でも安定した同期を得るための先行例として、本出願人による特開平3-117178号公報、特開平5-161031号公報に記載されている同期分離装置がある。
【0008】
上記の特開平3-117178号公報では、入力テレビジョン信号をクランプするクランプ手段のクランプ時定数を垂直同期期間とそれ以外の期間とで切り替えることにより、垂直同期信号の後方に存在する等化パルスを正確に分離する方法が提案されている。これにより、垂直同期信号後方の等化パルスの位相を基準位相として同期状態を確立し、ゴースト信号の絵柄部分の影響により水平同期信号の位相が乱れてしまうのを防止している。一方、上記の垂直同期期間を検出するために、ゴースト判別回路と垂直同期分離回路が用いられている。ゴースト判別回路では、入力テレビジョン信号にゴーストが乗っているか否かが判別され、この判別結果に基づいて垂直同期信号を安定に分離することができるように垂直同期分離回路のスライスレベル(即ち同期分離レベル)が制御される。これによれば、垂直ブランキング期間は絵柄が存在しないため同期先頭レベルは一定であり、安定な同期分離を行えるが、映像重畳期間においてはゴーストによる絵柄の同期部分への漏れ込みにより同期先頭レベルが変動してしまい、同期信号を安定に分離することが難しかった。
【0009】
また、上記の特開平5-161031号公報には、複合映像信号を入力し、先端レベル検出回路で検出した同期信号レベルと、ペデスタルレベル検出回路で検出したペデスタルレベルとの差である同期振幅を減算器で求め、さらにその変化量をレベル変動検出回路で求める。そして、同期振幅の大小に応じてシフト回路でスライスレベル(同期分離レベル)を増減させ、また同期振幅が急激に減少した場合及び垂直同期期間にはセレクタでスライスレベルを切り替える。これにより、ゴーストによる絵柄の影響で同期先端レベルが変動してもスライスレベルが追従し、強ゴースト状況下においても安定に同期分離が行われるようにしている。
【0010】
しかしながら、上記公報記載のいずれの同期分離装置においても、ゴーストレベルを判別して分離レベルを設定(可変)するものであった。従って、ゴースト除去回路(GC/GR)を採用しているテレビジョンセットにおいてゴースト除去機能がオン,オフ可能に構成されているような場合に、そのオン,オフに応じて分離レベルが可変されるものではなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、従来の同期分離装置は、ゴーストの有無を検出して分離レベルを可変するものであり、ゴースト除去機能がオン,オフ可能に構成されているような場合に、そのオン,オフに応じて分離レベルが可変されるものではなかった。
【0012】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑み、ゴースト除去機能がオン,オフ可能に構成されているような場合に、そのオン,オフに応じて分離レベルを設定(可変)して、ゴースト信号等による垂直同期乱れや水平同期乱れを適切に改善できるようにした同期分離装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明による同期分離装置は、
複合映像信号を入力しゴースト除去を行うもので、そのゴースト除去機能をオン,オフすることが可能なゴースト除去回路と、
前記ゴースト除去回路を通した複合映像信号を入力し同期信号を分離するもので、その同期分離レベルが前記ゴースト除去機能のオン,オフに応じて可変される同期分離回路と、を具備したものである。
【0014】
この発明によれば、ゴースト除去回路のゴースト除去機能をオン,オフすることが可能なテレビジョンセットにおいて、ゴースト除去回路のゴースト除去機能をオン,オフすると同時に、同期分離回路の同期分離レベルを適宜に切り替えることによって、ゴースト除去機能のオン,オフに伴う同期外れ及び同期乱れに対して対策することができる。
【0015】
請求項2の発明による同期分離装置は、
複合映像信号を入力しゴースト除去を行うもので、ゴーストレベルを検出し、その検出結果に応じてゴースト除去機能をオン,オフするゴースト除去回路と、前記ゴースト除去回路を通した複合映像信号を入力し同期信号を分離するもので、制御信号によってその同期分離レベルが可変される同期分離回路と、
前記ゴースト除去回路のゴースト除去機能オン,オフを参照して、前記同期分離回路の同期分離レベルを切り替えるための前記制御信号を出力する制御手段と、を具備したものである。
【0016】
この発明によれば、ゴースト信号のレベルを自動的に判別して、ゴースト除去回路のゴースト除去機能をオン,オフすると同時に、同期分離回路の同期分離レベルを適宜に切り替えることによって、同期外れ及び同期乱れに対応することができる。
【0017】
請求項3の発明による同期分離装置は、
複合映像信号を入力しゴースト除去を行うもので、そのゴースト除去機能を、第1の制御信号によってオン,オフすることができるゴースト除去回路と、
前記ゴースト除去回路を通した複合映像信号を入力し同期信号を分離するもので、第2の制御信号によってその同期分離レベルが可変される同期分離回路と、前記ゴースト除去回路のゴースト除去機能をオン,オフする指示を入力する操作手段と、
前記操作手段からの指示に基づいて、前記ゴースト除去回路のゴースト除去機能をオン,オフする前記第1の制御信号を出力する一方前記同期分離回路の同期分離レベルを切り替える前記第2の制御信号を出力する制御手段と、を具備したものである。
【0018】
この発明によれば、ユーザーが操作により、ゴースト除去回路のゴースト除去機能をオン,オフすると同時に、同期分離回路の同期分離レベルを適宜に切り替えることによって、同期外れ及び同期乱れに対応することができる。
【0019】
請求項4の発明による同期分離装置は、
複合映像信号を入力しゴースト除去を行うもので、映像信号のゴーストレベルを検出しその検出結果に応じてゴースト除去機能のオン,オフを自動的に切り替える第1の動作モードと、ゴースト除去機能のオン,オフを操作手段からの指示に基づいて行う第2の動作モードとを有したゴースト除去回路と、
前記ゴースト除去回路を通した複合映像信号を入力し同期信号を分離するもので、制御信号によってその同期分離レベルが可変される同期分離回路と、
前記ゴースト除去回路の第1または第2の動作モードを指示する機能と、前記第2の動作モードが設定されている状態で前記ゴースト除去回路のゴースト除去機能のオン,オフを指示する機能を有した操作手段と、
前記ゴースト除去回路のゴースト除去機能オン,オフを参照して、前記同期分離回路の同期分離レベルを切り替えるための前記制御信号を出力する制御手段と、を具備したものである。
【0020】
この発明によれば、ゴースト除去回路を自動切替えモードまたは手動切替えモードに設定することが可能であって、どちらの動作モードの場合にも、ゴースト除去回路のゴースト除去機能をオン,オフすると同時に、同期分離回路の同期分離レベルを適宜に切り替えることによって、同期外れ及び同期乱れに対応することができる。
【0021】
請求項1〜3のいずかの発明において、前記ゴースト除去機能のオフ時には同期分離レベルを深くして垂直同期外れに対して対策し、ゴースト除去機能のオン時には同期分離レベルを浅くして水平同期乱れに対して対策することが可能となる。
【0022】
請求項6の発明による同期分離装置は、
複合映像信号を入力し、垂直周期で発生するVサグのレベルを検出するVサグ検出回路と、
前記複合映像信号を入力し同期信号を分離するもので、その同期分離レベルが制御信号によって可変される同期分離回路と、
前記Vサグ検出回路の検出結果に応じて、前記同期分離回路の同期分離レベルを切り替えるための前記制御信号を出力する制御手段と、を具備したものである。
【0023】
この発明によれば、外部機器からの映像信号を入力した場合などに、Vサグレベルを検出して、その検出結果に応じて同期分離回路の同期分離レベルを適宜に切り替えることによって、Vサグによる同期不良に対応することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施の形態の同期分離装置を適用したテレビジョン受像機のブロック図を示している。本実施の形態はゴースト除去回路(以下GC/GR回路という)を採用しているテレビジョンセットに適用して有効である。
【0025】
図1において、アンテナ11に入力したテレビジョン放送信号はチューナ12で選局,周波数変換及び検波が行われて、ベースバンドの複合映像信号となってAV切替え手段13の一方の入力端に供給される。AV切替え手段13のもう一方の入力端にはVTR、DVDなどの記録再生装置などの外部機器からの外部入力映像信号が供給できるようになっている。
【0026】
AV切替え手段13からの複合映像信号はGC/GR回路15に供給される。GC/GR回路15は、複合映像信号を入力しゴースト除去を行うもので、そのゴースト除去機能をオン,オフすることが可能に構成され、マイクロコンピュータ18の制御により、入力映像信号のゴーストレベルを検出しその検出結果に応じてゴースト除去機能のオン,オフを自動的に切り替える自動切替えモードと、ユーザー操作に基づいてゴースト除去機能のオン,オフを切り替える手動切替えモードと、を設定することが可能である。従って、操作手段としてのリモコン19は、マイクロコンピュータ18に対してGC/GR回路15の第1の動作モードである自動切替えモードと第2の動作モードである手動切替えモードを指示することが可能なキー構成となっている。
【0027】
GC/GR回路15は、自動切替えモードでは、ゴーストレベルを検出し、その検出レベルが所定値を越えたか否かによりゴースト除去機能を自動的にオン,オフする。即ち、この動作モードでは、ゴーストの検出レベルが所定値を越えていればゴースト除去機能を自動的にオンにし、検出レベルが所定値を越えていなければゴースト除去機能を自動的にオフにすることができる。
【0028】
また、GC/GR回路15は、手動切替えモードでは、そのゴースト除去機能を、マイクロコンピュータ18からのユーザー操作に基づく制御信号によってオン,オフすることができる。即ち、この動作モードでは、ユーザーがリモコン19によりゴースト除去機能をオンにする指示を入力すれば、GC/GR回路15のゴースト除去機能がオンし、ユーザーがゴースト除去機能をオフにする指示を入力すれば、GC/GR回路15のゴースト除去機能をオフすることができる。なお、GC/GR回路15による自動切替えの場合は、GC/GR回路15とマイクロコンピュータ18間、及び同期分離IC17とマイクロコンピュータ18間でバス(BUS)通信を行うことで、GC/GR回路15のオン,オフ状態に応じてマイクロコンピュータ18が同期分離IC17内部の同期分離レベルを切替え制御できるようにしている。
【0029】
GC/GR回路15を通した複合映像信号は映像信号処理回路16にてYC分離等が行われ、表示手段としてのCRT22aやそのドライブ回路を含んだ表示装置22に供給される。表示装置22では、映像信号処理回路16からの輝度信号(Y信号)と色信号(C信号)を入力し、R,G,Bの3原色信号を生成して、CRTなどの表示手段に供給し、画像として表示する。
【0030】
映像信号処理回路16からのY信号は同期分離回路としての同期分離IC17の信号入力端子(YIN)17aに入力される。
【0031】
同期分離IC17は、GC/GR回路15を経た映像信号としてのY信号を入力する入力端子17aと同期分離レベルを制御するための制御信号の入力端子17bを有し、入力端子17aに入力したY信号を内部に設定される同期分離レベルでスライスすることにより水平,垂直の同期信号HS,VSを分離する一方、その同期分離レベルがマイクロコンピュータ18から入力端子17bに供給される第2の制御信号によって可変されるようになっている。
【0032】
同期分離IC17からの水平,垂直の同期信号HS,VSは、水平偏向回路20,垂直偏向回路21にそれ供給され、ここで水平,垂直の偏向信号を生成して、前記表示装置22内のCRT22aの偏向ヨーク22bに供給すされることで、CRT22aを偏向走査する。
【0033】
マイクロコンピュータ18は、ハードウェア的には演算処理用のCPU,プログラム用のROM,及び実行データ用のRAMを少なくとも含んで構成されており、操作手段としてのリモコン19からの指示信号に基づき、GC/GR回路15の手動切替えモードと自動切替えモードを指示したり、チューナ12への選局信号を生成したり、AV切替え手段13の入力切替え用制御信号を生成したり、或いはGC/GR回路15の手動切替えモード時は、ゴースト除去機能をオン,オフ制御する第1の制御信号を生成すると同時に同期分離IC17の同期分離レベルを切り替える第2の制御信号を生成したりする。また、マイクロコンピュータ18は、GC/GR回路15の自動切替えモード時は、GC/GR回路15からのゴーストレベル判別結果に基づき、同期分離IC17の同期分離レベルを切り替える制御信号を生成したりする。
【0034】
次に、同期分離IC17の同期分離レベルを切り替えるための回路構成について図2を参照して説明する。
【0035】
同期分離IC17は、入力端子17aから入力した映像信号としてのY信号がシンクチップクランプ回路171に入力され、入力されたY信号は先ず同期信号先端(シンクチップ)レベルTsにクランプされる。このシンクチップクランプされたY信号は、同期分離レベル(分離する閾値)Thを設定(可変)するための分離レベル切替え回路172を経て波形整形回路173に供給され、ここで同期信号部分が前記同期分離レベルを用いてスライス及び波形整形され、同期信号として出力される。前記分離レベル切替え回路172では、入力端子17bからの閾値切替え用制御信号(GC/GR回路15のオン,オフに対応した制御信号)に応答して、前記シンクチップクランプレベルTsを基準としてこの基準レベルTsに加える電圧を切り替えることによって同期分離レベルThを可変し設定することができる。この閾値電圧Thの切替え設定は、例えば機器内データバスとしてのIIC(インターIC)制御にて行っている。
【0036】
次に、上記のように構成された同期分離装置の動作を説明する。
まず、リモコン19にて自動切替えモードが設定されている場合は、GC/GR回路15は入力波形のゴーストレベルを検出し、その検出したゴーストレベルが所定値を越えた場合にはゴースト除去機能をオンにし、所定値以下ならばゴースト除去機能をオフにする。このとき、マイクロコンピュータ18は、GC/GR回路15のゴースト除去機能オン,オフに応じて、同期分離IC17の同期分離レベルを可変して設定する。
【0037】
一方、リモコン19にて手動切替えモードが設定されている場合に、ユーザーがリモコン19にてGC/GR回路15のゴースト除去機能オン,オフを指示したときは、マイクロコンピュータ18はGC/GR回路15のゴースト除去機能をオン,オフする一方そのオン,オフに応じて同期分離IC17の同期分離レベルを可変して設定する。
【0038】
次に、説明を簡単にするため、ゴーストにより同期つぶれを起こした映像信号A1(図5(b) 参照)がGC/GR回路15を経て同期分離IC17に入力した場合について図3及び図4を参照して説明する。図3には、GC/GR回路15と、このGC/GR回路15を通した映像信号を入力しその同期信号を分離するための同期分離IC17とが示されている(映像信号処理回路については省略してある)。図3では、図7に示した同期分離ICの入力端子と基準電位点(GND)間の抵抗R1は削除してあり、GC/GR回路15のオン,オフに応じて(或いはマイクロコンピュータ18の制御により)同期分離IC17の同期分離レベルを可変し得るようになっている。
【0039】
図4(a) に示すような同期つぶれを起こした映像信号A1が、図3に示すようにGC/GR回路15を経て同期分離IC17(図3)に入力した場合、ゴースト除去回路15のオフ時では、ゴースト除去回路15からの映像信号は図4(b) に示すように図4(a) の入力映像信号と同様に同期つぶれしたままの映像信号A1である。このとき、同期分離IC17に入力する映像信号A1の垂直同期信号部分は潰れており通常の同期分離レベルV1から離れているが、この状態でもスライスできるように、同期分離IC17内の同期分離レベルはマイクロコンピュータ18の制御によってスライス可能な深いレベルV2に切り替えられ、垂直同期外れが起こらないように対策される。
【0040】
また、ゴースト除去回路15のオン時には、図4(a) の同期つぶれの映像信号A1はゴースト除去回路15を通すことによって図4(c) の映像信号A0に示すように同期つぶれは改善されるため、同期分離IC17内の同期分離レベルはマイクロコンピュータ18の制御により浅いレベル(例えば元の同期分離レベルV1)に切り替えられ、垂直同期の確立と共に水平同期乱れに対して有利となるように対策される。
【0041】
図5は、(a)正常な映像信号、(b)ゴーストによる同期つぶれの映像信号、(c)ゴーストによるVサグ(垂直周期で発生するサグ)、をそれぞれ示している。
【0042】
図6は本発明の他の実施の形態の同期分離装置を示すブロック図である。本実施の形態は、VTR、DVDプレイヤーなど外部機器を接続した場合、機器によって出力のカップリングコンデンサの容量が小さいためにV周期のサグが生じることがある。これにより正常な同期分離ができなくなり、同期不良が発生してしまう。これを改善するため、同期分離ICの前段で垂直周期で発生するサグ(Vサグ)のレベルを検出し、その結果によって同期分離レベルを切り替えるシステムである。
【0043】
図6において図1と異なる点は、図1におけるGC/GR回路15に代わりに、入力として供給される複合映像信号のVサグのレベル(度合い)を検出するVサグ検出回路23を設ける。制御手段であるマイクロコンピュータ18は、前記Vサグ検出回路23の検出結果に応じた制御信号を出力し、前記同期分離IC17の同期分離レベルを切り替えるように制御する。従って、AV切替え手段13を外部入力端子14の側に切り替え、外部機器からの複合映像信号を入力し表示する場合に有効である。その他の構成は図1の実施の形態と同様である。
【0044】
なお、先に述べた先行例(特開平3-117178号公報、特開平5-161031号公報)では、ゴーストの有無を検出して同期分離レベルを設定(可変)するものであったが、本発明では、ゴースト除去回路のオン時とオフ時で同期分離レベルを可変することができ、しかもゴースト除去回路のオン時には同期つぶれを改善した信号状態で同期分離することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、ゴースト除去機能がオン,オフ可能に構成されているような場合に、そのオン,オフに応じて分離レベルを設定(可変)して、ゴースト信号等による垂直同期乱れや水平同期乱れを適切に改善することができる。また、Vサグが発生する場合に、これを検出した結果に応じて分離レベルを設定(可変)して、同期乱れを適切に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の同期分離装置を適用した、テレビジョン受像機のブロック図。
【図2】図1の実施の形態における、同期分離ICの同期分離レベルを切り替えるための回路構成を示す図。
【図3】図1の実施の形態の動作を簡単化して説明するための構成であって、ゴーストにより同期つぶれを起こした映像信号がGC/GR回路を経て同期分離ICに入力した場合の動作を説明するためのブロック図。
【図4】図3にて図1の実施の形態の動作を説明するための波形図。
【図5】同期つぶれやVサグを説明する波形図。
【図6】本発明の他の実施の形態の同期分離装置を適用した、テレビジョン受像機のブロック図。
【図7】従来の同期分離装置の構成を示すブロック図。
【図8】図7の従来例の問題点を説明するための波形図。
【符号の説明】
15…ゴースト除去回路
17…同期分離IC(同期分離回路)
18…マイクロコンピュータ(制御手段)
19…リモコン(操作手段)
23…Vサグ検出回路
Claims (6)
- 複合映像信号を入力しゴースト除去を行うもので、そのゴースト除去機能をオン,オフすることが可能なゴースト除去回路と、
前記ゴースト除去回路を通した複合映像信号を入力し同期信号を分離するもので、その同期分離レベルが前記ゴースト除去機能のオン,オフに応じて可変される同期分離回路と、
を具備したことを特徴とする同期分離装置。 - 複合映像信号を入力しゴースト除去を行うもので、ゴーストレベルを検出し、その検出結果に応じてゴースト除去機能をオン,オフするゴースト除去回路と、
前記ゴースト除去回路を通した複合映像信号を入力し同期信号を分離するもので、制御信号によってその同期分離レベルが可変される同期分離回路と、
前記ゴースト除去回路のゴースト除去機能オン,オフを参照して、前記同期分離回路の同期分離レベルを切り替えるための前記制御信号を出力する制御手段と、
を具備したことを特徴とする同期分離装置。 - 複合映像信号を入力しゴースト除去を行うもので、そのゴースト除去機能を、第1の制御信号によってオン,オフすることができるゴースト除去回路と、
前記ゴースト除去回路を通した複合映像信号を入力し同期信号を分離するもので、第2の制御信号によってその同期分離レベルが可変される同期分離回路と、
前記ゴースト除去回路のゴースト除去機能をオン,オフする指示を入力する操作手段と、
前記操作手段からの指示に基づいて、前記ゴースト除去回路のゴースト除去機能をオン,オフする前記第1の制御信号を出力する一方前記同期分離回路の同期分離レベルを切り替える前記第2の制御信号を出力する制御手段と、
を具備したことを特徴とする同期分離装置。 - 複合映像信号を入力しゴースト除去を行うもので、映像信号のゴーストレベルを検出しその検出結果に応じてゴースト除去機能のオン,オフを自動的に切り替える第1の動作モードと、ゴースト除去機能のオン,オフを操作手段からの指示に基づいて行う第2の動作モードとを有したゴースト除去回路と、
前記ゴースト除去回路を通した複合映像信号を入力し同期信号を分離するもので、制御信号によってその同期分離レベルが可変される同期分離回路と、
前記ゴースト除去回路の第1または第2の動作モードを指示する機能と、前記第2の動作モードが設定されている状態で前記ゴースト除去回路のゴースト除去機能のオン,オフを指示する機能を有した操作手段と、
前記ゴースト除去回路のゴースト除去機能オン,オフを参照して、前記同期分離回路の同期分離レベルを切り替えるための前記制御信号を出力する制御手段と、
を具備したことを特徴とする同期分離装置。 - 前記ゴースト除去機能のオフ時には同期分離レベルを深くして垂直同期外れに対応し、ゴースト除去機能のオン時には同期分離レベルを浅くして水平同期乱れに対応するようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の同期分離装置。
- 複合映像信号を入力し、垂直周期で発生するVサグのレベルを検出するVサグ検出回路と、
前記複合映像信号を入力し同期信号を分離するもので、その同期分離レベルが制御信号によって可変される同期分離回路と、
前記Vサグ検出回路の検出結果に応じて、前記同期分離回路の同期分離レベルを切り替えるための前記制御信号を出力する制御手段と、
を具備したことを特徴とする同期分離装置。
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