JP3719695B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像形成装置に関し、詳細には、感光体に接離可能な転写ローラ等の接触転写装置や帯電ローラ等の接触帯電装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタや、ファクシミリなどの画像形成装置においては、感光体を帯電装置により帯電し、続いて、像露光を行って静電潜像を形成して、この静電潜像を現像してトナー像を形成し、このトナー像を転写装置により転写紙などのシートに転写し、つづいて、このシート上のトナー像を定着装置により定着している。上記転写装置としては、転写ベルトなどを用いた接触転写手段やコロナ放電器を用いた非接触転写手段などがある。また、上記帯電装置としては、帯電ローラなどを用いた接触帯電手段やコロナ帯電器を用いた非接触帯電手段などがある。
従来の画像形成装置としては、例えば、特開平2−54280号公報(電子写真装置における画像形成方法)に記載されたものがある。この特開平2−54280号公報に記載された装置は、感光体立ち上がり時の被帯電性や感度の不安定により発生する画像不良を防止するため、作像形成に先立ち、転写装置により感光体に帯電履歴を持たせ、さらに除電装置で感光体に除電履歴を持たせ、この両方の履歴を持つ感光体上に帯電装置により帯電し露光装置で露光することで潜像を形成し、この潜像をトナー像で現像することでトナー像を形成して、転写装置によりトナー像を転写シートに転写するものである。
また、特開平7−146594公報に記載された転写装置がある。この特開平7−146594公報に記載された転写装置は、転写ベルトへ電圧を印加する高圧電源から転写ベルトへ流れる電流(I1 )と転写ベルトから感光体以外の(全ての)転写ベルトに接触する導電性部材へ流れ出る電流(I2 )とを測定して、両電流の差を転写ベルトから感光体と転写シートに流れ出る電流の合計とみなして、この電流を一定になるように制御している。すなわち、転写シートを搬送していないときは転写シートに流れ出る電流はないので、この電流の差は、転写ベルトより感光体へ流れる電流すなわち転写ベルトによる感光体の帯電電流となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平2−54280号公報や特開平7−146594号公報の技術では、接触帯電部材あるいは接触転写部材に電圧を印加する高圧電源等電気系の故障があった場合には、正常な帯電や転写を行うことができないため、通常の画像形成を行うことができず、ミスプリントやジャムが発生するという問題がある。また、接触帯電装置若しくは接触転写装置は、感光体に接離可能に設けられており、作像停止時に、接触帯電装置若しくは接触転写装置が感光体から離れている場合には、クラッチやカムやモータ等のアクチュエータで接触帯電部材あるいは接触転写部材の位置を変えることで感光体からの接離を行うが、アクチュエータや駆動伝達系や接触帯電部材あるいは接触転写部材の破損等の故障により、作像時に感光体に接触しなくなることがある。これらメカ系の故障があった場合には、接触帯電装置若しくは接触転写装置から感光体に電流が流れないので、ミスプリントやジャムが発生するという問題がある。
本発明の目的は、ミスプリントやジャムの発生を防止するとともに、画像に先立つ転写装置による帯電履歴を持たせるための時間を最小にすることが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る画像形成装置は、トナー像を坦持する感光体と、前記感光体に当接し、前記感光体を帯電する接触帯電装置と、前記感光体に当接可能に設けられ、前記感光体との間を通過する転写紙に電圧を印加して前記転写紙に前記感光体上のトナー像を転写する接触転写装置と、前記接触転写装置から前記感光体に流れる電流を検出する電流検出手段と、制御手段と、を備え、前記制御手段は、作像開始信号を受信すると前記接触転写装置に動作開始信号を送信して、前記接触転写装置により前記感光体に電圧を印加させ、前記電流検出手段が前記接触転写装置から前記感光体へ流れる電流を検出したときの前記感光体位置が除電位置にきたときと同時若しくはそれ以前に帯電を開始させ、さらに前記電流検出手段が前記接触転写装置から前記感光体へ流れる電流を検出したときの感光体位置が像露光を受ける位置にきたときに像露光を開始させることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置を適用したプリンタを示している。図1に示すプリンタは、静電潜像を形成するベルト状の感光体1と、感光体1を帯電する帯電ローラ2、感光体1にレーザー光LBを照射するレーザーユニット3と、感光体1に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像ユニット4、感光体1上に形成されたトナー像を紙に転写するための転写ローラ5、感光体1上の転写後の残留トナーを除去するクリーニングユニット6、感光体1上の電荷を除去する除電ランプ7と、紙を給紙する給紙カセット8と、帯電ローラ2に電圧を印加する帯電電源(付図示)と、転写ローラ5に電圧を印加する転写電源(不図示)と、帯電ローラ2若しくは転写ローラ5から感光体1に流れる電流を検出する検出回路(不図示)と、及びプリンタの各部の動作を制御する制御回路(不図示)等により構成されている。
上記感光体1、帯電ローラ2、及び転写ローラ5は、同一のモーターにより駆動されており、感光体1、帯電ローラ2、及び転写ローラ5の駆動停止は同期している。また、上記帯電ローラ2の位置は固定されていて、感光体駆動時も感光体停止時も感光体1に当接している。上記転写ローラ5は、ブラケット55に係合した支点53を中心に回転可能なアーム54の一端に取り付けられていて、このアーム54の他端に取り付けられた転写クラッチ51がオフされていると、アーム54の転写ローラ5側に取り付けられたスプリング52により感光体から離されるが、スプリング52の力より強い転写クラッチ51がオンすると、感光体1に当接する。給紙カセット8には、転写シートが多数枚収容でき、詳細は省略するが、図示しない給紙クラッチがオンすると、ピックアップコロ9が回転することで1枚ずつピックアップされて、一点鎖線に沿って矢印方向にレジストローラ10へ送られ、さらに図示しないレジストクラッチをオンすると、レジストローラ10が回転して、転写ローラ5、定着ローラ11を通って排紙トレイ12へ搬送される。
【0008】
次に、上記プリンタの全体の作像動作の概略を説明する。図1において、先ず、帯電ローラ2は、感光体1の表面を均一に帯電し、次いで、レーザーユニット3は、感光体1の画像部位にレーザー光を照射して静電潜像を形成する。そして、現像ユニット4は、感光体1に形成された静電潜像にトナーを付着させて可視像(トナー像)を形成する。次に、給紙カセット8から図示しない給紙クラッチがオンすると、ピックアップコロ9が回転することで1枚ずつピックアップされて、矢印方向にレジストローラ10へ送られ、さらに図示しないレジストクラッチをオンすると、レジストローラ10が回転して、転写ローラ5の位置まで搬送され、転写シートの裏側から帯電ローラ2によりトナーとは逆極性の電荷を記録紙に与え、静電力により感光体1上のトナー像を転写シートに転写する。転写シートに転写されたトナー像は、定着ローラ11で熱を加え転写シートに融着させて永久像とされた後、排紙トレイ12に排出される。一方、感光体1上に残った残留トナーは、クリーニングユニット7で除去され、さらに、除電ランプにより感光体1上の残留電荷が除去される。この帯電から除電に至る一連のプロセスを繰り返すことにより連続的に印字が行われる。
【0009】
次に、本発明の要旨である帯電ローラ2及び転写ローラ5の周辺の作像動作を図2に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。先ず、概略を説明する。作像動作に先立ち、転写電源及び帯電電源をオンしてから、所定時間経過しても転写ローラ5若しくは帯電ローラ2から感光体1に流れる電流を検出できなかった場合には、転写ローラ5若しくは帯電ローラ2の異常と判断して作像動作を停止する。一方、転写電源及び帯電電源をオンしてから、所定時間内に転写ローラ5及び帯電ローラ2から感光体1に流れる電流を検出した場合には、接触帯電装置から該感光体1へ流れる電流を検出したときの感光体位置が除電位置にきたときと同時若しくはそれ以前に帯電を開始し、さらに、検出回路が、電流を検出したときの感光体位置が像露光を受ける位置にきたときに像露光を開始する。
【0010】
図2において、先ず、本体電源が投入されると、制御回路(不図示)のタイマーがオンされる(ステップS1)。そして、制御回路は、外部から作像開始信号を受信すると(ステップS2)、先ず、駆動モータ(不図示)をオンする信号を駆動モータに出力して、駆動モーターをオンするとともに(ステップS3)、転写クラッチをオンさせる信号を転写クラッチ51に出力してをオンさせ(ステップS4)、タイマーをリセットする(ステップS5)。
そして、感光体速度が立ち上がる時間(所定時間1)が経過すると(ステップS6)、転写ローラ5に電圧を印加する信号を転写電源に送信してオンさせるとともに(ステップS7)、帯電ローラ2に電圧を印加する信号を帯電電源(不図示)に送信してオンさせる(ステップS8)。そして、タイマーをリセットして(ステップS9)、時間を計測しながら検出回路(不図示)により転写ローラ5から感光体1へ流れる電流を監視する。
【0011】
すなわち、転写クラッチ51を引き終わり転写ローラ5が感光体1に当接し、かつ転写電源が立ち上がることで、転写ローラ5から感光体1への通電が行われていなければならない時間(所定時間2)を経過しても、転写ローラ5から感光体へ流れる電流を検出しない場合は、ステップS11に移行して転写異常検出時の動作を行う一方、所定時間2になる前に、転写ローラ5から感光体1へ流れる電流を検出すると、ステップS18に移行する(ステップS10、S17)。
さて、ステップS20では、転写電源をオフし、つづいて、帯電電源、転写クラッチをオフする(ステップS21,S22)、これらの動作が完了すると、見込み時間経った後(ステップS23)、駆動モータをオフして(ステップS24)、異常箇所(帯電ユニット)を示すメッセージを、何処が異常かが分かるように操作部の表示装置に表示する(ステップS25)。
【0012】
一方、ステップS18ではタイマーをリセットして、時間を計ることを継続したまま、今度は帯電ローラ2から感光体5へ流れる電流を監視する。帯電電源が立ち上がることで、帯電ローラ2から感光体1への通電が行われていなければならない通常の時間(所定時間3)が経過しても、帯電ローラ2から感光体1へ流れる電流を検出しない場合は、ステップS20に移行して帯電異常検出時の動作を行う一方、所定時間3になる前に、帯電ローラ2から感光体1へ流れる電流を検出した場合は、ステップS27に移行する(ステップS17、S18)。
ステップS20では、転写電源をオフするとと共に、帯電電源、転写クラッチをオフする(ステップS21,S22)、これらの動作が完了すると、見込み時間経った後(ステップS23)、駆動モータをオフして(ステップS24)、異常箇所(帯電ユニット)を示すメッセージを、何処が異常かが分かるように操作部の表示装置に表示する(ステップS25)。
【0013】
さて、ステップS27では、転写ローラ5から感光体1へ流れる電流を検出したときの感光体位置が除電位置にきたときと同時若しくはそれ以前に帯電を開始する。そして、時間を計ることを継続して、転写ローラ5から感光体1へ流れる電流を検出した感光体位置が画像情報を持つレーザ照射を受ける位置に移動する時間(所定時間4)経ったときに(ステップS27)、レーザーユニット3は、感光体にレーザ照射を開始する(ステップS28)。さらに、感光体上のレーザ照射開始位置と転写シートの先端とが転写ローラ5で一致するように、所定時間経た後(ステップS29)、給紙クラッチオン信号を給紙クラッチに出力してONさせ(ステップS30)、つづいて、所定時間経た後(ステップS31)、レジストクラッチオン信号をレジストクラッチに出力してONさせる(ステップS30、S32)。
【0014】
以上説明したように本実施の形態においては、検出回路が、帯電ローラ2若しくは転写ローラ5から感光体1に流れる電流を検出できなかった場合には、作像動作を行わないこととしたので、電源系が故障した場合や、メカ系が故障して、接触帯電部材若しくは接触転写部材が、作像時に感光体に接触しなる状況が発生してた場合においても、ミスプリントやジャムを防止できる。
また、本実施の形態においては、帯電から感光体へ流れる電流を検出したときを基準として、以降の作像動作のタイミングを決定することとしたので、作像動作開始信号から作像の開始までの時間を短縮することが可能となる。
すなわち、帯電から感光体へ流れる電流はすなわち感光体に帯電のために付与された単位時間当たりの電荷量なので、帯電から感光体へ流れる電流を検出することは、帯電電荷を測定することと同じとなり、帯電電荷が目標値に達した時を有効帯電開始時となるので、帯電ローラ2に電圧を印加する動作開始信号を出して実際に帯電を開始するまでのタイムラグが正確に必要かつ最小限のものにできる。
【0015】
また、本実施の形態においては、帯電ローラ2若しくは転写ローラ5の動作を開始させるための動作開始信号を受信した後、所定時間経ても、検出回路が、感光体に流れる電流を検出しない場合に、異常と判断することとしたので、検出ミスを防止することができる。詳言すると、接触帯電装置若しくは接触転写装置に電圧を印加する動作開始信号を出しても電源立ち上がり時間等により、直ぐに印加電圧が立ち上がり放電が開始するのではないのでタイムラグがある。また、接触帯電装置あるいは接触転写装置を感光体1に接触させる動作開始信号を出しても、帯電ローラ2あるいは転写ローラ5の位置を変えるのに時間がかかり、感光体に接触するまでにタイムラグがある。正常に動作している場合でも、これらのタイムラグの後で初めて感光体への放電が始まるので、これより以前に接触帯電装置あるいは接触転写装置から感光体に流れる電流を検出する検出回路が電流を検出しないからといって異常と判断すると、検出ミスになる。正常動作でのタイムラグに時間マージンを加えた後になっても電流を検出しない場合に異常と判断することで、この検出ミスを防止できる。
【0016】
また、本実施の形態では、帯電や転写の異常を検出した場合に、作像動作の停止と警告表示を行うこととした。これにより、作像動作の停止を行うだけでは、オペレータやサービスマンは何処が故障したのか分からないので、この異常が特定できる警告表示を合わせて行うことで、故障個所を知らせることが可能となる。
また、本実施の形態においては、転写ローラ5から感光体1へ流れる電流を検出して、この値が目標値に達した時に転写部位にあった感光体位置が露光部位に到達したときに像露光を開始することとしたので、画像に先立つ転写ローラ5による帯電履歴を持たせるための時間を最小にできる。
尚、本実施の形態においては、プリンタを例示して説明したが、本発明は、これに限るものではなく、複写機やファックス等の他の画像形成装置にも適用可能であることはいうまでもない。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、接触転写装置から感光体へ流れる電流を検出して、この値が目標値に達した時に転写部位にあった感光体位置が露光部位に到達したときに像露光を開始することとしたので、画像に先立つ転写装置による帯電履歴を持たせるための時間を最小にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置を適用したプリンタを示す図である。
【図2】帯電ローラ及び転写ローラの周辺の作像動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 感光体、2 帯電ローラ、3 レーザーユニット、4 現像ユニット、5 転写ローラ、6 クリーニングユニット、7 除電ランプ、8給紙カセット、9 給紙コロ、10 レジストローラ、11 排紙トレイ、51 転写クラッチ、52 スプリング、53 支点、54 アーム、55 ブラケット
Claims (1)
- トナー像を坦持する感光体と、
前記感光体に当接し、前記感光体を帯電する接触帯電装置と、
前記感光体に当接可能に設けられ、前記感光体との間を通過する転写紙に電圧を印加して前記転写紙に前記感光体上のトナー像を転写する接触転写装置と、
前記接触転写装置から前記感光体に流れる電流を検出する電流検出手段と、
制御手段と、を備え、
前記制御手段は、作像開始信号を受信すると前記接触転写装置に動作開始信号を送信して、前記接触転写装置により前記感光体に電圧を印加させ、前記電流検出手段が前記接触転写装置から前記感光体へ流れる電流を検出したときの前記感光体位置が除電位置にきたときと同時若しくはそれ以前に帯電を開始させ、さらに前記電流検出手段が前記接触転写装置から前記感光体へ流れる電流を検出したときの感光体位置が像露光を受ける位置にきたときに像露光を開始させることを特徴とする画像形成装置。
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1997
- 1997-09-22 JP JP27507197A patent/JP3719695B2/ja not_active Expired - Fee Related
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