JP3719536B2 - グリース組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はグリ−ス組成物に関し、詳しくは自動車の等速ジョイント(CVJ)を含むユニバ−サルジョイント、等速ギヤ及び変速ギヤ等に使用される摩擦、摩耗特性に優れたグリ−ス組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CVJは急増するFF車や4WDあるいは独立懸架方式のFR車等に幅広く採用されている。CVJはエンジンの力を車輪に伝える為に用いられるが、ハンドルを切った状態においても円滑な動力伝達が必要とされる。この要求を満たす為に、CVJは一般に、エンジン側に用いられる軸方向にスライド可能なプランジング式ジョイントと、車輪側に用いられる軸方向に固定された固定式ジョイントの組み合わせから成っている。プランジングジョイントは、往復動の転がりすべり運動による回転軸方向へのスライド抵抗が発生する為、オ−トマチック車のアイドリング時の振動、発進、加速時の車体の横揺れ、特定速度でのビ−ト音、こもり音等、車の騒音、振動問題が発生する。現在、より快適な、より静かな自動車が要求されていることより、振動低減は重要な課題となっている。そこで振動低減の為にジョイント自体の改良の他、ジョイント内に充填されるグリ−スの改良も行われている。
【0003】
現在、低振動と摩擦係数の間には相関関係がある事、自動車の省燃費化の促進等から、より低摩擦を与えるグリ−スが求められている。
従来から、等速ジョイント用グリ−スの添加剤として、二硫化モリブデン、硫黄−リン系添加剤、鉛系添加剤等が用いられてきたが、現在では、大きなテ−マとなっている低振動性能を示すグリ−ス、すなわち低摩擦性能であるグリ−スの製造を目的として有機モリブデン化合物が用いられている。
【0004】
例えば、特開平6−184583号公報では、等速ジョイント用グリ−ス及び等速ジョイントとして、ウレアグリ−スにモリブデンジチオフォスフェ−ト、モリブデンジチオカ−バメ−ト、亜鉛ジチオカ−バメ−トを配合する等速ジョイント用グリ−スを提案している。
【0005】
また、特開平4−178499号公報ではウレア系増ちょう剤からなるグリ−スに硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、ジチオリン酸亜鉛、ソルビタン脂肪酸エステルを配合する等速ジョイント用グリ−ス組成物を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記組成物では、低摩擦という点で十分とは言えず、未だ改善の余地があった。
近年、自動車の高出力化、高速化、CVJの小型軽量化によるグリ−スの封入量の減少などにより、グリ−スが使用される条件はより一層厳しくなっている。このような状況下、グリ−スは耐久性、耐摩耗性に加え更なる低摩擦性能が求められている。
【0007】
従って、本発明の目的は、摩擦、摩耗特性に優れたグリ−ス組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、モリブデン化合物及び(ポリ)グリセリンエーテルと、必要に応じてジンクジチオフォスフェート及び/またはジンクジチオカルバメートを基グリースに配合することにより、摩擦、摩耗特性に優れたグリース組成物を提供することにある。
【0009】
すなわち、本発明は、基グリースに、(A)成分として、
一般式
【化7】
(式中、R1〜R4は、炭化水素基を表わし、X1は、酸素原子または硫黄原子を表わす)で表わされる硫化オキシモリブデンジチオカーバメート、
一般式
【化8】
(式中、R5〜R8は、炭化水素基を表わし、X2は、酸素原子または硫黄原子を表わす)で表わされる硫化オキシモリブデンジチオホスフェート、
6価のモリブデン化合物を、下記一般式
【化9】
(式中、R9及びR10は、水素原子及び/または炭化水素基を表わすが、同時に水素原子であることはない)
で表されるアミノ化合物と反応させて得られるモリブデンアミン化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上のモリブデン化合物と、
(B)成分として、一般式
【化10】
(式中、R11及びR12は、水素原子及び/または炭化水素基を表わすが、R11及びR12が同時に水素原子であることはなく、nは、1〜10の数である)
で表わされる(ポリ)グリセリンエーテルを含有してなることを特徴とするグリース組成物である。
【0010】
更に、本発明のグリース組成物は、(C)成分として、
一般式
【化13】
(式中、aは0または1/3の値であり、R15及びR16は、炭化水素基を表わす)で表わされるジンクジチオホスフェート(以下、「ZDTP」と記載する)及び/または
一般式
【化14】
(式中、R17及びR18は、炭化水素基を表わす)
で表わされるジンクジチオカーバメ−ト(以下、「ZDTC」と記載する)を含有してもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の必須の成分である(A)成分たるモリブデン化合物は、一般式(1)で表わされるMoDTC、一般式(2)で表わされるMoDTP、MoAmのうち、1種であっても、2種以上を併用してもよい。
【0012】
一般式(1)〜(3)において、R1〜R10は、炭化水素基であり、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等である。
【0013】
アルキル基としては例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−オクチルドデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分枝−イソステアリル等が挙げられる。
【0014】
アルケニル基としては例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
【0015】
アルキルアリール基としては例えば、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
【0016】
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
【0017】
さらに、R9及びR10は水素原子であってもよいが、R9とR10が同時に水素原子であることはない。
【0018】
R1〜R10は、互いに同一でも異なってもよい。すなわち、R1〜R4、R5〜R8、R9〜R10も、互いに同一でも異なってもよい。R1〜R4が、互いに異なる場合は、潤滑油組成物のロングドレイン化(長寿命化)を図る上では好ましいものである。
【0019】
これらの中でも、MoDTC、MoDTP、MoAmにおいては、R1〜R4、R5〜R8、R9〜R10は、炭素数1〜16のアルキル基が好ましく、炭素数2〜13のアルキル基がより好ましく、炭素数2〜8が最も好ましい。
【0020】
また、一般式(1)で表されるMoDTC及び一般式(2)で表されるMoDTPにおいては、X1並びにX2は硫黄原子または酸素原子であり、X1並びにX2の全てが硫黄原子あるいは酸素原子であってもよいが、潤滑性及び腐食性を考慮した場合、硫黄原子/酸素原子の比が1/3〜3/1であるのが特に好ましい。
【0021】
本発明に用いられる一般式(1)で表されるMoDTCの製造方法は、例えば特公昭56−12638号公報に記載された方法によることが好ましい。つまり、三酸化モリブデンもしくはモリブデン酸塩と、硫化アルカリあるいは水硫化アルカリを反応させ、次いで二硫化炭素と二級アミンを加えて適当な温度で反応させることにより得ることができる。
【0022】
本発明に用いられる一般式(2)で表されるMoDTPの製造方法は、例えば特開昭61−87690号、特開昭61−106587号公報に記載された方法によることが好ましい。つまり、三酸化モリブデンもしくはモリブデン酸塩と、硫化アルカリあるいは水硫化アルカリを反応させ、次いでP2S5と二級アルコールを加えて適当な温度で反応させることにより得ることができる。
【0023】
本発明に用いられるMoAmは、モリブデン酸(H2MoO4)と、1級あるいは2級のアミンの塩であって、例えば特開昭61−285293号公報に示された方法により製造することが好ましい。つまり、三酸化モリブデンもしくはモリブデン酸塩と、1級あるいは2級のアミンを室温から100℃の間で反応させることにより得ることができる。
【0024】
本発明のグリース組成物の(A)成分たるモリブデン化合物は、MoDTC、MoDTP、MoAmのうち、1種であっても、2種以上を併用してもよいが、少なくとも1種はMoDTCを用いるのが好ましい。添加量は特に制限されないが、添加量があまりに少ないと摩擦低減効果が十分でなく、添加量があまりに多くてもそれ以上の効果がみられないばかりか逆に悪くなる可能性がある為、基グリ−スに対して、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%がよい。
【0025】
本発明のグリース組成物の(B)成分である一般式(4)で表わされる化合物は、(ポリ)グリセリンエーテルである。この一般式(4)で表される(ポリ)グリセリンエーテル中のR11及びR12は、水素原子、または炭化水素基であり、互いに同一でも異なってもよく、また、前述のR1〜R10と同じく、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基等が好ましい。ただし、R11およびR12が同時に水素原子であることはない。
【0026】
R11及びR12は、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基が好ましく、6〜20のアルキル基、アルケニル基がさらに好ましい。また、分枝鎖よりは直鎖が好ましく、ラウリル基、オレイル基が最も好ましい。
【0027】
また、nは1〜10であり、モノグリセリンのエーテルでもポリグリセリンのエーテルであってもよい。但し、nが大きなものは合成上困難であるので、nは1〜3が好ましい。
【0030】
本発明のグリース組成物の(B)成分たる(ポリ)グリセリンエーテルは、1種であっても、2種以上を併用しても良い。添加量は特に制限されないが、添加量があまりに少ないと摩耗低減効果が十分でなく、添加量があまりに多くてもそれ以上の効果がみられないばかりか、逆に悪影響を及ぼす可能性があるため、基グリースに対して、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%が良い。
【0031】
また、一般式(4)で表される(ポリ)グリセリンエーテルは、モリブデン化合物との組み合わせにおいて優れた潤滑性を示す。また、さらにZDTP及び/またはZDTCを加えたグリース組成物は、さらに優れた潤滑性を示す。
【0032】
本発明のグリース組成物の(C)成分たる一般式(6)で表わされるZDTPにおいて、R15、R16は炭化水素基であり、互いに同一でも異なってもよく、また、前述のR1〜R10と同じく、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基等が好ましい。これらの中でも、炭素数3〜14のアルキル基が好ましい。
【0033】
また、用いる1種または2種以上のZDTPのR15、R16のうち、60%以上が1級アルキル基であるのが好ましい。残る40%以下は2級及び/または3級アルキル基であってもよい。
【0034】
aは0または1/3であり、a=0の場合、中性ZDTPと呼ばれ、a=1/3の場合、塩基性ZDTPと呼ばれる。
【0035】
本発明に用いられるZDTPは、例えば特公昭48−37251号公報に示す方法により製造されうる。すなわち、P2S5と所望のアルコールを反応させてアルキル置換ジチオリン酸を生成し、それを酸化亜鉛で中性化あるいは塩基性化し、亜鉛塩を形成させることにより製造することができる。
【0036】
また、本発明のグリース組成物の(C)成分たる一般式(7)で表わされるZDTCにおいて、R17、R18は炭化水素であり、互いに同一でも異なっていてもよく、また、前述のR1〜R10と同じく、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基等が好ましい。これらの中でも、炭素数3〜14のアルキル基が好ましい。
【0037】
本発明のグリース組成物の(C)成分たる一般式(6)で表されるZDTP及び一般式(7)で表されるZDTCは、1種であっても2種以上を併用してもよい。添加量は特に制限されないが、添加量があまりに少ないと十分な極圧効果が得られず、添加量があまりに多いと潤滑性が悪くなる等好ましくない。(C)成分は基グリ−スに対し、0.01〜10重量%添加されるが、好ましくは、1〜5重量%がよい。
【0038】
本発明に用いることができる基グリ−スは、基油と増ちょう剤からなる。増ちょう剤としては、アルミニウム、バリウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム等の石鹸増ちょう剤、複合リチウム、複合カルシウム、複合アルミニウム等のコンプレックス石鹸増ちょう剤、ウレア、ジウレア、トリウレア、テトラウレア、アリールウレア、テレフタラメート等の有機非石鹸増ちょう剤、ベントナイト、シリカエアロゲル等の無機非石鹸増ちょう剤等が用いられるが、好ましくはウレアである。これらの増ちょう剤は単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせても良い。増ちょう剤の量は特に限定されるものではないが、基油と増ちょう剤からなる基グリースに対して通常3〜40重量%、好ましくは5〜20重量%である。
【0039】
本発明のグリース組成物において使用される基油としては通常グリースに使用される鉱油系潤滑油基油、合成系潤滑油基油、又はこれらの混合系のものなど種々の潤滑油基油を用いることができる。鉱油系潤滑油基油としては、例えば原油を原油を溶剤精製、水素化精製など適宜組み合わせて精製したものが挙げられる。合成系潤滑油の基油としては例えば炭素数3〜12のα−オレフィンの重合体であるα−オレフィンオリゴマ−、2−エチルヘキシルセバケ−ト、ジオクチルセバケ−トを始めとするセバケ−ト、アゼレ−ト、アジペ−トなどの炭素数4〜12のジアルキルジエステル類、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリト−ルと炭素数3〜12の一塩基酸から得られるエステルを始めとするポリオ−ルエステル類、炭素数9〜40のアルキル基を有するアルキルベンゼン類、ブチルアルコ−ルをプロピレンオキシドと縮合させる事により得られるポリグリコ−ルなどのポリグリコ−ル類、約2〜5個のエ−テル連鎖及び約3〜6個のフェニル基を有するフェニルエ−テル類などが挙げられる。上記鉱油系潤滑油基油及び合成系潤滑油基油は1種単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。基油の量は要求特性に応じて適宜選択することができるが、基油を増ちょう剤から成る基グリ−スに対して通常70〜95重量%の範囲である。
【0040】
また、本発明の目的の範囲内で必要に応じて公知の各種添加剤、例えば、高級脂肪酸、高級アルコ−ル、アミン、エステル等の摩擦緩和剤、硫黄系、ハロゲン系、リン系、鉛系等の極圧剤、フェノール系、アミン系、硫黄系、セレン系等の酸化防止剤、長鎖カルボン酸及びこれらの誘導体、スルフォン酸塩、アミン類りん酸エステル及びこれらの塩等の防錆剤、グラファイト、二硫化モリブデン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、窒化ほう素等の固体潤滑剤、その他、流動点降下剤、粘度指数向上剤、粘着剤、構造安定剤、清浄分散剤、防腐剤、消泡剤、エステル等の摩擦緩和剤、硫黄系、塩素系、着色剤、有機金属系等の極圧剤、中性または高塩基性のアルカリ土類金属清浄剤、帯電防止剤、乳化剤、抗乳化剤等を通常の使用量の範囲で加えることもできる。
【0041】
本発明のグリ−ス組成物は、自動車の等速ジョイントを含むユニバ−サルジョイント、等速ギヤ及び変速ギヤ等に好適に用いることができる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
基グリ−ス:100℃における粘度が15cStである精製鉱油に、脂肪族アミン系ウレア化合物(増ちょう剤)を25℃で287cStになるように均一に分散させた。
【0043】
Mo化合物1:一般式(1)において、R1〜R4=2−エチルヘキシル基、X1=S/O=2.2であるMoDTC。
Mo化合物2:一般式(2)において、R5〜R8=2−エチルヘキシル基、X2=S/O=2.2であるMoDTP。
Mo化合物3:一般式(1)において、R1〜R4=2−エチルヘキシル基:イソトリデシル基=1:1、X1=S/O=2.2であるMoDTC。
Mo化合物4:一般式(1)において、R1〜R4=n−ブチル基、X1=S/O=2.2であるMoDTC。
Mo化合物5:下記の方法で合成されるMoAm。窒素気流下で三酸化モリブデン1モルを水540mlに分散させ、次いで2モルのジトリデシルアミンを50〜60℃に保ちつつ、1時間で滴下、さらに同温度で1時間熟成した。この後、水層を分離除去し、淡青色オイル状のモリブデン酸アミン化合物(MoAm)を合成した。なお、一般式(3)中のR9、R10はイソトリデシル基である。
【0044】
グリセリンエーテル1:グリセリンモノオレイルエ−テル[一般式(4)において、R11=オレイル基、R12=H、n=1]。
グリセリンエーテル2:グリセリンジオレイルエ−テル(R11、R12=オレイル基、n=1)。
グリセリンエーテル3:グリセリンモノラウリルエ−テル(R11=ラウリル基、R12=H、n=1)。
グリセリンエーテル4:ジグリセリンモノラウリルエ−テル(R11=ラウリル基、R12=H、n=2)。
グリセリンエーテル5:グリセリンモノステアリルエ−テル(R11=ステアリル基、R12=H、n=1)。
【0046】
ZDTP1:一般式(6)において、R15、R16=2−エチルヘキシル基(1級アルキル基)、中性塩(a=0):塩基性塩(a=1/3)=55:45 (モル比)であるZDTP。
ZDTP2:一般式(6)において、R15、R16=ドデシル基(1級アルキル基)、中性塩:塩基性塩=62:38(モル比)であるZDTP。
ZDTP3:一般式(5)において、R15、R16=1,3−ジメチルブチル基(2級 ):イソプロピル基(2級)=1:1、中性塩:塩基性塩=62:38(モル比)であるZDTP。
【0047】
ZDTC1:一般式(7)において、R17、R18=2−エチルヘキシル基であるZDTC
ZDTC2:一般式(7)において、R17、R18=1,3−ジメチルブチル基:イソプロピル基=1:1であるZDTC
【0048】
エステル1:ソルビタンモノオレ−ト
エステル2:ソルビタントリオレ−ト
エステル3:グリセリンモノオレート
【0049】
上記で得られた潤滑油組成物について、下記の方法により摩擦試験を行った。
<摩擦試験>
点接触:試験条件はシリンダ−オンプレ−トの線接触条件で行った。即ち、上部ボ−ル(φ10mm)をプレ−ト(φ24×6.85mm)上にセットし、往復振動させ、2時間後に摩擦係数を測定した。尚、材質は両者共SUJ−2であった。
荷重:200N 温度:50℃ 測定時間:2時間 振幅:1mm
サイクル:50Hz
【0050】
<耐摩耗試験>
高速4級試験により摩擦係数、摩耗痕径を測定した。条件は以下のとおり。
回転数:1800rpm 荷重:40kg 温度:40℃ 時間:60分
試験油の配合、及び測定の結果を以下の表に示した。尚、表中の数値は重量%である。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】
本発明の効果は、摩擦、摩耗特性に優れたグリ−ス組成物を提供したことにある。即ち、本発明のグリ−ス組成物は優れた摩擦、摩耗特性を発揮し自動車の等速ジョイントを含むユニバ−サルジョイントを始めとしてあらゆる用途のグリ−ス組成物として使用することができる。
Claims (5)
- 基グリースに、(A)成分として、
一般式
一般式
6価のモリブデン化合物を、下記一般式
で表されるアミノ化合物と反応させて得られるモリブデンアミン化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上のモリブデン化合物と、
(B)成分として、一般式
で表わされる(ポリ)グリセリンエーテルを含有してなることを特徴とするグリース組成物。 - 基グリースに対して、(A)成分の含有量が0.01〜10重量%、(B)成分の含有量が0.01〜10重量%である請求項1記載のグリース組成物。
- 基グリースに対して、(C)成分の含有量が0.01〜10重量%である請求項1ないし3のいずれか1項記載のグリース組成物。
- 一般式(4)において、R11及びR12が、水素原子及び/または炭素数1〜20のアルキル基またはアルケニル基であり、nは1〜3である請求項1ないし4のいずれか1項記載のグリース組成物。
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1995
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