JP3719302B2 - 電池残存容量計及び電池残存容量測定方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気自動車に搭載した電池の残存容量を測定するに適した電池残存容量計及び電池残存容量測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気自動車に採用される電池残存容量計においては、例えば、電気自動車用鉛蓄電池の放電電圧と残存容量の関係を表す初期放電特性をデータテーブルとして予めメモリに記憶しておき、電池の放電時端子電圧に基づき上記データテーブルから残存容量を算出するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記鉛蓄電池とは別に、近年、エネルギー密度が大きい等の理由を根拠に、電気自動車用電源として、Ni−MH電池やNi−Cd電池に代表されるアルカル電池が採用され始めている。
この電池は、鉛蓄電池と同様、二次電池であって、充電によって繰り返し使用することが可能である。
【0004】
しかし、この電池は完全放電といえる放電終止電圧まで放電させずに充放電を繰り返す場合にいわゆるメモリ効果を生ずる。ここで、メモリ効果を発生している電池の放電電圧と残存容量の関係を表す放電特性は、上記初期放電特性とは異なっている。
このため、上述のように、メモリ効果を発生している電池の残存容量が、上記初期放電特性に基づいて算出されると、誤差が生ずるという不具合がある。
【0005】
これに対しては、特開平7−55903号公報にて示されているように、電池の放電電流の積算により放電中の放電量を算出し、予め定められた満充電容量から算出放電量を減算することで、残存容量を算出することも考えられる。
しかし、メモリ効果によって1回の充電が電池から取り出せる電気量が変化しないため、残存容量の算出は可能となるとしても、次のような不具合が生ずる。
【0006】
電気自動車は、本来、電池のエネルギーを消費して走行するものである。従って、Ni−MH電池の残存容量は、エネルギーの単位(Wh)、つまり、電圧(V)、電流(A)及び時間(h)の三つの次元からなる単位から算出することが望ましい。
これに対し、上記公報による方法では、残存容量の算出が、エネルギーの単位(Wh)を介することなく、単に、単位(Ah)の面からなされる。
【0007】
例えば、一般に電池を使うシステムでは、このシステムが必要とする電力を電池から供給している。メモリ効果が発生する電池では、メモリ効果が発生して当該電池の放電電圧が低くなると、同じ電力を電池から取り出していても、電池の放電電流が大きくなる。従って、同一の残存容量(Ah)があっても、メモリ効果を発生した電池の方が、早く放電して使えなくなるという不具合が生ずる。
【0008】
また、上記公報による方法では、長い期間の使用により電池が劣化すると、予め定められた満充電容量に対し、実際の満充電容量が低下する。このため、残存容量があるという表示となっていても、実際には、残存容量がないという不具合が生ずる。
これに対し、本発明者等は、Ni−MH電池(100(Ah)の定格容量を有する)を用いて、以下に述べるような種々の検討を行ってみた。
(1).まず、Ni−MH電池の放電電圧と放電量との関係を表す放電特性がメモリ効果の発生の有無や充放電状況の繰り返し状況によりどのように変化するかにつき実験により調べてみた。
【0009】
これにより、図11(a)にて示すようなNi−MH電池の放電特性が各グラフでもって得られた。ここで、グラフM1は、Ni−MH電池をその満充電状態から放電終了電圧1.0(V)まで放電(完全放電)したときの放電電圧と放電量との間の関係を表す初期放電特性を示す。
また、グラフM2は、Ni−MH電池の満充電状態からの60(Ah)放電を10回繰り返したときの放電電圧と放電量との間の関係を表す放電特性を示す。
【0010】
また、グラフM3は、Ni−MH電池の満充電状態から60(Ah)放電を20回繰り返したときの放電電圧と放電量との間の関係を表す放電特性を示す。
また、グラフM4は、Ni−MH電池の満充電状態からの60(Ah)放電を29回継続して繰り返した後、30回目に完全放電したときの放電電圧と放電量との間の関係を表す放電特性を示す。
【0011】
また、グラフM5は、上記30回目と同様の完全放電を再度行ったときの放電電圧と放電量との間の関係を表す放電特性を示す。
上記図11(a)の各グラフによれば、Ni−MH電池の放電を途中(60(Ah))で停止して充電するサイクルを継続すると、初期放電特性上での未放電量領域(60(Ah)よりも多い領域)の放電電圧が、初期放電特性上の対応放電電圧よりも降下することが分かる(グラフM2乃至M4参照)。これは、Ni−MH電池のメモリ効果によるものである。
【0012】
また、60Ah放電を繰り返した後に再度完全放電を行うと、ほぼ初期放電特性(グラフM1参照)と同様の放電特性(グラフM5参照)を示すことも分かる。さらに、このことから、Ni−MH電池の電圧降下は一時的なものであることも分かる。従って、Ni−MH電池のメモリ効果は、完全放電を行わないような充放電状態で一時的に表れる現象であるといえる。
(2).また、図11(a)のような実験を、1サイクル当たりのNi−MH電池の放電量を30(Ah)とした場合につき行ってみた。
【0013】
これにより、図11(b)にて示すようなNi−MH電池の放電特性が各グラフでもって得られた。ここで、グラフN1は、グラフM1と同一である。
また、グラフN2は、Ni−MH電池の満充電状態からの30(Ah)放電を10回繰り返したときの放電特性を示す。
また、グラフN3は、Ni−MH電池の満充電状態から30(Ah)放電を20回繰り返したときの放電特性を示す。
【0014】
また、グラフN4は、Ni−MH電池の満充電状態からの30(Ah)放電を29回繰り返した後、30回目に完全放電したときの放電特性を示す。
また、グラフN5は、上記30回目と同様の完全放電を再度行ったときの放電特性を示す。
これによれば、1サイクル当たりの放電量が60(Ah)から30(Ah)に変わっても、図11(a)の各グラフの場合と同様に、初期放電特性上での未放電量領域(30(Ah)よりも多い領域)の放電電圧が、初期放電特性上の対応放電電圧よりも降下することが分かる(グラフN2乃至N4参照)。
【0015】
また、30(Ah)放電を繰り返した後に再度完全放電を行うと、ほぼ初期放電特性(グラフN1参照)と同様の放電特性(グラフN5参照)を示すことも分かる。
(3).図11(a)、(b)の各グラフによれば、Ni−MH電池の各放電特性はほぼ相互に相似の形態をとるものと考えられる。
【0016】
従って、メモリ効果を発生しているNi−MH電池の放電特性は、このNi−MH電池の初期放電特性を、放電電圧降下分だけ移動させることで、メモリ効果を発生している電池の放電特性の全体を推定できると仮定してみた。
そして、この仮定の是非を、図12にて示す等価電池回路を用いて検討してみた。
【0017】
この等価電池回路は、Ni−MH電池1と逆流阻止用ダイオード2とからなる直列回路と、Ni−MH電池3と逆流阻止用ダイオード4とからなる直列回路とを備えており、これら両直列回路は並列接続されている。また、上記両直列回路の両端には、負荷5が接続されている。
また、各符号I1 、I 2、IT は、それぞれ、電流計を示し、また、各符号V1 、V 2、VT は、それぞれ、電圧計を示す。
【0018】
まず、両Ni−MH電池1、3の各端子電圧を共に同一の12Vにした場合の両Ni−MH電池1、3の放電電圧と放電量との関係を示す初期放電特性を調べてみたところ、図13(a)にて示すグラフVoとして得られた。但し、各Ni−MH電池1、3は、1.2(V)及び1.6(Ah)の電池を10個直列接続したものである。
【0019】
ついで、Ni−MH電池2を構成する電池の数を1個減らすことで、Ni−MH電池1の端子電圧をNi−MH電池2の端子電圧よりも高くした。
そして、このような回路で各電圧計にかかる放電電圧及び各電流計に流れる放電電流を放電量との関係で測定してみたところ、図13(a)(b)にて示すような各グラフが得られた。
【0020】
ここで、各グラフI1 、I 2、IT は、各電流計I1 、I 2、IT により測定した放電電流を放電量との関係で測定したものである。また、各グラフV1 、V 2、VT は、各電流計V1 、V 2、VT により測定した放電電圧を放電量との関係で測定したものである。
これらのグラフによれば、等価電池回路の放電開始時には、放電電流I1 が大きく放電電流I 2よりも小さいため、端子電圧の高いNi−MH電池51が優先的に放電していることが分かる(図13(b)参照)。
【0021】
さらに、放電の途中から両放電電流I1 、I 2の値が逆転するから、Ni−MH電池1の残存容量が無くなり、Ni−MH電池2の放電に切り換わっていることを示す。
ここで、負荷5にかかる全放電電圧VT は、Ni−MH電池1の放電時にはこのNi−MH電池1の放電電圧V1 と一致し、また、放電が切り換わりNi−MH電池2の放電時には、このNi−MH電池2の放電電圧V 2と一致している。
【0022】
このように、両Ni−MH電池1、2が切り換わり放電することで、放電電圧が初期放電特性Voに対し放電末期において降下したような関係となる。従って、図13(a)にて示す各関係は、図11の初期放電特性M1及びメモリ効果発生後の放電特性M4と非常に近似していることが分かる。
以上より、メモリ効果は、見かけ上、部分的に端子電圧の低い電池が生成されることで、端子電圧の高い電池と端子電圧の低い電池とが切り換わって放電することにより発生するものと考えることができる。
【0023】
換言すれば、起電圧が異なる複数の電池を図14にて例示するごとく並列に接続した回路モデルでもって、メモリ効果を発生した後の電池の放電特性における放電電圧の降下を推定でき、上記仮定が正しいことが立証できたこととなる。
(4).以上の検討結果から、メモリ効果により起電圧降下を起こした電池の放電特性における放電電圧は、初期放電特性における放電電圧に対し一様に低くなると考えて、メモリ効果発生後のNi−MH電池の放電特性が初期放電特性から推定できるという結論に達した。
【0024】
具体的には、次のようにして、図15に基づき推定する。
図15において、点P1(放電量60(Ah)に対応)を境として両グラフM1a、M1bをつなげたものは、図11(a)のグラフM1に相当する。また、点P2(放電量60(Ah)に対応)を境として両グラフM4a、M4bをつなげたものが、図11(a)のグラフM4に相当する。
【0025】
この場合、点P1の放電電圧は、点P2の放電電圧まで降下しており、かつ、これら両点P1、P2の各放電電圧及び各放電量は実測により決め得る値である。
このような前提のもと、両グラフM1、M4aに基づきグラフM4aの放電特性につながる未放電領域(放電量60(Ah)以上の領域)の放電特性を推定するにあたっては、放電量60(Ah)における両点P1、P2の各放電電圧の差だけ、グラフM1の初期放電特性中の放電量60(Ah)以上の領域部分を図15の縦軸に沿い下方へ平行移動させてグラフM4Bを作成する。
【0026】
このグラフM4BがグラフM4aの放電特性につながる放電量60(Ah)以上の領域の放電特性を推定したものである。
このグラフM4Bの推定放電特性をグラフM4bの実測放電特性と比較すれば両者はよく近似していることが分かる。よって、上記推定が正しいことが分かる。
【0027】
なお、両グラフM4a、M4bの総合的な放電特性は、グラフM1の初期放電特性を、点P0(放電量=0(Ah)に対応)を基準とし、点P2を通るように、放電電圧及び放電量を減少させる方向に相似変形することで特定され得る。ここで、グラフM4cは、グラフM4aの放電特性を起電圧の高い電池の放電特性で置換した場合の放電量60(Ah)以上の領域の放電特性を示す。
【0028】
また、上記推定方法では、一定放電量=60(Ah)を基準とした例について説明したが、これに限らず、一定放電量=30(Ah)(図11(b)参照)の場合や、放電量が60(Ah)、30(Ah)以外の値の場合であっても、同様の推定方法で推定可能である。
(5).次に、Ni−MH電池の満充電状態からの放電量が変化する場合の放電特性の推定方法について検討してみた。
【0029】
満充電状態からの放電量が減少する方向に変化する場合
図16(a)において、グラフM2(図11(b)参照)の放電量60(Ah)に対応する点をQ1とすると、この点Q1以下の放電量領域R1は、上記一定放電量60(Ah)の場合の推定方法により、グラフM2Aの放電特性として推定できる。
【0030】
次に、グラフM2に沿い点Q1まで放電した後Ni−MH電池を再度満充電状態にする。そして、1サイクル当たりの放電量を30(Ah)として10回の充放電を行うと、10回目の30(Ah)放電時のグラフM6上の放電電圧は、点Q2(図16(b)参照)でもって特定される値となった。
ここで、この点Q2以下の放電量領域R2は、上記一定放電量の場合の推定方法により、グラフM6Bの放電特性として推定できる。
【0031】
このグラフM6BがグラフM6の放電特性につながる放電量30(Ah)以上の領域の放電特性を推定したものである。
また、グラフM6の放電特性においてそのまま放電量領域R2に亘りNi−MH電池を放電してみたところ、グラフM6Aの放電特性が得られた。このグラフM6Aの放電特性をグラフM6Bの推定放電特性と比較すれば両者は良く近似していることが分かる。よって、上記推定が正しいことが分かる。
【0032】
満充電状態からの放電量が増加する方向に変化する場合
図17(a)において、グラフN2(図11(b)参照)の放電量30(Ah)に対応する点をQ3とすると、この点Q3以下の放電量領域R3は、上記一定放電量の場合の推定方法により、グラフN2Aの放電特性として推定できる。
次に、グラフN2に沿い点Q3まで放電した後Ni−MH電池をさらに放電量60(Ah)(点Q4に対応)まで継続放電する(図17(b)参照)。このときの両点Q3、Q4の間の放電特性はグラフN2aとして実測される。
【0033】
このグラフN2aの実測放電特性とグラフN2Aの推定放電特性とを比較すると、相互に良く近似していることが分かる。
ここで、このように放電量の増加に伴うメモリ効果を発生したNi−MH電池の放電特性は、一旦放電すると、起電圧の高い放電特性に戻る。このため、点Q4まで放電した後満充電状態となったNi−MH電池の放電特性は、グラフN6(図18(a)参照)で特定されると予測される。
【0034】
即ち、図17のように30(Ah)放電を繰り返した場合には、起電圧の高い等価電池の容量が30(Ah)であったが、一旦放電すると、起電圧の高い等価電池の容量が60(Ah)に変化すると考えられる。
そこで、グラフN6の放電特性は、図15について述べたと同様に、グラフN1の初期放電特性を点P0を基準にして、点Q4を通るように相似変形することで予測できる。
【0035】
このグラフN6の放電特性は、その後満充電まで充電を行った後に放電したときの実測による放電特性のグラフN7とよく一致していることが分かる(図18(b)参照)。
以上により、Ni−MH電池の使用中に時々刻々とメモリ効果により変わる放電特性に関し、残存容量に対応する未放電量領域の放電特性が推定できることが分かった。
(5).次に、Ni−MH電池が劣化を伴う場合の放電特性について検討してみた。
【0036】
図19(a)は、図15のグラフM1、M4a、M4Bを抜き出したグラフを示す。
ここで、Ni−MH電池がグラフM1の初期放電特性を測定した後に劣化していれば、グラフM4aの放電特性においてそのままNi−MH電池を点P2以上の放電領域に亘り放電し続けた放電特性は、グラフM4Cにより特定される(図19(b)参照)。これによれば、この放電特性は、グラフM4Bの推定放電特性とは異なることが分かる。
【0037】
その根拠は、グラフM4Bの推定放電特性がNi−MH電池の劣化なしとして得られたものであって、当該劣化を考慮していないことによる。
これにより、逆に、グラフM4Cの放電特性がグラフM4Bの推定放電特性と異なることで、Ni−MH電池に劣化があると判断できる。
そこで、図19(b)の一部を図20にて示すごとく拡大抽出した。また、放電電圧がaのときの両グラフM4C、M4B上の各点をPa、Qaとし、放電電圧がbのときの両グラフM4C、M4B上の各点をPb、Qbとする。
【0038】
ここで、グラフM4Cの放電特性において点Paの放電量は、点P2までの放電量H1と点P2から点Paまでの放電量H2との和である。
一方、グラフM4Bの放電特性において点Qaの放電量は、放電量H1と点P2から点Qaまでの放電量H3との和である。
また、両グラフM4B、M4Cは、互いに相似形となっている。
【0039】
このため、次の数1の比例式が成立する。
【0040】
【数1】
H2/H3=H4/H5
ここで、H4は、グラフM4Cの放電特性上の点Pbまでの放電量から放電量H1を差し引いた放電量を表す。また、H5は、グラフM4Bの放電特性上の点Qbまでの放電量から放電量H1を差し引いた放電量を表す。
【0041】
また、各点Pa、Qaの放電電圧及び放電量の実測は可能である。
これにより、推定された放電特性M4B上にある点Qbの放電量H5が、数1の比例式により算出され放電量H4に変換されることで放電特性M4Cの劣化後の放電特性を算出することができる。
そこで、本発明は、以上のことに着目して、メモリ効果を発生する充放電可能な電池の残存容量を、当該電池の劣化の有無に応じて正しく測定するようにした電池残存容量計及び電池残存容量測定方法を提供することを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決にあたり、請求項1及び2に記載の発明によれば、放電量算出手段が、電流測定手段の測定放電電流に基づき、充放電可能な電池の放電量を算出し、放電電圧決定手段が、電池の放電電圧と放電量との関係を表す初期放電特性に基づき、この初期放電特性上の上記算出放電量に対応する放電電圧を決定する。
【0043】
そして、放電特性推定手段が、初期放電特性上の上記算出放電量に対応する放電電圧を電圧測定手段による測定放電電圧に一致させるように、初期放電特性を並行移動させることで、上記測定放電電圧及び算出放電量を含む放電特性を推定する。
これに基づき、残存容量算出手段が、電池の算出放電量から完全放電までの推定放電特性上の放電電圧を積分することで電池の残存容量を算出する。
【0044】
これにより、電池の放電特性がこの電池のメモリ効果の発生に伴い初期放電特性から変化しても、この変化後の電池の放電特性を容易に的確に推定できる。その結果、電池の残存容量を精度をよく知ることができる。
この場合、残存容量算出手段が、電池の算出放電量から完全放電までの推定放電特性上の放電電圧を積分するから、電池の放電電圧の高低を考慮して残存容量を算出することとなる。
【0045】
従って、残存容量の算出値に、電池の放電電圧の高低を考慮しない場合の誤差が混入することなく、電池の残存容量をエネルギー量の観点からとらえた精度のよい値として得ることができる。
ここで、請求項2に記載の発明によれば、劣化判定手段が、放電特性推定手段による推定後の電圧測定手段による測定電圧及びこれに対応する放電量が推定放電特性上にないとき、電池の劣化と判定すると、修正手段が、推定放電特性を上記推定後の測定電圧及びこれに対応する放電量を含む放電特性に相似的に修正する。
【0046】
これにより、電池の劣化によりその初期放電特性が変化しても、当該劣化に即した放電特性を得ることが可能である。
また、請求項3及び4に記載の発明によれば、放電量算出手段が、電流測定手段の測定放電電流に基づき、充放電可能な電池の放電量を算出し、放電電圧決定手段が、電池の放電電圧と放電量との関係を表す初期放電特性に基づき、この初期放電特性上の上記算出放電量に対応する放電電圧を決定する。
【0047】
そして、放電特性推定手段が、初期放電特性上の算出放電量に対応する放電電圧が測定放電電圧に一致するように初期放電特性を並行移動することで形成される等価電池の放電特性を、測定放電電圧及び算出放電量を含む放電特性として推定する。
これに基づき、残存容量算出手段が、電池の算出放電量から完全放電までの推定放電特性上の放電電圧を積分することで電池の残存容量を算出する。
【0048】
このように、等価電池の放電特性でもって置換することで、電池のメモリ効果発生後の放電特性を推定しても、請求項1及び2に記載の発明と同様の作用効果を達成できる。
また、請求項5に記載の発明によれば、メモリ効果を発生している電池の放電電圧と放電量との関係を表す放電特性を、起電圧の異なる複数の等価電池の放電電圧と放電量との関係を表す放電特性の組み合わせでもって置換することで推定し、この推定放電特性上の放電電圧につき電池の完全放電まで積分することで当該電池の残存容量を算出する。
【0049】
これにより、請求項3に記載の発明の作用効果を達成し得る電池残存容量測定方法を提供できる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の各実施形態を図面に沿って説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る電気自動車用電池残存容量計の一実施形態を示す概略構成図である。
【0051】
図において、電池10は、二次電池の一種であるNi−MH電池(公称容量100(Ah)を有する)を複数個(例えば、10個)直列接続したもので構成されている。また、このNi−MH電池10の両電極端子には、電気自動車の駆動源であるモータ等の電気的負荷20が接続されている。
電流計30は、Ni−MH電池10と負荷20との間に流れる電流を測定する。電圧計40はNi−MH電池10の両電極端子間の端子電圧を測定する。そして、電流計30及び電圧計40の各測定出力はマイクロコンピュータ50に入力される。
【0052】
なお、図1にて符号SWは、電池残存容量計による測定結果を記憶するとき操作される操作スイッチを示す。また、符号Kは、キースイッチを示しており、このキースイッチKは、可動接点の負荷側固定接点への投入(以下、負荷側投入という)によりNi−MH電池10の端子電圧を負荷20及びマイクロコンピュータ50に印加する。また、キースイッチKは、その可動接点を充電側固定接点に投入(以下、充電側投入という)されて、図示しない充電器によるNi−MH電池の充電を可能とする。
【0053】
マイクロコンピュータ50は、図2、図3にて示すフローチャートに従い主制御プログラムを実行し、図4にて示すフローチャートに従い、割り込み制御プログラムを実行し、この実行中において、電流計30及び電圧計40の各測定出力に基づきNi−MH電池10の残存容量の演算処理、表示装置60の表示処理その他の各種処理を行う。
【0054】
但し、上記主制御プログラム及び割り込み制御プログラムは、マイクロコンピュータ50のROMに予め記憶されている。また、マイクロコンピュータ50は、キースイッチKの負荷側投入により、Ni−MH電池10の端子電圧を定電圧に変換し、この定電圧に基づき作動状態となる。なお、割り込み制御プログラムの割り込み処理は、キースイッチKの充電側投入により開始される。
【0055】
表示装置60は、当該電気自動車の車室内に設けられて、Ni−MH電池10の残存容量に関する情報を表示する。
このように構成した本第1実施形態において、Ni−MH電池10がキースイッチKを介し充電器に接続された状態で、キースイッチKが充電側への投入状態におかれれば、マイクロコンピュータ50が、図4のフローチャートに従い割り込み制御プログラムの実行を開始し、ステップ200にてNi−MH電池10の充電処理を行う。このため、このNi−MH電池10の充電がステップ210におけるNOとの判定中行われる。
【0056】
その後、Ni−MH電池10が満充電状態になると、ステップ210における判定がYESとなり、ステップ220にてNi−MH電池10に対する充電処理が停止される。これにより、Ni−MH電池10の充電が終わる。なお、このような割り込み制御プログラムによる処理は、キースイッチKが充電側への投入状態におかれる毎に繰り返される。
【0057】
また、キースイッチKが負荷側への投入状態におかれれば、負荷20には、Ni−MH電池10から放電電流が流れる。これに伴い、この放電電流が電流計30により測定されるとともに、Ni−MH電池10の放電電圧が電圧計40により測定される。
また、操作スイッチSWが投入されれば、マイクロコンピュータ50が、図2及び図3にて示すフローチャートに従い主制御プログラムの実行を開始する。
【0058】
すると、ステップ100において、電流計30の測定電流及び電圧計40の測定電圧がマイクロコンピュータ50に取り込まれディジタル変換されてNi−MH電池10の放電電流I及び放電電圧Vとしてセットされる。
ついで、ステップ110において、放電量Qdが次の数2の式に基づき放電電流Iに応じて積分により算出される。
【0059】
【数2】
【0060】
その後、現段階では、Ni−MH電池10が満充電状態(ステップ220における充電停止処理参照)にあれば、ステップ120での判定がYESとなり、ステップ121にて、現在の放電量Qdの最大値が前回放電量Qdoldとセットされ、ついで、ステップ122で、ステップ110における放電量QdがQd=0とリセットされる。一方、Ni−MH電池10が満充電状態でなければ、ステップ120での判定がNOとなる。
【0061】
次に、Ni−MH電池10は一旦放電すると、次回の満充電状態からの放電を行った場合、必ずNi−MH電池10は起電圧を回復し、起電圧の高い放電特性を発揮する。このため、ステップ130では、図15に基づいて説明した方法を利用して、Ni−MH電池10の初期放電特性を、その放電量Qd=0の点(図15では、点P0に対応)を基準として相似変形することで、現段階でのNi−MH電池10の放電特性を推定する。この場合、当該相似変形は、ステップ100における最新の放電電流I及び放電電圧Vで定まる点(図15では、点P2に対応)を通るように行う。
【0062】
但し、Ni−MH電池10の初期放電特性は、このNi−MH電池10の満充電状態(Ni−MH電池10の劣化なし)における放電電圧と放電電流との関係を表す放電特性(図15では、グラフM1に対応)としてマイクロコンピュータ50のROMに予め記憶されている。
ステップ130における処理後、ステップ140において、上記初期放電特性上の現在の放電量Qdに対応する放電電圧Vとステップ100における現在の放電電圧Vとの電圧の差ΔVが算出される。
【0063】
次に、図3のステップ150では、現在の放電量Qdが前回放電量Qdoldより大きいか否かが判定される。この判定方法につき、以下に、図5を参照して詳細に説明する。
図5は、Ni−MH電池10の充放電のサイクル数と各サイクル中の放電量との関係を示すグラフである。このグラフの右上がり勾配の部分は、Ni−MH電池10の放電状態をしめし、右下がり勾配の部分は、Ni−MH電池10の充電状態を示す。また、互いに隣りある右上がり勾配及び右下がり勾配の両部分がNi−MH電池10の充放電の1サイクルに相当する。図5によれば、符号C1乃至C8は、それぞれ、第1乃至第8番目のサイクルを表す。
【0064】
これによれば、現在の放電量Qdが前回放電量Qdoldよりも大きいサイクルは、サイクルC3、C5、C6、C8の各々に相当する。ここで、前回放電量Qdoldは、各サイクルC2、C4、C5、C7の頂点C21、C41、C51、C71における放電量に相当する。
しかして、放電量Qd>前回放電量Qdoldが成立しなければ、ステップ150における判定がNOとなる。この場合には、現在の電圧の差ΔVが確定しないため、ステップ151において、放電量Qdが前回放電量Qdoldよりも増加していない場合の推定方法、即ち、図15や図16に基づき説明した推定方法を利用して、前回の推定放電特性(ステップ130における推定放電特性)を基に、最新の電圧の差ΔV(ステップ140参照)だけ平行移動させることで、以後のNi−MH電池10の放電特性を推定する。この推定は、Ni−MH電池10の未放電領域の放電特性に対し行われる。
【0065】
一方、ステップ150における判定がYESとなる場合には、メモリ効果を伴う放電特性の上記電圧の差ΔVが確定するため、ステップ160において、ステップ151で推定した放電特性上に現在の放電量Qd(ステップ110参照)及び放電電圧V(ステップ100参照)があるか否かが判定される。
ここで、ステップ160における判定がYESとなれば、Ni−MH電池10の劣化なしとの判断のもと、後述するステップ160の劣化に対応する放電特性の修正がなされない。
【0066】
一方、ステップ160における判定がNOとなる場合には、Ni−MH電池10の放電特性にこのNi−MH電池の劣化による変化があることを意味する。このため、ステップ151での推定放電特性が、図20に基づき説明した比例推定方法を利用し、Ni−MH電池10の劣化を考慮した放電特性に修正される。
以上により、Ni−MH電池10の劣化のない状態でのメモリ効果を考慮した放電特性の推定、及びNi−MH電池10の劣化を伴う状態でのメモリ効果を考慮した放電特性の推定が可能となる。
【0067】
即ち、Ni−MH電池10の放電特性がこの電池のメモリ効果の発生に伴い初期放電特性から変化しても、この変化後のNi−MH電池10の放電特性を容易に的確に精度よく推定できる。
これにより、Ni−MH電池10の残存容量を、表示装置60の表示でもって、精度のよい値として得ることができる。
【0068】
また、Ni−MH電池10の劣化と判定すると、推定放電特性がその推定後の測定電圧及びこれに対応する放電量を含む放電特性に相似的に修正される。
これにより、Ni−MH電池10の劣化によりその初期放電特性が変化しても、当該劣化に即した放電特性を得ることが可能である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態につき説明する。
【0069】
この第2実施形態では、図6及び図7にて示すフローチャートが、前記第1実施形態にて述べたフローチャート(図2及び図3参照)に代えて、採用されている。
但し、電気自動車でのNi−MH電池10の充放電電流や電力が頻繁に変化する。また、Ni−MH電池10の放電電圧は、放電電流の増大に伴うNi−MH電池10の内部抵抗による電圧降下でもって低下する。通常、電気自動車の場合のように、Ni−MH電池10が電流や電力を頻繁に変化させる放電を行うと、放電末期には、Ni−MH電池10の内部抵抗が急激に増大するため、Ni−MH電池10の放電電圧は急激に低下する。従って、Ni−MH電池10において本来維持すべき放電電流や電力を確保できなくなる。
【0070】
よって、Ni−MH電池10の残存容量とは、予め決められた放電電流や電力ではNi−MH電池10の放電を維持できなくなるまでの容量をいうものとする。
そこで、本第2実施形態では、次のようにNi−MH電池10の残存容量の判断基準を決めた。
【0071】
図8では、電気自動車で走行したときのNi−MH電池10の放電電圧V及び放電電流Iの間の関係が、Ni−MH電池10の満充電直後のグラフL1、残存容量50%付近のグラフL2及び残存容量0%付近のグラフL3の例示でもって示されている。
ここで、これらグラフL1乃至L3上におけるNi−MH電池10の放電電力の各最大値が、2kWの放電電力曲線P上にあることが分かる(各値L11、L21、L31参照)。また、放電電力曲線P上の放電電圧が、グラフL3上の値L31になると、大きな放電電流或いは2kWのような大きな電力で放電したとき、Ni−MH電池10の放電電圧が急激に低下した。
そこで、本第2実施形態では、放電電力が2kWのときの放電電圧が8Vに達する場合を残存容量=0(Ah)と決め、2kWにおける放電電圧が8Vに達するまでの残存容量の算出について説明する。
【0072】
図9は、図8の放電電力曲線P及びグラフL1の双方の上にある値L11から残存容量0(Ah)までの放電電圧を、放電量(Ah)に対してプロットしたものを示す。
グラフS0は、2(kW)の初期放電特性である。グラフS1は、Ni−MH電池10のメモリ効果を伴わないときの2kWの放電特性である。グラフS2は、60Ah放電のサイクルの繰り返しによりメモリ効果が発生したNi−MH電池10において2(kW)の放電が不能になるまで放電したときの放電特性である。このとき、60(Ah)放電時点S21での放電特性を推定すると、この放電特性は、起電圧の高い等価電池の放電特性のグラフS3と、起電圧の低い等価電池の放電特性のグラフS4とで表すことできる。
【0073】
この場合、グラフS3の放電特性は、グラフS0の初期放電特性を、放電量0(Ah)のときの放電電圧を基準に相似変形して得られる。また、グラフS4の放電特性は、サイクル毎に、グラフS0の初期放電特性を未放電量領域について電圧降下させて推定されている。本実施形態では、放電量が1サイクル当たりにつき60(Ah)と一定であるため、グラフS0の初期放電特性を点S21を通るように電圧降下させたものである。以下、図8の放電電圧と放電電流との関係を、V−I特性という。
【0074】
従って、2kWの放電特性上でも、放電特性(グラフS4)は一律の電圧降下による平行移動でもって推定できる。
以上の観点から、図6及び図7のフローチャートが作成されている。
なお、上記残存容量=0は、電池を使用するシステムに応じて決定すればよい。例えば、最大放電電流=250(A)を必要とするシステムであれば、250Aの放電電流を維持できない放電電圧を基準に残存容量=0を決めればよい。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
【0075】
このように構成した本第2実施形態において、上記第1実施形態と同様に、マイクロコンピュータ50がステップ100における処理をする。ついで、ステップ110Aにて、ステップ110での放電量Qd算出に加え、Ni−MH電池10の放電エネルギー量Wdが、次の数3の式に基づき積分により算出される。
【0076】
【数3】
【0077】
ここで、ηはNi−MH電池10の充電効率である。
ステップ120乃至122の処理が上記第1実施形態と同様になされると、ステップ123において、図8のV−I特性に基づきステップ100での放電電流I及び放電電圧Vから2kW放電時の放電電圧V=VBが算出される。
即ち、マイクロコンピュータ50において、図8のV−I特性は、電池容量の変化が無視できる期間内で複数個の電流、電圧データをサンプリングし、最小二乗法等により直線式の近似計算を行い、直線式とV×I=2kWの曲線Pとの交点を算出することで求められる。
【0078】
次の放電特性推定ルーチン170では、上記第1実施形態にて述べたステップ130、151乃至161の処理と実質的に同様の処理により放電特性の推定処理がなされる。なお、Ni−MH電池10の初期放電特性としては、図9のグラフS0による初期放電特性がマイクロコンピュータ50のROMに予め記憶されている。
【0079】
図7のステップ180では、Ni−MH電池10の残存容量が算出される。ここで、残存容量とは、上述のごとく、2kW放電を維持できない時点まで放電できるエネルギー量を意味している。そして、このエネルギー量は、放電特性推定ルーチン170で推定した放電特性を基に算出することが可能である。
即ち、残存容量は、図10において、点S21まで放電している状態では、縦軸に平行な線X、Y、原点0を通る横軸及びグラフS4により囲われる面積Areaに相当する。なお、図10は、図9の主要グラフを抜き出したものである。
【0080】
この場合、グラフS2の放電特性上点S21まで放電するまでの特性及びグラフS3の放電特性が、ステップ130で初期放電特性(グラフS0)に基づき推定した放電特性に相当する。また、グラフS4の放電特性はステップ151で推定した特性に相当する。
従って、Ni−MH電池10の残存容量(以下、残存容量Wzという)は、その放電中に時々刻々と両グラフS3、S4の放電特性が修正される中、推定放電特性を基にして面積Areaにより算出される。
【0081】
このように、残存容量算出が、Ni−MH電池10の放電量から完全放電までの推定放電特性上の放電電圧を積分することで行われるから、当該電池の放電電圧の高低を考慮して残存容量を算出することとなる。
従って、残存容量の算出値に、Ni−MH電池10の放電電圧の高低を考慮しない場合の誤差が混入することなく、当該電池の残存容量をエネルギー量の観点からとらえた精度のよい値として得ることができる。
【0082】
その後、ステップ181において、Ni−MH電池10の満充電容量Whoが次の数4の式に基づき残存容量Wz及びエネルギー量Wdに応じ算出される。
【0083】
【数4】
Who=Wd+Wz(Wh)
ステップ182では、残存容量Wz(Wh)、満充電容量Who(Wh)、充電指数(Wz/Who)×100(%)及び劣化指数(Who/Whn)×100(%)が表示データとして表示装置60に出力されて表示される。なお、Whnは、Ni−MH電池10が新品状態のとき予め測定した満充電状態のエネルギー量を示す。
【0084】
ついで、操作スイッチSWがオンしておれば、ステップ190における判定がYESとなり、ステップ191において、推定済の放電特性がマイクロコンピュータ50の不揮発性メモリに記憶される。
なお、本発明の実施にあたっては、Ni−MH電池に限ることなく、メモリ効果を発生する各種の電池に本発明を適用して実施してもよい。
【0085】
また、本発明の実施にあたり、ステップ110及び110Aにおける放電量Qdの算出に際しては、Ni−MH電池10に対する回生充電量を加味して行うようにしてもよい。
また、本発明の実施にあたっては、上記実施形態とは異なり、Ni−MH電池10の初期放電特性上の算出放電量(ステップ110参照)に対応する放電電圧が電圧計40の測定放電電圧に一致するように上記初期放電特性を平行移動することで形成される等価電池の放電特性を、ステップ151にて、上記測定放電電圧及び算出放電量を含む放電特性として推定するようにして実施してもよい。
【0086】
この場合、ステップ160にてNi−MH電池10の劣化と判定したとき、上記推定放電特性をその推定後の測定電圧及びこれに対応する放電量を含む放電特性に相似的に変形することで形成される等価電池の放電特性を、Ni−MH電池10の劣化後の測定放電電圧及び算出放電量を含む放電特性として推定するようにしてもよい。
【0087】
また、本発明の実施にあたり、メモリ効果を発生しているNi−MH電池10の放電電圧と放電量との関係を表す放電特性を、起電圧の異なる複数の等価電池の放電電圧と放電量との関係を表す放電特性の組み合わせでもって置換することで推定するようにしてもよい。
また、本発明の実施にあたり、上記実施形態の各フローチャートにおける各ステップは、それぞれ、機能実行手段としてハードロジック構成により実現するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】図1のマイクロコンピュータにより実行される主制御プログラムのフローチャートのうち前段部である。
【図3】同フローチャートの後段部である。
【図4】図1のマイクロコンピュータにより実行される割り込み制御プログラムのフローチャートである。
【図5】図1のNi−MH電池の放電量と充放電サイクル数との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施形態を示すフローチャートの前段部である。
【図7】同フローチャートの後段部である。
【図8】Ni−MH電池の放電電圧と放電電流との関係を示すグラフである。
【図9】図8のグラフL1を基に作成した2(kW)放電電圧と放電量との関係を示すグラフである。
【図10】図9から主要なグラフを抜き出してなる2(kW)放電電圧と放電量との関係を示すグラフである。
【図11】(a)及び(b)は、それぞれ、60(Ah)放電サイクル時及び30(Ah)放電サイクル時のNi−MH電池の放電電圧と放電量との関係を示すグラフである。
【図12】図11の特性を立証するための等価電池回路図である。
【図13】(a)は、図12の等価電池回路における放電電圧と放電量との関係を示すグラフであり、(b)は、同回路における放電電流と放電量との関係を示すグラフである。
【図14】Ni−MH電池のメモリ効果を考慮した放電特性を表す一般的な等価電池回路図である。
【図15】一定放電量のときに図11(a)のグラフを利用してNi−MH電池の未放電領域放電特性を推定するためのグラフである。
【図16】(a)、(b)は、放電量が減少側へ変化するときに図11(a)のグラフを利用してNi−MH電池の未放電領域放電特性を推定するためのグラフである。
【図17】(a)、(b)は、放電量が増加側へ変化するときに図11(b)のグラフを利用してNi−MH電池の未放電領域放電特性を推定するためのグラフの一部である。
【図18】(a)、(b)は、放電量が増加側へ変化するときに図11(b)のグラフを利用してNi−MH電池の未放電領域放電特性を推定するためのグラフの一部である。
【図19】(a)、(b)は、Ni−MH電池が劣化を伴う場合に図11(a)のグラフを利用してNi−MH電池の未放電領域放電特性を推定するためのグラフである。
【図20】図19(b)の一部を抜き出して拡大したグラフである。
【符号の説明】
10…Ni−MH電池、50…マイクロコンピュータ、
30…電流計、40…電圧計。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気自動車に搭載した電池の残存容量を測定するに適した電池残存容量計及び電池残存容量測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気自動車に採用される電池残存容量計においては、例えば、電気自動車用鉛蓄電池の放電電圧と残存容量の関係を表す初期放電特性をデータテーブルとして予めメモリに記憶しておき、電池の放電時端子電圧に基づき上記データテーブルから残存容量を算出するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記鉛蓄電池とは別に、近年、エネルギー密度が大きい等の理由を根拠に、電気自動車用電源として、Ni−MH電池やNi−Cd電池に代表されるアルカル電池が採用され始めている。
この電池は、鉛蓄電池と同様、二次電池であって、充電によって繰り返し使用することが可能である。
【0004】
しかし、この電池は完全放電といえる放電終止電圧まで放電させずに充放電を繰り返す場合にいわゆるメモリ効果を生ずる。ここで、メモリ効果を発生している電池の放電電圧と残存容量の関係を表す放電特性は、上記初期放電特性とは異なっている。
このため、上述のように、メモリ効果を発生している電池の残存容量が、上記初期放電特性に基づいて算出されると、誤差が生ずるという不具合がある。
【0005】
これに対しては、特開平7−55903号公報にて示されているように、電池の放電電流の積算により放電中の放電量を算出し、予め定められた満充電容量から算出放電量を減算することで、残存容量を算出することも考えられる。
しかし、メモリ効果によって1回の充電が電池から取り出せる電気量が変化しないため、残存容量の算出は可能となるとしても、次のような不具合が生ずる。
【0006】
電気自動車は、本来、電池のエネルギーを消費して走行するものである。従って、Ni−MH電池の残存容量は、エネルギーの単位(Wh)、つまり、電圧(V)、電流(A)及び時間(h)の三つの次元からなる単位から算出することが望ましい。
これに対し、上記公報による方法では、残存容量の算出が、エネルギーの単位(Wh)を介することなく、単に、単位(Ah)の面からなされる。
【0007】
例えば、一般に電池を使うシステムでは、このシステムが必要とする電力を電池から供給している。メモリ効果が発生する電池では、メモリ効果が発生して当該電池の放電電圧が低くなると、同じ電力を電池から取り出していても、電池の放電電流が大きくなる。従って、同一の残存容量(Ah)があっても、メモリ効果を発生した電池の方が、早く放電して使えなくなるという不具合が生ずる。
【0008】
また、上記公報による方法では、長い期間の使用により電池が劣化すると、予め定められた満充電容量に対し、実際の満充電容量が低下する。このため、残存容量があるという表示となっていても、実際には、残存容量がないという不具合が生ずる。
これに対し、本発明者等は、Ni−MH電池(100(Ah)の定格容量を有する)を用いて、以下に述べるような種々の検討を行ってみた。
(1).まず、Ni−MH電池の放電電圧と放電量との関係を表す放電特性がメモリ効果の発生の有無や充放電状況の繰り返し状況によりどのように変化するかにつき実験により調べてみた。
【0009】
これにより、図11(a)にて示すようなNi−MH電池の放電特性が各グラフでもって得られた。ここで、グラフM1は、Ni−MH電池をその満充電状態から放電終了電圧1.0(V)まで放電(完全放電)したときの放電電圧と放電量との間の関係を表す初期放電特性を示す。
また、グラフM2は、Ni−MH電池の満充電状態からの60(Ah)放電を10回繰り返したときの放電電圧と放電量との間の関係を表す放電特性を示す。
【0010】
また、グラフM3は、Ni−MH電池の満充電状態から60(Ah)放電を20回繰り返したときの放電電圧と放電量との間の関係を表す放電特性を示す。
また、グラフM4は、Ni−MH電池の満充電状態からの60(Ah)放電を29回継続して繰り返した後、30回目に完全放電したときの放電電圧と放電量との間の関係を表す放電特性を示す。
【0011】
また、グラフM5は、上記30回目と同様の完全放電を再度行ったときの放電電圧と放電量との間の関係を表す放電特性を示す。
上記図11(a)の各グラフによれば、Ni−MH電池の放電を途中(60(Ah))で停止して充電するサイクルを継続すると、初期放電特性上での未放電量領域(60(Ah)よりも多い領域)の放電電圧が、初期放電特性上の対応放電電圧よりも降下することが分かる(グラフM2乃至M4参照)。これは、Ni−MH電池のメモリ効果によるものである。
【0012】
また、60Ah放電を繰り返した後に再度完全放電を行うと、ほぼ初期放電特性(グラフM1参照)と同様の放電特性(グラフM5参照)を示すことも分かる。さらに、このことから、Ni−MH電池の電圧降下は一時的なものであることも分かる。従って、Ni−MH電池のメモリ効果は、完全放電を行わないような充放電状態で一時的に表れる現象であるといえる。
(2).また、図11(a)のような実験を、1サイクル当たりのNi−MH電池の放電量を30(Ah)とした場合につき行ってみた。
【0013】
これにより、図11(b)にて示すようなNi−MH電池の放電特性が各グラフでもって得られた。ここで、グラフN1は、グラフM1と同一である。
また、グラフN2は、Ni−MH電池の満充電状態からの30(Ah)放電を10回繰り返したときの放電特性を示す。
また、グラフN3は、Ni−MH電池の満充電状態から30(Ah)放電を20回繰り返したときの放電特性を示す。
【0014】
また、グラフN4は、Ni−MH電池の満充電状態からの30(Ah)放電を29回繰り返した後、30回目に完全放電したときの放電特性を示す。
また、グラフN5は、上記30回目と同様の完全放電を再度行ったときの放電特性を示す。
これによれば、1サイクル当たりの放電量が60(Ah)から30(Ah)に変わっても、図11(a)の各グラフの場合と同様に、初期放電特性上での未放電量領域(30(Ah)よりも多い領域)の放電電圧が、初期放電特性上の対応放電電圧よりも降下することが分かる(グラフN2乃至N4参照)。
【0015】
また、30(Ah)放電を繰り返した後に再度完全放電を行うと、ほぼ初期放電特性(グラフN1参照)と同様の放電特性(グラフN5参照)を示すことも分かる。
(3).図11(a)、(b)の各グラフによれば、Ni−MH電池の各放電特性はほぼ相互に相似の形態をとるものと考えられる。
【0016】
従って、メモリ効果を発生しているNi−MH電池の放電特性は、このNi−MH電池の初期放電特性を、放電電圧降下分だけ移動させることで、メモリ効果を発生している電池の放電特性の全体を推定できると仮定してみた。
そして、この仮定の是非を、図12にて示す等価電池回路を用いて検討してみた。
【0017】
この等価電池回路は、Ni−MH電池1と逆流阻止用ダイオード2とからなる直列回路と、Ni−MH電池3と逆流阻止用ダイオード4とからなる直列回路とを備えており、これら両直列回路は並列接続されている。また、上記両直列回路の両端には、負荷5が接続されている。
また、各符号I1 、I 2、IT は、それぞれ、電流計を示し、また、各符号V1 、V 2、VT は、それぞれ、電圧計を示す。
【0018】
まず、両Ni−MH電池1、3の各端子電圧を共に同一の12Vにした場合の両Ni−MH電池1、3の放電電圧と放電量との関係を示す初期放電特性を調べてみたところ、図13(a)にて示すグラフVoとして得られた。但し、各Ni−MH電池1、3は、1.2(V)及び1.6(Ah)の電池を10個直列接続したものである。
【0019】
ついで、Ni−MH電池2を構成する電池の数を1個減らすことで、Ni−MH電池1の端子電圧をNi−MH電池2の端子電圧よりも高くした。
そして、このような回路で各電圧計にかかる放電電圧及び各電流計に流れる放電電流を放電量との関係で測定してみたところ、図13(a)(b)にて示すような各グラフが得られた。
【0020】
ここで、各グラフI1 、I 2、IT は、各電流計I1 、I 2、IT により測定した放電電流を放電量との関係で測定したものである。また、各グラフV1 、V 2、VT は、各電流計V1 、V 2、VT により測定した放電電圧を放電量との関係で測定したものである。
これらのグラフによれば、等価電池回路の放電開始時には、放電電流I1 が大きく放電電流I 2よりも小さいため、端子電圧の高いNi−MH電池51が優先的に放電していることが分かる(図13(b)参照)。
【0021】
さらに、放電の途中から両放電電流I1 、I 2の値が逆転するから、Ni−MH電池1の残存容量が無くなり、Ni−MH電池2の放電に切り換わっていることを示す。
ここで、負荷5にかかる全放電電圧VT は、Ni−MH電池1の放電時にはこのNi−MH電池1の放電電圧V1 と一致し、また、放電が切り換わりNi−MH電池2の放電時には、このNi−MH電池2の放電電圧V 2と一致している。
【0022】
このように、両Ni−MH電池1、2が切り換わり放電することで、放電電圧が初期放電特性Voに対し放電末期において降下したような関係となる。従って、図13(a)にて示す各関係は、図11の初期放電特性M1及びメモリ効果発生後の放電特性M4と非常に近似していることが分かる。
以上より、メモリ効果は、見かけ上、部分的に端子電圧の低い電池が生成されることで、端子電圧の高い電池と端子電圧の低い電池とが切り換わって放電することにより発生するものと考えることができる。
【0023】
換言すれば、起電圧が異なる複数の電池を図14にて例示するごとく並列に接続した回路モデルでもって、メモリ効果を発生した後の電池の放電特性における放電電圧の降下を推定でき、上記仮定が正しいことが立証できたこととなる。
(4).以上の検討結果から、メモリ効果により起電圧降下を起こした電池の放電特性における放電電圧は、初期放電特性における放電電圧に対し一様に低くなると考えて、メモリ効果発生後のNi−MH電池の放電特性が初期放電特性から推定できるという結論に達した。
【0024】
具体的には、次のようにして、図15に基づき推定する。
図15において、点P1(放電量60(Ah)に対応)を境として両グラフM1a、M1bをつなげたものは、図11(a)のグラフM1に相当する。また、点P2(放電量60(Ah)に対応)を境として両グラフM4a、M4bをつなげたものが、図11(a)のグラフM4に相当する。
【0025】
この場合、点P1の放電電圧は、点P2の放電電圧まで降下しており、かつ、これら両点P1、P2の各放電電圧及び各放電量は実測により決め得る値である。
このような前提のもと、両グラフM1、M4aに基づきグラフM4aの放電特性につながる未放電領域(放電量60(Ah)以上の領域)の放電特性を推定するにあたっては、放電量60(Ah)における両点P1、P2の各放電電圧の差だけ、グラフM1の初期放電特性中の放電量60(Ah)以上の領域部分を図15の縦軸に沿い下方へ平行移動させてグラフM4Bを作成する。
【0026】
このグラフM4BがグラフM4aの放電特性につながる放電量60(Ah)以上の領域の放電特性を推定したものである。
このグラフM4Bの推定放電特性をグラフM4bの実測放電特性と比較すれば両者はよく近似していることが分かる。よって、上記推定が正しいことが分かる。
【0027】
なお、両グラフM4a、M4bの総合的な放電特性は、グラフM1の初期放電特性を、点P0(放電量=0(Ah)に対応)を基準とし、点P2を通るように、放電電圧及び放電量を減少させる方向に相似変形することで特定され得る。ここで、グラフM4cは、グラフM4aの放電特性を起電圧の高い電池の放電特性で置換した場合の放電量60(Ah)以上の領域の放電特性を示す。
【0028】
また、上記推定方法では、一定放電量=60(Ah)を基準とした例について説明したが、これに限らず、一定放電量=30(Ah)(図11(b)参照)の場合や、放電量が60(Ah)、30(Ah)以外の値の場合であっても、同様の推定方法で推定可能である。
(5).次に、Ni−MH電池の満充電状態からの放電量が変化する場合の放電特性の推定方法について検討してみた。
【0029】
満充電状態からの放電量が減少する方向に変化する場合
図16(a)において、グラフM2(図11(b)参照)の放電量60(Ah)に対応する点をQ1とすると、この点Q1以下の放電量領域R1は、上記一定放電量60(Ah)の場合の推定方法により、グラフM2Aの放電特性として推定できる。
【0030】
次に、グラフM2に沿い点Q1まで放電した後Ni−MH電池を再度満充電状態にする。そして、1サイクル当たりの放電量を30(Ah)として10回の充放電を行うと、10回目の30(Ah)放電時のグラフM6上の放電電圧は、点Q2(図16(b)参照)でもって特定される値となった。
ここで、この点Q2以下の放電量領域R2は、上記一定放電量の場合の推定方法により、グラフM6Bの放電特性として推定できる。
【0031】
このグラフM6BがグラフM6の放電特性につながる放電量30(Ah)以上の領域の放電特性を推定したものである。
また、グラフM6の放電特性においてそのまま放電量領域R2に亘りNi−MH電池を放電してみたところ、グラフM6Aの放電特性が得られた。このグラフM6Aの放電特性をグラフM6Bの推定放電特性と比較すれば両者は良く近似していることが分かる。よって、上記推定が正しいことが分かる。
【0032】
満充電状態からの放電量が増加する方向に変化する場合
図17(a)において、グラフN2(図11(b)参照)の放電量30(Ah)に対応する点をQ3とすると、この点Q3以下の放電量領域R3は、上記一定放電量の場合の推定方法により、グラフN2Aの放電特性として推定できる。
次に、グラフN2に沿い点Q3まで放電した後Ni−MH電池をさらに放電量60(Ah)(点Q4に対応)まで継続放電する(図17(b)参照)。このときの両点Q3、Q4の間の放電特性はグラフN2aとして実測される。
【0033】
このグラフN2aの実測放電特性とグラフN2Aの推定放電特性とを比較すると、相互に良く近似していることが分かる。
ここで、このように放電量の増加に伴うメモリ効果を発生したNi−MH電池の放電特性は、一旦放電すると、起電圧の高い放電特性に戻る。このため、点Q4まで放電した後満充電状態となったNi−MH電池の放電特性は、グラフN6(図18(a)参照)で特定されると予測される。
【0034】
即ち、図17のように30(Ah)放電を繰り返した場合には、起電圧の高い等価電池の容量が30(Ah)であったが、一旦放電すると、起電圧の高い等価電池の容量が60(Ah)に変化すると考えられる。
そこで、グラフN6の放電特性は、図15について述べたと同様に、グラフN1の初期放電特性を点P0を基準にして、点Q4を通るように相似変形することで予測できる。
【0035】
このグラフN6の放電特性は、その後満充電まで充電を行った後に放電したときの実測による放電特性のグラフN7とよく一致していることが分かる(図18(b)参照)。
以上により、Ni−MH電池の使用中に時々刻々とメモリ効果により変わる放電特性に関し、残存容量に対応する未放電量領域の放電特性が推定できることが分かった。
(5).次に、Ni−MH電池が劣化を伴う場合の放電特性について検討してみた。
【0036】
図19(a)は、図15のグラフM1、M4a、M4Bを抜き出したグラフを示す。
ここで、Ni−MH電池がグラフM1の初期放電特性を測定した後に劣化していれば、グラフM4aの放電特性においてそのままNi−MH電池を点P2以上の放電領域に亘り放電し続けた放電特性は、グラフM4Cにより特定される(図19(b)参照)。これによれば、この放電特性は、グラフM4Bの推定放電特性とは異なることが分かる。
【0037】
その根拠は、グラフM4Bの推定放電特性がNi−MH電池の劣化なしとして得られたものであって、当該劣化を考慮していないことによる。
これにより、逆に、グラフM4Cの放電特性がグラフM4Bの推定放電特性と異なることで、Ni−MH電池に劣化があると判断できる。
そこで、図19(b)の一部を図20にて示すごとく拡大抽出した。また、放電電圧がaのときの両グラフM4C、M4B上の各点をPa、Qaとし、放電電圧がbのときの両グラフM4C、M4B上の各点をPb、Qbとする。
【0038】
ここで、グラフM4Cの放電特性において点Paの放電量は、点P2までの放電量H1と点P2から点Paまでの放電量H2との和である。
一方、グラフM4Bの放電特性において点Qaの放電量は、放電量H1と点P2から点Qaまでの放電量H3との和である。
また、両グラフM4B、M4Cは、互いに相似形となっている。
【0039】
このため、次の数1の比例式が成立する。
【0040】
【数1】
H2/H3=H4/H5
ここで、H4は、グラフM4Cの放電特性上の点Pbまでの放電量から放電量H1を差し引いた放電量を表す。また、H5は、グラフM4Bの放電特性上の点Qbまでの放電量から放電量H1を差し引いた放電量を表す。
【0041】
また、各点Pa、Qaの放電電圧及び放電量の実測は可能である。
これにより、推定された放電特性M4B上にある点Qbの放電量H5が、数1の比例式により算出され放電量H4に変換されることで放電特性M4Cの劣化後の放電特性を算出することができる。
そこで、本発明は、以上のことに着目して、メモリ効果を発生する充放電可能な電池の残存容量を、当該電池の劣化の有無に応じて正しく測定するようにした電池残存容量計及び電池残存容量測定方法を提供することを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決にあたり、請求項1及び2に記載の発明によれば、放電量算出手段が、電流測定手段の測定放電電流に基づき、充放電可能な電池の放電量を算出し、放電電圧決定手段が、電池の放電電圧と放電量との関係を表す初期放電特性に基づき、この初期放電特性上の上記算出放電量に対応する放電電圧を決定する。
【0043】
そして、放電特性推定手段が、初期放電特性上の上記算出放電量に対応する放電電圧を電圧測定手段による測定放電電圧に一致させるように、初期放電特性を並行移動させることで、上記測定放電電圧及び算出放電量を含む放電特性を推定する。
これに基づき、残存容量算出手段が、電池の算出放電量から完全放電までの推定放電特性上の放電電圧を積分することで電池の残存容量を算出する。
【0044】
これにより、電池の放電特性がこの電池のメモリ効果の発生に伴い初期放電特性から変化しても、この変化後の電池の放電特性を容易に的確に推定できる。その結果、電池の残存容量を精度をよく知ることができる。
この場合、残存容量算出手段が、電池の算出放電量から完全放電までの推定放電特性上の放電電圧を積分するから、電池の放電電圧の高低を考慮して残存容量を算出することとなる。
【0045】
従って、残存容量の算出値に、電池の放電電圧の高低を考慮しない場合の誤差が混入することなく、電池の残存容量をエネルギー量の観点からとらえた精度のよい値として得ることができる。
ここで、請求項2に記載の発明によれば、劣化判定手段が、放電特性推定手段による推定後の電圧測定手段による測定電圧及びこれに対応する放電量が推定放電特性上にないとき、電池の劣化と判定すると、修正手段が、推定放電特性を上記推定後の測定電圧及びこれに対応する放電量を含む放電特性に相似的に修正する。
【0046】
これにより、電池の劣化によりその初期放電特性が変化しても、当該劣化に即した放電特性を得ることが可能である。
また、請求項3及び4に記載の発明によれば、放電量算出手段が、電流測定手段の測定放電電流に基づき、充放電可能な電池の放電量を算出し、放電電圧決定手段が、電池の放電電圧と放電量との関係を表す初期放電特性に基づき、この初期放電特性上の上記算出放電量に対応する放電電圧を決定する。
【0047】
そして、放電特性推定手段が、初期放電特性上の算出放電量に対応する放電電圧が測定放電電圧に一致するように初期放電特性を並行移動することで形成される等価電池の放電特性を、測定放電電圧及び算出放電量を含む放電特性として推定する。
これに基づき、残存容量算出手段が、電池の算出放電量から完全放電までの推定放電特性上の放電電圧を積分することで電池の残存容量を算出する。
【0048】
このように、等価電池の放電特性でもって置換することで、電池のメモリ効果発生後の放電特性を推定しても、請求項1及び2に記載の発明と同様の作用効果を達成できる。
また、請求項5に記載の発明によれば、メモリ効果を発生している電池の放電電圧と放電量との関係を表す放電特性を、起電圧の異なる複数の等価電池の放電電圧と放電量との関係を表す放電特性の組み合わせでもって置換することで推定し、この推定放電特性上の放電電圧につき電池の完全放電まで積分することで当該電池の残存容量を算出する。
【0049】
これにより、請求項3に記載の発明の作用効果を達成し得る電池残存容量測定方法を提供できる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の各実施形態を図面に沿って説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る電気自動車用電池残存容量計の一実施形態を示す概略構成図である。
【0051】
図において、電池10は、二次電池の一種であるNi−MH電池(公称容量100(Ah)を有する)を複数個(例えば、10個)直列接続したもので構成されている。また、このNi−MH電池10の両電極端子には、電気自動車の駆動源であるモータ等の電気的負荷20が接続されている。
電流計30は、Ni−MH電池10と負荷20との間に流れる電流を測定する。電圧計40はNi−MH電池10の両電極端子間の端子電圧を測定する。そして、電流計30及び電圧計40の各測定出力はマイクロコンピュータ50に入力される。
【0052】
なお、図1にて符号SWは、電池残存容量計による測定結果を記憶するとき操作される操作スイッチを示す。また、符号Kは、キースイッチを示しており、このキースイッチKは、可動接点の負荷側固定接点への投入(以下、負荷側投入という)によりNi−MH電池10の端子電圧を負荷20及びマイクロコンピュータ50に印加する。また、キースイッチKは、その可動接点を充電側固定接点に投入(以下、充電側投入という)されて、図示しない充電器によるNi−MH電池の充電を可能とする。
【0053】
マイクロコンピュータ50は、図2、図3にて示すフローチャートに従い主制御プログラムを実行し、図4にて示すフローチャートに従い、割り込み制御プログラムを実行し、この実行中において、電流計30及び電圧計40の各測定出力に基づきNi−MH電池10の残存容量の演算処理、表示装置60の表示処理その他の各種処理を行う。
【0054】
但し、上記主制御プログラム及び割り込み制御プログラムは、マイクロコンピュータ50のROMに予め記憶されている。また、マイクロコンピュータ50は、キースイッチKの負荷側投入により、Ni−MH電池10の端子電圧を定電圧に変換し、この定電圧に基づき作動状態となる。なお、割り込み制御プログラムの割り込み処理は、キースイッチKの充電側投入により開始される。
【0055】
表示装置60は、当該電気自動車の車室内に設けられて、Ni−MH電池10の残存容量に関する情報を表示する。
このように構成した本第1実施形態において、Ni−MH電池10がキースイッチKを介し充電器に接続された状態で、キースイッチKが充電側への投入状態におかれれば、マイクロコンピュータ50が、図4のフローチャートに従い割り込み制御プログラムの実行を開始し、ステップ200にてNi−MH電池10の充電処理を行う。このため、このNi−MH電池10の充電がステップ210におけるNOとの判定中行われる。
【0056】
その後、Ni−MH電池10が満充電状態になると、ステップ210における判定がYESとなり、ステップ220にてNi−MH電池10に対する充電処理が停止される。これにより、Ni−MH電池10の充電が終わる。なお、このような割り込み制御プログラムによる処理は、キースイッチKが充電側への投入状態におかれる毎に繰り返される。
【0057】
また、キースイッチKが負荷側への投入状態におかれれば、負荷20には、Ni−MH電池10から放電電流が流れる。これに伴い、この放電電流が電流計30により測定されるとともに、Ni−MH電池10の放電電圧が電圧計40により測定される。
また、操作スイッチSWが投入されれば、マイクロコンピュータ50が、図2及び図3にて示すフローチャートに従い主制御プログラムの実行を開始する。
【0058】
すると、ステップ100において、電流計30の測定電流及び電圧計40の測定電圧がマイクロコンピュータ50に取り込まれディジタル変換されてNi−MH電池10の放電電流I及び放電電圧Vとしてセットされる。
ついで、ステップ110において、放電量Qdが次の数2の式に基づき放電電流Iに応じて積分により算出される。
【0059】
【数2】
【0060】
その後、現段階では、Ni−MH電池10が満充電状態(ステップ220における充電停止処理参照)にあれば、ステップ120での判定がYESとなり、ステップ121にて、現在の放電量Qdの最大値が前回放電量Qdoldとセットされ、ついで、ステップ122で、ステップ110における放電量QdがQd=0とリセットされる。一方、Ni−MH電池10が満充電状態でなければ、ステップ120での判定がNOとなる。
【0061】
次に、Ni−MH電池10は一旦放電すると、次回の満充電状態からの放電を行った場合、必ずNi−MH電池10は起電圧を回復し、起電圧の高い放電特性を発揮する。このため、ステップ130では、図15に基づいて説明した方法を利用して、Ni−MH電池10の初期放電特性を、その放電量Qd=0の点(図15では、点P0に対応)を基準として相似変形することで、現段階でのNi−MH電池10の放電特性を推定する。この場合、当該相似変形は、ステップ100における最新の放電電流I及び放電電圧Vで定まる点(図15では、点P2に対応)を通るように行う。
【0062】
但し、Ni−MH電池10の初期放電特性は、このNi−MH電池10の満充電状態(Ni−MH電池10の劣化なし)における放電電圧と放電電流との関係を表す放電特性(図15では、グラフM1に対応)としてマイクロコンピュータ50のROMに予め記憶されている。
ステップ130における処理後、ステップ140において、上記初期放電特性上の現在の放電量Qdに対応する放電電圧Vとステップ100における現在の放電電圧Vとの電圧の差ΔVが算出される。
【0063】
次に、図3のステップ150では、現在の放電量Qdが前回放電量Qdoldより大きいか否かが判定される。この判定方法につき、以下に、図5を参照して詳細に説明する。
図5は、Ni−MH電池10の充放電のサイクル数と各サイクル中の放電量との関係を示すグラフである。このグラフの右上がり勾配の部分は、Ni−MH電池10の放電状態をしめし、右下がり勾配の部分は、Ni−MH電池10の充電状態を示す。また、互いに隣りある右上がり勾配及び右下がり勾配の両部分がNi−MH電池10の充放電の1サイクルに相当する。図5によれば、符号C1乃至C8は、それぞれ、第1乃至第8番目のサイクルを表す。
【0064】
これによれば、現在の放電量Qdが前回放電量Qdoldよりも大きいサイクルは、サイクルC3、C5、C6、C8の各々に相当する。ここで、前回放電量Qdoldは、各サイクルC2、C4、C5、C7の頂点C21、C41、C51、C71における放電量に相当する。
しかして、放電量Qd>前回放電量Qdoldが成立しなければ、ステップ150における判定がNOとなる。この場合には、現在の電圧の差ΔVが確定しないため、ステップ151において、放電量Qdが前回放電量Qdoldよりも増加していない場合の推定方法、即ち、図15や図16に基づき説明した推定方法を利用して、前回の推定放電特性(ステップ130における推定放電特性)を基に、最新の電圧の差ΔV(ステップ140参照)だけ平行移動させることで、以後のNi−MH電池10の放電特性を推定する。この推定は、Ni−MH電池10の未放電領域の放電特性に対し行われる。
【0065】
一方、ステップ150における判定がYESとなる場合には、メモリ効果を伴う放電特性の上記電圧の差ΔVが確定するため、ステップ160において、ステップ151で推定した放電特性上に現在の放電量Qd(ステップ110参照)及び放電電圧V(ステップ100参照)があるか否かが判定される。
ここで、ステップ160における判定がYESとなれば、Ni−MH電池10の劣化なしとの判断のもと、後述するステップ160の劣化に対応する放電特性の修正がなされない。
【0066】
一方、ステップ160における判定がNOとなる場合には、Ni−MH電池10の放電特性にこのNi−MH電池の劣化による変化があることを意味する。このため、ステップ151での推定放電特性が、図20に基づき説明した比例推定方法を利用し、Ni−MH電池10の劣化を考慮した放電特性に修正される。
以上により、Ni−MH電池10の劣化のない状態でのメモリ効果を考慮した放電特性の推定、及びNi−MH電池10の劣化を伴う状態でのメモリ効果を考慮した放電特性の推定が可能となる。
【0067】
即ち、Ni−MH電池10の放電特性がこの電池のメモリ効果の発生に伴い初期放電特性から変化しても、この変化後のNi−MH電池10の放電特性を容易に的確に精度よく推定できる。
これにより、Ni−MH電池10の残存容量を、表示装置60の表示でもって、精度のよい値として得ることができる。
【0068】
また、Ni−MH電池10の劣化と判定すると、推定放電特性がその推定後の測定電圧及びこれに対応する放電量を含む放電特性に相似的に修正される。
これにより、Ni−MH電池10の劣化によりその初期放電特性が変化しても、当該劣化に即した放電特性を得ることが可能である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態につき説明する。
【0069】
この第2実施形態では、図6及び図7にて示すフローチャートが、前記第1実施形態にて述べたフローチャート(図2及び図3参照)に代えて、採用されている。
但し、電気自動車でのNi−MH電池10の充放電電流や電力が頻繁に変化する。また、Ni−MH電池10の放電電圧は、放電電流の増大に伴うNi−MH電池10の内部抵抗による電圧降下でもって低下する。通常、電気自動車の場合のように、Ni−MH電池10が電流や電力を頻繁に変化させる放電を行うと、放電末期には、Ni−MH電池10の内部抵抗が急激に増大するため、Ni−MH電池10の放電電圧は急激に低下する。従って、Ni−MH電池10において本来維持すべき放電電流や電力を確保できなくなる。
【0070】
よって、Ni−MH電池10の残存容量とは、予め決められた放電電流や電力ではNi−MH電池10の放電を維持できなくなるまでの容量をいうものとする。
そこで、本第2実施形態では、次のようにNi−MH電池10の残存容量の判断基準を決めた。
【0071】
図8では、電気自動車で走行したときのNi−MH電池10の放電電圧V及び放電電流Iの間の関係が、Ni−MH電池10の満充電直後のグラフL1、残存容量50%付近のグラフL2及び残存容量0%付近のグラフL3の例示でもって示されている。
ここで、これらグラフL1乃至L3上におけるNi−MH電池10の放電電力の各最大値が、2kWの放電電力曲線P上にあることが分かる(各値L11、L21、L31参照)。また、放電電力曲線P上の放電電圧が、グラフL3上の値L31になると、大きな放電電流或いは2kWのような大きな電力で放電したとき、Ni−MH電池10の放電電圧が急激に低下した。
そこで、本第2実施形態では、放電電力が2kWのときの放電電圧が8Vに達する場合を残存容量=0(Ah)と決め、2kWにおける放電電圧が8Vに達するまでの残存容量の算出について説明する。
【0072】
図9は、図8の放電電力曲線P及びグラフL1の双方の上にある値L11から残存容量0(Ah)までの放電電圧を、放電量(Ah)に対してプロットしたものを示す。
グラフS0は、2(kW)の初期放電特性である。グラフS1は、Ni−MH電池10のメモリ効果を伴わないときの2kWの放電特性である。グラフS2は、60Ah放電のサイクルの繰り返しによりメモリ効果が発生したNi−MH電池10において2(kW)の放電が不能になるまで放電したときの放電特性である。このとき、60(Ah)放電時点S21での放電特性を推定すると、この放電特性は、起電圧の高い等価電池の放電特性のグラフS3と、起電圧の低い等価電池の放電特性のグラフS4とで表すことできる。
【0073】
この場合、グラフS3の放電特性は、グラフS0の初期放電特性を、放電量0(Ah)のときの放電電圧を基準に相似変形して得られる。また、グラフS4の放電特性は、サイクル毎に、グラフS0の初期放電特性を未放電量領域について電圧降下させて推定されている。本実施形態では、放電量が1サイクル当たりにつき60(Ah)と一定であるため、グラフS0の初期放電特性を点S21を通るように電圧降下させたものである。以下、図8の放電電圧と放電電流との関係を、V−I特性という。
【0074】
従って、2kWの放電特性上でも、放電特性(グラフS4)は一律の電圧降下による平行移動でもって推定できる。
以上の観点から、図6及び図7のフローチャートが作成されている。
なお、上記残存容量=0は、電池を使用するシステムに応じて決定すればよい。例えば、最大放電電流=250(A)を必要とするシステムであれば、250Aの放電電流を維持できない放電電圧を基準に残存容量=0を決めればよい。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
【0075】
このように構成した本第2実施形態において、上記第1実施形態と同様に、マイクロコンピュータ50がステップ100における処理をする。ついで、ステップ110Aにて、ステップ110での放電量Qd算出に加え、Ni−MH電池10の放電エネルギー量Wdが、次の数3の式に基づき積分により算出される。
【0076】
【数3】
【0077】
ここで、ηはNi−MH電池10の充電効率である。
ステップ120乃至122の処理が上記第1実施形態と同様になされると、ステップ123において、図8のV−I特性に基づきステップ100での放電電流I及び放電電圧Vから2kW放電時の放電電圧V=VBが算出される。
即ち、マイクロコンピュータ50において、図8のV−I特性は、電池容量の変化が無視できる期間内で複数個の電流、電圧データをサンプリングし、最小二乗法等により直線式の近似計算を行い、直線式とV×I=2kWの曲線Pとの交点を算出することで求められる。
【0078】
次の放電特性推定ルーチン170では、上記第1実施形態にて述べたステップ130、151乃至161の処理と実質的に同様の処理により放電特性の推定処理がなされる。なお、Ni−MH電池10の初期放電特性としては、図9のグラフS0による初期放電特性がマイクロコンピュータ50のROMに予め記憶されている。
【0079】
図7のステップ180では、Ni−MH電池10の残存容量が算出される。ここで、残存容量とは、上述のごとく、2kW放電を維持できない時点まで放電できるエネルギー量を意味している。そして、このエネルギー量は、放電特性推定ルーチン170で推定した放電特性を基に算出することが可能である。
即ち、残存容量は、図10において、点S21まで放電している状態では、縦軸に平行な線X、Y、原点0を通る横軸及びグラフS4により囲われる面積Areaに相当する。なお、図10は、図9の主要グラフを抜き出したものである。
【0080】
この場合、グラフS2の放電特性上点S21まで放電するまでの特性及びグラフS3の放電特性が、ステップ130で初期放電特性(グラフS0)に基づき推定した放電特性に相当する。また、グラフS4の放電特性はステップ151で推定した特性に相当する。
従って、Ni−MH電池10の残存容量(以下、残存容量Wzという)は、その放電中に時々刻々と両グラフS3、S4の放電特性が修正される中、推定放電特性を基にして面積Areaにより算出される。
【0081】
このように、残存容量算出が、Ni−MH電池10の放電量から完全放電までの推定放電特性上の放電電圧を積分することで行われるから、当該電池の放電電圧の高低を考慮して残存容量を算出することとなる。
従って、残存容量の算出値に、Ni−MH電池10の放電電圧の高低を考慮しない場合の誤差が混入することなく、当該電池の残存容量をエネルギー量の観点からとらえた精度のよい値として得ることができる。
【0082】
その後、ステップ181において、Ni−MH電池10の満充電容量Whoが次の数4の式に基づき残存容量Wz及びエネルギー量Wdに応じ算出される。
【0083】
【数4】
Who=Wd+Wz(Wh)
ステップ182では、残存容量Wz(Wh)、満充電容量Who(Wh)、充電指数(Wz/Who)×100(%)及び劣化指数(Who/Whn)×100(%)が表示データとして表示装置60に出力されて表示される。なお、Whnは、Ni−MH電池10が新品状態のとき予め測定した満充電状態のエネルギー量を示す。
【0084】
ついで、操作スイッチSWがオンしておれば、ステップ190における判定がYESとなり、ステップ191において、推定済の放電特性がマイクロコンピュータ50の不揮発性メモリに記憶される。
なお、本発明の実施にあたっては、Ni−MH電池に限ることなく、メモリ効果を発生する各種の電池に本発明を適用して実施してもよい。
【0085】
また、本発明の実施にあたり、ステップ110及び110Aにおける放電量Qdの算出に際しては、Ni−MH電池10に対する回生充電量を加味して行うようにしてもよい。
また、本発明の実施にあたっては、上記実施形態とは異なり、Ni−MH電池10の初期放電特性上の算出放電量(ステップ110参照)に対応する放電電圧が電圧計40の測定放電電圧に一致するように上記初期放電特性を平行移動することで形成される等価電池の放電特性を、ステップ151にて、上記測定放電電圧及び算出放電量を含む放電特性として推定するようにして実施してもよい。
【0086】
この場合、ステップ160にてNi−MH電池10の劣化と判定したとき、上記推定放電特性をその推定後の測定電圧及びこれに対応する放電量を含む放電特性に相似的に変形することで形成される等価電池の放電特性を、Ni−MH電池10の劣化後の測定放電電圧及び算出放電量を含む放電特性として推定するようにしてもよい。
【0087】
また、本発明の実施にあたり、メモリ効果を発生しているNi−MH電池10の放電電圧と放電量との関係を表す放電特性を、起電圧の異なる複数の等価電池の放電電圧と放電量との関係を表す放電特性の組み合わせでもって置換することで推定するようにしてもよい。
また、本発明の実施にあたり、上記実施形態の各フローチャートにおける各ステップは、それぞれ、機能実行手段としてハードロジック構成により実現するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】図1のマイクロコンピュータにより実行される主制御プログラムのフローチャートのうち前段部である。
【図3】同フローチャートの後段部である。
【図4】図1のマイクロコンピュータにより実行される割り込み制御プログラムのフローチャートである。
【図5】図1のNi−MH電池の放電量と充放電サイクル数との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施形態を示すフローチャートの前段部である。
【図7】同フローチャートの後段部である。
【図8】Ni−MH電池の放電電圧と放電電流との関係を示すグラフである。
【図9】図8のグラフL1を基に作成した2(kW)放電電圧と放電量との関係を示すグラフである。
【図10】図9から主要なグラフを抜き出してなる2(kW)放電電圧と放電量との関係を示すグラフである。
【図11】(a)及び(b)は、それぞれ、60(Ah)放電サイクル時及び30(Ah)放電サイクル時のNi−MH電池の放電電圧と放電量との関係を示すグラフである。
【図12】図11の特性を立証するための等価電池回路図である。
【図13】(a)は、図12の等価電池回路における放電電圧と放電量との関係を示すグラフであり、(b)は、同回路における放電電流と放電量との関係を示すグラフである。
【図14】Ni−MH電池のメモリ効果を考慮した放電特性を表す一般的な等価電池回路図である。
【図15】一定放電量のときに図11(a)のグラフを利用してNi−MH電池の未放電領域放電特性を推定するためのグラフである。
【図16】(a)、(b)は、放電量が減少側へ変化するときに図11(a)のグラフを利用してNi−MH電池の未放電領域放電特性を推定するためのグラフである。
【図17】(a)、(b)は、放電量が増加側へ変化するときに図11(b)のグラフを利用してNi−MH電池の未放電領域放電特性を推定するためのグラフの一部である。
【図18】(a)、(b)は、放電量が増加側へ変化するときに図11(b)のグラフを利用してNi−MH電池の未放電領域放電特性を推定するためのグラフの一部である。
【図19】(a)、(b)は、Ni−MH電池が劣化を伴う場合に図11(a)のグラフを利用してNi−MH電池の未放電領域放電特性を推定するためのグラフである。
【図20】図19(b)の一部を抜き出して拡大したグラフである。
【符号の説明】
10…Ni−MH電池、50…マイクロコンピュータ、
30…電流計、40…電圧計。
Claims (5)
- 充放電可能な電池(10)の放電電圧を測定する電圧測定手段(40)と、
前記電池の放電電流を測定する電流測定手段(30)と、
前記測定放電電流に基づき前記電池の放電量を算出する放電量算出手段(110)と、
前記電池の放電電圧と放電量との関係を表す初期放電特性に基づきこの初期放電特性上の前記算出放電量に対応する放電電圧を決定する放電電圧決定手段(140)と、
前記初期放電特性上の前記算出放電量に対応する放電電圧が前記測定放電電圧に一致するように前記初期放電特性を並行移動させることで前記測定放電電圧及び算出放電量を含む放電特性を推定する放電特性推定手段(151)と、
前記電池が前記算出放電量から完全放電するまでの前記推定放電特性上の放電電圧を積分することで前記電池の残存容量を算出する残存容量算出手段(180)とを備える電池残存容量計。 - 前記放電特性推定手段による推定後の前記電圧測定手段による測定電圧及びこれに対応する放電量が前記推定放電特性上にないとき、前記電池の劣化と判定する劣化判定手段(160)と、
この劣化判定手段による劣化との判定に基づき、前記推定放電特性を前記推定後の測定電圧及びこれに対応する放電量を含む放電特性に相似的に修正する修正手段(161)とを備えることを特徴とする請求項1に記載の電池残存容量計。 - 充放電可能な電池(10)の放電電圧を測定する電圧測定手段(40)と、
前記電池の放電電流を測定する電流測定手段(30)と、
前記測定放電電流に基づき前記電池の放電量を算出する放電量算出手段(110)と、
前記電池の放電電圧と放電量との関係を表す初期放電特性に基づきこの初期放電特性上の前記算出放電量に対応する放電電圧を決定する放電電圧決定手段(140)と、
前記初期放電特性上の前記算出放電量に対応する放電電圧が前記測定放電電圧に一致するように前記初期放電特性を並行移動することで形成される等価電池の放電特性を、前記測定放電電圧及び算出放電量を含む放電特性として推定する放電特性推定手段(151)と、
前記電池が前記算出放電量から完全放電するまでの前記推定放電特性上の放電電圧を積分することで前記電池の残存容量を算出する残存容量算出手段(180)とを備える電池残存容量計。 - 前記放電特性推定手段による推定後の前記電圧測定手段による測定電圧及びこれに対応する放電量が前記推定放電特性上にないとき、前記電池の劣化と判定する劣化判定手段(160)と、
この劣化判定手段による劣化との判定に基づき、前記推定放電特性を前記推定後の測定電圧及びこれに対応する放電量を含む放電特性に相似的に変形することで形成される等価電池の放電特性を、前記電池の劣化後の前記測定放電電圧及び算出放電量を含む放電特性として推定する劣化放電特性推定手段(161)とを備えることを特徴とする請求項3に記載の電池残存容量計。 - メモリ効果を発生している電池(10)の放電電圧と放電量との関係を表す放電特性を、起電圧の異なる複数の等価電池の放電電圧と放電量との関係を表す放電特性の組み合わせでもって置換することで推定し、
この推定放電特性上の放電電圧につき前記電池の完全放電まで積分することで当該電池の残存容量を算出するようにした電池残存容量測定方法。
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