JPH0755903A - バッテリの残容量監視装置 - Google Patents

バッテリの残容量監視装置

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JPH0755903A
JPH0755903A JP6126054A JP12605494A JPH0755903A JP H0755903 A JPH0755903 A JP H0755903A JP 6126054 A JP6126054 A JP 6126054A JP 12605494 A JP12605494 A JP 12605494A JP H0755903 A JPH0755903 A JP H0755903A
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JP
Japan
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battery
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capacity
correction
output power
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JP6126054A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Hara
一広 原
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】バッテリの残容量を放電時の出力電力に応じて
精度よく的確に把握・監視することができ、特に電気走
行車における運転者に対するバッテリの残容量の認識を
走行状態に則して的確に行うことができるバッテリの残
容量監視装置を提供する。 【構成】バッテリ1の残容量を初期容量から放電電流I
の積算値を減算することにより把握する残容量把握手段
10と、バッテリ1の温度T及び出力電力に応じて残容
量を補正する残容量補正手段12とを備える。残容量補
正手段12による補正は、バッテリ1の出力電力が大き
くなる程、該補正により得られる新たな残容量が小さく
なるような補正とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気走行車等に搭載さ
れた鉛蓄電池等のバッテリの残容量を把握・監視する残
容量監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばバッテリを電源とする走行用電動
機の駆動力により走行する電気自動車においては、種々
の手法によりバッテリの残容量(放電可能な電気量)を
リアルタイムで把握し、これを車室内に備えた適宜の表
示器に表示して運転者に認識させるようにしている。
【0003】そして、この種のバッテリの残容量をリア
ルタイムで把握する手法としては、例えば特開平1−1
43984号公報に開示されているように、走行時のバ
ッテリの放電電流を時々刻々を検出すると共に、その検
出した放電電流を積算し、その積算値をバッテリの放電
開始前(走行開始前)の初期容量から減算し、さらに、
該減算により得られた値にバッテリの温度に応じた適宜
の補正を行うことにより、バッテリの残容量を求めるも
のが一般的に知られている。
【0004】一方、本発明者等の知見によれば、一般に
バッテリの残容量は、その放電時の出力電力によって変
化し、出力電力が大きい程、バッテリの実質上の残容量
は減少する。また、例えば電気自動車においては、一般
に走行時のバッテリから走行用電動機への入力電力、す
なわち、バッテリの出力電力はアクセル操作量が大きい
程、大きな電力となって走行用電動機の出力が大きくな
るように制御される。従って、このような電気自動車に
おいてバッテリの残容量を運転者に認識させる場合、現
在のアクセル操作量、換言すれば現在のバッテリの出力
電力に応じたバッテリの残容量を運転者に認識させるこ
とが望ましい。このようにすることにより、運転者は、
現在のアクセル操作量でどの程度の航続可能距離が得ら
れるか等を認識することが可能となり、的確なアクセル
操作を行うことが可能となる。
【0005】しかしながら、前記特開平1−14398
4号公報に開示されているようにバッテリの残容量を把
握するものにあっては、バッテリの出力電力に応じた残
容量の把握を行っていないため、運転者は、現在のアク
セル操作量に対応した実質上のバッテリの残容量が判ら
ず、認識した残容量により実質上の航続可能距離を把握
することが困難なものとなっていた。
【0006】また、特公昭60−52641号公報に開
示されているように、バッテリの残容量(残電力)をバ
ッテリの放電量を基に把握・表示し、さらに、その把握
した残容量等を基に電気自動車の航続可能距離等を把握
・表示するようにしたものもあるが、該公報のものにお
いても、バッテリの残容量を把握するに際してバッテリ
の出力電力による残容量の変動が考慮されておらず、従
って、残容量の表示や、これに応じた航続可能距離の表
示が不正確なものとなり易いという不都合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる背景に
鑑み、バッテリの残容量を放電時の出力電力に応じて精
度よく的確に把握・監視することができ、特に電気走行
車における運転者に対するバッテリの残容量の認識を走
行状態に則して的確に行うことができるバッテリの残容
量監視装置を提供することを目的とする。
【0008】また、本発明はバッテリの残容量をその使
用状態に応じて精度よく的確に把握・監視しつつ該バッ
テリの状態を使用者に的確に認識させることができるバ
ッテリの残容量監視装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の第1の態様は、バッテリの残容量を把握
する残容量把握手段を備えたバッテリの残容量監視装置
において、前記バッテリの放電時の出力電力を検出する
電力検出手段と、前記残容量把握手段により把握された
残容量を前記電力検出手段により検出された前記バッテ
リの出力電力に応じて補正する残容量補正手段とを備
え、該残容量補正手段による残容量の補正は前記バッテ
リの出力電力が大きくなる程、補正される残容量より該
補正後に得られる新たな残容量が小さくなるような補正
としたことを特徴とする。
【0010】この場合、前記残容量補正手段は、前記バ
ッテリの出力電力が大きくなる程、大きな値と成るよう
に定めた残容量補正値を前記残容量把握手段により把握
された残容量から減算することにより該残容量を補正す
ることを特徴とする。
【0011】そして、バッテリの放電電流を検出する放
電電流検出手段と、検出された放電電流値をバッテリの
放電開始時から積算する放電電流積算手段とを備え、前
記残容量把握手段は、該放電電流積算手段により得られ
た放電電流の積算値を前記バッテリの放電開始時の初期
容量から減算してなる値を前記バッテリの残容量として
把握することを特徴とする。
【0012】また、前記バッテリの温度を検出する温度
検出手段を備え、前記残容量補正手段は、該バッテリの
温度が前記バッテリの残容量に及ぼす影響を考慮してあ
らかじめ定めた規則に従って前記残容量把握手段により
把握された残容量を前記温度検出手段により検出された
温度に応じて補正する手段を有することを特徴とする。
【0013】また、前記残容量補正手段の補正により得
られた新たな残容量を表示する表示手段を備えたことを
特徴とする。
【0014】さらに、前記表示手段は、前記残容量把握
手段により把握された残容量から前記残容量補正手段の
補正により得られた新たな残容量への減少量を表示する
手段を備えることを特徴とする。
【0015】さらに、前記バッテリを電源とする走行用
電動機と、該バッテリから該走行用電動機への入力電力
をアクセル操作量に応じて制御する電動機制御手段とを
備えた電気走行車に備えられていることを特徴とする。
【0016】また、本発明の第2の態様は、前記の目的
を達成するために、バッテリの残容量を把握する残容量
把握手段を備えたバッテリの残容量監視装置において、
前記バッテリの放電時の出力電力を検出する電力検出手
段と、前記残容量把握手段により把握された残容量を前
記電力検出手段により検出された前記バッテリの出力電
力に応じて補正する残容量補正手段と、該残容量補正手
段の補正により得られた新たな残容量と該残容量補正手
段による残容量の補正量と前記バッテリの満充電容量か
ら前記新たな残容量及び補正量を減じてなるバッテリの
消費容量とを表示する表示手段とを備えたことを特徴と
する。
【0017】さらに、前記バッテリの劣化度を該バッテ
リの内部抵抗値により把握する手段を備え、前記残容量
補正手段は、前記残容量把握手段により把握された残容
量を前記バッテリの出力電力及びバッテリの劣化度に応
じて補正し、前記表示手段は、該残容量補正手段の補正
により得られた新たな残容量と該残容量補正手段による
バッテリの出力電力及びバッテリの劣化度に応じた残容
量の補正量と前記バッテリの満充電容量から前記新たな
残容量及び補正量を減じてなるバッテリの消費容量とを
表示することを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明の第1の態様によれば、前記残容量把握
手段により把握された残容量が、前記残容量補正手段に
より、前記電力検出手段により検出される前記バッテリ
の出力電力が大きい程、新たな残容量が小さくなるよう
に補正されて、該新たな残容量が得られるので、該新た
な残容量によりバッテリの出力電力に応じた実質上の残
容量を把握することが可能となる。
【0019】この場合、前記残容量補正手段による補正
は、例えばバッテリの出力電力が大きくなる程、大きな
値と成るように定めた残容量補正値を前記残容量把握手
段により把握された残容量から減算することにより行わ
れる。
【0020】また、前記残容量検出手段による残容量の
把握は、例えば前記放電電流検出手段により検出される
バッテリの放電電流を前記放電電流積算手段により積算
してなる値をバッテリの放電開始時の初期容量から減算
することにより行われる。
【0021】また、上記のようにバッテリの残容量を把
握する場合には、前記バッテリの出力電力に応じた残容
量の補正に加えて、さらに前記温度検出手段により検出
されるバッテリの温度に応じてバッテリの残容量を補正
して新たな残容量を求めることが好ましい。これは、バ
ッテリの残容量は出力電力だけでなくバッテリの温度に
よっても変化するからである。
【0022】また、前記表示手段を備えたときには、該
残容量表示手段の表示によりバッテリの実質的な残容量
を視覚的に容易に認識することが可能となる。
【0023】この場合、前記残容量把握手段により把握
された残容量から前記残容量補正手段の補正により得ら
れた新たな残容量への減少量をも表示することにより、
バッテリの出力電力に応じた残容量の減少量も容易に認
識することが可能となる。
【0024】そして、このような表示手段を有する残容
量監視装置を前記電気走行車に備えることにより、前記
アクセル操作量に応じたバッテリの実質上の残容量を運
転者に認識させることが可能となる。
【0025】次に本発明の第2の態様によれば、バッテ
リの出力電力に応じて補正してなる残容量と、その残容
量の補正量と、その残容量及び補正量をバッテリの満充
電容量から減じてなるバッテリの消費容量とを前記表示
手段により表示することで、使用者はバッテリの状態を
的確に認識することが可能となる。
【0026】さらに、本発明者等の知見によれば、バッ
テリが経時的に劣化すると、バッテリの実質的な残容量
は減少し、また、バッテリの劣化度合いは、バッテリの
内部抵抗値により把握することが可能である。
【0027】そこで、バッテリの実質上の残容量を得る
ための補正をバッテリの出力電力とバッテリの内部抵抗
値により把握される劣化度に応じて行い、その補正量
と、補正により得られた実質上の残容量と、それらの補
正量及び残容量をバッテリの満充電容量から減じてなる
バッテリの消費容量とを前記表示手段により表示するこ
とで、使用者はバッテリの状態をより的確に認識するこ
とが可能となる。尚、この場合、バッテリの放電停止時
における前記補正量はバッテリの劣化度のみに応じた補
正量となるので、その補正量により、バッテリの劣化状
態や交換の時期等を把握することも可能となる。
【0028】
【実施例】本発明の一例を図1乃至図5を参照して説明
する。図1は本実施例のバッテリの残容量監視装置のシ
ステム構成図、図2は該残容量監視装置の作動を説明す
るためのフローチャート、図3は該残容量監視装置が備
える特性テーブルを示す説明図、図4は該残容量監視装
置における残容量の表示について説明するための説明
図、図5は該残容量監視装置による残容量の把握に関す
る検証実験を説明するための説明図である。
【0029】図1において、本実施例の残容量監視装置
は、例えば電気自動車に備えたものであり、1はバッテ
リ、2はバッテリ1の残容量を把握・監視するための各
種演算処理等を行うコントロールユニット、3はバッテ
リ1の出力電圧Vを検出する電圧センサ、4はバッテリ
1の充放電電流Iを検出する電流センサ(電流検出手
段)、5はバッテリ1の温度Tを検出する温度センサ
(温度検出手段)、6はバッテリ1の残容量を表示する
表示器、7は走行用電動機、8は走行用電動機7を駆動
・制御する電動機駆動制御ユニット(電動機制御手
段)、9はアクセル操作量Aをポテンショメータ等によ
り検出するアクセルセンサである。バッテリ1は例えば
ニッケル−メタルハイドライドバッテリ(ニッケル−水
素電池)である。
【0030】電動機駆動制御ユニット8はバッテリ1か
ら走行用電動機7に給電してこれを駆動するものであ
り、基本的には、アクセルセンサ9を介して検出される
アクセル操作量Aが大きい程、バッテリ1から電動機7
への入力電力(バッテリ1の出力電力)を大きくして、
該電動機7の出力を大きくするように該電動機7を制御
する。尚、電動機7の駆動力は、図示しない動力伝達系
を介して駆動輪(図示しない)に伝達されるようになっ
ている。
【0031】コントロールユニット2は、CPUやRA
M、ROM等を含む電子回路により構成されたものであ
り、その機能的構成として、バッテリ1の放電時(電気
自動車の走行時)に電流センサ4を介して検出される放
電電流Iと温度センサ5を介して検出されるバッテリ温
度Tとにより後述するようにバッテリ1の残容量を演算
・把握する残容量把握手段10と、バッテリ1の放電時
に電流センサ4を介して検出される放電電流Iと電圧セ
ンサ3を介して検出される出力電圧Vとから次式(1)
によりバッテリ1の出力電力を求める電力算出手段11
と、該電力算出手段11により求められた出力電力と温
度センサ5を介して検出されるバッテリ温度Tとにより
前記残容量把握手段10により把握されたバッテリ1の
残容量を後述するように補正する残容量補正手段12
と、該残容量補正手段12により得られた残容量を表示
器6に表示せしめる表示器駆動手段13とを備えてい
る。
【0032】 出力電力=出力電圧V×放電電流I ……(1) ここで、本発明の構成に対応して、電流センサ4、電圧
センサ3及び電力算出手段11は、バッテリ1の放電時
の出力電力を検出する電力検出手段14を構成するもの
であり、表示器6及び表示器駆動手段13は表示手段1
5を構成するものである。
【0033】尚、詳細は後述するが、表示器6は、バッ
テリ1の残容量をバーグラフにより表示するようにして
いる。
【0034】次に、本実施例の装置の作動を説明する。
【0035】図2を参照して、電気自動車の走行を開始
し、バッテリ1の放電が開始すると(STEP1)、前
記コントロールユニット2は充分に短い所定のサンプリ
ングタイム毎に電流センサ4を介してバッテリ1の現在
の放電電流Iを検出し(STEP2)、その検出した放
電電流Iを放電の開始時点から次式(2)により積算
し、その積算値を積算放電量として求める(STEP
3)。
【0036】
【数1】
【0037】ここで、式(2)において、Δtはサンプ
リングタイムであり、式(2)により求められる積算放
電量は、バッテリ1の放電開始時点から現時点までの総
放電量(クーロン量)を示すものである。
【0038】次いで、コントロールユニット2は、電圧
センサ3及び温度センサ5を介してバッテリ1の現在の
出力電圧V及びバッテリ温度Tを検出し(STEP
4)、さらに前記STEP2において検出された放電電
流IとSTEP4において検出された出力電圧Vとから
前記(1)式によりバッテリ1の出力電力を算出する
(STEP5)。
【0039】そして、コントロールユニット2は、その
残容量補正手段12により、STEP4におけるバッテ
リ温度TとSTEP5における出力電力Wとから図3に
示すようにあらかじめ定められた特性テーブルを用いて
放電可能容量を求める(STEP6)。ここで、図3に
おいて、放電可能容量とは、満充電状態のバッテリ1に
ついて、出力電力及びバッテリ温度を一定として、バッ
テリ1の出力電圧が例えば1V(=カットオフ電圧)と
なるまで放電した場合に放電し得る電気量(クーロン
量)を示すものであり、また、出力密度は、バッテリ1
の単位重量当たりの出力電力を示すものである。図3
は、上記のような放電可能容量を出力密度及びバッテリ
温度を変数とする関数として表したものであり、その特
性は、実際に満充電状態のバッテリを各種の値の出力密
度及びバッテリ温度で放電させて、その時の放電量を実
測することにより定めたものである。この場合、その特
性の基本的傾向は、出力密度が大きい程、放電可能容量
が減少し、また、バッテリ温度が低い程、放電可能容量
が減少する傾向となる。但し、バッテリ温度が比較的高
い領域においては、バッテリ温度の上昇に伴って、放電
可能容量が若干減少していく傾向となる領域もある。
【0040】前記STEP6は、現在のバッテリ温度T
と出力電力Tとから図3に示す特性テーブルを用いて前
記放電可能容量を求めるステップである。具体的には、
例えば現在の出力電力に相当する出力密度が50(W/
kg)、バッテリ温度Tが0°Cであるとすると、図3
の特性テーブルから求められる放電可能容量は約20
(Ah)である。
【0041】次いで、コントロールユニット2は、前記
残容量把握手段10により、STEP3において求めら
れた積算放電量を用いて次式(3)により基準残容量を
求める(STEP7)。
【0042】 基準残容量=初期容量−積算放電量 ……(3) ここで、式(3)において、初期容量は、前記STEP
1の放電開始時(電気自動車の走行開始時)におけるバ
ッテリ1の容量であり、例えば、今回のバッテリ1の放
電開始前(電気自動車の走行開始前)にバッテリ1が満
充電された場合には、該バッテリ1の満充電時の容量が
設定され、今回のバッテリ1の放電開始前にバッテリ1
の充電が行われていない場合には、前回のバッテリ1の
放電終了時(電気自動車の走行終了時)における基準残
容量が設定される。この場合、式(3)により求められ
る基準残容量や前記初期容量は、所定の条件下でバッテ
リ1の放電を行った場合に放電し得る総電気量を示すも
のであり、本実施例では、例えば放電電流を6A、カッ
トオフ電圧(バッテリ1の全放電状態に相当する出力電
圧)を1Vとした場合をバッテリ1の容量の基準条件と
している。すなわち、式(3)における初期容量は、電
気自動車の走行開始前であるバッテリ1の放電開始前
に、6Aの放電電流で出力電圧が1Vとなるまで放電し
た場合に得られる総電気量を示すものであり、基準残容
量は、現時点のバッテリ1について上記の条件下で放電
した場合に得られる総電気量を示すものである。尚、初
期容量は、バッテリ1の放電開始前にバッテリ1の開路
電圧(バッテリ1を開放した状態におけるバッテリ1の
出力電圧)等により推定して求めるようにしてもよい。
【0043】さらに、コントロールユニット2は、前記
残容量補正手段12により、式(3)により求められた
基準残容量を後述のように補正するための残容量補正値
を前記STEP6において求めた放電可能容量を用いて
次式(4)により求める(STEP8)。
【0044】 残容量補正値=満充電基準容量−放電可能容量 ……(4) ここで、満充電基準容量とは、バッテリ1の満充電状態
において、放電電流を6A、カットオフ電圧を1Vとし
て放電した場合のバッテリ1の容量であり、バッテリ1
の放電開始時(STEP1)においてバッテリ1が満充
電状態である場合には、前記初期容量や、放電開始時に
おける前記基準残容量と一致する。そして、前記放電可
能容量は、前述したように、現在のバッテリ1の出力電
力とバッテリ温度Tとにおいてバッテリ1の満充電状態
から放電し得る電気量を示すものであるので、前記満充
電基準容量から放電可能容量を減算してなる残容量補正
値は、現在のバッテリ1の出力電力とバッテリ温度Tと
においてバッテリ1から取り出すことができない電気
量、換言すれば、バッテリ1の出力電力とバッテリ温度
Tとに応じた容量の減少量を示すものとなる。この場
合、前述したように放電可能容量は、バッテリ1の出力
電力が大きい程、小さくなるので、残容量補正値は、現
在のバッテリ1の出力電力が大きい程、換言すれば、電
気自動車の走行時のアクセル操作量Aが大きい程、大き
な値となる。
【0045】次いで、コントロールユニット2の残容量
補正手段12は、式(4)により求められた残容量補正
値を用いて式(3)により求められた基準残容量を次式
(5)により補正して、バッテリ1の実質上の残容量
(残放電可能容量)を求める(STEP9)。
【0046】 残容量=基準残容量−残容量補正値 ……(5) ここで、残容量補正値は、前述したように、バッテリ1
の現在の出力電力とバッテリ温度Tとに応じた容量の減
少量を示すものであるので、式(5)により求められる
残容量は、現在の出力電力とバッテリ温度Tとにおい
て、現在のバッテリ1が放電し得る実質上の総電気量を
示すものとなる。そして、残容量補正値は、前述したよ
うに現在のバッテリ1の出力電力が大きい程、大きな値
となるので、式(5)により求められる残容量は、バッ
テリ1の出力電力が大きい程、小さなものとなる。
【0047】次いで、コントロールユニット2は、その
表示器駆動手段13により、表示器6に式(5)により
求められた残容量と式(4)に求められた残容量補正値
(残容量の補正量)とを表示させる(STEP10)。
尚、この表示については、後述する。
【0048】次いで、コントロールユニット2は、バッ
テリ1の放電が継続している場合(電気自動車の走行
時)には(STEP11においてYES)、前記STE
P2以降の処理を前記サンプリングタイムΔt毎に繰り
返し、電気自動車の走行が終了し、バッテリ1の放電が
終了すると(STEP11においてNO)、以上説明し
た処理を終了する。
【0049】次に、式(5)により求められた残容量と
式(4)に求められた残容量補正値の表示について、図
4(a),(b)を参照して説明する。
【0050】本実施例の装置においては、前記表示器6
は、図4(a),(b)の細長方形枠16内で液晶等に
よりバッテリ1の前記残容量や残容量補正値をバーグラ
フにより表示する。
【0051】すなわち、まず、図4(a)を参照して、
電気自動車の走行開始前(バッテリ1の放電開始前)に
おいて、前記方形枠16の長手方向における一端(図4
(a)では右端)をバッテリ1の全放電状態を示す“E
MPTY”位置、他端(図4(a)の左端)をバッテリ
1の満充電状態を示す“FULL”位置とし、“EMP
TY”位置から“FULL”位置に向かってバッテリ1
の前記初期容量に応じた長さを有するバーグラフB(図
中、斜線部分)を方形枠16内に例えば液晶の点灯表示
等により表示する。この場合、方形枠16の全長は、前
記満充電基準容量に相当し、電気自動車の走行開始前に
おいて、バッテリ1が満充電状態であれば、バッテリ1
の初期容量は満充電基準容量に一致し、この時、方形枠
16内の全長にわたってバーグラフが表示される。そし
て、バッテリ1の初期容量が小さくなるに従って、バー
グラフの前記“EMPTY”位置からの長さが短くな
り、例えば初期容量が満充電基準容量の3/4であれ
ば、図4(a)に示すように、“EMPTY”位置から
方形枠16の全長の3/4の長さを有するバーグラフB
が表示される。従って、電気自動車の運転者は、方形枠
16の全長に対するバーグラフBの長さによりバッテリ
1の初期容量を視覚的に認識することができる。
【0052】次に、図4(b)を参照して、電気自動車
が走行を開始し、バッテリ1の放電が開始すると、その
放電時のある時点において、バーグラフBの前記“EM
PTY”位置からの長さは、前記積算放電量に相当する
長さだけ短くなり、さらに、バーグラフBの前記“EM
PTY”位置寄りの箇所において、“EMPTY”位置
から現時点における前記残容量補正値に相当する長さを
有する部分b1 (図中、点描部分)が、バーグラフBの
他の部分b2 (図中、斜線部分)と異なる形式(例えば
部分b1 の消灯や色違い表示等)で表示される。この場
合、バーグラフBの前記“EMPTY”位置からの長さ
は、前記式(3)から明らかなように、前記基準残容量
に相当する。そして、前記部分b1 は、現時点における
バッテリ1の出力電力及びバッテリ温度Tに応じた残容
量補正値に相当する部分であるので(以下、部分b1 を
補正値表示部分b1 という)、前記部分b2 の長さは、
前記(5)式から明らかなように、バッテリ1の現時点
における出力電力及びバッテリ温度Tに応じた実質上の
残容量に相当する。以下、部分b2 を残容量表示部分b
2 という。これにより、電気自動車の運転者は、残容量
表示部分b2 の長さにより、現時点におけるバッテリ1
の出力電力及びバッテリ温度T、換言すれば、現時点に
おけるアクセル操作量A及びバッテリ温度Tに応じた実
質上の残容量を視覚的に把握することができ、また、補
正値表示部分b1 の長さにより、現時点におけるアクセ
ル操作量A及びバッテリ温度Tに応じたバッテリ1の残
容量の実質的な減少分を視覚的に把握することができ
る。そして、この場合、補正値表示部分b1 と残容量表
示部分b2 との境界は、バッテリ1の残容量の実質上の
“EMPTY”位置を示すものとなり、この位置がバッ
テリ1の出力電力の増減、換言すればアクセル操作量A
の増減に従って移動する。
【0053】尚、補正値表示部分b1 の長さと残容量表
示部分b2 の長さとの総和は、バッテリ1の放電の継続
に従って短くなっていく。そして、例えば電気自動車の
一時的な停車時等において、バッテリ1の放電が一時的
に停止されている場合には、補正値表示部分b1 の長さ
は“0”となり、従って残容量表示部分b2 のみが表示
される。
【0054】また、前記方形枠16内において、残容量
表示部分b2 と補正値表示部分b1とを除いた部分は、
バッテリ1の満充電状態からの容量の消費分、すなわ
ち、消費容量として視覚的に認識されることとなる。従
って、方形枠16内には、補正により得られた実質上の
残容量と、出力電力及びバッテリ温度に応じた補正値
(補正量)と、消費容量とが表示され、それらが、運転
者に視覚的に認識されることとなり、運転者は、バッテ
リ1の状態を的確に認識することができる。
【0055】次に、本実施例による残容量の把握・監視
に係わる検証実験について説明する。
【0056】本発明の発明者等は、前記実施例に使用し
た希土類系メタルハイドライドセルを有する定格容量2
5Ahのバッテリ(Ni−MHバッテリ)について、次
のような実験を行った。 〔実験1〕上記バッテリについて、これをバッテリ温度
30°Cの温度条件下で、充電電流を3A、充電時間を
12時間としてバッテリを満充電した後に、所定の放電
量まで放電した。ここで放電量は放電電流の計測値を時
間的に積算してなる量であり(前記式(2)参照)、そ
の値は20Ah、12.5Ahの2通りとし、さらに、
それぞれの放電量について、その放電条件は、放電電流
値を種々の値に変更しつつ放電した場合(以下、可変電
流モードという)と放電電流値を一定値(6A)として
放電した場合(以下、定電流モードという)との2通り
とした。この実験1は、前記図2のSTEP1〜3を模
擬的に実施する実験であり、上記の20Ah、12.5
Ahの放電量は、前述の実施例における積算放電量を示
すものである。 〔実験2〕前記実験1を行ったバッテリについて、実験
1と同じ温度条件下で、バッテリの単位重量当たりの出
力電力(出力密度)を50W/kg(一定)、カットオ
フ電圧を1Vとして放電させ、この時の放電量、すなわ
ち放電電流の時間的積算量を測定した。この実験は、上
記実験1のように放電させたバッテリについて、バッテ
リ温度30°C、出力電力(出力密度)50W/kgに
おける実際の残容量を実測する実験(以下、必要に応じ
て実験2aという)である。
【0057】また、実験1における放電を行わなかった
満充電状態のバッテリについて、上記の温度条件下で、
出力電力(出力密度)を50W/kg(一定)、カット
オフ電圧を1Vとして放電させ、この時の放電量も測定
した。この実験は、満充電状態のバッテリの放電開始
時、換言すれば、積算放電量が“0”の状態において、
バッテリ温度30°C、出力電力(出力密度)50W/
kgでの実際の残容量を実測する実験(以下、必要に応
じて実験2bという)であり、該実験2bにより実測さ
れる残容量は、前記実施例における放電可能容量の定義
から明らかなように、該放電可能容量に相当するもので
ある。尚、前記図3の特性テーブルに示した放電可能容
量は、バッテリ温度及び出力電力(出力密度)の種々の
値について、実験2bと同様の実験を行って得たもので
あり、実験2bにより実測された残容量は、図3の特性
テーブルのバッテリ温度30°C、出力電力(出力密
度)50W/kgにおける放電可能容量の値と一致す
る。 〔実験3〕前記実験2を行ったバッテリについて、実験
1と同じ温度条件下で、放電電流を6A、カットオフ電
圧を1Vとして放電させ、この時の放電量を実験2と同
様に測定した。この実験は、上記実験2の放電におい
て、放電することができない容量分(これは、前記実施
例における残容量補正値に相当する)を実測する実験
(以下、必要に応じて実験3aという)である。
【0058】また、実験1及び実験2を行わなかった満
充電状態のバッテリについて、上記の温度条件下で、放
電電流を6A、カットオフ電圧を1Vとして放電させ、
この時の放電量も測定した。この実験は、前記実施例に
おける満充電基準容量の定義から明らかなように、該満
充電基準容量を実測する実験(以下、必要に応じて実験
3bという)である。
【0059】これらの実験結果を図5(a)〜(f)に
示した。ここで、図5(a)〜(d)は、前記実験1,
2a,3aを順次行った場合において、各実験による放
電量及びこれらの総和をバーグラフで示したものであ
り、図5(a)は、実験1において前記可変電流モード
で20Ahの放電を行った場合の実験結果、図5(b)
は、実験1において前記定電流モードで20Ahの放電
を行った場合の実験結果、図5(c)は、実験1におい
て前記可変電流モードで12.5Ahの放電を行った場
合の実験結果、図5(d)は、実験1において前記定電
流モードで12.5Ahの放電を行った場合の実験結果
を示すバーグラフである。また、図5(e)は、前記実
験2b及び3aを順次行った場合において、各実験によ
る放電量及びこれらの総和を示すバーグラフ、図5
(f)は、前記実験3bを行った場合の放電量を示すバ
ーグラフである。
【0060】この場合、前述したように、図5(f)に
示した実験3bの放電量はバッテリの満充電基準容量、
図5(d)に示した実験2bの放電量はバッテリ温度3
0°C、出力電力(出力密度)50W/kgにおける放
電開始時の残容量(放電可能容量)、図5(a)〜
(d)に示した実験2aの放電量は実験1による放電後
のバッテリ温度30°C、出力電力(出力密度)50W
/kgにおける残容量の実測値、図5(a)〜(e)に
示した実験3の放電量は、実験2の放電によっては放電
することができなかった容量分である。尚、これらの図
5(a)〜(f)には、前記式(4)により求めた残容
量補正値をバーグラフの長さに対応させて併記した。こ
の場合、残容量補正値を求めるにあたって、式(4)中
の満充電基準容量及び放電可能容量は、それぞれ図5
(f)に示した実験3bの放電量及び図5(e)に示し
た実験2bの放電量(これは図3の特性テーブルにより
得られる放電可能容量と一致する)を用いた。
【0061】これらの図5(a)〜(f)を参照して、
前記実施例において把握される残容量及び残容量補正値
の精度について説明する。
【0062】前記実施例においては、バッテリの初期容
量が満充電状態の容量(=満充電基準容量)である場
合、前記式(3)〜(5)から明らかなように、放電開
始時からの積算放電量と最終的に把握される残容量との
総和は、前記放電可能容量となる。
【0063】一方、図5(a)〜(d)のバーグラフと
図5(e)のバーグラフとを比較すると、図5(a)〜
(d)における実験1の放電積算量と、実験2の残容量
の実測値との総和は、図5(e)における実験2bの放
電量(=放電可能容量)とほぼ一致する。実際、図5
(a)〜(d)における実験1の放電積算量と、実験2
の残容量の実測値との総和は、図5(e)における実験
2bの放電量(=放電可能容量)を100%とした場
合、次の表1に示すように図5(e)に示した放電可能
容量に高い精度で一致した。
【0064】このことから、前記実施例において把握さ
れる残容量は精度の高いものであることが判る。
【0065】
【表1】
【0066】また、前記実施例においては、バッテリの
初期容量が満充電状態の容量(=満充電基準容量)であ
る場合、前記式(3)〜(5)から明らかなように、放
電開始時からの積算放電量と最終的に把握される残容量
と残容量補正値との総和は満充電基準容量に一致する。
【0067】一方、図5(a)〜(e)のバーグラフと
図5(f)のバーグラフとを比較すると、図5(a)〜
(e)における実験1の放電積算量(図5(e)では放
電積算量=0)と、実験2の残容量の実測値と、実験2
において放電することができなかった容量分を示す実験
3の放電量との総和は、図5(f)における実験3bの
放電量(=満充電基準容量)とほぼ一致する。実際、図
5(a)〜(e)における実験1の放電積算量と、実験
2の残容量の実測値と、実験3の放電量との総和は、図
5(f)における実験3bの放電量(=満充電基準容
量)を100%とした場合、前記表1に示すように図5
(f)に示した満充電基準容量に高い精度で一致した。
【0068】このことから、前記式(4)により得られ
る残容量補正値は、バッテリの放電時の出力電力及びバ
ッテリ温度に応じて放電することができない容量分、換
言すれば、バッテリの容量の実質上の減少分を示すもの
として精度の高いものであることが判る。
【0069】尚、詳細な説明は省略するが、本発明の発
明者等は、前述したような検証実験を、出力電力及びバ
ッテリ温度の種々の条件の基で行った。そして、上記の
検証実験と同様に前記実施例において求められるバッテ
リの残容量と残容量補正値とを実測値と比較したとこ
ろ、該実測値に対して5%以内の誤差に収まることを確
認した。
【0070】以上、説明したように、本実施例のバッテ
リの残容量監視装置においては、バッテリの初期容量か
ら積算放電量を減算してなる基準残容量を各時点におけ
るバッテリの出力電力及びバッテリ温度に応じて補正し
たことによって、その補正によりバッテリの出力電力及
びバッテリ温度に応じた実質上の残容量を精度よく把握
することができる。そして、その補正により得られた残
容量と残容量補正値とを表示することによって、電気自
動車の運転者が、アクセル操作量Aに応じた残容量と残
容量補正値とを確認しつつ走行することができ、これら
を確認することにより、航続可能距離の予測を容易に行
うことができると共に、バッテリの残容量に応じたアク
セル操作量Aの的確な調整を行うことができる。
【0071】尚、本実施例では、バッテリの満充電基準
容量を、バッテリの満充電状態から6Aの放電電流でカ
ットオフ電圧を1Vとして放電した場合の容量とした
が、例えば前記走行用電動機7を駆動し得る最低出力電
力をバッテリ1から取り出すことができる容量としても
よい。このようにした場合には、把握されるバッテリの
残容量が“0”となっても、ある程度は確実に走行する
ことができ、実用上、好ましい。
【0072】また、本実施例では、Ni−MHバッテリ
1の残容量の把握・監視について説明したが、Ni−M
Hバッテリに限らず、鉛蓄電池やアルカリ電池等につい
ても本発明を適用することができる。
【0073】また、本実施例では、バッテリ1の残容量
の温度と出力電力とに応じた補正を包括的に行うように
したが、それぞれの補正を各別に行うようにすることも
可能であり、この場合、バッテリ1の温度に応じた補正
は、前記残容量把握手段10により行うようにしてもよ
い。
【0074】また、本実施例では、バッテリ1の温度と
出力電力とに応じて定まる残容量補正値を基準残容量か
ら減算することにより残容量を求めるようにしたが、例
えば出力電力が大きくなる程、小さくなるように定めた
1以下の補正係数を基準残容量に乗算することにより残
容量を求めるようにすることも可能である。
【0075】ところで、バッテリは充放電を繰り返すと
徐々に劣化していき、このような劣化が進行していく
と、前記放電可能容量は、バッテリの劣化度合いに応じ
て例えば図6に示すように当初の場合(図3の状態)に
較べて減少する。そして、本発明者等の知見によれば、
バッテリの劣化が進行していくと、バッテリの重量減等
によりバッテリの内部抵抗値が増加し、その内部抵抗値
の増加度合いは、バッテリの劣化度を示すものとなる。
従って、例えば前記図2のSTEP1(放電開始)の前
に、バッテリの内部抵抗値を測定して、その内部抵抗値
の測定値から現在のバッテリの劣化度を把握し、その劣
化度に応じて定めた残容量の補正分(減少分)を前述し
たようにバッテリの出力電力及びバッテリ温度に応じて
得られる前記残容量補正値に加えることで、バッテリの
出力電力及びバッテリ温度、並びに劣化度に応じた残容
量の補正量を求めるようにしてもよい。そして、このよ
うにして求めた残容量の補正量と、該補正量を前記基準
残容量から減じてなるバッテリの実質上の残容量とを前
述の場合と同様に、例えば図7に示すようにバーグラフ
により表示してもよい。ここで、図7において、点描部
分は、バッテリの出力電力及びバッテリ温度、並びに劣
化度に応じた残容量の補正量を示す部分、斜線部分はバ
ッテリの実質的な残容量を示す部分、白抜き部分は、バ
ッテリの満充電状態からの消費容量を示す部分である。
尚、バッテリの内部抵抗値は、例えばバッテリに所定の
定電流を流し、その時のバッテリの出力電圧の変化を計
測することで測定することができる。
【0076】このような表示を行う場合において、前記
残容量補正値は、バッテリの出力電力に応じて、換言す
れば、電気自動車のアクセル操作量に応じて増減するの
であるが、バッテリの劣化度に応じた残容量の補正分
は、走行中に増減するものではなく、また、バッテリの
劣化がある程度進行しておれば、停止中においても
“0”とはならないと共にバッテリの劣化の進行に伴っ
て徐々に増加していく。
【0077】このため、図7の点描部分の“EMPT
Y”位置からの長さは、電気自動車の停止時(バッテリ
の放電停止時)において、バッテリの現在の劣化度に応
じた残容量の補正分(減少分)を示すものとなり、その
補正分は、バッテリの現在の劣化度に対応したものとな
る。図7の点描部分の長さによりバッテリの劣化度を視
覚的に認識することができる。
【0078】そこで、例えば図7に示すように、“EM
PTY”位置から“FULL”位置に向かって適当な長
さの箇所にバッテリの寿命の目安となるマークMを表記
しておけば、電気自動車の停止時における点描部分の長
さが該マークMを越えるか否かでバッテリの交換時期を
運転者に認識させることもできる。
【0079】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
の第1の態様によれば、残容量把握手段により把握され
た残容量を残容量補正手段により、バッテリの放電時の
出力電力に応じて補正し、このとき、その補正を、バッ
テリの出力電力が大きくなる程、該補正により得られる
新たな残容量が小さくなるような補正としたことによっ
て、バッテリの出力電力に応じた実質上の残容量を精度
よく求めることができ、バッテリの出力電力に応じた残
容量の把握・監視を的確に行うことができる。
【0080】この場合、前記残容量補正手段による補正
は、バッテリの出力電力が大きくなる程、大きな値と成
るように定めた残容量補正値を前記残容量把握手段によ
り把握された残容量から減算することにより容易に行う
ことができる。
【0081】また、前記残容量把握手段による残容量の
把握は、バッテリの初期容量から放電電流の積算値を減
算することにより、容易に行うことができる。
【0082】また、前記残容量補正手段による残容量の
補正をバッテリの出力電力だけでなく、バッテリの温度
によっても行うことにより、その補正により得られる残
容量の精度を高めることができる。
【0083】また、前記残容量補正手段の補正により得
られた残容量を残容量表示手段により表示し、さらに、
該残容量補正手段により、前記補正による残容量の減少
分をも表示することによって、バッテリの実質上の残容
量や出力電力に応じた残容量の減少分を容易に認識する
ことができ、これらの表示に応じた出力電力の調整等を
的確に行うことができる。
【0084】さらに、かかる残容量表示手段を有する残
容量監視装置を電気自動車に備えたときには、バッテリ
の残容量や、アクセル操作量に応じた残容量の減少分を
電気自動車の走行状態に則して運転者に的確に認識させ
ることができ、運転者はその残容量や残容量の減少分の
認識により航続可能距離を的確に把握することができる
と共に、アクセル操作量の調整等を的確に行うことがで
きる。
【0085】また、本発明の第2の態様によれば、バッ
テリの出力電力に応じて補正してなる残容量と、その残
容量の補正量と、その残容量及び補正量をバッテリの満
充電容量から減じてなるバッテリの消費容量とを表示手
段により表示することにより、バッテリの状態を使用者
に的確に認識させることができる。
【0086】さらに、バッテリの残容量の補正を出力電
力のみならず、バッテリの内部抵抗値により把握される
バッテリの劣化度に応じて補正し、その残容量の補正量
と、補正により得られた残容量と、それらの残容量及び
補正量をバッテリの満充電容量から減じてなるバッテリ
の消費容量とを表示手段により表示することにより、バ
ッテリの状態を使用者により的確に認識させることがで
きると共に、特にバッテリの放電停止時においては、表
示される補正量によりバッテリの劣化度を使用者に認識
させることができ、ひいては、バッテリの寿命あるいは
交換時期を使用者に認識させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバッテリの残容量監視装置の一例のシ
ステム構成図。
【図2】図1の残容量監視装置の作動を説明するための
フローチャート。
【図3】図1の残容量監視装置が備える特性テーブルを
示す説明図。
【図4】図1の残容量監視装置における残容量の表示に
ついて説明するための説明図。
【図5】図1の残容量監視装置による残容量の把握に関
する検証実験を説明するための説明図。
【図6】バッテリの寿命マークを用いた表示を説明する
ための説明図。
【図7】バッテリが劣化したときの特性テーブルを示す
説明図。
【符号の説明】
1…バッテリ、4…電流センサ(電流検出手段)、5…
温度センサ(温度検出手段)、7…走行用電動機、8…
電動機駆動制御ユニット(電動機制御手段)、10…残
容量把握手段、12…残容量補正手段、14…電力検出
手段、15…表示手段。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バッテリの残容量を把握する残容量把握手
    段を備えたバッテリの残容量監視装置において、前記バ
    ッテリの放電時の出力電力を検出する電力検出手段と、
    前記残容量把握手段により把握された残容量を前記電力
    検出手段により検出された前記バッテリの出力電力に応
    じて補正する残容量補正手段とを備え、該残容量補正手
    段による残容量の補正は前記バッテリの出力電力が大き
    くなる程、補正される残容量より該補正後に得られる新
    たな残容量が小さくなるような補正としたことを特徴と
    するバッテリの残容量監視装置。
  2. 【請求項2】前記残容量補正手段は、前記バッテリの出
    力電力が大きくなる程、大きな値と成るように定めた残
    容量補正値を前記残容量把握手段により把握された残容
    量から減算することにより該残容量を補正することを特
    徴とする請求項1記載のバッテリの残容量監視装置。
  3. 【請求項3】バッテリの放電電流を検出する放電電流検
    出手段と、検出された放電電流値をバッテリの放電開始
    時から積算する放電電流積算手段とを備え、前記残容量
    把握手段は、該放電電流積算手段により得られた放電電
    流の積算値を前記バッテリの放電開始時の初期容量から
    減算してなる値を前記バッテリの残容量として把握する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のバッテリの残容
    量監視装置。
  4. 【請求項4】前記バッテリの温度を検出する温度検出手
    段を備え、前記残容量補正手段は、該バッテリの温度が
    前記バッテリの残容量に及ぼす影響を考慮してあらかじ
    め定めた規則に従って前記残容量把握手段により把握さ
    れた残容量を前記温度検出手段により検出された温度に
    応じて補正する手段を有することを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載のバッテリの残容量監視装置。
  5. 【請求項5】前記残容量補正手段の補正により得られた
    新たな残容量を表示する表示手段を備えたことを特徴と
    する請求項1乃至4のいずれかに記載のバッテリの残容
    量監視装置。
  6. 【請求項6】前記表示手段は、前記残容量把握手段によ
    り把握された残容量から前記残容量補正手段の補正によ
    り得られた新たな残容量への減少量を表示する手段を備
    えることを特徴とする請求項5記載のバッテリの残容量
    監視装置。
  7. 【請求項7】前記バッテリを電源とする走行用電動機
    と、該バッテリから該走行用電動機への入力電力をアク
    セル操作量に応じて制御する電動機制御手段とを備えた
    電気走行車に備えられていることを特徴とする請求項5
    または6記載のバッテリの残容量監視装置。
  8. 【請求項8】バッテリの残容量を把握する残容量把握手
    段を備えたバッテリの残容量監視装置において、前記バ
    ッテリの放電時の出力電力を検出する電力検出手段と、
    前記残容量把握手段により把握された残容量を前記電力
    検出手段により検出された前記バッテリの出力電力に応
    じて補正する残容量補正手段と、該残容量補正手段の補
    正により得られた新たな残容量と該残容量補正手段によ
    る残容量の補正量と前記バッテリの満充電容量から前記
    新たな残容量及び補正量を減じてなるバッテリの消費容
    量とを表示する表示手段とを備えたことを特徴とするバ
    ッテリの残容量監視装置。
  9. 【請求項9】前記バッテリの劣化度を該バッテリの内部
    抵抗値により把握する手段を備え、前記残容量補正手段
    は、前記残容量把握手段により把握された残容量を前記
    バッテリの出力電力及びバッテリの劣化度に応じて補正
    し、前記表示手段は、該残容量補正手段の補正により得
    られた新たな残容量と該残容量補正手段によるバッテリ
    の出力電力及びバッテリの劣化度に応じた残容量の補正
    量と前記バッテリの満充電容量から前記新たな残容量及
    び補正量を減じてなるバッテリの消費容量とを表示する
    ことを特徴とする請求項8記載のバッテリの残容量監視
    装置。
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