JP3718894B2 - 出力回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばテレビジョン(TV)チューナ等で用いられる中間周波増幅回路等の出力回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は、TVチューナ等で用いられる中間周波増幅回路が適用されたTV受像機のシステム構成を示すブロック図である。
図3に示すように、TV受像機は一般的に、アンテナ1、高周波増幅回路2、帯域フィルタ3、周波数変換回路4、局部発振回路5、中間周波増幅回路6、帯域フィルタ7、映像IF回路8、映像信号処理回路9、音声IF回路10、音声信号処理回路11、ディスプレイ12、およびスピーカー13により構成される。
【0003】
このような構成において、アンテナ1から入力した高周波信号は、高周波増幅回路2で増幅された後、帯域フィルタ2で不要成分が取り除ぞかれ、周波数変換回路4により、中間周波数(IF)と呼ばれる低い周波数に変換される。そして、中間周波数に変換された信号は中間周波増幅回路6で必要とされるレベルまで増幅される。
ここまでの処理は、一般にチューナブロックと呼ばれている回路で、周波数変換回路4、中間周波増幅回路5、および局部発振回路5は集積回路化されることが多い。
以降、帯域フィルタ7、映像IF回路8、音声IF回路10等を介して所定の映像がディスプレイ12に表示され、音声がスピーカー13から出力される。
【0004】
図3の中間周波増幅回路6は、図4に示すように、電圧増幅回路61、第1の電流増幅回路62および第2の電流増幅回路63により構成される。
この中間周波増幅回路6では、電圧増幅回路61で得られる平衡信号S61a,S61bを2系統の電流増幅回路62,63で低インピーダンス負荷を駆動させるための電流増幅を行っている。
【0005】
一般的に、TVチューナ等で用いられる中間周波増幅回路においては、次段に接続される回路により、平衡出力もしくは不平衡出力が要求される。
平衡出力時は、直接SAWフィルタを駆動するため、負荷のインピーダンスは400Ω程度である。
これに対して、不平衡出力時には、50〜75Ωの負荷を駆動できなければならず、TVチューナでは75Ωの負荷を1.2Vppまで直線的に増幅する必要があるため、出力回路にはバイアス電流を10mA以上流す必要がある。
【0006】
そのため、従来の中間周波増幅回路6においては、両方の出力形態に対応するため、平衡出力用の回路62,63の出力部分に10mA程度の電流を流していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の回路では、不平衡出力として使用する場合には使用しない平衡出力回路、たとえば第2の電流増幅回路63に流れる電流が無駄となり、平衡時にも必要以上の電力消費となっていた。
そのため、従来は、出力回路に流すバイアス電流を20%程度減らし歪み特性を悪化させることで、消費電流の削減を行っていた。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、歪み特性を劣化させることなく、消費電力を低減できる出力回路を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、平衡出力と不平衡出力の2系統の出力形態をもつ出力回路であって、制御信号が第1のレベルで入力されると、第1の出力用トランジスタに所定のバイアス電流を供給し、第2のレベルで入力されると当該第1の出力用トランジスタのバイアス電流を第1のレベルの場合より増加させて供給し、上記第1の出力用トランジスタからバイアス電流に応じたレベルの信号を出力する第1の回路と、上記制御信号が第1のレベルで入力されると第2の出力用トランジスタに所定のバイアス電流を供給して当該第2の出力用トランジスタから所定のレベルの信号を出力し、上記制御信号が第2のレベルで入力されると当該第2の出力用トランジスタへのバイアス電流の供給が停止状態となる第2の回路とを有する。
【0010】
また、本発明の出力回路では、上記制御信号が第1のレベルの場合には、上記第1の出力用トランジスタへのバイアス電流と上記第2の出力用トランジスタへのバイアス電流とが略等しい値に設定される。
【0011】
本発明によれば、制御信号が第1のレベルで第1の回路および第2の回路に入力されると、第1の回路では第1の出力用トランジスタに所定のバイアス電流が供給され、第2の回路においても第2の出力用トランジスタに所定のバイアス電流の供給がされる。このとき、たとえば第1の出力用トランジスタへのバイアス電流と第2の出力用トランジスタへのバイアス電流とが略等しい値に設定される。
この場合、平衡出力状態であり、第1の出力用トランジスタへのバイアス電流と第2の出力用トランジスタへのバイアス電流とを、たとえば400オーム程度の負荷を駆動できる電流量に抑えることができる。
【0012】
制御信号が第2のレベルで第1の回路および第2の回路に入力されると、第1の回路では、第1の出力用トランジスタのバイアス電流が第1のレベルの場合より増加される。これに対して、第2の回路では、第2の出力用トランジスタへのバイアス電流の供給が停止状態となる。
この場合、不平衡出力状態であり、第1の出力用トランジスタのバイアス電流の増加により低インピーダンス負荷の駆動が可能となる。
すなわち、平衡および不平衡の出力形態に対応でき、平衡、不平衡のどちらの出力形態でも最小の電流で歪特性を改善できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る出力回路が適用された中間周波増幅回路の基本的な構成を示すブロック図である。
この中間周波増幅回路20は、たとえば、図3に示すTV受像機システムの中間周波増幅回路として適用される。
【0014】
図1に示すように、本中間周波増幅回路20は、電圧増幅回路21、第1の電流増幅回路22、第2の電流増幅回路23、平衡/不平衡切換スイッチ24、および制御用電圧源25により構成されている。
【0015】
電圧増幅回路21は、前段の周波数変換回路(図3)により中間周波数(IF)に変換された電圧信号を増幅し、互いに位相が180度ずれた平衡信号S21a,S21bを第1の電流増幅回路22および第2の電流増幅回路23に出力する。
【0016】
第1の電流増幅回路22は、電流制御入力端子TICL が設けられており、この電流制御入力端子TICL への入力信号レベルに応じて増幅用トランジスタ(第1の出力用トランジスタ)のバイアス電流を変化させることが可能で、電圧増幅回路21による平衡信号S21aを受けて、低インピーダンス負荷を駆動させるための電流増幅を行う。
具体的には、電流制御入力端子TICL への入力信号レベルがローレベル(接地レベル)の場合にはバイアス電流が増加し、低インピーダンスの負荷を扱えるような状態となる。また、電流制御入力端子TICL への入力信号レベルがハイレベル(VCCレベル)の場合にはバイアス電流が小さくなり、第2の電流増幅回路23と同等の働きをするような状態となる。
【0017】
第2の電流増幅回路23は、動作制御入力端子TOPC が設けられており、この動作制御入力端子TOPC への入力信号レベルがハイレベルの場合には通常動作、すなわち、電圧増幅回路21による平衡信号S21bを受けて、たとえば400Ω程度の負荷を駆動させるための電流増幅を行う。これに対して、動作制御入力端子TOPC への入力信号レベルがローレベルの場合には、停止状態となる。
【0018】
平衡/不平衡切換スイッチ24は、端子24aが電流制御入力端子TICL および動作制御入力端子TOPC に接続され、端子24bが制御用電圧源25に接続され、制御信号CTLに基づき不平衡出力のときはオフ状態に保持され、平衡出力のときはオン状態に保持される。
【0019】
以下に、図1の回路の基本的な動作について説明する。
電圧増幅回路21において、前段の周波数変換回路により中間周波数(IF)に変換された信号が増幅され、互いに位相が180度ずれた平衡信号S21a,S21bが第1の電流増幅回路22および第2の電流増幅回路23に出力される。
【0020】
そして、不平衡出力を行う場合、制御信号CTLにより切換スイッチ24がオフ状態に保持される。
これにより、電流制御入力端子TICL および動作制御入力端子TOPC にはローレベルの信号が供給される。
その結果、第1の電流増幅回路21では、増幅用トランジスタのバイアス電流を増加させ、低インピーダンスの負荷を扱えるような状態となる。これに対して、第2の電流増幅回路23においては、増幅回路の動作が停止され、電流が消費しない状態となる。
すなわち、第1の電流増幅回路22のみが動作し、一つの出力のみが得られる不平衡出力状態となる。
【0021】
一方、平衡出力を行う場合には、制御信号CTLにより切換スイッチ24がオン状態に保持される。
これにより、電流制御入力端子TICL および動作制御入力端子TOPC にはハイレベルの信号が供給される。
その結果、第1の電流増幅回路21では、増幅用トランジスタのバイアス電流が小さくなり、第2の電流増幅回路23と同等の働きをするような状態となる。また、第2の電流増幅回路23は、通常動作を行う状態となる。
すなわち、第1の電流増幅回路22は、電圧増幅回路21による平衡信号S21aを受けて、たとえば400Ω程度の負荷を駆動させるための電流増幅を行う状態となり、同様に、第2の電流増幅回路23は、電圧増幅回路21による平衡信号S21bを受けて、たとえば400Ω程度の負荷を駆動させるための電流増幅を行う状態となり、2つの出力端子TOUT1,TOUT2から平衡出力が得られる。
【0022】
この平衡出力状態では、第1および第2の電流増幅回路22、23のバイアス電流は400Ω程度の負荷を駆動できる電流量まで抑えるよう設定することで、全体の消費電力は低減される。
【0023】
次に、図1の中間周波増幅回路の具体的な実現例について説明する。
図2は、図1の中間周波増幅回路の具体的な構成例を示す回路図である。
【0024】
図2に示すように、電圧増幅回路21は、npn型トランジスタQ1,Q2,抵抗素子R1〜R6,定電圧源V1および定電流源I1により構成されている。トランジスタQ1のベースが入力端子TIN1 に接続され、これらの接続点は抵抗素子R5を介して定電圧源V1に接続されている。トランジスタQ2のベースが入力端子TIN2 に接続され、これらの接続点は抵抗素子R6を介して定電圧源V1に接続されている。
トランジスタQ1のエミッタは抵抗素子R3を介して定電流源I1に接続され、コレクタは抵抗素子R1を介して電源電圧VCCの供給ラインに接続され、これらの接続点が直流(DC)成分カット用キャパシタC1を介して第1の電流増幅回路22に接続されている。
トランジスタQ2のエミッタは抵抗素子R4を介して定電流源I1に接続され、コレクタは抵抗素子R2を介して電源電圧VCCの供給ラインに接続され、これらの接続点がDC成分カット用キャパシタC2を介して第2の電流増幅回路23に接続されている。
なお、抵抗素子R5,R6および定電圧源,V1はバイアス決定用の素子であり、増幅器の利得は抵抗素子R1とR3、およびR3,R4で決定される。
【0025】
第1の電流増幅回路22は、npn型トランジスタQ3,Q4,Q5および抵抗素子R7〜R15により構成されている。
トランジスタQ3のベースは抵抗素子R7を介して電流制御入力端子TICL に接続され、エミッタは接地され、コレクタは抵抗素子R8の一端に接続されている。
抵抗素子R9およびR10が電源電圧VCCの供給ラインと接地ラインとの間に直列に接続され、これらの接続点ND1が抵抗素子R8の他端およびトランジスタQ4のベースに接続されている。
また、抵抗素子R11,R12およびR13が電源電圧VCCの供給ラインと接地ラインとの間に直列に接続され、抵抗素子R11とR12との接続点ND2がトランジスタQ4のエミッタに接続され、トランジスタQ4のコレクタは電源電圧VCCの供給ラインに接続されている。
抵抗素子R12とR13との接続点ND3は抵抗素子R14を介してトランジスタQ5のベースに接続されている。
さらに、トランジスタQ5のベースはキャパシタC1に接続され、コレクタは電源電圧VCCの供給ラインに接続され、エミッタは出力端子TOUT1に接続されているとともに、抵抗素子R15を介して接地ラインに接続されている。
なお、R14はベースバイアス用抵抗である。また、第1の電流増幅回路22において増幅を実際に行うのは、トランジスタQ5であり、これはコレクタ接地型のアンプとなっている。
また、トランジスタQ3がオンになった時、ノードND1とND2の電位差がトランジスタQ4がオンとなるVBEより小さくなるように抵抗素子R8,R9,R10の抵抗値が設定されている。これにより、ノードND3の電位は抵抗素子R11、R12、R13の分圧により定まる。
【0026】
第2の電流増幅回路23は、npn型トランジスタQ6,Q7,Q8および抵抗素子R16〜R21により構成されている。
トランジスタQ6のベースは抵抗素子R16を介して動作制御入力端子TOPC に接続され、エミッタは接地され、コレクタは抵抗素子R17を介して電源電圧VCCの供給ラインに接続されているとともに、トランジスタQ7のベースに接続されている。
抵抗素子R18およびR19が電源電圧VCCの供給ラインと接地ラインとの間に直列に接続され、これらの接続点ND4がトランジスタQ7のコレクタに接続されているとともに、抵抗素子R20を介してトランジスタQ8のベースに接続されている。トランジスタQ7のエミッタは接地されている。
さらに、トランジスタQ8のベースはキャパシタC2に接続され、コレクタは電源電圧VCCの供給ラインに接続され、エミッタは出力端子TOUT2に接続されているとともに、抵抗素子R21を介して接地ラインに接続されている。
なお、R20はベースバイアス用抵抗である。また、第2の電流増幅回路23において増幅を実際に行うのは、トランジスタQ8であり、これはコレクタ接地型のアンプとなっている。
また、抵抗素子R18の抵抗値は第1の電流増幅回路22の抵抗素子R11の抵抗値と抵抗素子R12の抵抗値の和と等しくなるように設定されている(R18=R11+R12)。
さらに、出力段の抵抗素子R21の抵抗値は第1の電流増幅回路22の出力段の抵抗素子15の抵抗値と等しい値に設定されている。
【0027】
また、切換スイッチ24の端子24aに接続された電流制御入力端子TICL および動作制御入力端子TOPC は、フローティング状態となることを防止するために、抵抗素子R22を介して接地されている。
【0028】
次に、図2に回路の動作について説明する。
前段の周波数変換回路により中間周波数(IF)に変換された相補的レベルをとる2つの信号が電圧増幅回路21の入力端子TIN1 ,TIN2 を介して差動増幅器を構成するトランジスタQ1,Q2のベースに入力される。これにより、抵抗素子R1とR3、R2とR4で決定される利得をもって増幅作用が行われ、トランジスタQ1,Q2から位相が逆(180度ずれ)の平衡信号S21a,S21bが得られ、これら信号がDCカット用のキャパシタC1,C2を介して第1および第2の電流増幅回路22,23にそれぞれに供給される。
具体的には、平衡信号S21aはキャパシタC1を介して第1の電流増幅回路22のトランジスタQ5のベースに供給され、平衡信号S21bはキャパシタC2を介して第2の電流増幅回路23のトランジスタQ8のベースに供給される。
【0029】
そして、不平衡出力を行う場合、制御信号CTLにより切換スイッチ24がオフ状態に保持される。
これにより、電流制御入力端子TICL および動作制御入力端子TOPC にローレベル(接地レベル)に保持される。
第1の電流増幅回路22では、電流制御入力端子TICL がローレベルになったことに伴い、トランジスタQ3がオフ状態に保持され、ノードND1の電位が抵抗素子R9とR10の設定に応じたレベルとなり、トランジスタQ4がオン状態となる。トランジスタQ4がオン状態になったことに伴い、ノードND2の電位は、略VCCレベルに保持される。換言すれば、トランジスタQ4がオフ状態の平衡出力時よりも、抵抗素子R11をバイパスするかたちとなることから、平衡出力時より高いレベルに保持される。したがって、ノードND3の電位が平衡出力時より高く保持され、トランジスタQ5に流れる電流は増加し、トランジスタQ5のエミッタから低インピーダンス負荷を駆動できる信号が出力端子TOUT1を介して、図示しない次段のフィルタに出力される。
【0030】
そして、第2の電流増幅回路23では、動作制御入力端子TOPC がローレベルになったことに伴い、トランジスタQ6がオフ状態に保持され、トランジスタQ7がオン状態となる。その結果、ノードND4の電位が略接地レベルとなり、トランジスタQ8がオフ状態に保持される。
すなわち、この不平衡出力時には、第2の電流増幅回路23は停止状態となる。
【0031】
このようにして不平衡出力時においては、第1の電流増幅回路22はバイアス電流が増加し、低インピーダンス負荷を駆動できるようになるとともに、第2の電流増幅回路23は停止状態となり、不要な消費電流を減らすことができる。
【0032】
これに対して、平衡出力を行う場合には、制御信号CTLにより切換スイッチ24がオン状態に保持される。
これにより、電流制御入力端子TICL および動作制御入力端子TOPC にはハイレベルの信号が供給される。
第1の電流増幅回路21では、電流制御入力端子TICL がハイレベルになったことに伴い、トランジスタQ3がオン状態に保持される。この場合、ノードND1とノードND2の電位差がトランジスタQ4のVBEより小さくなるように抵抗素子R8、R9,R10の抵抗値が設定されていることから、ノードND1の電位は抵抗素子R11、R12、R13の分圧により決まり、トランジスタQ4がオン状態の不平衡出力時よりも低いレベルに保持される。したがって、トランジスタQ5に流れる電流は不平衡出力時により減少する。
【0033】
また、第2の電流増幅回路23の抵抗素子R18の抵抗値が第1の電流増幅回路22の抵抗素子R11の抵抗値と抵抗素子R12の抵抗値の和と等しくなるように設定されていることから、第1の電流増幅回路22のノードND3の電位と第2の電流増幅回路23のノードND4の電位が等しくなり、第1および第2の電流増幅回路22,23の増幅用トランジスタQ5,Q8のベースには略等しいバイアス電流が供給される。そして、両回路における出力段の抵抗素子R15の抵抗値と抵抗素子21の抵抗値とが等しいことから、たとえば400Ω程度の負荷を駆動できる信号が2つの出力端子TOUT1,TOUT2からそれぞれ出力される。
【0034】
すなわち、この平衡出力状態では、第1および第2の電流増幅回路22、23のバイアス電流は400Ω程度の負荷を駆動できる電流量まで抑えるよう設定され、全体の消費電力は低減される。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、電流制御入力端子TICL への入力信号レベルがローレベルの場合にはバイアス電流が増加し、低インピーダンスの負荷を扱えるような状態となり、電流制御入力端子TICL への入力信号レベルがハイレベルの場合にはバイアス電流が小さくなり、第2の電流増幅回路23と同等の働きをするような状態となる第1の電流増幅回路22と、動作制御入力端子TOPC への入力信号レベルがハイレベルの場合には通常動作、すなわち、電圧増幅回路21による平衡信号S21bを受けて、たとえば400Ω程度の負荷を駆動させるための電流増幅を行い、動作制御入力端子TOPC への入力信号レベルがローレベルの場合には停止状態となる第2の電流増幅回路23と、端子24aが電流制御入力端子TICL および動作制御入力端子TOPC に接続され、端子24bが制御用電圧源25に接続され、制御信号CTLに基づき不平衡出力のときはオフ状態に保持され、平衡出力のときはオン状態に保持される平衡/不平衡切換スイッチ24とを設けたので、外部からの設定により平衡出力、不平衡出力のいずれかを選択でき、消費電力を増加させることなく、平衡および不平衡の出力形態に対応できる中間周波増幅回路を実現でき、どちらの出力形態でも最小の電流で歪特性を改善できる。また集積回路化する場合にも1つのICを作製するだけでよく、使用する場合にも容易に平衡と不平衡の変更が行えるようになる等の利点がある。
【0036】
なお、本実施形態では、トランジスタQ5のベース電位を変化させることで、バイアス電流を変化させているが、たとえば抵抗素子R15の代わりに電流源としてカレントミラー回路を用い構成することも可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、消費電力を増加させることなく、平衡および不平衡の出力形態に対応できる回路、たとえば中間周波増幅回路を実現でき、どちらの出力形態でも最小の電流で歪特性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る出力回路が適用された中間周波増幅回路の基本的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1の中間周波増幅回路の具体的な構成例を示す回路図である。
【図3】一般的なTV受像機のシステム構成を示すブロック図である。
【図4】従来の中間周波増幅回路の基本構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
20…中間周波増幅回路、21…電圧増幅回路、22…第1の電流増幅回路、23…第2の電流増幅回路、24…平衡/不平衡切換スイッチ、25…制御用電圧源、TICL …電流制御入力端子、TOPC …動作制御入力端子。
Claims (2)
- 平衡出力と不平衡出力の2系統の出力形態をもつ出力回路であって、
制御信号が第1のレベルで入力されると、第1の出力用トランジスタに所定のバイアス電流を供給し、第2のレベルで入力されると当該第1の出力用トランジスタのバイアス電流を第1のレベルの場合より増加させて供給し、上記第1の出力用トランジスタからバイアス電流に応じたレベルの信号を出力する第1の回路と、
上記制御信号が第1のレベルで入力されると第2の出力用トランジスタに所定のバイアス電流を供給して当該第2の出力用トランジスタから所定のレベルの信号を出力し、上記制御信号が第2のレベルで入力されると当該第2の出力用トランジスタへのバイアス電流の供給が停止状態となる第2の回路と
を有する出力回路。 - 上記制御信号が第1のレベルの場合には、上記第1の出力用トランジスタへのバイアス電流と上記第2の出力用トランジスタへのバイアス電流とが略等しい値に設定される
請求項1記載の出力回路。
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