JP3718051B2 - マッサージ機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、施療子上に載せられた使用者の両足を、エアーの給排気により膨張・収縮するエアーバッグを用いて前記施療子に押し付けてマッサージをするマッサージ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
足の裏のツボ部を押圧していわゆる青竹踏みのようなマッサージ効果を得ようとするタイプのマッサージ機として、基台にモータの動力で回転される筒状体を取付け、この筒状体の外周面に略球状の施療子を多数配設し、筒状体を回転させることによって施療子上に載せた足の裏のツボ部を刺激してマッサージをするものが提供されている。そして、この種のマッサージ機の中には、筒状体の回転速度を切換えてマッサージの速度を調節するものもある。
【0003】
しかし、このような調節があってもマッサージの強さを調節するには、施療子への足の押付け力を加減する必要があり、そのため、使用者の脚に力が入って十分にリラックスした状態での使用が難しかった。
【0004】
そこで、この点を改善すべく本発明者は、基台にコの字形の支持枠を取付け、この枠の施療子の上方に配置される水平状の横枠部に、施療子と対向して単一のエアーバッグを取付け、このバッグの膨張により施療子上に載せられた両足を施療子に押付けるようにしたマッサージ機を提案し、特願平9−324206号として出願済みである。このものでは、筒状体はその上に両足を揃えて載せられる程度の長さに形成されていて、これが取付けられた基台の両端にはコ字形の支持枠の両端部が連結されていて、この支持枠で筒状体の両側が仕切られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のようにエアーバッグを併用するマッサージ機は、単一のエアーバッグの膨張に伴う押付け力で施療子上への両足の保持とマッサージの強さを加減できるので、使用者の脚に力を入れる必要がなくリラックスした状態で使用できる点で優れている。
【0006】
ところで、エアーバックで足等の被施療部を施療子に押付けるということは、エアーバックと施療子との間に被施療部を挟持することに他ならないので、エアーバッグによる押付け力が強すぎる場合にエアーバックと施療子との間から被施療部をすみやかに逃がすことができるようにする必要がある。しかし、既述のように支持枠により両側が仕切られた状態で、この支持枠の内側において単一のエアーバッグで両足等の被施療部を同時に押圧する構成では、両足が共に挟まれて拘束されてしまうこととあいまって、支持枠が邪魔となって被施療部をすみやか逃がしづらい。又、被施療部は筒状体の外周面に沿うような姿勢で挟まれるので、手前に引き出すことも比較的困難である。そのため、エアーバッグが膨張している間は継続して強い押付け状態が保持されてしまい易いので、使い勝手が良くないという問題がある。しかも、既述のように単一のエアーバッグで両足等の被施療部を同時に押圧するので、いわゆる青竹踏みと同様なマッサージ感触を得ることは困難である。
【0007】
又、被施療部が足の場合、足の甲は傾斜しているので、この甲の各部に対するエアーバッグによる押付けの程度が異なり易く、足を均一に施療子に押付けることもむずかしいという問題がある。
【0008】
したがって、本発明が解決しようとする第1の課題は、リラックスした状態でいわゆる青竹踏みに近似するマッサージができるとともに、被施療部が施療子に強く押付けられた場合にその状態をすみやかに解消できるマッサージ機を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記第1の課題を解決するために、請求項1の発明は、基台と、この基台上に設けられ使用者の足が載せられる施療子と、この施療子の上方に配置される横枠部を有して前記基台に取付けられ、前記基台との間に使用者の両足が入る単一の空間を形成する大きさの支持枠と、支持枠と、前記横枠部の長手方向に並べてこの横枠部に取付けられ膨張時に前記施療子上に載せられた使用者の足を前記施療子に押し付ける左足押付け用エアーバッグ及び右足押付け用エアーバッグと、これらエアーバッグにエアーの給排気をするエアー供給装置と、このエアー供給装置を制御して前記二つのエアーバッグに交互にエアーを給排気させる制御手段と、を具備したものである。
【0011】
この請求項1の発明においては、施療子の上方に配置された支持枠の横枠部に取付けたエアーバッグを、制御手段により制御されるエアー供給装置を介して膨張・収縮させて、その膨張時に施療子上に載せられた使用者の足を施療子に押付けるので、使用者自らが足を施療子に押付けるように力を入れる必要がなく、従って、リラックスした状態でマッサージをすることができる。そして、このマッサージにおいてエアーバッグは一つではなく前記横枠部の長手方向に並んだ二つのエアーバッグが使用されるとともに、これらのうちの一方のエアーバッグが膨張している時には他方のエアーバッグが収縮するように制御手段がエアー供給装置を制御する。そのため、いわゆる青竹踏みに近似するマッサージができるとともに、その際に膨張するエアーバッグによる足の施療子への押付けが強すぎる場合には、その足を、収縮しているエアーバッグ側にすみやかにずらし逃がして、前述の強すぎる押付け状態を軽減ないしは解消できる。
【0012】
請求項1の発明に従属する請求項2の発明は、前記エアー供給装置を前記支持枠の内側に収容したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を参照して本発明の第1の実施の形態に係る足用マッサージ機について説明する。このマッサージ機は、図1及び図2に示されるように基台1と、回転ドラム2と、施療子3と、支持枠4と、二つのエアーバッグ5、6と、エアー供給装置7と、制御手段8とを備えている。
【0015】
基台1は、底板11と、この底板11の左右両側に取付けられた側枠12と、底板11の前部に左右方向に延びるとともに側枠12にわたって取付けられた載置板13とを有している。側枠12は後部が高く前側に行くほど前下がりになるように先細に形成されている。又、載置板13は使用者の足のかかとの部分を載せるために設けられている。
【0016】
図2に示されるように回転ドラム2は、円筒体15の両端部に夫々環状の側板16をねじ止め等により取付けてなり、側板16は夫々円筒体15の外周面から外側に張り出す鍔状部を有している。回転ドラム2はその上に両足を載せることができるに十分な長さをもって形成されている。回転ドラム2の一方の側板16側の内部には、ドラム2に内側からねじ止め等により固定される環状の固定部を18a有したドラム支持板18が取付けられている。この支持板18の中心部には円筒状の筒部18bが一体に設けられている。
【0017】
左右一対の側枠12のうち支持板18から遠く隔たった方の側枠12には、円筒体15内にこの円筒体15と接することなく収容されるモータ19がねじ止めされている。モータ19には歯車減速機20が連結されている。この減速機20から突出された出力軸21は、筒部18bを貫通しているとともに、他方の側枠12に軸受ホルダ22、23を介して取付けた軸受24に回転自在に支持されている。この出力軸21は筒部18bにねじ止めされている。したがって、モータ19が駆動されると、その回転が歯車減速機20により減速されて出力軸21からドラム支持板18を介して回転ドラム2に伝えられて、このドラム2が回転されるようになっている。なお、モータ19がねじ止めされた側枠12から回転ドラム2をその内側から支えるドラムサポートを設けて、回転ドラム2を両持ち支持するとよい。
【0018】
モータ19から引出されたリード線19aは制御手段8に接続されている。又、一方の側枠12の外面に操作可能に設けられた速度調節摘み25(図1参照)の操作に応じて制御手段8を介してモータ19の回転速度が設定されるとともに、回転方向設定摘み26(図1参照)の操作に応じて制御手段8を介してモータ19の回転方向が設定されるようになっている。
【0019】
回転ドラム2の外周には前記施療子3が配設されている。施療子3は、断面略楕円状をなす押圧部31の両端に夫々軸部32を一体に突設してなり、所定数の施療子3は一本の支持軸33に回転可能に嵌合して支持されている。支持軸33はその両端部を前記側板16に設けた軸嵌合穴16a内に夫々嵌合させることによって、回転ドラム2の軸線と平行な姿勢でこのドラム2の外周に支持されている。これら支持軸33は回転ドラム2の周方向に一定間隔で多数本支持されている。
【0020】
前記左右一対の側枠12には夫々カバー取付け板35が取付けられている。これら取付け板35の外周部は断面L字状に折り曲げられたカバー取付け縁35aをなしている。そして、これらカバー取付け縁35aには筒状のカバー36の端部が接着等により取付けられている。カバー36は植毛が施された布などの容易に変形ができる材料からなり、回転ドラム2及び各施療子3を覆って配置されている。このカバー36は、施療子3が外周に配設された回転ドラム2を基台1に取付けた後に、両カバー取付け板35にわたって取付けられるものである。
【0021】
図1及び図2に示されるように前記支持枠4は、左右一対の側枠部41と、これら側枠部41の上端間にわたって設けられた横枠部42とからコの字状に形成されているとともに、中空構造をなしている。互いに平行な側枠部41の下端部は夫々前記側枠12に固定ねじ43を介して連結されており、それによって左右方向に延びる横枠部42は回転ドラム2及び施療子3の上方に回転ドラム2と例えば平行な姿勢で配置されている。そして、横枠部42の下壁42a、言い換えれば、施療子3側の壁面には前記一対のエアーバッグ5、6が横枠部42の長手方向に並べて取付けられている。これらエアーバッグ5、6は同じ大きさであって、一方のエアーバッグ5は左足押付け用、他方のエアーバッグ6は右足押付け用として使用されるようになっている。
【0022】
支持枠4の内側、好ましくはエアーバック5、6に最も近い横枠部42の内側には、前記エアー供給装置7と前記制御手段8とが夫々収容されている。エアー供給装置7は、これにホース45、46を個別に介して接続されたエアーバック5、6に圧縮空気を給排気するものであり、又、制御手段8はエアーバック6、7に交互にエアーを給排気させるようにエアー給排気装置7を制御するものである。
【0023】
図3に示されるようにエアー供給装置7は、エアーコンプレッサからなるエアー生成手段47と、これにホース48を介して接続された電磁弁からなる給排気弁49とから形成されていて、給排気弁49が有する第1、第2のポートa、bに夫々ホース45、46が個別に接続されている。制御手段8はマイクロコンピュータ等から形成されている。この制御手段8にはリモートコントローラからなる入力手段50が接続され、この手段50を介して動作信号が入力されるようになっている。入力手段50はエアーバッグ5、6の膨張の程度、言い換えれば、エアーバッグ5、6による施療子3への被施療部の押付け力を強中弱等に設定する動作信号を含んでいる。制御手段8は、前記のように二つのエアーバッグ5、6を交互に膨張・収縮させる動作モードを少なくとも有し、このモードにしたがってエアー供給装置7の動作を制御するとともに、前記モータ19の動作を制御するようになっている。
【0024】
前記構成のマッサージ機の使用にあたっては、施療子3が取付けられた回転ドラム2上に片足又は両足を載せるとともに、入力手段50を操作すればよい。そうすると、制御手段8によってモータ19が動作されるので、それに伴い回転ドラム2とともに施療子3が回転される。その一方で、制御手段8によりエアー供給装置8が制御される。この制御により、給排気弁49の例えば一方のエアーバッグ5が連なった第1ポートaを閉じた状態に保持したままで、他方のエアーバッグ6が連なった第2ポートbが開かれるので、エアーバッグ5は収縮状態を保持したままエアーバッグ6に圧縮エアーが供給されてこのバッグ6が膨張する。そして、一定時間が経過すると、給排気弁49の排気口が開かれてエアーバッグ6内の空気が排出され、この排出終了後に第1ポートaが閉じられる。その一方で、前記第2ポートbが開かれてこれに連なる前記一方のエアーバッグ5に圧縮エアーが供給されてこのバッグ5が膨張する。この後、一定時間毎に、二つのエアーバッグ5、6に対する前記のような圧縮エアーの給排気が給排気が繰り返しなされるので、二つのエアーバッグ5、6は交互に膨張・収縮される。
【0025】
ところで、二つのエアーバッグ5、6の内のいずれか一方の膨張時には、この膨張したエアーバッグにより、回転ドラム上2に載せた足は施療子3に押付けられるため、使用者が自ら施療子3に足を押付ける努力を要することなく、足裏のツボ部を施療子3に押付けることができる。したがって、使用者にとってはリラックスした状態で足裏のツボ部を刺激してマッサージすることができる。しかも、二つのエアーバッグ5、6が交互に膨張・収縮をするので、片足づつ交互に足裏のツボ部をマッサージできるので、いわゆる青竹踏みに近似するマッサージをすることができる。
【0026】
そして、こうしたマッサージにおいてエアーバッグ5、6の膨張力、言い換えれば、被施療部である足を施療子3に押付ける力が強すぎる場合には、その足を回転ドラム2の長手方向に沿わせて膨張していないエアーバッグ側に横滑りさせて容易に逃がすことができる。なお、この場合に足がずらされる方向に位置されている他方の足に対するエアーバッグは収縮していて、この他方の足を施療子との間に拘束していないので、必要により前記足をずらすのに合わせて容易に手前側に抜き出すことができ、それにより、前記足をずらすのに邪魔にならないようにできる。このように片足が強く施療子3に押付けられた際には、収縮しているエアーバッグ側にすみやかにずらし逃がして、前述の強すぎる押付け状態を軽減ないしは解消できるので、使い勝手を向上できる。
【0027】
図4は本発明の第2の実施の形態を示している。この実施形態は基本的には前記第1の実施の形態と同様な構成であるので、その同様構成部分には前記第1の実施の形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。この実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる部分は、支持枠4が備える横枠部42の下壁42a構造である。
【0028】
すなわち、この第2の実施の形態では、横枠部42の下壁42aはハの字片に傾けられていて、この傾斜した下壁42aに二つのエアーバッグ5、6が横枠部42の長手方向に並べて取付けられている。したがって、二つのエアーバッグ5、6は前記下壁42aの傾斜と同様にハの字状の配置となるように傾けて設けられている。なお、以上の点以外の構成は、図4に示されない構成を含めて前記第1の実施の形態と同じである。
【0029】
この第2の実施の形態の構成でも、二つのエアーバッグ5、6を交互に膨張・収縮させながら回転する施療子3により足裏のツボ部を、青竹踏みと同様に刺激してマッサージすることができる。その上、二つのエアーバッグ5、6はその傾きにしたがって収縮しているエアーバッグ側程施療子3との間の距離が広くなっているので、膨張した一方のエアーバッグによる足の施療子3への押付けが強すぎる場合には、この足を収縮している他方のエアーバッグ側に、より容易にずらして逃がすことができる。したがって、この第2の実施の形態の構成においても、前記第1の実施の形態と同じく本発明の第1の課題を解決できる。しかも、足のマッサージにおいては、斜めになっている足の甲の形状に沿うように傾斜しているエアーバッグ6、7が膨張するので、足裏を均一に施療子3に押付けてマッサージできる点で優れている。
【0030】
なお、本発明は前記各実施の形態には制約されない。例えば、本発明において施療子は回転ドラム2に取付けることなく、このドラム2を省略して基台1の上面に取付けてもよい。更に、基台1の側枠12に枢軸を介して支持枠4を前後方向に回動可能に取付け、この支持枠4をエアーバッグの膨張時にステッピングモータの動力で基台1の前後方向に沿って回動させて、施療子への被施療部の押付け方向を変えるように構成されたマッサージ機にも、本発明は適用できる。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0032】
請求項1に記載の発明によれば、基台の施療子に使用者の左足と右足とを個別に押付ける二つのエアーバッグを使用し、これらを交互に膨張・収縮させてマッサージを行うから、使用者自らが足を施療子に押付けるように力を入れる必要がなく、リラックスした状態でいわゆる青竹踏みに近似するマッサージをすることができ、しかも、その際に膨張する一方のエアーバッグによる足の押付けが強すぎる場合には、その足を、収縮している他方のエアーバッグ側にずらし逃がすことができ、それにより、足が施療子に強く押付けられた状態をすみやかに軽減ないしは解消して使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る足用マッサージ機の構成を一部を切り欠いて示す斜視図。
【図2】図1に示された足用マッサージ機の構成を示す断面図。
【図3】図1に示された足用マッサージ機の制御系統を示すブロック図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る足用マッサージ機の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1…基台、
3…施療子、
4…支持枠、
5…エアーバッグ、
6…エアーバッグ、
7…エアー供給手段、
8…制御手段、
42…支持枠の横枠部。
Claims (2)
- 基台と、
この基台上に設けられ使用者の足が載せられる施療子と、
この施療子の上方に配置される横枠部を有して前記基台に取付けられ、前記基台との間に使用者の両足が入る単一の空間を形成する大きさの支持枠と、
前記横枠部の長手方向に並べてこの横枠部に取付けられ膨張時に前記施療子上に載せられた使用者の足を前記施療子に押し付ける左足押付け用エアーバッグ及び右足押付け用エアーバッグと、
これらエアーバッグにエアーの給排気をするエアー供給装置と、
このエアー供給装置を制御して前記二つのエアーバッグに交互にエアーを給排気させる制御手段と、
を具備したマッサージ機。 - 前記エアー供給装置を前記支持枠の内側に収容したことを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
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1998
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