JP3605448B2 - 椅子式エアーマッサージ機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、袋体にコンプレッサー等からなるエアー供給手段からの圧搾空気を給排気して、前記袋体を膨縮して、人体の足等に対するマッサージを行う椅子式エアーマッサージ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、座部とこの座部の後部に設けた背もたれ部を有し、前記座部あるいは背もたれ部にエアーの給排気により膨縮する複数の袋体を配設し、エアーコンプレッサーからなるエアー供給手段からエアーホースを介して前記袋体に圧搾空気つまりエアーを給排気して、この袋体を膨縮してマッサージを行う椅子式エアーマッサージ機は広く知られている。
【0003】
そして、この種の椅子式エアーマッサージ機の中には、前記座部の前側近傍に位置して脚載置台が設けられたものがある。この脚載置台には一般に一対のU字状に形成された脚載部が設けられ、これら各脚載部の互いに対向する側壁にはエアーバッグが配設し、このエアーバッグにエアーを給排気して脚部つまりふくらはぎ部のマッサージを行うようになっている。
【0004】
ところで、使用者はふくらはぎ部だけでなく足の甲の部分(以下足の甲部という)あるいは足の裏の部分(以下足の裏部という)等を前記脚載部に載せ、前記エアーバッグによってマッサージをする場合がある。このような足の甲部あるいは裏部のマッサージをするという使用態様の場合は、座部に座った状態で膝を折り曲げて足の裏部を前記脚載部に載せた状態で、エアーバッグを膨縮させてマッサージをするものであるが、この場合に足は膝を折り曲げた姿勢であることから常に前方に移動する力が加わっていることになり、加えてエアーバッグの膨縮時にエアーバッグの膨縮過程において足は動かされるため脚載部に沿って滑り脚載部上から外れてしまいマッサージができなくなるという事態が生じる。このため使用者は足が滑らないように膝の折り曲げ状態を維持することが必要となり、このような折り曲げ状態を維持することは脚部に余分な力を入れ続けなければならず、このように脚部に余分な力を入れた状態では、この部分が逆に疲れる等するためマッサージ効果が低減され良好なマッサージができないものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の椅子式マッサージ機においては、足の甲部あるいは裏部のマッサージをする場合、脚載部から足が滑ってしまうことがあるという問題があり、また、脚載部から足が滑らないようにするためには、膝の折り曲げ状態を維持するために脚部に余分な力を入れ続けなければならず、その結果良好なマッサージ効果が得られないという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、座部とこの座部の後部に設けた背もたれ部とを備えた椅子本体と、略U字状に形成されて人体の脚部と足とを載置できる一対の脚載部を有するとともに前記座部の前側近傍位置に上下方向に回動可能に前記椅子本体に設けられた脚載置台と、この脚載置台の一対の脚載部に配設されエアーの給排気によって膨縮する袋体と、これら袋体にエアーを供給するエアー供給手段とを備え、前記各袋体に前記エアー供給手段からのエアーを給排気してマッサージを行う椅子式エアーマッサージ機において、前記脚載部の前部に、足が前方に移動するのを規制して足を位置決めするとともに扁平状態に畳むことができる位置決め部材を設けた椅子式エアーマッサージ機としたものである。
【0007】
そして、上記のように構成した上記発明は、足の甲部あるいは裏部のマッサージの際に、位置決め手段によって足を脚載部に安定した状態に維持させることができるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。
【0009】
図1、図2において、1は椅子式エアーマッサージ機の椅子本体で、この椅子本体1はほぼ水平に設けられた座部2、この座部2の後側に配設されこの座部2に対して所定の角度傾斜して設けられた背もたれ部3および前記座部2の両側に位置して設けられた肘掛け部4とから構成されている。そして、前記座部2には気密性を有するとともに軟質部材からなり圧搾空気つまりエアーの給排気に伴い膨縮する腿用袋体6および尻用袋体7が配設されている。また、前記背もたれ部3には、背中を支持する図示しない枠部材が設けられ、この枠部材に支持されてエアーの給排気に伴い膨縮する腰用袋体8、背筋用袋体9、背中用袋体10および首・肩用袋体11が配設されている。なお、前記首・肩用袋体11は前記枠部材に長手方向を縦方向にして形成された長溝状の案内孔12内に図示しないばね等により枠部材に圧接されつつ摺動可能にかつ任意位置に位置決め可能にして設けられている。また、前記袋体6ないし10は図示しない内袋に収納し、この内袋を前記座部2および背もたれ部3に配置して設けられ、この内袋は布等のカバー3a覆われている。
【0010】
また、前記椅子本体1の両肘掛け部4内には一対の支持枠13(図1では一方のみ図示)が設けられており、この両支持枠13には支持板14がねじ14aによって取り付けられ、前記両支持枠13と支持板14とは一体化されており、前記座部2は前記支持枠13、13の上部に位置決めされて載置されている。そして、前記支持板14にエアー供給装置としてのエアーコンプレッサー30が前記座部2の下に位置して取り付けられている。このエアーコンプレッサー30には図示しないロータリー弁等からなる従来周知のエアー分配器31が設けられており、このエアー分配器31を介してエアーコンプレッサー30と前記各袋体6ないし11とは図2に示すようにエアー給排気路としてのエアーホース6aないし11aによって接続されている。
【0011】
また、前記椅子本体1には座部2の前方に位置して脚載置台40が設けられている。この脚載置台40は図1および図2に示すように椅子本体1の肘掛け部4内に設けられた前記両支持枠13の前部上方の角部に設けた軸受部13aとこの軸受部13aに取り付けられた図しない押え板とによって回動可能に取り付けられた回動軸40aによって上下方向に回動自在に取り付けられている。また、この脚載置台40は図1に示すように両側に設けた側壁41a、41bおよびこの両側壁41a、41bの間に位置して設けた中央壁41cとによって形成された一対の略U字状の脚載部42a、42bが形成されている。また、これら脚載部の互いに対向する両側壁つまり側壁41aとこの側壁41aと対向する中央壁41cおよび側壁41bとこの側壁41bと対向する中央壁41cにはそれぞれエアーの給排気により膨縮する脚用袋体43a、44aおよび43b、44bが配設されている。そして、図5に示すようにこれら袋体43aないし44bにはそれぞれエアーホース46aないし46dが接続され、これらエアーホース46aないし46dは一本のエアーホース46に接続され、このエアーホース46の他端側は前記エアー分配器31に接続されている。
【0012】
また、前記脚載置台40の脚載部42aおよび42bのそれぞれの前部には足先を挿入して、脚載部42a、42bに足を載せた際に足が脚載部42a、42b上を滑って前方に移動するのを規制して足を位置決めする位置決め手段としての位置決め部材45が設けられている。そして、この位置決め部材45は図3に示すように脚載部42a、42bの脚載面に縫製等により取り付けられ後側つまり前記座部2側を開口した袋状に形成されるとともに中央部にタック45a、45aが形成されている。このタック45a、45aによって常時つまり足先部が挿入されない場合は前記脚載部42a、42bの脚載面をなす底面と略同一面となるように折り畳まれており、前記開口から足先部を挿入したときは図4に示すように前記タックは伸びて足先部が楽に挿入できるようになっている。
【0013】
なお、上述したように前記位置決め部材45はタック45a、45aを形成することにより常時は脚載部45に偏平状態にして折り畳まれていることから脚部(ふくらはぎ部)を脚載部45に載置するときに邪魔にならないようになっているものである。
【0014】
つぎに、前記支持枠13には電動機50が取付枠55を介して図示しない取付ねじによって取り付けられている。そして、この電動機50によって図示しない作動杆が作動され、この作動杆によって前記脚載置台40は前記回動軸40aを回動中心として上下方向に回動するようになっている。
【0015】
また、図1に示すように椅子本体1の一方の肘掛け部4の下方にはリード線36aが接続されたリモートコントロール装置36が収納部37内に取り出し自在に収納されている。
【0016】
なお、前記電動機50は前記リモートコントロール装置36によって制御される後述する制御手段35によって制御されるようになっており、したがって、前記リモートコントロール装置36を操作すことにより脚載置台40を上下方向に回動させることができる。
【0017】
つぎに、上記椅子式エアーマッサージ機の制御について図5に示す制御ブロック図に基づいて説明する。
【0018】
図5に示すように前記エアーコンプレッサー30にはエアー分配器31がエアーホース31aを介して接続され、このエアー分配器31は上述したようにエアーホース6aないし11aを介して腿用袋体6ないし首・肩用袋体10に接続され、また、エアーホース46およびこのエアーホース46から分岐されたエアーホース46aないし46dを介して脚用袋体43aないし44bに接続されている。そして、前記エアーコンプレッサー30およびエアー分配器31はマイクロコンピューターを含む制御手段35によって制御されるようになっている。この制御手段35はまた前記電動機50を制御し前記脚載置台40を上下方向に回動させるようになっている。また、前記制御手段35はリモートコントロール装置36によって制御されるようになっている。
【0019】
そして、使用者はリモートコントロール装置36によって種々のマッサージモードの中から所望のモードを選択してマッサージを行うものである。このマッサージモードとしては例えば所定の順序と時間にしたがって各袋体6ないし11および43aないし44bを膨縮させて全身または上半身、下半身および脚部をマッサージするコースモード、また、首・肩、腰あるいは脚等の各部を部分的にマッサージをするポイントモード等従来の各種マッサージモードを備えている。
【0020】
つぎに、上記のように構成した椅子式エアーマッサージ機の動作について説明する。
【0021】
まず、使用者は使用に当たって、上述したように背もたれ部3に背中を当てながら座部2に座り、また、脚載置台40脚載部42a、42bに脚部つまりふくらはぎ部を載せた後前記リモートコントロール装置36を操作して、前記種々のマッサージモードの中から所望のマッサージモードを選択して設定し、ついでリモートコントロール装置36を操作して動作開始信号を入力する。そうすると選択されたマッサージモードが実行されて所望のマッサージがなされる。
【0022】
そして、使用者が足の甲部等のマッサージを所望するときは、図6に二点鎖線で示すように座部2に座った状態で脚を折り曲げての先端部を前記位置決め部材45の開口から挿入する。この状態では位置決め部材45によって前方への動きが規制され位置決めされる。そして、前記脚用袋体43aないし44bにエアー分配器31を介してエアーコンプレッサー30からのエアーの給排気をして膨縮させる。すると前記脚用袋体43aと44aおよび43bと44bとによって脚載部42a、42bに載せられた足の甲部は押圧、弛緩が繰り返されてマッサージがなされる(図4には足用袋体44aが膨脹し足の甲部を押圧している状態を二点鎖線で示してある)。そして、このマッサージの際に足はその先端部を前記位置決め部材45によって位置決めされていることから脚載部42a、42b上を滑ってこの脚載部42a、42bから外れることはなく、また、マッサージ中に膨縮する脚用袋体43aないし44bによって足が動かされることがあったとしても、足は脚載部42a、42b上を滑って外れることはない。
【0023】
したがって、安定した状態でマッサージができる。また、マッサージ中に脚を折り曲げ状態に維持するための余分な力をいれる必要がなく、リラックスした状態つまり足が脚載部42a、42b上を滑らないように注意力を払うことがない状態でマッサージをすることができることからよりよいマッサージ効果が得られるものである。
【0024】
なお、上記実施の形態においては、位置決め部材45を袋状に形成したが、これは図7に示すように、布等からなる帯状部材を足先部が挿入できるようにリング部145aを形成して位置決め部材145を構成するとともに、この位置決め部材145の一部を前記中央壁41cの両側壁に縫製等により取り付けるようにしてもよい。このように形成した場合は、前記リング部145a内での足先部を自由に回動させることができることに加えて、中央壁41の側壁に取り付けられていることから、足の裏部をマッサージする場合は図8に示すように足の裏部を前記中央壁41c側壁に対向させて位置決めすることが容易にできることから、足の裏部のマッサージが確実にかつ効果的にできるという利点がある。
【0026】
【発明の効果】
この発明は上記のように構成したので、足の甲部あるいは裏部のマッサージの際に、位置決め手段によって足を脚載部に安定した状態に維持させることができるため、足の甲部あるいは裏部のマッサージを効果的になすことができるという効果を奏することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す椅子式エアーマッサージ機の全体斜視図。
【図2】上記実施の形態の椅子式マッサージ機の一部を断面した側面図。
【図3】上記実施の形態の位置決め手段を示す斜視図。
【図4】上記実施の形態の位置決め手段に足先部を挿入した状態を示す斜視図。
【図5】上記実施の形態の制御ブロック図。
【図6】上記実施の形態の足甲部をマッサージする場合の説明図。
【図7】上記実施の形態における位置決め手段の他の実施の形態を示す斜視図。
【図8】上記位置決め手段に足先部を挿入した状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1 椅子本体
2 座部
3 背もたれ部
6〜11 袋体
30 エアーコンプレッサー(エアー供給手段)
31 エアー分配器
35 制御手段
40 脚載置台
42a、42b 脚載部
43a、43b、44a、44b 脚用袋体
45 位置決め部材(位置決め手段)

Claims (1)

  1. 座部とこの座部の後部に設けた背もたれ部とを備えた椅子本体と、略U字状に形成されて人体の脚部と足とを載置できる一対の脚載部を有するとともに前記座部の前側近傍位置に上下方向に回動可能に前記椅子本体に設けられた脚載置台と、この脚載置台の一対の脚載部に配設されエアーの給排気によって膨縮する袋体と、これら袋体にエアーを供給するエアー供給手段とを備え、前記各袋体に前記エアー供給手段からのエアーを給排気してマッサージを行う椅子式エアーマッサージ機において、前記脚載部の前部に、足が前方に移動するのを規制して足を位置決めするとともに扁平状態に畳むことができる位置決め部材を設けたことを特徴とする椅子式エアーマッサージ機。
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