〔第1の実施形態〕
図1は本発明の液晶表示装置の第1の実施形態を説明するための図、図2は図1のOSテーブルメモリ(ROM)を参照して得られるOSパラメータと、入力信号種別に応じて与えられる乗算係数とを用いて、液晶表示パネルに供給する強調変換データを求める場合を説明するための図である。また、以下の説明においては、各実施形態における強調変換部による強調変換が異なるため、それぞれの実施形態においては強調変換部に符号114A〜114Fのいずれかを付している。同様に、各実施形態における制御CPUによる制御も異なるため、それぞれの実施形態では符号112A〜112Gのいずれかを付している。
図1に示す第1の実施形態の液晶表示装置は、入力画像データがプログレッシブ信号である場合は無変換のままで、入力画像データがインターレース信号である場合は、プログレッシブ信号に、複数種類のI/P変換方法のいずれかによってI/P変換した上で、液晶表示パネルの光学応答速度を改善するために、画像データに対する強調変換処理を施すものであり、その際、I/P変換処理された画像データに対する強調変換度合いを、I/P変換方法に応じて可変制御するものであって、映像信号種別検出部110、I/P変換部111、制御CPU112A、強調変換部114A、フレームメモリ115、液晶コントローラ116、液晶表示パネル117を備えている。
信号種別検出手段としての映像信号種別検出部110は、入力画像データがインターレース信号であるかプログレッシブ信号であるかの信号種別を検出する。その際、水平周波数をカウントし、信号フォーマットを判別するような検出方法を用いることができる。
I/P変換手段としてのI/P変換部111は、図35で説明したように、インターレース信号の偶数フィールドと奇数フィールドのそれぞれに対しデータ補間し、偶数フィールドと奇数フィールドのそれぞれを、図36に示したように、それぞれ1フレーム分の画像データとする変換を行う。これにより、30フレーム/秒(60フィールド/秒)のインターレース映像信号(NTSC放送方式の場合)から60フレーム/秒の擬似的なプログレッシブ映像信号に変換される。
本実施形態に係るI/P変換部111は、インタレース信号を、複数のI/P変換方法のいずれかで、プログレッシブ信号に変換できる。一例として、本実施形態に係るI/P変換部111は、動き適応I/P変換方法でも、フィールド内内挿処理のみによる変換方法でも、I/P変換方法できる。
制御手段としての制御CPU112Aは、映像信号種別検出部110によってインターレース信号が検出されたとき、I/P変換部111に対して、複数のI/P変換方法のいずれかでI/P変換処理を行わせたり、I/P変換部111がいずれのI/P変換方法でI/P変換するかに応じて強調変換部114Aによる強調変換処理を制御したりする。
したがって、液晶表示装置は、例えば、映像信号源からの映像信号の種類やS/N比、ユーザの好み、あるいは、要求される画質などに応じて、自動或いはユーザ手動により適切な変換方法を選択できる。ユーザ手動により適切な変換方法を選択することは、S/N比が悪い映像信号に対する映像処理によって、表示映像にノイズが目立つとユーザが目視により判断して、ユーザがI/P変換部111によるI/P変換方法を、ある方法から他の方法へ切替選択可能に構成することを含む。
強調変換手段としての強調変換部114Aは、制御CPU112Aによる制御(本実施形態では、制御CPU112Aの出力する係数切換制御信号の値)により、これから表示する現フレームの画像データ(現垂直期間の画像データ)と、フレームメモリ115に格納された1フレーム前の画像データ(1垂直期間前の画像データ)とを比較し、その比較結果である階調遷移パターンに応じたOSパラメータ(強調変換パラメータ)をOSテーブルメモリ(ROM)113から読み出し、この読み出したOSパラメータに基づいて、これから表示する現フレームの画像表示に要する強調変換データ(書込階調データ)を求め、液晶コントローラ116に出力する。ここで、強調変換部114Aには、入力画像データがプログレッシブ信号の場合、そのまま無変換の画像データが入力され、入力画像データがインターレース信号の場合、複数のI/P変換方法のいずれかで、I/P変換処理された後の画像データが入力される。
この場合、図2に示すように、OSテーブルメモリ(ROM)113を参照して得られるOSパラメータと、I/P変換部111が、いずれのI/P変換方法で変換するかに応じて与えられる乗算係数とを用いることで、液晶表示パネル117に供給する強調変換データを求めることができる。すなわち、演算部114dにより、これから表示するM番目のフレームの入力画像データ(Current Data)と、フレームメモリ115に格納されたM−1番目のフレームの入力画像データ(Previous Data )とを比較し、その比較結果(階調遷移)に対応する(すなわち、その比較結果により指定される)OSパラメータをOSテーブルメモリ(ROM)113から読み出し、線形補完等の演算を施すことにより、強調演算データを出力する。
そして、減算器114aによって現フレームの画像データからその強調演算データを減算して差分データを求め、乗算器114bによってその差分データに対し制御CPU112Aからの係数切換制御信号により切り換えられる乗算係数α1 又はβ1 を乗算し、加算器114cによってその乗算係数が乗算された差分データを現フレームの画像データに加算し、その加算したデータを強調変換データとして液晶コントローラ116に与える。これにより、液晶画素が所定期間内において入力画像データの定める透過率となるように駆動表示される。ここで、所定期間とは1フレーム画像の表示期間(画素書き換え周期)であり、通常のホールド型表示の場合、1フレーム期間(たとえば60Hzのプログレッシブスキャンの場合は16.7msec)であり、たとえば1フレーム期間の50%の期間に黒表示を行う擬似インパルス型表示とした場合には、画像表示期間は1/2フレーム期間(たとえば60Hzのプログレッシブスキャンの場合は8.3msec)となる。
また、入力画像データが動き適応I/P変換方法でI/P変換される場合の乗算係数はα1 =1とし、入力画像データがフィールド内内挿処理のみによる変換方法でI/P変換される場合の乗算係数はβ1 <1としている。これにより、入力画像データが動き適応I/P変換方法でI/P変換される場合には、乗算係数α1 (=1)が選択されて、液晶画素が所定期間内において入力画像データの定める透過率となるように、画像データの強調変換を行うことにより、残像や尾引きが発生しない高画質の画像表示が行われる。一方、入力画像データがフィールド内内挿処理のみによる変換方法でI/P変換される場合は、乗算係数β1(<1)が選択されて、強調変換度合いをより小さくすることができ、当該I/P変換処理によって表示画像の輪郭部等に発生する不所望なちらつきノイズやジャギー等の過強調による画質劣化が防止される。
なお、OSテーブルメモリ(ROM)113には、表示データ数が8ビットの256階調である場合、256の全ての階調に対するOSパラメータ(実測値)を持たせてもよいが、たとえば図21に示したように、32階調毎の9つの代表階調についての9×9のOSパラメータ(実測値)のみを記憶しておき、その他の階調に対する強調変換データは、上記実測値から線形補完等の演算で求めるように構成することで、OSテーブルメモリ(ROM)113の記憶容量を抑制することができる。
フレームメモリ115は、1フレーム分の画像データを格納することができるものであって、これから表示される現フレームの画像データに対し、1フレーム前の画像データが格納されている。液晶コントローラ116は、強調変換部114Aからの強調変換データに基づき、ゲートドライバ118及びソースドライバ119を駆動し、液晶表示パネル117に対し画像表示を行わせる。液晶表示パネル117は、上述した非線形素子(スイッチング素子)であるTFT(Thin Film Transistor)を有し、ゲートドライバ118及びソースドライバ119の駆動により画像表示を行う。
次に、上述した第1の実施形態での入力画像データの強調変換による液晶表示制御方法について説明する。
まず、インタレース信号の入力画像データがあると、I/P変換部111は、制御CPU112Aによる制御に従って、動き適応I/P変換方法またはフィールド内内挿処理のみによる変換方法のいずれかで、当該入力画像データをI/P変換して、擬似的なプログレッシブ信号を生成し、当該信号を強調変換部114Aへ入力する。
ここで、制御CPU112Aにより、動き適応I/P変換方法でのI/P変換がI/P変換部111に指示されている場合、I/P変換部111は、動き適応I/P変換処理を行って、擬似的なプログレッシブ信号を生成し、当該信号を強調変換部114Aへ入力する。
このとき、制御CPU112Aにより強調変換部114Aに対して、動き適応I/P変換処理された画像データに対する強調変換処理が指示される。この場合、上述したように、演算部114dにより、これから表示するM番目のフレームの入力画像データ(Current Data)と、フレームメモリ115に格納されたM−1番目のフレームの入力画像データ(Previous Data )とが比較され、その比較結果(階調遷移)に対応するOSパラメータがOSテーブルメモリ(ROM)113から読み出され、強調演算データが求められる。なお、この強調演算データは、液晶表示パネル117が所定期間内においてこれから表示するM番目のフレームの入力画像データにより定められる透過率に到達可能なデータである。減算器114aによってその強調演算データとこれから表示するM番目のフレームの入力画像データとの差分データが求められる。
ここで、制御CPU112Aによって、動き適応I/P変換処理の場合の乗算係数α1 (=1)が選択されるため、乗算器114bによって減算器114aによる差分データに対し乗算係数α1 (=1)が乗算され(すなわち、差分データがそのまま出力され)、加算器114cによってその乗算されたデータとこれから表示するM番目のフレームの入力画像データとが加算され、その加算されたデータが強調変換データとして液晶コントローラ116に与えられる(従って、この場合、液晶表示パネル117に供給される強調変換データは、演算部114dによる強調演算データと等しい)。これにより、入力画像データが動き適応I/P変換方法によってI/P変換される場合には、液晶画素が所定期間内において入力画像データの定める透過率となるように表示駆動されるので、液晶表示パネル117の光学応答特性を補償して、残像や尾引きのない高画質の画像表示が行われる。
これに対し、制御CPU112Aにより、フィールド内内挿処理のみによる変換方法がI/P変換部111に指示されている場合、I/P変換部111は、フィールド内内挿処理のみによる変換処理を行って、擬似的なプログレッシブ信号を生成し、当該信号を強調変換部114Aへ入力する。
また、このとき、制御CPU112Aにより強調変換部114Aに対して、フィールド内内挿処理のみにより変換処理された画像データに対する強調変換処理が指示される。この場合、上述したように、演算部114dにより、これから表示するM番目のフレームの入力画像データ(Current Data)と、フレームメモリ115に格納されたM−1番目のフレームの入力画像データ(Previous Data )とが比較され、その比較結果(階調遷移)に対応するOSパラメータがOSテーブルメモリ(ROM)113から読み出され、強調演算データが求められる。なお、この強調演算データは、液晶表示パネル117が所定期間内においてこれから表示するM番目のフレームの入力画像データにより定められる透過率に到達可能なデータである。減算器114aによってその強調演算データとこれから表示するM番目のフレームの入力画像データとの差分データが求められる。
ここで、制御CPU112Aによりフィールド内内挿処理のみによるI/P変換処理の場合の乗算係数β1 (<1)が選択されるため、乗算器114bによって減算器114aによる差分データに対し乗算係数β1 が乗算され(すなわち、差分データが低減されて出力され)、加算器114cによってその乗算されたデータとこれから表示するM番目のフレームの入力画像データとが加算され、その加算されたデータが強調変換データとして液晶コントローラ116に与えられる(従って、この場合、液晶表示パネル117に供給される強調変換データは、演算部114dによる強調演算データより強調変換度合いが小さい)。これにより、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合には、液晶表示パネル117の光学応答特性を補償して、残像や尾引きの発生を抑えつつ、I/P変換処理によって発生する不所望な偽信号が強調されることによる画質劣化を抑制して、高画質の画像表示が行われる。
以上のように、第1の実施形態では、入力画像データがI/P変換部111によって動き適応I/P変換方法でI/P変換される場合、強調変換部114Aにより現フレームの入力画像データと1フレーム前の入力画像データとの比較結果(階調遷移)に対応するOSパラメータをOSテーブルメモリ(ROM)113から読み出し、その読み出したOSパラメータに基づいて得られた強調演算データを強調変換データとして液晶コントローラ116に出力するようにしたので、液晶画素が所定期間内において入力画像データの定める透過率となるように表示駆動することができ、残像や尾引きのない高画質の画像表示を行うことが可能である。
これに対し、入力画像データがI/P変換部111によってフィールド内内挿処理のみによる変換方法でI/P変換される場合、強調変換部114Aにより現フレームの入力画像データと1フレーム前の入力画像データとの比較結果(階調遷移)に対応するOSパラメータをOSテーブルメモリ(ROM)113から読み出し、その読み出したOSパラメータに基づいて得られた強調演算データより強調変換度合いを小さくして、強調変換データとして液晶コントローラ116に出力するようにしたので、液晶の応答速度を改善して残像や尾引きの発生を抑制するとともに、インターレース信号を上記のI/P変換方法でI/P変換処理する際に画像輪郭部等で生じる偽信号による画質劣化を抑えることができ、高画質の画像表示を行うことが可能となる。
〔第2の実施形態〕
図3は入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合に、画像データの強調変換に用いるOSパラメータが格納されたOSテーブルメモリ(ROM)と、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合に、画像データの強調変換に用いるOSパラメータが格納されたOSテーブルメモリ(ROM)とを個別に設けた場合の第2の実施形態を示す図である。なお、以下に説明する図において、図1と共通する部分には同一符号を付し重複する説明を省略する。
図3に示す液晶表示装置では、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合に参照するOSテーブルメモリ(ROM)113aと、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合に参照するOSテーブルメモリ(ROM)113bとを備え、I/P変換部111がI/P変換する際のI/P変換方法に応じてOSテーブルメモリ(ROM)113a,113bのいずれかを切り換え参照して、画像データの強調変換処理を行うようにしている。
また、OSテーブルメモリ(ROM)113b内のOSパラメータは、OSテーブルメモリ(ROM)113a内のOSパラメータより小さい値である。これは、上述したように、インターレース信号をフィールド内内挿処理のみにより変換処理した場合に画像輪郭部で生じる偽信号が強調されて目立つことを抑制するために、入力画像データがインターレース信号である場合には、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合に比べて、画像データに対する強調変換度合いを小さくする必要があるためである。
なお、ここでは、それぞれのOSパラメータを、それぞれ個別に設けられたOSテーブルメモリ(ROM)113a,113bに格納しているが、単一のOSテーブルメモリ(ROM)の異なるテーブル領域にそれぞれのOSパラメータを格納しておき、制御CPU112Bからの切換制御信号に応じて、参照するテーブル領域を適応的に切り換えることにより、OSパラメータを切換選択して、強調変換データを求めるように構成してもよい。
このような構成では、制御CPU112Bにより、たとえば、動き適応I/P変換方法でのI/P変換がI/P変換部111に指示されている場合、I/P変換部111は、動き適応I/P変換処理を行って、擬似的なプログレッシブ信号を生成し、当該信号を強調変換部114Bへ入力する。
このとき、制御CPU112Bにより強調変換手段としての強調変換部114Bに対して、動き適応I/P変換処理された画像データに対する強調変換処理が指示される。この場合、強調変換部114Bは、これから表示するM番目のフレームの入力画像データ(Current Data)と、フレームメモリ115に格納されたM−1番目のフレームの入力画像データ(Previous Data )との比較結果(階調遷移)に対応する(すなわち、その比較結果により指定される)OSパラメータを、入力画像データを動き適応I/P変換処理する場合に参照するOSテーブルメモリ(ROM)113aから読み出し、このOSパラメータを用いて線形補完等の演算を施すことで、液晶コントローラ116に出力する強調変換データが求められる。なお、この強調変換データは、液晶表示パネル117が所定期間内においてこれから表示するM番目のフレームの入力画像データにより定められる透過率に到達可能なデータである。
これにより、入力画像データを動き適応I/P変換処理する場合には、液晶画素が所定期間内において入力画像データの定める透過率となるように表示駆動されるので、液晶表示パネル117の光学応答特性を補償して、残像や尾引きのない高画質の画像表示が行われる。
これに対し、制御CPU112BによりI/P変換部111へフィールド内内挿処理のみによる変換処理が指示されている場合、I/P変換部111は、フィールド内内挿処理のみによる変換処理を行って、擬似的なプログレッシブ信号を生成し、当該信号を強調変換部114Bへ入力する。
またこのとき、制御CPU112Bにより強調変換部114Bに対して、I/P変換処理された画像データに対する強調変換処理が指示される。この場合、強調変換部114Bは、これから表示するM番目のフレームの入力画像データ(Current Data)と、フレームメモリ115に格納されたM−1番目のフレームの入力画像データ(Previous Data )との比較結果(階調遷移)に対応する(すなわち、その比較結果により指定される)OSパラメータを、入力画像データがインターレース信号である場合に参照するOSテーブルメモリ(ROM)113bから読み出し、このOSパラメータを用いて線形補完等の演算を施すことで、液晶コントローラ116に出力する強調変換データが求められる。なお、この強調変換データは、入力画像データがプログレッシブ信号である場合に、OSテーブルメモリ(ROM)113aを参照して求められた強調変換データに比べて、その強調変換度合いが小さくなっている。
これにより、入力画像データをフィールド内内挿処理のみにより変換処理する場合には、液晶表示パネル117の光学応答特性を補償して、残像や尾引きの発生を抑えつつ、当該I/P変換処理によって発生する不所望な偽信号が強調されることによる画質劣化を抑制して、高画質の画像表示が行われる。
このように、第2の実施形態では、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合に用いるOSパラメータが格納されたOSテーブルメモリ(ROM)113aと、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合に用いるOSパラメータが格納されたOSテーブルメモリ(ROM)113bとを備え、OSテーブルメモリ(ROM)113b内のOSパラメータを、OSテーブルメモリ(ROM)113a内のOSパラメータより小さい値とし、前記検出されたプログレッシブ信号又はインターレース信号に応じてOSテーブルメモリ(ROM)113a,113bのいずれかより読み出されたOSパラメータを用いて、強調変換データを求めるようにしたので、入力画像データに対するI/P変換方法に応じた適切な強調変換処理を画像データに施すことができる。
〔第3の実施形態〕
図4は図1の構成に温度センサを追加し、OSテーブルメモリ(ROM)113を参照して得られるOSパラメータと、I/P変換方法及び装置内温度に応じた乗算係数を用いて、画像データに対する強調変換処理を行わせる場合の第3の実施形態を示す図である。
図4に示す液晶表示装置では、OSテーブルメモリ(ROM)113に、上記同様に、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合に最適化されたOSパラメータ(強調変換パラメータ)が格納されており、I/P変換部111によるI/P変換方法と温度検出手段としての温度センサ120による温度検出データとに応じた後述の乗算係数α1〜α4、β1〜β4を用いて入力画像データに対する強調変換を行わせるようにしている。
ここで、OSテーブルメモリ(ROM)113には、上述したように、表示データ数が8ビットの256階調である場合、256の全ての階調に対するOSパラメータ(実測値)を持っていてもよいが、たとえば図21に示したように、32階調毎の9つの代表階調についての9×9のOSパラメータ(実測値)のみを記憶しておき、その他の階調に対する強調変換データは、上記実測値から線形補完等の演算で求めるように構成することで、OSテーブルメモリ(ROM)113の記憶容量を抑制することができる。
本実施形態の強調変換部114Cは、図2と同様の構成により実現され、OSテーブルメモリ(ROM)113から読み出されたOSパラメータと、信号種別及び液晶表示パネル117の温度に応じた乗算係数α1〜α4、β1〜β4とを用いて、液晶表示パネル117の温度依存特性を含む光学応答特性を補償するための強調変換データを求めて、液晶コントローラ116に出力することができる。ここで、入力画像データを動き適応I/P変換処理する場合の乗算係数はα1〜α4とし、入力画像データをフィールド内内挿処理のみにより変換処理する場合の乗算係数はβ1〜β4とする。ただし、β1<α1、β2<α2、β3<α3、β4<α4である。
すなわち、温度センサ120からの温度検出データを、たとえば15℃以下、15℃より大きく25℃以下、25℃より大きく35℃以下、35℃より大きい場合の4段階の温度範囲に分けて、入力画像データがプログレッシブ信号であるとき、たとえば装置内温度が15℃以下である場合は乗算係数α1(>α2)、15℃より大きく25℃以下である場合は乗算係数α2(>α3)、25℃より大きく35℃以下である場合は乗算係数α3(>α4)、35℃より大きい場合は乗算係数α4(=1)とし、入力画像データがインターレース信号であるとき、たとえば装置内温度が15℃以下である場合は乗算係数β1(>β2)、15℃より大きく25℃以下である場合は乗算係数β2(>β3)、25℃より大きく35℃以下である場合は乗算係数β3(>β4)、35℃より大きい場合は乗算係数β4(<1)とするものについて説明するが、乗算係数は3段階以下或いは5段階以上の温度範囲に対応したものとしてもよいことは言うまでもない。
なお、これらの乗算係数α1〜α4、β1〜β4は、液晶表示パネル117の光学応答特性の実測値から予め得られたものである。これにより、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合は、動き適応I/P変換処理される場合よりも小さな強調変換度合いで画像データの強調変換を行うことができ、フィールド内内挿処理のみによるI/P変換処理によって発生する不所望な偽信号が強調されることによる画質劣化を抑制しつつ、液晶表示パネル117の光学応答特性(温度依存特性を含む)を補償して、残像や尾引きのない高品位な画像表示を行うことが可能となる。
また、温度センサ120は、その本来の目的から液晶表示パネル117内に設けることが望ましいが、これは構造上困難であるため、液晶表示パネル117にできる限り近い場所に設置すればよい。また、温度センサ120は、1個に限らず複数個とし、液晶表示パネル117の各部位に対応して配置させるようにしてもよい。複数の温度センサ120を設けた場合には、それぞれの温度センサ120からの検出結果を平均した値を温度検出データとして用いてもよいし、変化の大きい、いずれかの温度センサ120からの検出結果を温度検出データとして用いてもよい。
このような構成では、制御CPU112Cにより、たとえば、動き適応I/P変換方法でのI/P変換がI/P変換部111に指示されている場合、I/P変換部111は、動き適応I/P変換処理を行って、擬似的なプログレッシブ信号を生成し、当該信号を強調変換部114Cへ入力する。
このとき、制御CPU112Cにより強調変換手段としての強調変換部114Cに対して、動き適応I/P変換処理された入力画像データに対する強調変換処理が指示される。この場合、上述したように、演算部114dにより、これから表示するM番目のフレームの入力画像データ(Current Data)と、フレームメモリ115に格納されたM−1番目のフレームの入力画像データ(Previous Data )とが比較され、その比較結果(階調遷移)に対応する(すなわち、その比較結果により指定される)OSパラメータがOSテーブルメモリ(ROM)113から読み出されて強調演算データが求められる。そして、減算器114aによってその強調演算データとこれから表示するM番目のフレームの入力画像データとの差分データが求められる。
このとき、制御CPU112Cには温度センサ120からの温度検出データが取り込まれており、制御CPU112Cによりその温度検出データに応じた乗算係数α1〜α4のいずれかが切り換え選択される。ここで、温度検出データがたとえば15℃以下である場合は乗算係数α1(>α2)となり、15℃より大きく25℃以下である場合は乗算係数α2(>α3)となり、25℃より大きく35℃以下である場合は乗算係数α3(>α4)となり、35℃より大きい場合は乗算係数α4(=1)となる。
温度検出データに応じて、これらの乗算係数α1〜α4のいずれかが制御CPU112Cにより切り換えられると、乗算器114bにより前記差分データに対していずれかの乗算係数α1〜α4が乗算され、加算器114cによってその乗算されたデータとこれから表示するM番目のフレームの入力画像データとが加算され、その加算されたデータが強調変換データとして液晶コントローラ116に与えられる。これにより、入力画像データがプログレッシブ信号の場合には、液晶表示パネル117の温度が変化しても、液晶表示パネル117の光学応答特性(温度依存特性を含む)を補償して、残像や尾引きのない高画質の画像表示が行われる。
これに対し、制御CPU112CによりI/P変換部111へフィールド内内挿処理のみによる変換処理が指示されている場合、I/P変換部111は、フィールド内内挿処理のみによる変換処理を行って、擬似的なプログレッシブ信号を生成し、当該信号を強調変換部114Cへ入力する。
またこのとき、制御CPU112Cにより強調変換部114Cに対して、I/P変換処理された画像データに対する強調変換処理が指示される。この場合、上述したように、演算部114dにより、これから表示するM番目のフレームの入力画像データ(Current Data)と、フレームメモリ115に格納されたM−1番目のフレームの入力画像データ(Previous Data )とが比較され、その比較結果(階調遷移)に対応する(すなわち、その比較結果により指定される)OSパラメータがOSテーブルメモリ(ROM)113から読み出されて強調演算データが求められる。そして、減算器114aによってその強調演算データとこれから表示するM番目のフレームの入力画像データとの差分データが求められる。
このとき、制御CPU112Cには温度センサ120からの温度検出データが取り込まれており、制御CPU112Cによりその温度検出データに応じた乗算係数β1〜β4のいずれかが切り換え選択される。ここで、温度検出データがたとえば15℃以下である場合は乗算係数β1(>β2)となり、15℃より大きく25℃以下である場合は乗算係数β2(>β3)となり、25℃より大きく35℃以下である場合は乗算係数β3(>β4)となり、35℃より大きい場合は乗算係数β4(<1)となる。
温度検出データに応じて、これらの乗算係数β1〜β4のいずれかが制御CPU112Cにより切り換えられると、乗算器114bにより前記差分データに対していずれかの乗算係数β1〜β4が乗算され、加算器114cによってその乗算されたデータとこれから表示するM番目のフレームの入力画像データとが加算され、その加算されたデータが強調変換データとして液晶コントローラ116に与えられる。
ここで、入力画像データがインターレース信号の場合には、β1<α1、β2<α2、β3<α3、β4<α4であるため、液晶表示パネル117の温度が変化しても、液晶表示パネル117の光学応答特性(温度依存特性を含む)を補償して、残像や尾引きの発生を抑えつつ、I/P変換処理によって発生する不所望な偽信号が強調されることによる画質劣化を抑制して、高画質の画像表示が行われる。
このように、第3の実施形態では、温度センサ120による温度検出データに応じた、入力画像データを動き適応I/P変換処理する場合の乗算係数α1〜α4と、フィールド内内挿処理のみにより変換処理する場合の乗算係数β1〜β4とを用いて、画像データに対する強調変換度合いを可変制御するようにしたので、入力画像データに対するI/P変換方法及び装置内温度に応じた適切な強調変換処理を画像データに施すことが可能となり、高画質の画像表示を行わせることができる。
〔第4の実施形態〕
図5は図4のOSテーブルメモリ(ROM)を、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合に参照する、画像データの強調変換に用いるOSパラメータが格納されたOSテーブルメモリ(ROM)と、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合に参照する、画像データの強調変換に用いるOSパラメータが格納されたOSテーブルメモリ(ROM)とを個別に設けた構成とし、装置内温度に応じた乗算係数を用いて画像データに対する強調変換度合いを可変する場合の実施形態(第4の実施形態)を示す図、図6は図5のOSテーブルメモリ(ROM)を参照して得られるOSパラメータと温度センサによる温度検出データに応じた乗算係数とを用いて強調変換データを求める場合を説明するための図である。
図5に示す液晶表示装置では、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合に参照するOSテーブルメモリ(ROM)113aと、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合に参照するOSテーブルメモリ(ROM)113bとを備え、I/P変換部111によるI/P変換方法に応じてOSテーブルメモリ(ROM)113a,113bのいずれかを切り換え参照するとともに、温度センサ120による温度検出データに応じた後述の乗算係数α1〜α4を用いて入力画像データに対する強調変換を行わせるようにしている。
また、OSテーブルメモリ(ROM)113b内のOSパラメータは、OSテーブルメモリ(ROM)113a内のOSパラメータより小さい値である。これは、上述したように、フィールド内内挿処理のみによるI/P変換処理後の画像データに対する強調変換によって、表示画像の輪郭部で生じるちらつきノイズ(偽信号)等が強調されて目立つのを抑制するために、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合には、画像データに対する強調変換度合いを、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合よりも小さくする必要があるためである。
なお、ここでは、それぞれのOSパラメータを、それぞれ個別に設けられたOSテーブルメモリ(ROM)113a,113bに格納しているが、単一のOSテーブルメモリ(ROM)の異なるテーブル領域にそれぞれのOSパラメータを格納しておき、制御CPU112Dからの切換制御信号に応じて、参照するテーブル領域を適応的に切り換えることにより、OSパラメータを切換選択して、強調変換データを求めるように構成してもよい。
また、OSテーブルメモリ(ROM)113a,113bには、上述したように、表示データ数が8ビットの256階調である場合、256の全ての階調に対するOSパラメータ(実測値)を持っていてもよいが、たとえば図21に示したように、32階調毎の9つの代表階調についての9×9のOSパラメータ(実測値)のみを記憶しておき、その他の階調に対する強調変換データは、上記実測値から線形補完等の演算で求めるように構成することで、OSテーブルメモリ(ROM)113の記憶容量を抑制することができる。
本実施形態の強調変換部114Dは、図2と同様の構成により実現され、I/P変換部111によるI/P変換方法に応じてOSテーブルメモリ(ROM)113a,113bのいずれかより読み出されたOSパラメータと、液晶表示パネル117の温度に応じた乗算係数はα1〜α4とを用いて、液晶表示パネル117の温度依存特性を含む光学応答特性を補償するための強調変換データを求めて、液晶コントローラ116に出力することができる。
すなわち、温度センサ120からの温度検出データを、たとえば15℃以下、15℃より大きく25℃以下、25℃より大きく35℃以下、35℃より大きい場合の4段階の温度範囲に分けて、たとえば装置内温度が15℃以下である場合は乗算係数α1(>α2)、15℃より大きく25℃以下である場合は乗算係数α2(>α3)、25℃より大きく35℃以下である場合は乗算係数α3(>α4)、35℃より大きい場合は乗算係数α4(=1)とするものについて説明するが、乗算係数は3段階以下或いは5段階以上の温度範囲に対応したものとしてもよいことは言うまでもない。
なお、これらの乗算係数α1〜α4は、液晶表示パネル117の光学応答特性の実測値から予め得られたものである。これにより、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合は、動き適応I/P変換処理される場合よりも小さな強調変換度合いで画像データの強調変換を行うことができ、フィールド内内挿処理のみによるI/P変換処理によって発生する不所望な偽信号が強調されることによる画質劣化を抑制しつつ、液晶表示パネル117の光学応答特性(温度依存特性を含む)を補償して、残像や尾引きのない高品位な画像表示が行われる。
また、温度センサ120は、その本来の目的から液晶表示パネル117内に設けることが望ましいが、これは構造上困難であるため、液晶表示パネル117にできる限り近い場所に設置すればよい。また、温度センサ120は、1個に限らず複数個とし、液晶表示パネル117の各部位に対応して配置させるようにしてもよい。複数の温度センサ120を設けた場合には、それぞれの温度センサ120からの検出結果を平均した値を温度検出データとして用いてもよいし、変化の大きいいずれかの温度センサ120からの検出結果を温度検出データとして用いてもよい。
このような構成では、制御CPU112Dにより、たとえば、動き適応I/P変換方法でのI/P変換がI/P変換部111に指示されている場合、I/P変換部111は、動き適応I/P変換処理を行って、擬似的なプログレッシブ信号を生成し、当該信号を強調変換部114Dへ入力する。
このとき、制御CPU112Dにより強調変換手段としての強調変換部114Dに対して、動き適応I/P変換処理された入力画像データに対する強調変換処理が指示される。この場合、図6に示すように、制御CPU112Dからのパラメータ切換制御信号によりOSテーブルメモリ(ROM)113aを参照するように指示される。そして、演算部114dにより、これから表示するM番目のフレームの入力画像データ(Current Data)と、フレームメモリ115に格納されたM−1番目のフレームの入力画像データ(Previous Data )との比較結果(階調遷移)に対応する(すなわち、その比較結果により指定される)OSパラメータがOSテーブルメモリ(ROM)113aから読み出されて強調演算データが求められる。そして、減算器114aによってその強調演算データとこれから表示するM番目のフレームの入力画像データとの差分データが求められる。
このとき、制御CPU112Dには温度センサ120からの温度検出データが取り込まれており、制御CPU112Dによりその温度検出データに応じた乗算係数α1〜α4のいずれかを切り換え選択するための係数切換制御信号が強調変換部114Dに与えられる。ここで、温度検出データがたとえば15℃以下である場合は乗算係数α1(>α2)となり、15℃より大きく25℃以下である場合は乗算係数α2(>α3)となり、25℃より大きく35℃以下である場合は乗算係数α3(>α4)となり、35℃より大きい場合は乗算係数α4(=1)となる。
温度検出データに応じて、これらの乗算係数α1〜α4のいずれかが制御CPU112Dからの係数切換制御信号により切り換えられると、乗算器114bにより前記差分データに対していずれかの乗算係数α1〜α4が乗算され、加算器114cによってその乗算されたデータとこれから表示するM番目のフレームの入力画像データとが加算され、その加算されたデータが強調変換データとして液晶コントローラ116に与えられる。これにより、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合には、液晶表示パネル117の温度が変化しても、液晶表示パネル117の光学応答特性(温度依存特性を含む)を補償して、残像や尾引きのない高画質の画像表示が行われる。
これに対し、制御CPU112DによりI/P変換部111へフィールド内内挿処理のみによる変換処理が指示されている場合、I/P変換部111は、フィールド内内挿処理のみによる変換処理を行って、擬似的なプログレッシブ信号を生成し、当該信号を強調変換部114Dへ入力する。
またこのとき、制御CPU112Dにより強調変換部114Dに対して、フィールド内内挿処理のみによりI/P変換処理された画像データに対する強調変換処理が指示される。この場合、制御CPU112Dからのパラメータ切換制御信号によりOSテーブルメモリ(ROM)113bを参照するように指示される。そして、演算部114dにより、これから表示するM番目のフレームの入力画像データ(Current Data)と、フレームメモリ115に格納されたM−1番目のフレームの入力画像データ(Previous Data)との比較結果(階調遷移)に対応する(すなわち、その比較結果により指定される)OSパラメータがOSテーブルメモリ(ROM)113bから読み出されて強調演算データが求められる。そして、減算器114aによってその強調演算データとこれから表示するM番目のフレームの入力画像データとの差分データが求められる。
このとき、制御CPU112Dには温度センサ120からの温度検出データが取り込まれており、制御CPU112Dからはその温度検出データに応じた乗算係数α1〜α4のいずれかを切り換え選択するための係数切換制御信号が強調変換部114Dに与えられる。ここで、温度検出データがたとえば15℃以下である場合は乗算係数α1(>α2)となり、15℃より大きく25℃以下である場合は乗算係数α2(>α3)となり、25℃より大きく35℃以下である場合は乗算係数α3(>α4)となり、35℃より大きい場合は乗算係数α4(=1)となる。
温度検出データに応じてこれらの乗算係数α1〜α4のいずれかが制御CPU112Dからの係数切換制御信号により切り換えられると、乗算器114bにより前記差分データに対していずれかの乗算係数α1〜α4が乗算され、加算器114cによってその乗算されたデータとこれから表示するM番目のフレームの入力画像データとが加算され、その加算されたデータが強調変換データとして液晶コントローラ116に与えられる。
ここで、入力画像データをフィールド内内挿処理のみにより変換処理する場合には、上述したように、OSテーブルメモリ(ROM)113b内のOSパラメータがOSテーブルメモリ(ROM)113a内のOSパラメータより小さい値であるため、液晶表示パネル117の温度が変化しても、液晶表示パネル117の光学応答特性(温度依存特性を含む)を補償して、残像や尾引きの発生を抑えつつ、フィールド内内挿処理のみによるI/P変換処理によって発生する不所望な偽信号が強調されることによる画質劣化を抑制して、高画質の画像表示が行われる。
このように、第4の実施形態では、入力画像データを動き適応I/P変換処理する場合に参照するOSテーブルメモリ(ROM)113aと、入力画像データをフィールド内内挿処理のみによる変換処理する場合に参照するOSテーブルメモリ(ROM)113bとを備え、前記I/P変換部111によるI/P変換方法に応じてOSテーブルメモリ(ROM)113a,113bのいずれかより読み出されたOSパラメータを用いるとともに、温度センサ120による温度検出データに応じた乗算係数α1〜α4を用いて入力画像データに対する強調変換度合いを可変制御するようにしたので、入力画像データに対するI/P変換方法及び装置内温度に応じた適切な強調変換処理を画像データに施すことが可能となり、高画質の画像表示を行わせることができる。
〔第5の実施形態〕
図7は入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合に参照する、複数の温度範囲のそれぞれに対応したOSパラメータが格納されたOSテーブルメモリ(ROM)と、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合に参照する、複数の温度範囲のそれぞれに対応したOSパラメータが格納されたOSテーブルメモリ(ROM)とを個別に設けた構成とした場合の第5の実施形態を示す図、図8は図7の制御CPUの詳細を説明するための図、図9は図7のOSテーブルメモリ(ROM)を入力画像データに対するI/P変換方法及び装置内温度に応じて切り換え選択する動作を説明するための図である。
図7に示すように、第5の実施形態では、入力画像データを動き適応I/P変換処理する場合に参照するOSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134と、入力画像データをフィールド内内挿処理のみにより変換処理する場合に参照するOSテーブルメモリ(ROM)1135〜1138とを設けている。そして、入力画像データに対するI/P変換方法と温度センサ120からの温度検出データによって得られる装置内温度とに応じて、OSテーブルメモリ(ROM)1131〜1138のいずれかを切り換え参照し、画像データに対する強調変換処理を行うようにしている。
ここで、入力画像データをフィールド内内挿処理のみにより変換処理する場合に参照するOSテーブルメモリ(ROM)1135〜1138内のOSパラメータは、入力画像データを動き適応I/P変換処理する場合に参照するOSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134内のOSパラメータより小さい値である。これは、上述したように、フィールド内内挿処理のみによるI/P変換処理後の画像データに対する強調変換によって、表示画像の輪郭部で生じるちらつきノイズ(偽信号)等が強調されて目立つのを抑制するために、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合には、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合よりも、画像データに対する強調変換度合いを小さくする必要があるためである。
なお、ここでは、それぞれのOSパラメータを、それぞれ個別に設けられたOSテーブルメモリ(ROM)1131〜1138に格納しているが、単一のOSテーブルメモリ(ROM)の異なるテーブル領域にそれぞれのOSパラメータを格納しておき、制御CPU112Eからの切換制御信号に応じて、参照するテーブル領域を適応的に切り換えることにより、OSパラメータを切換選択して、強調変換データを求めるように構成してもよい。
また、OSテーブルメモリ(ROM)1131〜1138には、上述したように、表示データ数が8ビットの256階調である場合、256の全ての階調に対するOSパラメータ(実測値)を持っていてもよいが、たとえば図21に示したように、32階調毎の9つの代表階調についての9×9のOSパラメータ(実測値)のみを記憶しておき、その他の階調に対する強調変換データは、上記実測値から線形補完等の演算で求めるように構成することで、OSテーブルメモリ(ROM)1131〜1138の記憶容量を抑制することができる。
さらに、温度センサ120は、その本来の目的から液晶表示パネル117内に設けることが望ましいが、これは構造上困難であるため、液晶表示パネル117にできる限り近い場所に設置すればよい。また、温度センサ120は、1個に限らず複数個とし、液晶表示パネル117の各部位に対応して配置させるようにしてもよい。複数の温度センサ120を設けた場合には、それぞれの温度センサ120からの検出結果を平均した値を温度検出データとして用いてもよいし、変化の大きいいずれかの温度センサ120からの検出結果を温度検出データとして用いてもよい。
ここで、各OSテーブルメモリ(ROM)1131〜1138は、図9に示すように、温度センサ120からの温度検出データに応じて切り換え参照されるようになっている。ここでは、装置内温度がたとえば15℃以下、15℃より大きく25℃以下、25℃より大きく35℃以下、35℃より大きい場合の4段階の温度範囲に対応させて、各OSテーブルメモリ(ROM)1131〜1138を設けた構成としているが、3段階以下或いは5段階以上の温度範囲に対応したOSパラメータを用意してもよいことは言うまでもない。
このような温度センサ120の温度検出データに応じて各OSテーブルメモリ(ROM)1131〜1138の切り換え選択を指示する制御CPU112Eの構成を、図8により説明する。すなわち、制御手段としての制御CPU112Eは、閾値判別部112a、制御信号出力部112c、I/P変換方法指定部112kを有している。なお、これら制御CPU(112E、あるいは、後述する制御CPU112F〜112G)内の部材は、制御CPUなどの内に設けられた互いに異なるハードウェアブロックであってもよいが、以下の実施形態では、制御CPUなどが図示しないメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される機能ブロックである。なお、これらの部材のうち、記憶部は、制御CPU内のメモリであってもよいが、制御CPUの外部のメモリであってもよい。
I/P変換方法指定部112kは、上述した種々の方法で、I/P変換部111へ指示すべきI/P変換方法を決定し、決定されたI/P変換方法を示す信号を出力する。
閾値判別部112aは、温度センサ120からの温度検出データを受け取ると、たとえば予め決められた所定の切換温度(閾値温度)Th1、Th2、Th3とを比較する。ここでは、切換温度(閾値温度)Th1、Th2、Th3はたとえば15℃、25℃、35℃であり、装置内温度が15℃以下であるか、15℃より大きく25℃以下であるか、25℃より大きく35℃以下であるか、35℃より大きいかの判別結果を出力する。
制御信号出力部112cは、I/P変換方法指定部112kにより指定されるI/P変換方法と、閾値判別部112aによる判別結果とに応じた切換制御信号を出力する。すなわち、I/P変換方法指定部112kにより指定されるI/P変換方法と閾値判別部112aによる判別結果とを受け取ると、そのI/P変換方法と温度検出データとに応じて、OSテーブルメモリ(ROM)1131〜1138のいずれを参照させるかを切換制御信号で指示する。
この場合、制御信号出力部112cは、たとえば入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合「0」、フィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合「1」とする識別データと、たとえば温度センサ120からの温度検出データが15℃以下の場合「00」、15℃より大きく25℃以下の場合「01」、25℃より大きく35℃以下の場合「10」、35℃より大きい場合「11」とする識別データとを組み合わせることにより、3ビットの切換制御信号で8個の各OSテーブルメモリ(ROM)1131〜1138のいずれを参照して、画像データの強調変換を行うかの指示を行うことができる。
このような構成では、上述したように、I/P変換方法指定部112kによりたとえば動き適応I/P変換処理すると決定された場合、I/P変換方法指定部112kによりI/P変換部111へ、動き適応I/P変換処理を示す信号が出力される。この場合には、I/P変換部111は、動き適応I/P変換処理を行って、擬似的なプログレッシブ信号を生成し、当該信号を強調変換部114Eへ入力する。
このとき、制御CPU112Eにより強調変換手段としての強調変換部114Eに対して、動き適応I/P変換処理された入力画像データに対する強調変換処理が指示される。この場合、閾値判別部112aからの温度検出データが15℃以下であるか、15℃より大きく25℃以下であるか、25℃より大きく35℃以下であるか、35℃より大きいかの判別結果に応じて、制御信号出力部112cにより、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合に参照するOSテーブルメモリ(ROM)131〜134のいずれかを選択指示するための切換制御信号が出力される。
ここで、温度センサ120からの温度検出データがたとえば15℃以下である場合、OSテーブルメモリ(ROM)1131を参照するように指示され、15℃より大きく25℃以下である場合、OSテーブルメモリ(ROM)1132を参照するように指示され、25℃より大きく35℃以下である場合、OSテーブルメモリ(ROM)1133を参照するように指示され、35℃より大きい場合、OSテーブルメモリ(ROM)1134を参照するように指示される。
そして、その指示を受けた強調変換部114Eにより、これから表示するM番目のフレームの入力画像データ(Current Data)と、フレームメモリ115に格納されたM−1番目のフレームの入力画像データ(Previous Data )との比較結果(階調遷移)に対応する(すなわち、その比較結果により指定される)OSパラメータが、前記選択指示されたOSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134のいずれかから読み出され、その読み出されたOSパラメータに基づいて強調変換データが求められ、液晶コントローラ116に与えられる。これにより、入力画像データを動き適応I/P変換処理する場合には、液晶表示パネル117の温度が変化しても、液晶表示パネル117の光学応答特性(温度依存特性を含む)を補償して、残像や尾引きのない高画質の画像表示が行われる。
これに対し、I/P変換方法指定部112kにより、フィールド内内挿処理のみによる変換処理が選択された場合、I/P変換方法指定部112kによりI/P変換部111へ、フィールド内内挿処理のみによる変換処理を示す信号が出力される。この場合には、I/P変換部111は、フィールド内内挿処理のみによる変換処理を行って、擬似的なプログレッシブ信号を生成し、当該信号を強調変換部114Eへ入力する。
またこのとき、上述したように、閾値判別部112aからの温度検出データが15℃以下であるか、15℃より大きく25℃以下であるか、25℃より大きく35℃以下であるか、35℃より大きいかの判別結果に応じて、制御信号出力部112cにより、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合に参照するOSテーブルメモリ(ROM)1135〜1138のいずれかを選択指示するための切換制御信号が出力される。
ここで、温度センサ120からの温度検出データがたとえば15℃以下である場合、OSテーブルメモリ(ROM)1135を参照するように指示され、15℃より大きく25℃以下である場合、OSテーブルメモリ(ROM)1136を参照するように指示され、25℃より大きく35℃以下である場合、OSテーブルメモリ(ROM)1137を参照するように指示され、35℃より大きい場合、OSテーブルメモリ(ROM)1138を参照するように指示される。
そして、その指示を受けた強調変換部114Eにより、これから表示するM番目のフレームの入力画像データ(Current Data)と、フレームメモリ115に格納されたM−1番目のフレームの入力画像データ(Previous Data )との比較結果(階調遷移)に対応する(すなわち、その比較結果により指定される)OSパラメータが、前記選択指示されたOSテーブルメモリ(ROM)1135〜1138のいずれかから読み出され、その読み出されたOSパラメータに基づいて強調変換データが求められ、液晶コントローラ116に与えられる。
ここで、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合には、上述したように、OSテーブルメモリ(ROM)1135〜1138内のOSパラメータが、対応するOSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134内のOSパラメータより小さい値であるため、液晶表示パネル117の温度が変化しても、液晶表示パネル117の光学応答特性(温度依存特性を含む)を補償して、残像や尾引きの発生を抑えつつ、フィールド内内挿処理のみによるI/P変換処理によって発生する不所望な偽信号が強調されることによる画質劣化を抑制して、高画質の画像表示が行われる。
このように、第5の実施形態では、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合に参照する、温度センサ120からの温度検出データに応じた複数のOSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134と、入力画像データがインターレース信号である場合に参照する、温度センサ120からの温度検出データに応じた複数のOSテーブルメモリ(ROM)1135〜1138とを設け、入力画像データに対するI/P変換方法と、温度センサ120からの温度検出データによって得られる装置内温度とに応じて、OSテーブルメモリ(ROM)1131〜1138のいずれかを切り換え参照し、画像データに対する強調変換を行うようにしたので、I/P変換方法及び装置内温度に対応した適切な強調変換処理を画像データに施すことが可能となり、高画質の画像表示を行わせることができる。
〔第6の実施形態〕
図10は入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合とフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合とでOSパラメータを共用した場合の第6の実施形態を示す図、図11は図10の制御CPUの詳細を示す図、図12は図10のOSテーブルメモリ(ROM)を入力画像データに対するI/P変換方法及び装置内温度に応じて切り換え選択する動作を説明するための図である。
図10に示すように、第6の実施形態では、図7に示したOSテーブルメモリ(ROM)1131〜1138のうち、たとえば入力画像データを動き適応I/P変換処理する場合に参照する4個のOSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134を、入力画像データをフィールド内内挿処理のみにより変換処理する場合にも参照できるようにし、I/P変換部111によるI/P変換方法及び温度センサ120による装置内温度に応じて、OSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134のいずれかを切り換え参照し、画像データに対する強調変換処理を行うようにしている。
このように、入力画像データに対するI/P変換方法及び装置内温度の検出データに応じて、参照するOSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134の切り換え制御を行う制御CPU112Fは、図11に示す構成となっている。すなわち、制御CPU112Fは、閾値判別部112a、制御信号出力部112b、演算式格納部112e、演算部112f、I/P変換方法指定部112kを有している。
閾値判別部112aは、演算部112fにより演算が施された温度データと、予め決められた所定の切換温度(閾値温度)Th1,Th2,Th3とを比較する。ここで、Th1,Th2,Th3は、たとえば15℃、25℃、35℃である。制御信号出力部112bは、閾値判別部112aによる比較結果に応じて、強調変換手段としての強調変換部114Fに対しいずれのOSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134を選択して参照させるかを指示するための切換制御信号を生成する。
I/P変換方法指定部112kは、上述した種々の方法で、I/P変換部111へ指示すべきI/P変換方法を決定し、決定されたI/P変換方法を示す信号を出力する。
演算式格納部112eには、入力画像データに対するI/P変換方法毎に決められた所定値を、温度センサ120による温度検出データに対して加減算する等の演算式が格納されている。演算部112fは、I/P変換方法指定部112kにより決定されたI/P変換方法に応じ、演算式格納部112eから読み出された演算式を用いて、温度センサ120による温度検出データに補正演算を施す。
このような構成では、たとえば図12に示すように、入力画像データを動き適応I/P変換処理する場合、温度センサ120で検出された装置内温度が切換温度Th1(=15℃)以下であれば、制御CPU112Fは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)1131を選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)1131に格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
また、温度センサ120で検出された装置内温度が切換温度Th1(=15℃)より大きく且つ切換温度Th2(=25℃)以下であれば、制御CPU112Fは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)1132を選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)1132に格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
さらに、温度センサ120で検出された装置内温度が切換温度Th2(=25℃)より大きく且つ切換温度Th3(=35℃)以下であれば、制御CPU112Fは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)1133を選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)1133に格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
そしてまた、温度センサ120で検出された装置内温度が切換温度Th3(=35℃)より大きければ、制御CPU112Fは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)1134を選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)1134に格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
一方、入力画像データがフィールド内内挿処理のみによる変換処理される場合は、上述したように、インターレース信号を当該I/P変換方法でI/P変換処理する際に画像輪郭部等で生じるちらつきノイズやジャギー等の偽信号が過強調されないように、入力画像データをフィールド内内挿処理のみにより変換処理する場合における画像データの強調変換度合いを、入力画像データを動き適応I/P変換処理する場合より小さくする必要がある。そのため、その強調変換の度合いを補正するために、演算部112fでは演算式格納部112eより読み出された演算式を用いて、温度センサ120による温度検出データに対し所定の演算(ここでは、たとえば5℃分を加算)を施した上で、閾値判別部112aに出力する。なお、ここでの加算は、5℃に限らず、4℃以下又は6℃以上であってもよく、液晶表示パネル117の光学応答特性に応じて任意に設定すればよい。
これによって、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合、温度センサ120で検出された装置内温度が10℃以下であれば、制御CPU112Fは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)1131を選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)1131に格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
また、温度センサ120で検出された装置内温度が10℃より大きく且つ20℃以下であれば、制御CPU112Fは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)1132を選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)1132に格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
さらに、温度センサ120で検出された装置内温度が20℃より大きく且つ30℃以下であれば、制御CPU112Fは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)1133を選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)1133に格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
そしてまた、温度センサ120で検出された装置内温度が30℃より大きければ、制御CPU112Fは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)1134を選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)1134に格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
このように、第6の実施形態では、温度センサ120による温度検出データに所定の演算を施した上で、予め決められた所定の切換温度Th1,Th2,Th3と比較し、OSパラメータを切り換えるための切換制御信号を生成している。すなわち、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合と、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合とで、参照するOSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134を切り換え選択する切換温度(装置内温度)を適宜可変するようにしたので、いずれのI/P変換方法でI/P変換された入力画像データに対しても、OSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134を共用して強調変換処理を施すことが可能であり、入力画像データに対するI/P変換方法毎にOSテーブルメモリ(ROM)を別個に設ける場合に比べ、メモリの記憶容量を抑制することができる。
また、同一温度条件下において、入力画像データがフィールド内内挿処理のみによる変換処理される場合には、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合に用いるOSパラメータより小さい値のOSパラメータを用いて、画像データの強調変換を行うことが可能となるため、フィールド内内挿処理のみによりI/P変換処理する際に画像輪郭部等で生じるちらつきノイズやジャギー等の偽信号が強調されて画質が劣化することを抑制することができる。
なお、各温度範囲に対応した複数のOSパラメータを、それぞれ個別に設けられたOSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134に格納しているが、単一のOSテーブルメモリ(ROM)の異なるテーブル領域に格納しておき、制御CPU112Fからの切換制御信号に応じて、参照するテーブル領域を適応的に切り換えることにより、OSパラメータを切換選択して、強調変換データを求めるように構成してもよいことは言うまでもない。
また、OSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134には、上述したように、表示データ数が8ビットの256階調である場合、256の全ての階調に対するOSパラメータ(実測値)を持っていてもよいが、たとえば図21に示したように、32階調毎の9つの代表階調についての9×9のOSパラメータ(実測値)のみを記憶しておき、その他の階調に対する強調変換データは、上記実測値から線形補完等の演算で求めるように構成することで、OSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134の記憶容量を抑制することができる。
〔第7の実施形態〕
図13は図10の制御CPUとして別の構成を備えた場合の第7の実施形態を示す図である。
第7の実施形態における制御CPU112Gは、図13に示すように、入力画像データに対するI/P変換方法毎に決められた所定の切換温度(閾値温度)のデータが格納されている閾値温度データ格納部112iと、上述した種々の方法で、I/P変換部111へ指示すべきI/P変換方法を決定し、決定されたI/P変換方法を示す信号を出力するI/P変換方法指定部112kと、I/P変換方法指定部112kの決定したI/P変換方法に応じて、閾値温度データ格納部112iから読み出された切換温度Th1,Th2,Th3と、温度センサ120による温度検出データとを比較する閾値判別部112jと、この閾値判別部112jによる比較結果に応じ、強調変換部114Fに対してOSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134のいずれかを選択して参照させるための切換制御信号を生成する制御信号出力部112bとを有している。
このような構成では、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合は、温度センサ120で検出された装置内温度が切換温度Th1(=15℃)以下であれば、制御CPU112Gは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)1131を選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)1131に格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
また、温度センサ120で検出された装置内温度が切換温度Th1(=15℃)より大きく且つ切換温度Th2(=25℃)以下であれば、制御CPU112Gは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)1132を選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)1132に格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
さらに、温度センサ120で検出された装置内温度が切換温度Th2(=25℃)より大きく且つ切換温度Th3(=35℃)以下であれば、制御CPU112Gは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)1133を選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)1133に格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
そしてまた、温度センサ120で検出された装置内温度が切換温度Th3(=35℃)より大きければ、制御CPU112Gは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)1134を選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)1134に格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
一方、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合は、上述したように、インターレース信号をフィールド内内挿処理のみによりI/P変換処理する際に画像輪郭部等で生じるちらつきノイズやジャギー等の偽信号が過強調されないように、同一条件下における画像データの強調変換度合いを、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合より小さくする必要がある。そのため、その強調変換の度合いを補正するために、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合は、閾値判別部112jでは閾値温度データ格納部112iより読み出された切換温度Th’1(<Th1),Th’2(<Th2),Th’3(<Th3)を用いて、温度センサ120による温度検出データの比較判別を行い、その結果を制御信号出力部112bに出力する。
これによって、入力画像データがインターレース信号である場合は、温度センサ120で検出された装置内温度がTh’1(=10℃)以下であれば、制御CPU112Gは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)1131を選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)1131に格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
また、温度センサ120で検出された装置内温度がTh’1(=10℃)より大きく且つ切換温度Th’2(=20℃)以下であれば、制御CPU112Gは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)1132を選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)1132に格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
さらに、温度センサ120で検出された装置内温度がTh’2(=20℃)より大きく且つ切換温度Th’3(=30℃)以下であれば、制御CPU112Gは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)1133を選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)1133に格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
そしてまた、温度センサ120で検出された装置内温度がTh’3(=30℃)より大きければ、制御CPU112Gは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)1134を選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)1134に格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
このように、第7の実施形態では、入力画像データに対するI/P変換方法毎に定められた切換温度(閾値温度)を用いて温度センサ120による温度検出データの比較判別を行うことにより、参照すべきOSテーブルメモリ(ROM)1134を選択させるための切換制御信号を生成している。すなわち、入力画像データを動き適応I/P変換処理する場合と、入力画像データをフィールド内内挿処理のみにより変換処理する場合とで、参照するOSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134を切り換え選択する切換温度(装置内温度)を適宜可変するようにしたので、いずれのI/P変換方法によってI/P変換された入力画像データに対しても、OSテーブルメモリ(ROM)1131〜1134を共用して強調変換処理を施すことが可能であり、入力画像データの信号種別毎にOSテーブルメモリ(ROM)を別個に設ける場合に比べ、メモリの記憶容量を抑制することができる。
また、同一温度条件下において、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合には、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合に用いるOSパラメータより小さい値のOSパラメータを用いて、画像データの強調変換を行うことが可能となるため、インターレース信号をフィールド内内挿処理のみによりI/P変換処理する際に画像輪郭部等で生じるちらつきノイズやジャギー等の偽信号が強調されて画質が劣化することを抑制することができる。
〔第8の実施形態〕
図14は入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合とフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合とで、一部のOSパラメータのみを共用した場合の第8の実施形態を示す図である。
図14に示すように、第8の実施形態では、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合及びフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合のいずれにおいても共用して参照されるOSテーブルメモリ(ROM)113c〜113eに加えて、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合に参照するOSテーブルメモリ(ROM)113aと、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合に参照するOSテーブルメモリ(ROM)113bとを設け、これらOSテーブルメモリ(ROM)113a〜113eを、I/P変換方法毎に定められる切換温度に従って切り換え参照し、画像データに強調変換を施す構成としている。
ここで、それぞれの専用のOSテーブルメモリ(ROM)113a,113bには、たとえば常温より大きい場合において、画像データの強調変換に用いるOSパラメータが格納されている。また、OSテーブルメモリ(ROM)113a〜113eを、I/P変換方法毎に定められる切換温度に従って切り換え参照させる場合、図11(又は図13)で説明した制御CPU112F(又は112G)からの切換制御信号によって行わせることができる。
このような構成では、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合、温度センサ120で検出された装置内温度が15℃以下であれば、制御CPU112Fは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)113cを選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)113cに格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
また、温度センサ120で検出された装置内温度が15℃より大きく且つ25℃以下であれば、制御CPU112Fは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)113dを選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)113dに格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
さらに、温度センサ120で検出された装置内温度が25℃より大きく且つ35℃以下であれば、制御CPU112Fは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)113eを選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)113eに格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
そしてまた、温度センサ120で検出された装置内温度が35℃より大きければ、制御CPU112Fは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)113aを選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)113aに格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
一方、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合は、温度センサ120で検出された装置内温度が10℃以下であれば、制御CPU112Fは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)113cを選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)113cに格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
また、温度センサ120で検出された装置内温度が10℃より大きく且つ20℃以下であれば、制御CPU112Fは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)113dを選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)113dに格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
さらに、温度センサ120で検出された装置内温度が20℃より大きく且つ30℃以下であれば、制御CPU112Fは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)113eを選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)113eに格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
そしてまた、温度センサ120で検出された装置内温度が30℃より大きければ、制御CPU112Fは強調変換部114Fに対し、OSテーブルメモリ(ROM)113bを選択して参照するように指示する。これによって、強調変換部114FはOSテーブルメモリ(ROM)113bに格納されているOSパラメータを用いて、入力画像データの強調変換処理を行う。
このように、第8の実施形態では、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合及びフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合のそれぞれに対して共用するOSテーブルメモリ(ROM)113c〜113eに加えて、入力画像データが動き適応I/P変換処理される場合に参照する専用のOSテーブルメモリ(ROM)113aと、入力画像データがフィールド内内挿処理のみにより変換処理される場合に参照する専用のOSテーブルメモリ(ROM)113bとを設け、これらOSテーブルメモリ(ROM)113a〜113eを、I/P変換方法毎に定められる切換温度(装置内温度)に応じて切り換え参照し、画像データに対する強調変換を行う構成としたので、OSテーブルメモリ(ROM)113c〜113eを共用して適切な強調変換処理を施すことが可能となる。
なお、各信号種別及び各温度範囲に対応した複数のOSパラメータを、それぞれ個別に設けられたOSテーブルメモリ(ROM)113a〜113eに格納しているが、単一のOSテーブルメモリ(ROM)の異なるテーブル領域に格納しておき、制御CPU112F(又は112G)からの切換制御信号に応じて、参照するテーブル領域を適応的に切り換えることにより、強調変換パラメータを切換選択して、強調変換データを求めるように構成してもよい。
また、OSテーブルメモリ(ROM)113a〜113eには、上述したように、表示データ数が8ビットの256階調である場合、256の全ての階調に対するOSパラメータ(実測値)を持っていてもよいが、たとえば図21に示したように、32階調毎の9つの代表階調についての9×9のOSパラメータ(実測値)のみを記憶しておき、その他の階調に対する強調変換データは、上記実測値から線形補完等の演算で求めるように構成することで、OSテーブルメモリ(ROM)113a〜113eの記憶容量を抑制することができる。
〔第9の実施形態〕
本発明の他の実施形態について図15乃至図22に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、本実施形態に係る画像表示装置(表示装置)は、複数の変換方法でインタレース/プログレッシブ変換(順次走査変換)できるにも拘わらず、何れの方法で変換している場合であっても、常時、適切な程度に、画素への映像信号の階調遷移を強調でき、画素の応答速度向上と映像の品質の向上との双方を実現可能な画像表示装置である。
図16に示すように、上記画像表示装置1のパネル11は、マトリクス状に配された画素PIX(1,1) 〜PIX(n,m) を有する画素アレイ2と、画素アレイ2のデータ信号線SL1〜SLnを駆動するデータ信号線駆動回路3と、画素アレイ2の走査信号線GL1〜GLmを駆動する走査信号線駆動回路4とを備えている。また、画像表示装置1には、両駆動回路3・4へ制御信号を供給する制御回路12と、上記各画素PIX(1,1) 〜PIX(n,m) における階調遷移を強調するように、上記制御回路12へ与える映像信号を変調すると共に、インタレース信号を表示する場合は、インタレース信号をプログレッシブ信号に変換する信号処理部21とが設けられている。尚、これらの回路は、電源回路13からの電力供給によって動作している。
以下では、信号処理部21の詳細構成について説明する前に、画像表示装置1全体の概略構成および動作を説明する。また、説明の便宜上、例えば、i番目のデータ信号線SLiのように、位置を特定する必要がある場合にのみ、位置を示す数字または英字を付して参照し、位置を特定する必要がない場合や総称する場合には、位置を示す文字を省略して参照する。
上記画素アレイ2は、複数(この場合は、n本)のデータ信号線SL1〜SLnと、各データ信号線SL1〜SLnに、それぞれ交差する複数(この場合は、m本)の走査信号線GL1〜GLmとを備えており、1からnまでの任意の整数をi、1からmまでの任意の整数をjとすると、データ信号線SLiおよび走査信号線GLjの組み合わせ毎に、画素PIX(i,j) が設けられている。尚、本実施形態の場合、各画素PIX(i,j) は、隣接する2本のデータ信号線SL(i-1) ・SLiと、隣接する2本の走査信号線GL(j-1) ・GLjとで囲まれた部分に配されている。
一例として、画像表示装置1がTFT(Thin Film Transistor)の液晶表示装置の場合について説明すると、上記画素PIX(i,j) は、例えば、図17に示すように、スイッチング素子として、ゲートが走査信号線GLjへ、ドレインがデータ信号線SLiに接続された電界効果トランジスタSW(i,j) と、当該電界効果トランジスタSW(i,j) のソースに、一方電極が接続された画素容量Cp(i,j) とを備えている。また、画素容量Cp(i,j) の他端は、全画素PIX…に共通の共通電極線に接続されている。上記画素容量Cp(i,j) は、液晶容量CL(i,j) と、必要に応じて付加される補助容量Cs(i,j) とから構成されている。
上記画素PIX(i,j) において、走査信号線GLjが選択されると、電界効果トランジスタSW(i,j) が導通し、データ信号線SLiに印加された電圧が画素容量Cp(i,j) へ印加される。一方、当該走査信号線GLjの選択期間が終了して、電界効果トランジスタSW(i,j) が遮断されている間、画素容量Cp(i,j) は、遮断時の電圧を保持し続ける。ここで、液晶の透過率あるいは反射率は、液晶容量CL(i,j) に印加される電圧によって変化する。したがって、走査信号線GLjを選択すると共に、当該画素PIX(i,j) への映像データに応じた電圧をデータ信号線SLiへ印加すれば、当該画素PIX(i,j) の表示状態を、映像データに合わせて変化させることができる。
本実施形態に係る上記液晶表示装置は、液晶セルとして、垂直配向モードの液晶セル、すなわち、電圧無印加時には、液晶分子が基板に対して略垂直に配向し、画素PIX(i,x) の液晶容量CL(i,j) への印加電圧に応じて、液晶分子が垂直配向状態から傾斜する液晶セルを採用しており、当該液晶セルをノーマリブラックモード(電圧無印加時には、黒表示となるモード)で使用している。
また、上記画素PIXが液晶表示素子か否かに拘わらず、図16に示す走査信号線駆動回路4は、各走査信号線GL1〜GLmへ、例えば、電圧信号など、選択期間か否かを示す信号を出力している。また、走査信号線駆動回路4は、選択期間を示す信号を出力する走査信号線GLjを、例えば、制御回路12から与えられるクロック信号GCKやスタートパルス信号GSPなどのタイミング信号に基づいて変更している。これにより、走査信号線駆動回路4は、各走査信号線GL1〜GLmを、予め定められたタイミングで順次選択できる。
さらに、データ信号線駆動回路3は、映像信号として、時分割で入力される各画素PIX…への映像データを、所定のタイミングでサンプリングすることで、それぞれ抽出する。さらに、データ信号線駆動回路3は、走査信号線駆動回路4が選択中の走査信号線GLjに対応する各画素PIX(1,j) 〜PIX(n,j) へ、各データ信号線SL1〜SLnを介して、それぞれへの映像データに応じた出力信号を出力する。
尚、データ信号線駆動回路3は、制御回路12から入力される、クロック信号SCKおよびスタートパルス信号SSPなどのタイミング信号に基づいて、上記サンプリングタイミングや出力信号の出力タイミングを決定している。
一方、各画素PIX(1,j) 〜PIX(n,j) は、自らに対応する走査信号線GLjが選択されている間に、自らに対応するデータ信号線SL1〜SLnに与えられた出力信号に応じて、発光する際の輝度や透過率などを調整して、自らの明るさを決定する。
ここで、走査信号線駆動回路4は、走査信号線GL1〜GLmを順次選択している。したがって、画素アレイ2の全画素PIX(1,1) 〜PIX(n,m) を、それぞれへの映像データが示す明るさに設定でき、画素アレイ2へ表示される画像を更新できる。
本実施形態に係る画像表示装置1は、映像信号源S0がインタレースの映像信号DATIを出力する場合、プログレッシブ信号に変換した後で表示できるように構成されており、この場合、映像信号源S0から信号処理部21へ与えられる映像信号DATIは、1フレームを複数のフィールド(例えば、2フィールド)に分割すると共に、当該フィールド単位で伝送される。
より詳細には、映像信号源S0は、映像信号線VLを介して、画像表示装置1の信号処理部21に映像信号DATIを伝送する際、あるフィールドF(k) 用の映像データを全て伝送した後に、次のフィールドF(k+1) 用の映像データを伝送するなどして、各フィールド用の映像データを時分割伝送できる。
また、上記フィールドは、複数の水平ラインから構成されており、映像信号源S0は、上記映像信号線VLを介して、例えば、あるフィールドF(k) において、ある水平ラインL(j) 用の映像データDI(1,j,k) 〜DI(n,j,k) 全てを伝送した後に、次に伝送する水平ライン(例えば、L(j+2) )用の映像データDI(1,j+2,k) 〜DI(n,j+2,k) を伝送するなどして、各水平ライン用の映像データを時分割伝送できる。尚、以下では、例えば、あるフィールドF(k) における、ある水平ラインL(j) 用の映像データDIの全てを、DI(*,j,k) として参照するように、全て示す場合は、”*”によって参照する。
本実施形態では、2フィールドから1フレームを構成しており、偶数フィールドでは、1フレームを構成する各水平ラインのうち、偶数行目の水平ラインの映像データが伝送される。また、奇数フィールドでは、各フレームにおける奇数行目の水平ラインの映像データが伝送される。
さらに、上記映像信号源S0は、1水平ライン分の映像データDI(*,j,k) を伝送する際も上記映像信号線VLを時分割駆動しており、予め定められた順番で、各映像データを順次伝送できる。
一方、本実施形態に係る信号処理部21は、図15に示すように、入力端子T1から入力されるインタレースの映像信号DATIを、プログレッシブの映像信号DATへ変換するインタレース/プログレッシブ変換処理部(I/P変換処理部)31、当該I/P変換処理部31から出力される映像信号DATのうち、1フレーム分の映像データD(*,*,k) を1フレーム期間保持するフレームメモリ32、並びに、上記映像信号DATPのうち、現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) と、当該映像データD(i,j,k) と同じ画素PIX(i,j) へ供給すべき映像データであって、しかも、上記フレームメモリ32から読み出した前フレームFR(k-1) の映像データD(i,j,k-1) とに基づいて、両者間の階調遷移を強調するように、現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) を変調し、変調後の補正映像データD2(i,j,k) を出力する変調処理部33を備えている。各画素PIX(i,j) への補正映像データD2(i,j,k) は、補正映像信号DAT2として、図16に示す制御回路12へ与えられ、制御回路12およびデータ信号線駆動回路3は、当該補正映像信号DAT2に基づいて、各画素PIX(i,j) を駆動する。
上記構成において、変調処理部33は、前フレームFR(k-1) から現フレームFR(k) への階調遷移を強調するように、現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) を変調している。
例えば、前フレームFR(k-1) から現フレームFR(k) への階調遷移がライズ駆動の場合、前回から今回への階調遷移を強調するように、すなわち、現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) よりも高い階調を示すように、現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) を変調し、制御回路12およびデータ信号線駆動回路3は、変調後の補正映像データD2(i,j,k) に基づいて、画素PIX(i,j) を駆動する。例えば、画素PIX(i,j) が電圧信号によって駆動される場合、データ信号線駆動回路3は、図18に示すように、現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) が示す電圧レベルV(i,j,k) よりも高いレベルの電圧V2(i,j,k) を画素PIX(i,j) へ印加する。
したがって、画素PIX(i,j) の輝度レベルT2は、階調遷移を強調せず、電圧V(i,j,k) を印加した場合の輝度レベルTと比較して、より急峻に増大し、より短い期間で、上記現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) に応じた輝度レベル近傍に到達する。
これとは逆に、階調遷移がディケイ駆動の場合、変調処理部33は、現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) よりも低い階調を示すように、現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) を変調し、制御回路12およびデータ信号線駆動回路3は、変調後の補正映像データD2(i,j,k) に基づいて、画素PIX(i,j) を駆動する。これにより、画素PIX(i,j) の輝度レベルは、より急峻に低下し、より短い期間で、上記現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) に応じた輝度レベル近傍に到達する。
例えば、図18の例では、階調遷移を強調していない場合、画素PIX(i,j) の輝度レベルは、前フレームFR(k-1) において指示された輝度レベル(D(i,j,k-1) に対応する輝度レベルT0(i,j,k) )から、現フレームFR(k) において指示された輝度レベル(D(i,j,k) に対応する輝度レベルT0(i,j,k) )へと、1フレーム期間以内には変化できていないのに対して、階調遷移の強調によって、輝度レベルが1フレーム期間以内に指示された輝度レベルへと変化している。
これらの結果、階調が遷移するとき、現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) に基づいて、画素PIX(i,j) を駆動する構成と比較して、画像表示装置1の応答速度を向上できる。これにより、当該画像表示装置1の光学応答特性を補償でき、残像や尾引きのない高品質な映像を画素アレイ2に表示できる。
さらに、本実施形態に係る信号処理部21では、I/P変換処理部31が複数種類の変換方法でI/P変換できるように構成されており、信号処理部21は、当該I/P変換処理部31が現在選択されている変換方法に連動して、上記変調処理部33による階調遷移強調の程度を変更する制御部34を備えている。
したがって、画像表示装置1は、例えば、映像信号源S0からの映像信号の種類やS/N比、ユーザの好み、あるいは、要求される画質などに応じて、自動或いはユーザ手動により適切な変換方法を選択できる。ユーザ手動により適切な変換方法を選択することは、S/N比が悪い映像信号に対する映像処理によって、表示映像にノイズが目立つとユーザが目視により判断して、ユーザが後述の、両I/P変換処理部41・42の一方から他方への切替選択可能に構成することを含む。I/P変換処理部41は、動き適応I/P変換方法を具現化するものである。I/P変換処理部42は、フィールド内内挿処理のみによる変換を具現化するものである。
さらに、上記構成では、制御部34がI/P変換処理部31の変換方法に連動させて、上記変調処理部33による階調遷移強調の程度を変更するので、変調処理部33は、I/P変換処理部31によるI/P変換方法が、何れの変換方法であっても、常時、適切な程度で階調遷移を強調できる。この結果、画素の応答速度向上と、画素アレイ2に表示される映像の品質の向上との双方を実現できる。
より詳細に説明すると、上記制御部34は、例えば、ユーザの指示に応じて決定したり、現在入力されているインタレースの映像信号に基づいて予め定められた方法で決定したりして、I/P変換方法を決定し、I/P変換処理部31へ指示すると共に、当該I/P変換方法に応じた階調遷移強調の程度を、変調処理部33へ指示する。
尚、制御部34は、ユーザの指示として、例えば、I/P変換方法自体の設定指示を受け付けてもよいし、例えば、入力映像ソースの選択指示、映像表示モードの設定指示など、上記I/P変換方法との関連が予め設定された各設定指示を受け付け、当該設定指示に応じてI/P変換方法を設定することもできる。
また、制御部34は、例えば、インタレースの入力映像信号のS/N比の評価方法を予め定め、各評価結果に対応するI/P変換方法を記憶したり、インタレースの入力映像信号のS/N比と、それぞれに対応するI/P変換方法とを対応つけて記憶しておくなどして、現在入力されているインタレースの映像信号のS/N比の高低に応じて、何れかのI/P変換方法を選択してもよい。I/P変換方法の決定方法および上記評価方法としては、例えば、映像信号から、公知のノイズ検出方法に基づいてノイズ量を検出してS/N比を検出し、そのS/N比を予め設定したしきい値と比較して評価し、比較結果に応じて、I/P変換方法を自動決定する方法などが挙げられる。
また、現在入力されているインタレースの映像信号に含まれる動き量の大小に応じて、何れかのI/P変換方法を選択してもよい。上記動き量の大小の判定は、実際に映像が動いているのか静止しているのかを1画面内で画素ごとに検出して判定するものである。その検出方法にはさまざまな手法が存在するが、最も基本的には、時間的に互いに隣り合う少なくとも2つの各フィールドの同一画素に対応する映像データを用いて、それらの間の各輝度間における差分を動きの大きさと考え、差分がある一定のしきい値よりも大きければ動画つまり動き量が大と判定する。
一方、I/P変換処理部31は、例えば、図15に示す構成では、互いに異なる変換方法で、I/P変換する第1および第2のI/P変換処理部41・42と、上記制御部34の指示に基づいて、当該両I/P変換処理部41・42の一方を選択して出力するセレクタ43とを備えており、I/P変換処理部31は、制御部34の指示した変換方法でI/P変換できる。
例えば、インタレースの映像信号として、NTSC(National Television System Committee)放送方式の映像信号が入力される場合、I/P変換処理部31は、60フィールド/秒(30フレーム/秒)の映像信号DATIから、60フレーム/秒のプログレッシブの映像信号DATを生成する。
本実施形態に係る第1のI/P変換処理部41は、フィールド間補間などと称される変換方法で、I/P変換するもの(動き適応I/P変換)であって、入力端子T1から入力されるインタレースの映像信号DATIから、各フィールドの映像データを抽出し、各フィールド間の相関を判定すると共に、相関の程度が予め定められた範囲の場合に、各フィールドの映像の間の動きを補償するようにして、プログレッシブの映像信号を生成できるものである。
当該変換方法では、複数フィールドの映像データに基づいて、プログレッシブの映像信号を生成するので、相関の判定および動き補償を正しく行うことができた場合は、映像信号の実質的な解像度を向上させることができ、相関の判定および動き補償を行わない場合よりも、高品質な映像、特に自然な動きの再現可能な動画を画素アレイ2へ表示させることができる。
一方、第2のI/P変換処理部42は、例えば、擬似I/P変換あるいはラインダブリングなどと称される変換方法で、I/P変換するものである。擬似I/P変換あるいはラインダブリングなどと称される変換方法は、入力端子T1から入力されるインタレースの映像信号DATIから、各フィールドの映像データを抽出し、例えば、現在のフィールドに含まれる、ある水平ラインL(j) の映像データDI(*,j,k) を、フレームにおける次の水平ラインL(j+1) の映像データDI(*,j+1,k) として出力したり、現在のフィールドに含まれる、2つの水平ラインL(j) ・L(j+2) の映像データ(例えば、DI(i,j,k) およびDI(i,j+2,k) )を平均して、フレームにおける、上記両水平ラインの間の水平ラインL(j+1) の映像データ(例えば、DI(i,j+1,k) ={DI(i,j,k) −DI(i,j+2,k) }/2+DI(i,j+2,k) )を生成したり、フィールド内データに重みを付けて平均したりして、I/P変換するものである。上記I/P変換は、フィールド内内挿処理のみによる変換(1画面を構成する全ての画素(ピクセル)をフィールド内内挿処理)と呼ばれ、静止画の場合には垂直解像度を向上できる。
ここで、上記第1のI/P変換処理部41は、上述したように、相関の判定および動き補償を用いた走査線補間を行っており、これらを正しく行うことができれば、高品質な映像を表示できる一方で、相関の判定を誤ったり、動きを誤ったりして補償してしまうと、高周波ノイズなどが目立つ虞れがある。
これに対して、第2のI/P変換処理部42は、フィールド間の相関の判定および動きの補償を行わず、フィールド内データの複写、平均あるいは重みを付けた平均によってプログレッシブの映像信号DATを生成するので、その結果、空間解像度が低下し、上述の高周波ノイズが目立たない映像を表示することが可能となるが、静止画像の輪郭部などで元の映像信号DATIには存在しない不所望な階調(輝度)変化(遷移)が1フレーム毎に発生し、これがちらつき(フリッカ)として表示品位を低下させることとなる。
したがって、第1のI/P変換処理部41によりI/P変換すると、高周波ノイズが目立つような場合には、第2のI/P変換処理部42によりI/P変換することによって、第1のI/P変換処理部41よりも高周波ノイズが目立たない映像を画素アレイ2へ表示させることができる。
ただし、第2のI/P変換処理部42は、現在のフィールドの映像データDI(*,*,k) のみに基づいて、1フレーム分の映像データD(*,*,k)を生成しているため、第1のI/P変換処理部41によってプログレッシブの映像信号を生成する構成と比較して、現フィールドに含まれない、画素PIXへの映像信号を正しく生成することが難しく、画像輪郭部でのちらつき(フリッカ)が発生する可能性が高い。また、例えば、静止画を表示する場合のように、インタレースの映像信号DATIにおいて、前フレームと現フレームとの間で、互いに同一の画素PIXに対応する映像データ同士を比較したときに殆ど差がない場合であっても、当該画素PIXへ指示する階調において、不所望な階調遷移の往復変動が発生し、当該階調遷移が画像表示装置1のユーザにフリッカとして視認される虞れがある。
以下では、一例として、単に複写する構成について説明する。すなわち、図19に示す例では、ある階調(例えば、196)の背景に、他の階調(例えば、64)の箱が表示されている。この場合は、箱の上端付近における領域Aのように、水平ラインに沿ったエッジ付近の領域では、奇数フィールドと偶数フィールドから構成される1フレーム全体でみると、図中、A0に示すように、ある水平ライン(例えば、j行目)を境に、それより上の水平ラインの階調(196)は、196階調、当該水平ライン、および、それより下の水平ラインの階調(64)と異なっている。
ただし、映像信号DATIは、インタレース信号なので、上記1フレームの映像データは、偶数フィールドと奇数フィールドとに分けて伝送されている。ここで、上記j行目が奇数行目とすると、奇数フィールドF(k) では、上記A0に示す各水平ラインのうち、j−2行目、j行目、j+2行目…が伝送され、第2のI/P変換処理部42は、これらの水平ラインの映像データに基づいて、水平ライン間を補間し、図中A1に示すように、j−1行目、j+1行目を生成する。
尚、図では、補間によって、基準となる水平ライン(j−2行目など)と同じ階調の水平ライン(j−1行目など)を生成する場合を示している。一方、偶数フィールドF(k+1) では、上記A0に示す各水平ラインのうち、j−1行目、j+1行目…が伝送され、第2のI/P変換処理部42は、図中A2に示すように、これらの水平ライン間の補間によって、j行目、j+2行目…を生成する。
上述したように、j行目は、境界線なので、インタレースの映像信号DATIのフレーム単位で見ると、一定の階調(64)であるにも拘わらず、各フィールド間における補間の基準となる水平ラインの変化によって、フィールド単位で見ると、本来の階調(64)と、他の階調(196)との間の往復応答が発生して、この水平ラインL(j) の画素PIX(i,j) への映像データD(i,j,*) の示す階調は、プログレッシブの映像信号DATのフレーム毎に、増加(ライズ)および減少(ディケイ)を繰り返す。
尚、上記では、フィールド内データを複写して1フレーム分の画像を生成する構成で、しかも、箱が表示される場合を例にして説明したが、これに限るものではなく、第2のI/P変換処理部42のように、フィールド内の映像データのみで補間を行った場合は、本来は静止している輪郭位置がフィールド毎に変化してしまうことになり、ちらつきノイズ(偽信号)が発生したり、斜め線がギザギザのジャギー(明暗段差)となったりして現れる。
この本来は静止している輪郭位置でのちらつきを、動画像による階調遷移と見なして階調遷移を強調すると、このちらつきがユーザの目に目立つこととなり、画像表示装置の表示品質を大幅に低下させる。
このように、第2のI/P変換処理部42によるI/P変換の結果、プログレッシブの映像信号DATにおいて、フレーム毎の階調の増加(ライズ)および減少(ディケイ)の繰り返しが、第1のI/P変換処理部41によるI/P変換の場合よりも発生しやすくなっているにも拘わらず、上記変調処理部33が、第1のI/P変換処理部41の場合と同程度に階調遷移を強調すると、階調遷移の強調し過ぎに起因する表示品質の低下を招きやすい。
これに対して、本実施形態に係る制御部34は、第2のI/P変換処理部42がプログレッシブの映像信号DATを生成する場合は、第1のI/P変換処理部41の場合よりも階調遷移強調の程度が弱くなるように、変調処理部33を制御する。すなわち、本実施形態に係る変調処理部33は、第2のI/P変換処理部42がプログレッシブの映像信号DATを生成している場合、第1のI/P変換処理部41の場合よりも弱い程度に階調遷移を強調する。したがって、静止画像の輪郭部において発生するちらつきの強調し過ぎに起因する表示品質の低下の発生を抑制し、より高品質な映像を画素アレイ2へ表示させることができる。
特に、第1のI/P変換処理部41が充分に高いS/N比の映像信号を動き適応I/P変換処理によってI/P変換する場合には、液晶画素が所定期間内において入力画像データの定める透過率となるように、画像データの強調変換を行うことによって、残像や尾引きが発生しない高画質の画像表示を行うことができる。一方、第2のI/P変換処理部42がフィールド内内挿処理のみによる変換処理によりI/P変換する場合には、強調変換度合いをより小さくすることによって、当該I/P変換処理によって表示画像の輪郭部等に発生する不所望なちらつきノイズやジャギー等の過強調による画質劣化を防止しつつ、画素の光学応答特性(温度依存特性を含む)を補償して、残像や尾引きのない高品位な画像表示を行うことができる。
以下では、図20を参照しながら、変調処理部33の構成例について説明する。すなわち、図20に示す変調処理部33は、I/P変換処理部31から出力される現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) と、フレームメモリ32から出力される前フレームFR(k-1) の映像データD(i,j,k-1) とに基づいて、階調遷移強調の程度が予め定められた程度の場合に、適切と定められた階調遷移の補正量Q(i,j,k) を決定する補正量演算部51、並びに、制御部34から指示された階調遷移強調の程度に応じて調整された補正量Q2(i,j,k) を、上記現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) へ加算した結果を算出し、算出結果を、補正映像データD2(i,j,k) として出力する補正映像データ演算部52を備えている。
本実施形態に係る補正量演算部51は、例えば、第1のI/P変換処理部41がプログレッシブの映像信号DATを出力する場合に適切と定められた階調遷移強調の程度を、上記予め定められた階調遷移強調の程度としており、前フレームFR(k-1) の映像データD(i,j,k) と、現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) との組み合わせ、それぞれについて、当該組み合わせが変調処理部33へ入力され、しかも、第1のI/P変換処理部41がプログレッシブの映像信号DATを出力する場合に、変調処理部33が出力すべき補正映像データD2(i,j,k) が格納されたルックアップテーブル(LUT:Look Up Table )61を備えている。
尚、上記補正映像データD2(i,j,k) としては、好ましくは、画素アレイ2が予め定められた期間内に、現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) によって定められる階調輝度(透過率)となるような値に設定され、例えば、画像表示装置1(画素アレイ2)の光学応答特性を実測することにより求められる。なお、上記予め定められた期間としては、例えば、1フレーム画像の表示期間(画素書き換え周期)が挙げられる。より詳細には、通常のホールド型表示の場合、1フレーム期間(たとえば60Hzのプログレッシブスキャンの場合は16.7msec)であり、たとえば1フレーム期間の50%の期間に黒表示を行う擬似インパルス型表示とした場合には、画像表示期間は1/2フレーム期間(たとえば60Hzのプログレッシブスキャンの場合は8.3msec)となる。
ここで、上記LUT61は、上記両映像データD(i,j,k) ・D(i,j,k-1) として取り得る全ての階調同士の組み合わせに対応する補正映像データD2(i,j,k) を記憶してもよいが、本実施形態では、LUT61に必要な記憶容量を削減するために、上記LUT61が記憶している補正映像データD2に対応する上記組み合わせは、全ての階調同士の組み合わせではなく、予め定められた組み合わせに制限されており、補正量演算部51には、LUT61に記憶された各組み合わせに対応する補正映像データD2(i,j,k) を補間して、上記両映像データD(i,j,k) およびD(i,j,k-1) の組み合わせに対応する補正映像データD2(i,j,k) を算出して出力する演算回路62が設けられている。
例えば、映像データDのビット幅が8ビットであり、映像データDとして256階調が入力される可能性がある場合、図21に示すように、LUT61が、32階調毎の9つの代表階調同士の組み合わせに対応する補正映像データD2(i,j,k) を記憶しておき、その他の階調に対応する補正映像データD2(i,j,k) については、演算回路62が、LUT61に格納された補正映像データD2(i,j,k) から、例えば、線形補間などの補間演算を行うことによって求めることができる。
さらに、補正量演算部51は、上記両映像データD(i,j,k) およびD(i,j,k-1) の組み合わせに対応する補正映像データD2(i,j,k) から、現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) を減算して、補正量Q(i,j,k) を算出する減算器63を備えている。
一方、本実施形態では、制御部34は、階調遷移強調の程度として、補正量Q(i,j,k) へ乗算すべき乗算係数αを指示しており、補正映像データ演算部52は、補正量Q(i,j,k) に乗算係数αを乗算して、上記補正量Q2(i,j,k) を算出する乗算器71と、現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) に乗算結果を加算して、補正映像データD2(i,j,k) を算出する加算器72とを備えている。ここで、乗算係数αとしては、画素アレイ2の光学応答特性の実測値から予め求めた値が使用される。
尚、上述したように、LUT61には、第1のI/P変換処理部41がプログレッシブの映像信号DATを出力する場合に適切な補正映像データD2(i,j,k) が格納されているので、制御部34は、第1のI/P変換処理部41が選択されている場合は、乗算係数α=1を指示し、第2のI/P変換処理部42が選択されている場合は、乗算係数αとして、1より小さい値を指示する。
上記構成では、第1のI/P変換処理部41が選択されている場合と、第2のI/P変換処理部42が選択されている場合との双方で、補正量Qを求めるためのLUT61が共用されており、補正映像データ演算部52が制御部34の指示に応じて補正量Qを調整することによって、階調遷移強調の程度を変更している。したがって、それぞれ別個にLUT61を設ける構成よりも、LUT61を実現するための回路規模を縮小できる。
尚、一般に、少ない演算量で算出可能な式では、前フレームFR(k-1) の映像データD(i,j,k-1) と現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) とから、それらに補正映像データD2(i,j,k) を高精度に近似できない場合が多いが、本実施形態では、LUT61を参照して、補正映像データD2(i,j,k) を求めているので、この場合でも、比較的小規模の回路で、補正映像データD2を求めることができる。さらに、この場合であっても、第1のI/P変換処理部41が選択された場合に適切な補正映像データD2と、第2のI/P変換処理部42が選択された場合に適切な補正映像データD2とは、互いにある程度相関していることが多いので、制御部34の指示に応じて補正量Qを調整することによって、比較的小規模な回路で、比較的高精度に補正映像データD2を求めることができる。
尚、図20に示す補正量演算部51では、階調遷移強調の程度が予め定められた程度の場合に適切と定められた補正映像データD2(i,j,k) が、LUT61に格納されており、減算器63が、上記両映像データD(i,j,k) およびD(i,j,k-1) の組み合わせに対応する補正映像データD2(i,j,k) から、現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) を減算することによって、補正量Q(i,j,k) を算出しているが、これに限るものではなく、例えば、減算器63を省略し、代わりに、上記両映像データD(i,j,k) およびD(i,j,k-1) の組み合わせに対応する補正量Q(i,j,k) をLUT61に格納してもよい。何れの場合であっても、補正量Q(i,j,k) を出力できれば、同様の効果が得られる。
また、図20に示す構成では、予め決められた乗算係数αの乗算によって補正量Qを調整しているが、これに限るものではなく、他の演算によって、補正量Qを調整してもよい。ただし、乗算によって補正量Qを調整することによって、比較的小規模な回路で、比較的高精度に補正量Qを調整できる。
さらに、乗算以外の演算として、補正量Qを用いず補正映像データD2を変更することによって補正量を変更可能な演算(例えば、加算など)を用いて補正量Qを調整する場合は、例えば、減算器63および加算器72を削除するなどして、LUT61に格納された補正映像データD2を変更して、補正量を調整してもよい。ただし、適切な調整量は、補正量Qに応じて変換することが多いので、図20に示すように補正量Qを求め、当該補正量Qを調整した方が、比較的小規模な回路で、比較的高精度に補正量Qを調整できる。
一方、図22に示すように、他の構成例に係る変調処理部33aは、第1および第2のI/P変換処理部41・42の何れが選択されるかに応じて、補正映像データD2(i,j,k) を算出する際に参照するLUTを切り換える構成である。
より詳細には、当該変調処理部33aは、第1および第2のI/P変換処理部41・42のそれぞれに対応して、上記両映像データD(i,j,k-1) ・D(i,j,k) の各組み合わせが変調処理部33へ入力された場合に変調処理部33aが出力すべき補正映像データD2(i,j,k) が格納されたLUT81・82と、当該LUT81・82のうち、図15に示す制御部34によって指示された方を参照して、補正映像データD2(i,j,k) を求める演算回路83とを備えている。
上記LUT61と同様に、本構成例に係るLUT81・82の記憶している補正映像データD2に対応する上記組み合わせも、予め定められた組み合わせに制限されており、演算回路83は、LUT81または82に記憶された各組み合わせに対応する補正映像データD2(i,j,k) を補間して、上記両映像データD(i,j,k) およびD(i,j,k-1) の組み合わせに対応する補正映像データD2(i,j,k) を算出して出力している。
また、この構成では、制御部34は、LUT81・82の何れを選択するかを指示することによって、変調処理部33aへ階調遷移強調の程度を指示しており、I/P変換処理部31において、第1のI/P変換処理部41が選択される場合、制御部34は、LUT81の選択を指示する。一方、第2のI/P変換処理部42の場合は、制御部34は、LUT82の選択を指示する。ここで、LUT82には、LUT81よりも弱い程度に階調遷移の強調された補正映像データD2が記憶されている。したがって、変調処理部33aは、第1のI/P変換処理部41の場合よりも弱い程度に階調遷移を強調できる。
当該構成でも、図20に示す構成と同様に、I/P変換処理部31におけるI/P変換方法に応じて、変調処理部33aにおける階調遷移強調の程度が変更されるので、画素の応答速度向上と、画素アレイ2に表示される映像の品質の向上との双方を実現できる。
また、図20に示す構成とは異なり、I/P変換処理部31におけるI/P変換方法に応じて、演算回路83の参照するLUT(81、82)が切り換えられるので、各I/P変換方法の場合に適切な補正映像データD2同士の相関が低く、図20の構成、すなわち、あるI/P変換方法に適した補正量Qを調整して、他のI/P変換方法に適した補正映像データD2を算出する構成では、算出した値と、最適な補正映像データD2との間の誤差が大きくなる場合であっても、高精度に、補正映像データD2を求めることができる。
尚、上記では、信号処理部21へインタレースの映像信号が入力された場合を例にして説明したが、本実施形態に係る信号処理部21は、プログレッシブの映像信号の入力も受け付け可能に構成されており、信号処理部21は、プログレッシブの映像信号が入力された場合、当該映像信号を、上述の映像信号DATとして、フレームメモリ32および変調処理部33へ入力する。
この場合、制御部34は、第1のI/P変換処理部41が選択された場合と同様の階調遷移強調の程度を変調処理部(33・33a)へ指示してもよいが、より高品質な映像の表示が求められる場合には、I/P変換処理部31がI/P変換するときとは異なる階調遷移強調の程度を変調処理部へ指示する方が望ましい。
具体的には、プログレッシブの映像信号が入力される場合も、I/P変換処理部31において、あるI/P変換方法が選択された場合と同様に扱い、例えば、変調処理部にプログレッシブ用のLUTを設けて、制御部34が当該LUTの選択を指示したり、制御部34がプログレッシブ用の乗算係数を指示したりして、階調遷移強調の程度を変更する。
ここで、一般には、プログレッシブの映像信号が入力された場合、インタレースの映像信号が入力された場合よりも、I/P変換に起因する不所望な階調遷移が発生しない。したがって、インタレースの映像信号が入力された場合は、プログレッシブの映像信号が入力された場合よりも、階調遷移強調の程度を弱く設定することによって、画素アレイ2に表示される映像の品質を落とすことなく、光学応答速度を向上できる。
これにより、I/P変換の有無およびI/P変換方法に応じて階調遷移強調の程度を変更でき、プログレッシブの映像信号が入力された場合であっても、I/P変換方法の何れが選択された場合であっても、常に、高品質な映像を画素アレイ2へ表示させることができる。
〔第10の実施形態〕
ところで、第1の実施形態では、I/P変換処理部31におけるI/P変換方法によってのみ、階調遷移強調の程度が変更される構成を例にして説明したが、本実施形態では、I/P変換方法と他のトリガとの組み合わせによって、階調遷移強調の程度を変更する構成について説明する。尚、以下では、他のトリガとして、温度を例にして説明する。
すなわち、図23に示すように、本実施形態に係る信号処理部21bは、図15に示す信号処理部21と略同様の構成であるが、温度センサ35bが追加されており、制御部34bは、I/P変換処理部31におけるI/P変換方法と、温度センサ35bによって検出された温度との組み合わせに応じて、変調処理部33へ階調遷移強調の程度を指示する。
尚、温度センサ35bは、画素アレイ2内に設けることが望ましいが、これが構造上困難な場合は、画素アレイ2にできるだけ近い場所に配置してもよい。また、温度センサ35bを構成するセンサの数は、1つに限るものではなく、複数個を、画素アレイ2の各部位に対応して設けてもよい。尚、複数個設ける場合、温度センサ35bは、それぞれからの検出結果を平均した結果を検出値として出力してもよいし、各センサのうち、何れか変化の大きいものからの値を検出値として出力してもよい。何れの場合であっても、画素アレイ2の温度を測定できれば、同様の効果が得られる。
ここで、例えば、液晶素子は、応答速度が温度によって変化するので、液晶素子によって画素PIXが実現されている画像表示装置1では、適切な階調遷移強調の程度が、温度によっても変化する。このように、画素PIXの応答速度が温度によって変化する場合は、温度に拘わらず階調遷移強調の程度を固定してしまうと、適切に階調遷移を強調することができない。したがって、階調遷移強調のし過ぎや不足によって、画素アレイ2に表示される映像に、不所望な白光りや黒尾引きが発生して、映像の品質を低下させる虞れがある。
ところが、上記構成では、I/P変換方法だけではなく、装置内温度によっても階調遷移強調の程度が変更されるので、I/P変換方法のみによって階調遷移強調の程度を変更する構成よりも適切に階調遷移を強調でき、より高品質な映像を画素アレイ2へ表示させることができる。
一例として、変調処理部33が図20に示す構成の場合、制御部34bは、階調遷移強調の程度として、I/P変換方法と、温度センサ35bによって検出された温度との組み合わせに応じた乗算係数αを、変調処理部33へ指示する。
本実施形態に係る制御部34bは、階調遷移強調の程度を決定する際、温度範囲を、例えば、15℃以下の温度範囲R1と、15℃よりも大きく25℃以下の温度範囲R2と、25℃より大きく35℃以下の温度範囲R3と、35℃より大きい温度範囲R4とに区別して制御しており、第1のI/P変換処理部41が選択された場合における各温度範囲R1〜R4に対応する乗算係数を、それぞれ、α11〜α14とすると、α11>α12>α13>α14となるように予め設定された乗算係数のうち、現在の温度範囲に対応する乗算係数を、変調処理部33へ指示する。同様に、第2のI/P変換処理部42が選択された場合における上記各温度範囲R1〜R4に対応する乗算係数を、それぞれ、α21〜α24とすると、α21>α22>α23>α24となるように予め設定された乗算係数のうち、現在の温度範囲に対応する乗算係数が、変調処理部33へ指示される。
尚、第9の実施形態と同様に、各乗算係数は、同じ温度範囲同士で比較すると、第2のI/P変換処理部42の乗算係数の方が小さくなるように(α21<α11、α22<α12、α23<α13、α24<α14)設定されている。また、第1のI/P変換処理部41が選択され、しかも、35℃より大きい温度範囲R4の場合に適切と定められた階調遷移の補正量Qを算出するための値(例えば、補正映像データD2など)が、LUT61に格納されているときは、α14が1に設定される。
上記構成では、上記各温度範囲R1〜R4において、第1のI/P変換処理部41が選択されている場合と、上記各温度範囲R1〜R4において、第2のI/P変換処理部42が選択されている場合との全てで、補正量Qを求めるためのLUT61が共用されており、補正映像データ演算部52が制御部34の指示に応じて補正量Qを調整することによって、階調遷移強調の程度を変更している。したがって、図22に示すように、それぞれ別個にLUTを設ける構成よりも回路規模を縮小できる。
尚、上記I/P変換方法および温度の組み合わせに適した補正映像データD2は、ある程度、互いに相関していることが多いので、制御部34bの指示に応じて補正量Qを調整することによって、比較的小規模な回路で、比較的高精度に補正映像データD2を求めることができる。また、上記では、予め定められた複数の温度範囲(この例では、4つ)に区分する構成を例にして説明したが、装置内温度に応じて、階調遷移強調の程度を変更できれば、例えば、装置内温度に対応する乗算係数を演算で求めてもよい。
一方、他の構成例として、変調処理部が図22に示す変調処理部33aの場合、LUTとして、第1のI/P変換処理部41が選択されている場合の各温度範囲に対応するLUT811…と、第2のI/P変換処理部42が選択されている場合の各温度範囲に対応するLUT821…とが設けられ、制御部34bは、階調遷移強調の程度として、I/P変換方法と、温度センサ35bによって検出された温度との組み合わせに応じたLUTを、変調処理部33aへ指示する。
例えば、上述したように、4つの温度範囲R1〜R4に区分している構成では、図24に示すように、第1のI/P変換処理部41が選択されている場合に参照されるLUTとして、上記各温度範囲R1〜R4に対応するLUT811〜814が設けられており、第2のI/P変換処理部42が選択されている場合に参照されるLUTとして、上記各温度範囲R1〜R4に対応するLUT821〜824が設けられている。
例えば、第1のI/P変換処理部41が選択されており、しかも、15℃以下の温度範囲R1の場合、制御部34bは、両者に対応するLUTとして、LUT811の選択を指示する。これにより、変調処理部33aは、LUT811を参照して、階調遷移を強調し、最も強く階調遷移を強調できる。一方、第2のI/P変換処理部42が選択されており、しかも、35℃より大きい温度範囲R4の場合、制御部34bは、両者に対応するLUTとして、LUT824の選択を指示する。これにより、変調処理部33aは、LUT821を参照して、階調遷移を強調し、最も弱く階調遷移を強調できる。
上記構成では、図20に示す構成とは異なり、I/P変換処理部31におけるI/P変換方法に応じて、演算回路83の参照するLUT(811〜824)が切り換えられるので、各I/P変換方法の場合に適切な補正映像データD2同士の相関が低く、図20の構成、すなわち、あるI/P変換方法に適した補正量Qを調整して、他のI/P変換方法に適した補正映像データD2を算出する構成では、算出した値と、最適な補正映像データD2との間の誤差が大きくなる場合であっても、高精度に、補正映像データD2を求めることができる。
以下では、さらに、他の構成例について、図25および図26を参照しながら説明する。すなわち、当該構成例に係る信号処理部21cでは、各温度範囲に対応したLUTが設けられている一方で、I/P変換処理部31における各I/P変換方法の間で、補正映像データD2を参照するために参照されるLUTが共用されている。
より詳細には、図25に示すように、変調処理部33cにおいては、図20に示す変調処理部33と略同様に、補正量演算部51cおよび補正映像データ演算部52が設けられている。ただし、本構成例において、図20に示す補正量演算部51に代えて設けられた補正量演算部51cでは、演算回路62cの参照するLUTとして、各I/P変換方法に対応した各LUT81・82がそれぞれ設けられている。上記演算回路62cは、制御部34cの指示されたLUTを参照して、現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) および前フレームFR(k-1) の映像データD(i,j,k-1) に対応する補正映像データD2(i,j,k) を求めている。
また、本構成例の場合は、図23に示す制御部34cは、階調遷移強調の程度として、上記各LUT81・82のうち、I/P変換方法に応じたLUTと、温度センサ35bによって検出された温度に応じた乗算係数αとの組み合わせを変調処理部33cへ指示する。
当該構成では、図26に示すように、各I/P変換方法に対応するLUT81・82が、各温度範囲R1〜R4の間で共用されており、図20の構成と同様に、補正映像データ演算部52が制御部34cの指示に応じて補正量Qを調整することによって、階調遷移強調の程度を変更している。したがって、図22に示すように、温度範囲およびI/P変換方法の組み合わせ毎に、別々のLUT811〜824を設ける構成よりも、回路規模を縮小できる。
また、本構成例では、各I/P変換方法に対応するLUT81・82が別々に設けられており、何れのI/P変換方法が選択されているかに応じて、演算回路62cの参照するLUTを切り換えることによって、階調遷移強調の程度を変更している。したがって、各I/P変換方法に適切な補正映像データD2同士の相関が低く、図20の構成、すなわち、あるI/P変換方法に適した補正量Qを調整して、他のI/P変換方法に適した補正映像データD2を算出する構成では、算出した値と、最適な補正映像データD2との間の誤差が大きくなる場合であっても、高精度に、補正映像データD2を求めることができる。
したがって、回路規模の縮小と、画素アレイ2へ表示する映像の品質向上とのバランスの取れた画像表示装置1を実現できる。
尚、上記では、I/P変換方法に応じて補正映像データ演算部52が補正量Qを調整し、演算回路62cが温度に応じて、参照するLUTを切り換える構成を例にして説明したが、現在の温度が何れの温度範囲に属しているかに応じて、演算回路62cの参照するLUTを切り換えると共に、I/P変換方法に応じて、補正映像データ演算部52が補正量Qを調整してもよい。この場合は、図26に示すように、各温度範囲R1〜R4に対応するLUT811〜814が、各I/P変換方法の間で共用されているので、別々のLUT811〜824を設ける構成よりも、回路規模を縮小できると共に、各温度範囲R1〜R4に対応するLUT811〜814が別々に設けられているので、各温度範囲R1〜R4に適切な補正映像データD2同士の相関が低い場合であっても、高精度に、補正映像データD2を求めることができる。
ただし、各I/P変換方法に適切な補正映像データD2同士の相関よりも、各温度範囲に適切な補正映像データD2同士の相関の方が高い場合、あるいは、I/P変換方法の種類の方が温度範囲の数よりも少なく、しかも、回路規模の縮小が特に求められている場合には、図25に示すように、温度に応じて補正量Qを調整する方が望ましい。
また、上記では、I/P変換方法および温度の一方の間でLUTを共用すると共に、一方に基づいて、補正量を調整し、他方に基づいてLUTを切り換える構成について説明したが、I/P変換方法および温度の組み合わせ同士の間でLUTを共有すると共に、何れの組み合わせかに応じて補正量を調整してもよい。ただし、上記のように、I/P変換方法および温度の一方の間でLUTを共用すれば、一方のみに基づいて補正量を調整し、他方のみに基づいてLUTを切り換えることができるので、回路規模を縮小できる。
さらに、上記では、LUTの回路規模を削減するために、演算回路62cが補間演算する構成を例にして説明したが、上述したように、補間演算せず、全ての階調同士の組み合わせ(例えば、256×256通り)に対応する補正映像データD2を記憶して用いてもよい。この場合、演算回路62cは、制御部34cの指示に応じて、参照するLUTを切り換えると共に、現フレームFR(k) の映像データD(i,j,k) および前フレームFR(k-1) の映像データD(i,j,k-1) に対応してLUTに格納された補正映像データD2(i,j,k) を出力する。さらに、上記では、LUTに補正映像データD2が格納され、制御部34cが補正映像データ演算部52へ乗算係数を指示することによって補正量Qを調整する構成を例にして説明したが、上述したように、補正量をLUTに格納してもよいし、他の演算によって補正量Qを調整してもよい。
以下では、図27〜図30を参照して、I/P変換方法間でLUTを共用しているにも拘わらず、補正映像データ演算部52を設けずに、I/P変換方法に応じて階調遷移強調の程度を変更可能な構成について説明する。
すなわち、図27に示すように、本構成例に係る信号処理部21dでは、図26と同様に、各I/P変換方法間でLUTが共用されており、変調処理部として、図22に示す変調処理部33cが設けられている。
ただし、本構成例では、図27に示すように、各LUTを切り換える温度が各I/P変換方法毎に異なって設定されており、制御部34dは、階調遷移強調の程度を弱く設定すべきI/P変換方法である程、より低い温度の時点で、より高い温度範囲に対応するLUTへの切り換えが出されるように、LUTの切り換えを指示している。
例えば、4つの温度範囲R1〜R4に対応するLUT811〜814が設けられている場合を例にして説明する。階調遷移強調の程度をより強く設定すべきI/P変換方法が選択されている場合、すなわち、第1のI/P変換処理部41が選択されている場合、制御部34cは、装置内温度が15℃を超えた時点で、より高い温度範囲に対応するLUT812への切り換えを指示する。
一方、階調遷移強調の程度をより弱く設定すべきI/P変換方法が選択されている場合、すなわち、第2のI/P変換処理部42が選択されている場合、制御部34cは、第1のI/P変換処理部41の場合よりも低い温度の時点(図の例では、装置内温度が10℃を超えた時点)で、LUT812への切り換えを指示する。
ここで、上述したように、各LUT811〜814は、高い温度範囲に対応するLUT程、階調遷移強調の程度が弱くなるように設定されている。したがって、制御部34cが階調遷移強調の程度の指示として、上述したように、LUTの切り換えを指示することによって、同じ温度の場合で比較すると、第2のI/P変換処理部42の階調遷移強調の程度を、第1のI/P変換処理部41と同じか、弱くなるように設定できる。この結果、補正映像データ演算部52が設けられていないにも拘わらず、I/P変換方法に応じて階調遷移強調の程度を変更でき、図25に示すように、補正映像データ演算部52を設ける構成よりも、回路規模を縮小できる。
上記制御部34dは、例えば、図28または図29に示すように構成できる。すなわち、図28に示す制御部34dは、温度センサ35bによって検出された温度を示す検出値と、指示された閾値とを比較して、温度センサ35bによって検出された温度が、温度範囲の何れに属しているかを判定し、判定結果に応じたLUTの選択を変調処理部33cへ指示する判定処理部91と、I/P変換処理部31におけるI/P変換方法に応じて、上記判定処理部91へ指示する閾値を変更する閾値変更処理部92とを備えている。
例えば、切り換え温度が図27に示す温度の場合を例にして説明すると、閾値変更処理部92は、第1のI/P変換処理部41が選択されている場合、閾値として、15℃、25℃および35℃を指示する。これより、判定処理部91は、15℃以下の温度範囲の場合は、LUT811の選択を指示し、15℃より大きく25℃以下の温度範囲、25℃より大きく35℃以下の温度範囲、および、35℃より大きい温度範囲の場合に、それぞれ、LUT812、LUT813またはLUT814の選択を指示する。
一方、第2のI/P変換処理部42が選択されている場合は、閾値として、10℃、20℃および30℃が指示される。これにより、判定処理部91は、10℃以下の温度範囲、10℃より大きく20℃以下の温度範囲、20℃より大きく30℃以下の温度範囲、および、30℃より大きい温度範囲の場合に、それぞれ、LUT811、LUT812、LUT813またはLUT814の選択を指示する。
これにより、図28に示す制御部34dは、階調遷移強調の程度を弱く設定すべきI/P変換方法である程、より低い温度の時点で、より高い温度範囲に対応するLUTへの切り換えが出されるように、LUTの切り換えを指示できる。
ところで、上記では、I/P変換方法に応じて、温度センサ35bの検出値と比較する閾値を変更することによって、切り換える温度を変更したが、I/P変換方法に拘わらず、各閾値を固定しておき、判定処理部91の判定前に、温度センサ35bの検出値を変更してもよい。
具体的には、図29に示す制御部34dには、閾値変更処理部92に代えて、I/P変換方法に拘わらず、一定の閾値を判定処理部91へ指示する閾値設定部93が設けられている。さらに、温度センサ35bと判定処理部91との間には、I/P変換方法に応じて、温度センサ35bの検出値を変更する演算部94が設けられている。
例えば、切り換え温度が図27に示す温度の場合を例にして説明すると、演算部94は、第2のI/P変換処理部42が選択されている場合は、第1のI/P変換処理部41の場合よりも5℃だけ温度センサ35bの検出値が高くなるように、検出値を制御する。一例として、閾値設定部93が、一定の閾値として、15℃、25℃および35℃を判定処理部91へ指示している構成の場合、演算部94は、第1のI/P変換処理部41が選択されている場合は、検出値を変更せず、第2のI/P変換処理部42が選択されている場合は、温度検出値へ5℃を加算する。
このように、温度検出値をI/P変換方法に応じて変更する構成でも、制御部34dは、階調遷移強調の程度を弱く設定すべきI/P変換方法である程、より低い温度の時点で、より高い温度範囲に対応するLUTへの切り換えを指示できる。
ここで、上記では、図25〜図29を参照しながら、I/P変換方法の間で、全てのLUTが共用されている場合を例にして説明したが、これに限るものではなく、一部のLUTのみを共用してもよい。尚、一部のLUTを共用する構成は、図25および図26に示すように、補正映像データ演算部52を設けた構成にも適用できるが、以下では、図30を参照しながら、図27のように、補正映像データ演算部52を設けず、LUTの切り換え温度を変更する構成を例にして説明する。
すなわち、本構成例に係る信号処理部21eでは、図27と同様に、I/P変換方法の間で、各LUT811〜813が共用されているが、階調遷移強調の程度が最も弱い温度範囲については、図22に示す変調処理部33eのように、I/P変換方法毎に相異なる各LUT814・824が設けられている。尚、LUT814が第1のI/P変換処理部41に対応し、LUT824が第2のI/P変換処理部42に対応している。
これに伴なって、制御部34eは、図22に示す制御部34dと同様に、階調遷移強調の程度を弱く設定すべきI/P変換方法である程、より低い温度の時点で、より高い温度範囲に対応するLUTへの切り換えが出されるように、LUTの切り換えを指示しているが、各I/P変換方法において、温度センサ35bによって検出された温度が、最も高い温度範囲に属している場合、各I/P変換方法毎に設けられた各LUT814・824のうち、現在選択中のI/P変換方法に応じたLUTを選択するように、変調処理部33eへ指示する。
当該構成では、I/P変換方法の間で、各温度範囲に対応するLUTの一部が共用されているので、各I/P変換方法間で、互いに異なるLUTを設ける構成よりも、LUTに必要な回路規模を縮小できる。一方、残余の温度範囲では、I/P変換方法毎に、LUTが設けられているので、I/P変換方法間で、LUTを共用すると、階調遷移を適切に強調できない温度範囲が存在する場合でも、各I/P変換方法に適した程度で階調遷移強調を強調できる。この結果、回路規模の縮小と、画素アレイ2へ表示する映像の品質向上とのバランスの取れた画像表示装置1を実現できる。
尚、本実施形態でも、第9の実施形態と同様に、プログレッシブの映像信号が入力される場合も、I/P変換処理部31において、あるI/P変換方法が選択された場合と同様に扱い、例えば、変調処理部にプログレッシブ用のLUTを設けて、制御部34が当該LUTの選択を指示したり、制御部34がプログレッシブ用の乗算係数を指示したり、プログレッシブ用の切り換え温度でLUTの切り換えを指示したりして、階調遷移強調の程度を変更してもよい。
ここで、一般には、プログレッシブの映像信号が入力された場合、インタレースの映像信号が入力された場合よりも、I/P変換に起因する不所望な階調遷移が発生しない。したがって、インタレースの映像信号が入力された場合は、プログレッシブの映像信号が入力された場合よりも、階調遷移強調の程度を弱く設定することによって、画素アレイ2に表示される映像の品質を落とすことなく、応答速度を向上できる。
これにより、I/P変換の有無およびI/P変換方法と温度との組み合わせに応じて階調遷移強調の程度を変更でき、プログレッシブの映像信号が入力された場合であっても、I/P変換方法の何れが選択された場合であっても、常に、高品質な映像を画素アレイ2へ表示させることができる。
ところで、上記第9および第10の実施形態では、変調処理部(33〜33e)が1フレーム前の映像データD(i,j,k-1) と現フレームの映像データD(i,j,k) とに基づいて、前フレームから現フレームへの階調遷移を強調するように、映像データD(i,j,k) を補正しているが、これに限るものではない。上記両映像データD(i,j,k-1) ・D(i,j,k) に加えて、前々フレームの映像データD(i,j,k-2) などを参照して、階調遷移を強調してもよい。少なくとも、1フレーム前の映像データD(i,j,k-1) と現フレームの映像データD(i,j,k) とに基づいて、前フレームから現フレームへの階調遷移を強調できれば、同様の効果が得られる。ただし、上記各実施形態のように、1フレーム前および現フレームの映像データD(i,j,k-1) ・D(i,j,k) に基づいて階調遷移を強調すれば、それよりも前の映像データにも基づいて階調遷移を強調する場合よりも、記憶しておく必要のあるデータ量を削減でき、回路規模を縮小できる。
また、上記各実施形態では、信号処理部を構成する各部材のうち、制御部(34〜34e)が「CPUなどの演算手段がROMやRAMなどの記録媒体に格納されたプログラムコードを実行することで実現される機能ブロック」であり、残余の部材が、ハードウェアによって実現されている場合を例にして説明したが、制御部を同様の処理を行うハードウェアで実現してもよいし、上記残余の部材を制御部と同様な機能ブロックにより実現してもよい。また、信号処理部21を構成する各部材は、処理の一部を行うハードウェアと、当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うプログラムコードを実行する上記演算手段とを組み合わせても実現することもできる。
さらに、上記各部材のうち、ハードウェアとして説明した部材であっても、処理の一部を行うハードウェアと、当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うプログラムコードを実行する上記演算手段とを組み合わせても実現することもできる。尚、上記演算手段は、単体であってもよいし、装置内部のバスや種々の通信路を介して接続された複数の演算手段が共同してプログラムコードを実行してもよい。また、上記各部材のうちの記憶部(フレームメモリやLUTなど)は、メモリなどの記憶装置自体であってもよい。また、セレクタ43はハードウェアのスイッチング素子に限らず、一方のI/P変換方法のみを選択的に機能させるものであればよいことは言うまでもない。
上記演算手段によって直接実行可能なプログラムコード自体、または、後述する解凍などの処理によってプログラムコードを生成可能なデータとしてのプログラムは、当該プログラム(プログラムコードまたは上記データ)を記録媒体に格納し、当該記録媒体を配付したり、あるいは、上記プログラムを、有線または無線の通信路を介して伝送するための通信手段で送信したりして配付され、上記演算手段で実行される。
尚、通信路を介して伝送する場合、通信路を構成する各伝送媒体が、プログラムを示す信号列を伝搬し合うことによって、当該通信路を介して、上記プログラムが伝送される。また、信号列を伝送する際、送信装置が、プログラムを示す信号列により搬送波を変調することによって、上記信号列を搬送波に重畳してもよい。この場合、受信装置が搬送波を復調することによって信号列が復元される。
一方、上記信号列を伝送する際、送信装置が、デジタルデータ列としての信号列をパケット分割して伝送してもよい。この場合、受信装置は、受信したパケット群を連結して、上記信号列を復元する。また、送信装置が、信号列を送信する際、時分割/周波数分割/符号分割などの方法で、信号列を他の信号列と多重化して伝送してもよい。この場合、受信装置は、多重化された信号列から、個々の信号列を抽出して復元する。何れの場合であっても、通信路を介してプログラムを伝送できれば、同様の効果が得られる。
ここで、プログラムを配付する際の記録媒体は、取外し可能である方が好ましいが、プログラムを配付した後の記録媒体は、取外し可能か否かを問わない。また、上記記録媒体は、プログラムが記憶されていれば、書換え(書き込み)可能か否か、揮発性か否か、記録方法および形状を問わない。記録媒体の一例として、磁気テープやカセットテープなどのテープ、あるいは、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスクなどの磁気ディスク、または、CD−ROMや光磁気ディスク(MO)、ミニディスク(MD)やデジタルビデオディスク(DVD)などのディスクが挙げられる。また、記録媒体は、ICカードや光カードのようなカード、あるいは、マスクROMやEPROM、EEPROMまたはフラッシュROMなどのような半導体メモリであってもよい。あるいは、CPUなどの演算手段内に形成されたメモリであってもよい。
尚、上記プログラムコードは、上記各処理の全手順を上記演算手段へ指示するコードであってもよいし、所定の手順で呼び出すことで、上記各処理の一部または全部を実行可能な基本プログラム(例えば、オペレーティングシステムやライブラリなど)が既に存在していれば、当該基本プログラムの呼び出しを上記演算手段へ指示するコードやポインタなどで、上記全手順の一部または全部を置き換えてもよい。
また、上記記録媒体にプログラムを格納する際の形式は、例えば、実メモリに配置した状態のように、演算手段がアクセスして実行可能な格納形式であってもよいし、実メモリに配置する前で、演算手段が常時アクセス可能なローカルな記録媒体(例えば、実メモリやハードディスクなど)にインストールした後の格納形式、あるいは、ネットワークや搬送可能な記録媒体などから上記ローカルな記録媒体にインストールする前の格納形式などであってもよい。
また、プログラムは、コンパイル後のオブジェクトコードに限るものではなく、ソースコードや、インタプリトまたはコンパイルの途中で生成される中間コードとして格納されていてもよい。何れの場合であっても、圧縮された情報の解凍、符号化された情報の復号、インタプリト、コンパイル、リンク、または、実メモリへの配置などの処理、あるいは、各処理の組み合わせによって、上記演算手段が実行可能な形式に変換可能であれば、プログラムを記録媒体に格納する際の形式に拘わらず、同様の効果を得ることができる。
尚、上記各実施形態においては、少なくとも1フレーム前の映像データと現フレームの映像データとの比較を行い、該比較結果に基づいて、液晶表示パネルへ供給する映像データを強調変換することにより、前記液晶表示パネルの光学応答特性を補償する液晶表示制御方法であって、入力映像データがインタレース信号である場合、複数の変換方法の何れかに従って、該インタレース信号をプログレッシブ信号に変換する工程と、前記液晶表示パネルが所定期間内において前記映像データの定める透過率となるように、前記変換された映像データの強調変換を行う工程とを有し、前記複数の変換方法の何れに従って変換するかに応じて、前記映像データに対する強調変換度合いを可変制御することを特徴としている。
また、上記工程に加えて、現フレームの映像データと少なくとも1フレーム前の映像データとから指定される強調変換パラメータが格納されたテーブルメモリを参照する工程と、前記強調変換パラメータを用いて、前記映像データに強調演算を施す工程と、前記強調演算による出力データに対し、前記複数の変換方法の何れに従って変換するかに応じて、異なる係数を乗算する工程とを有していてもよい。
また、上記工程に加えて、入力映像データが第1の変換方法で変換される場合に参照する、現フレームの映像データと少なくとも1フレーム前の映像データとから指定される強調変換パラメータが格納されたテーブルメモリを参照する工程と、入力映像データが第2の変換方法で変換される場合に参照する、現フレームの映像データと少なくとも1フレーム前の映像データとから指定される強調変換パラメータが格納されたテーブルメモリを参照する工程と、前記複数の変換方法の何れに従って変換するかに応じて前記テーブルメモリから読み出される前記強調変換パラメータを用いて、前記変換された映像データに強調演算を施す工程とを有していてもよい。
さらに、上記工程に加えて、装置内温度を検出する工程と、前記装置内温度の検出結果に基づき、前記映像データに対する強調変換度合いを可変する工程と有していてもよい。
また、上記工程に加えて、現フレームの映像データと少なくとも1フレーム前の映像データとから指定される強調変換パラメータが格納されたテーブルメモリを参照する工程と、前記強調変換パラメータを用いて、前記変換された映像データに強調演算を施す工程と、前記強調演算の出力データに対し、前記複数の変換方法の何れに従って変換するかと前記装置内温度の検出結果とに応じて、異なる係数を乗算する工程とを有していてもよい。
さらに、上記工程に加えて、入力映像データが第1の変換方法で変換される場合に参照する、現フレームの映像データと少なくとも1フレーム前の映像データとから指定される強調変換パラメータが格納されたテーブルメモリを参照する工程と、入力映像データが第2の変換方法で変換される場合に参照する、現フレームの映像データと1フレーム前の映像データとから指定される強調変換パラメータが格納されたテーブルメモリを参照する工程と、前記複数の変換方法の何れに従って変換するかに応じて、前記テーブルメモリから読み出される前記強調変換パラメータを用いて、前記変換された映像データに強調演算を施す工程と、前記強調演算の出力データに対し、前記装置内温度の検出結果に応じて異なる係数を乗算する工程とを有していてもよい。
また、上記工程に加えて、入力映像データが第1の変換方法で変換される場合に参照する、複数の装置内温度毎に対応した、現フレームの映像データと少なくとも1フレーム前の映像データとから指定される強調変換パラメータが格納されたテーブルメモリを参照する工程と、入力映像データが第2の変換方法で変換される場合に参照する、複数の装置内温度毎に対応した、現フレームの映像データと少なくとも1フレーム前の映像データとから指定される強調変換パラメータが格納されたテーブルメモリを参照する工程と、前記複数の変換方法の何れに従って変換するかと前記装置内温度の検出結果とに応じて、前記テーブルメモリから読み出される前記強調変換パラメータを用いて、前記変換された映像データに強調演算を施す工程とを有していてもよい。
さらに、上記工程に加えて、複数の装置内温度毎に対応した、現フレームの映像データと少なくとも1フレーム前の映像データとから指定される強調変換パラメータが格納されたテーブルメモリを参照する工程と、前記複数の変換方法の何れに従って変換するかによって定められた切換温度と前記装置内温度の検出結果との比較結果に応じて、前記テーブルメモリから読み出される前記強調変換パラメータを用いて、前記変換された映像データに強調演算を施す工程とを有していてもよい。
また、上記工程に加えて、前記装置内温度の検出結果である温度データに対して、前記複数の変換方法毎に定められた所定の演算を施す工程と、前記演算が施された温度データと、予め決められた所定の閾値温度データとを比較する工程と、前記比較の結果に応じて、前記強調変換パラメータを切り換え制御する切換制御信号を生成する工程とを有していてもよい。
さらに、前記装置内温度の検出結果である温度データと、前記複数の変換方法毎に決められた所定の閾値温度データとを比較する工程と、前記比較の結果に応じて、前記強調変換パラメータを切り換え制御する切換制御信号を生成する工程とを有していてもよい。
なお、上記実施の各形態では、一例として、例えば、映像データの1フレーム(1コマ)の映像全体を、映像データの1フレーム期間(例えば、16.7msec)に渡って書き込み走査する駆動方法、すなわち、1垂直期間(1フレームの期間)が1垂直表示期間と一致する駆動方法を画像表示装置に採用した場合を例にして説明したが、これに限るものではない。例えば、1フレーム期間内に対し、映像を表示する期間(映像表示期間)と暗表示(例えば、黒表示)する期間(暗表示期間)とを分割して設ける駆動方法(擬似インパルス駆動方法)を液晶表示装置などの画像表示装置に採用してもよい。
また、上記実施の各形態では、1フレーム前の入力映像データと現フレームの入力映像データとの組み合わせに応じた強調変換データを制御回路12に出力する場合を例にして説明したが、これに限るものではない。例えば、1フレーム前の入力映像データだけではなく、1フレームよりも前の入力映像データ(例えば、2フレーム前の入力映像データなど)をも参照して、強調変換データを決定してもよい。いずれの場合であっても、少なくとも1フレーム前の入力映像データを参照して強調変換データを決定すれば、同様の効果が得られる。ただし、より以前の入力映像データを参照して強調変換データを決定するためには、より大きな記憶容量のフレームメモリが必要になる。したがって、記憶容量の削減が求められる場合には、上記実施の各形態のように、各フレームの入力映像データのうち、1フレーム前の入力映像データと現フレームの入力映像データとのみを参照して、強調変換データを決定することが望ましい。
さらに、上記実施の各形態では、1フレーム前の入力映像データを参照して強調変換データを制御回路12に出力しているが、実際に入力された、1フレーム前の入力映像データに代えて、1フレーム前の入力映像データの書き込みによって、液晶パネルの画素が実際に到達している階調レベルを予測し、当該予測値を、上記1フレーム前の映像データ(Previous Data )として参照してもよい。なお、この場合であっても、到達階調予測のために、1フレーム前の入力映像データが参照される。いずれの場合であっても、少なくとも1フレーム前の入力映像データと現フレームの入力映像データとに基づいて、強調変換データを決定すれば、同様の効果が得られる。
なお、上記実施の各形態においては、変調処理部33(33a)が、OSテーブルメモリであるLUT61、81〜82に格納されたパラメータ(強調変換パラメータ)である補正映像データD2(i,j,k) を参照して強調変換する場合を例にして説明したが、これに限るものではない。例えば、変調処理部は、M番目のフレームの入力映像データ(Current Data)と、フレームメモリ32に格納されたM−1番目のフレームの入力映像データ(Previous Data )とを変数とする2次元関数f(Current Data, Previous Data)などの関数によって、液晶表示のパネル11の光学応答特性を補償する補正(強調)変換データを算出してもよい。