JP2006203320A - 飛越走査信号の順次走査信号への変換方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】飛越走査信号を順次走査信号に変換する際に、垂直解像度を低下させることなく、かつ動き検出を行うことなく低コストに変換する。
【解決手段】倍速飛越走査信号Sidを構成する各水平走査信号間に黒レベルYblkに応じた一定レベルYconstの補間走査線信号Sipを挿入することで順次走査信号525pを得る。この場合、飛越走査信号525iそのもの自体のみを使用して順次走査がなされるので、順次走査信号525pによる表示の画質は、変換前の飛越走査信号525iによる画質と同一となり、解像度の低下が発生する余地がない、さらに動き検出を行う必要がないので、回路構成が簡単になり、演算処理量及びコストを激減させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】倍速飛越走査信号Sidを構成する各水平走査信号間に黒レベルYblkに応じた一定レベルYconstの補間走査線信号Sipを挿入することで順次走査信号525pを得る。この場合、飛越走査信号525iそのもの自体のみを使用して順次走査がなされるので、順次走査信号525pによる表示の画質は、変換前の飛越走査信号525iによる画質と同一となり、解像度の低下が発生する余地がない、さらに動き検出を行う必要がないので、回路構成が簡単になり、演算処理量及びコストを激減させることができる。
【選択図】図1
Description
この発明は、飛越走査信号の順次走査信号への変換方法及び装置に関し、例えば、順次走査表示装置に適用して好適な飛越走査信号の順次走査信号への変換方法及び装置に関する。
近時、画質等の向上のために、入力される飛越走査信号を順次走査信号へ変換してディスプレイ上に表示する順次走査表示装置が実用化されている。
このような順次走査表示装置において、例えばNTSC飛越走査信号を60フレーム/秒の順次走査信号に変換する場合、フィールド内の不足する走査線(ラインともいう。)を補間して生成する必要がある。
図4を参照して説明すると、現フィールド内の不足する走査線内の各画素を補間する技術として、同一フィールド内の隣接走査線内の画素P3、P4から補間画素P5を生成するフィールド内補間技術と、前後フィールドの同位置走査線内の画素P1、P2から補間画素P5を生成するフィールド間補間技術がある。
この場合、フィールド内補間技術では、垂直方向の空間解像度が低下して画質が劣化するという問題がある。
また、図5に示すように、フィールド間補間技術においても、映像ソースに動きのある物体が存在すると、偶数フィールドと奇数フィールド間の隣接走査線間でフィールド周期時間に物体が移動する分だけ、動きのある物体の画像102にずれが生じて画質が劣化するという問題がある。
これらの画質の劣化を改善しようとして、フィールド内相関及びフィールド間相関を検出し、検出した相関情報をもとにフィールド内補間技術あるいはフィールド間補間技術を選択する技術もある。しかしながら、この技術では、実際に動きを検出する代わりに相関情報を基に動きの有無を判断するため、フレーム内の隣接走査線間の相関がもともと低い画像、例えば動きにより図5に示したようにずれて見えるのではなく、物体自体がもともと図5に示した形状をしている静止物体であるような画像に対しても、相関が低いので動きがあると判断してしまう。すなわち、円形物体が動いて図5の画像102になったと判断する場合が発生し、その結果フィールド間補間を選択する必要があるときにフィールド内補間を行ってしまうことで垂直空間解像度の低下による画質劣化が、ずれの部分で発生するという問題が解消されない。
図6は、これらの問題を解決するために提案された従来技術に係る補間走査信号生成装置104の構成を示している(特許文献1)。
この補間走査信号生成装置104では、飛越走査信号525iからより正確に動きを検出するための動き検出器106を設け、動きを検出して動き係数を算出する。さらに、動き係数の算出と同時に、前後(奇偶)フィールドの飛越走査信号を格納するために直列に接続されるフィールドメモリ108、110の入出力端間の信号によりフィールド間相関検出器116でフィールド間相関係数(相関係数α)を算出するとともに、フィールドメモリ108、110の接続点と適応補間処理器112との間に設けたラインメモリ114の入出力によりフィールド内相関検出器118でフィールド内相関係数(相関係数β)を算出する。
そして、適応補間処理器112により、動き係数及び相関係数α、βに対して適応的に、隣接走査線内の画素P3、P4から生成される補間画素値P5´と、前後フィールドの同位置走査線内の画素P1、P2から生成される補間画素値P5´´の両方の補間画素値P5´、P5´´に対して重み付け処理を行って実際の補間画素P5を決定する。
この図6に示す補間走査信号生成装置104の適応補間処理器112は、動き係数及び相関係数α、βにより動きがないと判断した場合には、隣接走査線内の画素P3、P4から補間するのではなく、同位置走査線内の画素P1、P2からの補間を選択することにより、空間解像度の低下による画質の劣化を回避でき、大きな動きがあると判断した場合には、動きによって相関の低くなる同一走査線内の画素P1、P2からの補間を用いないで、より相関の高い隣接走査線内の画素P3、P4からの補間を選択することにより、図5に示したような画質の劣化を回避することができる。また、微小な動きに対しては、同一走査線内の画素P1、P2からの補間値と、隣接走査線内の画素P3、P4からの補間値との重み付けの比重を動き係数及び相関係数α、βに応じて変化させることで、上記2つの劣化が視覚上、より目立たないような適応的な処理が可能となる。
ところで、動き検出器106により、動きを検出する場合、固定ブロック分割領域のマッチング手法を用いて動き検索を行う技術が一般的である。
しかしながら、この動き検索を行う技術では、図7に示すように、参照画面131と現画面132において、動き検索ブロック122に矢印123に示すように動きがあると判断されるため、動き検索ブロック122の全領域に渡って、フィールド内補間に重み付けがなされる。この結果、丸い動物体124では画質劣化を回避することをできるが、動き検索ブロック122内の丸い動物体124以外の背景126の部分では垂直解像度が低下してしまうという欠点がある。
また、動き検索を行う技術では、図8に示すように、参照画面141において、動き検索ブロック122のパターンに類似するパターンを有する領域144が、本来最もマッチングするはずの領域146の近傍に存在している場合、現画面142に示すように、実際には動きがないにも拘わらず、動き検索ブロック122により矢印148だけ動いたと検出される場合がある。すなわち、実際に動きがなくても、ノイズや微小変化により、動き検索ブロック122のパターンに類似するパターンを有する領域144が、最もマッチングすると判断し、矢印148のような動きがあると検出される。この結果、動き検索ブロック122の全体に渡って、フィールド内補間に重み付けがなされ、この領域の垂直空間解像度が低下してしまうという欠点がある。
このように固定ブロック分割領域のマッチング手法を用いて動き検索を行う技術では、図7に示したように、動き検出処理に用いられる動き検索ブロック122の領域(四角形)と実際の動物体124の領域(ハッチングで描いた円形の領域)とが一致しない場合や、図8に示したように、実際の映像の動きと動き検出処理で検出される動きの情報が一致しない場合に、最適な処理が施されない領域が発生し、画質が劣化してしまう。
この欠点を解消するために、この種の動き検索では、検索ブロック領域のサイズを可変としたり、検索ブロック領域をオーバーラップさせたりする手法を組み合わせる等して、小さなブロック単位や画素単位で動きの度合いを検出するという複雑な処理が必要となり、結果として演算処理量が増加するという欠点がある。また、空間解像度低下を抑制するために有効と言われている動き補償処理を用いた場合でも、上記と同様な複雑な演算処理が必要なだけではなく、動き補償自体の演算処理が増加してしまうという欠点がある。
以上詳細に説明したように、従来技術に係る補間走査線信号の作成技術では、フィールド間の情報を用いるためにフィールドメモリの実装及び相関検出と補間値算出処理が不可欠となり、画質劣化を抑制するためには、動きを検索する膨大な演算処理もさらに必要になるという欠点がある。
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、従来の最良の技術によって得られる画質と同等であって、かつフィールドメモリや膨大な動き検出演算処理を削減することを可能とする飛越走査信号の順次走査信号への変換方法及び装置を提供することを目的とする。
この発明の飛越走査信号の順次走査信号への変換方法は、飛越走査信号の黒レベルを検出し、前記黒レベルに応じた一定レベルの補間走査信号を生成し、前記飛越走査信号を倍速化して倍速飛越走査信号を生成し、前記倍速飛越走査信号を構成する各水平走査信号間に前記補間走査信号を挿入して順次走査信号を生成することを特徴とする。
また、この発明の飛越走査信号の順次走査信号への変換装置は、飛越走査信号の黒レベルを検出する黒レベル検出回路と、検出した前記黒レベルに応じた一定レベルの補間走査信号を生成する補間走査信号生成回路と、前記飛越走査信号を倍速化して倍速飛越走査信号を生成する倍速化回路と、前記倍速飛越走査信号を構成する各水平走査信号間に前記補間走査信号を挿入して順次走査信号を生成する走査線切替回路とを有することを特徴とする。
この発明に係る飛越走査信号の順次走査信号への変換方法及び装置による順次走査信号は、いわゆる空間周波数成分としては、飛越走査信号そのもの自体のみを使用することとなるので、例えば順次走査表示装置上において、飛越走査信号の表示を擬似的に実現でき、順次走査表示装置上に、倍速変換された擬似飛越走査表示画像を表示することができる。この場合、擬似飛越走査表示画像が視覚的に違和感を感じさせない環境、換言すれば、表示面から観測点までの距離により決定する走査線間の垂直視野角が、視覚の空間分解能に対してちらつきを感じさせないほど狭い視野角である環境が満足される場合において、この発明による画質は、変換前の飛越走査信号による画質と同一であり、ノイズの発生や解像度の低下が発生する余地がない。
従来技術による画質は、理想的な補間がなされた場合には、上記環境下において、変換前の飛越走査信号による画質と同等になるが、実際の処理では、補間処理に伴う解像度低下やノイズ成分の発生を完全に抑制することができない。
しかも、この発明では、動きを検出する必要がない。そのため、この発明は、従来技術と同等の画質を維持したまま、従来のノイズ抑制や解像度低下防止に必要であった膨大な演算処理量、回路及びコストを大幅に縮小乃至削減することができる。
なお、黒レベルに応じた一定レベルの補間走査信号の挿入に伴う順次走査信号の、0周波数成分である輝度の低下を補償するために、飛越走査信号の輝度レベルを黒レベルに基づき調整して出力輝度レベルに変換し、出力輝度レベルに変換された飛越走査信号を倍速化して倍速飛越走査信号を得るようにすることで、輝度の低下を補償することができる。
例えば、出力輝度レベルをYo、飛越走査信号の輝度レベルをYi、黒レベルをYblkとしたとき、出力輝度レベルYoを次の(1)式により算出する。
Yo=Yblk+(Yi−Yblk)×2 …(1)
Yo=Yblk+(Yi−Yblk)×2 …(1)
このように飛越走査信号の輝度レベルを約2倍に引き上げることで、黒レベルに応じた一定レベルの補間走査信号の挿入に伴う輝度の低下を補償することができる。
なお、黒レベルに応じた一定レベルとは、検出した黒レベルと同一レベルでもよく、デジタル画像のインタフェース規格や装置仕様により決定される基準値を標準黒レベルYblkstdと表現し、黒レベルに応じた一定レベルをYconstと表現するとき、次の(2)式により算出してもよい。
Yconst=Yblk−a×(Yblk−Yblkstd) …(2)
ただし、(0≦a≦1)
Yconst=Yblk−a×(Yblk−Yblkstd) …(2)
ただし、(0≦a≦1)
また、標準黒レベルYblkstdを利用して、出力輝度レベルYoを次の(3)式により算出するようにしてもよい。
Yo=Yblkstd+(Yi−Yblk)×2 …(3)
Yo=Yblkstd+(Yi−Yblk)×2 …(3)
この(3)式では、右辺第2項により実データのレベルを2倍にすると同時に、基準とする黒レベルを標準黒レベルYblkstdに置換していることになる。
さらに、一定レベルYconstを利用して、出力輝度レベルYoを次の(4)式により算出するようにしてもよい。
Yo=Yconst+(Yi−Yconst)×2 …(4)
Yo=Yconst+(Yi−Yconst)×2 …(4)
この(4)式では、実データのレベルを2倍にすると同時に、基準とする黒レベルを理論値と実データから重み付けにより算出された基準に置き換えていることになる。
この発明によれば、倍速飛越走査信号を構成する各水平走査信号間に黒レベルに応じた一定レベルの走査線信号を挿入することで順次走査信号を得ている。すなわち、飛越走査信号そのもの自体のみを使用して、順次走査がなされ、順次走査信号による表示の画質は、変換前の飛越走査信号による画質と同一であり、ノイズの発生や解像度の低下が発生する余地がないという効果が達成される。
また、順次走査信号を得るのに、動き検出を行う必要がないので、回路構成が簡単になり、演算処理量及びコストを激減させることができるという効果が達成される。
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明に係る飛越走査信号の順次走査信号への変換方法を実施する一実施形態に係る飛越走査信号の順次走査信号への変換装置10の構成を示している。
この変換装置10では、NTSCビデオ信号の分解能8[ビット/画素]のデジタル信号である飛越走査信号525iが、入力ポート12に供給され、出力ポート24から、この飛越走査信号525iに対して所定の補間処理がなされた順次走査信号525pが外部に供給される。
入力ポート12から入力された飛越走査信号525iは、黒レベル検出回路14に供給されるとともに、輝度レベル調整回路16に供給される。
黒レベル検出回路14は、飛越走査信号525iの黒レベルYblkを検出し、検出した黒レベルYblkを補間走査信号生成回路18と輝度レベル調整回路16に供給する。
補間走査信号生成回路18は、黒レベルYblkに応じた一定レベルYconstの画素値からなる補間走査信号Sipを生成し、走査線切替回路20の一方の入力ポート21bに供給する。
輝度レベル調整回路16は、飛越走査信号525iの輝度レベルYiを、黒レベルYblkに基づき調整して出力輝度レベルYoに変換し、あるいは飛越走査信号525iの輝度レベルYiを、黒レベルYblkと標準黒レベルYblkstdに基づいて調整して出力輝度レベルYoに変換し、あるいは飛越走査信号525iの輝度レベルYiを、後述の一定レベルYconstに基づいて調整して出力輝度レベルYoに変換し、飛越走査信号525iの輝度レベルYiを出力輝度レベルYoに変換した飛越走査信号525i(Yo)を倍速化回路22に供給する。
倍速化回路22は、飛越走査信号525i(Yo)を倍速化した倍速飛越走査信号Sidを走査線切替回路20の他方の入力ポート21aに供給する。
走査線切替回路20は、飛越走査信号525iの2倍の周波数で共通ポート21cを入力ポート21a又は入力ポート21bに切り替えることで、倍速飛越走査信号Sidの各水平走査信号間に、黒レベルYblkに応じた一定レベルYconstの補間走査信号Sipを挿入した順次走査信号525pを生成し、出力ポート24に供給する。
出力ポート24に、例えば順次走査方式の表示装置を接続することで、その表示装置上に順次走査信号525pによる画像(映像)が表示される。
この実施形態に係る変換装置10は、基本的には、以上のように構成されかつ動作するものであり、次に、動作についてより詳しく説明する。なお、変換装置10は、個別ICにより製作することができ、またその一部あるいは全部をコンピュータを利用して製作することもできるので、図2のフローチャートを参照しながら説明する。なお、実際には、図2のフローチャートにおいて、ステップS1の黒レベル検出処理とステップS2の補間走査信号生成処理は、初期時、あるいはフィールド毎等の更新処理時に行われる処理である一方、残りのステップS3〜S5の輝度レベル調整処理・倍速化処理・順次走査信号生成処理は、いずれも画素毎に行われる処理であるので、厳密には、さらに複雑なフローチャートとなるが、ここでは、理解の容易化のため、この簡略化したフローチャートを用いて説明する。
ステップS1において、黒レベル検出回路14により飛越走査信号525iから黒レベルYblkが検出され、輝度レベル調整回路16と補間走査信号生成回路18に供給される。
ステップS2において、黒レベル検出回路14により検出した黒レベルYblkに応じた一定レベルの補間走査信号Sipを補間走査信号生成回路18で生成する。なお、一定レベルの補間走査信号Sipは、実際上、黒レベルに応じた一定レベルYconstを有する画素値である。
一定レベルYconstは、検出した黒レベルYblkそのものでもよい(Yconst=Yblk)。その場合、補間走査信号生成回路18は不要となり、黒レベル検出回路14が補間走査信号生成回路18を兼用することになる。
ここで、黒レベルYblkと一定レベルYconstとの関係について説明する。
アナログビデオ信号をA/D変換器によりデジタルビデオ信号に変換する場合、標本値の範囲は、分解能であるビット数により決定される。ビット数が8[ビット/画素]の場合には、最大256階調(0〜255)表せることから、最小レベルは「0」レベルになる。
しかし、例えばデジタル画像のインタフェース規格ITU−R BT.656では「0」と「255」を予約ビット列としているため、画像信号自体は254階調(1〜254)の範囲の値となり、最小レベルが「1」になる。また、デジタルテレビジョン放送規格ITU−R BT.601では、量子化レベルとして、黒レベルが「16」、白ピークレベルが「235」と定義(公称値)されているため、最小レベルは、「16」になる。
このように、変換装置10が準拠する標準や勧告、あるいは装置自体の仕様により決定される最小レベルを、ここでは標準黒レベル=Yblkstd(半固定値)と表現する。
この場合、黒レベル検出回路14は、実質上、飛越走査信号525iのサンプル値の最小レベルを検出しようとするが、その最小レベルが、準拠する標準や勧告で定まる階調に対してクリッピング処理がなされていたり、実際には、公称値の範囲を超えるレベルを扱っていたり、映像ソースが特殊な場合であったりすると、検出した黒レベルYblkと上記した標準黒レベルYblkstdと差がでてくることになる。
この差が最終的に表示装置上で視覚的に無視できる場合には、一定レベルYconstをYconst=Yblkとして問題ない。
その一方、この差が無視できない場合には、この差を考慮して、補間走査信号生成回路18は、一定レベルYconstを、(2)式のように算出する。
Yconst=Yblk−a×(Yblk−Yblkstd) …(2)
ただし、(0≦a≦1)
Yconst=Yblk−a×(Yblk−Yblkstd) …(2)
ただし、(0≦a≦1)
この(2)式は、理論値と実データからの算出値のどちらに比重を置くのかを重み付け係数aにより決定するものである。重み付け係数aがa=0の場合には、(2)式の右辺は黒レベルYblkの項のみとなる。黒レベルYblkは、飛越走査信号525iから検出しているので、実際の映像の黒レベルを反映するので、ビデオ信号の仕様そのものではなく実データが基準になる。
重み付け係数aがa≠0の場合には、右辺の重み付け係数a以降の項が有効になる、これは、特殊な映像ソース等を原因として一定レベルYconstが本来の基準から外れるのを補正することで、映像が明るくなったり暗くなったりする影響を抑制する効果がある。
重み付け係数aの大きさは、この補正効果に影響するため、状況に合わせて適切な重み付けを行うようにする。
ここで、一定レベルYconstには、次の(5)式に示すような上限レベルYmaxが存在する。
Yconst<Ymax …(5)
Yconst<Ymax …(5)
この上限レベルYmaxは、ビデオ信号の階調、映像装置・表示装置の仕様に依存するので、一意には定まらないが、人間が視覚的に表示装置上で発光していない状態と大差のないレベルと認識する範囲であって、かつ出力輝度レベルYoの黒レベル(Yoの最小値)と一定レベルYconstとの輝度差が視覚的に違和感を与えない値である。
次に、ステップS3において、黒レベル検出回路14で検出した黒レベルYblkに応じた一定レベルYconstの補間走査信号Sipの挿入に伴う順次走査信号525pの輝度の低下を補償するために、輝度レベル調整回路16で、飛越走査信号525iの輝度レベルYiを、黒レベルYblkに基づき調整して出力輝度レベルYoに変換し、飛越走査信号525iの輝度レベルYiを出力輝度レベルYoに変換した輝度レベル調整後の飛越走査信号525i(Yo)を出力する。
この場合、出力輝度レベルYoは次の(1)式により算出する。
Yo=Yblk+(Yi−Yblk)×2 …(1)
Yo=Yblk+(Yi−Yblk)×2 …(1)
このように飛越走査信号525iの輝度レベルYiを約2倍に引き上げることで、黒レベルYblkに応じた一定レベルの補間走査信号Sipの挿入に伴う輝度の低下を補償することができる。
また、出力輝度レベルYoは、(1)式に代替して、次の(3)式により算出するようにしてもよい。
Yo=Yblkstd+(Yi−Yblk)×2 …(3)
Yo=Yblkstd+(Yi−Yblk)×2 …(3)
この(3)式では、右辺第2項により実データのレベルを2倍にすると同時に、基準とする黒レベルを標準黒レベルYblkstdに置換していることになる。
さらに、一定レベルYconstを利用して、出力輝度レベルYoを次の(4)式により算出するようにしてもよい。
Yo=Yconst+(Yi−Yconst)×2 …(4)
Yo=Yconst+(Yi−Yconst)×2 …(4)
この(4)式では、実データのレベルを2倍にすると同時に、基準とする黒レベルを理論値と実データから重み付けにより算出された基準に置き換えていることになる。
次にステップS4において、出力輝度レベルYoに変換された飛越走査信号525i(Yo)を倍速化回路22で倍速化し、倍速飛越走査信号Sidを作成する。倍速化回路22の必要性について説明する。
入力信号は、飛越走査信号525i(Yo)であるため、飛越走査(偶数フィールド走査信号又は奇数フィールド走査信号)であるが、出力信号は順次走査信号525pとなるため、出力信号は入力信号に対して走査速度を倍にする必要がある。
なお、走査速度を倍にするための倍速化回路22は、ラインメモリとそのリードライト制御回路で構成することが可能である。すなわち、ラインメモリへの飛越走査信号525i(Yo)の書き込みは、入力信号である飛越走査信号525i(Yo)の走査速度に合わせて行い、ラインメモリからの読み出しは、出力信号である順次走査信号525pの走査速度(入力の2倍)に合わせて行い、入力信号と出力信号の走査速度の差は、補間走査信号Sipの出力期間、換言すれば、一定画素値の1ライン出力期間で吸収するようにしている。
次に、ステップS5において、走査線切替回路20は、倍速化回路22から出力される、倍速化飛越走査信号Sidを構成する各水平走査信号間に補間走査信号Sipが挿入されるように共通ポート21cを入力ポート21a又は入力ポート21b側に切り替えることで、順次走査信号525pを生成して出力ポート24に供給する。
図3は、このようにして生成された順次走査信号525pに基づく順次走査画面の模式的な表示(順次走査表示)30を示している。
この順次走査表示30では、絵柄を示す倍速化飛越走査信号Sidを構成する水平走査信号に基づく絵柄32の間に、補間走査信号Sipである一定レベルYconstに対応する黒色の補間走査線34が挿入された表示が得られる。
この場合、飛越走査信号525iの絵柄自体の空間周波数成分のみを使用して、順次走査がなされているので、順次走査信号525pによる順次走査表示30の画質は、変換前の飛越走査信号525iによる画質と同一であり、ノイズの発生や解像度の低下が発生する余地がないという効果が達成される。
また、順次走査信号525pを得るのに動き検出を行う必要がないので、回路構成が簡単になり、演算処理量及びコストを激減させることができるという効果も達成される。
なお、この発明は、上述の実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…変換装置 12…入力ポート
14…黒レベル検出回路 16…輝度レベル調整回路
18…補間走査信号生成回路 20…走査線切替回路
22…倍速化回路 24…出力ポート
525i…飛越走査信号 525p…順次走査信号
14…黒レベル検出回路 16…輝度レベル調整回路
18…補間走査信号生成回路 20…走査線切替回路
22…倍速化回路 24…出力ポート
525i…飛越走査信号 525p…順次走査信号
Claims (4)
- 飛越走査信号の順次走査信号への変換方法において、
飛越走査信号の黒レベルを検出し、
前記黒レベルに応じた一定レベルの補間走査信号を生成し、
前記飛越走査信号を倍速化して倍速飛越走査信号を生成し、
前記倍速飛越走査信号を構成する各水平走査信号間に前記補間走査信号を挿入して順次走査信号を生成する
ことを特徴とする飛越走査信号の順次走査信号への変換方法。 - 請求項1記載の変換方法において、
前記黒レベルに応じた一定レベルの前記補間走査信号の挿入に伴う前記順次走査信号の輝度の低下を補償するために、前記飛越走査信号の輝度レベルを、前記黒レベルに基づき調整して出力輝度レベルに変換し、
出力輝度レベルに変換された飛越走査信号を倍速化して前記倍速飛越走査信号とする
ことを特徴とする飛越走査信号の順次走査信号への変換方法。 - 飛越走査信号の順次走査信号への変換装置において、
飛越走査信号の黒レベルを検出する黒レベル検出回路と、
検出した前記黒レベルに応じた一定レベルの補間走査信号を生成する補間走査信号生成回路と、
前記飛越走査信号を倍速化して倍速飛越走査信号を生成する倍速化回路と、
前記倍速飛越走査信号を構成する各水平走査信号間に前記補間走査信号を挿入して順次走査信号を生成する走査線切替回路と
を有することを特徴とする飛越走査信号の順次走査信号への変換装置。 - 請求項3記載の変換装置において、
さらに、
入力信号として前記飛越走査信号と前記黒レベルが供給され、前記倍速化回路に輝度レベル調整後の飛越走査信号を供給する輝度レベル調整回路を備え、
前記輝度レベル調整回路は、前記黒レベルに応じた一定レベルの前記補間走査信号の挿入に伴う前記順次走査信号の輝度の低下を補償するために、前記飛越走査信号の輝度レベルを、前記黒レベルに基づき調整して出力輝度レベルに変換し、前記輝度レベル調整後の飛越走査信号を出力する
ことを特徴とする飛越走査信号の順次走査信号への変換装置。
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