JP3717714B2 - はすば歯車の圧粉成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、はすば歯車の圧粉成形において、クラック等の発生を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、はすば歯車を焼結品として製造するための圧粉成形技術として、例えば本出願人の提案に係る特開平11−58087号のような技術が知られている。この技術では、外周はすばを備えた上下パンチと、内周はすばを備えたフローティングダイ(中間ダイス)を噛合させるとともに上下パンチ間に原料粉末を充填し、上パンチを降下させて押圧荷重を加えて圧粉成形するようにし、その後、上下パンチで成形品を所定の保持力で保持した状態でフローティングダイを降下させ、成形品から離脱させるようにしている。
この際、上パンチの外周はすばとフロティングダイの内周はすばを円滑に噛合させるため、上パンチの外周はすばを位相ガイドの内周はすばに噛合させて位相合わせするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような圧粉成形方法において、はすばのねじれ角が深くなったり、歯厚が薄い歯形の場合等に、特に、圧粉成形した後、成形品の周囲を拘束していたフローティングダイを降下させて成形品から離脱させる際に、歯の一部にクラックが発生する不具合が生じる場合がある。
【0004】
そこで本発明は、特に圧粉成形後、成形品の周囲を拘束していた中間ダイスを離脱させる際、歯の一部にクラックが発生するのを防止することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、内周はすばを備えた中間ダイスと、外周はすばを備えた下パンチを噛合させ、下パンチと中間ダイスによって形成される凹部空間内に原料粉末を充填した後、外周はすばを備えた上パンチを位相ガイドに沿って降下させて中間ダイスに噛合させるとともに原料粉末に押圧荷重を加えて圧粉成形し、その後、上下のパンチで成形品を所定の保持力で保持して、中間ダイスを成形品の下方に離脱させるようにしたはすば歯車の圧粉成形方法において、中間ダイスを離脱させる際、位相ガイドに生じている横ずれを強制的に修正して原位置に復帰させるようにした。
【0006】
ここで本発明者等がクラックの発生メカニズムを探求した結果、このクラックは、上パンチが所定の保持力で成形品を押圧中に、それまで周囲を拘束していた中間ダイスが離脱することで、上パンチが成形品の上面をこじるため発生することが判明した。
すなわち、上パンチは圧粉成形時に約420トンの押圧荷重を加えるが、この際、ねじれ歯の部分の上パンチは垂直方向に対し傾斜しているため、中間ダイスの部分に横方向の荷重を加える。そして、圧粉成形が終えて、上パンチによる押圧力を約4トンの保持力に減じて成形品を保持したまま中間ダイスを離脱させると、それまで中間ダイスで拘束されていた成形品と、上パンチは共にフリーの状態になり、上パンチと成形品との間に相対的な横ずれが発生することで、両者の接触部に摺接力が作用する。そしてこの摺接力によって成形品の上面に大きなこじれ力が作用し、クラックが発生するものと思われる。
【0007】
一方、前記のように、上パンチは中間ダイスの内周歯に噛合する際の位相合わせガイドに案内されており、上パンチが約420トンの押圧荷重を加える際は、この位相ガイドも横ずれ(位相ずれ)を生じると思われる。そして中間ダイスが離脱する際に上パンチと成形品の間に生じる相対的な横ずれは、この位相ガイドの横ずれ(位相ずれ)も大きな原因の一つである。
【0008】
そこで、中間ダイスが離脱する際、位相ガイドに生じている横ずれ(位相ずれ)を強制的に修正することで、上パンチを原位置に戻すようにし、成形品に作用するこじれ力を減少させる。
ここで、位相ガイドの横ずれを修正する具体的手段は任意であるが、例えばくさび作用を利用したり、倍力作用を利用した修正手段等が適用出来る。
【0009】
また請求項2では、内周はすばを備えた中間ダイスと、外周はすばを備えた下パンチを噛合させ、下パンチと中間ダイスによって形成される凹部空間内に原料粉末を充填した後、外周はすばを備えた上パンチを位相ガイドに沿って降下させて中間ダイスに噛合させるとともに原料粉末に押圧荷重を加えて圧粉成形し、その後、上下のパンチで成形品を所定の保持力で保持して、中間ダイスを成形品の下方に離脱させるようにしたはすば歯車の圧粉成形方法において、上パンチの押圧面に逃がし面を形成し、この逃がし面によって、中間ダイスが離脱して上パンチと成形品との間に相対的な横ずれが生じる際、成形品に作用する上パンチの摺接力が小さくなるようにした。
【0010】
すなわち、従来の上パンチの押圧面は水平面であり、成形品との間に水平方向の相対横ずれが生じると、接触面方向に一致するため摺接力が大きく作用する。このため、上パンチの押圧面に、相対横ずれが生じた際に、両者の接触面が離れる方向に傾斜する逃がし面を形成することで、成形品に対する摺接力を減少させる。
【0011】
また請求項3では、請求項1の位相ガイドの横ずれ修正方法と、請求項2の上パンチの逃がし面を組合せるようにした。
このように両者を組合せれば、こじれ防止を一層有効に図ることが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1ははすば歯車の圧粉成形装置の構成概要を説明するための説明図、図2は歯の部分にかかる荷重を説明するための説明図、図3及び図4は歯にクラックが発生する理由を説明する説明図、図5は上アウタパンチにこじれ防止の逃がし面を設けた場合の作用図、図6は上アウタパンチの端面形状の説明図、図7は成形された歯の端面形状の説明図、図8乃至図10は、位相ガイドの各種構成例の説明図である。
【0013】
本発明に係るはすば歯車の圧粉成形方法は、図1に示すような圧粉成形装置1における成形法に適用され、まず、この成形装置1の構成の概要について簡単に説明する。
成形装置1は、機台2に固定される下プレート3と、機台2に立設されるガイドポスト4に摺動自在な中間プレート5、及び上プレート6を備えており、上プレート6は、不図示のプレス機構によりガイドポスト4に沿って上下動自在にされるとともに、中間プレート5は不図示のフローティング機構によりフローティング支持されている。
【0014】
そして、下プレート3側には、下インナパンチ7b、下アウタパンチ7aからなる下パンチ7が固定されており、また下アウタパンチ7aの外周部には、外周はすばpが形成されている。
【0015】
また、前記上プレート6側には、上インナパンチ8b、上アウタパンチ8aからなる上パンチ8が設けられており、上アウタパンチ8aは上インナパンチ8bに対して軸周りに回転自在にされるとともに、上アウタパンチ8aの外周部には外周はすばqが形成されている。
【0016】
前記中間プレート5には、中間ダイス10が中心軸周りに回転自在に設けられており、この中間ダイス10の内周部には、内周はすばrが形成されている。
そして、この中間ダイス10の内周はすばrと、下アウタパンチ7aの外周はすばpは通常時は噛み合った状態にされ、下アウタパンチ7aの上部に原料粉末充填用の凹部が形成されるようにしている。
【0017】
また上パンチ8が降下する際、上アウタパンチ8aの外周はすばqが中間ダイス10の内周はすばrに噛み合うことが出来るようにされ、このため、上アウタパンチ8aの位相を合わせるための位相ガイド11が上アウタパンチ8aの外周はすばqに噛合している。
そしてこの位相ガイド11は、例えば図8に示すように、上アウタパンチ8aの外周はすばqに噛合する内周はすばsを備えるとともに、ガイドプレート12に対して回動自在に取付けられており、後述するように、位相ガイド11と一体のガイドピース11pが位相調整ボルト13によってロック状態に保持されている。
【0018】
以上のような圧粉成形装置1において、図1に示すように、下パンチ7上の凹部内に原料粉末Gを充填し、上パンチ8を降下させて上アウタパンチ8aの外周はすばqを中間ダイス10の内周はすばrに噛合させ、更に降下させると、中間ダイス10と上アウタパンチ8aは軸周りに回転して歯の干渉が避けられる。そして上パンチ8に約420トンの荷重をかけて圧粉成形が完了すると、上パンチ8の荷重を約4トンに減らして成形品を保持し、中間プレート5を降下させて成形品から中間ダイス10を離脱させ、その後成形品を取出す。
【0019】
以上のような成形方法において、成形歯車のはすばのねじれ角が深くなったり、歯厚が薄い歯形の場合等に、約420トンの荷重をかけて圧粉成形した後、中間ダイス10を離脱させる際、歯の一部にクラックが発生しやすくなる。
そこで、このクラック発生のメカニズムについて図2及び図4に基づき説明する。
【0020】
図2に示すように、上アウタパンチ8aによって下アウタパンチ7a上の原料粉末Gに約420トンの荷重を加えると、ねじれ角の影響により位相ガイド11に横向きの力F1が作用し、位相ガイド11の位相がずれて上アウタパンチ8aが中間ダイス10の側面に圧接し、中間ダイス10に横向きの力F2が作用する。
【0021】
このため、圧粉成形する時の上アウタパンチ8aと成形品Gaと中間ダイス10の関係を時系列で示すと図3に示すようになり、まず(a)で圧粉を開始した後、上アウタパンチ8aによって約420トンの荷重をかけると、(b)に示すように、中間ダイス10の側面を圧接して上アウタパンチ8aは中間ダイス10に支持された状態となる。
【0022】
次に圧粉成形が終えて上アウタパンチ8aの荷重が約4トンに減じられて(c)の状態に移行すると、依然、上アウタパンチ8aは中間ダイス10の側面を圧接する状態にあり、中間ダイス10には横向きの力が作用している。
そして成形品Gaが約4トンの保持荷重で保持されたまま、(d)に示すように、中間ダイス10が降下を始める。
【0023】
そして、(e)に示すように、中間ダイス10が上アウタパンチ8aから離れ、しかも成形品Gaの位置を離れて下方に抜けると、上アウタパンチ8aと成形品Gaは相対的に横ずれし、図4(a)に示すように、成形品Gaの上面は上アウタパンチ8aの押圧面に引き摺られて、図4(b)に示すような歯の部分にクラックcが発生する。
【0024】
すなわち、上アウタパンチ8aによって荷重をかけた際、位相ガイド11が横向きの力を受けて位相がずれた状態になり、その後、中間ダイス10が成形品Gaを離脱する際に、成形品Gaと上アウタパンチ8aが相対的に横ずれし、成形品Gaの上面がアウタパンチ8aによって引き摺られるようにこじられることによってクラックcが発生するものと思われる。
【0025】
本発明者等は、上記のクラック発生のメカニズムを解明することで、クラックを防止するためには、中間ダイスを離脱させる際に、上アウタパンチ8aの位置を元の位置に強制的に戻すか、または成形品Gaと上アウタパンチ8aが相対的に横ずれしても、成形品Gaの上面が引き摺られないようにすれば良いという知見を得て本発明の完成に至ったものである。
【0026】
そこでまず、成形品Gaと上アウタパンチ8aが相対的に横ずれしても、成形品Gaの上面が引き摺られないために上アウタパンチ8aの端面形状を変えた構成について図5乃至図7に基づき説明する。
【0027】
この構成では、中間ダイス10が成形品Gaから離脱する際、成形品Gaと上アウタパンチ8aの間に相対的な横ずれが生じても、成形品Gaの上面を引き摺らないように上アウタパンチ8aの押圧面に傾斜角αを有する逃がし面を設けている。
すなわち、図5に示すように、この逃がし面は、横ずれが生じると、上アウタパンチ8aと成形品Gaが離れる方向に傾斜する面として形成され、実施形態では傾斜角αを8度とし、具体的な上アウタパンチ8aの端面形状を、図6に示すようにしている。
ここで図6(a)は上アウタパンチ8aの押圧面の平面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は(a)のC−C線断面図である。
【0028】
そしてこの逃がし面は、歯元から歯先側にかけて形成され、このような上アウタパンチ8aによって圧粉することで、成形品Gaの歯形状は図7の実線に示すように、破線部が欠如した形態に成形される。
因みに、逃がし面成形部とそれ以外の部分との間には、段差dが形成されるが、この段差dには、応力集中を避けるためのアールが形成されている。
【0029】
以上のような逃がし面によって、中間ダイス10が成形品Gaから離脱する際に、上アウタパンチ8aと成形品Gaが相対的に横ずれしても、上アウタパンチ8aの押圧面が成形品Gaの上面を引き摺るような不具合が抑制される。
【0030】
次に、圧粉成形が完了して荷重を抜いた際、強制的に上アウタパンチ8aを元の位置に復元させるための具体的構成の一例について図8乃至図10に基づき説明する。
ここで図8は従来の位相ガイドの説明図、図9は本発明に係る第1構成例の説明図、図10は第2構成例の説明図である。
【0031】
図8に示す従来の位相ガイド11は、前述のようにガイドプレート12に回動自在に取付けられており、この位相ガイド11に固定される2箇所のガイドピース11pが、それぞれ一対の位相調整ボルト13により両側から位置決め状態にされてロックされている。
【0032】
そして、位相ガイド11の内周はすばsが上アウタパンチ8aの外周はすばqに噛合して、上アウタパンチ8aの外周はすばqと中間ダイス10の内周はすばrの位相を合わせることが出来るようにされ、この位相合わせの調整を位相調整ボルト13の出し入れによって行うようにしているが、このようなロック機構では、圧粉成形時に上アウタパンチ8aから横向きの力F1を受けて位相ずれが生じ、中間ダイス10の離脱に伴って横ずれ(位相ずれ)が生じることは前記の通りである。
【0033】
このため、中間ダイス10が離脱する際に、強制的に上アウタパンチ8aの位相を原位置に復帰させるため、図9に示す構成例では、ガイドピース11pの張出し部の形状を傾斜させ、これにくさび部材15を嵌合させるとともに、このくさび部材15を不図示の駆動源によって矢印方向に移動させることで、位相ガイド11の位相を変化させるようにしている。
【0034】
すなわち、くさび部材15の両側には、くさび部材15の移動をガイドし且つ横荷重がかかった際の強度補強を兼ねる一対の受部材16が設けられている。
そして、例えば上アウタパンチ8aに荷重がかかった際に、図の右方の受部材16に向けて横荷重がかかるとした場合に、上アウタパンチ8aの荷重が減じられてから中間ダイス10が抜けるまで、不図示の駆動源によりくさび部材15を後退させて、くさび作用によりガイドピース11pを左方に移動させ、上アウタパンチ8aの位相を強制的に元の位置に戻すようにする。
【0035】
こうすることで、中間ダイス10が成形品Gaから離脱する際に、上アウタパンチ8aと成形品Gaとの間に相対的な横ずれが発生するのを抑制することが出来る。
【0036】
また、図10は上アウタパンチ8aの位相を戻すため、ネジ作用によって戻すようにした構成例である。
すなわち、この場合は、上アウタパンチ8aに荷重がかかった際に、ガイドピース11pを通して横荷重がかかる側の受部材として、ネジ部材17の基端側にアーム18を介してシリンダロッド20の先端を連結し、シリンダロッド20の進退動によってネジ部材17を出し入れ出来るようにするとともに、反対側の受部材は、皿バネ21で付勢される押圧部材22をガイドピース11pに当接させて構成している。
【0037】
そして、上アウタパンチ8aにかかった荷重をネジ部材17で受けるようにし、上アウタパンチ8aの荷重が減じられてから、中間ダイス10が抜けるまで、シリンダロッド20を移動させてネジ部材17を前進させ、ガイドピース11pを左方に移動させることで、上アウタパンチ8aの位相を強制的に元の位置に戻す。
この場合も、上アウタパンチ8aと成形品Gaとの間に生じる相対的な横ずれを抑制することが出来、クラックの防止に有効である。
【0038】
因みに、本発明では、前記上アウタパンチ8aの押圧面の逃がし面と、位相ガイド11(上アウタパンチ8a)の強制的な復帰の両方を組合せて採用し、両方の効果を得るようにしているが、クラックの防止が有効に図られている。
【0039】
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば、上アウタパンチ8aの押圧面の逃がし面と、上アウタパンチ8aの強制的な復帰のいずれか一方だけを採用しても良く、また上アウタパンチ8aの強制的復帰の具体的構成は一例であり、その他の方式によるようにしても良い。
【0040】
【発明の効果】
以上のように本発明に係るはすば歯車の圧粉成形方法は、上パンチで押圧荷重を加えて圧粉成形した後、中間ダイスを離脱させる際、位相ガイドに生じている横ずれを強制的に修正して原位置に復帰させるようにしたため、成形品に作用するこじれ力を減少させることが出来、クラックの発生を抑制することが出来る。また請求項2のように、上パンチの押圧面に逃がし面を形成し、この逃がし面によって、上パンチと成形品との間に相対的な横ずれが生じる際、成形品に作用する上パンチの摺接力が小さくなるようにすれば、成形品に対するこじれ力を減少させることが出来、クラックの発生を抑制できる。
また請求項1の上パンチの強制的復帰と、請求項2の上パンチの逃がし面を組合せれば、一層有効にクラック発生を抑制出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】はすば歯車の圧粉成形装置の構成概要を説明するための説明図
【図2】歯の部分にかかる荷重を説明するための説明図で、歯の正面方向から見た図
【図3】上パンチと成形品の関係を時系列で示す説明図
【図4】クラックの発生原因の説明図
【図5】上アウタパンチにこじれ防止の逃がし面を設けた場合の作用図
【図6】上アウタパンチの端面形状の説明図で(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は(a)のC−C線断面図
【図7】成形された歯の端面形状の説明図
【図8】従来の位相ガイドの平面図
【図9】くさび作用で位相ガイドを復帰させる構成例の説明図
【図10】ネジ作用で位相ガイドを復帰させる構成例の説明図で、(a)は平面図、(b)は側面図
【符号の説明】
1…圧粉成形装置、7…下パンチ、8…上パンチ、8a…上アウタパンチ、10…中間ダイス、11…位相ガイド、α…傾斜角、Ga…成形品。

Claims (2)

  1. 内周はすばを備えた中間ダイスと、外周はすばを備えた下パンチを噛合させ、下パンチと中間ダイスによって形成される凹部空間内に原料粉末を充填した後、外周はすばを備えた上パンチを位相ガイドに沿って降下させて中間ダイスに噛合させるとともに原料粉末に押圧荷重を加えて圧粉成形し、その後、上下のパンチで成形品を所定の保持力で保持して、中間ダイスを成形品の下方に離脱させるようにしたはすば歯車の圧粉成形方法であって、前記上パンチの押圧面に逃がし面を形成し、この逃がし面によって、前記中間ダイスが離脱して上パンチと成形品との間に相対的な横ずれが生じる際、成形品に作用する上パンチの摺接力が小さくなるようにしたことを特徴とするはすば歯車の圧粉成形方法。
  2. 内周はすばを備えた中間ダイスと、外周はすばを備えた下パンチを噛合させ、下パンチと中間ダイスによって形成される凹部空間内に原料粉末を充填した後、外周はすばを備えた上パンチを位相ガイドに沿って降下させて中間ダイスに噛合させるとともに原料粉末に押圧荷重を加えて圧粉成形し、その後、上下のパンチで成形品を所定の保持力で保持して、中間ダイスを成形品の下方に離脱させるようにしたはすば歯車の圧粉成形方法であって、前記中間ダイスを離脱させる際、位相ガイドに生じている横ずれを強制的に修正して原位置に復帰させるようにし、また前記上パンチの押圧面に逃がし面を形成し、この逃がし面によって、前記中間ダイスが離脱して上パンチと成形品との間に相対的な横ずれが生じる際、成形品に作用する上パンチの摺接力が小さくなるようにしたことを特徴とするはずば歯車の圧粉成形方法。
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