JP3717421B2 - シートクッションパッド、シート構造とシートクッションパッドの製造方法 - Google Patents

シートクッションパッド、シート構造とシートクッションパッドの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシートクッションパッドとその製造方法に関し、詳しくは、クッション性に優れ、かつ異音発生を確実に低減もしくは防止可能なシートクッションパッドとこれを備えたシート構造およびシートクッションパッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両に搭載される座席としては、バネ材が配置された金属製のフレーム部上にクッション性の高い軟質樹脂発泡体からなるシートクッションパッドを載置・装着した構造のものが多く採用されている。すなわち、乗員が着座する最上層はクッション性の良好な、ポリウレタン等の軟質樹脂発泡体が用いられ、バネ材などが配置されたフレームと接する箇所には、金属材との接触に対して耐磨耗性が高く、かつ擦過音のような異音の生じにくい不織布などから構成されたサポーター(補強材)が配置されている。
【0003】
このサポーターは、一般に、ポリウレタンの発泡原液を型内に注入する際、発泡ポリウレタンと一体成形される。すなわち、金型内に予めサポーターを配置しておき、この型内にポリウレタン発泡原液を注入し、所定時間経過後、型を外すと、軟質樹脂発泡体とサポーターとが一体的に成形されたシートクッションパッドが得られる。このようなシートクッションパッドの断面構造の一例を図4に示す。
【0004】
図4において、サポーターSは、繊維を絡めた空隙率の異なる複数層(同図では2層構造)からなるフェルト層S1,S2から形成されていて、金属材との接触する部分には極力ポリウレタン発泡原液が染み込まないようにしている。つまり、サポーターS内に染み込んだポリウレタン発泡原液は、発泡することなく固いしこりとなってシートクッションパッドA内に残るため、クッション性が低下するのみならず、硬化した部分とバネ材などの金属材と接触した箇所から異音が発生することになって好ましくないからである。
【0005】
具体的には、例えば、発泡ポリウレタンと接する部分にはポリウレタン発泡原液が浸透してきた場合にこれを包含する緻密な不織布からなる中間層S2を配置し、その外側でバネ材と接する部分には目付量の大きい嵩高な(空隙率の大きい)不織布からなる外層S1を接合させて、クッション性を高めると共に、この外層にはポリウレタン発泡原液の浸透を極力抑えて、異音の発生を防止可能なサポーターを備えたシートクッションパッドとしている。つまり、発泡ポリウレタンと接する緻密な不織布からなる中間層に、型内においてポリウレタン発泡原液を均等に浸透させ充満させることにより、ポリウレタン発泡成形品の剛性を高めると共に、異音の発生を防止しようとしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術による方法で製造されたシートクッションパッドは、ややもすれば中間層が硬くなりすぎて、シートクッションパッド自体の剛性が高くなりすぎ、その撓み性が低下し、良好なクッション性が確保できない場合があり、更には不織布自体の目付量にバラツキがあるため、中間層に浸透したポリウレタン原液が外層にも染み込み、これが異音発生の原因になる場合もあった。のみならず、上記従来技術のサポーターは製造コストが比較的高いという問題もあった。
【0007】
そこで、本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みて、良好なクッション性を確保しつつ、バネ材などの金属材と接する層にはポリウレタン原液の染み込みを確実に低減でき、それでいて製造コストを低くくできるシートクッションパッド、これを備えたシート構造とシートクッションパッドの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は各請求項記載の発明により達成される。すなわち、本発明に係るシートクッションパッドの特徴構成は、クッション性に優れた軟質樹脂発泡体と、この軟質樹脂発泡体の金属材と接する部分にサポーターが配置されてこれらが一体成形されており、前記軟質樹脂発泡体とサポーターとの界面にフィルムが介在されているシートクッションパッドにおいて、前記サポーターは、目付30〜200g/m 2 の、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル、レーヨンから選ばれた原材料により製造された不織布からなると共に、前記サポーターに重ね合わされたフィルムに20〜100個/cm 2 の細孔が形成されていて、これら細孔を介して前記軟質樹脂発泡体の発泡原液が前記サポーターの表面層に浸透されると共に、前記フィルムとサポーターとが絡合されて固着されていることにある。
【0009】
この構成によれば、軟質樹脂発泡体と一体成形されるサポーターに軟質樹脂発泡体の原液が浸透することを確実に阻止できるので、シートクッションパッド自体の剛性を高くしすぎることがなく、従って良好なクッション性を確保でき、しかも金属材と直接接するサポーターの箇所に硬化した部分が生じるのを阻止できて、異音発生を確実に低減あるいは防止できることになり、更にはサポーターの構造を多層かつ複雑に形成する必要がなく、フィルムの使用のみであるため、従来技術に比べて製造コストを低減できることになる。
しかも、細孔を介して浸透した軟質樹脂発泡体の発泡原液が固化することにより、また、発泡原液中に細孔を通して貫通したサポーターを構成する繊維が存在することにより、樹脂発泡層とサポーターとが強固に固着され、両者が容易に剥離しなくなって都合がよく、サポーターの表面に予めフィルムを接着剤などを用い貼着する作業工程を省略あるいは軽減できて都合がよい。
【0010】
その結果、良好なクッション性を確保しつつ、金属材と接する層にはポリウレタン原液の染み込みを確実に防止でき、それでいて製造コストを低くくできるシートクッションパッドを提供することができた。
【0011】
尚、本明細書において、シートクッションパッドとは座面部および背もたれ部のいずれか一方または双方を含む概念として用いる。
【0012】
前記軟質樹脂発泡体が、発泡ポリウレタンであり、前記フィルムが厚み0〜100μmの、ポリエチレン、塩化ビニール、エチレン酢酸ビニール共重合体、ビニロン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートから選ばれたものであることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、発泡ポリウレタンはクッション性に優れていて好ましく、又フィルムをポリエチレン(低密度、高密度いずれでもよい)、塩化ビニール、エチレン酢酸ビニール共重合体、ビニロン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートから選択すると、ポリウレタン発泡原液の浸透を確実に阻止できると共に、サポーターの屈曲した形状に対しても形状追随性に優れ、しかも安価であって都合がよい。尚、フィルムの厚みが0μm未満であると、薄すぎて扱い難く、100μmを超えると厚みの割に効果の向上が少なく、かつ原料コストが高くなって好ましくない。又、前記フィルムの厚みは30〜80μmであることがより好ましい。
【0014】
前記サポーターは、目付30〜200g/m2 の、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、アクリル、レーヨンから選ばれた原材料により製造された不織布からなることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、軟質樹脂発泡体の良好なクッション性を損なうことなく、補強材として適度な剛性を保持できて都合がよい。この場合、前記目付が30g/m2 未満であると、サポーターとフィルムとを、例えばニードルパンチ機を用いて接合した場合に、フィルムに形成された微細な孔に発泡耐形成時の軟質樹脂が滲みだし易くなって好ましくなく、逆に200g/m2 を越えると、製造コストの上昇の割に効果の向上が少なく好ましくない。目付は、50〜150g/m2 であることがより好ましい。
【0016】
又、本発明に係るシート構造の特徴構成は、請求項1又は2のシートクッションパッドと、これを支持する支持フレーム部とを備えるシート構造。
【0017】
この構成によれば、良好なクッション性を確保しつつ、バネ材と接する層にはポリウレタン原液の染み込みを確実に低減でき、従って、車両の走行中において異音の発生を極力防止でき、それでいて製造コストを低くくできるシート構造を提供することができる。
【0018】
更に又、シートクッションパッドの製造方法の特徴構成は、型内に不織布製のサポーターを配置し、ポリウレタン発泡原液を注入して型内発泡させることにより、前記サポーターと発泡ポリウレタンとを一体成形して製造するシートクッションパッドの製造方法であって、前記ポリウレタン発泡原液と接する前記サポーターの表面にフィルムを重ね合わせて、両者に多数個の細孔を穿つと同時に、これら細孔を介して前記ポリウレタン発泡原液を前記サポーターの表面層に浸透させて、前記サポーターとフィルムとを絡合させることにある。
【0019】
この構成によれば、良好なクッション性を確保しつつ、金属材と接する層にはポリウレタン原液の染み込みを確実に低減でき、従って、異音発生を確実に低減もしくは防止でき、それでいて製造コストを低くできるシートクッションパッドの製造方法を提供することができる。しかも、サポーターを構成する繊維の一部分が、細孔を通してフィルムのポリウレタン発泡原液と接する面に貫通し、成形後、ポリウレタン発泡原液が固化した際に、ポリウレタン発泡層の中に細孔を通して貫通した繊維が存在する状態になって、ポリウレタン発泡原液とサポーターとがより一層強固に固着して都合がよい。
【0020】
前記フィルム表面に、ポリウレタン発泡原液が前記サポーターの表面層にのみ浸透可能な細孔が形成されていることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、浸透したポリウレタン発泡原液が固化することにより、ポリウレタン発泡層とサポーターとが強固に固着され、両者が容易に剥離しなくなって都合がよく、更にはサポーターの表面に予めフィルムを接着剤などを用いて貼着する作業工程を省略あるいは軽減できて都合がよい。
【0022】
前記サポーターが、目付30〜200g/m2 の、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル、レーヨンから選ばれた原材料により製造された不織布からなると共に、この不織布の一部分が前記細孔を通して貫通していることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、軟質樹脂発泡体の良好なクッション性を損なうことなく、補強材として適度な剛性を保持できるのみならず、ポリウレタン発泡層とサポーターとが一層強固に固着されて都合がよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、シートクッションパッドAの一例を示し、図2はこのシートクッションパッドAの下部に配置されてシートクッションパッドAを支持する支持フレーム部Bの一例を示す。図1に示すシートクッションパッドAを、図2の支持フレーム部Bに装着してシート構造が形成されるようになる。以下、ポリウレタン製のシートクッションパッドAを例に挙げて、本実施形態を詳細に説明する。
【0025】
シートクッションパッドAは、例えば座面部においては、金型内部にポリウレタンフォーム原料を注入して成型されたスキン層とコア層を有するポリウレタンフォームからなると共に座面部が1層構造であることが好ましい。又、シートクッションパッドAを構成する、軟質ポリウレタンフォームに使用されるポリオール化合物は、得られるシートクッションパッドの共振振動数、共振倍率、反発弾性率が所定範囲内に入るものであれば、その種類などは特に制限されないが、ポリオール化合物としては、ポリオキシアルキレンポリオール、あるいは、これとポリマーポリオールとを併用したもの等、種々のものを使用できる。
【0026】
ポリオキシアルキレンポリオールとしては、通常、多官能性アルコール系化合物を開始剤に、これにアルキレンオキサイドを付加させたいわゆるポリエーテルポリオール等を用いることができる。
【0027】
ポリオキシアルキレングリコールは、前記アルキレンオキサイドのランダム重合体、ブロック重合体のいずれでもよいが、末端にオキシエチレン単位を含むポリオキシプロピレンポリオールがイソシアネート基との反応性が良好で物性的にも優れており、好ましい。末端の1級化率(末端エチレンオキサイド単位化率)は、ポリオキシアルキレングリコールのオキシアルキレン単位の3重量%以上含むものが好ましく、5重量%以上含むものがより好ましく、特に好ましくは10〜20重量%である。もっとも、背もたれ部に使用する場合には、ホットモールド法、コールドモールド法などによっても製造され、例えば、ポリオキシアルキレンポリオールの架橋間分子量(水酸基当たりの分子量)が通常1000〜4000程度のものを使用することが好ましい。
【0028】
更に、ポリマーポリオールとはポリオール成分中にポリマー粒子を微粒子状にて分散させたポリオール化合物であり、ポリマーポリオールを使用することにより、高反発弾性フォーム(HRフォーム)が形成される。ポリマーポリオール中の微粒子としては、例えば、アクリロニトリル、スチレン等の粒子があげられる。これらのなかでも、アクリロニトリル、スチレンのホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。特にアクリロニトリルのホモポリマーが好ましい。なお、ポリマー粒子としては、アクリロニトリル重合体微粒子の含有系が、シートクッションパッドの成形性が良好であり、好ましい。
【0029】
上記ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオールを構成するポリオキシアルキレンポリオールも、共に末端の不飽和基濃度は低い方が好ましく、具体的には、末端の不飽和基濃度は0.1meq/g以下であることが好ましい。
【0030】
ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(精製ジフェニルメタンジイソシアネート(p−MDI)やクルードMDI(c−MDI)、カルボジイミド変成MDIないしウレタンイミン変成MDIがある。)などを使用することができる。
【0031】
トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などに加えて、シートクッションパッドの製造に通常使用される、イソシアネート基を2個以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系の各種のポリイソシアネート化合物、さらにはこれらポリイソシアネート化合物を変性して得られる変性ポリイソシアネート化合物を、本発明の目的を損なわない範囲で特性を調整するために使用してもよい。
【0032】
発泡剤としては水などを使用するが、水と共に他の発泡剤を併用することも好ましい。併用可能な発泡剤としては、HCFC−141b等のハロゲン化炭化水素、シクロペンタンやn−ペンタン等の低沸点脂肪族ないし脂環式炭化水素、液化炭酸ガス等があげられる。
【0033】
上記シート構造を構成するシートクッションパッドの製造において、必要に応じて低分子量の多価活性水素化合物を使用することも好適な態様であり、シートクッションパッドの剛性などを調整することが容易となる。このような低分子量の多価活性水素化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アルコール類、並びにこれらの多価アルコール類を開始剤としてエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを重合させて得られる水酸基価が300〜1000mgKOH/gの化合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン類などが例示される。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。これらの化合物を使用した市販品の使用も好適であり、例えばKL−210(三井化学社製)、ハードマスター17(第一工業製薬社製)、EL−980(旭硝子社製)等が例示される。
【0034】
前記ポリオール化合物、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒および整泡剤を含有してなるポリウレタンフォーム原料における各成分の使用量は、通常、以下の通りであるが、シートクッションパッドの反発弾性率などや硬度、密度などを調整するため、その使用量を適宜に変更できることはいうまでもない。
【0035】
そして、シートクッションパッドAの裏面側(支持フレーム部Bのバネ材と接する側)には、図3に示すように、各種樹脂製のクロス、粗毛布、不織布などからなる補強機能を備えたサポーターSが装着されており、特に、目付30〜200g/m2 の、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル、レーヨンから選ばれた原材料により製造された不織布であることが好ましい。このサポーターSは、成形時に予め金型に挿入されて、これにポリウレタン発泡原液を注入することにより一体成形されて積層・装着される。
【0036】
更に、発泡ポリウレタン層が形成される側のサポーターSの表面に樹脂製フィルムFが接着剤を用いて貼着されていて、ポリウレタン発泡原液がサポーターSの内部に浸透しないようになっている。すなわち、フィルムFとしては各種樹脂製のものを使用できるが、特に、厚み10〜100μmの、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニール、エチレン酢酸ビニール共重合体、ビニロン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートから選ばれたものであることが好ましい。これらは、ポリウレタン発泡原液がサポーターSの内部に浸透することを確実に阻止できると共に、屈曲したサポーターSに対しても形状追随性に優れて馴染みやすく、比較的安価でもあるからである。
【0037】
実際に車両に装着される座席シート等は、上記したシートクッションパッドAに本皮、モケット、トリコット、ジャージ、織物などの外層を被覆し、以下に説明する支持フレーム部を取り付けて車両の組み立てに供される。外層をシートクッションパッドに被覆する際には、シートクッションパッドに面ファスナーを接着などにより取り付けることも好適である。
【0038】
シートクッションパッドAを支持する支持フレーム部Bは、例えば図2に示すように、シートクッションパッドAの座面部の前方側下部に配置され剛性機能を有する前縁部1と、この前縁部1に接続され前縁部1から後方側に向けて延設・配置された弾性手段である4本のS字状バネ2とを備えると共に、更にS字状バネ2の延設方向とは略直交する方向にその長辺が配置され、略長方形をした閉鎖形状の補強用バネ3がS字状バネ2と接続されている。もっとも、補強用バネ3は必ずしも必要ではないが、図2に示すように補強用バネ3を配置すると、乗員が着座したりして荷重がかけられた場合に、両端部側に位置するS字状バネ2の撓み(上下の撓みに加えて、シートの両外側に向けて広がるように撓もうとする)に抗して均等な弾性機能を維持できるので都合がよい。S字状バネ2と補強用バネ3との接続は、溶接・接合してもよいし、S字状バネ2と補強用バネ3との重なり箇所に鋼板を折り曲げて被覆しつつクリップ方式で固着してもよく、種々の接続方法を採用できる。
【0039】
S字状バネ2は、直線部と曲線部との組み合わせ形状になっていて、長手方向の一端は前縁部1に接続されていると共に、他端は支持フレーム部Bを構成する連結ロッド4と接続されている。その接続方法についても、シート構造として所定強度が確保されれば、特に限定されるものではない。図2では、S字状バネ2を4本設けた例を示したが、使用本数はもとよりこれに限定されるものではなく、その他、鋼線種、バネ材としての特性などについても使用目的、例えば車種などに応じて適宜選択可能である。尚、背もたれ部についても、図示はしないが、支持フレーム部にS字状バネその他の金属製バネ材が設けられた構造となっている。
【0040】
記実施形態において、サポーターSの表面に貼着されるフィルムF、複数個の細孔が穿たれており、型内においてポリウレタン発泡原液が注入される際に、ポリウレタン発泡原液がサポーターSの表面層にのみ浸透されるようになっている。このようにすると、浸透したポリウレタン発泡原液が固化することにより、ポリウレタン発泡層とサポーターSとが強固に固着され、両者が容易に剥離しなくなって都合がよく、更にはサポーターSの表面に予めフィルムFを接着剤などを用いて貼着する作業工程を省略あるいは軽減できて都合がよい。フィルムFに細孔を形成するのは、サポーターSの表面にフィルムFを重ね合わせておき、これにニードルパンチ機などを用いて多数個の細孔を穿つと同時に、フィルムFとサポーターSとを絡合させるようにすることができる。細孔の大きさは、注入されたポリウレタン発泡原液がサポーターSの表面層のみならず、支持フレーム部Bのバネ材などの金属部分と接触する位置にまで達しない範囲で適宜選択することができる。細孔は、具体的には、20〜100個/cm2 であ。20個/cm2 未満では高い剥離阻止効果が得られず、100個/cm2 を超えると、フィルムの損傷による強度低下が著しくなって好ましくない。より好ましくは、30〜60個/cm2 の細孔を形成することである。
【0041】
又、上記ニードルパンチ機を用いて、フィルムFとサポーターSとを絡合させると、サポーターSを構成する繊維の一部分が、細孔を通してフィルムFのポリウレタン発泡原液と接する面に貫通し、成形後、ポリウレタン発泡原液が固化した際に、ポリウレタン発泡層の中に細孔を通して貫通した繊維が存在する状態になって、ポリウレタン発泡原液とサポーターSとがより一層強固に固着して都合がよい。
【0042】
サポーターSの表面にフィルムFを積層する方法としては、他に、Tダイを用いて行うダイレクト・ラミネート法、加熱したロール間を通して加圧しつつ熱融着する方法などを用いることができるが、上記したニードルパンチ機を用いる方法を採用することが、生産性が高く、製造コストを低くできて好ましい。
【0043】
〔別実施の形態〕
)上記実施形態において、シート構造に使用するバネ材としてS字状バネを用いた例を示したが、これに代えて、他のバネ材、例えばコイルスプリング等を使用してもよく、用いるバネ材として特に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート構造を構成するシートクッションパッドの一実施形態を示す斜視図
【図2】本発明に係るシート構造を構成するシートクッションパッドを支持する支持フレーム部の一実施形態を示す斜視図
【図3】図1に示すシートクッションパッドの端部側部分拡大断面図
【図4】従来技術に係るシートクッションパッドの断面図
【符号の説明】
A 軟質樹脂発泡体
F フィルム
S サポーター

Claims (4)

  1. クッション性に優れた軟質樹脂発泡体と、この軟質樹脂発泡体の金属材と接する部分にサポーターが配置されてこれらが一体成形されており、前記軟質樹脂発泡体とサポーターとの界面にフィルムが介在されているシートクッションパッドにおいて、前記サポーターは、目付30〜200g/m 2 の、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル、レーヨンから選ばれた原材料により製造された不織布からなると共に、前記サポーターに重ね合わされたフィルムに20〜100個/cm 2 の細孔が形成されていて、これら細孔を介して前記軟質樹脂発泡体の発泡原液が前記サポーターの表面層に浸透されると共に、前記フィルムとサポーターとが絡合されて固着されていることを特徴とするシートクッションパッド。
  2. 前記軟質樹脂発泡体が、発泡ポリウレタンであり、前記フィルムが厚み0〜100μmの、ポリエチレン、塩化ビニール、エチレン酢酸ビニール共重合体、ビニロン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートから選ばれたものである請求項1のシートクッションパッド。
  3. 請求項1又は2のシートクッションパッドと、これを支持する支持フレーム部とを備えるシート構造
  4. 型内に不織布製のサポーターを配置し、ポリウレタン発泡原液を注入して型内発泡させることにより、前記サポーターと発泡ポリウレタンとを一体成形して製造するシートクッションパッドの製造方法であって、前記ポリウレタン発泡原液と接する前記サポーターの表面にフィルムを重ね合わせて、両者に多数個の細孔を穿つと同時に、これら細孔を介して前記ポリウレタン発泡原液を前記サポーターの表面層に浸透させて、前記サポーターとフィルムとを絡合させることを特徴とするシートクッションパッドの製造方法。
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