JP6651732B2 - 発泡成形方法 - Google Patents
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Description
(1)不織布層と樹脂の軟化点(軟化点A)が30℃以上80℃以下の樹脂層とを積層させてなる発泡成形品補強用不織布を金型にセットする前に軟化点A以上の温度で1秒以上予熱し、金型にセットし、発泡成形する発泡成形方法。
その結果、従来の金型を使用し、縫製のみ施された発泡成形品補強用不織布を用い、作業性を向上できる。
この発泡成形方法では、発泡成形後の金型への汚れもなく、発泡成形品補強用不織布の成形性にも影響を与えないため、従来と全く同じ設備を使用することができるという利点がある。
スパンボンド法により得られる不織布を使用する補強用不織布層としては、目付が30〜200g/m2で、空隙率が90〜94%のかさ高な不織布と目付が20〜100g/m2で、空隙率87〜91%の緻密な不織布を積層し、ニードルパンチ法で積層一体化させたものや、一層であるが厚み方向に密度差を付け、ウレタン補強層とウレタン発泡時の染み出し防止層を兼ね備えたニードルパンチスパンボンド不織布を使用したもの、さらには捲縮数が2〜40個/25mm、繊維径が1〜30μmである捲縮長繊維不織布で構成され、目付が50〜200g/m2、厚さが0.5〜2.0mmのスパンボンド不織布を使用したものが好ましい。
また、短繊維不織布とスパンボンド不織布との複合不織布層であれば、繊維径が1〜23デシテックスの繊維で形成され、目付が20〜100g/m2であるスパンボンド不織布に短繊維のカードウェッブを片面または両面に積層し、ニードルパンチ法で一体化させた複合不織布層が好ましい。
予熱温度が軟化点A未満または時間が1秒未満であれば、補強用不織布の樹脂層に使用する樹脂の軟化が不十分となり、補強用不織布を金型へセットする時に、加温された金型による加熱で樹脂層に使用する樹脂を十分に軟化させることが必要となり、補強用不織布の金型へのセットするための時間が長くなり、効率が悪くなる。また、予熱温度が軟化点A+50℃より高くなると補強用不織布の樹脂層に使用する樹脂の軟化が進みすぎ、粘着性が高くなりすぎ、補強用不織布自身が接着し、広げにくくなるなど、金型へのセットに時間を要することになり、かえって効率が悪くなる。予熱の方法は特に限定はなく、熱風や赤外線等による昇温あるいは高温物に接触させることによる昇温などが可能である。
なお、本発明の実施例および比較例で用いた評価方法は下記の方法でおこなった。
JIS K 7206(1999)「プラスチック−熱可塑性プラスチック−ビカット軟化温度(VST)試験方法」に準拠して測定した。
補強用不織布から樹脂層をサンプリングし、TA instruments社製「Q400」を用い、TMA(熱機械分析)により求めた。プローブは針入プローブ、荷重0.1N、温度条件−30℃→100℃、昇温速度5℃/min、雰囲気N2下で行った。図1に例示した通り、2つの接線の交点を軟化点Aとした。
発泡成形品補強用不織布から樹脂部のみを4〜5mg採取した。この際、不織布が一緒に採取された場合、そのまま測定した。装置はTA instruments社製Q100を用い、−70℃から120℃まで20℃/minの速度で昇温させた。測定は窒素雰囲気下で行った。チャートより、溶解エネルギーを求めた。図2の場合、58.78J/gとなる。
JIS L 1096(2010)「織物及び編物の生地試験方法」8.26.1 A法(フラジール形法)」に準拠して測定した。
SEMにて樹脂層側から撮影し、単位当りの樹脂層の面積を求め、百分率で示した。
20cm×20cmにカットした試験片を10枚重ね、10kg/400cm2となるよう荷重を掛け、室温30℃の部屋で24時間放置する。その後、重りを除き、1枚1枚取り出すときの状況を以下の通り評価した。
○:各層で接着がなく取り出すことができた。
×:各層で接着が起こり、取り出すことが難しかった。
○:発泡ウレタン成形体の表面にガスの後がなく、きれいに発泡されていた。
×:発泡ウレタン成形体の表面にガスの後があり、痘痕状などの欠点があった。
補強用不織布を幅25mm、長さ100mmにカットし、70℃に予熱した金属板(SS400フラットバー幅30mm、長さ100mm)に押し付け、除重後も接着できる状態になるまでの時間を測定した。なお1秒未満は1秒とし、接着できなかったものは×とする。
東洋紡株式会社製不織布ボランス「CRE3080」の白色面側に幅1mmのヤスハラケミカル株式会社製ヒロダイン7529(エチレン酢酸ビニルコポリマー、ビカット軟化温度40℃、樹脂の溶解エネルギー58.78J/g)をT−ダイから押し出し、上記不織布の長手方向と平行に2mmの間隔で線状に積層した。樹脂は20g/cm2であった。この補強布を用い、70℃に昇温した乾燥機に20秒放置し、金型セット時間を測定すると1秒であった。
三井化学株式会社製不織布タフネル「ESE444」の片面に幅1mmのヤスハラケミカル株式会社製ヒロダイン7529(エチレン酢酸ビニルコポリマー、ビカット軟化温度40℃、樹脂の溶解エネルギー58.78J/g)をT−ダイから押し出し、上記不織布の長手方向と平行に2mmの間隔で線状に積層した。樹脂は30g/cm2であった。この補強布を用い、50℃に昇温した乾燥機に10秒放置し、金型セット時間を測定すると3秒であった。
実施例1の補強布を用い、100℃に昇温した乾燥機に20秒放置し、金型セット時間を測定すると1秒であった。ただし、乾燥機から取り出し時、補強布が折れ曲がるとそこで接着するなど取扱いが難しい。
実施例1の補強布を用い、70℃に昇温した乾燥機に120秒放置し、金型セット時間を測定すると1秒であった。ただし、乾燥機から取り出し時、補強布が折れ曲がるとそこで接着するなど取扱いが難しい。
東洋紡株式会社製不織布ボランス「CRE3080」白色面側に幅1mmのヤスハラケミカル株式会社製ヒロダイン7536(エチレン酢酸ビニルコポリマー、ビカット軟化温度83℃)をT−ダイから押し出し、上記不織布の長手方向と平行に2mmの間隔で線状に積層した。樹脂は20g/cm2であった。この補強布を用い、70℃に昇温した乾燥機に20秒放置し、金型セット時間の測定を試みたが接着させることができなかった。
東洋紡株式会社製不織布ボランス「CRE3080」白色面側に幅1mmのサイデン化学株式会社製アクリル系樹脂 ATR−1を上記不織布に20g/m2となるよう塗布した。上記アクリル系樹脂は常温(20℃)でも粘性が高く、樹脂層のサンプルを取ることができず、軟化点Aは測定できなかった。この補強布を用い、30℃に昇温した乾燥機に10秒放置し、金型セット時間を測定すると1秒であった。ただし、乾燥機から取り出し時、補強布が折れ曲がるとそこで接着するなど取扱いが難しい。
実施例1の補強布を用い、25℃に昇温した乾燥機に20秒放置し、金型セット時間を測定すると6秒であった。
Claims (2)
- 不織布層と樹脂の軟化点が30℃以上80℃以下の樹脂層とを積層させてなる発泡成形品補強用不織布を、金型にセットする前に上記軟化点以上の温度で1秒以上予熱し、上記樹脂層が金型側になるように金型にセットし、発泡成形する発泡成形方法。
- 上記不織布層に、上記樹脂層を線状に間隔を開けて積層またドット状に積層する工程を含む請求項1に記載の発砲形成方法。
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