JP3717387B2 - 多色画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多色画像形成装置に関し、更に詳しくは、カラー複写機、カラープリンター、カラーファクシミリ装置などのごとく、感光体へ光像露光により静電潜像を形成し、これを現像器の現像剤で現像して感光体上に顕像を形成してなり、ここでは、特に感光体上に形成した顕像を転写材に転写する中間転写方式の多色画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
電子写真方式を採用したフルカラー画像形成装置の通常の構成として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色の現像装置と、感光体とを備え、感光体を帯電させて、光ビームで露光を行って感光体上に静電潜像を形成し、上記の現像装置によりトナーを作用させ、トナー像として可視化し、転写体へ巻き付けた転写材(紙)上に、フルカラー画像の場合であれば、4回繰り返して転写し、その後定着工程を経て、フルカラー画像として出力するものが知られている。
【0003】
上記のようなフルカラー画像形成装置に搭載されている現像装置には、画像形成する画像の種類に合わせ、それぞれ目的に応じた現像剤が収容されている。例えば、モノクロ画像としての印字品質を重要視するため、Bk現像装置には磁性キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容され、一方フルカラー画像としての発色性、色再現性を重要視するため、Y、M及びCのカラー現像装置には非磁性1成分現像剤が収容されて使用されることがある。
そして、このような画像形成装置の使用形態は各ユーザー毎に全く異なった形態であり、あるユーザーでは、モノクロ印字物の画像形成が大半で、カラー画像形成を行う機会が非常に少ないという偏った状態が発生するのに対して、他のユーザーではモノクロ印字物の画像形成を殆ど行わずに、黒色以外のモノカラー印字や、フルカラーの画像形成を行う機会が極めて多い状態が発生する可能性がある。
【0004】
感光体は、使用されるにつれて、その感光層表面が磁気ブラシ、転写紙、クリーニングブレードあるいは接触式の帯電装置などと接触して擦られることにより、感光層の膜厚が減少してくる。従って、所望の感光体の表面電位を得るために感光体の膜厚の減少に伴って感光体の帯電手段への印加電圧を小さくしたり、感光体への像露光量を大きくしたりする画質補償や感度補正の制御が行われている。
【0005】
例えば、特開昭61−138267号公報では、感光体の累積回転数を感光体の膜厚減少としてとらえ、検出した累積回転数に応じて露光量を制御することにより感光体ドラムの感度変化を補正する方法が開示され、特開平5−257354号公報でも感光体帯電位を一定に保ち、感光層膜厚減少による画質の変化を防ぐために、帯電一定化機構、出力画像枚数カウント機構を備え、かつ出力画像枚数の増大に応じて現像バイアス電圧を上昇または露光量を増大させる方法が開示されている。
【0006】
感光体表面電位の制御方式として、特開平5−307315号公報に記載されているように、帯電手段にある一定電圧をかけた時に、帯電手段から感光体に流れる電流が膜厚が小さくなるほど大きくなることを利用して、帯電手段にある一定電圧を印加した時に流れる電流を検知し、その検知電流に応じて、感光体への像形成条件、即ち帯電手段への印加電圧及び画像露光量を制御する制御方式が知られている。
【0007】
ところが、上記構成のカラー画像形成装置のように、感光体に作用する現像装置に収容される現像剤の種類が異なる場合には、上記従来の技術の感光体の累積回転数や、出力画像枚数の増大によって、画像形成条件を制御する方式では、ユーザー間で異なる使用形態で、感光体の膜厚減少の程度が異なってくる。従って単純に感光体の累積回転数や累積回転時間の検知のみで感光体の感度補正や作像条件を制御するのは適切ではない。
【0008】
実用的には、感光体の累積回転時間、累積回転数を使用すると、好都合であるが、これに含まれるのは、時間的な長短要素のみであり、感光体に及ぶ機械的な剥離力(感光層を剥がす力)の大小要素が欠落している。従って、ユーザーの使用形態によっては過補正となったり、逆に補正不足となる不具合が発生する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1つの感光体と、異なる色の現像剤を収容し、非磁性1成分現像方式と2成分現像方式の各1以上からなる複数の現像器とを備え、感光体に光像露光により静電潜像を形成し、各現像器の現像剤を作用させて感光体上に顕像を形成し、この顕像を転写材に転写してカラー画像として出力する多色画像形成装置において、複数の現像器の感光体への作用時間を現像器ごとに計数する計数手段と、得られた計数時間に基づいて各現像器ごとに現像バイアス電圧を補正する制御手段とを備え、かつ前記得られた計数時間に基づいて各現像器ごとにする現像バイアス電圧の補正が、得られた計数時間に基づいて感光体の膜厚を予測し、この予測された膜厚での明部電位を求め、この明部電位で所定の画像濃度が得られる現像バイアス電圧の印加であることを特徴とする多色画像形成装置を提供する。
本発明は、別の観点によれば、1つの感光体と、異なる色の現像剤を収容し、非磁性1成分現像方式と2成分現像方式の各1以上からなる複数の現像器とを備え、感光体に光像露光により静電潜像を形成し、各現像器の現像剤を作用させて感光体上に顕像を形成し、この顕像を転写材に転写してカラー画像として出力する多色画像形成装置において、
複数の現像器の感光体への作用時間を現像器ごとに計数する計数手段と、得られた計数時間に基づいて各現像器ごとに現像バイアス電圧を補正する制御手段とを備え、かつ前記複数の現像器の感光体への作用時間が、各現像器の離接機構の作動時間であることを特徴とする多色画像形成装置を提供できる。
【0010】
すなわち、本発明は、非磁性1成分現像剤と2成分現像剤とを用いフルカラー画像を形成する多色画像形成装置において、ユーザーの使用形態によって異なる感光体の膜厚減少をより正確に予測することにより、画像品質の低下、特に画像濃度変化を防止しようとするものである。
【0011】
具体的には、本発明は、ユーザー間で画像形成装置の現像装置(現像器)の使用形態が異なっても、収容する現像剤の種類が異なる各色の現像装置の作用時間を計数(検知)することによって、時間的な長短計数のみで感光体(感光体ドラム又はベルト)に及ぶ機械的な剥離力(感光層を剥がす力)の大小要素を加味しながら感光体の膜厚減少を正確に予測することが可能となり、適切な現像バイアス電圧の補正(変補正)を行うことができる。
【0012】
本発明において使用される現像装置(現像器)は、異なる色の現像剤を収容し、非磁性1成分現像方式と2成分現像方式の各1以上からなる複数のものであり、両現像方式共、通常この分野で採用できるものが採用できる。
前者の非磁性1成分現像方式の場合は、キャリアを使用せず、非磁性トナーのみで現像する方法で、例えば、カラー3色としてイエロー、シアン、マゼンタ、が挙げられる。後者の2成分現像方式の場合は、トナーとキャリアを混合した現像剤を使用し、通常キャリアに対しトナーを5〜20重量%の割合で混合する。例えば、ブラックとして、トナーの原料を、熱可塑性樹脂(スチレン、アクリル、エポキシ)、カーボンブラック、電荷制御剤とし、キャリアを直径50〜200μの鉄粉とする。
【0013】
本発明は、感光体への作用時間を現像器ごとに計数する。カラー3色(イエロー、マゼンタ、シアン)とブラックの場合は、4つの現像器について作用時間を計数する。この作用時間は、後述する例のごとく、時間そのものでもよいが、それに代わる数値又は割合でもよい。計測する手段としては、通常のクロック機構、又はクロック回路を使用できる。
【0014】
例えば、異なる色の現像剤を収容する各現像装置の現像バイアス電圧の印加時間を計数し、感光体への作用時間とすることによって、各現像装置へ現像バイアス電圧が印加されている期間を、各現像装置が感光体に対して実際に作用している期間としてとらえ、感光体の膜厚減少を正確に予測することが可能となり、適切な現像バイアス電圧の補正を行うことができる。
【0015】
異なる色の現像剤を収容する各現像装置の離接機構の作動時間を計数し、感光体への作用時間とすることによって、各現像剤色の現像装置が感光体に対して近接状態となっている期間を、各現像装置が感光体に対して実際に作用している期間としてとらえ、感光体の膜厚減少を正確に予測することが可能となり、適切な現像バイアス電圧の補正を行うことができる。
【0016】
受信する画像データから各現像装置の作動時間を計数し、感光体への作用時間とすることによって、各現像装置の感光体への作用頻度を正確に計ることが可能となり、適切な現像バイアス電圧の補正を行うことができる。
現像バイアス電圧補正をDC成分の電圧値の増減によって行うこともできる。
【0017】
画像濃度を増加させる場合は、DC成分の電圧値の絶対値を増大方向へシフトさせ、画像濃度を減少させる場合は、DC成分の電圧値の絶対値を減少方向へシフトさせることにより、正確に予測した膜厚減少量に基づき、その時点での明部電位を求め、この明部電位で所定の画像濃度を得る現像バイアス電圧を算出し補正を行うので、適切な画像濃度の維持と、感光体寿命の延命とを適切に図ることができる。
現像バイアス電圧補正をAC成分の振幅の増減によって行うこともできる。
【0018】
画像濃度を増加させる場合はAC成分の振幅を拡大方向へシフトさせ、画像濃度を減少させる場合はAC成分の振幅を縮小方向へシフトさせることにより、正確に予測した膜厚減少量に基づき、その時点での明部電位を求め、この明部電位で所定の画像濃度を得る現像バイアス電圧を算出し補正を行うので、適切な画像濃度の維持と、感光体寿命の延命とを適切に図ることができる。
現像バイアス電圧補正をAC成分の周波数の増減によって行うこともで、それによって現像バイアス電圧を変化させることができる。
【0019】
画像濃度を増加させる場合は、AC成分の周波数を低下方向へシフトさせ、画像濃度を減少させる場合は、AC成分の周波数を上昇方向へシフトさせることにより、正確に予測した膜厚減少量に基づき、その時点での明部電位を求め、この明部電位で所定の画像濃度を得る現像バイアス電圧を算出し補正を行うので、適切な画像濃度の維持と、感光体寿命の延命とを適切に図ることができる。
現像バイアス電圧補正をAC成分のデューティー比の増減によって行うこともできる。
【0020】
画像濃度を増加させる場合は、AC成分のデューティー比を増加方向へシフトさせ、画像濃度を減少させる場合は、AC成分のデューティー比を低下方向へシフトさせることにより、正確に予測した膜厚減少量に基づき、その時点での明部電位を求め、この明部電位で所定の画像濃度を得る現像バイアス電圧を算出し補正を行うので、適切な画像濃度の維持と、感光体寿命の延命とを適切に図ることができる。
現像バイアス電圧補正をAC成分の波形を矩形波、または三角波に近づけることにより行うこともできる。
【0021】
画像濃度を増加させる場合は、AC成分の波形を矩形波に近づけ、画像濃度を減少させる場合は、AC成分の波形を三角波に近づけることにより、正確に予測した膜厚減少量に基づき、その時点での明部電位を求め、この明部電位で所定の画像濃度を得る現像バイアス電圧を算出し変補正を行うので、適切な画像濃度の維持と、感光体寿命の延命とを適切に図ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳述する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0023】
【実施の形態1】
図1は本発明に係る多色画像形成装置の一つの実施の形態を示す概略構成説明図、図2は使用比率の違いによる感光体膜減り量を示すグラフである。
多色画像装置(G)は、図1のように、1つの感光体(1)について、イエロー(2a)、マゼンタ(2b)、シアン(2c)、ブラック(2d)の現像装置(現像器)(2)を持ち、感光体(1)を帯電器(3)により帯電させ、光ビーム(4)により露光を行い感光体(1)上に静電潜像を形成し、(2a〜2d)の現像装置によりトナーを作用させ、トナー像として可視化し、用紙巻き付け半導電性ドラム(5)との当接部で転写バイアス印加装置(6)により、半導電性ドラム(5)に巻き付けた転写材(A)上に転写し、フルカラー画像の場合であれば、4回繰り返してフルカラー画像を形成し、搬送ベルト(7)によって、定着部(8)工程を経てフルカラー画像として出力する。
【0024】
この多色画像装置(G)の構成において、カラー3色(イエロー、マゼンタ、シアン)を非磁性1成分現像方式、ブラックを2成分現像方式とした場合、図2より非磁性1成分現像方式と、磁性キャリアにより感光体を削りやすい2成分現像方式とでは、感光体の膜削り量に関して以下の式が成り立つ。
非磁性1成分現像方式における膜減り量≠2成分現像方式における膜減り量
【0025】
例としては、非磁性1成分現像方式の膜減りが0.0529[μm/h]であるのに対し、2成分現像方式の膜減りは0.1017[μm/h]であり、両者は明らかに異なる。
よって従来の感光体の回転時間や出力画像枚数を感光体への作用時間とする方法では、現像方式の使用比率による膜減り量の違いを把握することができず、正確な膜減り量を得ることができないため、現像バイアス電圧補正の過不足が起こる。従来技術を採用した場合の例を図3、4に示す。図3では現像バイアス電圧補正の不足が生じ、明部電位と現像バイアス電圧との差が縮小していることがわかり、図4より画像濃度が低下していることがわかる。
【0026】
そこで本発明では、各現像装置の感光体への作用時間を別々に計数し、現像方式の違いを考慮した上で上記計数時間に基づいて膜減り量を予測し、各現像装置の現像バイアス電圧補正を行う。よって如何なる使用比率においても正確な膜減り量を得ることができる。本発明(本技術)を採用した場合の例を図5、6に示す。図5より明部電位に従って適切に現像バイアス電圧の補正が行われていることがわかり、図6より画像濃度に初期より変動が無いことがわかる。
【0027】
【実施の形態2】
実施の形態1と同一条件において、各現像装置の現像バイアス電圧の印加時間を別々に計数し、個々の計数時間を感光体への作用時間とみなし、現像方式の違いを考慮した上で上記作用時間に基づいて膜減り量を予測し、現像バイアス電圧補正を行う。よって如何なる使用比率においても正確な膜減り量を得ることができる。本発明(本技術)を採用した場合の例を図7、8に示す。図7より明部電位に従って適切に現像バイアス電圧の補正が行われていることがわかり、図8より画像濃度に初期より変動が無いことがわかる。
【0028】
【実施の形態3】
実施の形態1と同一条件において、各現像装置の離接機構の作動時間を別々に計数し、個々の計数時間を感光体への作用時間とみなし、現像方式の違いを考慮した上で上記作用時間に基づいて膜減り量を予測し、現像バイアス電圧補正を行う。よって如何なる使用比率においても正確な膜減り量を得ることができる。本発明(本技術)を採用した場合の例を図9、10に示す。図9より明部電位に従って適切に現像バイアス電圧の補正が行われていることがわかり、図10より画像濃度に初期より変動が無いことがわかる。
【0029】
【実施の形態4】
実施の形態1と同一条件において、受信する画像データから各現像装置の離接機構の作動時間を別々に計数し、個々の計数時間を感光体への作用時間とみなし、現像方式の違いを考慮した上で上記作用時間に基づいて膜減り量を予測し、現像バイアス電圧補正を行う。よって如何なる使用比率においても正確な膜減り量を得ることができる。本発明(本技術)を採用した場合の例を図11、12に示す。図11より明部電位に従って適切に現像バイアス電圧の補正が行われていることがわかり、図12より画像濃度に初期より変動が無いことがわかる。
【0030】
【実施の形態5】
図13は、現像バイアス電圧と画像濃度の関係を示している。この図13で使用しているトナーは−帯電である為、明部電位と現像バイアス電圧のDC成分との電位差の絶対値が拡大すると現像量が増し、画像濃度が増加する。
図14に例を示す。この図は、横軸を明部電圧と現像バイアス電圧のDC成分との電位差の絶対値とし、縦軸を画像濃度としている。現像に用いるトナー量の制限により画像濃度が飽和するまでは、前記絶対値の増加に比例して画像濃度が増加していることがわかる。以上より画像濃度を増加させるには、現像バイアス電圧のDC成分を増加方向にシフトすればよく、画像濃度を低下させるには、現像バイアス電圧DC成分を減少方向にシフトすればよいことがわかる。
【0031】
【実施の形態6】
現像バイアス電圧のAC成分の振幅を拡大すると、瞬間的ではあるものの現像バイアス電圧の絶対値が拡大するため、感光体へのトナーの移行が促進されるため、画像濃度が増加する。
図15は、現像バイアス電圧のAC成分の振幅と画像濃度の関係を示した例である。この例より、現像バイアス電圧のDC成分の絶対値が同一であれば、AC成分の振幅が大きい方が画像濃度が高いことがわかる。
以上より、画像濃度を増加させるには、現像バイアス電圧のAC成分の振幅を拡大方向にシフトすればよく、画像濃度を低下させるには、現像バイアス電圧のAC成分の振幅を低下方向にシフトすればよいことがわかる。
【0032】
【実施の形態7】
現像バイアス電圧のAC成分の周波数が上昇すると、電圧の絶対値が高い状態が継続する時間が拡大されていく。よって、感光体へのトナーの移行が促進され、画像濃度が増加する。
図16は、現像バイアス電圧のAC成分の周波数と画像濃度の関係を示した例である。この例より、現像バイアス電圧のDC成分の絶対値が同一であれば、AC成分の周波数が低い方が画像濃度が高い事がわかる。以上より、画像濃度を増加させるには、現像バイアス電圧のAC成分の周波数を低下方向にシフトすればよく、画像濃度を低下させるには、現像バイアス電圧のAC成分の周波数を上昇方向にシフトすればよいことがわかる。
【0033】
【実施の形態8】
現像バイアス電圧のAC成分のデューティー比が大きくなると、現像バイアス電圧の実行値の増減による画像濃度への影響はDC成分を増減させた場合と等価であるため、実行値を増加することにより、画像濃度は増加する。
図17は、現像バイアス電圧のAC成分のデューティー比と画像濃度の関係を示した例である。この例より、現像バイアス電圧のDC成分の絶対値が同一であれば、デューティー比0.75がデューティー比0.5より画像濃度が高いことがわかる。以上より、画像濃度を増加させるには、現像バイアス電圧のAC成分のデューティー比を増加方向にシフトすればよく、画像濃度を低下させるには、現像バイアス電圧のAC成分のデューティー比を低下方向にシフトすればよいことがわかる。
【0034】
【実施の形態9】
現像バイアス電圧の実行値は、AC成分の波形が矩形波の場合と三角波の場合とでは、周波数、振幅が同一であれば矩形波の方が高くなる。実行値の増減による画像濃度への影響はDC成分を増減させた場合と等価であるため、三角波より実行値が高い矩形波の方が画像濃度は高くなる。
図18は、現像バイアス電圧のAC成分が矩形波の場合と、三角波の場合での画像濃度の変化を示した例である。この例より、現像バイアス電圧のDC成分の絶対値、及びAC成分の周波数、振幅が同一であれば矩形波を用いた方が画像濃度が高くなることがわかる。以上より、画像濃度を増加させるには、現像バイアス電圧のAC成分の波形を方形波に近づければよく、画像濃度を低下させるには、現像バイアス電圧のAC成分の波形を三角波に近づければよいことがわかる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の現像器(装置)の感光体への作用時間を現像器ごとに計数できるようにすることによって、得られた計数時間に基づいて感光体の膜厚での明部電位を求め、それによって色補正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多色画像形成装置の一つの実施の形態を示す概略構成説明図である。
【図2】使用比率違いによる感光体膜減り量を示すグラフである。
【図3】従来技術による現像バイアス電圧補正を示すグラフである。
【図4】従来技術を用いた場合のライフによる濃度推移を示すグラフである。
【図5】本発明による現像バイアス電圧補正を示すグラフである。
【図6】本発明を用いた場合のライフによる濃度推移を示すグラフである。
【図7】本発明による現像バイアス電圧補正を示すグラフである。
【図8】本発明を用いた場合のライフによる濃度推移を示すグラフである。
【図9】本発明による現像バイアス電圧補正を示すグラフである。
【図10】本発明を用いた場合のライフによる濃度推移を示すグラフである。
【図11】本発明による現像バイアス電圧補正を示すグラフである。
【図12】本発明を用いた場合のライフによる濃度推移を示すグラフである。
【図13】現像バイアス電圧とトナー現像量の関係を示すグラフである。
【図14】現像バイアス電圧のDC成分と画像濃度の関係を示すグラフである。
【図15】現像バイアス電圧のAC成分の振幅と画像濃度の関係を示すグラフである。
【図16】現像バイアス電圧のAC成分の周波数と画像濃度の関係を示すグラフである。
【図17】現像バイアス電圧のAC成分のデューティー比と画像濃度の関係を示すグラフである。
【図18】デューティー比=0.5の波形を示すグラフである。
【図19】デューティー比0.75の波形を示すグラフである。
【図20】現像バイアス電圧のAC成分の波形と画像濃度の関係を示すグラフである。
【図21】矩形波の波形を示すグラフである。
【図22】三角波の波形を示すグラフである。
【符号の説明】
1 感光体
2 現像装置(現像器)
3 帯電器
4 光ビーム
5 半導電性ドラム
6 転写バイアス印加装置
7 搬送ベルト
8 定着部
Claims (15)
- 1つの感光体と、異なる色の現像剤を収容し、非磁性1成分現像方式と2成分現像方式の各1以上からなる複数の現像器とを備え、感光体に光像露光により静電潜像を形成し、各現像器の現像剤を作用させて感光体上に顕像を形成し、この顕像を転写材に転写してカラー画像として出力する多色画像形成装置において、
複数の現像器の感光体への作用時間を現像器ごとに計数する計数手段と、得られた計数時間に基づいて各現像器ごとに現像バイアス電圧を補正する制御手段とを備え、かつ前記得られた計数時間に基づいて各現像器ごとにする現像バイアス電圧の補正が、得られた計数時間に基づいて感光体の膜厚を予測し、この予測された膜厚での明部電位を求め、この明部電位で所定の画像濃度が得られる現像バイアス電圧の印加であることを特徴とする多色画像形成装置。 - 1つの感光体と、異なる色の現像剤を収容し、非磁性1成分現像方式と2成分現像方式の各1以上からなる複数の現像器とを備え、感光体に光像露光により静電潜像を形成し、各現像器の現像剤を作用させて感光体上に顕像を形成し、この顕像を転写材に転写してカラー画像として出力する多色画像形成装置において、
複数の現像器の感光体への作用時間を現像器ごとに計数する計数手段と、得られた計数時間に基づいて各現像器ごとに現像バイアス電圧を補正する制御手段とを備え、かつ前記複数の現像器の感光体への作用時間が、各現像器の離接機構の作動時間であることを特徴とする多色画像形成装置。 - 得られた計数時間に基づいて各現像器ごとにする現像バイアス電圧の補正が、得られた計数時間に基づいて感光体の膜厚を予測し、この予測された膜厚での明部電位を求め、この明部電位で所定の画像濃度が得られる現像バイアス電圧の印加である請求項2に記載の多色画像形成装置。
- 複数の現像器の感光体への作用時間が、各現像器の現像バイアス電圧の印加時間である請求項1又は2に記載の多色画像形成装置。
- 複数の現像器の感光体への作用時間が、受信する画像データから計数される各現像器の作動時間である請求項1又は2に記載の多色画像形成装置。
- 現像バイアス電圧の補正が、現像バイアス電圧のDC成分値の増減によって行われる請求項1〜5の何れか一つに記載の多色画像形成装置。
- DC成分値の増減が、画像濃度を増加させる場合はDC成分の絶対値を増大方向へシフトさせ、画像濃度を減少させる場合はDC成分の絶対値を減少方向へシフトさせて行われる請求項6記載の多色画像形成装置。
- 現像バイアス電圧の補正が、現像バイアス電圧のAC成分の振幅の増減によって行われる請求項1〜5の何れか一つに記載の多色画像形成装置。
- AC成分値の振幅の増減が、画像濃度を増加させる場合はAC成分の振幅を拡大方向へシフトさせ、画像濃度を減少させる場合はAC成分の振幅を縮小方向へシフトさせて行われる請求項8記載の多色画像形成装置。
- 現像バイアス電圧の補正が、現像バイアス電圧のAC成分の周波数の増減によって行われる請求項1〜5の何れか一つに記載の多色画像形成装置。
- AC成分の周波数の増減が、画像濃度を増加させる場合はAC成分の周波数を低下方向へシフトさせ、画像濃度を減少させる場合はAC成分の周波数を上昇方向へシフトさせて行われる請求項10に記載の多色画像形成装置。
- 現像バイアス電圧の補正が、現像バイアス電圧のAC成分のデューティー比の増減によって行われる請求項1〜5の何れか一つに記載の多色画像形成装置。
- AC成分のデューティー比の増減が、画像濃度を増加させる場合はAC成分のデューティー比を増加方向へシフトさせ、画像濃度を減少させる場合はAC成分のデューティー比を低下方向へシフトさせて行われる請求項12記載の多色画像形成装置。
- 現像バイアス電圧の補正が、現像バイアス電圧のAC成分の波形を矩形波または三角波に近づけることにより行われる請求項1〜5の何れか一つに記載の多色画像形成装置。
- AC成分の波形を矩形波または三角波に近づけることが、画像濃度を増加させる場合はAC成分の波形を矩形波に近づけ、画像濃度を減少させる場合はAC成分の波形を三角波に近づけることよりなる請求項14に記載の多色画像形成装置。
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