JP3717269B2 - パルス圧縮送受信装置及びパルス圧縮送受信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パルス圧縮送受信装置及びパルス圧縮送受信方法に関し、受信信号にドップラ周波数による位相変調がない場合のレンジサイドローブをゼロとし、受信信号にドップラ周波数による位相変調がある場合のピークレンジサイドローブレベルの劣化が少なく、しかも構造が簡単で、一回のパルス圧縮結果を得るのに必要な時間を短くするものである。
【0002】
【従来の技術】
パルス内位相変調方式のパルス圧縮送受信装置では、送信時に、図15に示すように、パルス幅Tの1つのパルスをM個の幅Tsのサブパルスに分割し、サブパルス毎に符号長Mのある特殊な符号系列(s1,s2,s3,s4,……,sM)を用いて位相変調を行ってパルスを送信し、受信時に、受信信号と、送信パルスの位相変調に用いられたものと同じ符号系列を用いてパルス内位相変調した参照信号との相関処理を行うことによって、信号の復調を行うものである。
【0003】
ここで、受信パルス信号に、ドップラ周波数による位相変調がない場合は、パルス内位相変調方式のパルス圧縮を行った時の復調後の信号の振幅特性は、変調に用いる符号系列の自己相関関数で表される。そのため、パルス内位相変調に用いる変調符号系列として、その自己相関関数の値が完全に相関がとれたタイムラグtz=0(以後、タイムラグtz=0の時の相関値をメインローブと呼ぶ)以外で全てゼロとなるものを用いることによって、距離分解能をTs、即ち、パルス幅Tの1/Mにすることができる。
【0004】
しかしながら、パルス内位相変調に用いる変調符号系列として、0,1(位相変調に用いる場合は、0がexp(j0),1がexp(jp)に相当する)の2値の符号系列を単独で用いる場合には、タイムラグtz=0以外の相関値が全て0となる系列は存在せず、図16に示すように、レンジサイドローブと呼ばれるタイムラグtz=0以外での相関値が生じる。そして、このレンジサイドローブが大きいと、例えば、大きな受信強度の目標のレンジサイドローブに、近接する小さな受信強度の目標のメインローブが埋もれてしまうなどの問題が生じる。
【0005】
2値符号系列を用いたパルス圧縮送受信装置において、レンジサイドローブを0にする方法の一つに、図17に示すように、タイムラグtz=0以外の相関値即ちレンジサイドローブの絶対値が同じで、符号が逆となる2種類の同じ符号長の2値符号系列を用いてそれぞれパルス圧縮を行い、得られた2つの結果を同じタイムラグどうしで加算する方法がある。このような、レンジサイドローブの絶対値が同じで、符号が逆の1対の2値符号系列を相補系列(以下、一対の相補系列の一方の系列をCodeA、他方の系列をCodeBと呼ぶ)と呼び、現在、2×2n,10×2n,26×2n(n=0,1,2,…)の符号長Mのものが存在することが知られている。代表的な相補系列を図18に示す。
【0006】
このように相補系列を用いることによって、受信信号にドップラ周波数による位相変調がない場合のレンジサイドローブをゼロ、即ち、ピークレンジサイドローブレベル(メインローブに対する最も大きいレンジサイドローブの大きさ)を−∞とすることができ、距離分解能が、Ts(送信パルス幅Tの1/M)のパルス圧縮を実現することができる。
【0007】
ところが、パルス圧縮送受信装置と目標との間に相対速度がある場合、受信信号には相対速度に応じたドップラ周波数による位相変調がかかる。受信信号にドップラ周波数による位相変調がかかると、パルス内位相変調方式のパルス圧縮を行った時の復調後の信号の振幅特性は、変調に用いた符号系列の自己相関関数ではなく、変調に用いた符号系列にドップラ周波数による位相変調がかかったものと、変調に用いた符号系列との相互相関関数で表されることとなり、メインローブレベルの低下及びレンジサイドローブレベルの増加、即ち、ピークレンジサイドローブレベルの劣化が生じる。
【0008】
特に、相補系列を用いたパルス圧縮では、CodeAとCodeBでパルス内位相変調したパルスを交互に送信し、CodeAでパルス内位相変調された受信パルス信号と、CodeAでパルス内位相変調した参照信号との相関値と、CodeBでパルス内位相変調された受信パルス信号と、CodeBでパルス内位相変調した参照信号との相関値の和を求めるために、受信信号にドップラ周波数による位相変調がかかった場合のピークレンジサイドローブレベルの劣化が著しい。
【0009】
なぜなら、相補系列を用いたパルス圧縮において、ドップラ周波数による位相変調がない場合のタイムラグtz=0の時の相関値、即ちメインローブは、図19に示すように、受信パルス信号の振幅の2M倍(Mは、変調符号系列の符号長)となるが、受信信号にドップラ周波数による位相変調がある場合は、ドップラ周波数によって、2PRIの時間に位相が2πの奇数倍変化するような場合、即ち、ドップラ周波数が1/(2PRI)の奇数倍の時に図20(図20では、2PRIの時間で位相が2π変化する場合を示している。)に示すように、タイムラグtz=0の時のCodeAでパルス内位相変調された受信パルス信号と、CodeAでパルス内位相変調した参照信号との相関値と、CodeBでパルス内位相変調された受信パルス信号と、CodeBでパルス内位相変調した参照信号との相関値が、大きさが同じで、符号が正負逆の値となり、それらの和であるメインローブがゼロ、即ち、ピークレンジサイドローブレベルが∞となるからである。
【0010】
従来の相補系列を用いるパルス内位相変調方式のパルス圧縮送受信装置として、例えば、特開平1−303135号公報に記載されているものがある。
この装置は、パルス内位相変調に用いる変調符号系列として、相補系列と、ドップラ周波数がない場合のピークレンジサイドローブレベルは相補系列よりも大きいがドップラ周波数によるピークレンジサイドローブレベルの劣化が小さいBarker系列等の他の系列と、を用いるもので、受信信号にドップラ周波数による位相変調がない場合は、相補系列を用いたパルス圧縮結果を用い、受信信号にドップラ周波数による位相変調がある場合は、Barker系列等の他の系列を用いたパルス圧縮結果を用いるものである。
【0011】
図21は、上記のパルス圧縮送受信装置を一般的なパルス圧縮レーダ装置に適用した構成図である。
図21において、1は安定化局部発振器、2は基準中間周波数信号発生器、3a、3bは周波数混合器、4はパルス変調器A、5は電力増幅器、6は送受切替器、7はアンテナ、8は中間周波数増幅器、9は90度ハイブリッド回路、10a、10bは位相検波器、11a,11bはA/D変換器、12a,12bは相関器A、33は変調符号切替器B、14は包絡線検波器、15は切替スイッチ、16はメモリ、17はon−offスイッチ、18は加算器、19は後段信号処理回路である。
【0012】
上記の従来のパルス圧縮送受信装置の動作について図21を参照して説明する。
安定化局部発振器1で発生した信号と、基準中間周波数信号発生器2で発生した信号は、共に、周波数混合器3aに入力される。周波数混合器3aでは、安定化局部発振器1で発生した信号の周波数と、基準中間周波数との和の周波数の送信キャリア信号を生成し、パルス変調器A4に出力する。
【0013】
パルス変調器A4では、周波数混合器3aからの入力信号に対して、図22に示すように、パルス変調を行い、3種類の変調符号系列を用いてパルス内位相変調を行う。即ち、1番目のパルスは、幅Tのパルス変調を行なった後に、M個の幅Tsのサブパルスに分割し、変調符号切替器B33からの情報により、相補系列のCodeA(p1,p2,…,pM)を用いてパルス内位相変調を行う。2番目のパルスは、幅Tのパルス変調を行なった後に、M個の幅Tsのサブパルスに分割し、変調符号切替器B33からの情報により、相補系列のCodeB(q1,q2,…,qM)を用いてパルス内位相変調を行う。
3番目のパルスは、幅T’のパルス変調を行なった後に、M’個の幅Tsのサブパルスに分割し、変調符号切替器B33からの情報により、Barker系列(r1,r2,…,rM’)を用いてパルス内位相変調を行う。4番目のパルスは、再び、幅Tのパルス変調を行なった後に、M個の幅Tsのサブパルスに分割し、変調符号切替器B33からの情報により、相補系列のCodeA(p1,p2,…,pM)を用いてパルス内位相変調を行い、以降は、上記の動作を繰り返す。但し、パルス繰り返し間隔(以下、PRIと呼ぶ)は、送信パルスに対する目標からの反射パルスが受信されるまで、次のパルスを送信しないように、十分長い時間をとっている。
【0014】
パルス変調器A4の出力信号は、電力増幅器5に入力され、電力の増幅が行われ、送受切替器6を経て、アンテナ7より空間へ放射される。目標からの反射信号は、アンテナ7で受信され、送受切替器6を経て、周波数混合器3bに入力される。
また、周波数混合器3bには、安定化局部発振器1で発生した信号も入力される。
周波数混合器3bでは、受信信号のキャリア信号の周波数と安定化局部発振器1で発生した信号の差の周波数の信号、即ち中間周波数の信号を生成する。周波数混合器3bの出力信号は、中間周波数増幅器8へ入力され、電力の増幅が行われ、その後2分されて、それぞれ、位相検波器10a,10bに入力される。
一方、基準中間周波数信号発生器2で発生した信号は、90度ハイブリッド回路9で90度の位相差をもった2つの信号に分離され、位相検波器10a,10bに入力される。
位相検波器10a及び10bでは、中間周波数増幅器8の出力信号と90度ハイブリッド回路3の出力信号から、中間数周波数と基準中間周波数の差の周波数をもち、互いに90度に位相差をもつI成分、Q成分のビデオ信号を生成する。
生成されたI,Qビデオ信号は、サンプリング周波数が1/TsのA/D変換器11a,11bに入力され、それぞれディジタルI,Qビデオ信号に変換され、相関器A12a,12bに入力される。相関器A12aと12bの動作は、その入力信号がIビデオ信号かQビデオ信号の違いであるため、ここでは、相関器A12aの動作を図23を参照して詳しく説明する。
【0015】
図23において、相関器A12aは、入力されたディジタルIビデオ信号を1サンプルづつ順次記憶する可変段数シフトレジスタ24、送信時のパルス内位相変調に用いられた相補系列のCodeAを用いて位相変調したディジタルの参照信号を記憶している参照信号記憶メモリ25a、送信時のパルス内位相変調に用いられた相補系列のCodeBを用いて位相変調したディジタルの参照信号を記憶している参照信号記憶メモリ25b、送信時のパルス内位相変調に用いられたBarker系列を用いて位相変調したディジタルの参照信号を記憶している参照信号記憶メモリ25c、可変段数シフトレジスタ24の段数と同じ数の乗算器26と切替スイッチ27、及び一つの加算器28から構成される。
但し、可変シフトレジスタ24の段数は、パルス内位相変調の用いられた変調符号系列が、相補系列の場合は、相補系列の符号長Mと同じになり、Barker系列の場合は、Barker系列の符号長M’と同じになる。
【0016】
相関器A12aに入力されたディジタルIビデオ信号は、1サンプルづつ順次可変段数シフトレジスタ24に入力される。
そして、ディジタルIビデオ信号が1サンプル入力される毎に、各レジスタに記憶されている値と、各レジスタに対応する参照信号記憶メモリ25a,25b,25cに記憶されたディジタルの参照信号の各値との乗算を乗算器26で行う。
その際、25a,25b,25cのどの参照信号記憶メモリを用いるかは、変調符号切替器B33より、受信したパルスが相補系列のCodeAでパルス内位相変調がされているか、CodeBでパルス内位相変調がされているか、あるいはBarker系列でパルス内位相変調がされているかの情報をもらい、切替スイッチ27を用いて、受信したパルスが相補系列のCodeAなら参照信号記憶メモリ25aに、受信したパルスが相補系列のCodeBなら参照信号記憶メモリ25bに、受信したパルスがBarker系列なら参照信号記憶メモリ25cに切替ることによって決定する。
乗算器26の出力信号は、加算器28に入力され、総和を求め、包絡線検波器14に、その結果を出力する。
相関器A12bでは、先にも述べたように、ディジタルIビデオ信号がディジタルQビデオ信号に置き換わっただけで、相関器A12aと同じ動作を行う。
【0017】
包絡線検波器14では、相関器A12aの出力信号の2乗と相関器A12bの出力信号の2乗の和、あるいは和の平方根を求め、切替スイッチ15に出力する。
切替スイッチ15は、送信時にパルス内変調に用いられた変調符号が相補系列のCodeAかCodeBかBarker系列かによって切替られる。
また、on−offスイッチ17は、送信時にパルス内変調に用いられた変調符号が相補系列のCodeAかCodeBかによって切替られる。
例えば、送信時に、先に相補系列のCodeAを用いてパルス内位相変調したパルスを送信した場合、切替スイッチ15及びon−offスイッチ17は、変調符号切替器B33より、受信したパルスが相補系列のCodeAでパルス内位相変調がされているという情報をもらい、切替スイッチ15はXに接続され、on−offスイッチ17はoff状態となる。
よって、包絡線検波器14の出力信号はメモリ16に出力され、メモリ16には、包絡線検波器14の出力信号が、1サンプルづつ入力された順に記憶されていく。
1PRIの時間が経過し、切替スイッチ15及びon−offスイッチ17に、変調符号切替器B33より、受信したパルスが相補系列のCodeBでパルス内位相変調がされているという情報が入ると、切替スイッチ15はYに接続され、包絡線検波器14の出力信号は、加算器18に出力される。
また、on−offスイッチ17がon状態となり、メモリ16に記憶されていた信号が、入力してきた順に1サンプルづつ加算器18に出力される。
加算器18では、メモリ16の出力信号と包絡線検波器14の出力信号の加算を行い、その結果を後段信号処理回路19に出力する。
さらに、1PRIの時間が経過し、切替スイッチ15に受信したパルスがBarker系列でパルス内位相変調がされているという情報が入ると、切替スイッチ15はZに接続され、包絡線検波器14の出力信号は、そのまま、後段信号処理回路19に出力される。
後段信号処理回路19では、信号検出や距離測定等の信号処理を行う。
また、さらに、1PRIの時間が経過し、切替スイッチ15及びon−offスイッチ17に、変調符号切替器B33より、受信したパルスが相補系列のCodeAでパルス内位相変調がされているという情報が入ると、再び、切替スイッチ15はXに接続され、on−offスイッチ17はoff状態となり、以降は、上記の動作を繰り返す。
【0018】
受信信号にドップラ周波数による位相変調があるか、ないかは、一般に既知でないため、相補系列を用いたパルス圧縮結果と、Barker系列を用いたパルス圧縮結果のうちどちらかレンジサイドローブの低い特性のよい方を用いる。
【0019】
このような装置を用いることによって、受信信号にドップラ周波数による位相変調がない場合のレンジサイドローブをゼロ、即ち、ピークレンジサイドローブレベル(メインローブに対する最も大きいレンジサイドローブの大きさ)を−∞とすることができ、受信信号にドップラ周波数による位相変調がある場合にでも、ピークレンジサイドローブレベルの劣化の少ないパルス圧縮を実現することができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来のパルス圧縮送受信装置では、相補系列とBarker系列等の系列とを切替えて用いパルス圧縮を行うために、切替スイッチ等の装置が必要となり、パルス圧縮送受信装置の構造が複雑という課題がある。また、三種類の変調符号系列(相補系列の二種類とBarker系列等ドップラ周波数によるピークレンジサイドローブレベルの劣化の少ない系列)を用いるために、一回のパルス圧縮結果を得るために3PRIの時間を要するという課題がある。
【0021】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、受信信号にドップラ周波数による位相変調がない場合のレンジサイドローブをゼロとし、受信信号にドップラ周波数による位相変調がある場合のピークレンジサイドローブレベルの劣化を少なくし、しかも構造が簡単で、一回のパルス圧縮結果を得るのに必要な時間の短いパルス圧縮送受信装置及びパルス圧縮送受信方法を得ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この請求項1に係わる発明のパルス圧縮送受信装置は、相補系列を用いるパルス圧縮送受信装置において、初めに、相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された幅Tのパルスを送信し、この送信パルスが目標で反射された反射パルスの受信を待たずに、引き続いて上記送信パルスの幅T以上の時間間隔wをあけて、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された同じ幅Tのパルスを送信し、上記2連の送信パルスが目標で反射された2連の反射パルスの受信後に、パルス繰り返し周期ごとに上記2連の送信パルスの送信を繰り返す送信装置と、
2T+wの時間間隔の受信信号の最初の時間間隔Tの信号と、最初の送信パルスのパルス内位相変調に用いられた相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関と、2T+wの時間間隔の受信信号の最後の時間間隔Tの信号と、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関を求める相関器と、上記相関器で求められた2つの相関結果を入力とし2つの相関結果が両方とも0以外の時は、入力の2つの相関結果の和を出力し、少なくとも片方が0の場合は0を出力する判断器とを有する受信装置と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
また、この請求項2に係わる発明のパルス圧縮送受信装置は、相補系列を用いるパルス圧縮送受信装置において、初めに、相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された幅Tのパルスを送信し、この送信パルスが目標で反射された反射パルスの受信を待たずに引き続いて、上記送信パルスの幅T以上の時間間隔wをあけて、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された同じ幅Tのパルスを送信し、上記2連の送信パルスが目標で反射された2連の反射パルスの受信後に、パルス繰り返し周期ごとに上記2連の送信パルスの送信を繰り返す送信装置と、
2T+wの時間間隔の受信信号の最初の時間間隔Tの信号と、最初の送信パルスのパルス内位相変調に用いられた相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関と、2T+wの時間間隔の受信信号の最後の時間間隔Tの信号と、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関を求める相関器と、上記相関器で求められた2つの相関結果を入力とし2つの相関結果の両方が、予め定めたしきい値よりも大きい時は、入力の2つの相関結果の和を出力し、少なくとも片方が予め定めたしきい値よりも小さい場合は0を出力する判断器とを有する受信装置と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
また、この請求項3に係わる発明のパルス圧縮送受信装置は、相補系列を用いるパルス圧縮送受信装置において、初めに、相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された幅Tのパルスを送信し、この送信パルスが目標で反射された反射パルスの受信を待たずに引き続いて、上記送信パルスの幅T以上の時間間隔wをあけて、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された同じ幅Tのパルスを送信し、上記2連の送信パルスが目標で反射された2連の反射パルスの受信後に、パルス繰返し周期ごとに上記2連の送信パルスの送信を繰り返す送信装置と、
2T+wの時間間隔の受信信号の最初の時間間隔Tの信号と、最初の送信パルスのパルス内位相変調に用いられた相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関と、2T+wの時間間隔の受信信号の最後の時間間隔Tの信号と、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関とを求めそれらの相関結果の和をとる相関器とを有する受信装置と、を備えたことを特徴とする。
【0025】
また、この請求項4に係わる発明のパルス圧縮送受信方法は、以下のステップを有することを特徴とする。
(a)初めに、相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された幅Tのパルスを送信し、この送信パルスが目標で反射された反射パルスの受信を待たずに、引き続いて、上記送信パルスの幅T以上の時間間隔wをあけて、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された同じ幅Tのパルスを送信する送信ステップ、
(b)2T+wの時間間隔の受信信号の最初の時間間隔Tの信号と、最初の送信パルスのパルス内位相変調に用いられた相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関と、2T+wの時間間隔の受信信号の最後の時間間隔Tの信号と、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関を求め、求めた2つの相関結果が両方とも0以外の時は、2つの相関結果の和を最終的な相関結果とし、少なくとも片方が0の場合は、最終的な相関結果を0とする受信ステップ、
(c)受信ステップが実行されると、ステップ(a)に進み繰り返す。
【0026】
また、この請求項5に係わる発明のパルス圧縮送受信方法は、以下のステップを有することを特徴とする。
(a)初めに、相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された幅Tのパルスを送信し、この送信パルスが目標で反射された反射パルスの受信を待たずに、引き続いて、上記送信パルスの幅T以上の時間間隔wをあけて、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された同じ幅Tのパルスを送信する送信ステップ、
(b)2T+wの時間間隔の受信信号の最初の時間間隔Tの信号と、最初の送信パルスのパルス内位相変調に用いられた相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関と、2T+wの時間間隔の受信信号の最後の時間間隔Tの信号と、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関を求め、求めた2つの相関結果の両方が、予め定めたしきい値よりも大きい時は、入力の2つの相関結果の和を最終的な相関結果とし、少なくとも片方が予め定めたしきい値よりも小さい場合は、最終的な相関結果を0とする受信ステップ、
(c)受信ステップが実行されると、ステップ(a)に進み繰り返す。
【0027】
また、この請求項6に係わる発明のパルス圧縮送受信方法は、以下のステップを有することを特徴とする。
(a)初めに、相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された幅Tのパルスを送信し、この送信パルスが目標で反射された反射パルスの受信を待たずに、引き続いて、上記送信パルスの幅T以上の時間間隔wをあけて、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された同じ幅Tのパルスを送信する送信ステップ、
(b)2T+wの時間間隔の受信信号の最初の時間間隔Tの信号と、最初の送信パルスのパルス内位相変調に用いられた相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関と、2T+wの時間間隔の受信信号の最後の時間間隔Tの信号と、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関を求め、それらの相関結果の和をとる受信ステップ、
(c)受信ステップが実行されると、ステップ(a)に進み繰り返す。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態1を示す構成図である。
図1において、1は安定化局部発振器、2は基準中間周波数信号発生器、3a、3bは周波数混合器、5は電力増幅器、6は送受切替器、7はアンテナ、8は中間周波数増幅器、9は90度ハイブリッド回路、10a,10bは位相検波器、11a,11bはA/D変換器、13は変調符号切替器A、14は包絡線検波器、19は後段信号処理回路、20はパルス変調器B、22a,22bは相関器C、23a,23bは判断器Aである。
【0029】
このパルス圧縮送受信装置の実施の形態1について、図1,2,3,4を参照して説明する。
図1において、安定化局部発振器1で発生した信号と、基準中間周波数信号発生器2で発生した信号は、共に、周波数混合器3aに入力される。周波数混合器3aでは、安定化局部発振器1で発生した信号の周波数と、基準中間周波数との和の周波数の送信キャリア信号を生成し、パルス変調器B20に出力する。
【0030】
パルス変調器B20では、周波数混合器3aからの入力信号に対して、図2に示すように、幅Tのパルス変調を行い、その幅TのパルスをM個の幅Tsのサブパルスに分割し、変調符号切替器A13からの情報により、前記の相補系列のCodeAを用いてパルス内位相変調を行う。
さらに、幅Tと同じ時間間隔wをおいて、幅Tのパルス変調を行い、その幅TのパルスをM個の幅Tsのサブパルスに分割し、変調符号切替器13からの情報により、相補系列のCodeBを用いてパルス内位相変調を行う、時間間隔wはパルス幅T以上であれば良いが、ここでは具体的に示すために、w=Tとしている。
以降は、PRI−(2T+w)の間隔をあけて、再び、上記の操作の繰り返し行う。
但し、PRIは、相補系列のCodeAでパルス内位相変調した送信パルスと、時間間隔wのおいて相補系列のCodeBでパルス内位相変調した送信パルスの2連の送信パルスが目標で反射された2連の反射パルスが受信されるまで、次の送信パルスを送信しないように十分長い時間をとっている。
【0031】
パルス変調B20の出力信号は、電力増幅器5に入力され、電力の増幅が行われ、送受切替器6を経て、アンテナ7より空間へ放射される。目標からの反射信号は、アンテナ7で受信され、送受切替器6を経て、周波数混合器3bに入力される。
また、周波数混合器3bには、安定化局部発振器1で発生した信号も入力される。
周波数混合器3bでは、受信信号のキャリア信号の周波数と安定化局部発振器1で発生した信号の差の周波数の信号、即ち中間周波数の信号を生成する。周波数混合器3bの出力信号は、中間周波数増幅器8へ入力され、電力の増幅が行われ、その後2分されて、それぞれ、位相検波器10a,10bに入力される。
一方、基準中間周波数信号発生器2で発生した信号は、90度ハイブリッド回路9で90度の位相差をもった2つの信号に分離され、位相検波器10a,10bに入力される。位相検波器10a及び10bでは、中間周波数増幅器8の出力信号と90度ハイブリッド回路3の出力信号から、中間数周波数と基準中間周波数の差の周波数をもち、互いに90度に位相差をもつI成分,Q成分のビデオ信号を生成する。
生成されたI,Qビデオ信号は、サンプリング周波数が1/TsのA/D変換器11a,11bに入力され、それぞれディジタルI,Qビデオ信号に変換され、相関器C22a,22bに入力される。相関器C22a,22bの動作、及び判断器A23a,23bの動作は、その入力信号がIビデオ信号かQビデオ信号の違いであり、ここでは、相関器C22aの動作を図3を参照して、また、判断器A23aの処理は図4のフローチャートを参照して詳しく説明する。
【0032】
図3において、この相関器C22aは、入力されたディジタルIビデオ信号を1サンプルづつ順次記憶する3M(Mは変調符号の符号長)段のシフトレジスタ29と、送信時のパルス内位相変調に用いた相補系列のCodeAを用いて位相変調したディジタルの参照信号を記憶している参照信号記憶メモリ25aと、送信時のパルス内位相変調に用いた相補系列のCodeBを用いて位相変調したディジタルの参照信号を記憶している参照信号記憶メモリ25bと、2M個の乗算器26と、加算器31a,31bから構成される。
【0033】
相関器C22aに入力されたディジタルIビデオ信号は、1サンプルづつ順次3M段のシフトレジスタ29に入力される。そして、ディジタルIビデオ信号が1サンプル入力される毎に、シフトレジスタ29の1番目からM番目のレジスタの各値と対応する参照信号記憶メモリ25aの各値との乗算をM個の乗算器26で行い、その結果を加算器31aに出力する。加算器31aでは、M個の入力信号の総和を求め、その結果を判断器A23aに出力する。また同時、シフトレジスタ29の2M+1番目から3M番目のレジスタの値と対応する参照信号記憶メモリ25bの各値との乗算をM個の乗算器で26で行い、その結果を加算器31bに出力する。加算器31bでは、M個の入力信号の総和を求め、その結果を判断器A23aに出力する。
【0034】
また、この判断器A23aは、図4のフローチャートに示すように、ステップS50aにおいて、加算器31aの出力信号と加算器31bの出力信号が共にゼロより大きいかどうかの判断を行い、加算器31aの出力信号と加算器31bの出力信号が共にゼロより大きい場合は、ステップS50bに進み、加算器31aの出力信号と加算器31bの出力信号の和を包絡線検波器14に出力する。また、加算器31aの出力信号と加算器31bの出力信号の少なくとも一方がゼロの場合は、ステップS50cに進み、包絡線検波器14にゼロを出力する。
【0035】
相関器C22b及び判断器A23bでは、先にも述べたように、ディジタルIビデオ信号がディジタルQビデオ信号に置き換わっただけで、相関器C22a、及び判断器A23aと同様の動作を行う。
【0036】
包絡線検波器14では、判断器A23aの出力信号の2乗と判断器A23bの出力信号の2乗の和、あるいは和の平方根を求め、その結果を後段信号処理回路19に出力する。
後段信号処理回路19では、信号検出や距離測定等の信号処理を行う。
【0037】
次に、この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態1の送受信動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
このステップS60aにおいて、相補系列のCodeAでパルス内位相変調された幅Tのパルスを送信し、この送信パルスが目標で反射された反射パルスの受信を待たずに、引き続いて、上記送信パルスの幅Tと同じ時間間隔wをあけて、相補系列のCodeBでパルス内位相変調された同じ幅Tのパルスを送信し、ステップS60bに進む。
ステップS60bでは、2T+wの時間間隔の受信信号の最初の時間間隔Tの信号と、相補系列のCodeAでパルス内位相変調された参照信号との相関と、2T+wの時間間隔の受信信号の最後の時間間隔Tの信号と、相補系列のCodeBでパルス内位相変調された参照信号との相関を求め、求めた2つの相関結果が両方とも0以外の時は、2つの相関結果の和を最終的な相関結果とし、少なくとも片方が0の場合は、最終的な相関結果を0にし、再びステップS60aに戻る。以降は、ステップS60aとステップS60bの繰り返しとなる。
【0038】
なお、上記の図5のパルス圧縮送受信装置の実施の形態1の送受信動作を説明するフローチャートは、この発明のパルス圧縮送受信方法を定義するものであり、上記フローチャートの各ステップについては、この発明の実施の形態1の動作の説明で行っている。
【0039】
以下に、この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態において、受信信号にドップラ周波数による位相変調がない場合のレンジサイドローブがゼロになる原理について、図1,図2,図4,図6,図17を参照して説明する。
なお、上記実施の形態では、具体的に示すために、時間間隔wをw=Tとして記述したが、ここでは、一般的に示すために、w≧Tとして説明する。
相関器C22aにおける相補系列のCodeAでパルス内位相変調して送信した幅Tのパルスと、パルス幅T以上の時間間隔wをあけてCodeBでパルス内位相変調して送信した幅Tのパルスに対する受信パルス信号(ディジタルIビデオ信号)と、CodeAでパルス内位相変調された参照信号、及びCodeBでパルス内位相変調された参照信号との相関関係は、図6に示すように、case(a)〜(i)の9通りがある。
ここで、タイムラグtzは、CodeAでパルス内位相変調された受信パルス信号とCodeAでパルス内位相変調された参照信号が完全に重なり、CodeBでパルス内位相変調された受信パルス信号と、CodeBでパルス内位相変調された参照信号が完全に重なった場合、即ち、case(e)を0としている。
【0040】
case(a)の場合(tz≧(2T+w))は、CodeAでパルス内位相変調された受信パルス信号及びCodeBでパルス内位相変調された受信パルス信号のいずれも、CodeAでパルス内位相変調された参照信号とも、CodeBでパルス内位相変調された参照信号とも重ならないため、相関器C22a中の加算器31aからも加算器31bからも0が判断器A23aに出力され、判断器A23aでは、入力の両方が0となるため、図4に示したフローチャートによる処理により、0が包絡線検波器14に出力される。
【0041】
case(b)の場合((2T+w)>tz>w)は、CodeAでパルス内位相変調された受信パルス信号は、CodeAでパルス内位相変調された参照信号とも、CodeBでパルス内位相変調された参照信号とも重ならないが、CodeBでパルス内位相変調された受信パルス信号は、CodeAでパルス内位相変調された参照信号と重なるため、相関器C22a中の加算器31aからは0が出力され、加算器31bからは、CodeAとCodeBのあるタイムラグでの相互相関値が出力される。そのため、判断器A23aでは、図4に示したフローチャートによる処理により、入力の一方が0のため0が包絡線検波器14に出力される。
【0042】
case(c)の場合(w≧tz≧T)は、CodeAでパルス内位相変調された受信パルス信号及びCodeBでパルス内位相変調された受信パルス信号のいずれも、CodeAでパルス内位相変調された参照信号とも、CodeBでパルス内位相変調された参照信号とも重ならないため、相関器C22a中の加算器31aからも加算器31bからも0が判断器A23aに出力され、判断器A23aでは、入力の両方が0となるため、図4に示したフローチャートによる処理により、0が包絡線検波器14に出力される。
【0043】
case(d)の場合(T>tz>0)は、CodeAでパルス内位相変調された受信パルス信号は、CodeAでパルス内位相変調された参照信号と重なり、CodeBでパルス内位相変調された受信パルス信号は、CodeBでパルス内位相変調された参照信号と重なるため、相関器C22a中の加算器31aからはCodeAとCodeAのあるタイムラグtzでの自己相関値が出力され、加算器31bからはCodeBとCodeBの同じタイムラグtzでの自己相関値が出力される。
そのため、判断器A23aでは、図4に示したフローチャートによる処理により、両方の入力が0の場合は0を、両方の入力の絶対値が0より大きい場合は、加算器31bと加算器31aの和を包絡線検波器14に出力するが、図17に示した相補系列のレンジサイドローブレベルの特性により、加算器31bと加算器31aの和は0となるため、包絡線検波器14へは0が出力される。
【0044】
case(e)の場合(tz=0)は、CodeAでパルス内位相変調された受信パルス信号は、CodeAでパルス内位相変調された参照信号と完全に重なり、CodeBでパルス内位相変調された受信パルス信号は、CodeBでパルス内位相変調された参照信号と完全に重なるため、相関器C22a中の加算器31aからはCodeAとCodeAのタイムラグtz=0での自己相関値が出力され、加算器31bからはCodeBとCodeBのタイムラグtz=0での自己相関値が出力される。そのため、判断器A23aでは、図4に示したフローチャートによる処理により、両方の入力に絶対値が0より大きいため、加算器31bと加算器31aの和を包絡線検波器14に出力する。タイムラグtz=0での加算器31bと加算器31aの和は、図17に示した相補系列のレンジサイドローブレベルの特性により、2M(Mは相補系列の符号長)倍となる。
【0045】
case(f)の場合(0>tz>−T)は、case(d)と同じになり、包絡線検波器14へは0が出力される。
【0046】
case(g)の場合(−T≧tz≧−w)は、case(c)と同じになり、包絡線検波器14へは0が出力される。
【0047】
case(h)の場合(−w>tz>−(2T+w))は、case(b)の逆となり、CodeBでパルス内位相変調された受信パルス信号は、CodeAでパルス内位相変調された参照信号とも、CodeBでパルス内位相変調された参照信号とも重ならないが、CodeAでパルス内位相変調された受信パルス信号は、CodeBでパルス内位相変調された参照信号と重なるため、相関器C22a中の加算器31bからは0が出力され、加算器31aからは、CodeAとCodeBのあるタイムラグでの相互相関値が出力される。そのため、判断器A23aでは、図4に示したフローチャートによる処理により、入力の一方が0のため0が包絡線検波器14に出力される。
【0048】
case(i)の場合(−(2t+w)≧Tz)は、case(a)と同じになり、包絡線検波器14へは0が出力される。
【0049】
以上、判断器A23aにおける動作について説明したが、判断器A23bについても同様である。上記の理由によって、タイムラグtz=0以外の相関値即ちレンジサイドローブを0にすることができる。
【0050】
また、以下に、本実施の形態で示したパルス圧縮送受信装置において、受信信号にドップラ周波数による位相変調がある場合のピークレンジサイドローブレベルの劣化が少なくなる理由について、図20,図7,図8を参照して説明する。
【0051】
従来例の相補系列を用いたパルス圧縮送受信装置において、ドップラ周波数による位相変調がある場合は、図20に示したように、ドップラ周波数によって、2PRIの時間間隔の受信信号の位相が2πの奇数倍変化するような位相変調が生じた時、即ち、ドップラ周波数が1/(2PRI)の奇数倍の時に、ピークレンジサイドローブレベルが∞となり最も大きくなるのに対し、
実施の形態1で示したパルス圧縮送受信装置では、図7に示すように、ドップラ周波数が、1/(2PRI)よりも高い1/(2(T+w))の奇数倍の時、即ち、ドップラ周波数によって、2(T+w)の時間間隔の受信信号の位相が2πの奇数倍変化するような位相変調が生じた時に、タイムラグtz=0の時のCodeAでパルス内位相変調された受信パルス信号のIあるいはQディジタルビデオ信号と、CodeAでパルス内位相変調した参照信号との相関値と、CodeBでパルス内位相変調された受信パルス信号のIあるいはQディジタルビデオ信号と、CodeBでパルス内位相変調した参照信号との相関値が、大きさが同じで、符号が正負逆の値となり、それらの和であるメインローブがゼロ、即ち、ピークレンジサイドローブレベルが∞となり最も大きくなる。
【0052】
ピークレンジサイドローブは、ドップラ周波数が、ピークレンジサイドローブレベルが∞となるドップラ周波数に近づくに従って劣化していくため、ピークレンジサイドローブレベルが∞となるドップラ周波数が従来例のパルス圧縮送受信装置において、相補系列を用いた場合よりも高くなる実施の形態1で示したパルス圧縮送受信装置は、同じドップラ周波数でのピークレンジサイドローブレベルの劣化が小さくなる。
【0053】
図8に、ドップラ周波数を0Hzから30Hzまで変化させたときの、従来例のパルス圧縮送受信装置における相補系列(符号長M=10)を用いたパルス圧縮と、従来例のパルス圧縮送受信装置におけるBarker系列(符号長M’=11)を用いたパルス圧縮と、この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態1における相補系列(符号長M=10)を用いたパルス圧縮のピークレンジサイドローブレベルの変化のシミュレーション結果を示す。
但し、PRI=10msec、T/PRIは0.1としている。
図示していないが、上記シミュレーションの範囲を広げると、従来例の相補系列を用いたパルス圧縮送受信装置においては、ドップラ周波数が50Hzの時にピークレンジサイドローブレベルが∞となり、ドップラ周波数が50Hzに近づくにつれてピークレンジサイドローブレベルが劣化するのに対し、この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態1においては、ドップラ周波数が250Hzの時にピークレンジサイドローブレベルが∞となり、ドップラ周波数が250Hzに近づくにつれてピークレンジサイドローブレベルが劣化するため、従来例の相補系列を用いたパルス圧縮送受信装置の場合より、ドップラ周波数による位相変調がある場合のピークレンジサイドローブレベルの劣化が少ないことが分かる。
【0054】
また、図8によれば、従来例のパルス圧縮送受信装置において、ドップラ周波数が10Hz前後の時に相補系列からBarker系列の変調符号系列に切り替えたとしても、例えば、ドップラ周波数が25Hzの場合、従来例のパルス圧縮送受信装置において、Barker系列を用いた場合のピークレンジサイドローブレベルが−20.4dBであるのに対し、この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態1では、−25.4dBとなり、約5dBピークレンジサイドローブレベルを小さくすることができる。
【0055】
また、この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態1では、従来例のパルス圧縮送受信装置の受信装置で必要とする切替スイッチ15、on−offスイッチ17、メモリー16、及び図23で示した相関器Aの構成要素の切替スイッチ27を必要とせず、構成も簡単にすることができる。
【0056】
さらに、従来例のパルス圧縮送受信装置では、1回のパルス圧縮結果の得るのに、1PRI毎に図22に示すように、相補系列のCodeAでパルス内位相変調したパルスと、CodeBでパルス内位相変調したパルスと、Barker系列でパルス内位相変調したパルスの3つのパルスを送信する必要があるため、3PRIの時間を要するのに対し、この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態では、相補系列のCodeAでパルス内位相変調した送信パルスと、CodeBでパルス内位相変調した送信パルスのみを用い、しかも、この2つのパルスを1PRIの間に送信するために、1回のパルス圧縮結果の得るのに1PRIの時間しか必要としない。
【0057】
以上のように、この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態1によれば、受信信号にドップラ周波数による位相変調がない場合のレンジサイドローブをゼロとし、受信信号にドップラ周波数による位相変調がある場合のピークレンジサイドローブレベルの劣化を少なくし、しかも構成が簡単で、一回のパルス圧縮結果を得るのに必要な時間を短くすることができる。
【0058】
実施の形態2.
図9は、この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態2を示す構成図である。
図9において、32a,32bは実施の形態1と構成の異なる判断器Bであり、その他は実施の形態1と同様である。
【0059】
このパルス圧縮送受信装置の実施の形態2について、実施の形態1と異なる構成の判断器Bについて、その前段の相関器Cとともに、図9,図3,図4を参照して説明する。
【0060】
図9,図3において、相関器C22aは、入力されたディジタルIビデオ信号を1サンプルづつ順次記憶する3M(Mは変調符号の符号長)段のシフトレジスタ29と、送信時のパルス内位相変調に用いた相補系列のCodeAを用いて位相変調したディジタルの参照信号を記憶している参照信号記憶メモリ25aと、送信時のパルス内位相変調に用いた相補系列のCodeBを用いて位相変調したディジタルの参照信号を記憶している参照信号記憶メモリ25bと、2M個の乗算器26と、加算器31a,31bから構成される。
【0061】
上記相関器C22aに入力されたディジタルIビデオ信号は、1サンプルづつ順次3M段のシフトレジスタ29に入力される。そして、ディジタルIビデオ信号が1サンプル入力される毎に、シフトレジスタ29の1番目からM番目のレジスタの各値と対応する参照信号記憶メモリ25aの各値との乗算をM個の乗算器26で行い、その結果を加算器31aに出力する。
加算器31aでは、M個の入力信号の総和を求め、その結果を判断器B32aに出力する。
また同時、シフトレジスタ29の2M+1番目から3M番目のレジスタの値と対応する参照信号記憶メモリ25bの各値との乗算をM個の乗算器で26で行い、その結果を加算器31bに出力する。
加算器31bでは、M個の入力信号の総和を求め、その結果を判断器B32aに出力する。
【0062】
判断器B32aは、図10のフローチャートに示すように、ステップS51aにおいて、加算器31aの出力信号の絶対値と加算器31bの出力信号の絶対値が共に、あらかじめ定めたスレッショルドTrより大きいかどうかの判断を行い、加算器31aの出力信号の絶対値と加算器31bの出力信号の絶対値とが共に、上記スレッショルドTrより大きい場合は、ステップS51bに進み、加算器31aの出力信号と加算器31bの出力信号の和を包絡線検波器14に出力する。
また、加算器31aの出力信号の絶対値と加算器31bの出力信号の絶対値の少なくとも一方が上記スレッショルドTrより小さい場合は、ステップS51cに進み、包絡線検波器14にゼロを出力する。
【0063】
相関器C22b及び判断器B32bでは、先にも述べたように、ディジタルIビデオ信号がディジタルQビデオ信号に置き換わっただけで、相関器C22a、及び判断器A32aと同じ動作を行う。
【0064】
包絡線検波器14では、判断器B32aの出力信号の2乗と判断器B32bの出力信号の2乗の和、あるいは和の平方根を求め、その結果を後段信号処理回路19に出力する。後段信号処理回路19では、信号検出や距離測定等の信号処理を行う。
【0065】
次に、この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態2の送受信動作について図11のフローチャートを参照して説明する。
ステップS61aにおいて、初めに、相補系列のCodeAでパルス内位相変調された幅Tのパルスを送信し、この送信パルスが目標で反射された反射パルスの受信を待たずに、引き続いて、上記送信パルスの幅Tと同じ時間間隔wをあけて、相補系列のCodeBでパルス内位相変調された同じ幅Tのパルスを送信し、ステップS61bに進む。
ステップS61bでは、2T+wの時間間隔の受信信号の最初の時間間隔Tの信号と、相補系列のCodeAでパルス内位相変調された参照信号との相関と、2T+wの時間間隔の受信信号の最後の時間間隔Tの信号と、相補系列のCodeBでパルス内位相変調された参照信号との相関を求め、求めた2つの相関結果の両方が、予め定めたしきい値よりも大きい時は、入力の2つの相関結果の和を最終的な相関結果とし、少なくとも片方が予め定めたしきい値よりも小さい場合は、最終的な相関結果を0とし、再びステップS61aに戻る。以降は、ステップS61aとステップS61bの繰り返しとなる。
【0066】
上記のように、この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、受信信号にドップラ周波数による位相変調がない場合のレンジサイドローブをゼロとし、受信信号にドップラ周波数による位相変調がある場合の、ピークレンジサイドローブレベルの劣化が少なく、しかも構造が簡単で、一回のパルス圧縮結果を得るのに必要な時間を短くすることができる。
さらに、上記の判断器Bの動作にスレッショルドTrを用いて判断することにより、雑音等の影響によって、相関器C22aあるいは22bにおいて、理論的には、加算器31a及び加算器31bからの出力が0となるべきところに0でない値が生じたときも、正しい判断を行うことができる。
【0067】
なお、上記の図11のパルス圧縮送受信装置の送受信動作を説明するフローチャートは、この発明のパルス圧縮送受信方法を定義するものであり、上記フローチャートの各ステップについては、この発明の実施の形態1,2の動作の説明で行っている。
【0068】
実施の形態3.
図12は、この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態3を示す構成図である。
図12において、1は安定化局部発振器、2は基準中間周波数信号発生器、3a、3bは周波数混合器、5は電力増幅器、6は送受切替器、7はアンテナ、8は中間周波数増幅器、9は90度ハイブリッド回路、10a、10bは位相検波器、11a,11bはA/D変換器、13は変調符号切替器A、14は包絡線検波器、19は後段信号処理回路、20はパルス変調器B、21a,21bは相関器Bである。
実施の形態1の構成との差異は、相関器Bの構成が相違し、また、判断器を有しないことであり、その他の構成と動作は実施の形態1と同様である。
【0069】
このパルス圧縮送受信装置の実施の形態3について、実施の形態1と異なる構成の相関器Bについて、図12,図13を参照して説明する。
【0070】
図12,図13において、相関器B21aは、入力されたディジタルIビデオ信号を1サンプルづつ順次記憶する3M段(Mは変調符号の符号長)のシフトレジスタ29と、送信時のパルス内位相変調に用いた相補系列のCodeAを用いて位相変調したディジタルの参照信号を記憶している参照信号記憶メモリ25aと、送信時のパルス内位相変調に用いた相補系列のCodeBを用いて位相変調したディジタルの参照信号を記憶している参照信号記憶メモリ25bと、2M個の乗算器26と、加算器30から構成される。
【0071】
相関器B21aに入力されたディジタルIビデオ信号は、1サンプルづつ順次3M段のシフトレジスタ29に入力される。
そして、ディジタルIビデオ信号が1サンプル入力される毎に、シフトレジスタ29の1番目からM番目のレジスタの各値と対応する参照信号記憶メモリ25aの各値との乗算をM個の乗算器26で行い、その結果を加算器30に出力する。
また同時、シフトレジスタ29の2M+1番目から3M番目のレジスタの値と対応する参照信号記憶メモリ25bの各値との乗算をM個の乗算器26で行い、その結果を加算器30に出力する。
加算器30では、2M個の乗算器26の出力信号の総和を求め、包絡線検波器14に、その結果を出力する。
相関器B21bは、ディジタルIビデオ信号がディジタルQビデオ信号に置き換わっただけで、相関器B21aと同じ動作を行う。
【0072】
包絡線検波器14では、相関器B21aの出力信号の2乗と相関器B21bの出力信号の2乗の和、あるいは和の平方根を求め、その結果を後段信号処理回路19に出力する。後段信号処理回路19では、信号検出や距離測定等の信号処理を行う。
【0073】
次に、この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態3の送受信動作について、図14のフローチャートを参照して説明する。
ステップS62aにおいて、初めに、相補系列のCodeAでパルス内位相変調された幅Tのパルスを送信し、この送信パルスが目標で反射された反射パルスの受信を待たずに、引き続いて、上記送信パルスの幅Tと同じ時間間隔wをあけて、相補系列のCodeBでパルス内位相変調された同じ幅Tのパルスを送信し、ステップS62bに進む。
ステップS62bでは、2T+wの時間間隔の受信信号の最初の時間間隔Tの信号と、相補系列のCodeAでパルス内位相変調された参照信号との相関と、2T+wの時間間隔の受信信号の最後の時間間隔Tの信号と、相補系列のCodeBでパルス内位相変調された参照信号との相関を求め、それらの相関結果の和をとり、再びステップS62aに戻る。以降は、ステップS62aとステップS62bの繰り返しとなる。
【0074】
以上のように、この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態3によれば、図6で示した相補系列のCodeAでパルス内位相変調して送信した幅Tのパルスと、時間間隔wをあけてCodeBでパルス内位相変調して送信した幅Tのパルスに対する受信パルス信号と、CodeAでパルス内位相変調された参照信号、及びCodeBでパルス内位相変調された参照信号との相関関係において、
タイムラグtzが、case(b)((2T+w)>tz>w)とcase(h)(−w>tz>−(2T+w))の場合のレンジサイドローブレベルが0でなくなるため、実施の形態1,2と同様の、受信信号にドップラ周波数による位相変調がない場合のレンジサイドローブをゼロとし、受信信号にドップラ周波数による位相変調がある場合のピークレンジサイドローブレベルの劣化を少なくするという効果が得られるタイムラグtzの範囲が、((2T+w)>tz>w)及び(−w>tz>−(2T+w))の範囲以外に限られるが、判断器がいらなくなり、実施の形態1及び2よりもより簡単な構成とすることができる。
また、一回のパルス圧縮結果を得るのに必要な時間は実施の形態1,2と同様に、従来例より短くすることができる。
【0075】
なお、上記の図14のパルス圧縮送受信装置の送受信動作を説明するフローチャートは、このパルス圧縮送受信方法を定義するものであり、上記フローチャートの各ステップについては、この発明の実施の形態1,3の動作の説明で行っている。
【0076】
なお、以上のパルス圧縮送受信装置の実施の形態1,2,3では、受信信号をA/D変換したディジタル信号に対して復調処理を行っているが、A/D変換器をなくしてアナログ信号に対して復調処理を行う場合にも、適用可能である。
【0077】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係わる発明によれば、受信信号にドップラ周波数による位相変調がない場合のレンジサイドローブをゼロとし、受信信号にドップラ周波数による位相変調がある場合のピークレンジサイドローブレベルの劣化を少なくし、しかも構成が簡単で、一回のパルス圧縮結果を得るのに必要な時間を短くしたパルス圧縮送受信装置を得ることができる。
【0078】
また、請求項2に係わる発明によれば、受信信号にドップラ周波数による位相変調がない場合のレンジサイドローブをゼロとし、受信信号にドップラ周波数による位相変調がある場合のピークレンジサイドローブレベルの劣化を少なくし、しかも構成が簡単で、一回のパルス圧縮結果を得るのに必要な時間を短くしたパルス圧縮送受信装置を得ることができ、さらに、雑音等の影響による相関値決定の誤判断要因を低減したパルス圧縮送受信装置を得ることができる。
【0079】
また、請求項3に係わる発明によれば、受信信号にドップラ周波数による位相変調がない場合のレンジサイドローブをゼロとし、受信信号にドップラ周波数による位相変調がある場合のピークレンジサイドローブレベルの劣化を少なくするという効果が得られるタイムラグtzの範囲が限定されるが、構成が簡単で、一回のパルス圧縮結果を得るのに必要な時間を短くしたパルス圧縮送受信装置を得ることができる。
【0080】
また、請求項4に係わる発明によれば、受信信号にドップラ周波数による位相変調がない場合のレンジサイドローブをゼロとし、受信信号にドップラ周波数による位相変調がある場合のピークレンジサイドローブレベルの劣化を少なくし、一回のパルス圧縮結果を得るのに必要な時間を短くしたパルス圧縮送受信方法を得ることができる。
【0081】
また、請求項5に係わる発明によれば、受信信号にドップラ周波数による位相変調がない場合のレンジサイドローブをゼロとし、受信信号にドップラ周波数による位相変調がある場合のピークレンジサイドローブレベルの劣化を少なくし、一回のパルス圧縮結果を得るのに必要な時間を短くし、さらに、雑音等の影響による相関値決定の誤判断要因を低減したパルス圧縮送受信方法を得ることができる。
【0082】
また、請求項6に係わる発明によれば、受信信号にドップラ周波数による位相変調がない場合のレンジサイドローブをゼロとし、受信信号にドップラ周波数による位相変調がある場合のピークレンジサイドローブレベルの劣化を少なくするという効果が得られるタイムラグtzの範囲が限定されるが、構成が簡単で、一回のパルス圧縮結果を得るのに必要な時間を短くしたパルス圧縮送受信方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態1を示す構成ブロック図である。
【図2】 この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態1,2,3に共通の送信パルス信号と送信パルス信号の波形図である。
【図3】 図1の相関器の内部構成図である。
【図4】 図1の判断器の動作を説明するフローチャートである。
【図5】 この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態1におけるパルス送受信動作を説明するフローチャートである。
【図6】 この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態1,2,3に共通に、受信パルス信号と、参照信号の相関関係を説明する図である。
【図7】 この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態1,2,3に共通に、受信信号に、1/(2(T+w))のドップラ周波数による位相変調がある場合のタイムラグtz=0時の相関特性を説明する図である。
【図8】 この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態1における受信信号に0〜30Hzのドップラ周波数の位相変調がある場合のピークレンジサイドローブレベルの抑圧効果を説明する図である。
【図9】 この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態2を示す構成ブロック図である。
【図10】 図9の判断器の動作を説明するフローチャートである。
【図11】 この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態2におけるパルス送受信動作を説明するフローチャートである。
【図12】 この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態3を示す構成ブロック図である。
【図13】 図12の相関器の内部構成図である。
【図14】 この発明のパルス圧縮送受信装置の実施の形態3におけるパルス送受信動作を説明するフローチャートである。
【図15】 パルス内位相変調方式のパルス圧縮送受信装置の送信パルス信号波形を説明する図である。
【図16】 変調符号系列に2値符号系列を単独で用いたパルス圧縮送受信装置の受信信号復調後の振幅特性(メインローブとレンジサイドローブ)を説明する図である。
【図17】 変調符号系列に相補系列を用いたパルス圧縮送受信装置の受信信号復調後の振幅特性(メインローブとレンジサイドローブ)を説明する図である。
【図18】 代表的な相補系列を示す図である。
【図19】 従来のパルス圧縮送受信装置において、パルス内位相変調に相補系列を用いた場合に、受信信号にドップラ周波数による位相変調がない場合のタイムラグtz=0の時の相関特性を説明する図である。
【図20】 従来のパルス圧縮送受信装置において、パルス内位相変調に相補系列を用いた場合に、受信信号に1/2PRIのドップラ周波数による位相変調がある場合のタイムラグtz=0の時の相関特性を説明する図である。
【図21】 従来のパルス圧縮送受信装置を示す構成ブロック図である。
【図22】 従来のパルス圧縮送受信装置の送信パルス信号と送信パルス信号の波形図である。
【図23】 図21の相関器の内部構成図である。
【符号の説明】
1 安定化局部発振器、 2 基準中間信号発生器、 3a,3b 周波数混合器、 4 パルス変調器A、 5 電力増幅器、 6 送受切替器、 7 アンテナ、 8 中間週波数増幅器、 9 90度ハイブリッド回路、 10a,10b 位相検波器、 11a,11b A/D変換器、 12a,12b 相関器A、 13 変調符号切替器A、 14 包絡線検波器、 15 切替スイッチ、 16 メモリ、 17 on−offスイッチ、 18 加算器、 19 後段信号処理回路、 20a,20b パルス変調器B、 21a,21b相関器B、 22a,22b 相関器C、 23a,23b 判断器A、 24 可変段数シフトレジスタ、 25a,25b,25c 参照信号記憶メモリ、 26 乗算器、 27 切替スイッチ、 28 加算器、 29 3M段シフトレジスタ、 30 加算器、 31a,31b 加算器、 32a,32b判断器B、 33 変調符号切替器B。
Claims (6)
- 相補系列を用いるパルス圧縮送受信装置において、
初めに、相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された幅Tのパルスを送信し、この送信パルスが目標で反射された反射パルスの受信を待たずに引き続いて上記送信パルスの幅T以上の時間間隔wをあけて、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された同じ幅Tのパルスを送信し、上記2連の送信パルスが目標で反射された2連の反射パルスの受信後に、パルス繰り返し周期ごとに上記2連の送信パルスの送信を繰り返す送信装置と、
2T+wの時間間隔の受信信号の最初の時間間隔Tの信号と、最初の送信パルスのパルス内位相変調に用いられた相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関と、2T+wの時間間隔の受信信号の最後の時間間隔Tの信号と、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関を求める相関器と、上記相関器で求められた2つの相関結果を入力とし2つの相関結果が両方とも0以外の時は、入力の2つの相関結果の和を出力し少なくとも片方が0の場合は、0を出力する判断器とを有する受信装置と、
を備えたことを特徴とするパルス圧縮送受信装置。 - 相補系列を用いるパルス圧縮送受信装置において、
初めに、相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された幅Tのパルスを送信し、この送信パルスが目標で反射された反射パルスの受信を待たずに、引き続いて、上記送信パルスの幅T以上の時間間隔wをあけて、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された同じ幅Tのパルスを送信し、上記2連の送信パルスが目標で反射された2連の反射パルスの受信後に、パルス繰り返し周期ごとに上記2連の送信パルスの送信を繰り返す送信装置と、
2T+wの時間間隔の受信信号の最初の時間間隔Tの信号と、最初の送信パルスのパルス内位相変調に用いられた相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関と、2T+wの時間間隔の受信信号の最後の時間間隔Tの信号と、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関を求める相関器と、上記相関器で求められた2つの相関結果を入力とし2つの相関結果の両方が、予め定めたしきい値よりも大きい時は、入力の2つの相関結果の和を出力し、少なくとも片方が予め定めたしきい値よりも小さい場合は0を出力する判断器とを有する受信装置と、
を備えたことを特徴とするパルス圧縮送受信装置。 - 相補系列を用いるパルス圧縮送受信装置において、
初めに、相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された幅Tのパルスを送信し、この送信パルスが目標で反射された反射パルスの受信を待たずに、引き続いて、上記送信パルスの幅T以上の時間間隔wをあけて、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された同じ幅Tのパルスを送信し、上記2連の送信パルスが目標で反射された2連の反射パルスの受信後に、パルス繰返し周期ごとに上記2連の送信パルスの送信を繰り返す送信装置と、
2T+wの時間間隔の受信信号の最初の時間間隔Tの信号と、最初の送信パルスのパルス内位相変調に用いられた相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関と、2T+wの時間間隔の受信信号の最後の時間間隔Tの信号と、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関とを求め、それらの相関結果の和をとる相関器を有する受信装置と、
を備えたことを特徴とするパルス圧縮送受信装置。 - 以下のステップを有することを特徴とするパルス圧縮送受信方法、
(a)初めに、相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された幅Tのパルスを送信し、この送信パルスが目標で反射された反射パルスの受信を待たずに、引き続いて、上記送信パルスの幅T以上の時間間隔wをあけて、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された同じ幅Tのパルスを送信する送信ステップ、
(b)2T+wの時間間隔の受信信号の最初の時間間隔Tの信号と、最初の送信パルスのパルス内位相変調に用いられた相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関と、2T+wの時間間隔の受信信号の最後の時間間隔Tの信号と、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関を求め、求めた2つの相関結果が両方とも0以外の時は、2つの相関結果の和を最終的な相関結果とし、少なくとも片方が0の場合は、最終的な相関結果を0とする受信ステップ、
(c)受信ステップが実行されると、ステップ(a)に進み繰り返す。 - 以下のステップを有することを特徴とするパルス圧縮送受信方法、
(a)初めに、相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された幅Tのパルスを送信し、この送信パルスが目標で反射された反射パルスの受信を待たずに、引き続いて、上記送信パルスの幅T以上の時間間隔wをあけて、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された同じ幅Tのパルスを送信する送信ステップ、
(b)2T+wの時間間隔の受信信号の最初の時間間隔Tの信号と、最初の送信パルスのパルス内位相変調に用いられた相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関と、2T+wの時間間隔の受信信号の最後の時間間隔Tの信号と、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関を求め、求めた2つの相関結果の両方が、予め定めたしきい値よりも大きい時は、入力の2つの相関結果の和を最終的な相関結果とし、少なくとも片方が予め定めたしきい値よりも小さい場合は、最終的な相関結果を0とする受信ステップ、
(c)受信ステップが実行されると、ステップ(a)に進み繰り返す。 - 以下のステップを有することを特徴とするパルス圧縮送受信方法、
(a)初めに、相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された幅Tのパルスを送信し、この送信パルスが目標で反射された反射パルスの受信を待たずに、引き続いて、上記送信パルスの幅T以上の時間間隔wをあけて、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された同じ幅Tのパルスを送信する送信ステップ、
(b)2T+wの時間間隔の受信信号の最初の時間間隔Tの信号と、最初の送信パルスのパルス内位相変調に用いられた相補系列の一方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関と、2T+wの時間間隔の受信信号の最後の時間間隔Tの信号と、相補系列の他方の系列でパルス内位相変調された参照信号との相関を求め、それらの相関結果の和をとる受信ステップ、
(c)受信ステップが実行されると、ステップ(a)に進み繰り返す。
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