JP3717152B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器の把手構造に係るものであり、特に載置型または壁掛け型の電子機器の可搬性を向上させることのできる把手構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子機器の把手構造としては、例えば実開昭63−74872号公報に開示される「把手構造」、実開平2−101573号公報に開示される「装置運搬用機構」、特開平8−56320号公報に開示される「電子機器用把手」などが提案されている。
【0003】
上記「把手構造」は、キャビネットを前キャビネットと後キャビネットに分割し、後キャビネットの上部に前キャビネットの天板内壁と当接して手の入るだけの深さを持つ凹部を形成し、この凹部の突出方向に前記キャビネットの内壁を設けた固定用ボスと対向して、ビス等で固定されるボスと、天板部に切込みを形成するとともに、この切込みによって生ずる段差部に頭部を円形に形成した突条を一体に形成したものである。
【0004】
また、上記「装置運搬用機構」は、部品を実装するシャーシの側面を覆うカバーに、運搬用の取手部となる凹部を設けてなる装置運搬用機構において、前記凹部を構成する面のうち上方部分に、開口を設け、前記シャーシには、前記開口を上方から実質的に塞ぐ閉塞部を設けたものである。
【0005】
また、「電子機器用把手」は、電子機器の筐体の後面カバーの左右下部に、手指係止用凹部を設けたものである。
【0006】
これらの構成により、テレビジョン受像器等の電子機器を容易に持ち運びできるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電子機器の一種として、インターネット接続用のアクセラレーター装置が新規に開発されている。
このアクセラレーター装置は、インターネット上の良く利用するサイトへ自動的にアクセスを行い、該サイトのホームページが更新されていた場合に、このホームページのデータをダウンロードして一時的にハードディスクに保管しておくとともに、コンピュータから上記サイトにアクセス要求があった場合に、ハードディスクに保管してあるサイトデータをコンピュータ側に送ることで、良く利用するサイトへのアクセス速度を擬似的に加速することができる装置である。
【0008】
このアクセラレーター装置は、下側の筐体内部に、通信インターフェースやCPU並びにハードディスク等の記憶装置等が搭載され、その下側筐体を上方から覆うように樹脂成形のキャビネット(箱形カバー)が被せられるようになっている。
【0009】
この装置は、上述のようにハードディスク等を内蔵しているため、ある程度の体積があり、重量も1〜2kg程度あるため、運ぶ際に把手があると便利である。しかしながら、新規に開発された今までにない製品であるため、上記従来の把手構造をそのまま適用することはできない。
【0010】
また、アクセラレーター装置の外観を決定するキャビネットの外側に、露骨に把手が形成されていると美観を損なう虞があった。
【0011】
この発明は、上記問題点を解決すべく案出されたものであり、美観を損なうことのない電子機器の把手構造を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る電子機器は内部に各種部品が配置された下側筐体(2)と、当該下側筐体を上方から覆う箱形カバー(キャビネット1)とを少なくとも有するほぼ直方体の外形を呈する電子機器において、上記箱形カバーの前端もしくは後端部に、前方もしくは後方に向けて上記直方体の上面からほぼ面一となるように延設される上面部と、該上面部の前端もしくは後端からほぼ垂直下方に延設され且つ前方もしくは後方に膨出するように円弧状に湾曲された垂下部とを備え、内側に下方より手指を挿入可能な開口部が形成された庇状の把手部(1A)が、上記箱形カバーと共に樹脂で一体に成形され、上記把手部の内側に形成された上記開口部は、上記垂下部の内面よりほぼ垂直方向に立設するように形成され、高さより小さな厚みを有し、上記開口部の間隙とほぼ同等の高さを有する複数のリブ(R)によって複数の凹部(H)に仕切られ、上記リブによって仕切られた各凹部の幅はそれぞれ1本の指が挿入可能な大きさにされるようにしたものである。
【0013】
このように、比較的目立たない箱形カバーの後端部に把手部を形成したので、箱形カバー自体の美観を損なうことがなく、アクセラレーター装置等の電子機器の可搬性を向上させることができる。
さらに、上記把手部の垂下部は、前方もしくは後方に膨出するように円弧状に湾曲されたされるているので、開口部の凹部に手指を入れて引っかけて持ち上げたときの重量バランスを良くすることができる。
【0014】
また、上記把手部は、上記箱形カバーと共に樹脂で一体に成形しているので、箱形カバーを樹脂成形する工程で把手部も同時に形成することができ、製造コストがかからず、また、箱形カバーと把手部の継ぎ目ができないため美観にも優れている。
【0015】
また、上記把手部は、下側に、手指を挿入可能な凹部が複数形成されるようになっており、各凹部の幅はそれぞれ1本の指を挿入可能な大きさ(例えば、10〜15mm)とされるようになっているので、把手部下側の凹部に手指を入れて保持し易く、確実に箱形カバーを保持することができ、ひいてはアクセラレーター装置等の電子機器の可搬性を向上させることができる。
【0016】
また、上記把手部の各凹部は、上記垂下部の内面よりほぼ垂直方向に立設するように形成され、高さより小さな厚みを有し、上記開口部の間隙とほぼ同等の高さを有する複数のリブによって複数に仕切られるようになっており、前記リブの高さは前記把手部と略同等とされているため、把手部の強度を十分に高めることができ、アクセラレーター装置等の電子機器を確実に運搬することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図1〜図4の図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は本実施形態に係る把手構造を有する電子機器の外観を示す側面図、図2はその裏面図、図3はその背面図、図4(a)は正面図、(b)は平面図である。
【0020】
なお、本実施形態に係る電子機器Eは、先にも述べたが、インターネット接続用のアクセラレーター装置であり、その概要は、インターネット上の良く利用するサイトへ自動的にアクセスを行い、該サイトのホームページが更新されていた場合に、このホームページのデータをダウンロードして一時的にハードディスクに保管しておくとともに、コンピュータから上記サイトにアクセス要求があった場合に、ハードディスクに保管してあるサイトデータをコンピュータ側に送ることで、良く利用するサイトへのアクセス速度を擬似的に加速することができるようにした装置である。
【0021】
このアクセラレーター装置Eは、下側の筐体2の内部に、通信インターフェースやCPU並びにハードディスク等の記憶装置等が搭載され、その下側筐体2を上方から覆うように樹脂成形のキャビネット(箱形カバー)1が被せられるようになっている。
【0022】
キャビネット1の上面は、図4(a),(b)に示すような中央から左右方向にそれぞれ階段状の段差を有する形のデザインが施されており、その後端側(図4(b)では上端)に庇状に突出した把手部1Aが一体的に形成されている。なお、キャビネット1は、例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂等の熱可塑性樹脂を用いた射出成形等により成形される。
【0023】
把手部1Aは、図2および図4(b)に示すように、庇状の把手部の垂下部が円弧状に成形され、外観全体の統一性や美観を乱さないようになされている。つまり、外観上は把手が有るようには見えないデザインとなっている。
【0024】
また、把手部1Aの下面には、図2に示すように、補強部材としての複数(本実施形態では3本)のリブRで仕切られた凹部Hが形成され、運搬しようとする者が手指を挿入して確実に把手部1Aを保持できるようになっている。
【0025】
なお、把手部1Aの凹部Hの間隙は、手指の挿入に適するように例えば10〜15mm程度とし、また、リブRについて、厚みは十分な強度が得られるように例えば1mm程度で、高さは把手部1Aの高さと略同等とすることが望ましい。
【0026】
このように、本実施形態では、比較的目立たないキャビネット1の後端部に把手部1Aを形成したので、キャビネット自体の美観を損なうことなく、アクセラレーター装置等の電子機器の可搬性を向上させることができる。
【0027】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であること勿論である。
【0028】
【発明の効果】
本発明に従うと、内部に各種部品が配置された下側筐体と、当該下側筐体を上方から覆う箱形カバーとを少なくとも有するほぼ直方体の外形を呈する電子機器において、上記箱形カバーの前端もしくは後端部に、前方もしくは後方に向けて上記直方体の上面からほぼ面一となるように延設される上面部と、該上面部の前端もしくは後端からほぼ垂直下方に延設され且つ前方もしくは後方に膨出するように円弧状に湾曲された垂下部とを備え、内側に下方より手指を挿入可能な開口部が形成された庇状の把手部が、上記箱形カバーと共に樹脂で一体に成形され、上記把手部の内側に形成された上記開口部は、上記垂下部の内面よりほぼ垂直方向に立設するように形成され、高さより小さな厚みを有し、上記開口部の間隙とほぼ同等の高さを有する複数のリブによって複数の凹部に仕切られ、上記リブによって仕切られた各凹部の幅はそれぞれ1本の指が挿入可能な大きさにされているので、アクセラレーター装置等の電子機器の美観を損なうことなく可搬性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る把手構造を有する電子機器の外観を示す側面図である。
【図2】本実施形態に係る把手構造を有する電子機器の外観を示す裏面図である。
【図3】本実施形態に係る把手構造を有する電子機器の外観を示す背面図である。
【図4】本実施形態に係る把手構造を有する電子機器の外観を示す正面図(a)および平面図(b)である。
【符号の説明】
E 電子機器(インターネット接続用のアクセラレーター装置)
1 キャビネット(箱形カバー)
1A 把手部
2 下側の筐体
R リブ
H 凹部

Claims (1)

  1. 内部に各種部品が配置された下側筐体と、当該下側筐体を上方から覆う箱形カバーとを少なくとも有するほぼ直方体の外形を呈する電子機器において、
    上記箱形カバーの前端もしくは後端部に、前方もしくは後方に向けて上記直方体の上面からほぼ面一となるように延設される上面部と、該上面部の前端もしくは後端からほぼ垂直下方に延設され且つ前方もしくは後方に膨出するように円弧状に湾曲された垂下部とを備え、内側に下方より手指を挿入可能な開口部が形成された庇状の把手部が、上記箱形カバーと共に樹脂で一体に成形され、
    上記把手部の内側に形成された上記開口部は、
    上記垂下部の内面よりほぼ垂直方向に立設するように形成され、高さより小さな厚みを有し、上記開口部の間隙とほぼ同等の高さを有する複数のリブによって複数の凹部に仕切られ、
    上記リブによって仕切られた各凹部の幅はそれぞれ1本の指が挿入可能な大きさにされていることを特徴とする電子機器。
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