JP3716756B2 - シリコンウェハーのブレークパターン、シリコン基板、及び、ブレークパターンの作製方法 - Google Patents

シリコンウェハーのブレークパターン、シリコン基板、及び、ブレークパターンの作製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウェハーの切断予定線上に脆弱部をエッチングにより形成するシリコンウェハーのブレークパターン、これにより切断したシリコン基板、及び、ブレークパターンの作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコンウェハーを切断して所望する大きさに分割するには、横方向については図8(b)に、縦方向については図9(b)にそれぞれ示すように、横方向の切断予定線L1及び縦方向の切断予定線L2上に、エッチングにより小さな無数の貫通孔1…を一直線上に穿設してブレークパターンを作製する。このブレークパターンでは、切断予定線L1,L2上で隣り合う貫通孔1と貫通孔1との間に残った部分が脆弱部2となり、外力が加えられるとこの脆弱部2が破断する。
【0003】
シリコンウェハーをエッチングで穿孔する場合には、エッチングの異方性によって貫通孔1の形状が規定される。これは、単結晶シリコンの結晶構造に起因して除去され難い方向と除去され易い方向が生じるためである。
例えば、(110)面を表面とするシリコンウェハーを40重量%の水酸化カリウム水溶液でエッチングした場合には、この(110)面に直交する2つの(111)面が除去され難く、これらの(111)面から30°傾斜した面が除去され易い。
そして、一方の(111)面を(110)面上で0°の角度に合わせると、他方の(111)面は70.53°となり、横方向と縦方向の何れにおいても、穿孔される貫通孔1は1つの鋭角が70.53°の平行四辺形となる。
【0004】
したがって、図8(a)及び図9(a)に示すように、平行四辺形の開口4を所定の間隔(脆弱部2に対応する部分)を空けて一直線上に並べて配置したものがマスクパターン5(エッチング前パターン)となる。このマスクパターン5をレジスト層によってウェハー表面に形成し、ウェットエッチングによって開口4の部分のシリコンを除去する。
これにより、開口4の部分がウェハーの厚さ方向に貫通し、図8(b)及び図9(b)に示すように、無数の平行四辺形の貫通孔1…と、隣り合う平行四辺形の貫通孔1,1の間に形成された脆弱部2とからなるブレークパターン(エッチング後パターン)が作製される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の平行四辺形の貫通孔1を一直線上に多数並べたブレークパターンでシリコンウェハーを切断すると、図8(c)及び図9(c)に示すように、脆弱部2における破断の位置や形状が一定になり難く、また、切断した際に微細な割れカス6が生じ易い。このため、複数のシリコン基板に分割した後に、長い時間をかけて丁寧に割れカス6を除去する必要が有り、生産性を向上する上で好ましくない。そして、割れカス6の除去が確実に行なわれないと、残った割れカス6が最終製品の欠陥の原因となる。
【0006】
例えば、インクジェット記録ヘッドの流路基板をシリコン基板で作る場合においては、シリコン基板の流路内に入り込んだ割れカス6がインクの流れを阻害したり、ノズルに割れカス6が詰まるなどのトラブルが発生する。
また、シリコン基板上に薄膜を形成する場合にも、割れカス6が残留すると、不良品となってしまい、歩留りが低下してしまう。
【0007】
割れカス6を減少させるには、脆弱部2の数を減少させることが考えられ、このためにはブレークパターンを構成する貫通孔1を、切断予定線の方向に拡大することが考えられる。しかしながら、各貫通孔1…は、2つの(111)面からなる平行四辺形によって構成されているので、平行四辺形を拡大すると切り代が太く(つまり、幅広に)なる。
その結果、いわゆる取り数が減少してしまい、高価なシリコンウェハーの有効利用に逆行する。この様なことでは製造コスト高となってしまい、実用に供することができない。
また、貫通孔1を細長くすることも考えられるが、この場合、シリコンウェハーの厚さとエッチングによる侵蝕角度との関係により、ウェハーを貫通させることができなくなってしまう。
この様に、従来のブレークパターンに使用されている平行四辺形の貫通孔1は、その大きさを拡大したり、或いは、より細長くすることは事実上できない。
【0008】
本発明は上記した事情に鑑み提案されたもので、その目的は、脆弱部における破断の位置と形状の安定化を図ることができ、割れカスを減少させることができるシリコンウェハーのブレークパターン、シリコン基板、及び、ブレークパターンの作製方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、表面が(110)面であるシリコンウェハーの切断予定線上に、エッチングにより貫通孔を開設して脆弱部を形成するシリコンウェハーのブレークパターンにおいて、
前記切断予定線を、前記(110)面上であって、該(110)面に直交する(111)第一面の面方向に設定し、
前記貫通孔を、(111)第一面によって長辺が構成され、この(111)第一面に交差すると共に(110)面に直交する(111)第二面によって短辺が構成される細長い平行四辺形の孔とし、
当該貫通孔を、前記切断予定線を中心にして千鳥状に配置したことを特徴とするシリコンウェハーのブレークパターンである。
なお、切断予定線について「(110)面上であって、該(110)面に直交する(111)第一面の面方向」とは、換言すれば、(110)面と(111)第一面との交線方向である。そして、この切断予定線は、シリコンウェハー表面において0°の基準線としても機能する。
また、「(111)第一面」及び「(111)第二面」は、(111)面の下位概念であり、複数種類の(111)面の中から特定の(111)面を指定するために用いる。
【0010】
請求項2に記載のものは、各貫通孔における一方の(111)第一面を、切断予定線上に位置させたことを特徴とする請求項1に記載のシリコンウェハーのブレークパターンである。
【0011】
請求項3に記載のものは、表面が(110)面であるシリコンウェハーの切断予定線上に、エッチングにより貫通孔を開設して脆弱部を形成するシリコンウェハーのブレークパターンにおいて、
前記切断予定線を、前記(110)面上であって、該(110)面に直交する(111)第一面の面方向に設定し、
前記貫通孔は、切断予定線上に形成された(111)第一内面と、この(111)第一内面に平行に形成された(111)第一外面と、(111)第一面に交差すると共に(110)面に直交し、(111)第一内面の一端から(111)第一外面の一端に亘って形成された(111)第二面と、(111)第一外面の他端から切断予定線に亘って形成された連結面とで構成された片半部を、切断予定線上で向かい合わせて配置して形成し、
当該貫通孔を、切断予定線に沿って複数形成したことを特徴とするシリコンウェハーのブレークパターンである。
なお、「(111)第一内面」及び「(111)第一外面」は、(111)第一面の下位概念として用いる。
【0012】
請求項4に記載のものは、表面が(110)面であるシリコンウェハーの切断予定線上に、エッチングにより貫通孔を開設して脆弱部を形成するシリコンウェハーのブレークパターンにおいて、
前記切断予定線を、(110)面と直交する(111)第一面の軸方向に設定し、
前記貫通孔は、切断予定線を跨ぎ、切断予定線の方向に離隔して形成された1対の(111)第一面と、(111)第一面と交差すると共に(110)面と直交するn対(nは2以上の自然数)の(111)第二面と、切断予定線の一側で隣り合う(111)第二面同士と、他側で隣り合う(111)第二面同士との間に形成された(n−1)対の連結面とによって区画された蛇行形状であり、
当該貫通孔を、切断予定線に沿って形成したことを特徴とするシリコンウェハーのブレークパターンである。
なお、切断予定線について「(110)面と直交する(111)第一面の軸方向」とは、換言すれば、(111)第一面についての<111>軸方向であり、(111)第一面に垂直な方向を意味する。
【0013】
請求項5に記載のものは、前記貫通孔を切断予定線に沿って複数形成し、
(111)第一面と(111)第二面とによって形成される頂部を、隣り合う貫通孔同士の間で近接配置したことを特徴とする請求項4に記載のシリコンウェハーのブレークパターンである。
【0014】
請求項6に記載のものは、前記連結面は、2つ以下の面によって構成されていることを特徴とする請求項3から請求項5の何れかに記載のシリコンウェハーのブレークパターンである。
【0015】
請求項7に記載のものは、前記連結面は、水酸化カリウム水溶液で最も速く削られる角度の面であることを特徴とする請求項3から請求項6の何れかに記載のシリコンウェハーのブレークパターンである。
なお、「水酸化カリウム水溶液で最も速く削られる角度の面」とは、水酸化カリウム水溶液の濃度や処理温度によって変化するが、例えば、40重量%の水酸化カリウム水溶液にあっては、ウェハー表面で−30°,30°,40.53°,100.53°の各面、即ち、(111)第一面に対して±30°の面、及び、(111)第二面に対して±30°の面が該当する。
【0016】
請求項8に記載のものは、請求項1から請求項7の何れかに記載のブレークパターンを、切断予定線で切断した形状の側縁を有するシリコン基板である。
【0017】
請求項9に記載のものは、請求項3に記載のブレークパターンの作製方法であって、
長辺が(111)第一面方向であり短辺が(111)第二面方向の細長い平行四辺形の一方の長辺の片半を内側に平行四辺形に縮小して縮小部分付き平行四辺形の開口部とし、この平行四辺形の開口部を、縮小部分同士を離隔した状態で向い合わせると共に縮小部分が切断予定線近傍に位置するように配置して連結面を形成するためのアンダーカット部を構成し、
上記平行四辺形の開口部の範囲、及びアンダーカット部をエッチングにより貫通除去することを特徴とするブレークパターンの作製方法である。
【0018】
請求項10に記載のものは、請求項4又は請求項5に記載のブレークパターンの形成方法であって、
短辺が(111)第一面方向であり長辺が(111)第二面方向の細長い平行四辺形を、短辺を切断予定線に直交する向きにして複数配置し、
隣り合う平行四辺形を、一端が一方の平行四辺形の長辺に、他端が他方の平行四辺形の長辺に接続された連結細幅部により連結して、該連結細幅部及び連結された両平行四辺形の部分を開口部とすると共に、平行四辺形と連結細幅部とにより区画される部分を、連結面を形成するためのアンダーカット部とし、
上記開口部の範囲、及びアンダーカット部をエッチングにより貫通除去することを特徴とするブレークパターンの作製方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ここで、図1は横方向と縦方向にブレークパターンを形成して所望する大きさのシリコン基板11に分割するシリコンウェハー10の平面図である。
【0020】
このシリコンウェハー10は、表面が(110)面であり、横方向の切断予定線L1(シリコン単結晶の0°の基準線)を、(110)面上であって、この(110)面に直交する(111)第一面12(図2参照)の面方向に設定する。また、縦方向の切断予定線L2は、(111)第一面12に垂直な軸方向に設定される。なお、上記の(111)第一面12は、オリエンタル・フラットO・F(所謂オリフラ)を構成する。
【0021】
まず、横方向のブレークパターンの第1の実施形態について説明する。この横方向ブレークパターンは、図2(b)に示すように、(111)第一面12によって長辺が構成され、この(111)第一面12に交差すると共に(110)面に直交する(111)第二面13によって短辺が構成される細長い平行四辺形の貫通孔14を、切断予定線L1を中心にして千鳥状に配置することで構成されている。なお、(111)第二面13は、(111)第一面12に対し(110)面上にて70.53°の角度で交差する。
そして、本実施形態では、各貫通孔14…における一方の(111)第一面12を、切断予定線L1上に配置している。
【0022】
このブレークパターンを作製するためには、まず、図2(a)に示すように、多数の平行四辺形の開口部15…を貫通孔14の形成位置に設けたマスクパターン16を、レジスト層によってシリコンウェハー10の両表面〔表側と裏側の(110)面、以下同様。〕に形成する。マスクパターン16を形成したならば、40重量%の水酸化カリウム水溶液からなるエッチング液を用いてこのウェハー10をウェットエッチングする。
マスクパターン16の開口部15となる平行四辺形は、貫通孔14の平面形状と同じ形状である。即ち、切断予定線L1に沿った長辺17が0°の方向に位置し、短尺な斜辺18(短辺)が70.53°の方向に位置する。そして、切断予定線L1に直交する方向の幅員W1はシリコンウェハー10の厚みに対応して規定されており、異方性エッチングによりウェハー10を貫通し得る寸法に設定される。
【0023】
そして、エッチングにより、開口部15で露出したシリコンがエッチング液に侵蝕されて除去され、この除去された部分が穿孔されて平行四辺形の貫通孔14となる。このとき、開口部15を構成する長辺17と短辺18は、いずれもエッチングで除去困難な(111)面方向に形成されているので、シリコンに対する面方向の侵蝕は、開口部15の長辺17と短辺18の位置で止まる。その結果、シリコンウェハー10には、長辺17に対応する(111)第一面12と、短辺18に対応する(111)第二面13とを有する平行四辺形の貫通孔14が開設される。
【0024】
この様にしてシリコンウェハー10に平行四辺形の貫通孔14…を千鳥状に穿孔してブレークパターンを作製すると、隣り合う貫通孔14,14同士の間が脆弱部19となり、この脆弱部19の内であっても切断予定線L1に近い側のエッジ同士の間が最短距離となる。
したがって、切断力が作用した場合には、図2(c)に示すように、脆弱部19のうちで最も弱い上記最短距離の線上から優先的に破断が発生し、ここで切断することができる。即ち、上記最短距離の線以外の部位から破断が発生することを抑制できる。これにより、切断位置の安定化を図ることができる。また、破断する位置が上記最短距離の線に集中してほぼ直線に円滑に破断するので、割れカスの発生を抑制することもできる。
【0025】
なお、この第1実施形態では、切断予定線L1上に貫通孔14の一方の長辺〔(111)第一面12〕を位置させてブレークパターンを構成したが、これに限らず、一方の長辺を切断予定線L1から僅かに離して複数の貫通孔14…を千鳥状に配置してもよい。この場合にも、上記と同様の効果を奏する。
【0026】
次に、横方向ブレークパターンの第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、ブレークパターンを構成する貫通孔の形状が上記の第1実施形態と相違する。
【0027】
図3(b)及び図4(d)に示すように、ブレークパターンを構成する貫通孔21は、切断予定線L1上に形成された(111)第一内面22と、この(111)第一内面22に平行に形成された(111)第一外面23と、(111)第一面12に交差すると共に(110)面に直交し、(111)第一内面22の一端から(111)第一外面23の一端に亘って形成された(111)第二面13と、(111)第一外面23の他端から切断予定線L1に亘って形成された連結面24とで構成された片半部を、切断予定線L1上で向かい合わせて配置して形成される。つまり、一方の片半部における連結面24の先端を他方の片半部の第一内面22の他端に連結し、他方の片半部における連結面24の先端を一方の片半部の第一内面22の他端に連結している。
そして、この貫通孔21を、切断予定線L1に沿って複数形成することで、隣り合う貫通孔21,21同士の間に脆弱部29が形成され、ブレークパターンが構成される。
【0028】
このブレークパターンを作製するためには、まず、図3(a)に示すマスクパターン25を、レジスト層によってシリコンウェハー10の両表面に形成する。このマスクパターン25は、長辺が(111)第一面方向であり短辺が(111)第二面方向の細長い平行四辺形の一方の長辺の片半を内側に平行四辺形に縮小して縮小部分付き平行四辺形の開口部26とし、縮小部分27,27同士をアンダーカット可能な間隔W2だけ離隔した状態で向い合わせると共に縮小部分27が切断予定線L1の近傍に位置するように、開口部26,26を配置することで作製される。
【0029】
上記開口部26は、図4(a)に示すように、縮小部分27側の長辺26a、この長辺26aに平行に対向する長辺26b、及び、縮小部分27の長辺27aがいずれも(111)第一面12の方向、つまり、0°の方向に平行に位置し、短尺な斜辺(短辺)26c、縮小部分27により縮められた斜辺26d、及び、縮小部分27の斜辺27bが(111)第二面13の方向、つまり、70.53°の方向に位置する。なお、縮小部分27は、上記斜辺26cに対してその1/3〜1/4程度の大きさとされる。
そして、この開口部26において、縮小部分27側の長辺26aは(111)第一内面22に対応し、反対側の長辺26bは(111)第一外面23に対応し、斜辺26cは(111)第二面13に対応する。
【0030】
なお、開口部26の幅員W3は、第1実施形態と同様に、シリコンウェハー10の厚さに対応して、エッチングにより孔21が貫通し得る寸法とする。また、向い合わせられた縮小部分27,27同士で形成される領域(図3(a)において点線で囲われた領域)は、連結面24を形成するためのアンダーカット部28を構成する。
【0031】
マスクパターン25を形成したならば、40重量%の水酸化カリウム水溶液からなるエッチング液を用いてこのウェハー10をウェットエッチングする。これにより、平行四辺形の開口部26の範囲及びアンダーカット部28のシリコンが侵蝕によって除去される。
【0032】
ここで、平行四辺形の開口部26に関しては、鋭角(70.53°)の部分から侵蝕が開始され、開口部26に対応する部分のシリコンが除去されるまで侵蝕が進行する。
【0033】
また、アンダーカット部28は、開口部26の侵蝕と同時に侵蝕が進行する。この場合、まず、図4(a)にハッチングで示す第1領域28aが侵蝕される。この侵蝕は、縮小部分27における鈍角の頂部Aからエッチング速度が最も速い角度で進行する。この例では、0°から反時計方向に30°傾斜した角度(30°の角度)で進行する。この場合において、(111)面はエッチング速度が極めて遅いので、アンダーカット部28の第1領域28aは、左右の内側に向けて侵蝕が進む。
【0034】
この第1領域28aに対する侵蝕は、縮小部分27の左右中央で丁度交わる。これにより、図4(b)に示すように新たな頂部Bが出現し、この頂部Bからの侵蝕が始まる。この侵蝕ではエッチング速度が最も速い角度が変わり、0°から時計方向に30°傾斜した角度(−30°の角度)で侵蝕が進行する。これにより、アンダーカット部28の第2領域28bが左右の外側に向けて侵蝕され、それまで開口部26毎に分かれていた侵蝕部分が一連に繋がる。
【0035】
さらに、上記の侵蝕が斜辺26dに達すると、図4(c)に示すように侵蝕面と斜辺26dとの間で新たな頂部Cが生じ、この頂部Cからも侵蝕が開始する。頂部Cでの侵蝕は、70.53°から反時計方向に30°傾斜した角度(100.53°の角度)が最もエッチング速度が速いので、この角度で侵蝕が進行する。そして、上記の−30°の侵蝕と100.53°の侵蝕とはほぼ同じ速度であり、アンダーカット部28の第3領域28cを徐々に除去する。
【0036】
図4(d)に示すように、これらの−30°の侵蝕面24aと100.53°の侵蝕面24bは連結面24を構成し、平行四辺形の開口部26が貫通した時点で(111)第一外面23の他端から切断予定線L1に亘って形成される。
なお、開口部26の斜辺26cが二点鎖線Xよりも短かった場合には、連結面24は−30°の侵蝕面24aのみによって構成される。
【0037】
このようにして貫通孔21が開設されると、図3(b)に示すように、隣り合う一方の貫通孔21の端部と他方の貫通孔21の端部との間の領域が脆弱部29となる。
【0038】
このブレークパターンでは、脆弱部29の内でも一方の貫通孔21の鋭角エッジと他方の貫通孔21の鋭角エッジとの間が最短距離となる。従って、切断力が作用した場合には、図3(c)に示すように、脆弱部29の内で最も弱い上記最短距離の線上から優先的に破断が発生し、ここで切断することができる。
このため、上記最短距離の線以外の部位からの破断の発生を抑制でき、切断位置の安定化を図ることができる。また、ほぼ直線に円滑に破断するので、割れカスの発生を抑制することができる。
【0039】
そして、本実施形態では、縮小部分付き平行四辺形の開口部26を、縮小部分27をアンダーカット可能な間隔W2だけ離隔した状態で向い合わせて対にし、エッチングにより孔を一連化したので、貫通孔21の長さを、1つの平行四辺形(つまり、開口部26)の長辺26bよりも遥かに長くすることができる。これにより、脆弱部29の総数と総和長さを減少させることができ、割れカスの発生も大幅に抑制できる。
しかも、1つの貫通孔21の長さが長くなっても、その割には切断予定線L1の幅、すなわち切断代を幅広にする必要がないので、シリコン基板11の取り数が減少してしまう不具合も回避できる。
【0040】
なお、本実施形態において、アンダーカット部28の横方向の長さ(第1領域28a及び第2領域28bの長さ)は、連結面24の形成位置を規定するための位置調整要素として機能する。従って、このアンダーカット部28の横方向の長さを適宜設定することにより、連結面24を所望の位置に形成できる。
【0041】
次に、縦方向のブレークパターンについて説明する。
【0042】
このブレークパターンは、図5(b)、図6(c)、図7(b)に例示するように、貫通孔31,41を、切断予定線L2を跨ぎ、切断予定線L2の方向に離隔して形成された1対の(111)第一面12,12と、(111)第一面12と交差すると共に(110)面と直交するn対の(111)第二面13…と、切断予定線L2の一側で隣り合う(111)第二面13,13同士と、他側で隣り合う(111)第二面13,13同士との間に形成された(n−1)対の連結面32,42とによって区画された蛇行形状とし、この貫通孔31,41を、切断予定線L2に沿って形成することで形成される。なお、上記のnは、2以上の自然数である。
【0043】
まず、図5及び図6に基づいて、n=2の場合について説明する。
【0044】
図5(b)及び図6(c)に示すように、ブレークパターンを構成する貫通孔31は、切断予定線L2を跨ぎ、切断予定線L2の方向に離隔して形成された1対の(111)第一面12,12と、(111)第一面12と交差すると共に(110)面と直交する2対の(111)第二面13…と、切断予定線L2の一側で隣り合う(111)第二面13,13同士と、他側で隣り合う(111)第二面13同士,13との間に形成された1対の連結面32,32とによって区画形成される。
そして、この貫通孔31を、切断予定線L2に沿って複数形成することで、隣り合う貫通孔31,31同士の間に脆弱部33が形成され、ブレークパターンが構成される。
【0045】
このブレークパターンを作製するためには、まず、図5(a)及び図6(a)に示すマスクパターン34を、レジスト層によってシリコンウェハー10の表面に形成する。
【0046】
このマスクパターン34は、図6(a)に示すように、短辺35aが(111)第一面12の方向とされ長辺35bが(111)第二面13の方向とされた細長い平行四辺形部35の短辺35aを切断予定線L2に直交する向きにして2つ組にし、各平行四辺形部35,35の中心を切断予定線L2上に位置させ、対となって隣り合う平行四辺形部35,35同士をこれらと平行に延在する連結細幅部36により連結した開口部37を有し、この開口部37を切断予定線L2に沿って複数形成する。
【0047】
この開口部37において、平行四辺形部35の短辺35aと長辺35bとは、上記各実施形態と同様に、70.53°の角度で交差する。そして、連結細幅部36は、平行四辺形部35の長辺35bに沿って平行に位置するので、70.53°の方向に延在し、一端が一方の平行四辺形部35の長辺35bに、他端が他方の平行四辺形35の長辺35bに接続される。
また、平行四辺形部35,35と連結細幅部36とにより区画される部分(図5(a)に点線で示す領域)は、連結面32を形成するためのアンダーカット部38として機能する。そして、このアンダーカット部38の一部を構成する平行四辺形部35と連結細幅部36との間の幅W4は、シリコンウェハー10の厚さに応じて適宜設定される。
【0048】
マスクパターン34を形成したならば、40重量%の水酸化カリウム水溶液からなるエッチング液を用いてこのウェハー10をウェットエッチングする。
このエッチングにより、上記開口部37のシリコンがエッチング液に侵蝕されて除去される。同時に、アンダーカット部38もアンダーカットされて除去される。
【0049】
アンダーカット部38に対するアンダーカットは、図6(a)に示す様に、平行四辺形部35と連結細幅部36の間の鋭角の頂部Dより開始され、まず、アンダーカット部38の第1領域38aが侵蝕される。この第1領域38aに対する侵蝕では、エッチング速度の最も速い角度が、70.53°から反時計方向に30°傾斜した角度(つまり、100.53°の角度)であるため、この100.53°の面に沿ってシリコンが徐々に除去される。
【0050】
さらに侵蝕が進んで第1領域38aが除去されると、侵蝕が連結細幅部36の中央部分、すなわち平行四辺形部35の鈍角部分に達する。これにより、図6(b)に示すように侵蝕面と平行四辺形部35の短辺35aとが交わる点で新たな頂部Eが生じ、この頂部Eからも侵蝕が開始される。この侵蝕では、0°から時計方向に30°傾斜した角度(−30°の角度)のエッチング速度が最も速いので、この角度で侵蝕が進行する。そして、上記の100.53°の侵蝕と−30°の侵蝕とはほぼ同じ速度で進行する。
【0051】
図6(c)に示すように、これらの100.53°の侵蝕面32aと−30°の侵蝕面32bは連結面32を構成し、開口部37で貫通した時点で、左側で隣り合う(111)第二面13,13同士と、右側で隣り合う(111)第二面13,13同士との間を連結する。
なお、平行四辺形部35の短辺35aが二点鎖線Xよりも短かった場合には、連結面32は100.53°の侵蝕面32aのみによって構成される。
【0052】
その結果、両方の平行四辺形部35,35の領域が太く繋がって略S字状に蛇行した形状の貫通孔31が穿孔され、隣り合う一方のS字状蛇行貫通孔31の端部と他方のS字状蛇行貫通孔31の端部との間の領域が脆弱部33となる。
【0053】
このようなブレークパターンでは、(111)第一面12と(111)第二面13とによって形成される鈍角エッジ(頂部)同士を、隣り合う貫通孔31,31同士の間で近接配置しているので、脆弱部33の内であっても鈍角エッジ同士を結ぶ線上が最も応力が集中し易い最脆弱部となる。したがって、切断力が作用した場合には、図5(c)に示すように、脆弱部33のうちで最も弱い最脆弱部の線上から優先的に破断が発生し、ここで切断することができ、上記最脆弱部の線以外の部位から破断が発生することを抑制できる。したがって、切断位置の安定化を図ることができる。また、破断する位置が上記最脆弱部の線に集中するのでその位置が安定し、しかも長辺の延長線で円滑に破断するので、割れカスの発生を抑制することができる。
なお、最脆弱部が切断予定線L2上に位置するように、両鈍角エッジの形成位置を調整してもよい。
【0054】
そして、この実施形態においては、アンダーカット部38の第1領域38aが、連結面34の形成位置を規定するための位置調整要素として機能する。
【0055】
次に、n=3の場合について説明する。この場合、貫通孔41は、図7(b)に示す形状となる。即ち、貫通孔41は、切断予定線L2を跨ぎ、切断予定線L2の方向に離隔して形成された1対の(111)第一面12,12と、(111)第一面12と交差すると共に(110)面と直交する3対の(111)第二面13…と、切断予定線L2の左側で隣り合う(111)第二面13,13同士と、右側で隣り合う(111)第二面13,13同士との間に形成された2対の連結面42…とによって区画された蛇行形状となる。
【0056】
そして、図7(a)に示すように、マスクパターン43は、3つの平行四辺形部をユニットにした形状とされる。
この場合、中央に配置した第2平行四辺形部44bの一方の長辺と第1平行四辺形部44aの長辺とを第1連結細幅部45aにより連結し、第2平行四辺形部44bの他方の長辺と第3平行四辺形部44cの長辺とを第2連結細幅部45bにより連結して開口部46を構成する。
これらの第1平行四辺形部44a、第2平行四辺形部44b、及び、第3平行四辺形部44cは、前記した実施形態における平行四辺形部35と同様に、中心を切断予定線L2上に位置させ、短辺を切断予定線L2に直交する向き(0°)に、長辺を70.53°の方向に向けて配置する。
また、連結細幅部45a,45bの幅、延在方向、および平行四辺形部との間の間隔も前記実施形態と同様に、アンダーカットで除去されて孔41が貫通する幅に設定する。
【0057】
この様にしてシリコンウェハー10に、3つの平行四辺形を連結した形状の蛇行貫通孔41を有するブレークパターンを形成して貫通孔41,41同士の間を脆弱部47とすると、この脆弱部47の内で一方の貫通孔41の鈍角エッジと他方の貫通孔41の鈍角エッジとを結ぶ線上が最も応力が集中し易い最脆弱部となる。
したがって、切断力が作用した場合には、図7(c)に示すように、最脆弱部で切断することができ、切断位置の安定化を図ることができる。しかも、長辺の延長線で円滑に破断するので、割れカスの発生を抑制することができる。
さらに、貫通孔41の占める割合が増大して、脆弱部47の数と総和全長が減少するので、2つの平行四辺形を連結した形状の前記貫通孔31の場合よりも割れカスの発生が少なくなる。
【0058】
なお、説明は省略するが、縦方向のブレークパターンに関し、上記のnを4以上に設定しても同様に蛇行貫通孔が形成され、同様の効果が得られる。
【0059】
そして、前記した横方向のブレークパターンと縦方向のブレークパターンによってシリコンウェハー10を切断すると、所望する大きさのシリコン基板11を得ることができ、このシリコン基板11の側縁には、図2(c),図3(c),図5(c),図7(c)に示すように、横方向のブレークパターンと縦方向のブレークパターンをそれぞれ切断予定線L1,L2で切断した形状が残る。これらのシリコン基板11は、インクジェット記録ヘッドの流路形成板として、あるいは半導体デバイスのシリコン基板として使用することができる。
いずれの用途に使用しても、割れカスの発生が抑制されているので、この割れカスに起因するトラブルを未然に防止することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、以下の効果を奏する。
横方向の切断においては、貫通孔を、(111)第一面によって長辺が構成され、この(111)第一面に交差すると共に(110)面に直交する(111)第二面によって短辺が構成される細長い平行四辺形の孔とし、この貫通孔を、切断予定線を中心にして千鳥状に配置したので、隣り合う平行四辺形の貫通孔同士のエッジ間が最短となり、脆弱部で切断する際には、この最短部分から破断する。したがって、破断する位置の安定化を図ることができ、また、割れカスの発生を抑制することができる。
【0061】
また、切断予定線上に形成された(111)第一内面と、この(111)第一内面に平行に形成された(111)第一外面と、(111)第一面に交差すると共に(110)面に直交し、(111)第一内面の一端から(111)第一外面の一端に亘って形成された(111)第二面と、(111)第一外面の他端から切断予定線に亘って形成された連結面とで構成された片半部を、切断予定線上で向かい合わせて配置して貫通孔を形成し、この貫通孔を、切断予定線に沿って複数形成したので、切り代の幅を広くしなくても長い貫通孔を穿孔することができ、取り数が減少する不都合がない。
また、隣り合う貫通孔同士のエッジ間が最短となり、脆弱部で切断する際には、この最短部分から破断する。したがって、破断する位置の安定化を図ることができ、また、割れカスの発生を抑制することができる。
また、切り代が細くても孔を長く開設することができると、脆弱部の数を減少させることができる。したがって、割れカスの発生も抑制することができる。
【0062】
また、縦方向の切断においては、切断予定線を跨ぎ、切断予定線の方向に離隔して形成された1対の(111)第一面と、(111)第一面と交差すると共に(110)面と直交するn対の(111)第二面と、切断予定線Lの一側で隣り合う(111)第二面同士と、他側で隣り合う(111)第二面同士との間に形成された(n−1)対の連結面とによって区画された蛇行形状の貫通孔を設け、この貫通孔を切断予定線に沿って形成したので、隣り合う貫通孔同士のエッジ間が最短となり、脆弱部で切断する際には、この最短部分から破断する。したがって、破断する位置の安定化を図ることができ、また、割れカスの発生を抑制することができる。
また、切り代の幅を広くしなくても長孔を穿孔できるので、脆弱部の数を減少させることができる。したがって、割れカスの発生も抑制することができる。
【0063】
この様に本発明によれば、横方向と縦方向とにおいて、切り代の幅を広くすることなく破断する位置の安定化を図ることができるので、高価なシリコンウェハーの取り数を減らすことなく設計した位置で安定して破断することができる。また、割れカスの発生を抑制することができるので、シリコン基板に切断した後の工程の簡素化を図ることができ、また、不良品は発生率を低下させることができ、歩留りの向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(110)面を表面とするシリコンウェハーの平面図である。
【図2】横方向のブレークパターンの第1の実施形態の平面図であり、(a)はマスクパターンの平面図、(b)は貫通孔の平面図、(c)は切断した後のシリコン基板の側縁の平面図である。
【図3】横方向のブレークパターンの第2の実施形態の平面図であり、(a)はマスクパターンの平面図、(b)は貫通孔の平面図、(c)は切断した後のシリコン基板の側縁の平面図である。
【図4】(a)〜(d)は、図3に示す貫通孔の形成過程を説明する図である。
【図5】縦方向のブレークパターンの第1の実施形態の平面図であり、(a)はマスクパターンの平面図、(b)は貫通孔の平面図、(c)は切断した後のシリコン基板の側縁の平面図である。
【図6】(a)〜(c)は、図5に示す貫通孔の作製過程を説明する図である。
【図7】縦方向のブレークパターンの第2の実施形態の平面図であり、(a)はマスクパターンの平面図、(b)は貫通孔の平面図、(c)は切断した後のシリコン基板の側縁の平面図である。
【図8】従来の横方向のブレークパターンの平面図であり、(a)はマスクパターンの平面図、(b)は貫通孔の平面図、(c)は切断した後のシリコン基板の側縁の平面図である。
【図9】従来の縦方向のブレークパターンの平面図であり、(a)はマスクパターンの平面図、(b)は貫通孔の平面図、(c)は切断した後のシリコン基板の側縁の平面図である。
【符号の説明】
10 シリコンウェハー
11 シリコン基板
12 (111)第一面
13 (111)第二面
14 貫通孔
15 開口部
16 マスクパターン
17 開口部の長辺
18 開口部の斜辺
19 脆弱部
21 貫通孔
22 (111)第一内面
23 (111)第一外面
24 連結面
25 マスクパターン
26 開口部
27 縮小部分
28 アンダーカット部
29 脆弱部
31 貫通孔
32 連結面
33 脆弱部
34 マスクパターン
35 平行四辺形部
36 連結細幅部
37 開口部
38 アンダーカット部
41 貫通孔
42 連結面
43 マスクパターン
44a,44b,44c 平行四辺形部
45a,45b 連結細幅部
46 開口部
47 脆弱部

Claims (10)

  1. 表面が(110)面であるシリコンウェハーの切断予定線上に、エッチングにより貫通孔を開設して脆弱部を形成するシリコンウェハーのブレークパターンにおいて、
    前記切断予定線を、前記(110)面上であって、該(110)面に直交する(111)第一面の面方向に設定し、
    前記貫通孔を、(111)第一面によって長辺が構成され、この(111)第一面に交差すると共に(110)面に直交する(111)第二面によって短辺が構成される細長い平行四辺形の孔とし、
    当該貫通孔を、前記切断予定線を中心にして千鳥状に配置したことを特徴とするシリコンウェハーのブレークパターン。
  2. 各貫通孔における一方の(111)第一面を、切断予定線上に位置させたことを特徴とする請求項1に記載のシリコンウェハーのブレークパターン。
  3. 表面が(110)面であるシリコンウェハーの切断予定線上に、エッチングにより貫通孔を開設して脆弱部を形成するシリコンウェハーのブレークパターンにおいて、
    前記切断予定線を、前記(110)面上であって、該(110)面に直交する(111)第一面の面方向に設定し、
    前記貫通孔は、切断予定線上に形成された(111)第一内面と、この(111)第一内面に平行に形成された(111)第一外面と、(111)第一面に交差すると共に(110)面に直交し、(111)第一内面の一端から(111)第一外面の一端に亘って形成された(111)第二面と、(111)第一外面の他端から切断予定線に亘って形成された連結面とで構成された片半部を、切断予定線上で向かい合わせて配置して形成し、
    当該貫通孔を、切断予定線に沿って複数形成したことを特徴とするシリコンウェハーのブレークパターン。
  4. 表面が(110)面であるシリコンウェハーの切断予定線上に、エッチングにより貫通孔を開設して脆弱部を形成するシリコンウェハーのブレークパターンにおいて、
    前記切断予定線を、(110)面と直交する(111)第一面の軸方向に設定し、
    前記貫通孔は、切断予定線を跨ぎ、切断予定線の方向に離隔して形成された1対の(111)第一面と、(111)第一面と交差すると共に(110)面と直交するn対(nは2以上の自然数)の(111)第二面と、切断予定線の一側で隣り合う(111)第二面同士と、他側で隣り合う(111)第二面同士との間に形成された(n−1)対の連結面とによって区画された蛇行形状であり、
    当該貫通孔を、切断予定線に沿って形成したことを特徴とするシリコンウェハーのブレークパターン。
  5. 前記貫通孔を切断予定線に沿って複数形成し、
    (111)第一面と(111)第二面とによって形成される頂部を、隣り合う貫通孔同士の間で近接配置したことを特徴とする請求項4に記載のシリコンウェハーのブレークパターン。
  6. 前記連結面は、2つ以下の面によって構成されていることを特徴とする請求項3から請求項5の何れかに記載のシリコンウェハーのブレークパターン。
  7. 前記連結面は、水酸化カリウム水溶液で最も速く削られる角度の面であることを特徴とする請求項3から請求項6の何れかに記載のシリコンウェハーのブレークパターン。
  8. 請求項1から請求項7の何れかに記載のブレークパターンを、切断予定線で切断した形状の側縁を有するシリコン基板。
  9. 請求項3に記載のブレークパターンの作製方法であって、
    長辺が(111)第一面方向であり短辺が(111)第二面方向の細長い平行四辺形の一方の長辺の片半を内側に平行四辺形に縮小して縮小部分付き平行四辺形の開口部とし、この平行四辺形の開口部を、縮小部分同士を離隔した状態で向い合わせると共に縮小部分が切断予定線近傍に位置するように配置して連結面を形成するためのアンダーカット部を構成し、
    上記平行四辺形の開口部の範囲、及びアンダーカット部をエッチングにより貫通除去することを特徴とするブレークパターンの作製方法。
  10. 請求項4又は請求項5に記載のブレークパターンの形成方法であって、
    短辺が(111)第一面方向であり長辺が(111)第二面方向の細長い平行四辺形を、短辺を切断予定線に直交する向きにして複数配置し、
    隣り合う平行四辺形を、一端が一方の平行四辺形の長辺に、他端が他方の平行四辺形の長辺に接続された連結細幅部により連結して、該連結細幅部及び連結された両平行四辺形の部分を開口部とすると共に、平行四辺形と連結細幅部とにより区画される部分を、連結面を形成するためのアンダーカット部とし、
    上記開口部の範囲、及びアンダーカット部をエッチングにより貫通除去することを特徴とするブレークパターンの作製方法。
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