JP3716741B2 - ロールヘミング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アウタパネルの外周フランジをロボットアームの手首部に取り付けたローラにより押圧してインナパネル側に折り曲げることにより、アウタパネルとインナパネルとを一体化するロールヘミング方法に関し、特にロボットアームの手首部に取り付けたローラ支持部を位置検出器に案内して初期位置を記憶させながらティーチングするロールヘミング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のロールヘミング装置100は、図8に示すように、外周フランジPfを起立せしめたアウタパネルPoを下型150に載置し、その上にインナパネルPiを、該インナパネルPiの外周縁Pgが前記アウタパネルPoの外周フランジPfの内側に位置するように載置し、ロボット110のロボットアーム111の手首部112にローラ支持部140を介して回転自在に取り付けたローラ120の押圧力により、前記アウタパネルPoの外周フランジPfをインナパンネルPi側に折り曲げることにより、被ヘミング材WであるアウタパネルPoとインナパネルPiとを一体化するものである。
【0003】
そして、前記アウタパネルPoの外周フランジPfをインナパンネルPi側に折り曲げるために、ロボット110をティーチングしてローラ120の移動軌跡を被ヘミング材Wのヘミング部の板厚分の一定距離とするが、ヘミング加工の実行時には、ロボットアーム111のたわみやロボット110の各関節のガタなどにより実際の軌跡はティーチング軌跡よりずれるため、ローラ120の押圧力が不十分となり、したがってヘミング部の折り曲げが不完全なものとなる。
これを対策する技術として、前記ローラ120をその押圧方向に一致して変位可能にローラ支持部140に支持させることが、特開平5−305357号公報に開示されている。
【0004】
すなわち、上記公報に記載の技術は、図9に示すように、外周フランジPfを本曲げするときのローラ120の移動軌跡は、ローラ120が下型150の被ヘミング材載置面155から「アウタパネルPoの板厚×2+インナパネルPiの板厚」δだけ離れた一定の距離とすることが望ましいが、ロボット110は完全な剛体ではないため、ローラ120で外周フランジPfを押圧したときに、図10に示すように、外周フランジPfの反力を受けてロボットアーム111のたわみやロボット110の各関節のガタにより前記距離δより距離αだけずれたものとなってしまうため、ローラ120による押圧力が不十分なものとなって、外周フランジPfの折り曲げを不完全なものとし、良好なヘミングとならなかったという問題に鑑みてなされたものである。
【0005】
上記問題を解決するために、特開平5−305357号公報に記載の技術は、ローラ120をその押圧方向に一致して変位可能にローラ支持部140に支持させたものであり、変位可能な手段として、圧縮コイルバネを用いるもの、油圧を用いるもの、電気モータを利用したものなどが開示されている。その代表例として、図11、図12に油圧サーボ方式のものを例示する。
【0006】
すなわち、この図11、図12に示すローラ支持部140の例は、支持ブラケット531に複動式の油圧シリンダ532を設け、この油圧シリンダ532を図12に示す油圧制御回路によって制御するように構成したものである。
支持ブラケット531には、下方に開口する断面方形状のスライド孔531aと、このスライド孔531aの上方の底部にシリンダ孔531bが形成されている。シリンダ孔531bにピストン軸533と、該ピストン軸533と一体にシーリング534、534が取り付けられたピストン533aが摺動自在に嵌め込まれている。
【0007】
このピストン533aに対して上下の位置に油圧ポート531d、531eが開口しており、この油圧ポート531d、531eに別に設けた油圧ユニットからホースを経由して油を流出入することにより、ピストン軸533を上下方向に移動可能にしている。
ピストン軸533の下端は、スライド孔531aに摺動自在に挿入したスライドブロック537に、その上面に設けたネジ部533bを介して連結されている。スライドブロック537にはローラ120が取り付けられている。
【0008】
以上のように構成されたローラ支持部140の油圧ポート531d、531eから油を流出入することにより、ローラ120を押圧方向と一致する方向に移動させることができる。
なお、このローラ支持部140はロボットアーム111の手首部112に、手首部112の軸線112Aと直交して取り付けられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来のロールヘミング装置100では、まず、ローラ支持部140に圧縮コイルバネを用いるものにおいては、圧縮コイルバネに初期荷重(約150kgf)を付加しておく必要から、ローラ支持部140のメインテナンス時にローラ支持部140を分解する場合に、圧縮コイルバネが急に自由状態になり危険な作業となる問題がある。
次に、ローラ支持部140に前述の油圧を用いるものにあっては、油圧装置が複雑かつ大きくなり、ロボット110の可動範囲を制限することとなったり、油圧ホースの接続部や、油圧シリンダなどからの油漏れが発生しやすく、その保守・整備のためロールヘミング装置100の稼働率が低くなるという問題が生じていた。
【0010】
次に、ローラ支持部140にサーボモータを用いるものにあっては、ロボットアーム111の移動速度に比較してモータの回転によるローラ120の押圧方向への移動速度が遅く、ロボットアーム111の移動速度を遅くしなければならず、この点でもロールヘミング装置100の稼働率が低くなるという問題が生じていた。
また、上記従来のロールヘミング装置100は、いずれもローラ支持部140がロボットの手首部112に、手首部112の軸線112Aと直交して取り付けられていたため、ヘミング加工時にロボットの手首部に回転モーメントによる大きな負荷がかかり、加工精度が安定しなかった。
【0011】
さらに、上記のような従来のロールヘミング装置100にあっては、ローラ支持部140の構造が複雑なため、ローラ120の原点合わせが困難であったり、コストや重量が大きいといった問題点がある。
【0012】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、ローラ支持部の構成が簡素で加工精度が高いロールヘミング方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るロールヘミング方法は、外周フランジを起立せしめたアウタパネルにインナパネルを重ねた状態で両パネルを下型上に位置決め載置し、該アウタパネルの外周フランジをロボットアームの手首部に取り付けたローラにより押圧してインナパネル側に折り曲げることにより、アウタパネルとインナパネルとを一体化するロールヘミング方法において、前記ローラを位置検出器に案内して、初期位置を記憶させてこれを原点とする工程と、前記ローラを、下型の被ヘミング材載置面周辺のガイド面を転動させて、その軌跡を記憶させることにより予備曲げと本曲げのティーチングを行う工程と、前記ローラを位置 検出器に当接させて待機させる工程と、前記ローラを位置検出器から出発させて、予備曲げする工程と、予備曲げ終了後、前記ローラを位置検出器に復帰させ、軌跡データを修正させる工程と、前記ローラを位置検出器から出発させて、修正された軌跡データに基づき本曲げする工程と、本曲げ終了後、前記ローラを位置検出器に復帰させ、軌跡データを修正させる工程と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
よって、ローラの原点合わせのためのXY方向の位置検出器を設置してヘミング加工の1サイクルごとにローラの位置を確認できるようにしたので、ローラの移動軌跡の位置補正が定期的に可能となり、被ヘミング材の製品精度の向上が図れる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るロールヘミング方法の一の実施の形態について、図面を参照して以下に説明する。
ここで、図1は本発明のロールヘミング方法に用いるロールヘミング装置の全体斜視図であり、図2はローラ支持部の斜視図である。図3乃至図5はそれぞれローラ支持部の正面図、側面図、断面図である。
【0016】
(構成)
本発明に係るロールヘミング方法に用いるロールヘミング装置の構成について説明する。ロールヘミング装置10は、図1に示すように、下型ベース501に載置された下型50と、ロボット架台12上に載置されたロボット101と、該ロボット101の近傍に設置された原点確認装置30とから構成され、従来と同様に外周フランジPfを起立せしめたアウタパネルPoを下型50に載置し、その上にインナパネルPiを、該インナパネルPiの外周縁Pgが前記アウタパネルPoの外周フランジPfの内側に位置するように載置し、図2に示すように、ロボット101のロボットアーム11の手首部13にローラ支持部20を介して取り付けたローラ24の押圧力により、前記アウタパネルPoの外周フランジPfをインナパンネルPi側に折り曲げることにより、被ヘミング材WであるアウタパネルPoとインナパネルPiとを一体化するものである。
ロボットアーム11の手首部13は、ロボットアーム11の先端に回動機構102を介して回動自在に設けられている。
なお、図1では被ヘミング材Wは図示を省略してある。
【0017】
本発明のロールヘミング方法に用いるロールヘミング装置10は、前記ローラ支持部20を簡素な構成とした点、および、ロボット近傍にローラ24の位置検出器31、32と加圧力計40から構成した原点確認装置30を設置した点に特徴を有する。以下、この点について詳細に説明する。
【0018】
まず、ローラ支持部20は、図3乃至図5に示すように、ロボット101のロボットアーム11の手首部13に固定可能に構成されたベース部材21と、このベース部材21の一端にベース部材21に沿って摺動可能に保持された摺動部材23と、これら摺動部材23とベース部材21の他端間に介装され、摺動部材23をベース部材21から突出する方向に付勢するガススプリング22と、この摺動部材23の突出端に摺動部材23の摺動方向と直交する支持軸245により回転自在に枢着されたローラ24とから構成されている。
【0019】
ベース部材21は、長方形の厚板鋼板製の基台板211の上端に、該基台板211と直角に若干薄い鋼板製の天板212を溶接し、基台板211と天板212の左右端に、基台板211と天板212の直角を保持する台形の縦壁板213、213が溶接されて前方に開口した箱状に構成されている。
天板212の上面には、このベース部材21ひいてはローラ支持部20をロボットアーム11の手首部13に取り付けるための取付面214が形成されている。
【0020】
ベース部材21の天板212の前記取付面214とは反対側の下面に、ガススプリング22のシリンダ側に固定されたフランジ221がボルト締めされ、ガススプリング22をベース部材21に、該ガススプリング22の軸心がロボットアーム11の手首部13の軸心と略一致するように取り付けられている。
ガススプリング22のピストン222は下向きに突出し、その先端に断面T型のジョイント223が幅広底面を下側にして固着されている。
本実施の形態に使用したガススプリング22は、ストローク10mm、出力荷重148〜200kgfの市販品とし、150〜160kgfを常用圧力として使用した。
【0021】
ガススプリング22の先端のジョイント223には、摺動部材23を構成するスライドシャフト231が接続されている。摺動部材23は、ベース部材21の基台板211の下方に取り付けられた断面コ字型の底部を基台板211に重合してネジ止めされたケース232と、このケース232に上下に摺動自在に収納され、上端を前記ジョイント223を抱え込むように鉤形に形成し、下端の取付孔にローラ24を回転自在に枢着した断面角形のスライドシャフト231と、さらに、スライドシャフト231を収納したコ字断面のケース232の開口を閉鎖する蓋体233により構成されている。
【0022】
スライドシャフト231の、前記ケース232に収納される部位には、スライドシャフト231がケース232に対してなめらかに摺動するように摺動抵抗を少なくするために、複数のオイルレスメタル235が埋め込まれている。
また、スライドシャフト231の、前記ケース232から下方に突出する部位には、角形断面を大きくして、ガススプリング22が最大圧縮されたときに、ローラ24がケース232あるいは蓋体233と干渉しないように、ストッパ236を形成している。
【0023】
外周フランジPfに当接して、該外周フランジPfをインナパネルPi側に折り曲げるローラ24は、前記スライドシャフト231の下端に穿設したローラ取付孔234に、先端に設けたベアリングでローラ24を回転自在に保持するローラフォロア241の軸部である支持軸245を挿通し、スライドシャフト231の背面から突出した支持軸245から連続するネジ部に取付ナット243により締め付けて取り付けられている。
【0024】
なお、ローラ24が、スライドシャフト231を介してガススプリング22の軸心から若干偏心しているため、スライドシャフト231に対してローラ24が傾き、ローラ24の背面がスライドシャフト231に当接してもローラ24の回転がなめらかになるように、ローラ24の背面とスライドシャフト231との間にスラストワッシャ244が挿入されている。
【0025】
このように、オイルレスメタル235を用いたりして摺動部材23の摺動抵抗を少なくし、かつ、スラストワッシャ244を挿入してローラ24のスライドシャフト231に対する回転抵抗を少なくすることにより、ローラ24をその押圧方向に一致して変位可能に支持させるロールヘミング装置にガススプリング22を適用することが可能になった。
【0026】
つぎに、位置検出器31、32及び加圧力計40からなる原点確認装置30の構成について説明する。
原点確認装置30は、図1に示すように、ロボット101の近傍に設けた架台301に位置検出器31、32及び加圧力計40を取り付けて構成している。
架台301の上端には、図6、図7に拡大して示すように、該架台301の上端に水平に取り付けた底板303の相隣り合う二辺に縦板304、305を立設し、該縦板304、305の上端に、水平方向に延在するように支持板306、307を取り付けてブラケット302を構成し、該支持板306、307の上面に、ローラ支持部20のX方向、Y方向の位置を計測するように、それぞれの位置検出器31、32を載置している。
また、底板303の上面には、ローラ24の加圧力を計測する加圧力計40が取り付けられている。
【0027】
位置検出器31、32は、シリンダとピストンで構成され、ピストンロッドの先端をローラ支持部20のスライドシャフト231に接触させて、その接触までの移動距離をシリンダ側壁に設けたセンサにより計測して、原点位置に対する誤差を検出するものである。
また、加圧力計40は、ローラ支持部20のローラ24のガススプリング22による押圧力を計測するものである。
【0028】
(作用)
次に、本発明に係るロールヘミング方法の動作について、ロボット101をティーチングする場合とヘミング加工する場合に分けて説明する。
まず、ロボット101をティーチングする場合の内、被ヘミング材Wの外周フランジPfを予備曲げするためのティーチングは、ロボットアーム11の手首部13に取り付けたローラ支持部20を位置検出器31、32に案内して、そのピストンロッドの先端を角断面のスライドシャフト231に当接させて、初期位置を記憶させてこれを原点とし、その後、ローラ24を、該ローラ24の転動面242が下型50の被ヘミング材載置面55周辺のガイド面53を転動するように移動させて、その軌跡を記憶させることにより行う。
【0029】
つぎに、被ヘミング材Wの予備曲げされた外周フランジPfを本曲げするためのティーチングは、ロボットアーム11の手首部13に取り付けたローラ支持部20のローラ24を、該ローラ24の転動面242が被ヘミング材Wをまだ載置していない下型50の被ヘミング材載置面55上の外周フランジPf相当位置に当接して転動するように移動させて、その軌跡を記憶させることにより行う。
【0030】
本来、本曲げ時のローラ24の軌跡は、被ヘミング材載置面55から被ヘミング材Wの板厚δ(図9参照)だけ離れた面となるべきであるが、この面は空中の架空の面となるため、正確なティーチングは困難である。そこで、板厚δをゼロとした被ヘミング材載置面55上をローラ24の仮の軌跡としてティーチングを行う。
そして、ローラ24を原点確認装置30の位置検出器31、32に当接させて待機させておく。
【0031】
以上のようにティーチングされた状態でヘミング加工を行う場合は、被ヘミング材Wを下型50に載置してクランプ502(図1参照)により位置決め固定し、ロボット101を起動すると、ティーチングのとおりに、ローラ24を原点確認装置30から出発させて、まず、外周フランジPfを予備曲げする。
予備曲げが終了すると、ローラ24はティーチングのとおりに、原点確認装置30に復帰し待機するが、このとき位置検出器31、32でローラ支持部20のX、Y方向の位置を計測して初期位置と異なって誤差が生じている場合には、その誤差分だけ予備曲げのティーチングの軌跡データを修正して、ロボットアーム11のたわみやロボット101の各関節のガタなどを吸収するように設定し直す。
【0032】
つぎに、予備曲げと同様に、ロボット101に本曲げの指示をすると、ティーチングのとおりに、ローラ24を原点確認装置30から出発させて、予備曲げされている外周フランジPfを押圧して本曲げする。
このとき、ティーチング時の軌跡データは、ローラ24と下型50の被ヘミング材載置面55とが接触する値となっているが、本曲げ時はローラ24と下型50の被ヘミング材載置面55との間に、「アウタパネルPoの板厚×2+インナパネルPiの板厚」δが入り込むため、ローラ24が被ヘミング材Wから反力を受けることになるが、ローラ24はガススプリング22によりその反力に釣り合う押圧力で外周フランジPfを押圧することになる。
【0033】
本曲げが終了すると、ローラ24は原点確認装置30に復帰し、予備曲げ時と同様に、位置検出器31、32でローラ支持部20のX、Y方向の位置を計測して初期位置と異なって誤差が生じている場合には、その誤差分だけ本曲げのティーチングの軌跡データを修正して、ロボットアーム11のたわみやロボット101の各関節のガタなどを吸収するように設定し直して、実際の軌跡とする。
また、この原点確認装置30において、ローラ支持部20を下降させてローラ24で加圧力計40を押圧させ、所定の加圧力が発揮されているか確認し、加圧力不足の場合は、ガススプリング22の交換など必要な処置を行う。
【0034】
このように、本実施の形態のロールヘミング方法に用いるロールヘミング装置10は、ロボットアーム11の手首部13に、手首部13の軸心と略一致する方向でベース部材21を介してガススプリング22を取り付け、該ガススプリング22により付勢されるスライドシャフト231の下端にローラ24を回転自在に枢支してローラ支持部20を構成したので、ローラ支持部20への油圧配管や配線が不要となり、ロボット101の可動範囲の制限をなくすことができた。
また、ヘミング加工時にロボットアーム11の手首部13に回転モーメントが作用しないから、手首部13が不本意に回動することがなく、加工精度を安定化することができた。
【0035】
また、原点確認装置30に、ローラ24のX、Y方向の位置検出器31、32と、ローラ24の加圧力を計測する加圧力計40を設置して、ヘミング加工の1サイクルごとにローラ24の位置および加圧力を確認できるようにしたので、ヘミング時の軌跡や加圧力の補正が可能となり、被ヘミング材の品質向上が可能となった。
【0036】
なお、本発明は前記実施の形態のものに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、前記実施の形態では、位置検出器としてシリンダタイプのもので説明したが、これに限られず、光センサや磁気センサなどで位置を検出するものでも可能である。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、外周フランジを起立せしめたアウタパネルにインナパネルを重ねた状態で両パネルを下型上に位置決め載置し、該アウタパネルの外周フランジをロボットアームの手首部に取り付けたローラにより押圧してインナパネル側に折り曲げることにより、アウタパネルとインナパネルとを一体化するロールヘミング方法において、前記ローラを位置検出器に案内して、初期位置を記憶させてこれを原点とする工程と、前記ローラを、下型の被ヘミング材載置面周辺のガイド面を転動させて、その軌跡を記憶させることにより予備曲げと本曲げのティーチングを行う工程と、前記ローラを位置検出器に当接させて待機させる工程と、前記ローラを位置検出器から出発させて、予備曲げする工程と、予備曲げ終了後、前記ローラを位置検出器に復帰させ、軌跡データを修正させる工程と、前記ローラを位置検出器から出発させて、修正された軌跡データに基づき本曲げする工程と、本曲げ終了後、前記ローラを位置検出器に復帰させ、軌跡データを修正させる工程と、を備えたロールヘミング方法としたので、ローラの原点合わせのためのXY方向の位置検出器を設置してヘミング加工の1サイクルごとにローラの位置を確認でき、ヘミング時の軌跡の位置補正が定期的に可能となり、被ヘミング材の製品精度の向上が図れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一の実施の形態に係るロールヘミング方法に用いるロールヘミング装置の全体斜視図である。
【図2】 本発明の一の実施の形態に係るロールヘミング方法に用いるロールヘミング装置のローラ支持部の斜視図である。
【図3】 本発明の一の実施の形態に係るローラ支持部の正面図である。
【図4】 本発明の一の実施の形態に係るローラ支持部の側面図である。
【図5】 図3のV−V線に沿う断面図である。
【図6】 本発明の一の実施の形態に係るロールヘミング方法に用いるロールヘミング装置に用いる位置検出器などの配置を示す正面の斜視図である。
【図7】 本発明の一の実施の形態に係るロールヘミング方法に用いるロールヘミング装置に用いる位置検出器などの配置を示す背面の斜視図である。
【図8】 従来のロールヘミング装置の全体側面図である。
【図9】 従来のロールヘミング加工の完了状態を示す断面図である。
【図10】 従来のロールヘミング加工の途中の状態を示す断面図である。
【図11】 従来のロールヘミング装置のローラ支持部の断面図である。
【図12】 図10のローラ支持部の油圧回路図である。
【符号の説明】
10 ロールヘミング装置
20 ローラ支持部
21 ベース部材
22 ガススプリング
23 摺動部材
24 ローラ
31、32 位置検出器
40 加圧力計
50 下型
Claims (1)
- 外周フランジを起立せしめたアウタパネルにインナパネルを重ねた状態で両パネルを下型上に位置決め載置し、該アウタパネルの外周フランジをロボットアームの手首部に取り付けたローラにより押圧してインナパネル側に折り曲げることにより、アウタパネルとインナパネルとを一体化するロールヘミング方法において、
前記ローラを位置検出器に案内して、初期位置を記憶させてこれを原点とする工程と、
前記ローラを、下型の被ヘミング材載置面周辺のガイド面を転動させて、その軌跡を記憶させることにより予備曲げと本曲げのティーチングを行う工程と、
前記ローラを位置検出器に当接させて待機させる工程と、
前記ローラを位置検出器から出発させて、予備曲げする工程と、
予備曲げ終了後、前記ローラを位置検出器に復帰させ、軌跡データを修正させる工程と、
前記ローラを位置検出器から出発させて、修正された軌跡データに基づき本曲げする工程と、
本曲げ終了後、前記ローラを位置検出器に復帰させ、軌跡データを修正させる工程と、を備えたことを特徴とするロールヘミング方法。
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