JP3715147B2 - 遠心ファンとファンスクロールケーシングとを備えた装置、及び、床下換気装置 - Google Patents
遠心ファンとファンスクロールケーシングとを備えた装置、及び、床下換気装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、遠心ファンとファンスクロールケーシングとを備えた装置、及び、この装置を含んで住宅の床下内の空気を外部に強制的に排気する床下換気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、住宅の床下には高湿度の空気が溜まり易く、これを放置すると黴の発生や白蟻の繁殖によって住宅の寿命が短縮する。このため、従来より、モータのによって駆動されるファンの回転によって床下内の空気を外部に強制的に排気するようにした床下換気装置が商品化されている。
【0003】
この床下換気装置は、図14に示すように、床下内1に露出した吸込口2及び床下外3に露出した吹出口4を形成し、内部にモータ5によって駆動されるファン6を軸支したファンスクロールケーシング7を備え、住宅の基礎の立ち上がり部に形成されている通気口8に配置される。
【0004】
従来の床下換気装置では、図15に示すように、ファンスクロールケーシング7の内部形状は、ファン6の外周面との間隔が吹出口4に向かって徐々に拡大する渦巻き状を呈しており、空気流路における吹出口4の側端部近傍には舌部19が形成されていた。また、ファン6としては、所謂シロッコファン等の多翼遠心ファンが用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の床下換気装置では、ファンスクロールケーシングの内部形状を渦巻き状としていたため、設計に際して指数関数を用いた煩雑な計算が必要となり、製造コストが上昇する問題があった。また、舌部が形成されている部分においてファンの外周面とファンスクロールケーシングの内周面との間隔が極めて狭くなるため、ファンスクロールケーシング内に吸込口から空気とともに流入した塵埃等の異物がこの部分に詰まり易く、回転するファンが異物に当接して騒音を生じたり、空気が逆流(図14に示す20)を生じたり、ファンが回転できなくなる問題があり、これは、ファンの形状や取付位置の誤差により、ファンの外周面が舌部に直接接触することによっても生じる。
【0006】
さらに、従来の床下換気装置では、多翼遠心ファンを用いていたため、製造コストの上昇を招くだけでなく、翼と翼との間隔が狭いことから塵埃等の異物が溜まり易く、騒音を発生したり送風量が減少する問題があり、頻繁なメンテナンスが必要になる問題があった。
【0007】
この発明の目的は、ファンスクロールケーシング及びファンの製造コストを低廉化することができるとともに、ファンスクロールケーシング内における空気流路内やファン内に塵埃等の異物が詰まりを生じることがなく、騒音の発生、送風量の減少、及び、ファンの回転不良を未然に防止することができる遠心ファンとファンスクロールケーシングとを備えた装置、及び、床下換気装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0009】
(1) 遠心ファンを軸支したファンスクロールケーシングの内部に軸支し、吸込口から前 記遠心ファンの軸方向に吸い込んだ空気を形状を吹出口から前記遠心ファンの半径方向に吹き出す装置であって、前記遠心ファンが吹出口に対向しない範囲における前記ファンスクロールケーシングの内部の断面形状を前記遠心ファンの回転方向に沿って一定にし、
前記遠心ファンが吹出口に対向しない範囲における前記ファンスクロールケーシングの内径Dは、前記遠心ファンの外径をd1として、
0.6≦d1/D≦0.9
の関係を満たし、前記吸込口の内径d2は、
0.3≦d2/D≦0.8
の関係を満たし、前記遠心ファンの翼枚数Z及び最小の翼弦長Cは、
CZ/d1≦5
の関係を満たし、前記遠心ファンは、回転中心及び翼の内側端を結ぶ直線と、翼の内側端及び外側端を結ぶ直線と、がなす角度θを、前向き翼の場合を負、後向き翼の場合を正として、
−40°≦θ≦90°
の範囲に設定したことを特徴とする。
【0010】
なお、この明細書において、前向き翼とは翼の内側端が遠心ファンの回転方向について外側端よりも後方に位置する翼をいい、後向き翼とは翼の内側端が遠心ファンの回転方向について外側端よりも前方に位置する翼をいう。
この構成においては、遠心ファンの回転によって床下内の空気が吸込口から吹出口に向かって通過するファンスクロールケーシングの内部形状が、遠心ファンの外周と同心円状に形成される。したがって、ファンスクロールケーシングの内周面と遠心ファンの外周面との間隔が全周にわたって略均一になり、部分的に間隔が極端に狭くなることがないため、塵埃等の異物が詰まりを生じることがなく、ファンの形状や取付位置に誤差を生じた場合にもファンの外周面がファンスクロールケーシングの内周面に当接することがなく、これらを原因とする騒音やファンの回転不良を生じることがない。また、ファンスクロールケーシングの内部形状の設計に煩雑な演算を伴うことがない。
【0011】
また、必要な風量を確保するためのファンスクロールケーシングの内径Dが、遠心ファンの外径d1に基づいて極めて簡単な代数演算によって算出される。したがって、所定の風量のファンスクロールケーシングの内部形状が極めて容易に設計される。
さらに、空気を吸込口からファンスクロールケーシング内に多量に流入するための吸込口の内径d2が、ファンスクロールケーシングの内径Dに基づいて極めて簡単な代数演算によって算出される。したがって、空気を外部に排気するために十分な風量のファンスクロールケーシングの形状が極めて容易に設計される。
加えて、遠心ファンの翼枚数Zが、遠心ファンの外径d1に対する最小の翼弦長Cと翼枚数Zとの積の比に基づいて極めて簡単な代数演算によって算出される。したがって、ファンスクロールケーシングにおいて十分な風量を確保するための遠心ファンが極めて容易に設計される。
さらにまた、遠心ファンにおける翼の角度が、所定範囲内において設定される。したがって、ファンスクロールケーシングの風量や遠心ファンの回転数に応じて最適な遠心ファンの形状が選択される。
(2) 前記ファンスクロールケーシングの内径Dは、
0.75≦d1/D≦0.85
の関係を満たすことを特徴とする。
【0012】
この構成においては、風量、送風効率及び騒音量をより適正にするためのファンスクロールケーシングの内径Dが、遠心ファンの外径d1に基づいて極めて簡単な代数演算によって算出される。したがって、風量、送風効率及び騒音量がより適正なファンスクロールケーシングの内部形状が極めて容易に設計される。
【0013】
(3) 前記吸込口が、空気の通過方向に一定の内径の円形孔であることを特徴とする。
【0014】
この構成においては、吸込口の内径が空気の通過方向について一定にされる。したがって、吸込口に絞り等の特殊な形状を形成する必要がなく、ファンスクロールケーシングの製造コストが低廉化される。
【0015】
(4) 前記吸込口の内径d2は、ファンスクロールケーシングの内径をDとして、
0.4≦d2/D≦0.6
の関係を満たすことを特徴とする。
【0016】
この構成においては、風量、送風効率及び騒音量をより適正にするための吸込口の内径d2が、ファンスクロールケーシングの内径Dに基づいて極めて簡単な代数演算によって算出される。したがって、風量、送風効率及び騒音量がより適正なファンスクロールケーシングの形状が極めて容易に設計される。
【0017】
(5) 前記遠心ファンは、翼枚数が2枚であることを特徴とする。
【0018】
この構成においては、2枚の翼を備えた遠心ファンが用いられる。したがって、多翼遠心ファンを使用する場合に比較して部品コストが低廉化されるとともに、翼と翼との間隔が最大になることから、遠心ファン内に塵埃等の異物が詰まることがなく、大きな騒音が発生したり、風量が減少することがない。
【0019】
(6) 前記遠心ファンは、1枚の板状体により形成したことを特徴とする。
【0020】
この構成においては、2枚の翼が単一の板状体によって形成される。したがって、大きな騒音が発生したり風量が減少することのない遠心ファンが極めて容易に製造される。
【0021】
(7) 前記遠心ファンは、翼枚数が3枚であることを特徴とする。
【0022】
この構成においては、3枚の翼を備えた遠心ファンが用いられる。したがって、多翼遠心ファンを使用する場合に比較して部品コストが低廉化されるとともに、翼と翼との間隔が拡大されることから、遠心ファン内に塵埃等の異物が詰まることがなく、大きな騒音が発生したり、風量が減少することがない。
【0023】
(8) 前記遠心ファンは、回転中心及び翼の内側端を結ぶ直線と、翼の内側端及び外側端を結ぶ直線と、がなす角度θを、後向き翼の場合を正として、
30°≦θ≦60°
の範囲に設定したことを特徴とする。
【0024】
この構成においては、遠心ファンにおける翼の角度が、風量、送風効率及び騒音量をより適正にする状態に設定される。したがって、風量、送風効率及び騒音量がより適正な遠心ファンが容易に設計される。
【0025】
(9) 前記遠心ファンは、回転中心及び翼の内側端を結ぶ直線と、翼の内側端及び外側端を結ぶ直線と、がなす角度θを、後向き翼の場合を正として、40°に設定したことを特徴とする。
【0026】
この構成においては、遠心ファンにおける翼の角度が、風量、送風効率及び騒音量を最適にする状態に設定される。したがって、風量、送風効率及び騒音量が最適な遠心ファンが容易に設計される。
【0027】
(10)前記遠心ファンは、平板状の翼形状を呈することを特徴とする。
【0028】
この構成においては、平板状の翼を備えた遠心ファンが用いられる。したがって、遠心ファンが極めて容易に設計及び製造される。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、この発明の第1の実施形態に係る床下換気装置の構成を示す側面断面図及び平面断面図である。床下換気装置17は、上面に形成された吸込口2により床下内1に連通するとともに、前面に形成された吹出口4により床下外3に連通したケーシング9内に、ファンモータ5、遠心ファン6及びファンスクロールケーシング7を備えて構成されている。床下換気装置17は、住宅の基礎の立ち上がりに形成されている通気口8内に、ケーシング9の上面に通風空間11を形成した状態で装着される。また、吹出口4には化粧グリル13が配置されており、ケーシング9の背面には電送ボックス14が取り付けられている。
【0030】
図2に示すように、ファンスクロールケーシング7の内周面は、遠心ファン6の外周部と同心の3/4円弧によって構成されている。吸込口2は所謂ベルマウス等の複雑な形状を与えられておらず、吸込口2の内径は通気方向である上下方向について一定にされている。この吸込口2の内径d2は、ファンスクロールケーシング7の内径Dに対して、
d2/D=0.5
の関係を満たす大きさにされている。また、遠心ファン6の外径d1は、ファンスクロールケーシング7の内径Dに対して、
d1/D=0.8
の関係を満たす大きさにされている。
【0031】
この構成により、ファンスクロールケーシング7の内部において、遠心ファン6はファンスクロールケーシング7の内周面との間に全周にわたって適当な間隔を形成した状態で回転し、ファンスクロールケーシング7内の一部において、ファンスクロールケーシング7の内周面と遠心ファン6の外周面との間隔が狭くなるとこがなく、吸込口2から流入した塵埃等の異物が一部に詰まりを生じることがなく、吹出口4から床下外3に排出することができるとともに、遠心ファン6の寸法や取付位置の誤差によって遠心ファン6がファンスクロールケーシング7の内周面の一部に当接することがなく、送風量の減少、過大な騒音の発生、及び、遠心ファン6の回転停止を未然に防止することができる。
【0032】
また、ファンスクロールケーシング7内に塵埃が滞留し難いことから、結露等によって生じた水分を塵埃が吸収することによるファンスクロールケーシング7内の水分量の増加を防止することができ、錆等の発生を抑制して床下換気装置17のメンテナンスの頻度を減少することができる。
【0033】
さらに、一般的な遠心ファンの回転によって生じていた部分的な逆流を生じることもなく、十分な風量を確保することができるとともに、大きな騒音を生じることもない。また、ケーシング9の吸込口2に所謂ベルマウス等の複雑な形状を設ける必要がないとともに、ファンスクロールケーシング7の設計にあたって指数関数を用いる必要がなく、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0034】
遠心ファン6は、ファンスクロールケーシング7内において矢印A方向に回転し、平板状の3枚の翼16を回転平面内において等間隔(120°)の位置に取り付けている。翼16は、遠心ファン6の回転軸12と翼16の内側端部(回転方向の前側縁)とを結ぶ直線と、翼16の外側端部(回転方向の後側縁)と内側端部とを結ぶ直線と、のなす角度θが40°となるように遠心ファン6に取り付けられている。また、翼16の最小の翼弦長Cは、遠心ファン6における翼枚数Z、及び、遠心ファン6の外径d1に対して、
CZ/d1=1.2
の関係を満たす長さにされている。さらに、遠心ファン6の翼16の高さは、ファンスクロールケーシング7内における遠心ファン6の回転に支障のない範囲で最大の大きさにされている。
【0035】
このように、遠心ファン6が、少数の平板状の翼16を備えたものであるため、翼16の設計が容易になるとともに、遠心ファン6の部品点数を削減することができ、製造コストをさらに低廉化することができる。また、翼16同士の間隔を大きくすることができ、塵埃等の異物が翼16間において詰まりを生じることがなく、送風量の減少やメンテナンス頻度の増加を生じることがない。
【0036】
図3は、上記実施形態に係る床下換気装置における同一消費電力時(10W一定)のPQ特性、効率及び比騒音値を、従来の床下換気装置との比較した結果を示す図である。同図に示すように、上記の実施形態に係る床下換気装置17は、性能、効率及び比騒音値の全てについて、従来の床下換気装置と同等又はそれ以上である。
【0037】
図4は、上記実施形態に係る床下換気装置における遠心ファンの外径を変化させた場合の同一消費電力時(10W一定)のPQ特性、効率及び比騒音値を測定した結果の一部を示す図である。この結果に基づいて、床下換気装置17におけるファンスクロールケーシング7の内径Dに適合する遠心ファン6の外径d1の範囲を求めた。図示しない結果を含む種々の実験結果から、床下換気装置17に用いる遠心ファン6の外径d1は、ファンスクロールケーシング7の内径Dに対して、
0.6≦d1/D≦0.9
の範囲において妥当な性能を確保できた。特に、
0.75≦d1/D≦0.85
の範囲において最適な風量、効率及び比騒音値を得ることができた。
【0038】
図5は、上記実施形態に係る床下換気装置における吸込口の内径を変化させた場合の同一消費電力時(10W一定)のPQ特性、効率及び比騒音値を測定した結果の一部を示す図である。この結果に基づいて、床下換気装置17におけるファンスクロールケーシング7の内径Dに適合する吸込口2の内径d2の範囲を求めた。図示しない結果を含む種々の実験結果から、床下換気装置17における吸込口2の内径d2は、ファンスクロールケーシング7の内径Dに対して、
0.3≦d2/D≦0.8
の範囲において妥当な性能を確保できた。特に、
0.4≦d2/D≦0.6
の範囲において最適な風量、効率及び比騒音値を得ることができた。
【0039】
図6及び図7は、上記実施形態に係る床下換気装置の遠心ファンにおける翼の取付角を変化させた場合の同一消費電力時(10W一定)のPQ特性、効率及び比騒音値を測定した結果を示す図である。この結果に基づいて、床下換気装置17に適合する翼16の取付角θの範囲を求めた。同図に示す実験結果から、床下換気装置17における翼16の取付角θは、
−40°≦θ≦90°
の範囲において妥当な性能を確保できた。特に、
30°≦θ≦60°
の範囲において最適な風量、効率及び比騒音値を得ることができ、θ=40°で最高の結果を得た。
【0040】
図6及び図7に示す結果において、翼16の取付角θは、翼16の内側端が遠心ファン6の回転方向について外側端よりも前方に位置する場合(後向き翼の場合)を正の値とし、翼16の内側端が遠心ファン6の回転方向について外側端よりも後方に位置する場合(前向き翼の場合)を負の値としている。
【0041】
以上の実験結果に基づいて、遠心ファン6の外径d1、吸込口2の内径d2及び翼16の取付角θを最適な値とすることにより、構造の簡略化及び部品点数の削減による製造コストの低廉化を図りつつ、風量、効率及び騒音性に優れた床下換気装置17を得ることができる。
【0042】
なお、コストの著しい上昇を生じない範囲で、翼16の形状を平板以外の任意の形状とすることができる。また、遠心ファン6に翼16を必ずしも等間隔に取り付ける必要はないが、不等間隔で取り付ける場合には遠心ファン6の回転ムラの発生を防止するために重量バランスを均一化する必要がある。
【0043】
また、遠心ファン6に取り付ける翼16の枚数Zは、
CZ/d1≦5
に基づいて、増減するとこができ、特に、
1.0≦CZ/d1≦1.5
の範囲において、製造コストが低く、送風性能に優れた遠心ファン6を得ることができる。
【0044】
なお、遠心ファン6に代えて斜流ファンや混流ファンを用いることもでき、図8に示すように、遠心ファン6のディスク21により翼6の上下方向の中間部を支持するようにしてもよい。この場合には、図1に示した構成に比較してディスク21と翼16との固定部の強度を強くする構造が必要になる。
【0045】
また、製造コストの著しい上昇を生じないことを条件として、吸込口2に所謂ベルマウス等の形状を付加することもできる。
【0046】
図9は、この発明の第2の実施形態に係る床下換気装置の構成を示す側面断面図である。この実施形態に係る床下換気装置27は、図1に示した第1の実施形態に係る床下換気装置17と比較して、モータ5をケーシング9内でなく通風空間11内に配置した点で相違している。また、図10に示す平面断面図に明らかなように、遠心ファン6における翼16の取付枚数を2枚としたものである。その他においては、床下換気装置27は床下換気装置17と共通しており、同一箇所に同一番号を付して説明を省略する。
【0047】
図9及び図10に示す第2の実施形態に係る床下換気装置27によれば、上記第1の実施形態に係る床下換気装置17の効果に加えて、内部に多量の水が流入した場合にモータ5が浸水する可能性を低くして漏電による故障や事故の発生を防止できる効果が得られる。また、翼16をディスク21に取り付ける作業が削減され、遠心ファン6の製造コストがより低廉化される。
【0048】
なお、遠心ファン6に取り付ける2枚の翼16は、図11及び図12に示すように、1枚の平板によって構成することもでき、特に、図12に示すように、1枚の平板をそのまま使用することにより、遠心ファン6の製造コストをさらに低廉化することができる。
【0049】
図13は、この発明の第3の実施形態に係る床下換気装置の構成を示す側面断面図である。この実施に係る床下換気装置37は、図1に示した床下換気装置17において吸込口2、吹出口4、モータ5、遠心ファン6及びファンスクロールケーシング7を備えたケーシング9を上下反転して通気口8内に装着したものであり、ケーシング9の下方に形成される通風空間11内に電送ボックス14を配置し、吸込口2にグリル22を形成したものである。
【0050】
この構成により、第3の実施形態に係る床下換気装置37によれば、第1の実施形態に係る床下換気装置17によって得られる効果に加えて、ケーシング9の下面から、床下内1のより湿った空気を効率よくファンスクロールケーシング7内を経由して吹出口4から床下外3に排出することができ、住宅の床下における調湿機能を向上することができる。
【0051】
なお、ケーシング9にグリル22を一体成形することにより、部品点数を削減してコストの低廉化を図ることができる。同様に、ケーシング9に電送ボックス14を一体成形することにより、部品点数を削減してコストの低廉化を図ることができる。
【0052】
【発明の効果】
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0053】
(1) 遠心ファンの回転によって床下内の空気が吸込口から吹出口に向かって通過するファンスクロールケーシングの内部形状を、遠心ファンの外周と同心円状に形成することより、ファンスクロールケーシングの内周面と遠心ファンの外周面との間隔を全周にわたって略均一にすることができ、ファンスクロールケーシングの内周面と遠心ファンの外周面との間隔が部分的に極端に狭くなることがなく、塵埃等の異物が詰まりを生じることを防止することができ、ファンの形状や取付位置に誤差を生じた場合にもファンの外周面がファンスクロールケーシングの内周面に当接することを防止することができ、これらを原因とする騒音やファンの回転不良を未然に防止することができる。また、ファンスクロールケーシングの内部形状の設計に煩雑な演算を伴うことがなく、製造コストを低廉化できる。
【0054】
(2) 床下内の換気に必要な風量を確保するためのファンスクロールケーシングの内径Dを、遠心ファンの外径d1に基づいて極めて簡単な代数演算によって算出することにより、所定の風量のファンスクロールケーシングの内部形状を極めて容易に設計することができ、製造コストを低廉化できる。
【0055】
(3) 風量、送風効率及び騒音量をより適正にするためのファンスクロールケーシングの内径Dを、遠心ファンの外径d1に基づいて極めて簡単な代数演算によって算出することにより、風量、送風効率及び騒音量がより適正なファンスクロールケーシングの内部形状を極めて容易に設計することができ、製造コストをより低廉化できる。
【0056】
(4) 吸込口の内径を空気の通過方向について一定にすることにより、吸込口に絞り等の特殊な形状を形成する必要がなく、ファンスクロールケーシングの製造コストをさらに低廉化できる。
【0057】
(5) 床下内の空気を吸込口からファンスクロールケーシング内に多量に流入するための吸込口の内径d2を、ファンスクロールケーシングの内径Dに基づいて極めて簡単な代数演算によって算出することにより、床下内の空気を外部に排気するために十分な風量のファンスクロールケーシングの形状を極めて容易に設計することができ、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0058】
(6) 風量、送風効率及び騒音量をより適正にするための吸込口の内径d2を、ファンスクロールケーシングの内径Dに基づいて極めて簡単な代数演算によって算出することにより、風量、送風効率及び騒音量がより適正なファンスクロールケーシングの形状を極めて容易に設計することができ、製造コストをさらに低廉化できる。
【0059】
(7) 遠心ファンの翼枚数Zを、遠心ファンの外径d1に対する最小の翼弦長Cと翼枚数Zとの積の比に基づいて極めて簡単な代数演算によって算出することにより、ファンスクロールケーシングにおいて十分な風量を確保するための遠心ファンを極めて容易に設計することができ、製造コストをさらに低廉化できる。
【0060】
(8) 2枚の翼を備えた遠心ファンを用いることにより、多翼遠心ファンを使用する場合に比較して部品コストを低廉化できるとともに、翼と翼との間隔が最大になることから、遠心ファン内に塵埃等の異物が詰まることがなく、大きな騒音の発生や風量の減少を未然に防止することができる。
【0061】
(9) 2枚の翼を単一の板状体によって形成することにより、大きな騒音が発生したり風量が減少することのない遠心ファンを極めて容易に製造することができ、製造コストを低廉化できる。
【0062】
(10)3枚の翼を備えた遠心ファンを用いることにより、多翼遠心ファンを使用する場合に比較して部品コストを低廉化できるとともに、翼と翼との間隔を拡大して遠心ファン内における塵埃等の異物の詰まりを防止でき、大きな騒音が発生したり、風量が減少することを未然に防止することができる。
【0063】
(11)遠心ファンにおける翼の角度を、所定範囲内において設定することにより、ファンスクロールケーシングの風量や遠心ファンの回転数に応じて最適な遠心ファンの形状を選択することができる。
【0064】
(12)遠心ファンにおける翼の角度を、風量、送風効率及び騒音量をより適正にする状態に設定することにより、風量、送風効率及び騒音量がより適正な遠心ファンを容易に設計できる。
【0065】
(13)遠心ファンにおける翼の角度を、風量、送風効率及び騒音量を最適にする状態に設定することにより、風量、送風効率及び騒音量が最適な遠心ファンをより容易に設計できる。
【0066】
(14)平板状の翼を備えた遠心ファンを用いることにより、遠心ファンを極めて容易に設計及び製造することができ、製造コストをさらに低廉化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る床下換気装置の構成を示す側面断面図である。
【図2】同床下換気装置の平面断面図である。
【図3】同床下換気装置におけるPQ特性、ファン効率及び騒音値を従来の床下換気装置と比較して示す図である。
【図4】同床下換気装置における遠心ファンの外径を変化させた場合のPQ特性、ファン効率及び騒音値の測定結果を示す図である。
【図5】同床下換気装置における吸込口の内径を変化させた場合のPQ特性、ファン効率及び騒音値の測定結果を示す図である。
【図6】同床下換気装置における翼の取付角度を変化させた場合のPQ特性及びファン効率の測定結果を示す図である。
【図7】同床下換気装置における翼の取付角度を変化させた場合の送風機性能、効率及び騒音値の測定結果を示す図である。
【図8】同床下換気装置における遠心ファンの別の構成を説明する図である。
【図9】この発明の第2の実施形態に係る床下換気装置の構成を示す側面断面図である。
【図10】同床下換気装置の平面断面図である。
【図11】同床下換気装置における遠心ファンの構成を示す図である。
【図12】同床下換気装置における遠心ファンの別の構成を示す図である。
【図13】この発明の第3の実施形態に係る床下換気装置の構成を示す側面断面図である。
【図14】従来の床下換気装置の構成を示す側面断面図である。
【図15】同従来の床下換気装置の構成を示す平明断面図である。
【符号の説明】
1−床下内
2−吸込口
3−床下外
4−吹出口
5−モータ
6−遠心ファン
7−ファンスクロールケーシング
8−通気口
9−ケーシング
11−通風空間
16−翼
Claims (11)
- 遠心ファンを軸支したファンスクロールケーシングの内部に軸支し、吸込口から前記遠心ファンの軸方向に吸い込んだ空気を形状を吹出口から前記遠心ファンの半径方向に吹き出す装置であって、前記遠心ファンが吹出口に対向しない範囲における前記ファンスクロールケーシングの内部の断面形状を前記遠心ファンの回転方向に沿って一定にし、
前記遠心ファンが吹出口に対向しない範囲における前記ファンスクロールケーシングの内径Dは、前記遠心ファンの外径をd1として、
0.6≦d1/D≦0.9
の関係を満たし、前記吸込口の内径d2は、
0.3≦d2/D≦0.8
の関係を満たし、前記遠心ファンの翼枚数Z及び最小の翼弦長Cは、
CZ/d1≦5
の関係を満たし、前記遠心ファンは、回転中心及び翼の内側端を結ぶ直線と、翼の内側端及び外側端を結ぶ直線と、がなす角度θを、前向き翼の場合を負、後向き翼の場合を正として、
−40°≦θ≦90°
の範囲に設定したことを特徴とする遠心ファンとファンスクロールケーシングとを備えた装置。 - 前記ファンスクロールケーシングの内径Dは、
0.75≦d1/D≦0.85
の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の遠心ファンとファンスクロールケーシングとを備えた装置。 - 前記吸込口が、空気の通過方向に一定の内径の円形孔であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遠心ファンとファンスクロールケーシングとを備えた装置。
- 前記吸込口の内径d2は、ファンスクロールケーシングの内径をDとして、
0.4≦d2/D≦0.6
の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遠心ファンとファンスクロールケーシングとを備えた装置。 - 前記遠心ファンは、翼枚数が2枚であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の遠心ファンとファンスクロールケーシングとを備えた装置。
- 前記遠心ファンは、1枚の板状体により形成したことを特徴とする請求項5に記載の遠心ファンとファンスクロールケーシングとを備えた装置。
- 前記遠心ファンは、翼枚数が3枚であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の遠心ファンとファンスクロールケーシングとを備えた装置。
- 前記遠心ファンは、回転中心及び翼の内側端を結ぶ直線と、翼の内側端及び外側端を結ぶ直線と、がなす角度θを、後向き翼の場合を正として、
30°≦θ≦60°
の範囲に設定したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の遠心ファンとファンスクロールケーシングとを備えた装置。 - 前記遠心ファンは、回転中心及び翼の内側端を結ぶ直線と、翼の内側端及び外側端を結ぶ直線と、がなす角度θを、後向き翼の場合を正として、40°に設定したことを特徴とする請求項8に記載の遠心ファンとファンスクロールケーシングとを備えた装置。
- 前記遠心ファンは、平板状の翼形状を呈することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の遠心ファンとファンスクロールケーシングとを備えた装置。
- 請求項1〜10に記載の遠心ファンとファンスクロールケーシングとを備えた装置を含み、前記吸込口において床下内に連通するとともに前記吹出口において床下外に連通することを特徴とする床下換気装置。
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