JP3715095B2 - 駒玩具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、玩具、特に複数種類の駒と、それら駒を一個ずつ並べ置くための盤とよりなる駒玩具に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような駒玩具としては,例えば将棋,チェス,オセロ(登録商標)等が従来より一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の駒玩具では、その遊び方のルールが比較的複雑であったり、また二人で戦う遊び方が主であって一人遊びに向かない等の問題があった。
【0004】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもので、遊び方のルールが簡単であり、しかも二人でも一人でもそれぞれ楽しく遊べるようにした駒玩具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は,nを自然数とした場合に,各々が同一寸法の正方形状に形成されて少なくとも2n2 個ずつ用意された第1〜第8駒と,それら駒を一個ずつ置くための枡目を縦横にそれぞれ4nずつ設けた盤とを備えた駒玩具であって,各第1駒の一面には全面に第1色が付され,各第2駒の一面には,第1辺の全部とその一端に隣接する第2辺の半部とを二辺とした直角三角形の領域に第2色が,その残余の領域に第1色が付され,各第3駒の一面には,第1辺の全部とその他端に隣接する第3辺の半部とを二辺とした直角三角形の領域に第2色が,その残余の領域に第1色が付され,各第4駒の一面には,第1辺の半部とその一端に隣接する第2辺の半部とを二辺とした直角二等辺三角形の領域に第2色が,その残余の領域に第1色が付され,各第5駒の一面には全面に第2色が付され,各第6駒の一面には第2駒と配色を逆にして,また各第7駒の一面には第3駒と配色を逆にして,更に各第8駒の一面には第4駒と配色を逆にして,それぞれ第1色及び第2色が付されており,全部の枡目に並び置かれる全駒によって,第1色及び第2色からなる数多くの絵柄パターンを形成可能としたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の一実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0007】
添付図面において、図1は、本発明に係る駒玩具の一実施例を示す全体斜視図、図2は、前記実施例の盤の要部平面図(図1の2矢視拡大図)、図3は、図1の3−3線拡大断面図、図4は各駒の拡大平面図、図5は図4の5−5線拡大断面図、図6は駒の配列順序の一例を示す平面図、図7は、全枡目に全駒を置けた場合(成功の場合)の一例を示す平面図である。
【0008】
先ず、図1において、駒玩具は、各々が同一寸法の正方形状に形成されて複数個ずつ用意された第1〜第8駒C1 〜C8 と、それら駒C1 〜C8 を一個ずつ置くための多数の枡目M…,M′…を有する盤Pとから構成される。
【0009】
盤Pは、図示例では、方形状の平板よりなる盤本体1と、その盤本体1の左右両側縁に薄肉のヒンジ連結部Hを介してそれぞれ開閉回動可能に連結された方形状の平板よりなる左右一対の側板2,2とから構成される。盤本体1の上面には正方形の枡目M…が縦横にそれぞれ4n個ずつ描かれ、また各側板2,2の上面には同じく正方形の枡目M′…が縦に4n個、横に2n個ずつ描かれる。ここで、nは自然数であり、特に図示例ではn=2とされる。尚、盤本体1上の枡目群の中央には、縦横4個ずつ(即ちn=1とされる場合)の小枡目群GM の輪郭を表す太線Xが描かれている。
【0010】
一方、第1〜第8駒C1 〜C8 は、それら駒によって盤本体1上の全部の枡目M…を埋め得るように少なくとも16n2 個(中央の小枡目群GM のみを使用する場合には16個)用意され、しかもその8種類の駒C1 〜C8 は各々同数となるように2n2 個(中央の小枡目群GM のみを使用する場合には2個)ずつ取り揃えられる。各駒C1 〜C8 の、紙又は合成樹脂材より形成されるベース板3の背面には、磁石板7が一体的に接合される。
【0011】
盤本体1及び各側板2,2は何れも、紙又は合成樹脂よりなる表,裏両板4,5の間に薄い磁性材6(図示例では極薄の鋼板)を全面に亘り一体的に挟持接着して構成されており、従って、前述のようにベース板3の背面に磁石板3を接合した各駒C1 〜C8 を任意の位置で磁気的に吸着し得るようになっている。また盤Pは使用時には、前記ヒンジ連結部Hを回動支点として各側板2,2を観音開き状に展開させることができ(図1実線参照)、また不使用時には各側板2,2を閉じることでコンパクトに折り畳んでおくことができる(図1鎖線参照)。
【0012】
第1〜第4駒C1 〜C4 はその表面(即ちベース板3の表面)が第1色としての黄色yを主体色として着色されている。即ち、各第1駒C1 の表面には全面に黄色yが付され、また各第2駒C2 の一面には、第1辺L1 の全部とその一端に隣接する第2辺L2 の半部とを二辺とした直角三角形の領域Aに青色bが、その残余の領域Bに黄色yが付される。更に各第3駒C3 の一面には、第1辺L1 の全部とその他端に隣接する第3辺L3 の半部とを二辺とした直角三角形の領域A′に青色bが、その残余の領域B′に黄色yが付される。更に各第4駒C4 の一面には、第1辺L1 の半部とその一端に隣接する第2辺L2 の半部とを二辺とした直角二等辺三角形の領域A″に青色bが、その残余の領域B″に黄色yが付される。
【0013】
一方、第5〜第8駒C5 〜C8 はその表面(即ちベース板3の表面)が第2色としての青色bを主体色として着色されている。即ち、各第5駒C5 の一面には全面に青色bが付される。そして各第6駒C6 の一面には第2駒C2 と配色を逆にして、また各第7駒C7 の一面には第3駒C3 と配色を逆にして、更に各第8駒C8 の一面には第4駒C4 と配色を逆にして、それぞれ青色b及び黄色yが付される。
【0014】
次に前記駒玩具を用いて二人遊びを行う手順について説明する。盤本体1上の全枡目、即ち縦横4n個(図示例では8個)ずつの枡目M…を使用する場合には、一方のプレーヤが第1〜第4駒C1 〜C4 を2n2 個(図示例では8個)ずつ持ち、また一方のプレーヤが第5〜第8駒C5 〜C8 を2n2 個(図示例では8個)ずつ持つようにする。この場合、各プレーヤの手持ちの駒を対応する側板2上の枡目M′…上に並べておけば、手持ちの駒の未使用分が一目瞭然となって便利である。
【0015】
試合開始に当たっては先ず、先手が任意の枡目Mに全面同一色の駒(即ち第1駒C1 又は第5駒C5 )を一個だけ置き、次いで後手が、先に置かれた駒の一辺と自分の駒の一辺とを、その相互の隣接部において色が合致するように色合わせしながら、既に置かれた駒に隣接する枡目Mの何れかに自分の駒の1つを並べ置く。次いで先手が、先に置かれた駒の一辺と自分の駒の一辺とを、その相互の隣接部において色が合致するように色合わせしながら、既に置かれた駒に隣接する枡目Mの何れかに自分の駒の1つを並べ置く。図6には、上記のようにして盤本体1上に置かれた駒の配列の一例が示されており、ここで各駒に各々付された丸数字は、置かれた順番を示す。
【0016】
このような要領により、先手・後手が自分の駒を1個ずつを交互に、空いている枡目Mの何れかに置いてゆけば、遂にはどの枡目Mにも置けなくなる事態となる。これにより、勝負は終了となり、先に駒を置けなくなったプレーヤが負けとなる。
【0017】
尚、試合開始に当たっては、前述のように先手のみが任意の枡目Mに全面同一色の駒(即ち第1駒C1 又は第5駒C5 )を1個置く代わりに、先手および後手の双方が任意の枡目Mに全面同一色の駒(即ち第1駒C1 及び第5駒C5 )を1個ずつ互いに独立して置くようにしてもよい。この場合には、次に先手が、既に置かれた駒の一辺と自分の駒の一辺とを、その相互の隣接部において色が合致するように色合わせしながら、既に置かれた駒に隣接する枡目Mの何れかに自分の駒の1つを並べ置き、次いで後手が同様にして自分の駒の1つを並べ置き、以後同様の操作が、その一方が行き詰まるまで交互に繰り返される。
【0018】
また盤本体1上の小枡目群GM (中央の太線X内の縦横4個ずつ、合計16個の枡目M…)だけを使用する場合には、一方のプレーヤが青色bを主体色とする第1〜第4駒C1 〜C4 を2個ずつ持ち、また一方のプレーヤが黄色yを主体色とする第5〜第8駒C5 〜C8 を2個ずつ持って、その小枡目群GM の何れかの枡目Mに前記と同様の要領で交互に1個ずつ駒を置いてゆくことにより、前記と同様に遊ぶことができる。
【0019】
次に前記駒玩具を用いて一人遊び(即ちパズルゲーム)を行う手順について説明する。盤本体1上の全枡目、即ち縦横4n個(図示例では8個)ずつの枡目M…を使用する場合には、プレーヤが第1〜第8駒C1 〜C8 を2n2 個ずつ(図示例では8個ずつ)持つ。最初に何れかの枡目Mに何れかの駒を置き、次いで、先に置かれた駒の一辺と次の駒の一辺とを、その相互の隣接部において色が合致するように色合わせしながら、先に置かれた駒に隣接する枡目Mの何れかに次の駒を並べ置く(図6を参照)。
【0020】
このようにして駒を1個ずつ空いている枡目Mに置いてゆき、最終的に全部の枡目M…を埋め尽くすことができれば「成功」となり(図7にはその「成功」の一例を示す)、また途中で駒がどの枡目Mにも置けなくなれば「失敗」となる。その「成功」の場合に於いて、全枡目M…上に並び置かれる全駒により形成される絵柄パターンは数多くあり、その絵柄パターンに応じて得点を予め適宜決めることができる(例えば絵柄パターンが人の顔ならば70点、動物ならば50点、花ならば30点とし、もし先に出た絵柄パターンと同種の絵柄パターンが出たり或いは特定の絵柄パターンが全く出ない場合には10点あるいは0点とする等々)。この得点を加算し、一定時間内での高得点取得を目指す。尚、このような絵柄パターンに応じた得点の高低を競う代わりに、全枡目M…を全駒で埋め尽くすのに要した時間の長短を競うような遊び方も可能である。
【0021】
また盤本体1上の小枡目群GM だけを使用する場合には、プレーヤが8種類の駒C1 〜C8 を2個ずつ持ち、その小枡目群GM の枡目Mの何れかに前記と同様の要領で1個ずつ駒を並べ置いてゆくことにより、前記と同様に遊ぶことができる。
【0022】
以上,本発明の実施例について説明したが,本発明はその実施例に限定されることなく,本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。例えば前記実施例では,各駒のベース板背面に磁石板7を接合して,盤P上に磁力で吸着させるようにしたものを示したが,本発明では,そのような磁石板7を省略し,盤Pの上に単に駒を載せるだけとしてもよい。また前記実施例では,第1色を黄色y,第2色を青色bとしたが,その色の組み合わせは任意であり,例えば無彩色と有彩色の組み合わせ,濃淡の異なる無彩色同士の組み合わせ等であってもよい。尚,本発明の駒と盤を子ゲーム機器に組み込むようにしてもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、遊び方のルールが簡単で老若男女を問わず手軽に楽しむことができ、しかも二人でも一人でもそれぞれ楽しく遊べるようにした駒玩具が得られる。
【0024】
また駒を盤の枡目に置くに際しては、駒の選択・配列に色々と思考を巡らす必要があるため、知育玩具としても有効である。
【0025】
さらに各駒が同一且つ単純な正方形状である上,その各々の一面に,異なる二色を塗り分けて8種類の配色パターンを形成すれば足りるため,全体として構造簡単で且つ製作容易であり,コスト節減に寄与することができる。また全部の枡目に並び置かれる全駒によって,第1色及び第2色からなる数多くの絵柄パターン(例えば人の顔,動物,花)を形成でき,その絵柄パターンに応じて得点の高低を競う等の遊び方も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る駒玩具の一実施例を示す全体斜視図
【図2】前記実施例の盤の要部平面図(図1の2矢視拡大図)
【図3】図1の3−3線拡大断面図
【図4】各駒の拡大平面図
【図5】図4の5−5線拡大断面図
【図6】駒の配列順序の一例を示す平面図
【図7】全枡目に全駒を置けた場合(成功の場合)の一例を示す平面図
【符号の説明】
1 〜C8 ・・第1駒〜第8駒
1 〜L3 ・・各駒の第1辺〜第3辺
A,A′・・・直角三角形の領域
A″・・・・・直角二等辺三角形の領域
B,B′,B″・・残余の領域
y・・・・・・第1色としての黄色
b・・・・・・第2色としての青色
M・・・・・・枡目
P・・・・・盤

Claims (1)

  1. nを自然数とした場合に,各々が同一寸法の正方形状に形成されて少なくとも2n2 個ずつ用意された第1〜第8駒(C1 〜C8 )と,それら駒(C1 〜C8 )を一個ずつ置くための枡目(M…)を縦横にそれぞれ4nずつ設けた盤(P)とを備えた駒玩具であって,
    各第1駒(C1 )の一面には全面に第1色が付され,
    各第2駒(C2 )の一面には,第1辺(L1 )の全部とその一端に隣接する第2辺(L2 )の半部とを二辺とした直角三角形の領域(A)に第2色が,その残余の領域(B)に第1色が付され,
    各第3駒(C3 )の一面には,第1辺(L1 )の全部とその他端に隣接する第3辺(L3 )の半部とを二辺とした直角三角形の領域(A′)に第2色が,その残余の領域(B′)に第1色が付され,
    各第4駒(C4 )の一面には,第1辺(L1 )の半部とその一端に隣接する第2辺(L2 )の半部とを二辺とした直角二等辺三角形の領域(A″)に第2色が,その残余の領域(B″)に第1色が付され,
    各第5駒(C5 )の一面には全面に第2色が付され,
    各第6駒(C6 )の一面には第2駒(C2 )と配色を逆にして,また各第7駒(C7 )の一面には第3駒(C3 )と配色を逆にして,更に各第8駒(C8 )の一面には第4駒(C4 )と配色を逆にして,それぞれ第1色及び第2色が付されており,
    全部の枡目(M)に並び置かれる全駒(C 1 〜C 8 )によって,第1色及び第2色からなる数多くの絵柄パターンを形成可能としたことを特徴とする,駒玩具。
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