JP3714639B2 - 自動車用冷媒輸送ホース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はゴム、樹脂及び繊維補強層の組合せにより、構成される編み上げホースの補強構造であって、更に言えば、自動車用冷媒輸送ホースの構造に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
スパイラル補強構造を有する自動車用冷媒輸送ホースにおいて、通常2層以上のスパイラル糸補強層で構成されており、第1層目と第2層目は逆方向に編み上げられるのが普通である。又、各糸層の間に糸同士の摩擦防止及び各層間の接着性を向上させることを目的として、中間層を設ける場合もある。図2はこの従来のスパイラル構造の冷媒輸送用ホースを示す一部切り欠き図である。図中、11は内管樹脂層、12は内管ゴム層であり、この内管ゴム層12の表面に第1層目の補強層13、そして中間ゴム14を介して第2層目の補強層15を編み上げたものであり、更にこの例では外被ゴム16が形成されたものである。そして、通常は内管ゴム12を押し出した後に未加硫の状態で第1層目13の補強糸を編み上げ、順次外側の層を形成し、最後に加硫を行ってホースを得るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、第1層目13の補強糸を編み上げる際、内管ゴム12が未加硫の状態でありこれが柔らかいために、編み上げ時の糸のテンションのばらつきが生じることがあり、これが原因で糸の間隔が一定にならなかったり、内管ゴム12に食い込んだりする現象が発生する場合があった。特に第1層目13の糸の間隔が開いているような部位があると、高温繰り返し加圧等の耐久試験時に、糸間隔が開いた部位からゴムが切れて、吹き抜け現象が発生するという欠点があった。
【0004】
これらの欠点を解決するために、更に、耐圧性向上(破壊圧力向上)のために第2層目15の外側に3層目のスパイラル糸補強層を設ける場合があった。又、第1層目13の補強糸の間隔の乱れを防止するために、内管ゴム12を押し出した後に加硫を実施し、その上に第1層目13の補強糸を編み上げるという製造方法も取られる場合もあったが、製造コストの上昇等の問題があった。
【0005】
本発明の目的は未加硫を内管ゴムの上に第1層目の補強層を編み上げ、最後に加硫を行っても糸間隔の乱れが少なく、その結果安定し高い耐久性能が得られる自動車用冷媒輸送ホースを低コストにて供給することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の目的を達成するためになされたものであって、その要旨は、ゴム或いは樹脂等にて形成された内管と、その外表面にスパイラル状に巻き上げて補強された補強繊維層とを有し、これらを加硫することによって得られた自動車用冷媒輸送ホースにおいて、未加硫状態の内管の外表面と前記補強繊維層の間に、編上密度を10〜60%とした下編み繊維層を介在させたことを特徴とするもので、下編み繊維層をナイロンとし、補強繊維層をアラミド/PET混合糸とした自動車用冷媒輸送ホースである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は、下編み層(下地層)と補強繊維層の糸を連続的に成型することで生産性を損なうことなく生産することが可能となったものである。即ち、本発明は内管の外表面と補強繊維層の間に、下編み繊維層を介在させた自動車用冷媒輸送ホースにあって、下編み層は、補強繊維層を構成する糸が持っている機能とは異なり、耐圧力の機能は持たせないようにする必要がある。なぜならば、下編み層に耐圧力の機能を持たすと、下編み層がそのまま補強繊維層の機能に変化してしまうため、従来のホースと同様に糸の乱れが生じ、高耐久性を得られなくなってしまう。このため、下編み層の糸の本数は補強繊維層の糸の本数よりも少なくてもよく、又、その糸の太さも細くてもよく、更に材質も必ずしも高強力な材質を使う必要もない。
【0008】
そして、特に下編み層の編上密度(内管の表面積に対して糸の占める面積割合)を10〜60%とすることが性能に効果があることが判明し、本発明に到達したものである。即ち、編み上げ密度を10%以下にすると下編みの効果が失われ、又、編み上げ密度を60%以上とすると、補強層としての効果が現れる結果好ましくない方向となってしまうからである。
【0009】
このように内管の表面に下編み層を形成すると補強繊維層の糸を編む下地が固くなり、補強糸の編み上がりが安定し、かつ、糸の乱れが少なくなるという特徴がもたらされる。又、ホースの加硫時には内管ゴムが外側(補強繊維層側)に上がってくるため、第1層目の補強繊維層の糸を押し広げようとするが、下編み層があるとこの下編み層自体がクッションの役割をし、第1層目の補強繊維層の糸を押し広げようとする力を緩和する効果もある。従って、加硫後の出来上ったホースは補強糸の乱れ等が少なく、結果として安定して高い耐久性能の自動車用冷媒輸送ホースが得られることになる。
【0010】
【実施例】
以下、実施例をもって本発明の特徴を更に詳細に説明する。図1は本発明の自動車用冷媒輸送ホースの実施例1を示す一部切り欠き図である。図中、1は内管樹脂層、2は内管ゴム層であり、この内管ゴム層2の表面に下編み層3、4(下編み層3、4は、いずれもナイロン繊維)を巻き上げ、そしてこの上に第1層目の補強層5、そして中間ゴム層6を介して第2層目の補強層7(補強層5、6は、いずれもアラミド/PET混合糸)、そして更に外被ゴム層8を形成してなるものである。前述したように、内管ゴム層2を押し出した後に未加硫の状態で各層を形成し、最後に加硫して自動車用冷媒輸送ホースを得ることとなる。
【0011】
このナイロン繊維による下編み層3及び4は、第1層5の補強糸及び第2層7の補強糸が持っている機能(耐圧性)とは異なり、耐圧力の機能は持たせなくてもよいため、下編み糸の本数は補強糸の本数よりも少なくてもよく、又、太さも細くてもよく、更に材質も必ずしも高強力な材質を使う必要もない。
【0012】
下編みを行なうと、第1層5の補強糸を編む下地が固くなり、この補強糸の編み上がりが安定し、糸の乱れが少なくなる。又、加硫時には内管ゴム2が外側(補強糸側)に上がって来るため、第1層目5の補強糸を押し広げようとするが、下編み層3、4があると、下編み層3、4自体がクッションの役割をし、第1層目5の補強糸を押し広げようとする力を緩和する効果もある。従って、加硫後の出来上ったホースは、第1層及び第2層の補強糸の乱れ等が少なく、結果として安定して高い耐久性能の自動車用冷媒輸送ホースが得られることになる。
【0013】
(加圧性能試験)
図1に示した本発明の自動車用冷媒輸送ホース及び図2に示す従来例を用いて、繰り返し加圧性能試験を行った。試験条件は、140℃×5分、30MPA[A]×30cpmホースの構造は表1の通りである。試験結果を表1に示す。加圧試験結果の表示は、ホースがバーストするまでの繰り返し加圧回数で表わした。
【0014】
尚、表1にあって、従来品1は下編み層がなく、第1及び第2補強層をPET繊維にて構成したものである。又、参考品1は下編み層がなく、第1及び第2補強層を本発明と同様のアラミド/PET混合糸にて構成したもの、参考品2は実施例1における第1及び第2補強層の形態は異なるが構成は同一であり、下編み層の構成及び編上密度を変えたものである。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】
加圧性能試験の結果より明らかなように、本発明による自動車用冷媒輸送ホースは極めて性能が高く、その用途は著しく広いものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明のホースの第1実施例における一部切り欠き図である。
【図2】 図2は従来のホースの一部切り欠き図である。
【符号の説明】
1、11‥‥内管樹脂層、
2、12‥‥内管ゴム層、
3、4‥‥下編み層、
5、13‥‥第1層目の補強層、
6、14‥‥中間ゴム層、
7、15‥‥第2層目の補強層、
8、16‥‥外被ゴム層。
Claims (1)
- ゴム或いは樹脂等にて形成された内管と、その外表面にスパイラル状に巻き上げて補強された補強繊維層とを有し、これらを加硫することによって得られた自動車用冷媒輸送ホースにおいて、未加硫状態の内管の外表面とアラミド/PET混合糸からなる前記補強繊維層の間に、編上密度を10〜60%とした下編みナイロン繊維層を介在させたことを特徴とする自動車用冷媒輸送ホース。
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JPH0996382A JPH0996382A (ja) | 1997-04-08 |
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- 1995-09-29 JP JP27696995A patent/JP3714639B2/ja not_active Expired - Fee Related
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