JP3714601B2 - 吸気制御装置の故障検知システム - Google Patents

吸気制御装置の故障検知システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの吸入空気量を制御する制御弁をバキュームタンク内の圧力により作動させる吸気制御装置に関し、更に詳しくは、その故障を検知する吸気制御装置の故障検知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、負圧タンクの負圧を利用してダイヤフラムバルブの負圧室を作動し、内燃機関の吸気通路に設けられた制御弁を、前記ダイヤフラムバルブで制御することにより燃焼室内に供給される吸入空気量を制御する吸気制御装置としては、例えば特開平5−156953号公報に開示されているものが知られている。
この吸気制御装置は、図8に示すように、内燃機関の吸気通路を第1吸気通路100aと第2吸気通路100bとに分割し、第1吸気通路100a内にはアクチュエータ(不図示)によって開閉制御される吸気制御弁101が配置され、第2吸気通路100b内には負圧ダイヤフラム装置102によって開閉される吸気遮断弁103が配置されている。負圧ダイヤフラム装置102の負圧ダイヤフラム室102aは、大気に連通可能な電磁切換弁104を介して負圧タンク105に連結され、この負圧タンク105は負圧ポンプ105aに連結されている。吸気制御弁101及び吸気遮断弁103の下流の吸気枝管106には各吸気ポート107内に向けて燃料を噴射するための燃料噴射弁108が配設されている。
【0003】
このように構成される吸気制御装置100は、内燃機関の低負荷運転時には、吸気遮断弁103を閉弁し、吸気制御弁101の開弁時期及び開弁期間を制御することによって燃焼室109内に供給される吸入空気量を制御する。
一方、内燃機関の高負荷運転時には、吸気制御弁101の開弁時期及び開弁期間を制御すると共に、吸気遮断弁103が全開となるように制御することによって燃焼室109内に供給される吸入空気量を制御する。
このとき、前記吸気遮断弁103は、電磁切換弁104の切り替え作用により、ダイヤフラム負圧室102aが負圧タンク105に連結される。反対に、電磁切換弁104の切り替え作用により、ダイヤフラム負圧室102aを大気に開放すると、吸気遮断弁103は全閉となるようになっている。
従来の吸気制御装置100は、このようにして吸入空気量を制御し、燃料噴射弁108から各吸気ポート107に向けて燃料を噴射することで内燃機関の全運転領域に亘ってポンピング損失を低減しつつ良好な燃焼を得ることができるようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の吸気制御装置100は、
(1)吸気制御弁101、負圧ダイヤフラム装置102、吸気遮断弁103、電磁切換弁104等の制御弁に作動不良が発生すると、エミッションの性状(NOX,HC,CO等)が悪化したり内燃機関(以下、エンジンという)に対する要求負荷に見合った出力が得られないという問題があった。
(2)また、これらの制御弁に作動不良が発生したかどうかを知る対策として制御弁の故障状態を検知することが考えられるが、負圧タンク内の圧力により制御弁を作動させる場合は、応答遅れが大きいため誤検知をする恐れがあった。
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、エンジンの吸気制御装置に使用される制御弁の作動不良を適確に検知することができ、かつ、前記制御弁がバキュームタンク内の負圧により作動する制御弁であっても誤検知を防止できる吸気制御装置の故障検知システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためになされた請求項1に係る吸気制御装置の故障検知システムの発明は、エンジンの吸入空気量を制御する制御弁をバキュームタンク内の圧力により作動させる吸気制御装置において、エンジンの運転状態に応じて要求された前記制御弁の作動に要する時間よりも前記制御弁の実際の作動に要する時間が所定時間以上長いことを検出して、前記制御弁の故障状態を検知するように構成するとともに、前記バキュームタンク内の圧力を検出し、前記圧力が所定の圧力よりも低い場合は、前記制御弁の故障状態を検知するのを中止するように構成し、さらに、インテークマニホールド内の圧力と大気圧との圧力差に基づいて単位時間当たりのバキュームタンク減圧量またはバキュームタンク復圧量を積算することにより、前記バキュームタンク内の圧力を推定するように構成したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項1の発明によると、エンジンの吸入空気量を制御する制御弁をバキュームタンク内の圧力により作動させる吸気制御装置において、エンジンの運転状態に応じて要求された前記制御弁の作動に要する時間よりも前記制御弁の実際の作動に要する時間が所定時間以上長いことを検出して、前記制御弁の故障状態を検知するようにしたので、制御弁の作動圧力による応答遅れを考慮した所定時間後に故障状態を検知することができるため誤検知を防止できる。しかも、故障状態を検知してメンテナンスを実施すればエンジン出力が要求値と異なってしまうのを防止できる。
また、バキュームタンク内の圧力を検出し、前記圧力が所定の圧力よりも低い(大気圧側の)場合は、制御弁の故障状態を検知するのを中止するように構成したので、常に制御弁が正常に作動している状態で故障検知をすることができる。その結果、誤検知を防止することができる。
さらに、インテークマニホールド内の圧力と大気圧との圧力差に基づいて単位時間当たりのバキュームタンク減圧量またはバキュームタンク復圧量を積算することにより、バキュームタンク内の圧力を推定するように構成したので、前記バキュームタンクに専用の圧力計を設けなくても前記バキュームタンク内の圧力が推定できる。
【0008】
請求項2に係る吸気制御装置の故障検知システムの発明は、前記制御弁は、ダイヤフラムにより駆動されると共に、前記ダイヤフラムの温度が所定値以下の場合には、前記制御弁の故障状態を検知するのを中止或いは検知するための所定時間を延長するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の吸気制御装置の故障検知システムである。
【0009】
請求項2の発明によると、制御弁は、ダイヤフラムにより駆動されると共に、前記ダイヤフラムの温度が所定値以下の場合には、前記制御弁の故障状態を検知するのを中止或いは故障検知に要する時間を延長するように構成したので、ダイヤフラム(隔膜)が低温のために硬化し、作動圧力に対する応答性が悪くなることによる誤検知を防止することができる。
【0010】
請求項3に係る吸気制御装置の故障検知システムの発明は、エンジンの吸入空気量を制御する制御弁をバキュームタンク内の圧力により作動させる吸気制御装置において、エンジンの運転状態に応じて要求された前記制御弁の作動に要する時間よりも前記制御弁の実際の作動に要する時間が所定時間以上長いことを検出して、前記制御弁の故障状態を検知するように構成し、前記制御弁は、ダイヤフラムにより駆動されると共に、前記ダイヤフラムの温度が所定値以下の場合には、前記制御弁の故障状態を検知するのを中止或いは検知するための所定時間を延長するように構成したことを特徴とする吸気制御装置の故障検知システムである。
【0011】
請求項3の発明によると、エンジンの吸入空気量を制御する制御弁をバキュームタンク内の圧力により作動させる吸気制御装置において、エンジンの運転状態に応じて要求された前記制御弁の作動に要する時間よりも前記制御弁の実際の作動に要する時間が所定時間以上長いことを検出して、前記制御弁の故障状態を検知するようにしたので、制御弁の作動圧力による応答遅れを考慮した所定時間後に故障状態を検知することができるため誤検知を防止できる。しかも、故障状態を検知してメンテナンスを実施すればエンジン出力が要求値と異なってしまうのを防止できる。
また、制御弁は、ダイヤフラムにより駆動されると共に、前記ダイヤフラムの温度が所定値以下の場合には、前記制御弁の故障状態を検知するのを中止或いは故障検知に要する時間を延長するように構成したので、ダイヤフラム(隔膜)が低温のために硬化し、作動圧力に対する応答性が悪くなることによる誤検知を防止することができる。
【0012】
請求項4に係る吸気制御装置の故障検知システムの発明は、前記バキュームタンク内の圧力を検出し、前記圧力が所定の圧力よりも低い場合は、前記制御弁の故障状態を検知するのを中止するように構成したことを特徴とする請求項3に記載の吸気制御装置の故障検知システムである。
【0013】
請求項4の発明によると、バキュームタンク内の圧力を検出し、前記圧力が所定の圧力よりも低い ( 大気圧側の ) 場合は、制御弁の故障状態を検知するのを中止するように構成したので、常に制御弁が正常に作動している状態で故障検知をすることができる。その結果、誤検知を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る吸気制御装置の故障検知システムの1実施形態について図面を参照して説明する。
最初に、本発明に係る吸気制御装置の故障検知システムを適用した吸気制御装置全体の構成について図1を参照して説明する。
本発明に係る吸気制御装置は、
エンジン吸気系に設けられてシリンダヘッド(図示せず)に接続されるインテークマニホールド1と、
前記エンジン吸気系に設けられたスロットル弁(図示せず)の下流(例えばインテークマニホールド1のチャンバ部)に、第1の配管1aを介して連通される逆止弁2と、
前記逆止弁2に第2及び第3の配管3,4を介してそれぞれが連結されるバキュームタンク5及びソレノイドバルブ6と、
前記ソレノイドバルブ6の下流側に第4の配管7を介して設けられるダイヤフラムバルブ8と、
前記ダイヤフラムバルブ8を前記バキュームタンク5内の圧力により作動させて、ロッド8a及びレバー9aを介してロータリーバルブ9の軸9bを回転させることにより、前記インテークマニホールド1の管長を切り替える管長切り替え機構と、
前記インテークマニホールド1の管長が実際に切り替わったかどうかを検知するポジションセンサ10と、
エンジンの回転数、エンジン負荷を見ながら前記構成機器及び配管に設けられた各種センサから出力される出力信号により吸気制御装置が故障かどうかを検知し、ドライバにその結果を知らせる制御装置11と、
から主要部が構成される。
【0015】
インテークマニホールド1は、樹脂で構成されたり、鋳鉄やアルミニウム合金の鋳物で構成されるエンジンの吸気系に設けられる配管である。配管内の圧力は、エンジン運転中は負圧となっている。インテークマニホールド1のチャンバ部には第1の配管1aを介して逆止弁2が設けられている。
【0016】
逆止弁2は、流体を一定方向にのみ流し、停止時又は反対側から圧力が掛かった場合に弁体が自動的に密着して管内の流れを停止し、逆流を防止する弁である。
逆止弁2はスイング逆止弁であり、流体の正規の流れで開き、逆流で弁体2aが密着し流路を閉止するように構成されている。
流体の正規の流れは、バキュームタンク5側から第1の配管1a側へのガスの流れであり、インテークマニホールド1内の圧力とバキュームタンク5内の圧力とが同じ圧力になると弁体2aは流路を閉止する。
【0017】
バキュームタンク5は、ダイヤフラムバルブ8を作動させるための負圧を貯蔵する貯蔵容器である。
バキュームタンク5は、逆止弁2を挟んで第1の配管1aと対向する位置に、第2の配管3を介して一体的に設けられている。このように構成することにより、バキュームタンク5内を負圧にするのにインテークマニホールド1内の負圧を利用することができるので、真空ポンプ等の負圧発生手段が不要となる。
エンジンの運転中は、インテークマニホールド1内の圧力が負圧となっており、バキュームタンク5内に十分な負圧(例えば−210mmHg)があれば第3の配管4及び第4の配管7を介してダイヤフラムバルブ8を作動させることができる。
一方、バキュームタンク5内に十分な負圧が貯蔵されていない場合には、逆止弁2の弁体2aが開き、インテークマニホールド1内の圧力とバキュームタンク5内の圧力とが同じになるまで開の状態を保持する。
【0018】
ソレノイドバルブ6は、その弁体6aをON−OFFさせることによりダイヤフラムバルブ8を作動させる圧力を制御する電磁弁である。本実施の形態では、ソレノイドバルブ6がON(開)の状態のときは、ダイヤフラムバルブ8の作動圧は大気圧、電磁弁がOFF(閉)のときは、ダイヤフラムバルブ8の作動圧は負圧(例えば−210mmHg)となる。
ソレノイドバルブ6の大気導入側には、バキュームタンク5からダイヤフラムバルブ8に負圧を供給する第3の配管4内や第4の配管7内に、外部から大気中のゴミや油が入らないようにするための紙製の大気フィルタ6bが設けられている。
【0019】
ダイヤフラムバルブ8は、ゴム製のダイヤフラム(隔膜)8cを有する制御弁であり、前記ダイヤフラム(隔膜)8cは操作入力である圧力により作動し、前記ダイヤフラム(隔膜)8cの変位をロッド8a及びレバー9aを介してロータリーバルブ9に回転力として伝える。ダイヤフラムバルブ8の負圧室8d内には円筒状のバネ8bが設けられている。
【0020】
管長切り替え機構は、ソレノイドバルブ6を介してダイヤフラム(隔膜)8cを作動させる圧力が制御されるダイヤフラムバルブ8と、前記ダイヤフラムバルブ8のダイヤフラム8cの変位をロッド8aから伝達され回転力に変換するレバー9aを有し、前記レバー9aから伝達される回転力により軸9bを回転するロータリーバルブ9と、前記軸9bの回転位置を確実に確認するためのポジションセンサ10とから主要部が構成される。
このように構成される管長切り替え機構は、例えばダイヤフラムバルブ8が負圧で運転されているときに、ソレノイドバルブ6が開(ON)となると、バネ8bの弾発力が開放され、ダイヤフラム8cと一体のロッド8aがロータリーバルブ9の軸9bに一体に設けられたレバー9aを回転させてインテークマニホールド1の管長が、図2(a)に示すように、短くなる位置に切り替わる。
反対に、ダイヤフラムバルブ8が大気圧で運転されているときには、ソレノイドバルブ6が閉(OFF)となると、バネ8bの弾発力が蓄圧され、ダイヤフラム8cと一体のロッド8aがロータリーバルブ9の軸9bと一体のレバー9aを反対方向に回転させるのでインテークマニホールド1の管長が長くなる位置に切り替わる。
【0021】
ポジションセンサ10は、ロータリーバルブ9の軸9bの回転位置を確認するための開度センサであり、図2(b)に示すように、前記ロータリーバルブ9の軸9bの端面に装着されたセンサ9cとロータリーバルブ9のケーシングの内壁に装着されたセンサ10aとが、所定の基準点から相互にスライドしたときに変化する可変抵抗の出力値から回転位置が確認される。
ポジションセンサ10は、可変抵抗だけでなくマイクロスイッチ、リミットスイッチ等の接触センサ及び光電スイッチや近接スイッチ等の非接触で使用するセンサを使用することもできる。
【0022】
制御装置11は、電気的制御回路、又は、RAM、ROM、CPU(又はMPU)及びI/O(Input/Output)等を中心として構成されたマイクロコンピュータからなる電子制御ユニットである。この制御装置11の入力部には、エンジン回転数、エンジン負荷等のエンジンの運転状態に関連する電気信号と吸気制御装置の各センサからの電気信号(例えばソレノイドバルブ6の駆動信号等)が入力され、これらの入力信号に基づいて吸気制御装置の故障検知がなされる。「故障」が検知された場合は、異常表示灯12を点灯し、ブザー13を鳴らしてドライバに知らせるように構成されている。
【0023】
このように構成される本発明に係る吸気制御装置の故障検知システムにおいて、管長を切り替えたときのインテークマニホールド1の断面図を図2(a)に示す。
図2(a)に示すように、インテークマニホールド1の周りには、バキュームタンク5、ダイヤフラムバルブ8、ロータリバルブ9等が設けられており、図2(a)にはロータリーバルブ9の軸9bが開となっているときの断面を示してある。
またポジションセンサ10として使用される開度センサを、ロータリーバルブ9の軸9b及びロータリーバルブ9のケーシングの内壁に取り付けたときの位置を図2(b)に示す。
図2(b)に示すように、ダイヤフラムバルブ8をバキュームタンク5の圧力で作動し、ロッド8aを介してロータリーバルブ9の軸9bを回転したときの回転位置を確認するためのセンサ9c,10aがそれぞれロータリーバルブ9の軸9bの端面及びケ-シング内の上部に設けられている。
【0024】
このように構成される本発明に係る吸気制御装置の故障検知システムに関するモニターの基本原理を図3及び図4を参照して説明する。
モニターの基本原理は、エンジンの制御領域によって予め決められているインテークマニホールド1の管長切り替え操作の結果をみて判定している。この管長切り替え操作は、図4に示すエンジンの回転数に対するスロットル開度のマップから求められる制御領域であるLONG(低回転数領域)又はSHORT(高回転数領域)のどちらかにロータリーバルブ9の回転位置を設定するための操作である。
【0025】
図3(a)は、インテークマニホールド1の管長が短くなる位置、すなわち、図2(a)に示すようなロータリーバルブ9を開の位置に切り替えたときに、管長切り替え操作の結果が「正常」と判定される場合のソレノイドバルブ指令とポジションセンサ10の論理を示した図である。
この切り替えモード(SHORT)は、エンジンのアイドリング時又は高回転数領域で使用される。このときソレノイドバルブ6は大気開放(ON)となっている。従って、ダイヤフラムバルブ8を作動させる圧力は大気圧である。
ちなみにソレノイドバルブ6のフラグF_SVSON=1のときにポジションセンサ10のフラグF_SVSSHT=1であれば「正常」と判定される。
【0026】
図3(b)は、インテークマニホールド1の管長が長くなる位置、すなわち、図2(a)に示すロータリーバルブ9を閉の位置に切り替えたときに、管長切り替え操作の結果が「正常」と判定される場合のソレノイドバルブ指令とポジションセンサ10の論理を示した図である。
この切り替えモード(LONG)は、エンジンの低回転数領域で使用される。このときのソレノイドバルブ6は閉(OFF)となっている。従って、ダイヤフラムバルブ8を作動させる圧力は負圧(例えば−210mmHg)である。
ちなみにソレノイドバルブ6のフラグF_SVSON=0のときにポジションセンサ10のフラグF_SVSLNG=1であれば「正常」と判定される。
【0027】
尚、図3(c)にエンジンの制御領域であるLONG又はSHORTに対応した正常時のソレノイドバルブ指令とポジションセンサ10の論理をまとめたものを示す。このソレノイドバルブ指令とポジションセンサ10の論理が、モニターした結果と比較したときに、一致すれば「正常」、一致しなければ「故障」と判定される。
【0028】
図4は、エンジンの回転数に対するスロットル開度のマップである。制御領域であるLONG(低回転数領域)とSHORT(高回転数領域)の間にはエンジン回転数のヒステリシス領域があり、図中の符号Lは、ヒステリシス領域の低回転数側を、図中の符号Hは、ヒステリシス領域の高回転数側を示す。
また、図中の符号NCRは、始動モード判定のためのエンジンの回転数であり、エンジン始動時はアイドリングに入るが、この回転数を境に点火制御、燃料制御の方式が切り替わるようになっている。
そして、図中のF_NAは、アイドル判別用のエンジン回転数(設定値)よりも現在のエンジン回転数が高いときに立つフラグである。
また、F_THIDLEは、アイドル判別用のスロットル開度(設定値)よりも現在のスロットル開度が大きいときに立つフラグである。
エンジン始動後、一定時間TSVSDLYはインテークマニホールド1の管長をSHORT側に切り替える。その理由は、エンジン回転数がNSVS(例えば4500min-1)以上になった時だけSHORT側に管長を切り替える方法では、この領域を使わない場合が長く続いた場合に、ソレノイドバルブ6の固着等の問題が発生するので、ソレノイドバルブ6の作動頻度を上げるために動作させている。
尚、制御装置11からソレノイドバルブ指令があった場合に「正常」と判定されるソレノイドバルブ6のON−OFF状態、ダイヤフラムの作動圧力及びインテークマニホールド1の管長に関する論理を図の下に示す。
【0029】
次に、本発明に係る吸気制御装置の故障検知システムを適用して実際に吸気制御装置の故障を検知した場合の正常時の検知例(動作タイミングチャート)を図5に示す。
この動作タイミングチャートを使って正常時の動作を説明する。
(1)ソレノイドバルブ指令
インテークマニホールド1の管長がLONG(低回転数領域)→SHORT(高回転数領域)になるようにロータリーバルブ9の回転位置を切り替えるときには、ソレノイドバルブ指令のフラグF_SVSONが0から1に切り替わる。反対にSHORT(高回転数領域)→LONG(低回転数領域)に切り替わるときは、ソレノイドバルブ指令のフラグF_SVSONが1から0に切り替わる。
(2)ソレノイドバルブの状態
インテークマニホールド1の管長がLONG(低回転数領域)→SHORT(高回転数領域)になるようにロータリーバルブ9の回転位置を切り替えるときには、ソレノイドバルブ6は0FF(閉)からON(開)となり、ダイヤフラムバルブ8に負圧を供給する第3の配管4や第4の配管7に大気フィルタ6bから大気が導入される結果、ダイヤフラムバルブ8の作動圧力は大気圧となる。反対にSHORT(高回転数領域転)→LONG(低回転数領域)に切り替わるときは、ソレノイドバルブ6はON(開)から0FF(閉)となり、ダイヤフラムバルブ8の作動圧力は負圧となる。
(3)ポジションセンサ
インテークマニホールド1の管長がLONG(低回転数領域)→SHORT(高回転数領域)になるようにロータリーバルブ9の回転位置を切り替えるときには、ポジションセンサ10の出力は、ロータリーバルブ9の軸9bの回転に伴うメカニカルな作動応答遅れがあるため、図5中のSHORT判定開度(例えば開度80%)を通過してもONの出力は得られない。すなわち、確実にONとなったかどうかを確認するためには、さらに検知待ちタイマで設定した所定時間を経過した後、はじめてポジションセンサ10の判定結果としてONを出力するように構成されている。
反対にSHORT(高回転数領域)→LONG(低回転数領域)に切り替えるときは、ポジションセンサ10の出力は、ロータリーバルブ9の軸9bの回転に伴う同様なメカニカルな作動応答遅れがあるため、図5中のLONG判定開度(例えば開度20%)を通過してもOFFの出力が得られない。すなわち、確実にOFFとなったかどうかを確認するためには、検知待ちタイマで設定した所定時間を経過した後、はじめてポジションセンサ10の判定結果としてOFFを出力するように構成されている。
尚、ダイヤフラムバルブ8の作動圧力を負圧→大気圧にするより大気圧→負圧にする方が作動時間がかかるので、メカニカル作動応答遅れの時間は、LONG(低回転数領域)→SHORT(高回転数領域)に切り替えるときの時間(例えば3秒)よりもSHORT(高回転数領域)→LONG(低回転数領域)に切り替えるときの時間(例えば5秒)の方が長くなる。
(4)インテークマニホールドの管長
インテークマニホールド1の管長をLONG(低回転数領域)→SHORT(高回転数領域)になるようにロータリーバルブ9の回転位置を切り替えるときには、メカニカルな作動応答遅れ(短)があった後SHORT側に切り替わる。一方、インテークマニホールド1の管長をSHORT(高回転数領域)→LONG(低回転数領域)になるようにロータリーバルブ9の回転位置を切り替えるときには、メカニカルな作動応答遅れ(長)があった後LONG側に切り替わる。
(5)F_FSDF106L,F_FSDS106S
タイマで設定した所定時間の間、吸気制御装置の故障検知を行い、検知した結果、吸気制御装置が「正常」と判断された場合には、フラグF_FSDF106L又はF_FSDS106Sは立たないが、「故障」と判断された場合には、フラグF_FSDF106L又はF_FSDS106Sの出力により異常表示灯12を点灯し、ブザー13を鳴らしてドライバに知らせるように構成されている。
【0030】
【実施例】
次に、前記した正常時の検知例(動作タイミングチャート)に基づいて故障検知を実施したときの故障検知例について図6を参照しながら説明する。
実施例1
図6は、制御領域がSHORT指令中にダイヤフラムバルブ8に負圧を供給する負圧配管がはずれてしまった場合の動作タイミングチャートである。
この図からもわかるように、ダイヤフラムバルブ8の作動圧力が大気圧となっているため、ソレノイドバルブ指令にソレノイドバルブ6の状態は追従しているが、ソレノイドバルブ6の状態がON→OFFに切り替わっても、ポジションセンサ10はON(SHORT)→OFF(LONG)に切り替わっていない。また、インテークマニホールド1の管長もSHORT(高回転数領域)のままであり、SHORT(高回転数領域)→LONG(低回転数領域)に切り替わっていない。
このような動作異常がみつかると、検知待ちタイマ、故障確定タイマのそれぞれの設定時間を経過後、「故障」と判定し、フラグF_FSDF106L(モードをLONGに切り替えるときの故障)の出力により異常表示灯12を点灯し、ブザー13を鳴らしてドライバに知らせる。
【0031】
このようにして前記したモニターの基本原理に基づいて、吸気制御装置をモニターし、得られた出力結果とソレノイドバルブ指令に対するポジションセンサ10の論理とを比較して、論理が一致すれば「正常」、一致しなければ吸気制御装置は「故障」と判定することにより、エンジンの吸気制御装置の故障を好適に検知できる故障検知システムを提供することができる。
【0032】
次に、このように故障を検知できる吸気制御装置の故障検知システムで吸気制御装置をモニターするときの制約条件について図1を参照して説明する。
(1)ソレノイドバルブ6の駆動電圧が11V未満の場合は、検知に使用しているソレノイド(電磁コイル)の作動が不確定になるので検知を中止する。
(2)気温又は水温がそれぞれ所定の温度TASVSCKL、TWSVSKL未満(例えば−15℃)のときは、ロータリーバルブ9を作動させるダイヤフラムバルブ8のダイヤフラム(隔膜)8cがゴムで構成されているため、低温時に硬化して応答性が悪化するので誤検知をする恐れがあるため検知を中止する。
尚、検知を中止しないで検知時間を延長する(常温時の検知時間5sec→低温時の検知時間10sec)ことで故障状態を検知するようにすることもできて、誤検知の防止が可能である。
(3)ソレノイドバルブ6をON(又はOFF)にしてからその後流側に設けられているダイヤフラムバルブ8、ロータリーバルブ9等が所定の状態に切り替わるまでの作動時間にはばらつきがあり、すぐに検知をすると誤検知となる。そのため、ソレノイドバルブ6をON(又はOFF)にしてから所定時間は検知を中止する。
このように、制御弁の作動圧力等による応答遅れを考慮した所定時間経過後に故障状態を検知するようにしたので誤検知を防止できる。
また、エンジンの運転状態に応じて要求された制御弁の作動に要する時間よりも前記制御弁の実際の作動に要する時間が所定時間以上長いことを検出することにより制御弁の故障状態を検知することもできる。
また、故障状態を検知してメンテナンスを実施すれば、エンジン出力が要求値と異なってしまうのを防止できる。
(4)バキュームタンク5の内圧が、ダイヤフラム8を作動させる圧力PBGSVSOK(負圧、例えば−210mmHg)以下のときは、バキュームタンク5に負圧が溜まるまではLONG側(低回転数領域側)の故障検知を中止する。
これらの制約条件を設けることにより、本発明に係る吸気制御装置の故障検知システムを吸気制御装置に適用して吸気制御装置をモニターするときに、さらに適格に吸気制御装置の故障検知ができる。
【0033】
次に、ダイヤフラムバルブ8に作動負圧を供給するバキュームタンク5内の圧力の推定方法について図7を参照して説明する。
尚、図7において、縦軸は、負圧を示し、横軸に起動後の経過時間を示す。負圧は図中、上に行くほど負圧が大きく(真空度が高く)、経過時間は右に行くほど長くなる。ここに、PBGAはインテークマニホールド内の圧力と大気圧との圧力差(ゲージ圧)、DPBGSVSPは単位時間当たりのバキュームタンク減圧量、DPBGSVSMは単位時間当たりのバキュームタンク復圧量である。また、DPBGDIAPはダイアフラムバルブ分(ダイアフラムバルブの容量+第3及び第4の配管内の容量を含む)復圧量、TMSVCHGはバキュームタンクの負圧チャージ監視周期、TMSVLEAKはバキュームタンクのリーク監視周期を示している。
【0034】
エンジンのインテークマニホールド1のチャンバ部に接続された第1の配管1aとバキュームタンク5とを連通する通路には逆止弁2が介挿されている。そして、エンジン運転中は、インテークマニホールド1内(スロットル弁下流)の圧力が常に測定されている。従って、インテークマニホールド1内の圧力を基準圧力として、バキュームタンク5内に作用する圧力を推定することができ、空気量の積算値の推定値に基づいてバキュームタンク5の内圧、すなわち、負圧の大きさを推定することができる。
図7において、単位時間TMSVCHGにバキュームタンクから第1の配管1aに吸い出される空気量をAとすると、所定時間T後に吸い出される空気量はA×Tとなる。
【0035】
例えば図7を参照して詳述すると、
(1)エンジンを起動すると、インテークマニホールド1のチャンバ部に接続された第1の配管1a及び逆止弁2を介してバキュームタンク5内に負圧が貯蔵されると推定し、バキュームタンク5内の圧力をインテークマニホールド1内の圧力と大気圧との圧力差(ゲージ圧)PBGAに近づけるため、バキュームタンク5の負圧チャージ監視周期TMSVCHG毎に単位時間当たりのバキュームタンク減圧量DPBGSVSPを加算するように動作する。
(2)バキュームタンク5の負圧チャージ監視周期TMSVCHG毎に加算された単位時間当たりのバキュームタンク減圧量DPBGSVSPの積算量が、インテークマニホールド1内の圧力と大気圧との圧力差(ゲージ圧)PBGAを超えた場合はリークが発生すると推定して、バキュームタンク5のリーク監視周期TMSVLEAK毎に単位時間当たりのバキュームタンク復圧量DPBGSVSMを減算するように動作する。
(3)運転中にロータリーバルブ9がSHORT→LONGに切り替えられた場合は、ダイヤフラムバルブ8へバキュームタンク5から負圧が供給されるので、バキュームタンク減圧量DPBGSVSPを減算するように動作する。
(4)また、図7中に示すように、ソレノイドバルブ6をON−OFFさせると、バキュームタンク5からダイヤフラムバルブ8までの圧力が大気圧から負圧に変わる。このとき負圧が消費されると推定し、ダイアフラムバルブ分(第3の配管3及び第4の配管7内の容量を含む)復圧量DPBGDIAPが減算される。
但し、バキュームタンク5内に十分な負圧がある場合は、すぐに元の状態に復帰する。
(5)このように推定したバキュームタンク5内の負圧が故障検知に使用できる所定の負圧(例えば−210mmHg)PBGSVSOKを超えていれば、ダイヤフラムバルブ8の作動可能な負圧があると判断し、LONG側検知を許可する。反対に、バキュームタンク5内の負圧が故障検知に使用できる所定の負圧(例えば−210mmHg)PBGSVSOK以下の場合は、LONG側検知を許可しないように動作する。
(6)バキュームタンク5内の圧力が故障検知に使用できる所定の負圧(例えば−210mmHg)以上で負圧が高すぎる場合は、ソレノイドバルブ6をON(開)とすることで負圧を小さくすることもできる。
このようにインテークマニホールド1内の圧力と大気圧との検出値に基づいてバキュームタンク5内の圧力を推定するように構成したので、バキュームタンク5に専用の圧力計を設けなくてもバキュームタンク5内の圧力が推定できる。
【0036】
【発明の効果】
以上の構成と作用からなる本発明によれば、以下の効果を奏する。
(1)請求項1の発明によれば、エンジンの吸入空気量を制御する制御弁をバキュームタンク内の圧力により作動させる吸気制御装置において、エンジンの運転状態に応じて要求された前記制御弁の作動に要する時間よりも前記制御弁の実際の作動に要する時間が所定時間以上長いことを検出して、前記制御弁の故障状態を検知するようにしたので、制御弁の作動圧力による応答遅れを考慮した所定時間後に故障状態を検知することができるため誤検知を防止できる。しかも、故障状態を検知してメンテナンスを実施すればエンジン出力が要求値と異なってしまうのを防止できる。
また、バキュームタンク内の圧力を検出し、前記圧力が所定の圧力よりも低い(大気圧側の)場合は、制御弁の故障状態を検知するのを中止するように構成したので、常に制御弁が正常に作動している状態で故障検知をすることができる。その結果、誤検知を防止することができる。
さらに、インテークマニホールド内の圧力と大気圧との圧力差に基づいて単位時間当たりのバキュームタンク減圧量またはバキュームタンク復圧量を積算することにより、バキュームタンク内の圧力を推定するように構成したので、前記バキュームタンクに専用の圧力計を設けなくても前記バキュームタンク内の圧力が推定できる。
(2)請求項2の発明によれば、制御弁は、ダイヤフラムにより駆動されると共に、前記ダイヤフラムの温度が所定値以下の場合には、前記制御弁の故障状態を検知するのを中止或いは故障検知に要する時間を延長するように構成したので、ダイヤフラム(隔膜)が低温のために硬化し、作動圧力に対する応答性が悪くなることによる誤検知を防止することができる。
(3)請求項3の発明によれば、エンジンの吸入空気量を制御する制御弁をバキュームタンク内の圧力により作動させる吸気制御装置において、エンジンの運転状態に応じて要求された前記制御弁の作動に要する時間よりも前記制御弁の実際の作動に要する時間が所定時間以上長いことを検出して、前記制御弁の故障状態を検知するようにしたので、制御弁の作動圧力による応答遅れを考慮した所定時間後に故障状態を検知することができるため誤検知を防止できる。しかも、故障状態を検知してメンテナンスを実施すればエンジン出力が要求値と異なってしまうのを防止できる。
また、制御弁は、ダイヤフラムにより駆動されると共に、前記ダイヤフラムの温度が所定値以下の場合には、前記制御弁の故障状態を検知するのを中止或いは故障検知に要する時間を延長するように構成したので、ダイヤフラム(隔膜)が低温のために硬化し、作動圧力に対する応答性が悪くなることによる誤検知を防止することができる。
(4)請求項4の発明によれば、バキュームタンク内の圧力を検出し、前記圧力が所定の圧力よりも低い(大気圧側の)場合は、制御弁の故障状態を検知するのを中止するように構成したので、常に制御弁が正常に作動している状態で故障検知をすることができる。その結果、誤検知を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吸気制御装置の故障検知システムを適用した吸気制御装置全体の構成図である。
【図2】(a)インテークマニホールドの管長が短くなるようにロータリーバルブを切り替えたときの吸気管の断面図である。
(b)ポジションセンサとして使用される開度センサをロータリーバルブの軸及びロータリーバルブのケーシングの内壁に取り付ける場合の取り付け位置を示す断面図である。
【図3】(a)インテークマニホールドの管長が短くなる位置、すなわち、図2(a)に示すようなロータリーバルブを開の位置に切り替えたときに、管長切り替え操作の結果が「正常」と判定される場合のソレノイドバルブ指令とポジションセンサの論理を示す図である。
(b)インテークマニホールドの管長が長くなる位置、すなわち、図2(a)に示すロータリーバルブを閉の位置に切り替えたときに、管長切り替え操作の結果が「正常」と判定される場合のソレノイドバルブ指令とポジションセンサの論理を示す図である。
(c)エンジンの制御領域であるLONG又はSHORTに対応した正常時のソレノイドバルブ指令とポジションセンサの論理をまとめて示したものである。
【図4】本発明に係るエンジンの回転数に対するスロットル開度のマップである。
【図5】本発明に係る吸気制御装置の故障検知システムを適用した吸気制御装置が正常に作動している時の検知例を示す動作タイミングチャートである。
【図6】本発明に係わる吸気制御装置の故障検知システムを適用した吸気制御装置においてSHORT指令中にダイヤフラムバルブの負圧配管が外れた時の検知例を示す動作タイミングチャートである。
【図7】ダイヤフラムバルブを作動させる負圧を供給するバキュームタンク内の圧力の推定方法を説明するための図である。
【図8】従来の吸気制御装置を示し、負圧タンクの負圧を利用してダイヤフラムバルブの負圧室を作動し、前記ダイヤフラムバルブで内燃機関の吸気通路に設けられた制御弁を制御することにより燃焼室内に供給される吸入空気量を制御するときの図である。
【符号の説明】
1 インテークマニホールド
1a 第1の配管
2 逆止弁
3 第2の配管
4 第3の配管
5 バキュームタンク
6 ソレノイドバルブ
7 第4の配管
8 ダイヤフラムバルブ
9 ロータリーバルブ
10 ポジションセンサ
11 制御装置

Claims (4)

  1. エンジンの吸入空気量を制御する制御弁をバキュームタンク内の圧力により作動させる吸気制御装置において、エンジンの運転状態に応じて要求された前記制御弁の作動に要する時間よりも前記制御弁の実際の作動に要する時間が所定時間以上長いことを検出して、前記制御弁の故障状態を検知するように構成するとともに、前記バキュームタンク内の圧力を検出し、前記圧力が所定の圧力よりも低い場合は、前記制御弁の故障状態を検知するのを中止するように構成し、
    さらに、インテークマニホールド内の圧力と大気圧との圧力差に基づいて単位時間当たりのバキュームタンク減圧量またはバキュームタンク復圧量を積算することにより、前記バキュームタンク内の圧力を推定するように構成したことを特徴とする吸気制御装置の故障検知システム。
  2. 前記制御弁は、ダイヤフラムにより駆動されると共に、前記ダイヤフラムの温度が所定値以下の場合には、前記制御弁の故障状態を検知するのを中止或いは検知するための所定時間を延長するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の吸気制御装置の故障検知システム。
  3. エンジンの吸入空気量を制御する制御弁をバキュームタンク内の圧力により作動させる吸気制御装置において、エンジンの運転状態に応じて要求された前記制御弁の作動に要する時間よりも前記制御弁の実際の作動に要する時間が所定時間以上長いことを検出して、前記制御弁の故障状態を検知するように構成し、
    前記制御弁は、ダイヤフラムにより駆動されると共に、前記ダイヤフラムの温度が所定値以下の場合には、前記制御弁の故障状態を検知するのを中止或いは検知するための所定時間を延長するように構成したことを特徴とする吸気制御装置の故障検知システム。
  4. 前記バキュームタンク内の圧力を検出し、前記圧力が所定の圧力よりも低い場合は、前記制御弁の故障状態を検知するのを中止するように構成したことを特徴とする請求項3に記載の吸気制御装置の故障検知システム。
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