JP3714392B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物、特には摺動性に優れた成型品を供与できるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメント成分としてポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ソフトセグメント成分としてエチレン−プロピレンゴム,エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム,エチレン−酢酸ビニル共重合ゴム等から構成される熱可塑性エラストマーであり、射出成型,押出成型,ブロー成型等によりバンパー,サイドモール,ウエザーストリップ,グラスラン,電線ケーブル,ホース,チューブ,シート等に成型され、自動車部品,家電部品,電線,土木・建材用等に多く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、熱可塑性エラストマーを使用したウエザーストリップ,グラスラン等の用途においては高い摺動性が要求されるが、そのままでは摺動性が劣るため、摺動部位に植毛加工したり、ウレタン滑性層を形成させたりする必要があり、そのため工程が長くなり、生産性がよくない等の問題点があった。
【0004】
本発明は、かかる問題点を解決し、熱可塑性エラストマー成型品の表面に高い摺動性を付与することができるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、オレフィン系熱可塑性エラストマーに特定のアクリル変性ポリオルガノシロキサンを配合することにより、摺動性,非粘着性,耐汚染性に優れた成型物が得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を見出し、本発明を完成させた。
【0006】
即ち、本発明は、前記の課題を解決したものであり、これは
(1)ポリプロピレン又はポリエチレンのハードセグメント成分と、エチレン−プロピレンゴム,エチレン−プロピレン−ジエンゴム,エチレン−酢酸ビニルゴム,エチレン−アクリル酸エステルゴムから選ばれるソフトセグメント成分とのブロック又はグラフト共重合タイプ或いはブレンドタイプ、又は上記のハードセグメント成分とソフトセグメント成分とのブレンド混合時にソフトセグメント成分のゴム成分の加硫剤を加えてゴム成分を加硫しながら微分散させた動的加硫タイプからなるオレフィン系熱可塑性エラストマー100重量部、及び
(2)一般式(1)
【0007】
【化2】
Figure 0003714392
〔式中、R1,R2及びR3は独立に炭素数1〜20の1価炭化水素基又はハロゲン化1価炭化水素基を表し、Yはビニル基、アリル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基から選択される1価のラジカル反応性基又は−SH基をもつ1価の有機基を表し、Z1及びZ2は独立に水素原子、低級アルキル基又は式−SiR456(R4及びR5は独立に炭素数1〜20の1価炭化水素基又はハロゲン化1価炭化水素基を表し、R6は炭素数1〜20の1価炭化水素基もしくはハロゲン化1価炭化水素基又は1価のラジカル反応性基もしくは−SH基をもつ1価の有機基を表す。)で示される基を表し、mは10,000以下の正の整数、nは1以上の整数である。〕
で示されるポリオルガノシロキサンと、一般式(2)
CH2=C(R7)COOR8 (2)
(式中、R7は水素原子又はメチル基を表し、R8はアルキル基、アルコキシ置換アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。)
で示される(メタ)アクリル酸エステル又はこの(メタ)アクリル酸エステル70重量%以上と共重合可能な単量体30重量%以下との混合物とを、重量比5:95〜95:5の割合でグラフト共重合してなるアクリル変性ポリオルガノシロキサン0.1〜50重量部
からなり、シリコーンオイルを含有しないことを特徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物、を要旨とするものである。
【0008】
以下に本発明について詳しく説明する。
本発明の組成物を構成する(1)成分はオレフィン系熱可塑性エラストマーであり、ポリプロピレン又はポリエチレンのハードセグメント成分と、エチレン−プロピレンゴム,エチレン−プロピレン−ジエンゴム,エチレン−酢酸ビニルゴム,エチレン−アクリル酸エステルゴムから選ばれるソフトセグメント成分とのブロック又はグラフト共重合タイプ或いはブレンドタイプ、又は上記のハードセグメント成分とソフトセグメント成分とのブレンド混合時にソフトセグメント成分のゴム成分の加硫剤を加えてゴム成分を加硫しながら微分散させた動的加硫タイプからなるオレフィン系熱可塑性エラストマーである。
【0009】
本発明で使用する(2)成分のアクリル変性ポリオルガノシロキサンの製造には、原料として下記一般式(1)で示されるポリオルガノシロキサンを用いる。
【0010】
【化3】
Figure 0003714392
【0011】
ここで、R1,R2,R3は独立にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基などで例示される炭素数1〜20の1価の炭化水素基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の少なくとも1つを塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換した基を表す。Yはビニル基、アリル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基から選ばれるラジカル反応性基、又はγ−メルカプトプロピル基などで例示される−SH基含有有機基を表す。Z1,Z2は独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル基、又は式−SiR456(R4,R5は独立にR1〜R3で例示された炭素数1〜20の1価の炭化水素基、又は炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基を表し、R6は炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基、又はYで例示されたラジカル反応性基もしくは−SH基をもつ有機基を表す。)で示されるトリオルガノシリル基を表す。mは10,000以下の正の整数を表し、nは1以上の整数を表す。なお、1分子中でR1〜R6、Yの各々は同一でも異なるものがあってもよい。
【0012】
このようなポリオルガノシロキサンは公知の方法により製造することができる。例えば、前記の基を有する鎖状や環状の低分子量ポリオルガノシロキサンやアルコキシシランを用いて、加水分解や重合、平衡化の手段を組合せて製造することができる。加水分解や重合、平衡化は公知の技術により水中に乳化分散した状態でも行うことができる。m,nは前記のとおりであるが、ポリオルガノシロキサン或いはこれと(メタ)アクリル酸エステル系単量体とのグラフト共重合物の特性からみて500≦m≦8,000、1≦n≦500の範囲にあるのが好ましく、これには原料配合等の公知の方法により調整すればよい。なお、シロキサン鎖に若干の分岐があってもよい。
【0013】
また、(2)成分のアクリル変性ポリオルガノシロキサンの製造には、上記ポリオルガノシロキサンに加えて、下記一般式(2)の(メタ)アクリル酸エステルを使用する。
CH2=C(R7)COOR8 (2)
【0014】
ここで、R7は水素原子又はメチル基であり、R8はアルキル基、アルコキシ置換アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、R8は炭素数1〜20、特に1〜12であることが好ましい。
【0015】
一般式(2)で示される(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等のアリール(メタ)アクリレートが例示され、これらのうちの1種又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0016】
この(メタ)アクリル酸エステルは、これと共重合可能な他の単量体の1種又は2種以上と混合して用いることができる。但し、特性上(メタ)アクリル酸エステルが70重量%以上、これと共重合可能な他の単量体が30重量%以下であることが好ましい。共重合可能な他の単量体としては、多官能又は単官能エチレン性不飽和単量体が挙げられる。
【0017】
多官能エチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド及び不飽和アミドのアルキロール又はアルコキシアルキル化物、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアリルエーテル等のオキシラン基含有不飽和単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有不飽和単量体、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和単量体、(メタ)アクリル酸のエチレンオキシドやプロピレンオキシド付加物等のポリアルキレンオキシド基含有不飽和単量体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸との完全エステル、更にはアリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等が例示される。
【0018】
一方、単官能エチレン性不飽和単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が例示される。
【0019】
前記のポリオルガノシロキサンと、(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリル酸エステルとこれと共重合可能な他の単量体の混合物とを用いて、グラフト共重合によりアクリル変性ポリオルガノシロキサンを製造するに際しては、ポリオルガノシロキサン:(メタ)アクリル酸エステル等の単量体全量の重量比を5:95〜95:5、好ましくは25:75〜85:15とする。ポリオルガノシロキサンが多過ぎるとオレフィン系熱可塑性エラストマーとの相溶性が低下し、成型品の表面にブリードし易くなり、少な過ぎると摺動性,非粘着性,耐汚染性が低下する。
【0020】
グラフト共重合は公知の技術により行うことができる。例えば、ポリオルガノシロキサンと(メタ)アクリル酸エステル又はこれと他の単量体の混合物を水中に乳化分散し、ラジカル重合開始剤の存在下に重合させればポリオルガノシロキサンに対するアクリル系ポリマーのグラフト共重合が起こる。この方法で用いる乳化剤やラジカル重合開始剤は乳化重合用として公知のものでよい。重合終了後、塩析、濾過、水洗、乾燥などの方法によりグラフト共重合体であるアクリル変性ポリオルガノシロキサンを得る。なお、この乳化グラフト共重合法においては、前記のようにポリオルガノシロキサンを水中に乳化分散した状態で製造すれば、得られたポリオルガノシロキサンの乳化液をそのまま原料として用いることができる。
【0021】
アクリル変性ポリオルガノシロキサンの配合量はオレフィン系熱可塑性エラストマー100重量部に対し0.1〜50重量部、特に3〜40重量部とするが、0.1重量部未満では摺動性,非粘着性,耐汚染性が不足するし、50重量部を超えると成型性が悪化し、かつゴム的特性が低下して好ましくない。
【0022】
本発明の組成物には、前記成分の他にオレフィン系熱可塑性エラストマーに通常使用される充填剤、安定剤、加工助剤、帯電防止剤等を添加することができる。これらは用途、要求される特性、加工性、コスト等によって種類と量を適宜選択することができる。
【0023】
本発明の組成物は前記の各成分を混練ロール,バンバリミキサー,2軸押出機,ブレンダー等の公知の混練方法により均一に混合して製造することができる。
【0024】
本発明の組成物は通常のオレフィン系熱可塑性エラストマーとほぼ同一条件で加工でき、射出成型,押出成型,ブロー成型等が可能である。
【0025】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、例中の部はすべて重量部を、%は重量%を表す。
【0026】
ポリオルガノシロキサンエマルジョンの製造
オクタメチルシクロテトラシロキサン1500部、メルカプトプロピルメチルシロキサン98.4部及び純水1500部を混合し、これにラウリル硫酸ナトリウム15部、ドデシルベンゼンスルホン酸10部を添加してからホモミキサーで撹拌して乳化したのち、圧力3000psiのホモジナイザーに2回通して安定なエマルジョンを作った。
【0027】
次いで、これを70℃で12時間加熱後、25℃まで冷却して24時間熟成したのち、炭酸ナトリウムを用いてこのエマルジョンのpHを7に調整し、4時間窒素ガスを吹き込んでから水蒸気蒸留して揮発性のシロキサンを留去し、次に純水を加えて不揮発分を45%に調整して、メルカプト基3.4モル%を含有するポリオルガノシロキサンのエマルジョン(以下これをE−1と略記)を得た。
【0028】
また、メルカプトプロピルメチルシロキサン98.4部に代えてメタクリロキシプロピルメチルシロキサン1.2部を使用した以外はE−1の場合と同様にしてポリオルガノシロキサンエマルジョンE−2を得た。
【0029】
アクリル変性ポリオルガノシロキサンの製造
撹拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、上記で得たポリオルガノシロキサンエマルジョンE−1の477部(ポリオルガノシロキサン分214.5部)と純水1400部を仕込み、窒素ガス気流下に器内を10℃に調整したのち、t−ブチルハイドロパーオキサイド1.0部、L−アスコルビン酸0.5部、硫酸第1鉄7水和物0.002部を加え、次いで器内温度を10℃に保ちながら、エチルアクリレート147部、メチルメタクリレート343部及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部の混合物を3時間かけて滴下し、滴下終了後更に1時間撹拌を続けて反応を完結させた。得られた共重合エマルジョンは固形分濃度30%であった。
【0030】
次いで、このエマルジョン1000部を撹拌機付の容器に仕込み60℃に加熱し、ここに硫酸ナトリウム92部を純水563部に溶解した溶液を加えてアクリル変性ポリオルガノシロキサンを析出させ、濾過・水洗を繰り返してから60℃で乾燥してアクリル変性ポリオルガノシロキサン(以下これをP−1と略記)を得た。
【0031】
また、ポリオルガノシロキサンエマルジョンE−1の477部と純水1400部に代えてポリオルガノシロキサンエマルジョンE−2の1110部(ポリオルガノシロキサン分500部)と純水1053部を仕込み、エチルアクリレート147部、メチルメタクリレート343部及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部の混合物に代えてメチルメタクリレート210部及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.5部の混合物を滴下した以外はP−1の場合と同様にしてアクリル変性ポリオルガノシロキサンP−2を得た。
【0032】
[実施例1、比較例1]
ポリプロピレン−エチレン・プロピレン・ジエンゴム系熱可塑性エラストマー[“サントプレン”101−73(モンサント社製商品名)]100部にアクリル変性ポリオルガノシロキサンP−1の20部を、3.5インチ混練ロールで十分混練し、ロールシート成型物を作成し、切断してペレット状にした。このペレットを射出成型機にて下記の条件にて成型し、50mm×100mm×3mmの試料を得た。
【0033】
[射出成型条件]
シリンダー後部温度 170℃
シリンダー中部温度 180℃
シリンダー前部温度 190℃
ノズル温度 190℃
金型温度 65℃
射出圧力 1次 450kg/cm2
射出圧力 2次 250kg/cm2
上記試料の静摩擦係数及び動摩擦係数,非粘着性及び耐汚染性を求め、その結果を表1に示す。
【0034】
次に比較のため、比較例1として、アクリル変性ポリオルガノシロキサンを添加しないこと以外は実施例1と同様にして試料を作成し、静・動摩擦係数,非粘着性及び耐汚染性を測定した。結果を表1に示す。
【0035】
[試験方法]
(1)静・動摩擦係数
表面測定機トライボギア14DR(新東科学社製)を用い、ボール圧子10φSUSボール,荷重50g,引張速度100mm/分の条件で試料表面の静・動摩擦係数を測定した。
(2)非粘着性
試料表面にセロファンフィルムを押圧した後、このフィルムを剥離した時の粘着度を触指にて5段階で判定した。数字が大きい程粘着性が小さい。
(3)耐汚染性
試料表面に綿ぼこり,アッシュ,糸くずの混合物を付着させ、その表面の付着物を清浄なさらしで2回ぬぐい去った後の汚れの残渣を目視にて5段階で判定した。数字が大きい程、汚染が少ない。
【0036】
[実施例2〜4]
表1に示すアクリル変性ポリオルガノシロキサンの種類,“サントプレン”101−73(前出)との比率にて、実施例1と同様に試料を作成し、その試料の静・動摩擦係数、非粘着性及び耐汚染性の測定結果を表1に併記する。
【0037】
[比較例2]
実施例1のアクリル変性ポリオルガノシロキサンP−1の20部を70部におきかえた他は実施例1と同様の方法で混練ロールで混練したが、アクリル変性ポリオルガノシロキサンP−1の分散が悪く、又射出成型時の流動性不良で、良好な試料が得られなかった。
【0038】
【表1】
Figure 0003714392
【0039】
【発明の効果】
本発明により、摺動性,非粘着性,耐汚染性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。

Claims (4)

  1. (1)ポリプロピレン又はポリエチレンのハードセグメント成分と、エチレン−プロピレンゴム,エチレン−プロピレン−ジエンゴム,エチレン−酢酸ビニルゴム,エチレン−アクリル酸エステルゴムから選ばれるソフトセグメント成分とのブロック又はグラフト共重合タイプ或いはブレンドタイプ、又は上記のハードセグメント成分とソフトセグメント成分とのブレンド混合時にソフトセグメント成分のゴム成分の加硫剤を加えてゴム成分を加硫しながら微分散させた動的加硫タイプからなるオレフィン系熱可塑性エラストマー100重量部、及び
    (2)一般式(1)
    Figure 0003714392
    〔式中、R1,R2及びR3は独立に炭素数1〜20の1価炭化水素基又はハロゲン化1価炭化水素基を表し、Yはビニル基、アリル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基から選択される1価のラジカル反応性基又は−SH基をもつ1価の有機基を表し、Z1及びZ2は独立に水素原子、低級アルキル基又は式−SiR456(R4及びR5は独立に炭素数1〜20の1価炭化水素基又はハロゲン化1価炭化水素基を表し、R6は炭素数1〜20の1価炭化水素基もしくはハロゲン化1価炭化水素基又は1価のラジカル反応性基もしくは−SH基をもつ1価の有機基を表す。)で示される基を表し、mは10,000以下の正の整数、nは1以上の整数である。〕
    で示されるポリオルガノシロキサンと、一般式(2)
    CH2=C(R7)COOR8 (2)
    (式中、R7は水素原子又はメチル基を表し、R8はアルキル基、アルコキシ置換アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。)
    で示される(メタ)アクリル酸エステル又はこの(メタ)アクリル酸エステル70重量%以上と共重合可能な単量体30重量%以下との混合物とを、重量比5:95〜95:5の割合でグラフト共重合してなるアクリル変性ポリオルガノシロキサン0.1〜50重量部
    からなり、シリコーンオイルを含有しないことを特徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  2. Yがビニル基、アリル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基から選ばれる1価の有機基であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  3. Yがγ−(メタ)アクリロキシプロピル基又はγ−メルカプトプロピル基であることを特徴とする請求項2に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  4. オレフィン系熱可塑性エラストマーがポリプロピレン−エチレン・プロピレン・ジエン系熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
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