JP3714147B2 - 低温硬化型異方性導電接続材料 - Google Patents

低温硬化型異方性導電接続材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は相対向する電極を有する被接続部材を接続するための低温硬化型異方性導電接続材料、特にラジカル重合性樹脂を含む低温硬化型異方性導電接続材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
相対向する電極を有する被接続部材間を接続するための接続材料として、従来用いられたハンダに代るものとして異方性導電膜(ACF)、異方性導電ペースト(ACP)などの異方性導電接続材料が用いられるようになっている。この異方性導電接続材料は熱硬化性樹脂を主体とする接着剤中に導電性粒子を分散させた接続材料であり、被接続部材間に介在させて熱圧着することにより、対向する電極間では導電性粒子が電極と接触して電気的接続を行い、電極の存在しない部分では導電性粒子が分散した状態で樹脂が硬化し、絶縁と機械的固着を行うようにされている。また電極の接続面が小さい場合には、導電性粒子を含まない接着剤のみからなる接続材料が用いられる場合があり、この場合も同様に接続が行われる。
【0003】
このような異方性導電接続材料は対向する電極間は電気的に接続し、隣接する電極間は絶縁される異方導電性を利用して被接続部材間の接続が行われる。例えば、プリント基板に半導体素子またはパッケージを実装する場合、あるいはプリント基板に他のプリント基板例えばフレキシブルプリント基板を接続する場合などに用いられており、通常の液晶表示装置においても採用されている。
【0004】
従来の異方性導電接続材料で微細な回路等の接続を行なうためには、150〜200℃で20秒前後の時間をかけて熱硬化性樹脂の硬化反応を進行させることにより、十分な接続信頼性や接着強度を得ていた。しかし、最近の電子機器の精密化、薄型化に伴い微細な回路同士の接続の必要性が増大しており、これを実現させるためには微細な回路の隣接する電極間の高絶縁性と、加熱接着の際の熱によるダメージの低減が可能となる異方性導電接続材料の開発が強く求められている。また、近年では大型接続基板上に微細な回路等の接続を行うことが増加してきており、この際に150℃以上の高温加熱を加えて接続を行うと熱による変形や歪みが大きく生じてしまい、寸法安定性に大きな狂いを生じることが問題視されており、低温接続型の異方性導電接続材料が求められている。
【0005】
このような低温接続を可能とする接続材料としてラジカル重合性樹脂を用いる接続材料が提案されている(例えば特開平10−147762号)。この接続材料としては、架橋性のラジカル重合性樹脂成分、有機過酸化物、熱可塑性エラストマーを配合した接着剤成分中に導電粒子を分散させた異方性導電膜が用いられており、低温での加熱または光硬化によりラジカル重合が生じ、架橋によって硬化することにより接続を行うものである。
【0006】
ところがこのようなラジカル重合性樹脂を用いると、従来用いられていたエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いる場合に比べて重合による収縮が大きいため硬化後に接続部分に内部応力が蓄積して剥離しやすくなり、接着強度を大きくすることができない。このため導通信頼性を高くすることができず、特に使用の継続により、これらの特性が低下しやすくなる。またこのような接続の際、被接続材料の電極を基板に固着する接着剤も軟化するため、接続材料が収縮すると電極もそれに伴って移動しやすい。このため電極間隔が狭い場合には接続材料の収縮により電極間隔が縮少し、導電性粒子のつながりにより隣接する電極間に短絡が生じやすくなる。これらの点を改善するために熱可塑性エラストマーが配合されるが、ラジカル重合性樹脂と熱可塑性エラストマーとが相分離を起こし、同様に接着強度が低下するという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、低温での硬化が可能であって、しかも硬化による収縮を小さくして内部応力の蓄積を防止し、これにより接着強度を大きくして導通信頼性を高めるとともに絶縁性を高めることができ、長期にわたってこれらの特性を維持することが可能な低温硬化型異方性導電接続材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は次の低温硬化型異方性導電接続材料である。
(1) 対向する電極を有する被接続部材を接続するための接着剤を含む異方性導電接続材料であって、
前記接着剤は、
架橋型のラジカル重合性樹脂成分と、
重合開始剤と、
ラジカル重合性樹脂成分に対する相溶性セグメントおよび非相溶性セグメントを有するA−B型ブロック共重合体と
を含有する低温硬化型異方性導電接続材料。
(2) ラジカル重合性樹脂成分が重合性カップリング剤を含む上記(1)記載の低温硬化型異方性導電接続材料。
(3) ブロック共重合体がポリスチレン−ポリ酢酸ビニルブロック共重合体、またはポリスチレン−ポリ(メタ)アクリレートブロック共重合体である上記(1)または(2)記載の低温硬化型異方性導電接続材料。
(4) 接着剤がラジカル重合性樹脂成分を10〜90重量%、重合開始剤を1〜10重量%、ブロック共重合体を9〜80重量%含有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の低温硬化型異方性導電接続材料。
(5) 接着剤が熱可塑性樹脂を0〜50重量%含有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の低温硬化型異方性導電接続材料。
(6) 接続材料が導電性粒子を接着剤に対して0〜50容量%含有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の低温硬化型異方性導電接続材料。
【0009】
本発明において接続の対象となる被接続部材は、対向する電極を有する部材であり、半導体、回路基板などがあげられる。半導体としてはICチップのような半導体素子が適しているが、パッケージであってもよい。基板としてはガラス/エポキシ基板、ガラス基板、樹脂基板、フレキシブル基板などがあげられる。これらの被接続部材の接続としては、半導体素子と回路基板の接続のほか、このような半導体素子を実装した回路基板とフレキシブル回路基板の接続のように基板同士の接続もある。
【0010】
本発明の接続材料は、このような被接続部材間を接着剤の硬化によって機械的に固着することにより対向する電極同士を電気的に接続し、隣接する電極間の絶縁を保つ異方性導電接続材料であり、接着剤に架橋型のラジカル重合性樹脂成分を用いる。ラジカル重合性樹脂成分は、ラジカル重合性不飽和結合を1個以上有する重合性樹脂成分である。このような重合性樹脂成分は架橋構造をとるように重合性不飽和結合を2以上有するものを含むのが好ましいが、エステル結合、ウレタン結合等により架橋する官能型を有するものであってもよい。このようなラジカル重合性樹脂はラジカル重合開始剤、光重合開始剤等の重合開始剤と配合することにより重合を行い、硬化させることができる。
【0011】
ラジカル重合性樹脂成分としては、分子内に1個以上の不飽和基を持った樹脂であれば特に制限されるものではなく、例えばビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリレート樹脂、マレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等のラジカル重合性プレポリマー、ラジカル重合性モノマー、ラジカル重合性カップリング剤等が挙げられる。中でも特にエポキシ樹脂とアクリル酸あるいはメタクリル酸との反応、もしくはグリシジルメタクリレートと多価フェノール類との反応によって得られるビニルエステル樹脂を用いることで硬化性と保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、耐薬品性を兼ね備えた異方性導電膜を得ることができる。これらは1種単独で、もしくは分子量が異なるものなどを数種併用して用いてもよい。また、この保存安定性を高めるために、予めキノン類やフェノール類の重合禁止剤も添加することも可能である。
【0012】
重合性モノマーとしては、分子内に1個以上の不飽和結合をもつモノマー分子で、例えばスチレン、メチルスチレン、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、n−ブトキシメチルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、ジブロモネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリクロロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラクロロプロピルメタクリレート、2,2,3,4,4−テトラフルオロプロピルブチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルアクリレート、カルボニルジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールFジアクリレート、エチレンオキサイド変性パラクミルフェノールアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、イソアミルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサジオールジアクリレート、イソオクチルアクリレート、ベンジルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノールアクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−メタクリロイルエチルオキシハイドロジェンサクシネート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタンフロキシプロパン、ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、N−ビニル−2−ピロリドン、エチレングリコール変性イソシアヌール酸トリアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、メタクリル酸、コハク酸、フタル酸などが挙げられる。これらの重合性モノマーを重合性樹脂分に配合することにより、作業性、硬化時の流動性、硬化時の柔軟性、被着体への密着性を改良することが可能となる。これらは1種以上使用することができ、架橋性とするためには不飽和結合を1個有する単官能のモノマーと、不飽和結合を2個以上有する2官能以上の多官能のモノマーとを組合せて使用することができる。
【0013】
重合性カップリング剤としては、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、また、チタネート系カップリング剤としては、例えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ−n−ドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスフェートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリロイルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート等が挙げられる。これらのカップリング剤を配合することにより、無機質との接着性、特にLCDなどのガラス面との密着性を高めることができ、これにより接着強度を向上させることが可能となる。また、耐熱性、耐湿性の向上も見込まれる為、信頼性を向上することができる。
【0014】
ラジカル重合開始剤としては例えば有機過酸化物を使用することができる。
有機過酸化物としては、例えばメチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、アセチルシクロヘキサンスルホニルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、キュメンヒドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、1,4(または1,3)−ビス[(t−ブチルジオキシ)イソプロピル]ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピル−オキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ビス(3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ビス(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、O,O−t−ブチル−O−イソプロピルパーオキシカーボネート、コハク酸パーオキサイド等が挙げられる。
【0015】
これらの有機過酸化物は保存性を改良するために各種重合禁止剤を予め添加しておくことが可能で、また、反応を制御する上で2種以上の有機過酸化物を混合して用いることも可能である。更に反応促進剤として、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、五酸化バナジウム等の有機金属塩や脂肪族アミン類、芳香族アミン類(ジメチルアニリン)、イミダゾール類等(アミンアダクトやマイクロカプセル化させた潜在性を含む)のアミン類を添加することで反応性を速めることも可能である。
【0016】
光重合開始剤としてはジアセチル、2,3−ペンタンジオン、ベンジル、ジメトキシベンジル、4,4−ジクロルベンジル、カンファーキノンなどのα−ケトカルボニル化合物などがあげられる。これらを樹脂成分に配合し、紫外領域から可視領域までの光線を照射して重合を行うことができる。
【0017】
A−B型ブロック共重合体は上記のラジカル重合性樹脂成分に対する相溶性セグメントと非相溶性セグメントがA−B型ブロック共重合体を形成したものである。このようなブロック共重合体としてはポリスチレン−ポリ酢酸ビニルブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(メタ)アクリレートブロック共重合体などが挙げられる。ポリ(メタ)アクリレートとしてはポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸プロピル等のポリメタクリル酸エステルまたはポリアクリル酸エステルなどが挙げられる。相溶性セグメントはラジカル重合性樹脂成分またはその重合物との相溶性を有し、非相溶性セグメントは相溶性を有しない重合ブロックであり、SP値(溶解性パラメータ)がラジカル重合性樹脂成分またはその重合物に近似したものが相溶性ブロック、離れたものが非相溶性ブロックとなる。これらは相対的な概念であり接着剤を構成するラジカル重合樹脂成分の種類、組成、配合割合等により変化する。
後述の熱可塑性樹脂を接着剤に配合する場合は、上記の非相溶性セグメントが熱可塑性樹脂との相溶性を有するものを用いたり、あるいはラジカル重合性樹脂成分に対する相溶性セグメントを有する共重合体と、熱可塑性樹脂に対する相溶性セグメントを有する共重合体を併用することにより、ラジカル重合性樹脂成分またはその重合物と熱可塑性樹脂との相分離を防止することができる。
【0018】
このようなブロック共重合体は相溶性セグメントと非相溶性セグメントとから構成されるため、界面活性剤のような構造となっており、このため界面活性剤のような挙動を示す。界面活性剤の場合は水中におけるその濃度が高い場合、親水基または親油基の一方が内側を向き、他方が外側を向いた粒状のミセルを形成することが知られているが、上記のA−B型ブロック共重合体の場合も接着剤中で同様にミセルを形成する。
ラジカル重合性樹脂成分とこのブロック共重体が共存する場合、相溶性セグメントが外側を向き、非相溶性セグメントが内側を向いた状態で粒状で架橋すなわち重合して硬化すると、ラジカル重合性成分はその粒状体の間隙を埋めるようにして硬化するため、体積収縮率は小さくなる。ラジカル重合性樹脂成分のSP値が重合の前後で変化する場合は、ブロック共重合体のミセルにおいても相溶性セグメントと非相溶性セグメントのミクロ相転換が行われるが、全体的には粒状の状態が維持される。
【0019】
上記のA−Bブロック共重合体において、AセグメントとBセグメントの重量比は特に限定されないが、90:10〜10:90、好ましくは80:20〜20:80程度とするのが好ましい。重量平均分子量は10万〜50万、好ましくは15万〜30万のものが好ましい。このようなブロック共重合体としては市販品を使用することもできる。
【0020】
本発明では接着剤に熱可塑性樹脂を配合することにより、接続材料に塗布性、フィルム形成性を付与し、また内部応力を緩和するとともに、接着強度を向上することができる。
熱可塑性樹脂としては、特に制限されるものではなく、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリブタジエン、ポリプロピレン、アクリロニトリル、シリコン、ポリウレタン、フェノキシ、ポリアミド(ナイロン)等を主成分とした重合体が挙げられ、さらにカルボキシル基、水酸基、グリシジル基等の各種官能基を組み込んだものも用いることができる。その中でも、特にカルボキシル基や水酸基で変性してあるものは接着性や接続信頼性等に優れた特性を示す。
【0021】
このほか本発明の接着剤成分にはフィラー、界面活性剤、カップリング剤、老化防止剤等の添加剤を配合することができる。ここでいうカップリング剤は前記ラジカル重合性カップリング剤を用いない場合に使用されるものであり、エステル結合など、ラジカル重合以外の結合方法により結合するものを用いることができる。
【0022】
本発明の異方性導電接続材料を構成する接着剤は上記各成分を含むものである。接着剤中の各成分の配合割合はラジカル重合性樹脂成分が10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、重合開始剤が1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%、ブロック共重合体が9〜80重量%、好ましくは18〜70重量%である。熱可塑性樹脂は接着剤中0〜50重量%、好ましくは0〜40重量%配合される。ラジカル重合性樹脂成分中、2官能以上の多官能重合性成分は10重量%以上、好ましくは20重量%以上、重合性カップリング剤は1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%とすることができる。
【0023】
本発明の接続材料は上記の接着剤に対して導電性粒子を配合することができる。電極の接続領域の面積が10000μm2以下の場合には導電性粒子を配合しなくても電気的接続が行われるが、それよりも大きい場合には導電性粒子を配合することにより電気的接続の信頼性を高めることができる。導電性粒子としては導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えばニッケル、鉄、金、銀、銅、アルミニウム、クロム、コバルト、鉛、錫等の各種金属単体や、金属合金、金属酸化物、またはこれらの金属やカーボン、グラファイト、ガラス、セラミックス、プラスチック粒子の表面に金属をコートした導電被覆粒子、さらにその上に熱可塑性絶縁樹脂等を被覆した絶縁被覆粒子などが挙げられる。
これらの導電被覆粒子は粒径は0.5〜50μm、好ましくは1〜30μmとすることができ、接着剤に対して0〜50容量%、好ましくは0〜30容量%配合される。
【0024】
本発明の接続材料はペースト状またはフィルム状の形態の製品とすることができる。ペースト状とする場合は上記の各成分を選択することにより無溶媒でペースト状とすることができる。
フィルム状とする場合は上記のペーストを剥離シートにフィルム状に塗布し乾燥することにより形成することができる。
【0025】
上記の接続材料を対向する電極を有する被接続部材、例えば半導体素子と回路基板間に介在させた状態で、被接続部材の両側から加圧し、加熱または光照射して、樹脂を硬化させることにより接続を行う。接続材料がペースト状の場合は半導体素子と回路基板間の電極を含む接続領域に接続材料を塗布し、乾燥後あるいは乾燥することなく両者を重ねて圧着し、硬化させる。接続材料がフィルム状の場合は、接続材料を回路基板と半導体素子間に介在させて圧着し、加熱して硬化を行う。硬化はラジカル重合開始剤を用いる場合は100〜150℃、10〜30秒間加熱して行うほか、光重合開始剤を用いる場合にはUV等の光照射によって行うことができる。
【0026】
上記の接続の工程では、被接続部材として例えば回路基板と半導体素子間に接続材料を介在させた状態で、必要により加熱して接続材料の樹脂を溶解させ加圧すると、接続材料の樹脂は電極の対向する部分から電極のない部分に流れ、導電性粒子が電極間に残って電極間に接触して圧着する。電極のない部分に流れた接着剤はその部分でラジカル重合により硬化して基板と半導体素子間を固着する。これにより対向する電極間の電気的接続および基板と半導体素子間の機械的固着が行われ、隣接する電極間の電気的絶縁が保持される。電極面積が10000μm2以下の場合には導電性粒子を含まない接続材料を用いることができ、この場合は電極同士が直接接触し、電極の存在しない部分は充填する接着剤により機械的接合が行われる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の接続材料では、ラジカル重合性樹脂成分のラジカル重合により架橋を伴う重合を行うので低温での硬化が可能であり、熱によるダメージを少なくすることが可能である。またブロック共重合体を用いるため、ラジカル重合を行うにも拘らず硬化による収縮を小さくして内部応力の蓄積を防止することができる。これにより接着強度を高くして対向する電極間の導通信頼性を高めることができる。また隣接する電極間の収縮による短絡を防止して絶縁性を高めることが可能になる。これらの特性は長期にわたって維持することができ、高温多湿の環境下においても長期にわたって使用することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0029】
実施例1〜8、比較例1〜6
ラジカル重合性樹脂を構成する重合性樹脂成分Aとして2官能のエチレングリコール変性ビスフェノールAジアクリレート(東亜合成(株)製、M−210、商品名)、同重合性樹脂成分Bとして3官能のエチレングリコール変性イソシアヌール酸トリアクリレート(東亜合成(株)製、M−315、商品名)、ラジカル重合開始剤の過酸化物としてモノラウロイルパーオキサイド、重合性カップリング剤としてシランカップリング剤(日本ユニカー(株)製、A151商品名)、A−B型ブロック共重合体Aとしてポリスチレン−ポリ酢酸ビニルブロック共重合体(日本油脂(株)製、モディパーSV10B、商品名)、A−B型ブロック共重合体Bとしてポリスチレン−ポリメタクリル酸メチルブロック共重合体(日本油脂(株)製モディパーMS10B、商品名)、熱可塑性樹脂としてポリエステル(ユニチカ(株)製、UE3400、商品名)、導電性粒子として導電被覆粒子(積水ファインケミカル(株)製、ミクロパールAU、商品名)を表1、2の通り配合し、剥離フィルムに乾燥膜厚30μmに塗布してフィルム状の異方性導電接続材料を得た。
【0030】
上記の異方性導電接続材料を2mm幅にスリットし、200μmピッチの電極を有するTCP(Tape Carrier Package)と200μmピッチITO(Indium Tin Oxide)電極パターンガラスを140℃−2.94MPa−20secで圧着し、初期および環境試験(85℃−相対温度85%−500Hr)後の導通抵抗値と横方向90度剥離による接着強度の測定を行った。
また上記の異方性導電接着材料膜を2mm幅にスリットし、50μmピッチの電極を有するTCPと50μmピッチITOパターンガラスに、140℃−2.94MPa−20secで100枚ずつ圧着し、ショート発生率を測定した。上記の結果を表1、2に示す。
【0031】
表1、2の結果より、ラジカル重合性樹脂成分とブロック共重合体を用いる各実施例では初期および環境試験後の接着強度は大きく、導通抵抗は低いのに対し、ブロック共重合体を用いない各比較例ではこれらの特性に劣る結果が得られている。
【0032】
【表1】
Figure 0003714147
【0033】
【表2】
Figure 0003714147

Claims (6)

  1. 対向する電極を有する被接続部材を接続するための接着剤を含む異方性導電接続材料であって、
    前記接着剤は、
    架橋型のラジカル重合性樹脂成分と、
    重合開始剤と、
    ラジカル重合性樹脂成分に対する相溶性セグメントおよび非相溶性セグメントを有するA−B型ブロック共重合体と
    を含有する低温硬化型異方性導電接続材料。
  2. ラジカル重合性樹脂成分が重合性カップリング剤を含む請求項1記載の低温硬化型異方性導電接続材料。
  3. ブロック共重合体がポリスチレン−ポリ酢酸ビニルブロック共重合体、またはポリスチレン−ポリ(メタ)アクリレートブロック共重合体である請求項1または2記載の低温硬化型異方性導電接続材料。
  4. 接着剤がラジカル重合性樹脂成分を10〜90重量%、重合開始剤を1〜10重量%、ブロック共重合体を9〜80重量%含有する請求項1ないし3のいずれかに記載の低温硬化型異方性導電接続材料。
  5. 接着剤が熱可塑性樹脂を0〜50重量%含有する請求項1ないし4のいずれかに記載の低温硬化型異方性導電接続材料。
  6. 接続材料が導電性粒子を接着剤に対して0〜50容量%含有する請求項1ないし5のいずれかに記載の低温硬化型異方性導電接続材料。
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