JP3713988B2 - 冷凍機内蔵形ショーケース - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍機内蔵形ショーケースに関し、詳しくは冷凍機のコンデンシングユニットを収設したベースの開口端面に装着したキックプレートの取付け構造に係わる。
【０００２】
【従来の技術】
まず、冷気循環式オープンショーケースを例に、冷凍機内蔵形ショーケースの全体構成を図４(a),(b) に示す。図において、１は断熱筐体としてなる前面開放形のケース本体、２は庫内の商品陳列室３を取り巻いてケース本体１の外箱と内箱との間に画成した冷気循環通風路、４は冷却器（冷凍機のエバポレータ）、５は庫内ファン、６は商品陳列棚、７はケース本体１の下部側に構築したベース、８はベース内方の機械室に収容した風冷式の冷凍機コンデンシングユニット、９はベース７の前面に配したキックプレートであり、該キックプレート９は薄鋼板の周囲四辺を背後へＬ字状に折り曲げた板金加工品としてなり、その板面にはコンデンシングユニット８に通風する冷却空気を取り込む格子状の通風穴９ａが開口している。なお、ショーケースの種類によっては、キックプレート９をベース７の側面に設置する場合もある。
【０００３】
次に、前記したキックプレート９の従来における取付け構造を図５(a),(b) で説明する。図において、ケース本体のベース７はフレーム７ａに底板，側壁を組合せて構築され、このベース７に対してキックプレート９が次記のように着脱可能に取付けられている。すなわち、ベース７の開口端面に位置する下部フレーム７ａには先端に係合爪１０ａを起立形成したＵ字形の取付座金１０が左右に振り分けて溶接接合されており、この取付座金１０に位置を合わせてキックプレート９の下面に形成したスリット状の係合穴９ｂを前記係合爪１０ａに嵌め込んで担持し、キックプレート９の上部板面をベース７のフレーム７ａに取付けたマグネットキャッチ１１に押し当てて吸着保持するようにしている。
【０００４】
かかる構成で、キックプレート９を装着位置から取り外すには、図５(a) で示すように取付座金１０に係合したキックプレート９の下端を支点に上部を矢印I方向に倒してマグネットキャッチ１１から引き外した後、矢印IIのように斜め上方に引き上げて取付座金１０から抜き出す。また、キックプレート９を装着するには前記と逆な手順で取付ける。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したキックプレート９の従来の取付け構造では次記のような問題がある。すなわち、
(1) キックプレート９を本体ケースのベース７に装着する場合に、キックプレート９に下縁に開口した係合穴９ｂがプレートの裏に隠れて前方からはよく見えず、かつキックプレート自身は長尺な重量物であることから、係合穴９ｂを取付座金１０の係合爪１０ａに嵌め合わせることが困難であるといった操作性の難点がある。
【０００６】
(2) キックプレート９を取り外す際に、図５(a) の矢印I方向にキックプレート９を倒すと、取付座金１０の係合爪１０ａに引っ掛かっているキックプレート９の係合穴９ｂに大きなこじり力が加わる。この場合に、取付座金１０は板厚も厚くて強度も大であるに対して、キックプレート９は薄鋼板で作られていて強度が弱いことから、キックプレート９の係合穴９ｂの周辺部分が簡単に変形し、これが基でキックプレートの全体に反りが生じるといった不具合が生じる。加えて、ベース７から取り外したキックプレート９をショーケースの脇に立て掛けておく場合でも、キックプレートが床面に直接当たったり，擦られたりしてその塗装面に傷付きが生じるおそれがある。
【０００７】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は前記課題を解決し、キックプレートの挿脱操作が楽に行え、かつ強度的にも高い信頼性が確保できるようにキックプレートの取付け構造を改良した冷凍機内蔵形ショーケースを提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、ケース本体のベース内方に画成した機械室に冷凍機の風冷式コンデンシングユニットを収容し、その開口端面を覆って冷却空気の通風穴を形成した板金製のキックプレートを着脱可能に取付けた冷凍機内蔵形ショーケースにおいて、キックプレートにその下縁から下向きに突き出すように左右に分散して設けられる舌片状の掛け金を備え、該掛け金はキックプレートよりも板厚の厚い縦長な鋼板からなり、その先端に形成した係合爪部をキックプレートの下端面から下方に突き出すように位置決めしてキックプレートの内面に接合されるとともに、ベース側にはキックプレートを下支えし、前記の掛け金を差し込む係合穴を開口する取付座金を設け、キックプレートを取り外す際に、キックプレートを前方に傾け、上方に引き出すようにする。
【０００９】
前記構成によれば、キックプレートの掛け金がプレートの前方から見えるように下方に突き出しているので、キックプレートをベースに装着する際には、掛け金の位置を目視確認しながら相手側の取付座金に開口している係合穴に位置を合わて簡単に差し込むことができる。しかも、キックプレートを着脱操作する際に、掛け金を取付座金の係合穴に掛け合わせた状態でキックプレートを前方に傾けても、係合部に作用する荷重は舌片状に突き出た掛け金に加わるだけでキックプレートの本体がこじり荷重の加わることがないので、キックプレートに不当な変形，反りが生じるのを回避できる。加えて、ベースから取り外したキックプレートをショーケースの脇に置く場合でも、キックプレートから下方に突出した掛け金を支持脚として立て掛けておくことで、キックプレートの本体が床面に直接当たったり，擦られたすることがなく、キックプレートの塗装面を損傷から安全に保護できる。
また、掛け金を別部品としてキックプレートに溶接接合することにより、高い強度が確保できる効果が得られ、さらに掛け金をキックプレートと一体に板金成形することで部品点数が少なく済む。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示実施例に基づいて説明する。なお、実施例の図中で図４に対応する同一部材には同じ符号が付してある。
まず、図１(a),(b) に基本的な実施例の構造を示す。すなわち、ベース８の前面下部には断面Ｚ字形のチャンネル鋼材からなる取付座金１２がフレーム７ａに溶接接合されており、その左右両端に後記する掛け金の爪を差し込む係合穴（角穴）１２ａが開口している。一方、キックプレート９には、その下縁両端部から下方に突き出して前記の係合穴１２ａと嵌合し合う舌片状の掛け金１３が設けてある。また、ベース７の前面上部には、従来構造と同様にキックプレート９を吸着保持するマグネットキャッチ１１がフレーム７ａに取付けてある。
【００１１】
かかる構成で、図１(a) の鎖線で表したキックプレート９の装着状態では、図１(b) のようにキックプレート９の下端から突き出た掛け金１３が取付座金１２の係合穴１２ａに差し込まれて取付座金１２の上に載り、かつキックプレート９の上部がマグネットキャッチ１１に吸着して図示のような直立姿勢に保持される。この状態からキックプレート９を取り外すには、図１(a) の矢印I，IIのようにキックプレート９を前方に引いてマグネットキャッチ１１から引き外した後、上方に引き上げて掛け金１３と取付座金１２との係合を外す。また、キックプレート９を装着する場合には、掛け金１３の位置を目視確認しながらキックプレート９を前方から取付座金１２の上に載せて掛け金１３を係合穴１２ａに差し込み係合し、次いでキックプレート９をベース７に押し付けてマグネットキャッチ１１に吸着保持させる。
【００１２】
〔実施例１〕
図２は実施例１を示すものであり、この実施例では、前記した掛け金１３がキックプレート９とは別部品として作られ、掛け金１３がキックプレート９の内面に溶接接合されている。すなわち、掛け金１３はキックプレート９よりも板厚の厚いに縦長な鋼板を図示のような形状に板金加工し、その先端に形成した係合爪部１３ａをキックプレート９の下端面から下方に突き出すようにし位置決めしてキックプレート９の内面にスポット溶接して接合されている。
かかる構成では、強度の高い掛け金１３を薄鋼板で作られたキックプレート９に溶接接合したので、キックプレート９の着脱操作に伴う荷重にも十分耐える強度が確保できる。
【００１３】
図３は実施例２を示すものであり、この実施例においては、掛け金１３がキックプレート９と一体に板金成形されている。
この実施例では、強度面で図２の実施例と比べて多少劣るものの、部品点数が少なくて済み、安価に製作できる。
【００１４】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の構成によれば、従来におけるキックプレートの取付け構造と比べて、キックプレートの着脱操作性に優れ、かつ着脱に際してキックプレートを前方に傾けてもプレート本体が不当に反ったり，変形することがなく、加えてベースから取り外したキックプレートを立て掛けて置く場合でも、プレート塗装面が床面に直接当たったり擦られて損傷を受けるおそれがないなどの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるキックプレート取付け構造の基本な実施例の構成図であり、(a) は側面図、(b) は斜視図
【図２】実施例１に対応するキックプレートを裏面側から見た要部の構成斜視図
【図３】実施例２に対応するキックプレートを裏面側から見た要部の構成斜視図
【図４】本発明の実施対象となる冷凍機内蔵形ショーケースの全体構成図であり、(a) は側断面図、(b) は正面図
【図５】図４におけるキックプレートの従来における取付け構造図であり、(a) はキックプレートをベースに装着した状態の側面図、(b) はその要部の斜視図
【符号の説明】
１ ケース本体
７ ベース
７ａ フレーム
８ 冷凍機のコンデンシングユニット
９ キックプレート
９ａ 通風穴
１１ マグネットキャッチ
１２ 取付座金
１２ａ 係合穴
１３ 掛け金

Claims (1)

1. ケース本体のベース内方に画成した機械室に冷凍機の風冷式コンデンシングユニットを収容し、その開口端面を覆って冷却空気の通風穴を形成した板金製のキックプレートを着脱可能に取付けた冷凍機内蔵形ショーケースにおいて、キックプレートにその下縁から下向きに突き出すように左右に分散して設けられる舌片状の掛け金を備え、該掛け金はキックプレートよりも板厚の厚い縦長な鋼板からなり、その先端に形成した係合爪部をキックプレートの下端面から下方に突き出すように位置決めしてキックプレートの内面に接合されるとともに、ベース側にはキックプレートを下支えし、前記の掛け金を差し込む係合穴を開口する取付座金を設け、キックプレートを取り外す際に、キックプレートを前方に傾け、上方に引き出すようにしたことを特徴とする冷凍機内蔵形ショーケース。

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