JPH07270033A - 冷蔵ショーケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回動自在なファンケースの冷気通路内での安
定設置と、ケース内清掃時のファンケースの容易な取り
出し回動及びその固定を確実とできるように図り、良好
な冷却性能及び清掃作業が容易となる冷蔵ショーケース
を提供する。 【構成】 ヒンジ４で支持した回動可能なファンケース
３に、これを持ち上げる際の把手となるガード２２Ａを
設け、その先にゴム等の緩衝部材２４を貼り、ファンケ
ース３を回転して開けた時ガード２２Ａが冷却器カバー
１１に当りストッパーとなって冷気循環ファン２を保護
する一方、冷気通路６内にある時は、ガード２２Ａを底
板１４に当て、底板１４及びその上の商品によりファン
ケース３が冷気通路７の底面に密着するよう押さえられ
てビビリ音の発生が無く、また冷気のショートサイクル
が無く、冷却効率が良いものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、商品収納室の取り外せ
る底板の下方に冷却器と冷気循環ファンを設置し、冷却
器からの冷気を一定方向に循環し、商品収納室の開口部
に冷気のエアーカーテンを形成するタイプの冷蔵ショー
ケースに関する。

【０００２】

【従来の技術】実公平５−１０２１７号公報及び特公平
４−８１７１６号公報に示す冷蔵ショーケースにあって
は、本体を形成する断熱壁に略沿わせて設けた冷気通路
を形成する一方、商品収納室がこの冷気通路で回りを取
り囲まれる如くして設けられ、この商品収納室の着脱自
在な底板で覆われた下方の冷気通路に、冷却器と冷気循
環ファンを配している構造となっている。そして、冷却
器をその上方に配置する冷却器カバーで保護すると共
に、ファンカバーをヒンジにてその上端を固定部材に軸
着して、清掃時に上方へ回動できるように設けている。

【０００３】ここで図４に示すように、商品収納室１内
の清掃のため冷気循環ファン２即ちファンケース３をヒ
ンジ４を支点として点線矢印の如く上方へ引上げ回動し
た後、従来ではファンケース３に取り付けている左右２
個のワイヤー製のハンガー５を使い、この各ハンガー５
の先端を、本体背壁６ｂとの間に背部冷気通路７ｂを形
成する背板８に形成した複数の係止孔９のいずれかに引
っ掛けて、手前に重心が来た点線図に示す傾斜状態でフ
ァンケース３を保持していた。

【０００４】尚、同図で１０は冷気通路７に配される冷
却器であり、また１１はその冷却器１０の上方に配され
冷却器１０を保護する冷却器カバーである。さらに、１
２は冷却器１０を取付固定すると共にファンケース３を
回動自在に支持するための固定部材であり、冷気通路７
の上方に、略水平にかつ冷蔵ショーケースの幅方向に設
けられている。そしてファンケース３及び冷却器１０の
上方には、商品収納室１の底面を形成する底板１４が着
脱自在に載置されている。更に１５は、断熱壁にて形成
された本体であり、下部に圧縮機や凝縮器を収容する機
械室１６を有していると共に、本体１５の前壁６ａに沿
い前部冷気通路７ａが形成されている。

【０００５】そして、この冷蔵ショーケース１７が冷却
運転されると、冷気循環ファン２により実線矢印の如く
冷気が循環して、背部冷気通路７ｂの吹出口１８から前
部冷気通路７ａの吸込口１９に向かうエアーカーテンが
形成され、商品収納室１内の商品が良好に冷却される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、商品収納室
内の清掃等のためファンケースを回動しハンガーにて保
持する従来の固定方式であると、ファンケースが回転し
過ぎた場合、後方へ完全に倒れて冷却器カバーに当り、
冷気循環ファンが変形する恐れがあった。

【０００７】また、ハンガーで引っ掛けるという不安定
な保持方式なので、ハンガーが僅かな力で外れ易く、そ
の場合にファンケースが重量バランスを崩して後方へ倒
れ、同じように冷気循環ファンを損傷するという恐れが
あった。

【０００８】冷気循環ファンは冷気の吹出風速を決める
重大な部品であるため、変形するとショーケースの冷却
性能を損なうという大きな問題に至る。また、変形した
冷気循環ファンだと回転に不均衡ができるため、ビビリ
音が発生するという問題も生まれる。

【０００９】また、不意に倒れるファンケースで手傷を
負う等、清掃時の安全性が十分でないという問題もあっ
た。

【００１０】本発明は上述の問題に鑑み成されたもの
で、清掃時のファンケースの容易な回動及び回動後の冷
気循環ファンを変形させずに保持することを可能とする
と共に、通常使用時（冷却運転中）にファンケースの安
定的設置を成して、高い冷却効果及び運転騒音の低減を
図れるように改良した冷蔵ショーケースを提供すること
を目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、商品収納室の
底面を形成する着脱自在な底板の下方に形成した冷気通
路に設けられた冷却器と、前記冷却器の上方に配された
冷却器カバーと、前記冷却器の前方に設けられると共に
冷気循環ファンを支持する一方、後部上端がヒンジにて
回動自在に軸支され、清掃時には上方回動して前記冷却
器の上方に位置するファンケースと、前記ファンケース
の上面に設けられ、該ファンケースを持ち上げるときの
把手を兼ねると共に、通常時には前記底板の下面に当
り、回動時には前記冷却器カバーの上面に当って前記冷
気循環ファンを保護するガードとを備え、前記ガードの
前記底板及び冷却器との当り部は緩衝部材にて形成され
たものである。

【００１２】

【作用】清掃等のため、商品収納室の底板を外した後、
ガードを持ってファンケースを引上げ注意して後へ回動
させると、ガードは冷却器カバーに、その緩衝部材を当
接させるようになり、衝撃等を生じさせないでその位置
でファンケースを安定に保持することが簡単に成せる。
回動の際の冷気循環ファンの冷却器カバーとの当りは、
ガードにより阻止され、ファン変形の心配は無い。ま
た、ファンケースが冷気通路内に設置された通常使用時
は、ファンケースは底板及びその上の商品の重さで抑え
込まれて冷気のショートサイクルの発生やビビリ音の発
生のない安定した設置ができる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。尚、図４に示す従来装置と構成的に同一または相
当する部分には同一番号を付す。

【００１４】ファンケース３は図２より理解されるよう
に、上面壁３ａと前面壁３ｂと左右側面壁３ｃ，３ｃと
から構成され、後面と下面とが開口された形状となって
いる。そして、このファンケース３には冷気循環ファン
２，２が、その上面壁３ａに形成した通風孔２１，２１
に臨んで、固定支持されている。また、ファンケース３
の後部上端、即ち上面壁３ａの後端に、このファンケー
ス３を上下方向に回動自在に取付支持するためのヒンジ
４が、例えば３個設けられている。ファンケース３は、
通常図１の実線図状態に示すように、底部の冷気通路７
内に在って冷却器１０の前方に位置している。

【００１５】ここで本発明では、商品収納室１内の清掃
のため底板１４を取り外した後、ファンケース３を上方
へ回動し、従来のように回動の途中でファンケース３を
ハンガー等で保持するのではなく、図１に示す点線図状
態のように完全に後へ倒してのファンケース３の保持が
できるように、ファンケース３の上面壁３ａにはその反
転時に冷却器カバー１１と当って回動を規制し、かつそ
の規制位置での保持を可能とすると共に、冷気循環ファ
ン２が冷却器カバー１１に当らないようにして、その変
形を保護する機能を持つガード２２Ａが３個、均等な位
置に設けられている。

【００１６】ガード２２Ａは、両下端に互いに反対向き
に延びる取付片２３ａ，２３ａを有し、この取付片２３
ａ，２３ａを溶接等によりファンケース３の上面壁３ａ
に取付固定されるコ字型をした金具２３と、この金具の
上面に貼着されるゴムや発泡材等により形成される緩衝
効果のある緩衝部材２４とより成る。そしてこの緩衝部
材２４は、ファンケース３が上方へ引き上げられ、更に
後へ回動されて行く途中で冷却器カバー１１と当接し、
その当接時の衝撃を吸収している。

【００１７】またガード２２Ａは、その金具２３の穴部
分２３ｂに指を掛けてファンケース３を引上げ回動する
際の把手として利用することができる。

【００１８】一方、ファンケース３が図１の実線図状態
のように底部の冷気通路７内にあって冷却運転時の通常
位置にある場合に、底板１４の下面にガード２２の先端
の緩衝部材２４が当るようにしている。よって、底板１
４に当るようにガード２２の高さを設定し、また緩衝部
材２４の厚さを定めている。

【００１９】このように、商品収納室１の底板１４とフ
ァンケース３の上面に設けたガード２２Ａとが当る関係
の構造とすると、ファンケース３が底板１４の重さ及び
底板１４上に載る陳列商品の重さにより押さえられて、
ファンケース３の下端縁は底部の冷気通路７の底面７ｄ
と密着するように設置される。このため、ファンケース
３の設置面との隙間ができず、ファンケース３の近辺に
おける冷気のショートサイクルが発生せず、冷却効率が
上がる。

【００２０】また、冷却運転時にファンケース３が緩衝
部材２４を介して底板１４により押さえられているため
ビビリ音を抑えられる。

【００２１】また、このような底板１４及び商品の重さ
を利用してファンケース３を固定することにより、ファ
ンケース３を形成する金属板の板厚が薄くなったものの
採用も可能となり、コストダウンが図れる。

【００２２】更に、底板１４にてファンケース３を押さ
える関係上、搬送の際にもガタつきを少なくでき、ファ
ンケース３のおどりが押さえられて搬送中の損傷の心配
も少なくなる。

【００２３】ここで、このような冷蔵ショーケース１内
の内底部を清掃するには、まず底板１４を外す。この
後、ガード２２Ａを把手のように持ってファンケース３
をヒンジ４を支点として引き上げ、後方へと回動し、ガ
ード２２Ａ先端の緩衝部材２４が冷却器カバー１１に当
るまで回動させる。こうしてファンケース３は完全に後
へ倒され、反転した状態で安定に支持される。これによ
り、底部の冷気通路７を含むその周辺の清掃及び冷却器
１０の清掃を容易に行うことができる。

【００２４】ファンケース３は後方へ注意して反転させ
さえすればガード２２Ａがストッパーとなって冷却器カ
バー１１と当る位置で停止でき、従来のように回動の途
中でハンガーを引っ掛けて保持するのと比べて作業が簡
単であると共に、ハンガーが外れてファンケースが勢い
良く倒れ、ファンが壊れたり怪我する等の問題も無くな
る。

【００２５】清掃が終了したらファンケース３を戻し、
底板１４を載置して、元の状態に復旧する。この復旧
時、ファンケース３はそれに当っているガード２２Ａを
介して底板１４及び商品の重さを受けて安定して設置さ
れることとなる。

【００２６】図３は、本発明の第２の実施例に係るファ
ンケースを示す。

【００２７】この実施例では、ガード２２Ｂは全体がゴ
ム等の緩衝作用のある部材により形成された円柱状のも
ので、且つファンケース３を引き上げやすい把手となる
ように上部にいく程、太くなるような形にしている。

【００２８】よってこの実施例においても、このガード
２２Ｂによりファンケース３を引き上げ後へ倒すよう注
意して回動すれば、この円柱状のガード２２Ｂの上端が
冷却器カバー１１と当接し、その当接位置でファンケー
ス３は反転保持される。また、ガード１２により、ファ
ンケース３の回動時の冷気循環ファン２と冷却器カバー
１１との直当りを避けファンの変形を防止できる。

【００２９】このように、この実施例のガード２２Ｂも
清掃時のファンケース３の引上げとその保持作業を容易
とする効果、またファンの変形を防ぐ効果は、第１実施
例のガード２２Ａと同等である。

【００３０】そして、清掃後引き上げたファンケース３
を戻して復旧した時には、ガード２２Ｂの上端が底板１
４と当接することも第１実施例のガード２２Ａと同じで
あり、底板１４の重み、また底板１４上に載る商品収納
室１内の商品の重さによってファンケース３は押さえ込
まれ、安定して設置され、冷気のショートサイクルを発
生させず、冷却効率の向上並びにファンケース３のビビ
リ音の発生を同等に抑制することができる。

【００３１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、冷気循環
ファンを支持し、冷蔵ショーケースのケース内清掃等の
時には、冷気通路外へ出せるよう回動自在に設けたファ
ンケースに、持ち上げ時の把手となると共にファンケー
スを回動して開けた時に、冷却器の上面に配した冷却器
カバーと当るガードを設けたので、ファンケースはこの
ガードがストッパーとなって開けた状態に保持できる。

【００３２】よって、ハンガーでファンケースを保持す
る従来方式に比べて、容易で安定した危険の無い保持が
可能となり、清掃作業が捗る。また、ファンケースを開
けた際にガードが先に冷却器カバーと当ることで、冷気
循環ファンの変形が生じず、その保護が確実に成され
る。

【００３３】また、ファンケースの通常使用態様時に
は、ガード先端が商品収納室の底板下面と当る関係とし
ているので、底板及び商品の荷重を受けてファンケース
は押さえ込まれ、冷気通路の面と密接して設置されるこ
ととなり、これにより冷気のショートサイクル等を生じ
ず、冷却効率を向上できると共に、冷却運転中のファン
ケースから発生するビビリ音などの騒音を軽減する効
果、更に、ファンケースをガタつかないように押さえて
製品を損傷することなく搬送できる等、多くの効果が期
待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る冷蔵ショーケースの縦断側面図。

【図２】把手兼ファン保護用のガードを上面に備えた本
発明の第１実施例に係るファンケースの外観斜視図。

【図３】本発明の第２実施例に係るファンケースの外観
斜視図。

【図４】従来のハンガーによるファンケースの固定方式
を説明する冷蔵ショーケースの縦断側面図。

【符号の説明】

１ 商品収納室 ２ 冷気循環ファン ３ ファンケース １０ 冷却器 １１ 冷却器カバー １４ 底板 ２２Ａ，２２Ｂ ガード ２４ 緩衝部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 商品収納室の底面を形成する着脱自在な
   底板の下方に形成した冷気通路に設けられた冷却器と、 前記冷却器の上方に配された冷却器カバーと、 前記冷却器の前方に設けられると共に冷気循環ファンを
   支持する一方、後部上端がヒンジにて回動自在に軸支さ
   れ、清掃時には上方回動して前記冷却器の上方に位置す
   るファンケースと、 前記ファンケースの上面に設けられ、該ファンケースを
   持ち上げるときの把手を兼ねると共に、通常時には前記
   底板の下面に当り、回動時には前記冷却器カバーの上面
   に当って前記冷気循環ファンを保護するガードとを備
   え、 前記ガードの前記底板及び冷却器との当り部は緩衝部材
   にて形成されていることを特徴とする冷蔵ショーケー
   ス。