JP3713807B2 - 車両用エアバッグとその開口部の作成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用エアバッグに係り、特に運転席用エアバッグのインフレータ取付用開口部の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エアバッグ装置は、車両の衝突時にエアバッグを膨張させることにより乗員を拘束する装置であり、通常はガス発生器であるインフレータと、インフレータのガスにより膨張するエアバッグとを備えている。
【0003】
上記エアバッグは、運転席用のものでは、図6に示すように円形の2枚の本体布1、2と3枚の円形の補強布8とを原反R′から裁断し、図7に示すように片方の本体布1のインフレータ取付用開口予定部を中心として上記3枚の補強布8を重合し縫着した後、上記本体布1の開口予定部を補強布8とともに裁断して開口部(図示せず)を形成する。そして、この開口部が形成された本体布1にもう1枚の本体布2を重合し、これらの外周部を縫合することによりエアバッグの基本形状が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記エアバッグでは、上述のように開口部の周囲を補強するため、この補強部分に相当する大きさの補強布が必要であり、この補強布8を前記図6に示す如くエアバッグ布原反R′から裁断せねばならないことから、原反の必要長L′が長くなって裁断時の歩留りが悪いという問題があった。
【0005】
本発明は叙上の如き実状に対処し、補強布を1対の分割片によって構成することにより、原反材料の歩留りを向上させエアバッグの製造コストを低減することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記目的に適合する本発明の車両用エアバッグの特徴は、インフレータの取付部に略円形の開口部を形成し、この開口部の周囲に複数の補強布を重合し縫着したエアバッグにおいて、1対の分割片をつき合わせて1枚の補強布を形成すると共に、この補強布を複数、上記つき合わせ部が同方向に重ならないようエアバッグ布に重合し、上記開口部周囲に縫着したところにある。
【0007】
また、上記本発明のエアバッグにおいて、最上層の補強布で分割片の各つき合わせ部のほぼ中央部に切れ込みを形成し、この切れ込み同士がかみ合うように上記分割片をつき合わせることも可能である。
【0008】
一方、本発明の方法は、インフレータ取付用の開口予定部を中心としてエアバッグ布に複数の補強布を重合した後、上記エアバッグ布の開口予定部を補強布とともに裁断して略円形の開口部を形成するエアバッグ開口部の作成方法であって、
1対の分割片をつき合わせて1枚の補強布となし、この補強布を複数、上記つき合わせ部が同方向に重ならないようエアバッグ布に重合し、上記開口予定部周囲で縫着した後、この開口予定部を上記各補強布とともに裁断して開口部を形成することを特徴とする。
【0009】
そして、上記本発明方法において、最上層の補強布で分割片の各つき合わせ部のほぼ中央部に切れ込みを形成し、この切れ込み同士がかみ合うように上記分割片をつき合わせることも可能である。
【0010】
【作用】
上記本発明のエアバッグならびに開口部の作成方法では、補強布を1対の分割片によって構成することから、前記本体布を原反から裁断する際に余った隅角の部分を利用して補強布を裁断することが可能となり、これにより原反の材料歩留りを向上させエアバッグの製造コストを低減することが可能となる。
この場合、各分割片のつき合わせ部は単に布縁部をつき合わせただけの状態であるが、上記つき合わせ部の方向を上下の層で違えるように重合し縫着することにより、補強のばらつきを大幅に軽減することが可能である。
【0011】
そして、前記最上層の補強布を切込み同士をかみ合わせてつき合わせることにより、分割片のつき合わせ部に回転対象の段差が形成されることになり、ミシン縫製の方向をこの段差を降りる円周方向に施すことによって、上記つき合わせ部におけるミシン針の引っ掛かりを簡単に防止することが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下さらに添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は本発明の実施形態に係る運転席用エアバッグを示す平面図であり、このエアバッグは2枚の本体布1、2を重合して外周部を縫製aによって縫合すると共に、インフレータ(図示せず)の取付部に円形の開口部3を形成し、この開口部3の周囲に3枚の補強布4、5、6を重合して縫着した基本的構成を有している。
【0014】
そして、本発明の実施形態においては、概ね直角二等片三角形に裁断されたほぼ等寸で等形の1対の分割片4a、4b、5a、5b、6a、6bの長辺同士をつき合わせて1枚ずつの補強布4、5、6を夫々形成すると共に、これら3枚の補強布4、5、6を、図示の如く各つき合わせ部4c、5c、6c同士が同方向に重ならないよう60°毎に角度を変えて本体布1に重合し、上記開口部周囲に縫製b、cにより縫着している。
【0015】
上記エアバッグの作製方法としては、先ず図2に示す如く原反Rから2枚の円形の本体布1、2と、6枚の補強布分割片4a、4b、5a、5b、6a、6bとを裁断する。
次いで、図3に示すように、本体布1の開口予定部3′を中心として、上記つき合わせた1対の各分割片4a、4b、5a、5b、6a、6bにより形成した各補強布4、5、6を、上記つき合わせ部4c、5c、6cが同方向に重ならないよう上記本体布1に重合し、上記開口予定部3′の周囲で縫製b、c(図1参照)により縫着する。
そして、図1に示す如く、上記開口予定部3′を上記各補強布4、5、6とともに打ち抜き裁断して開口部3を形成した後、もう1枚の本体布2を本体布1に重合し、外周部を縫製aによって縫合する。
【0016】
しかして、上記本発明実施形態に係るエアバッグならびに開口部の作成方法においては、各補強布4、5、6を夫々1対の分割片4a、4b、5a、5b、6a、6bによって構成することから、図2に示す如く本体布1、2を原反Rから裁断する際に、図示の如く余った隅角の部分を利用して補強布分割片4a〜6bを裁断することが可能となり、これにより原反Rの材料歩留りを向上させエアバッグの製造コストを低減することが可能となる。
【0017】
上記実施形態と従来例における原反R、R′の必要な反長さL、L′は、本発明に係る図2と従来例に係る図6とを比較しても明らかであるが、より詳しくは下記表1の如き結果となる。
【0018】
【表1】
【0019】
また、上記本発明実施形態のエアバッグおよび開口部の作成方法では、補強布各分割片のつき合わせ部4c、5c、6cは単に布縁部をつき合わせただけの状態であるが、上記つき合わせ部4c、5c、6cの方向を上下の層で違えるように重合し縫着することにより、補強のばらつきは大きく軽減される。
【0020】
一方、本発明実施形態のエアバッグならびにその開口部の作成方法において、図5(A)に示す如く、最上層の補強布4で分割片4a、4bの各つき合わせ部4c、4cのほぼ中央部に切れ込み4d、4dを形成し、同図(B)に示すように、この切れ込み4d、4d同士がかみ合うように上記分割片4a、4bをつき合わせる。
【0021】
これにより、図示の如く上記分割片4a、4bのつき合わせ部4cに回転対象の段差7、7が形成されることになり、ミシン縫製b、cの方向をこの段差7、7を降りる左回りの円周方向に施すことによって、上記つき合わせ部4cにおけるミシン針の引っ掛かりを簡単に防止することが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、各補強布を円形として分割片の形状を半円形とすることも可能であり、また補強布の積層枚数も2枚以上であれば適宜変更が可能である。
そしてさらに、上記分割片のつき合わせ部同士を縫合や接着等の手段により接合することも可能である。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、つき合わせた1対の分割片により1枚の補強布を形成すると共に、この補強布を複数、上記つき合わせ部が同方向に重ならないようエアバッグ布に重合し、上記開口部周囲に縫着したエアバッグならびにその開口部の作成方法を提供するものであり、上記の如く補強布を1対の分割片によって構成することから、前記本体布を原反から裁断する際に余った隅角部の部分を利用して補強布を裁断することが可能となり、これにより原反の材料歩留りを向上させエアバッグの製造コストを低減することが可能であり、しかも各分割片のつき合わせ部は単に布縁部をつき合わせただけの状態としても、上記つき合わせ部の方向を上下の層で違えるように重合し縫着することにより、補強のばらつきを大幅に軽減するとの顕著な効果を奏するものである。
【0023】
そして、最上層の補強布を切込み同士をかみ合わせてつき合わせることにより、分割片のつき合わせ部に回転対象の段差が形成されることになり、ミシン縫製の方向をこの段差を降りる円周方向に施すことによって、上記つき合わせ部におけるミシン針の引っ掛かりを簡単に防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る運転席用エアバッグを示す平面図である。
【図2】同実施形態のエアバッグを原反から裁断取りする例を示す平面図である。
【図3】同実施形態のエアバッグの作成途中の状態を示す平面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】(A)本発明の実施形態において、最上層の補強布分割片に切り込みを形成した例を示す平面図である。
(B)同切り込みをかみ合わせた状態を示す平面図である。
【図6】従来のエアバッグを原反から裁断取りする例を示す平面図である。
【図7】従来のエアバッグの作成途中の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1、2 本体布
3 開口部
3′ 開口予定部
4、5、6 補強布
4a、4b 分割片
5a、5b 〃
6a、6b 〃
4c つき合わせ部
5c 〃
6c 〃
4d 切れ込み
7 段差
R 原反
L 反長さ
Claims (4)
- インフレータの取付部に略円形の開口部を形成し、この開口部の周囲に複数の補強布を重合し縫着した車両用エアバッグにおいて、1対の分割片をつき合わせて1枚の補強布を形成すると共に、この補強布を複数、上記つき合わせ部が同方向に重ならないようエアバッグ布に重合し、上記開口部周囲に縫着したことを特徴とする車両用エアバッグ。
- 最上層の補強布で分割片の各つき合わせ部のほぼ中央部に切れ込みを形成し、この切れ込み同士がかみ合うように上記分割片をつき合わせた請求項1記載の車両用エアバッグ。
- インフレータ取付用の開口予定部を中心としてエアバッグ布に複数の補強布を重合した後、上記エアバッグ布の開口予定部を補強布とともに裁断して略円形の開口部を形成するエアバッグ開口部の作成方法において、1対の分割片をつき合わせて1枚の補強布となし、この補強布を複数、上記つき合わせ部が同方向に重ならないようエアバッグ布に重合し、上記開口予定部周囲で縫着した後、この開口予定部を上記各補強布とともに裁断して開口部を形成することを特徴とするエアバッグ開口部の作成方法。
- 最上層の補強布で分割片の各つき合わせ部のほぼ中央部に切れ込みを形成し、この切れ込み同士がかみ合うように上記分割片をつき合わせた請求項3記載のエアバッグ開口部の作成方法。
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JP11418696A JP3713807B2 (ja) | 1996-04-10 | 1996-04-10 | 車両用エアバッグとその開口部の作成方法 |
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- 1996-04-10 JP JP11418696A patent/JP3713807B2/ja not_active Expired - Fee Related
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