JP3713506B1 - 回路基板用配線パターン形成装置および配線パターンの補修方法 - Google Patents

回路基板用配線パターン形成装置および配線パターンの補修方法 Download PDF

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Abstract

【課題】配線パターンの立体的な表面形状を検査し、そのパターン欠損部に局所的にコロイド液を吐出して補修する回路基板用配線パターン形成装置および配線パターンの補修方法を提供する。
【解決手段】配線パターンPの立体的な表面形状を測長手段13により計測する。こうして得られた配線パターンPの立体的な表面情報から、パターン欠損部の位置と補充すべき体積とが分かる。その後、インクジェット機構14により正確なパターン欠損部の位置に適量のコロイド液を吐出して、配線パターンPの膜厚を正確かつ効率的に均一化させたり、配線パターンに発生した断線部を補修できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、回路基板用配線パターン形成装置および配線パターンの補修方法、詳しくは回路基板に微細な配線パターンを形成する回路基板用配線パターン形成装置と、配線パターンに発生したパターン欠損部(断線、厚さ不足による凹み)を修正する配線パターンの補修方法に関する。
従来、回路基板用配線パターン形成装置を用いた導体回路の作成方法として、例えば、特許文献1が知られている。
特許文献1は、XYテーブルにより、絶縁基板を導体回路の形状データに応じて移動させながら、インクジェットノズルより、金属ナノ粒子を分散させたペースト状のインクを絶縁基板に吐出させることで、絶縁基板上に配線パターンを形成させる方法である。
また、インクジェット法を用いて、配線パターンの欠陥部分を補修する装置として、例えば特許文献2が知られている。
特許文献2は、被補修プリント基板をXY平面内で移動させるXYテーブルと、XYテーブルに載置された被補修プリント基板の配線パターンを撮像するカメラと、撮像された配線パターンの画像を表示するモニタと、配線パターンに発生した断線部(遮断部)をワイヤによりブリッジさせるワイヤ接続手段(ワイヤウェルダなど)と、プリント配線板の導体オアターンまたはソルダレジスト短絡部を切り離す切離手段(グラインダなど)と、これらの短絡部または切り離し部にソルダレジストを供給して再塗布するインクジェット機構とを備えている。
XYテーブルは、XYテーブル駆動制御機構により制御される。また、カメラおよびモニタは、カメラ駆動制御機構により制御される。ワイヤ接続手段は、接続手段駆動制御機構により制御される。切離手段は、切離手段駆動制御機構により制御される。インクジェット機構は、インクジェット機構駆動制御機構により制御される。
特許文献2による配線パターンの欠陥部分の補修に際しては、まず、光学パターン検査機によって検査された被補修プリント基板を、XYテーブルによりXY平面内で移動させながら、前記配線パターンをカメラにより撮像する。撮像された配線パターンは、モニタの画面上に表示される。その後、この撮像された配線パターンを2値化処理し、得られた2値化画像から配線パターンの断線部(遮断部)を検出する。そして、ワイヤ接続手段を用いてワイヤで断線部をブリッジさせる。また、プリント配線板の導体オアターンまたはソルダレジスト短絡部を切離手段により切り離す。そして、これらの短絡部または切り離し部に対して、インクジェット機構によりソルダレジストを吐出(供給)し、これを再塗布することで、配線パターンの欠陥部分を補修する。
特開2003−1884972号公報 特許第2755806号公報
このように、特許文献1では、インクジェット機構部より微小化されたコロイド液を絶縁基板に対して間欠的に塗布することで、回路パターンを形成している。そのため、コロイド液の着弾位置(付着位置)の誤差により、塗布された回路パターンの厚さが不均一化する問題点があった。
また、溶媒を乾燥させた際にも溶質の変位によって厚さむらが増大し、回路パターンが断線するおそれがあった。特に、パターン配線用のコロイド液の金属種は、コストおよび酸化の観点から、ほとんどの場合でAg(銀)が使用される。しかしながら、Agコロイド液を用いれば、イオンマイグレーションが発生し易い。これにより、回路パターンのうち、厚さが薄い部分ではコロイド液中の金属が通電時に発生する電界によって移動し、断線する頻度が高まっていた。
また、特許文献2では、前述したようにカメラにより配線パターンの形状を検査し、カメラ画像を2値化処理していた。そのため、イオンマイグレーションにおいて課題となる配線部の薄い部分は検出することができなかった。
さらに、カメラにより撮像された画像情報からでは、配線パターンの十分な位置精度が得られない。そのため、パターン配線がさらに精細化された場合、配線パターンの平坦化が難しくなるといった問題点があった。
そこで、発明者らは、鋭意研究の結果、配線パターンの凹凸情報とXYステージにより検出される位置情報とを組み合わせて配線パターンの立体的な表面情報を生成し、この立体的な表面情報を利用すれば、配線パターンの膜厚(厚さ)の均一化が図れ、これによりイオンマイグレーションに有効に対処できることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、配線パターンの立体的な表面形状を検査し、そのパターン欠損部に局所的にコロイド液を吐出して補修する回路基板用配線パターン形成装置および配線パターンの補修方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、金属ナノ粒子および金属酸化物ナノ粒子のうち、少なくとも1つを含むコロイド液をインクジェット法により吐出し、任意形状の配線パターンを回路基板に形成する回路基板用配線パターン形成装置であって、前記回路基板をXY平面内で移動させるXYステージと、該XYステージから離間して配置され、前記配線パターンの立体的な表面形状を計測する測長手段と、前記配線パターンのうち、断線部および凹部からなるパターン欠損部に対して、所定量の前記コロイド液をそれぞれ吐出するインクジェット機構と、前記XYステージのXY平面内での移動を制御するステージ制御駆動機構と、前記測長手段による配線パターンの表面形状の計測を制御する測長手段用制御駆動機構と、前記インクジェット機構によるコロイド液の吐出を制御するインクジェット制御駆動機構と、前記測長手段が検出した配線パターンの表面形状データに基づき、前記ステージ制御駆動機構、前記測長手段用制御駆動機構および前記インクジェット制御駆動機構をそれぞれ制御するシステム制御機構と、前記回路基板に吐出されたコロイド液を加熱して硬化させる加熱手段とを備えるとともに、前記測長手段と、前記インクジェット機構と、前記加熱手段とを、この順番に直線的に配置するとともに、互いに固定状態で連結してパターン形成用ユニットを設け、前記測長手段の配線パターンの計測側と、前記インクジェット機構のコロイド液の吐出側と、前記加熱手段の熱放出側とは、前記パターン形成用ユニットの面のうち、前記回路基板と対向する側の面にそれぞれ配置されている回路基板用配線パターン形成装置である。
請求項1に記載の回路基板用配線パターン形成装置によれば、配線パターンの立体的な表面形状を測長手段により計測する。こうして得られた配線パターンの立体的な表面情報から、パターン欠損部、すなわち断線部や膜厚が不足した凹部の位置と補充すべき体積とが分かる。その後、インクジェット機構を使用し、正確なパターン欠損部の位置に適量のコロイド液を吐出することで、配線パターンの膜厚を正確かつ効率的に均一化させたり、配線パターンに発生した断線部を補修したりすることができる。
ここでいうコロイド液とは、コロイド粒子としての金属ナノ粒子および金属酸化物ナノ粒子のうち、少なくとも1つが液体中に分散し、懸濁状態となったものである。
コロイド液用の液体としては、例えばオイル、水、有機溶媒などを採用することができる。
コロイド粒子は、金属ナノ粒子でもよいし、金属酸化物ナノ粒子でもよい。または、金属ナノ粒子と金属酸化物ナノ粒子との混合物でもよい。
金属ナノ粒子としては、例えば、銅、銀、金、パラジウム、ニッケルなどの導電性材料をナノレベルに微粒子化したものを採用することができる。
金属酸化物ナノ粒子としては、例えば、酸化銀、酸化銅などを採用することができる。
金属ナノ粒子および金属酸化物ナノ粒子の粒径は、3〜100nmである。3nm未満では、製造の歩留りが悪くなり、コスト高になってしまう。また、100nmを超えると、ノズルが詰まりやすくなる。金属ナノ粒子および金属酸化物ナノ粒子の好ましい粒径は、5〜20nmである。この範囲であれば、製造が容易でかつノズルも詰りにくいというさらに好適な効果が得られる。
液体中へのコロイド粒子の添加量としては、液体を100重量部としたとき10〜80重量部である。10重量部未満では、十分な電気特性を得ることができない。また、80重量部を超えると、増粘によってノズルが詰まり安くなる。液体中へのコロイド粒子の好ましい添加量は、30〜70重量部である。この範囲であれば、電気的特性も良好でかつ詰まりにくいというさらに好適な効果が得られる。
インクジェット法としては、例えば、(1) 連続噴射方式(荷電変調方式、拡散方式など)、(2) ドロップ・オン・デマンド(DOD)方式(ピエゾ方式、サーマル方式、静電誘引方式、放電方式など)を採用することができる。
インクジェット方式に採用されるインクジェットヘットの電源部は、インクジェット方式に応じて、直流電源または交流電源を採用することができる。
回路基板の素材、大きさ、形状は限定されない。
配線パターン(導体パターン)の形成素材、パターンの線幅は限定されない。
測長手段としては、配線パターンの立体的な表面形状を計測可能な方法であれば限定されない。例えば、レーザ光を用いた発光部に対し、受光部としてCCD(Charge coupled device)、PSD(Position Sensing device)、PD(Photo Diode)などを採用することができる。
パターン欠損部の一種である断線部とは、配線パターンの一部に形成された切断部分をいう。
パターン欠損部の一種である凹部とは、配線パターンの一部に形成された凹み部分をいう。凹みの平面的な大きさ(平面的な面積)、立体的な大きさ(凹んだ空間の容積)および外観形状は限定されない。
ステージ制御駆動機構には、XYステージのXY平面内での位置を検出する位置センサを有している。
インクジェット制御駆動機構には、コロイド液の吐出量を測定するセンサ(例えば、流量センサなど)が組み込まれている。
システム制御機構は、測長手段により検出された配線パターンの表面形状データに基づき、ステージ制御駆動機構と、測長手段用制御駆動機構と、インクジェット制御駆動機構とをそれぞれ制御する回路基板用配線パターン形成装置の主コントローラである。
この回路基板用配線パターン形成装置は、前記測長手段と、前記インクジェット機構と、前記回路基板に吐出されたコロイド液を加熱して硬化させる加熱手段とを、互いに固定状態で連結してパターン形成用ユニットを設け、前記測長手段の配線パターンの計測側と、前記インクジェット機構のコロイド液の吐出側と、前記加熱手段の熱放出側とは、前記パターン形成用ユニットの面のうち、前記回路基板と対向する側の面にそれぞれ配置されている。
よって、測長手段による配線パターンの表面情報の取得と同時に、インクジェット機構によるコロイド液の塗布と、加熱手段によるコロイド液の硬化とを行える。そのため、短時間で配線パターンの厚さ(膜厚)を均一化したり、配線パターンの断線部を修復することができる。
加熱手段としては、例えば、半導体レーザやYAGレーザ、COガスレーザなどの各種レーザ発振器、赤外線、熱風などを採用することができる。
加熱手段によるコロイド液の加熱温度は、コロイド液の液体の素材により適宜変更される。例えば、液体が銀コロイドの場合には100〜300℃である。100℃未満では、金属粒子の結合が不十分で電気抵抗が増大する。また、300℃を超えると、回路用基板が熱的ダメージを受ける。
コロイド液の好ましい加熱温度は、150〜250℃である。この範囲であれば、耐熱性基板が使用可能でかつ導体パターンの抵抗値も適正値になるというさらに好適な効果が得られる。
測長手段と、インクジェット機構と、加熱手段とを線状に連結する場合、配線パターンの形成工程順通りに、測長手段とインクジェット機構と加熱手段との順で直線的に配置する。こうすれば、パターン欠損部の検出と、パターン欠損部へのコロイド液の塗布と、塗布されたコロイド液の硬化とを連続的に短時間で行うことができる。
測長手段の配線パターンの計測側とは、測長手段がレーザ光を利用した計測器の場合、レーザ光の発光および受光側をいう。
インクジェット機構のコロイド液の吐出側とは、インクジェット機構に組み込まれたインクジェットノズルのノズル口側をいう。
加熱手段の熱放出側とは、加熱手段のうち、熱源から発生した熱を積極的に外部に放出させる部分が存在する側をいう。
パターン形成用ユニットの面のうち、回路基板と対向する側の面とは、配線パターンの形成時にパターン形成用ユニットが回路基板と向かい合う(対峙する)側の面をいう。
パターン形成用ユニットとは、測長手段とインクジェット機構と加熱手段とを構成体とし、これらを一体物として取り扱えるようにしたものである。これらの構成体は、1つのケーシングに収納してもよい。
請求項2に記載の発明は、前記パターン形成用ユニットを、該パターン形成用ユニットの回路基板と対向する側の面と直交した回転軸を中心にして、前記パターン形成用ユニットの回路基板に対向する側の面を、前記回路基板の表面と平行状態で回転させるユニット回転手段を有した請求項1に記載の回路基板用配線パターン形成装置である。
請求項2に記載の回路基板用配線パターン形成装置によれば、測長手段による配線パターンの表面情報の取得と同時に、インクジェット機構によるコロイド液の塗布と、加熱手段を用いたコロイド液の加熱による硬化とを行うとき、配線パターンの描画(形成)の進行方向に対して、測長手段による測長点(検出点)と、インクジェット機構のコロイド液の吐出側の中心と、加熱手段の加熱側の中心とを結ぶ直線を平行にすることができる。
その結果、パターン欠損部の検出と、パターン欠損部へのコロイド液の塗布と、塗布されたコロイド液の硬化とを連続的に短時間で行うことができる。よって、請求項2の場合より、さらに短時間でパターンの膜厚の均一化または断線部の修復を行うことができる。
パターン形成用ユニットの回転軸の形成位置は限定されない。例えば、パターン形成用ユニットのうち、インクジェット機構が配置された位置でもよい。
ユニット回転手段としては、例えば電動モータ、超音波モータなどを採用することが
できる。
請求項3に記載の発明は、前記測長手段は、レーザ発光部と、該レーザ発光部から発せられたレーザ光を前記配線パターンに集光させる第1の集光レンズと、前記配線パターンから反射したレーザ光を受光するレーザ受光部と、前記反射したレーザ光をレーザ受光部に集光させる第2の集光レンズとを有し、前記XYテーブルにはステージ制御駆動機構の一部を構成するX軸位置センサとY軸位置センサとがそれぞれ設けられ、前記X軸位置センサおよびY軸位置センサからの検出信号に基づき、前記ステージ制御駆動機構によりXYステージのXY平面内での移動を制御する請求項1または請求項2に記載の回路基板用配線パターン形成装置である。
請求項3に記載の回路基板用配線パターン形成装置によれば、レーザ発光部から発光されるレーザ光を第1の集光レンズにより配線パターンの微小エリアに集光させ、その反射光が第2の集光レンズを通してレーザ受光部により受光される。その後、受光データに基づき、配線パターンの立体的な表面形状を検出する。
そのため、高精度に配線パターンの凹凸を検出することができ、またX軸位置センサとY軸位置センサとを使用し、ステージ制御駆動機構より得られたXYステージの位置情報と組み合わせることで、配線パターンの立体的な表面情報を生成することができる。このような表面形状データを利用することにより、配線パターンのパターン欠損部に対して、適量のコロイド液を選択的かつ正確に塗布することができる。その結果、補修後の配線パターンの膜厚の均一化を図ることができたり、配線パターンの断線部の高精度な修復を行うことができる。
レーザ発光部と両集光レンズとレーザ受光部とは、これらの何れか同士、または、これらの全部を一体的に設けてもよいし、別体で設けてもよい。
請求項4に記載の発明は、前記インクジェット機構は、前記コロイド液を貯液する液体タンクと、前記コロイド液を吐出する液吐出口と、前記液体タンクと液吐出口とを連通させる液体流路と、該液体流路の液体タンクより下流側に配置され、電圧の印加に伴って発生した静電気力により前記コロイド液を吐出する針状電極と、前記液吐出口の近傍に配設されたゲート電極とを有した請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の回路基板用配線パターン形成装置である。
請求項4に記載の回路基板用配線パターン形成装置によれば、液吐出口の口径と、針電極の曲率とを小さくすることで、微小な液滴(コロイド液)を静電気力により吐出することができる。そのため、より正確に配線パターンの膜厚を制御することができる。
また、インクジェット機構として、静電誘引方式を採用したので、針状電極への電圧の印加に伴って生じた静電気力により、例えば圧電方式、サーマル方式などに比べて、コロイド液による液体流路の詰まりを抑え、コロイド液を液吐出口から吐出させることができる。
液体タンクの素材、大きさ(容量)、形状は限定されない。
また、液吐出口の口径は、例えば0.1〜20μmである。0.1μm未満では、コロイド液の目詰まりが発生し易い。また、20μmを超えると液滴の精密な制御が困難になる。液吐出口の好ましい口径は0.2〜5μmである。
インクジェット機構は静電誘引方式である。そのため、液吐出口から離間した液吐出方向の所定位置には、一般的に、対向電極が配置される。
針状電極およびゲート電極の素材としては、例えばPolySi、MoSi、WSi、TiSi、Wなどを採用することができる。これらの電極の形成方法としては、例えばCVD法、スパッタリング法などを採用することができる。
針状電極は、液体タンクの下流側に連結させてもよいし、液体タンクの下流側から液体材料の流出方向に離間して設けてもよい。
ゲート電極に形成される開口部の大きさは、対応する液吐出口より大きければよい。開口部の形状としては、例えば円形、楕円形、三角形以上の多角形などを採用することができる。
静電誘引方式のインクジェット機構の電源部としては、一般に針状電極用として直流電源が採用され、ゲート電極用として交流電源が採用される。
静電誘引方式のインクジェット機構では、針状電極に所定のバイアス電圧を印加し、ゲート電極に所定のパルス電圧を印加してこのパルス電圧をバイアス電圧に重畳することで、吐出液(コロイド液)の液滴(微粒子)を、液吐出方向の所定位置に存在する例えば基板の表面に吐出させることができる。
請求項5に記載の発明は、金属ナノ粒子および金属酸化物ナノ粒子のうち、少なくとも1つを含むコロイド液をインクジェット法により吐出し、回路基板に形成された任意形状の配線パターンを補修する配線パターンの補修方法であって、前記回路基板をXY平面内で移動させながら、前記配線パターンの立体的な表面形状を計測する工程と、前記回路基板のXY平面におけるX軸およびY軸の各座標データと、計測された前記配線パターンの表面の凹凸情報とを組み合わせ、該組み合わせにより得られた前記配線パターンの表面情報から、前記配線パターンの表面のうち、断線部と凹部とからなるパターン欠損部の体積を算出する工程と、算出された体積のデータに基づき、その硬化時の体積減量分を含めた前記コロイド液の必要吐出量を算出する工程と、該必要吐出量のコロイド液を、前記インクジェット法により、前記パターン欠損部に吐出する工程とを備えた配線パターンの補修方法である。
請求項5に記載の配線パターンの補修方法によれば、高精度にパターンの凹凸を検出することができ、またXYステージの位置情報と組み合わせることで、パターンの表面情報を生成することができる。このような表面形状データを用いることで、パターンの凹部に対して、選択的かつ正確にコロイド液を吐出することができる。その結果、配線パターンの膜厚を均一化したり、配線パターンの断線部を修復することができる。
請求項1〜請求項4に記載の回路基板用配線パターン形成装置および請求項5に記載の配線パターンの補修方法によれば、配線パターンの立体的な表面形状を計測し、配線パターンのパターン欠損部に対して、部分的に、金属ナノ粒子および金属酸化物ナノ粒子のうち、少なくとも1つを含むコロイド液を所定量だけ塗布する。
これにより、配線パターンの膜厚を正確かつ効率的に均一化させたり、配線パターンに発生した断線部を補修したりすることができる。
以下、この発明の実施例を説明する。まず、図1〜図4を参照して、実施例1の回路基板用配線パターン形成装置および配線パターンの補修方法を説明する。
図1において、10はこの発明の実施例1に係る回路基板用配線パターン形成装置(以下、配線パターン形成装置)で、この配線パターン形成装置10は、金属ナノ粒子および金属酸化物ナノ粒子のうち、少なくとも1つを含むコロイド液をインクジェット法により吐出し、任意形状の配線パターンP(図4)を回路基板11に形成する装置である。
コロイド液は、導電性材料である銅、銀、金、パラジウム、ニッケルなどの金属ナノ粒子(ここでは銀のナノ粒子)を、液体(水)100重量部に対して30〜50重量部添加し、これを均一に攪拌混合してコロイド状としたものである。
金属ナノ粒子の平均粒径は5〜20nmである。
実施例1では、インクジェット法として静電誘引方式を採用している。
以下、配線パターン形成装置10を詳細に説明する。
配線パターン形成装置10は、回路基板11をXY平面内で移動させるXYステージ12と、XYステージ12から離間して配置され、前記配線パターンPの立体的な表面形状を計測する測長手段13と、配線パターンPのうち、断線部および凹部からなるパターン欠損部に対して、所定量のコロイド液をそれぞれ吐出するインクジェット機構14と、XYステージ12のXY平面内での移動を制御するステージコントローラ(ステージ制御駆動機構)15と、測長手段13による配線パターンPの表面形状の計測を制御する測長手段用コントローラ(測長手段用制御駆動機構)16と、インクジェット機構14によるコロイド液の吐出を制御するインクジェット機構コントローラ(インクジェット制御駆動機構)17と、データ合成機構18と、測長手段13が検出した配線パターンPの表面形状データに基づき、ステージコントローラ15、測長手段用コントローラ16およびインクジェット機構コントローラ17をそれぞれ制御するシステムコントローラ(システム制御機構)19とを備えている。システムコントローラ19は、演算機能、通信機能、データ記憶機構、タイマなどから構成されている。
これらの構成体のうち、測長手段13およびインクジェット機構14は、定盤の中央部の上方において、図示しない装置架台の上部から垂設された固定支持板20の表側または裏側に、それぞれ一方ずつ取り付けられている。このうち、インクジェット機構14は、スライド昇降手段21を介して、昇降自在となっている。測長手段13の配線パターンPの計測側と、インクジェット機構14のコロイド液の吐出側とは、定盤22に対向するように配置されている。
また、ステージコントローラ15と、測長手段用コントローラ16と、インクジェット機構コントローラ17と、データ合成機構18と、システムコントローラ19とは、図示しない装置架台に設けられた制御盤に搭載されている。
XYステージ12は、定盤22上に順次搭載されたXステージ23とYステージ24とから構成されている。Xステージ23は、定盤22上のY方向の両端部に離間された1対の平行なXレール25と、X移動板26と、X移動板26のY方向の両端部の裏側に離間され、対応するXレール25に沿って摺動する図示しない1対のリニアガイドと、同じく図示しないXモータとを有している。一方のXレール25の外側には、ステージコントローラ15の一部を構成し、X移動板26のX軸方向への移動距離を検出するX軸リニアスケール(X軸位置センサ)27が設けられている。
Yステージ24は、Xステージ23のX方向の両端部に離間された1対の平行なYレール28と、回路基板11が搭載されるY移動板29と、Y移動板29のX方向の両端部の裏側に離間され、対応するYレール28に沿って摺動する図示しない1対のリニアガイドと、同じく図示しないYモータとを有している。一方のYレール28の外側には、ステージコントローラ15の一部を構成し、Y移動板29のY軸方向への移動距離を検出するY軸リニアスケール(Y軸位置センサ)30が設けられている。
インクジェット機構14は、インクジェット機構コントローラ17に電気的に接続されている。また、測長手段13からのアナログ信号から配線パターンPの表面のパターン欠損部の高さ情報を算出する測長手段用コントローラ16と、ステージコントローラ15とは、データ合成機構18にそれぞれ電気的に接続されている。さらに、システム全体の動作を制御するシステムコントローラ19は、データ合成機構18と、インクジェット機構コントローラ17と、ステージコントローラ15とに、それぞれ電気的に接続されている。
次に、図2のフローシートを参照して、回路パターン形成手順を説明する。
まず、回路基板11に作成される回路パターンPの図形データを、システムコントローラ19に取り込む(図2(1))。
システムコントローラ19では、図形データに基づき、XYステージ12の制御指令およびインクジェット機構14のコロイド液の吐出タイミングデータが生成される。その後、システムコントローラ19からは、ステージコントローラ15にXYステージ12の制御指令が送信され(図2(2))、これと同時に前記吐出タイミングデータが、インクジェット機構コントローラ17に送信される(図2(3))。
そして、ステージコントローラ15では、指令に対して位置ずれなくXYステージ12を動作させるような駆動パターン(時間と電流値の関係)が生成され、X移動板26およびY移動板29をそれぞれ移動させる(図2(4))。
一方、インクジェット機構コントローラ17では、ステージの動きに合わせて断線することなくコロイド液(金属コロイド)を塗布するように、適切な吐出周波数からなる吐出タイミング信号が生成され、インクジェット機構14に送られる(図2(5))。
これにより、インクジェット機構14からコロイド液が回路基板11に向かって塗布され、所定形状の配線パターンPが塗布される。なお、コロイド液の吐出に際しては、スライド昇降手段21を介して、インクジェット機構14が、回路基板11の表面近くまで下降される。
その後、配線パターンPの塗布が終了した回路基板11は、XYテーブル12から取り外され、加熱装置の炉内に挿入される。ここで、回路基板11が200℃で60分間加熱される。これにより、塗布されたコロイド液が硬化され、配線パターンPが形成される。
次に、図3のフローシートを参照して、回路パターンPの立体的な表面データの計測プロセスを説明する。
前記回路パターンPの図形データ(作成データ)に基づき、システムコントローラ19よりステージコントローラ15に制御指令を送信する(図3(1))。
ステージコントローラ15では、指令に対して位置ずれなくXYステージ12を動作させるような駆動パターン(時間と電流値の関係)が生成され、XYステージ12のX移動板26、Y移動板29に供給される(図3(2))。これにより、X移動板26とY移動板29とが、所定量ずつ移動される。このときのX移動板26とY移動板29との移動量が、X軸リニアスケール27およびY軸リニアスケール30から、シリアル信号として、ステージコントローラ15に送信される(図3(3))。
送信されたシリアル信号は、ステージコントローラ15によりXY軸の座標データに変換され、データ合成機構18に送信される(図3(4))。
一方、測長手段13では、前述したXYステージ12の動きに対して、所定周期で、配線パターンPの微小エリア(1×1μm〜50×50μm)と、測長手段13の基準位置からの距離とを検出し、ノイズ除去および信号増幅を行う。次に、その結果をアナログ信号として測長手段用コントローラ16に送信する(図3(5))。
測定手段用コントローラ16では、アナログ信号をデジタル信号に変換して演算処理を行い、その後、これを凹凸情報としてデータ合成機構18に送信する(図3(6))。
データ合成機構18では、配線パターンPの表面形状データが生成され、これがシステムコントローラ19に送信される(図3(7))。
システムコントローラ19では、送信されたデータに基づき、配線パターンPの表面のパターン欠損部(不足部および断線部)の形状を解析する。そして、パターン欠損部の中心位置を算出し、ステージコントローラ15に制御指令を送信する(図3(8))。
ステージコントローラ15では、X移動板26およびY移動板29の所定位置までの駆動パターン(時間と電流値の関係)が生成される。そして、XYステージ12のX移動板26、Y移動板29にそれぞれ供給される(図3(9))。
X移動板26およびY移動板29の所定位置への移動後、システムコントローラ19よりインクジェット機構コントローラ17に吐出指令が送信される(図3(10))。
インクジェット機構コントローラ17では駆動パルスが生成され、インクジェット機構14へと送信され(図3(11))、吐出が行われる。
このように、配線パターン形成装置10によれば、配線パターンPに対して斜め方向からレーザ光を発射し、その反射光を受光して得られた配線パターンPの表面の凹凸情報と、XYステージ12により検出される位置情報とを組み合わせて配線パターンPの立体的な表面情報を生成し、この表面情報に基づき、パターン欠損部の補修を行うことで、配線パターンPの膜厚(厚さ)の均一化が図れる。しかも、これによりイオンマイグレーションによる配線パターンPの断線に有効に対処することができる。
これは、従来の配線パターン形成装置による場合のように、配線パターンPの欠損部の検出にカメラによる表面観察を採用し、パターン欠損部の平面的な形状欠陥だけしか検出できなかったときの補修と大いに異なる。
ここで、図4を参照して、実際に配線パターン形成装置10の測長機能を用いて、線幅200μm、長さ50mm、膜厚2μmの配線パターンPの立体的な表面形状を計測した結果を報告する。
図4に示すように、XY軸上の2次元的な位置における高さ情報から、パターンの表面形状を解析することができる。この解析結果より、システムコントローラ19において表面の凹部の位置と体積を算出し、インクジェットノズルコントローラにコロイド液の必要吐出量を伝達し、同時にステージコントローラ15に位置を伝達する。これらの信号に応じて、XYステージ12とインクジェット機構14との各動作がなされることで、配線パターンPのパターン欠損部(導体の体積不足部分)に対して、配線パターンPの膜厚を均一化させる適量の金属コロイド液を供給することができる。
次に、図5を参照して、この発明の実施例2に係る回路基板用配線パターン形成装置および配線パターンの補修方法を説明する。
図5に示すように、この発明の実施例2の回路基板用配線パターン形成装置10Aは、測長手段13と、インクジェット機構14と、回路基板11に吐出されたコロイド液を加熱して硬化させる加熱手段31とを、それぞれ垂直な仕切り板を介して、互いに固定状態で連結してパターン形成用ユニット32を設けた点を特徴としている。
パターン形成用ユニット32では、測長手段13の配線パターンPの計測側と、インクジェット機構14のコロイド液の吐出側と、加熱手段31の熱放出側とが、パターン形成用ユニット32の面のうち、記回路基板11と対向する側の面にそれぞれ配置されている。
パターン形成用ユニット32は、そのX1側からX2側に向かって順に、インクジェット機構14、加熱手段31、測長手段13が直線的に配置されている。
パターン形成用ユニット32は、スライド昇降手段21、具体的にはスライド昇降手段21の一部を構成する昇降板の下端部に、パターン形成用ユニット32の上板の中央部が固定されている。
加熱手段31は、レーザ発振器33、光ファイバ34、コネクタ35、上下1対の光学レンズ36,37から構成される。レーザ発振器33としては、YAGレーザ、半導体レーザ発振器が好適である。上側の光学レンズ36には、平行光を生成するコリメートレンズが用いられている。下側の光学レンズ37には、色収差が除去してレーザ光を一点に集光させるアクロマティックレンズが用いられている。
配線パターンPの作成プロセスは、まずインクジェット機構14によりコロイド液を吐出し、その後、加熱手段31によりコロイド液中の溶媒を蒸発させる。そして、硬化後の配線パターンPの表面を計測する。そのため、図5に示すように、配線パターンPの描画の進行方向に対してインクジェット機構14による塗布ポイントと加熱手段31の加熱エリアと測長手段13の対象エリアが順に並ぶことで、これらの3つの作業を連続して行うことができる。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と略同じであるので説明を省略する。
次に、図6を参照して、この発明の実施例3に係る回路基板用配線パターン形成装置および配線パターンの補修方法を説明する。
図6に示すように、この発明の実施例3の回路基板用配線パターン形成装置10Bは、パターン形成用ユニット32を、パターン形成用ユニット32の回路基板11と対向する側の面と直交した回転軸(垂直軸)38を中心にして、回転モータ(ユニット回転手段)39により回転可能な構造とした点を特徴としている。このとき、パターン形成用ユニット32は、パターン形成用ユニット32の回路基板11に対向する側の面が、回路基板11の表面と平行な状態で保持されている。回転モータ39は、エンコーダ付きである。他の回転モータとしては、位置決め角度の分解能が十分なものであれば、直流モータ、交流モータ、ステッピングモータなどを採用することができる。
回転モータ39は、出力軸を下方に向けて、スライド昇降手段21のうち、上下動される昇降板の表側に固定されている。回転軸38と出力軸39aとは、カップリング40により連結されている。
描画される回路パターンPが斜線部分を有する場合には、進行方向と、インクジェット機構14による塗布ポイントと、加熱手段31の加熱エリアと、測長手段13の対象エリアとが順に並ぶ直線の向きがずれてしまう。この場合には、これらの3つの作業を連続して行うことはできない。
そこで、このように回路パターンPの斜線部分を描画したり、その後に直線部分を描画する際には、インクジェット機構14による塗布ポイントと加熱手段31の加熱エリアと測長手段13の対象エリアが常時順に並ぶように、システムコントローラ19から回転モータに対して、パターン形成用ユニット32を、所定方向に所定角度だけ回転させる指令を送信する。これにより、回路パターンPの作成中、常時、インクジェット機構14による塗布ポイントと、加熱手段31の加熱エリアと、測長手段13の対象エリアとが順に並ぶように制御することができる。その結果、途中に斜線部分が存在する回路パターンPの作成時でも、これらの3つの作業を連続して行うことができる。
その他の構成、作用および効果は、実施例2と略同じであるので説明を省略する。
次に、図7を参照して、この発明の実施例4に係る回路基板用配線パターン形成装置および配線パターンの補修方法を説明する。
図7に示すように、この発明の実施例4の回路基板用配線パターン形成装置10Cは、測長手段13として、レーザ光を斜め方向から照射するレーザ発光部41と、レーザ発光部41から発せられたレーザ光を配線パターンPに集光させる第1の集光レンズ42と、配線パターンPから斜めに反射したレーザ光を受光するレーザ受光部43と、配線パターンPから反射したレーザ光をレーザ受光部43に集光させる第2の集光レンズ44とを有した点を特徴としている。
測長手段13は、外観が直方体のケーシング45を本体としている。ケーシング45の下板の中間部には、逆V字形状の屈曲部45aが形成されている。この屈曲部45aを構成するX1側の屈曲壁に、第1の集光レンズ42が組み込まれている。また、屈曲部45aを構成する他方の屈曲壁に、第2の集光レンズ44が組み込まれている。ケーシング45内には、第1の集光レンズ42の近傍にレーザ発光部41が収納され、第2の集光レンズ44の近傍にレーザ受光部43が収納されている。
レーザ発光部41より発射されたレーザ光は、第1の集光レンズ42を介して、回路パターンPの表面上で、スポットサイズが直径10〜500μmとなるように集光される。レーザ光は回路パターンPの表面上で反射し、第2の集光レンズ44を介して、レーザ受光部43に集光される。レーザ受光部43としては、PSD(Position Sensing Device)が採用されている。PSD式レーザ受光部によれば、測長手段13と配線パターンPの表面との距離に応じてPSDに対する集光位置が変化する。この距離の変化量が、電圧値として検出されることになる。こうして得られた凹部のデータまたは断線部のデータを、図示しない測定手段用コントローラに、アナログ信号として送信する。
このように構成したので、高精度に配線パターンPの凹凸を検出することができる。その結果、X軸リニアスケール27とY軸リニアスケール30とを使用し、ステージコントローラ15より得られたXYステージ12の位置情報と組み合わせることで、配線パターンPの立体的な表面情報を高精度に生成することができる。この表面の形状データを利用することで、配線パターンPのパターン欠損部に対して、適量のコロイド液を選択的かつさらに正確に塗布することができる。その結果、補修後の配線パターンPの膜厚のより高精度な均一化を図ることができ、配線パターンPの断線部のより高精度な修復を行うことができる。
その他の構成、作用、効果は、実施例1と略同じであるので説明を省略する。
次に、図8を参照して、この発明の実施例5に係る回路基板用配線パターン形成装置および配線パターンの補修方法を説明する。
図8に示すように、この発明の実施例5の回路基板用配線パターン形成装置10Dは、インクジェット機構14が、コロイド液を貯液する液体タンク46と、コロイド液を吐出する液吐出口47と、液体タンク46と液吐出口47とを連通させる液体流路48と、液体流路48の液体タンク46より下流側に配置され、電圧の印加に伴って発生した静電気力によりコロイド液を吐出する針状電極49と、液吐出口47の近傍に配設されたゲート電極50とを有したことを特徴としている。
以下、インクジェット機構14の具体的な構成を説明する。インクジェット機構14は、横長な直方体のヘッド本体51を有している。ヘッド本体51のX2側の端部内には、上面を開口した液体タンク46が形成されている。ヘッド本体51内のX1側の端部から中央部にかけては、上面および下面をそれぞれ開口し、かつ下側の小径な開口部がコロイド液の液吐出口47となった液滴ノズル52が形成されている。
ヘッド本体51の液吐出口47の形成部には、液吐出口47と連通した開口部を有するゲート電極50が設けられている。
液体流路48は、液体タンク46と液滴ノズル52とを連通する長さ方向がX方向(横方向)となった細い連通路48aと、液滴ノズル52内に形成された長さ方向がZ方向(縦方向)となった内部流路48bとから構成されている。内部流路48bは、その上部が大径な液溜め部で、その下部が小径な液吐出路となっている。液吐出路の下端に液吐出口47が形成されている。針状電極49は、液溜め部の下部に収納されている。
また、インクジェット機構14の液吐出口47から所定の距離離間した液吐出方向の位置には、回路基板11が載置された対向電極53が配置されている。針状電極49には、直流電圧を印加する第1の直流電源部54が電気的に接続されている。ゲート電極50には、パルス電圧を印加するパルス電源部55が電気的に接続されている。対向電極53には、直流電圧を印加する第2の直流電源部56が電気的に接続されている。
コロイド液は、液体タンク46から液体流路48を通って針状電極49に供給される。第1の直流電源部54から針状電極49に所定の直流電圧を印加し、パルス電源部55からゲート電極50に所定のパルス電圧を印加すると、針状電極49とゲート電極50間に電界が発生する。これにより、プラス(+)に帯電されたコロイド液が微小なドットとなり、針状電極49の先端からゲート電極50を通過して、第2の直流電源部56から所定の直流電圧が印加された対向電極53に載置された回路基板11に飛翔する。このような静電現象を利用したインクジェット機構14を用いることで、吐出量を高精度に制御することが可能となり、微細配線パターンPにおいても回路パターンの膜厚の均一化と、断線部の補修とを行うことができる。
その他の構成、作用、効果は、実施例1と略同じであるので説明を省略する。
次に、図9のフローシートを参照して、この発明の実施例6に係る配線パターンの補修方法を説明する。
実施例6では、実施例1の回路基板用配線パターン形成装置10を使用し、配線パターンPの補修を行う。
回路基板11上に塗布された配線パターンPの立体的な表面の測長工程では、測長手段13により配線パターンPの表面を走査する。得られた配線パターンPの表面の凹凸情報は、データ合成機構18からシステムコントローラ19に、表面形状データとして送信される(図9(1))。
システムコントローラ19では、演算部により配線パターンP表面の立体的な凹部を検出し、凹部の体積(容積)とその中心位置とが算出される。算出された凹部の体積をV、インクジェット機構14から吐出する1回の吐出量をVとした場合、硬化により体積がVからV/nに減少するとき、インクジェット機構14からのコロイド液の吐出回数Fは、F=n・V/Vとなる。この吐出回数Fが、指令値としてシステムコントローラ19からインクジェット機構コントローラ17に送信される(図9(2))。
また、凹部の投影面積の中心を(X1,Y1)とした場合、この座標位置が位置指令として、システムコントローラ19からステージコントローラ15に送信される(図9(3))。XYステージ12およびインクジェット機構14ではこれらの指令に基づき、(X1,Y1)の座標位置に吐出点が対向するようにX移動板26およびY移動板29を介して、回路基板11を移動し、その後、F回の吐出を行う。これにより、配線パターンPの膜厚を正確かつ効率的に均一化させたり、配線パターンPに発生した断線部を補修したりすることができる。
その他の構成、作用、効果は、実施例1と同じであるので説明を省略する。
この発明の実施例1に係る回路基板用配線パターン形成装置の全体斜視図である。 この発明の実施例1に係る回路基板用配線パターン形成装置による回路パターン形成手順を示すフローシートである。 この発明の実施例1に係る回路基板用配線パターン形成装置による回路パターンの表面データの計測手順を示すフローシートである。 この発明の実施例1に係る回路基板用配線パターン形成装置により得られた回路パターンの表面データの解析結果を示す回路パターンの斜視図である。 この発明の実施例2に係る回路基板用配線パターン形成装置のインクジェットノズル近傍の縦断面図である。 この発明の実施例3に係る回路基板用配線パターン形成装置のインクジェットノズル近傍の縦断面図である。 この発明の実施例4に係る回路基板用配線パターン形成装置の測長手段の縦断面図である。 この発明の実施例5に係る回路基板用配線パターン形成装置のインクジェット機構の縦断面図である。 この発明の実施例6に係る配線パターンの補修方法のパターン補修プロセスを示すフローシートである。
符号の説明
10,10A〜10D 回路基板用配線パターン形成装置、
11 回路基板、
12 XYステージ、
13 測長手段、
14 インクジェット機構、
15 ステージコントローラ(ステージ制御駆動機構)、
16 測長手段用コントローラ(測長手段用制御駆動機構)、
17 インクジェット機構コントローラ(インクジェット制御駆動機構)、
18 データ合成機構、
19 システムコントローラ(システム制御機構)、
27 X軸リニアスケール(X軸位置センサ)、
30 Y軸リニアスケール(Y軸位置センサ)、
31 加熱手段、
32 パターン形成用ユニット、
38 回転軸、
39 回転モータ(ユニット回転手段)、
41 レーザ発光部、
42 第1の集光レンズ、
43 レーザ受光部、
44 第2の集光レンズ、
46 液体タンク、
47 液吐出口、
48 液体流路、
49 針状電極、
50 ゲート電極、
P 配線パターン。

Claims (5)

  1. 金属ナノ粒子および金属酸化物ナノ粒子のうち、少なくとも1つを含むコロイド液をインクジェット法により吐出し、任意形状の配線パターンを回路基板に形成する回路基板用配線パターン形成装置であって、
    前記回路基板をXY平面内で移動させるXYステージと、
    該XYステージから離間して配置され、前記配線パターンの立体的な表面形状を計測する測長手段と、
    前記配線パターンのうち、断線部および凹部からなるパターン欠損部に対して、所定量の前記コロイド液をそれぞれ吐出するインクジェット機構と、
    前記XYステージのXY平面内での移動を制御するステージ制御駆動機構と、
    前記測長手段による配線パターンの表面形状の計測を制御する測長手段用制御駆動機構と、
    前記インクジェット機構によるコロイド液の吐出を制御するインクジェット制御駆動機構と、
    前記測長手段が検出した配線パターンの表面形状データに基づき、前記ステージ制御駆動機構、前記測長手段用制御駆動機構および前記インクジェット制御駆動機構をそれぞれ制御するシステム制御機構と、
    前記回路基板に吐出されたコロイド液を加熱して硬化させる加熱手段とを備えるとともに、
    前記測長手段と、前記インクジェット機構と、前記加熱手段とを、この順番に直線的に配置するとともに、互いに固定状態で連結してパターン形成用ユニットを設け、
    前記測長手段の配線パターンの計測側と、前記インクジェット機構のコロイド液の吐出側と、前記加熱手段の熱放出側とは、前記パターン形成用ユニットの面のうち、前記回路基板と対向する側の面にそれぞれ配置されている回路基板用配線パターン形成装置。
  2. 前記パターン形成用ユニットを、該パターン形成用ユニットの回路基板と対向する側の面と直交した回転軸を中心にして、前記パターン形成用ユニットの回路基板に対向する側の面を、前記回路基板の表面と平行状態で回転させるユニット回転手段を有した請求項1に記載の回路基板用配線パターン形成装置。
  3. 前記測長手段は、レーザ発光部と、該レーザ発光部から発せられたレーザ光を前記配線パターンに集光させる第1の集光レンズと、前記配線パターンから反射したレーザ光を受光するレーザ受光部と、前記反射したレーザ光をレーザ受光部に集光させる第2の集光レンズとを有し、
    前記XYテーブルにはステージ制御駆動機構の一部を構成するX軸位置センサとY軸位置センサとがそれぞれ設けられ、前記X軸位置センサおよびY軸位置センサからの検出信号に基づき、前記ステージ制御駆動機構によりXYステージのXY平面内での移動を制御する請求項1または請求項2に記載の回路基板用配線パターン形成装置。
  4. 前記インクジェット機構は、
    前記コロイド液を貯液する液体タンクと、
    前記コロイド液を吐出する液吐出口と、
    前記液体タンクと液吐出口とを連通させる液体流路と、
    該液体流路の液体タンクより下流側に配置され、電圧の印加に伴って発生した静電気力により前記コロイド液を吐出する針状電極と、
    前記液吐出口の近傍に配設されたゲート電極とを有した請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の回路基板用配線パターン形成装置。
  5. 金属ナノ粒子および金属酸化物ナノ粒子のうち、少なくとも1つを含むコロイド液をインクジェット法により吐出し、回路基板に形成された任意形状の配線パターンを補修する配線パターンの補修方法であって
    前記回路基板をXY平面内で移動させながら、前記配線パターンの立体的な表面形状を計測する工程と、
    前記回路基板のXY平面におけるX軸およびY軸の各座標データと、計測された前記配線パターンの表面の凹凸情報とを組み合わせ、該組み合わせにより得られた前記配線パターンの表面情報から、前記配線パターンの表面のうち、断線部と凹部とからなるパターン欠損部の体積を算出する工程と、
    算出された体積のデータに基づき、その硬化時の体積減量分を含めた前記コロイド液の必要吐出量を算出する工程と、
    該必要吐出量のコロイド液を、前記インクジェット法により、前記パターン欠損部に吐出する工程とを備えた配線パターンの補修方法。
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