JP3713249B2 - 多層式使い捨て化粧シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに剥離可能な接着状態で積層された複数のフイルムからなる多層シートであって、これを、装飾用若しくは汚れ防止用として、壁面、家具、冷蔵庫、キッチン台等の表面に貼着して、表面が汚染若しくは破損した場合に多層シートの積層の表面の1枚のみを剥離して破棄し、内部にあった新しいフイルムを表面に露出させて、最初の表面の装飾性若しくは清潔性を復元させる多層式使い捨て化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、最上部にある表面フイルムを剥離して、表面の装飾性又は清潔性を復元する積層シート(汚れ除去シート等)は知られている。例えば、実開昭62−9013号公報及び実開平2−147711号公報に示されている積層シートは、補強材付き金属箔又は基材フイルムの複数枚が接着剤によって接着状態で積層されている。
このように接着剤で強く接着した積層シートでは、使用中の積層シートから、表面の一枚を剥離除去するとき、通常、当該表面フイルムの厚さが、視力で識別できる限界値0.1mmよりも薄く、通常約30μm程度であり、かつ、各フイルム層が互いに強く接着しているので、薄い表面フイルム1枚のみを表面から剥がすことは、非常に困難となる。特に、強い接着力によって表面フイルムが剥がす途中でフイルムが破れた場合には、表面に残存したフイルムの除去は非常に困難となる。
そのため、実開昭62−9013号公報では、この積層シートから表面フイルムのみを剥離する便宜を考慮して積層シート周辺部の特定の一部角部に接着剤を塗布しない部分を設けて、各1枚のフイルムが遊離している部分を設けることが行われている。また、実開平2−147711号公報では、同じく、積層の角部のみに、離型インキを設けて接着剤の接着力を低下させて、積層シートの角部の表面フイルムのみを剥がし易くすることが行われている。しかし、この方法の多層式使い捨て化粧シートは、連続工程で製造することは困難である。
また、このように、積層シートの角部から1枚の表面フイルムのみを選択剥離するようにしても、この角部を指で摘まんで剥離するときに、接着剤で強く接着している表面の1枚のフイルムのみを剥がす作業は、強い力を必要とし、例えば女性の指の力の保持力で剥がすのが困難である。特に、薄い表面フィルムは引裂強度も低く、剥離除去作業中に強い接着力による張力によって破れる場合もあり、一旦破れて、積層表面に残存した薄いフイルム片を除去する作業は、例えばロール巻のラップフイルムがロール表面で破れたときに表面フイルムがロール表面に密着固着し、これを剥離できないと類似の状態の剥離不能状態に陥る恐れがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、多層式シートの各積層単位間が全面接着によって使用条件における安定な積層強度でありながら、表面フイルムの剥離に際しては、強い剥離力を必要としないで、円滑に化粧シートの表面を新しいフイルム表面に更新できる多層式使い捨て化粧シートを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の多層式使い捨て化粧シートにおける接着剤による接着力が強すぎることによる欠点を排除するために、化粧シートの接着剤層と基材フイルムとの間に適度の厚さのシリコーン層を介在させると接着剤層の接着力が低下して、しかも、この方法で接着力を低下させても化粧シートとして使用中の積層構造は十分に使用環境において安定であることに着目した。そして、積層間に介在する接着剤の接着力に対応して、シリコーン層の種類及び塗布厚さを適宜選択することによって、多層式使い捨て化粧シートの剥離容易性及び積層の安定接着性を両立できることを見出し、この知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の各項よりなる。
(1)厚さ10〜200μmの基材フイルムと接着剤層とシリコーン層よりなる積層単位を1以上含有し、かつ、基材フイルムを2以上含有する多層シートであって、該積層単位の積層順が表面側から基材フイルム、ドライラミネート工程でコーティングして形成されるドライラミネート用接着剤層、シリコーン層の順であり、該多層シートの裏面に粘着剤層を介して離型シートを設けたことを特徴とする多層式使い捨て化粧シート。
(2)基材フイルムがポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする1項記載の多層式使い捨て化粧シート。
(3)ドライラミネート用接着剤層の塗布量が0 . 01〜0 . 6g/m 2 である1又は2項記載の多層式使い捨て化粧シート。
(4)多層シートの少なくとも一辺に接着剤層が存在しない積層遊離部分を設けてなることを特徴とする1、2又は3項記載の多層式使い捨て化粧シート。
(5)多層シートの少なくとも一辺に接着剤層が存在しない積層遊離部分の各基材フイルムに剥離用テープラベルを取り付けたことを特徴とする4項記載の多層式使い捨て化粧シート。
(6)多層シートの少なくとも一辺に接着剤層が存在しない積層遊離部分において、下層基材フイルムの幅をその上層基材フイルムの幅より1〜3mm順次変更して、積層遊離部分において上層基材フイルムと下層基材フイルムの端部で微細段差を形成したことを特徴とする4項記載の多層式使い捨て化粧シート。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる基材フイルムは、本発明の多層式使い捨て化粧シートが貼着される対象物を保護し、美観を維持するのに適したものであれば特に制限なく使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−塩化ビニール共重合樹脂、ポリスチレン、エチレン−酢ビ共重合樹脂、酢酸セルロース、PETアルミ蒸着物、アルミフイルム等を使用できる。この中で、フイルムの強度、表面の耐擦傷性及び印刷性の点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムが特に好適である。
本発明に用いる基材フイルムは、無色若しくは有色の透明フイルム、又は、その表面若しくは裏面に、文字、模様、図形等、例えば、幾何学的模様、水玉模様、市松模様、木目模様等を印刷したものを好適に使用することができる。無色又は有色透明フイルムを使用する場合は、本発明化粧シートが貼着される保護面の模様等がそのまま表面に現れることになり、この場合本発明化粧シートは、これが貼着される表面の汚れ防止若しくは傷防止の保護シートとなる。
本発明に用いる基材フイルムの厚さは、10〜200μm、好ましくは30〜80μmの厚さのフイルムを使用することができる。厚さが薄いと、強度が低く、剥離操作の途中で破れ易くなる。また、厚さを大きくしても、装飾性及び保護フイルムの作用効果としては、緩衝性は向上するが通常の使用条件で厚さに見合うその他の効果は得られず、省資源的に不利である。
本発明の多層式使い捨て化粧シートに用いる複数の各積層単位の基材フイルムは同一種類の樹脂及び同一の種類の模様の印刷を用いることを原則とするが、積層毎に樹脂フイルムの種類及び印刷模様を変化させて、表面フイルムを剥ぎ取ることによって、化粧フイルムとしての装飾性を変化させ、貼着物の意匠性を積層表面毎に変更することができる。
【0006】
本発明の接着剤層に用いる接着剤は、上述の基材層の間の接着に適したものであれば特に制限するものではない。例えば、ポリエステル系、ウレタン系、アクリル酸エステル系、エチレン−酢ビ共重合樹脂、エチレン−塩化ビニール共重合樹脂等の接着剤が使用でき、ポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムにはポリエステル系、ウレタン系、アクリル酸エステル系が好適である。
本発明の接着剤層に用いる接着剤としては、積層工程の容易性及びシリコーン層との組み合わせによって、適度の接着力を容易に調節できる点で、ドライラミネート用接着剤によって、ドライラミネート工程でコーティングして形成される接着剤層が特に望ましい。
本発明に用いるドライラミネート用接着剤は、公知のドライラミネート用に用いる接着剤であれば、特に制限なく使用することができる。
本発明の接着剤の塗布方法は、上述の基材層に適したものであれば特に制限するものではない。例えば、エアドクターコータ、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、スプレーコータ、ラミネートコータ、グラビアコータ等を使用できるが、特に、接着剤層の厚さを調節できる点でグラビアコータ方式が好ましい。
本発明に用いる接着剤の塗布量は、用いる接着剤の接着力に応じて適宜選択することができる。通常は、0.01〜0.6g/m2、好ましくは0.1〜0.4g/m2を使用することができる。
本発明に用いるシリコーン層は、接着剤層の接着力を低下させるものであれば特に制限なく使用することができ、例えば、市販の剥離紙用シリコーン、信越化学シリコーンX−62−235P、KS−837、トーレシリコーンSRX−357、SRX−357、東芝シリコーンXS−56−707等を使用することができる。
剥離紙用市販シリコーンには、無溶媒型を始め、溶剤型の縮合反応型若しくは付加反応型及びエマルジョン型の縮合反応型若しくは付加反応型等がよく知られているが、いずれも、接着剤層の種類に応じて、塗布厚さを選択することによって、好適に使用することができる。また、剥離性に関しても、重剥離性、中剥離性、軽剥離性のものを適宜選択することができる。
【0007】
例えば、接着剤の接着力が強すぎるときは、シリコーン層の塗布厚さを厚くして、接着力を低下させ、接着剤の接着力があまり大きくないときは、シリコーン層の厚さを薄くするか、又はシリコーンの種類を軽剥離性のものを選択して、接着力を適度に維持させるように調節することができる。
シリコーン層の厚さは、溶剤型のシリコーンの濃度を選択することによって、同一の塗布方法で正確に厚さを調節することができる。そして、本発明においては、同一種類のシリコーン層であってもシリコーン層の厚さの選択によって、本発明多層式使い捨て化粧シートの積層構造における接着剤層の接着力は大きく変化させることができる。
本発明に用いるシリコーンの塗布量は、通常、0.05〜0.5g/m2、好ましくは0.15〜0.35g/m2である。シリコーン塗布量が0.05g/m2未満では、接着剤層の接着力の低下が十分でなく、0.5g/m2を超えると、接着力が低下し過ぎて積層構造の安定性が不十分となる。
本発明は、基材フイルムと接着剤層とシリコーン層よりなる積層単位を1以上有し、基材フイルムを2以上有する多層式使い捨て化粧シートの積層構造に含有するものである。多層式使い捨て化粧シートとしての効率性、経済性の観点から、積層単位としては3以上で、基材フイルムを4枚以上有するものが望ましい。
図1及び図2は、それぞれ、本発明の多層式使い捨て化粧シートで積層単位としては3単位で、基材フイルムを4枚の場合の二つの実施態様の積層構造を示す断面図である。
【0008】
図1は、上から順に、「シリコーン層4/基材フイルム1/接着剤層3/シリコーン層4/基材フイルム1/接着剤層3/シリコーン層4/基材フイルム1/接着剤層3/シリコーン層4/基材フイルム1/粘着剤層5/離型シート2」の接着剤層及びシリコーン層も入れて、合計13層の積層構造からなる本発明の一態様の多層式使い捨て化粧シートの断面図である。
図1の実施例の13層の積層構造には、基材フイルム1、接着剤層3及びシリコーン層4からなる積層単位を3積層単位含有し、4枚の基材フイルム1を含有している。この積層体の表面の基材フイルム1の一部を指で掴んで剥がすと、接着剤層3とシリコーン層4の間が遊離して、基材フイルム1を、弱い剥離力で円滑に剥がすことができる。
そして、図1の積層単位の積層順は、多層式使い捨て化粧シートの表面側の最上層のシリコーン層4を除いて、その下層から「基材フイルム1/接着剤層3/シリコーン層4」の順に積層された積層単位が、3積層単位含まれていて、その裏面側のシリコーン層4の裏面に、最下層の基材フイルム1が積層されていて、その積層の最下層の基材フイルム1の裏面側には粘着剤層5を介して離型シート2が貼着されている。
図1は、最上層の積層単位の基材フイルム1の上に、シリコーン層4を塗布したものである。本発明の図1の多層式使い捨て化粧シートは、この最上表面にシリコーン層があるので、表面の汚れ防止の作用効果が得られるので望ましい。
後述の実施例の製造工程から見ると、本発明の積層単位を「シリコーン層4/基材フイルム1/接着剤層3」の順にあると認識して、図1を説明することができる。
3種類の積層順は反復されるので、表面側からの順が同一であれば実質的に同一となる。すなわち、積層単位の積層順は、表面から、「基材フイルム1/接着剤層3/シリコーン層4」の積層順と「シリコーン層4/基材フイルム1/接着剤層3」の積層順は実質的に同一の積層順であることが分かる。
【0009】
すなわち、図1の13層の積層構造は、最上層に、シリコーン層4、基材フイルム1、接着剤層3の積層単位があり、この積層単位が、上から3単位積層されて、その裏面に、シリコーン層4を有する基材フイルム1が積層され、その最下層の基材フイルム1の裏面に粘着剤層5を介して離型シート2が貼着されていると説明することができる。
いずれにしても、図1は、表面側から数えて、「基材フイルム1/接着剤層3/シリコーン層4」の順に積層された積層単位を3積層単位含み、基材フイルムを4枚含む多層体である。
図2は、同様に、基材フイルム1、接着剤層3、シリコーン層4からなる積層単位を3積層単位含み、かつ基材フイルム1を4枚含む積層構造である点では図1と同一であるが、表面側から基材フイルム1、シリコーン層4、接着剤層3の順に積層された積層単位である点で図1の積層構造と相違している。積層構造の裏面側に粘着剤層5を介して離型シート2が貼着されている点では図1の多層式使い捨て化粧シートと同一である。
図1の断面構造の多層式使い捨て化粧シートの方が、剥離後の化粧シートの表面に汚れが付きにくいシリコーン層が露出するので、汚れが付着しやすい場所に使用する多層式使い捨て化粧シートには、汚れ防止の観点からは図1の態様の方が望ましい態様である。
【0010】
図3の多層式使い捨て化粧シートは、下辺の端に、幅2〜15mm程度の幅で、接着剤を塗布しない部分を設けて、各基材フイルムの間が接着しないで遊離している積層遊離部分7が形成されている。この積層遊離部分で、遊離している基材フイルムの端を持って表面フイルムのみを剥離することができる。
図3の多層式使い捨て化粧シートにおいて、下辺の端の積層遊離部分7は、接着剤の塗布工程で接着剤の塗布幅を基材フイルムの幅より狭くすることによって、連続工程で容易に形成することができる利点がある。
従来技術、例えば、前述の実開昭62−9013号公報及び実開平2−147711号公報の方法では、連続工程で行うことは困難である。
本発明の多層式使い捨て化粧シートには、図3で示すように、上記積層遊離部分に剥離用テープラベル6を取り付けることが望ましい。テープラベルは、合成樹脂製又は紙製のシート小片を使用することができる。
この積層遊離部分7に剥離用テープラベル6を挟んで、これを剥離用テープラベル6の上層の基材フイルムに貼着したものである。
この剥離用テープラベル6を持ち上げることによって、その上にある表面フイルムのみを選択して剥離することができる。
この剥離用テープラベル6は、図1及び図2の基材シートに、粘着剤等の固定方法で適宜取り付けることができる。特に、剥離用テープラベル6には、色分け若しくは数字の印刷によって、最上層の基材フイルム1から順に区別するのが望ましい。取り付け方法は、剥離用テープラベル6に粘着剤を塗布して行うこともできる。
また、別法として、下層基材フイルムの幅をその上層基材フイルムの幅より1〜3mm程度順次変更して、積層遊離部分7において、上層基材フイルムと下層基材フイルムに段差をつけて、この段差に、ペーパーナイフ等を入れて上層基材フイルムを剥離して、表面フイルムのみを選択剥離させる方法を採用することができる。
この場合は、下層フイルムを上層フイルムより、幅を狭くする態様及び広くする態様のいずれも使用条件に対応して適宜採用することができる。
本発明に用いる粘着剤及び離型シートは、公知の粘着剤及び離型シートを、特に制限なく使用することができる。例えば、市販の粘着剤層を塗布して離型シートを裏面に貼着することができる。
【0011】
【実施例】
実施例には、次の材料を使用した。
基材印刷フイルム:
基材フイルムとして、厚さ30μmのPETフイルムの裏面に木目模様を印刷したものを使用した。次いで、この印刷PETの表面に、シリコーン層をグラビア方式で塗布した。シリコーン層は、信越化学株式会社製「シリコーンX−62−235P」10重量%をトルエン90重量%に溶解した溶液をグラビア方式で塗布して、乾燥後、ロール巻状態で複数本を用意した。シリコーン層の塗布量は、乾燥重量で0.21g/m2であった。
接着剤:
接着剤として、一般ラミネート用接着剤、TM−329[東洋モートン株式会社製製品]を使用した。
ポリウレタン樹脂TM−329を18重量部(不揮発分70%)に対して、硬化剤としてポリイソシアネートCAT−8B[東洋モートン株式会社製]18重量部(不揮発分75%)及び希釈剤としての酢酸エチル68.4重量部を配合して、粘度カップ12.6の粘度の接着剤溶液(不揮発分25%)を調製した。この接着剤溶液によって、乾燥重量3g/m2の塗布量でリバースコート方式で、ドライラミネート工程において、PETフイルムに塗布した。
上記の材料を使用して、図4のドライラミネート積層工程によって、図1の多層式使い捨て化粧シートを製造した。
図4の左のロール17及び右のロール18には、前以て用意したシリコーン層を塗布した第一の基材印刷フイルム11及び第二の基材印刷フイルム12を装填する。
ロール17から基材印刷フイルム(印刷PETフイルム)11は、塗布されたシリコーン層15を上にして送り出される。複数の送りロールによって、リバースコーター方式で、接着剤塗布工程で、基材印刷フイルムの下面側に接着剤13が塗布される。次いで、ロール操作でフイルムの下面側が反転して、乾燥機16の中を接着剤塗布面を上にして通過して接着剤層中の溶剤を除去乾燥する。
【0012】
乾燥後、形成されたドライラミネート層14がロール19の位置で反転して下方側となる。一方、ロール18から第二の基材印刷フイルム12がシリコーン層15を上にして送り出される。重合ロール20の位置で、第一基材印刷フイルムの接着剤層14と第二基材印刷フイルムのシリコーン層15を接して積層される。
このとき、図1の積層の上から6層に相当する、「シリコーン層4/基材フイルム1/接着剤層3/シリコーン層4/基材フイルム1/接着剤層3」の積層構造を有する積層体が形成される。
次に、この6層の積層体を図4の工程図のロール17に装填して、ロール18に第三のシリコーン層を塗布した印刷PETフイルムを装填して、同様の工程によって、図1の上から9層までの積層体を製造することができる。
そして、この積層体を同様にロール17に装填して同様に操作を繰り返すと、図1の上から11層までの積層体が製造できる。
この積層工程において、接着剤塗布工程の接着剤塗布幅を基材フイルムの幅より狭くすることによって、図3の多層式使い捨て化粧シートの下辺の接着剤が塗布されていない部分を形成することができる。また、このとき、ロール17に装填する基材フイルムと、ロール18に装填する基材フイルムの幅を僅かに変更することによって、図3の多層式使い捨て化粧シートの接着剤が塗布されていない部分に剥離に便利な段差を形成させることができる。
この積層体の裏面に、粘着剤を塗布した離型シートを貼着する常法によって、図1の多層式使い捨て化粧シートを製造することができる。
多層式使い捨て化粧シートの製造では、上記のように、1枚の印刷PETフイルムを順次積層する代わりに、2枚積層したもの同士を積層して、印刷PETフイルム4枚の図1の多層式使い捨て化粧シートを製造することもできる。
また、上記実施例において、シリコーン層の塗布は、信越化学株式会社製「シリコーンX−62−235P」10重量%をトルエン90重量%に溶解した溶液を用いたが、この溶液のシリコーン濃度10重量%溶液の代わりに、シリコーン濃度8重量%溶液及び5重量%溶液に変更して、他の条件は同一の製造方法で、多層式使い捨て化粧シートを製造した。
【0013】
10重量%溶液(塗布量:乾燥重量で0.21g/m2)では、積層状態も安定している上に、指による表面フイルムの剥離性も容易であった。
積層状態の安定性は、保護面に貼着した積層フイルムの上に、熱湯を入れた直径20cmの鍋を10分間静置したのち、その上を消しゴムで強く30回摩擦して、積層体にブリスター又は凹凸変形等の異常がないことで判断した。
次に、8重量%溶液(塗布量乾燥重量で0.16g/m2)の場合も、少し剥離性が低下したが円滑に剥離することができる。
5重量%の溶液(塗布量乾燥重量で0.11g/m2)の場合は、表面のフイルムを指の力で剥がすのが、非常に困難であった。
このことは、本発明多層式使い捨て化粧シートにおいては、用いる接着剤の種類に対応して、シリコーン層の塗布厚さ、場合によってはシリコーンの種類を選択すると、適当な剥離性と積層安定性が得られることを示している。
【0014】
【発明の効果】
本発明の多層式使い捨て化粧シートは、積層に用いる接着剤層の接着力を、シリコーン層で低下させることによって、使用済みの表面フイルムのみを剥離することを容易にする効果が得られる点に特徴がある。
そして、接着剤層の接着力低下のために作用するシリコーン層が、表面フイルムを剥離後に、表面を保護して多層式使い捨て化粧シートの汚れ防止に寄与するという一石二鳥の副次的効果を得ることができる。
また、本発明の表面フイルムのみ剥離する手段は連続工程によって、形成できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明多層式使い捨て化粧シートの断面図である。
【図2】図2は、本発明の他の態様の多層式使い捨て化粧シートの断面図である。
【図3】図3は、他の態様の多層式使い捨て化粧シートの平面図である。
【図4】図4は、本発明多層式使い捨て化粧シートの積層工程の1態様の説明図である。
【符号の説明】
1 基材フイルム
2 離型シート
3 接着剤層
4 シリコーン層
5 粘着剤層
6 剥離用テープラベル
7 積層遊離部分
11 基材印刷フイルム
12 基材印刷フイルム
13 接着剤
14 ドライラミネート層
15 シリコーン層
16 乾燥機
17、18、19 ロール
20 重合ロール

Claims (6)

  1. 厚さ10〜200μmの基材フイルムと接着剤層とシリコーン層よりなる積層単位を1以上含有し、かつ、基材フイルムを2以上含有する多層シートであって、該積層単位の積層順が表面側から基材フイルム、ドライラミネート工程でコーティングして形成されるドライラミネート用接着剤層、シリコーン層の順であり、該多層シートの裏面に粘着剤層を介して離型シートを設けたことを特徴とする多層式使い捨て化粧シート。
  2. 基材フイルムがポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1記載の多層式使い捨て化粧シート。
  3. ドライラミネート用接着剤層の塗布量が0 . 01〜0 . 6g/m 2 である請求項1又は2記載の多層式使い捨て化粧シート。
  4. 多層シートの少なくとも一辺に接着剤層が存在しない積層遊離部分を設けてなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の多層式使い捨て化粧シート。
  5. 多層シートの少なくとも一辺に接着剤層が存在しない積層遊離部分の各基材フイルムに剥離用テープラベルを取り付けたことを特徴とする請求項4記載の多層式使い捨て化粧シート。
  6. 多層シートの少なくとも一辺に接着剤層が存在しない積層遊離部分において、下層基材フイルムの幅をその上層基材フイルムの幅より1〜3mm順次変更して、積層遊離部分において上層基材フイルムと下層基材フイルムの端部で微細段差を形成したことを特徴とする請求項4記載の多層式使い捨て化粧シート。
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