JP2020050756A - 透明粘着フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】気泡の混入が抑制されていることから視認されにくく、被着体の意匠性に与える影響が少ない透明粘着フィルムを提供する。【解決手段】凹凸面を有する基材と、基材の凹凸面の反対側の面に積層された粘着剤層とを備える積層単位を2以上備える透明粘着フィルムであって、透明粘着フィルムの最も外側に位置する粘着剤層以外の粘着剤層の厚みが当該粘着剤層に凹凸面が貼着される基材の凹凸面の表面粗さRaの5倍以上であり、周波数1Hzのせん断ひずみで動的粘弾性測定により測定された23℃の貯蔵弾性率が1.0×106Pa以下である透明粘着フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、透明粘着フィルムに関する。
従来、最表面にあるフィルムを剥離して表面の外観や清潔性を復元する積層フィルムが知られている。
例えば、特許文献1には、基材フイルムと接着剤層とシリコーン層よりなる積層単位を1以上含有し、かつ、基材フイルムを2以上含有する多層シートであって、該多層シートの裏面に粘着剤層を介して離型シートを設けたことを特徴とする多層式使い捨て化粧シートが記載されている。
また、防キズ等の用途に用いられる透明粘着フィルムにおいて、表面に微細な凹凸を設けることで、光の過度な反射を抑制し、透明粘着フィルムの視認性を低下させ、被着体に貼付した際にも被着体の意匠性を損なわないようにしたものが知られている。
例えば、特許文献2には、第1主要面とその反対側の第2主要面とを持つ支持層を有する透明防滑性保護シートであって、該第1主要面に配置された複数の半球状突起を有し、該半球状突起は第1主要面の一部を構成するランド部によって囲まれている透明防滑性保護シートが記載されている。
特開2003−305819号公報 特開2010−19028号公報
特許文献2に記載されたような表面に微細な凹凸を有する透明粘着フィルムを、特許文献1に記載されたシートのように粘着剤層を介して積層すると、基材の凹凸面側と粘着剤層との間に気泡が混入する場合がある。このような場合、透明粘着フィルムが視認されやすくなり、被着体に貼付した際に被着体の意匠性を損なうことがある。
上記に鑑みて、本発明は、気泡の混入が抑制されていることから視認されにくく、被着体の意匠性に与える影響が少ない透明粘着フィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を鑑みて鋭意研究を行った結果、下記構成を有する透明粘着フィルムにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の透明粘着フィルムは、凹凸面を有する基材と、基材の凹凸面の反対側の面に積層された粘着剤層とを備える積層単位を2以上備える透明粘着フィルムであって、透明粘着フィルムの最も外側に位置する粘着剤層以外の粘着剤層の厚みが当該粘着剤層に凹凸面が貼着される基材の凹凸面の表面粗さRaの5倍以上であり、周波数1Hzのせん断ひずみで動的粘弾性測定により測定された23℃の貯蔵弾性率が1.0×10Pa以下である。
また、本発明の一態様に係る透明粘着フィルムは、基材の凹凸面側に形成された剥離処理層を備える。
また、本発明の一態様に係る透明粘着フィルムにおいて、透明粘着フィルムの最も外側に位置する粘着剤層は、周波数1Hzのせん断ひずみで動的粘弾性測定により測定された23℃の貯蔵弾性率が1×10Pa以下であってよい。
また、本発明の一態様に係る透明粘着フィルムは、粘着剤層が、アクリル系粘着剤およびゴム系粘着剤からなる群から選択される少なくとも1種からなっていてよい。
本発明の透明粘着フィルムは、気泡の混入が抑制されていることから視認されにくく、被着体の意匠性に与える影響が少ない。
図1は、本発明の実施形態に係る透明粘着フィルムの一態様の概略断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る透明粘着フィルムの他の態様の概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
また、本明細書において、凹凸面の凹凸の平均間隔Sm、平均傾斜角θa及び算術平均表面粗さRaの定義は、JIS B 0601(1994年版)に基づく。また、これらの特性値は、触針式表面粗さ測定器(例えば、小阪研究所製、高精度微細形状測定器、商品名「サーフコーダET4000」)により測定することができる。なお、平均傾斜角θaは、θa=tan−1Δaの式で定義される値である。Δaは、JIS B 0601(1994年版)に規定される粗さ曲線において隣り合う凸部の頂点と凹部の最下点との差(高さh)の合計(h1+h2+h3+・・・・・・・+hn)から粗さ曲線の基準長さLを除した値であり、すなわち、Δa=(h1+h2+h3+・・・・・・・+hn)/Lの式で表される。
また、本明細書において60°光沢度GLの定義は、JIS Z 8741(1997年版)に基づく。
なお、本明細書において「フィルム」という場合には、シートを含み、「シート」という場合には、フィルムを含む概念とする。
[透明粘着フィルム]
図1は、本実施形態に係る透明粘着フィルムの一態様の概略断面図であり、図2は、本実施形態に係る透明粘着フィルムの他の態様の概略断面図である。
本実施形態の透明粘着フィルム(以下、単に「粘着フィルム」ともいう)200は、凹凸面を有する基材と、基材の凹凸面の反対側の面に積層された粘着剤層とを備える積層単位を2以上備える透明粘着フィルムであって、透明粘着フィルムの最も外側に位置する粘着剤層以外の粘着剤層の厚みが当該粘着剤層に凹凸面が貼着される基材の凹凸面の表面粗さRaの5倍以上であり、周波数1Hzのせん断ひずみで動的粘弾性測定により測定された23℃の貯蔵弾性率が1.0×10Pa以下である。
図1に示す態様の粘着フィルム200は、基材220a(第1の基材220a)と粘着剤層210a(第1の粘着剤層210a)とからなる積層単位(第1の積層単位)及び基材220b(第2の基材220b)と粘着剤層210b(第2の粘着剤層210b)とからなる積層単位(第2の積層単位)を備え、すなわち、基材と、粘着剤層とを備える積層単位を2つ備え、第2の粘着剤層210bは、第1の基材220aの凹凸面上に積層されている。また、図2に示す態様の粘着フィルム200は、基材と粘着剤層とからなる積層単位を5つ備える。
なお、以下において、粘着フィルムの最も外側に位置する粘着剤層を「貼着用粘着剤層」ということがある。また、貼着用粘着剤層以外の粘着剤層、即ち、基材同士の間に位置する粘着剤層を「層間粘着剤層」ということがある。
図1に示す例においては、第1の粘着剤層210aが貼着用粘着剤層であり、第2の粘着剤層210bが層間粘着剤層であり、第2の粘着剤層210bは厚みが第1の基材220aの凹凸面の表面粗さRaの5倍以上であり、周波数1Hzのせん断ひずみで動的粘弾性測定により測定された23℃の貯蔵弾性率が1.0×10Pa以下である。
図2に示す例においては、第1の粘着剤層210aが貼着用粘着剤層であり、第2〜5の粘着剤層210b、210c、210d、210eが層間粘着剤層であり、第2〜5の粘着剤層210b、210c、210d、210eは厚みがそれぞれ第1〜4の基材220a、220b、220c、220dの凹凸面の表面粗さRaの5倍以上であり、周波数1Hzのせん断ひずみで動的粘弾性測定により測定された23℃の貯蔵弾性率が1.0×10Pa以下である。
本実施形態の粘着フィルムは、透明である。ここで透明とは、波長380nm〜780nmの光の透過率が40%以上のものをいう。
本実施形態の粘着フィルムは、貼着用粘着剤層を介して被着体に貼り付けて使用される。ここで、被着体とは粘着フィルムが貼付される対象物をいい、特に限定されないが、例えば、床材、家具、自動車、機械、ロボット、皮膚等が挙げられる。なお、以下粘着フィルムの被着体に貼り付けられる側の面を「粘着面」ということがある。
本実施形態の粘着フィルムは、最表面に位置する積層単位のみを剥離して破棄し、内部にある新たな基材を最表面に露出させることができる。すなわち、最表面に位置する基材が損傷する、汚染されるなどして粘着フィルムが視認されやすくなった場合に、当該基材を含む積層単位を剥離して新たな基材を露出させることで、再び視認性を低減させることができる。
粘着フィルムを構成する積層単位の数が増えるほど、上記の最表面の積層単位の剥離を行うことができる回数が増えるため好ましいが、視認性の観点からは、積層単位の数は少ないことが好ましい。したがって、積層単位の数は、20層以下が好ましく、15層以下がより好ましく、10層以下が更に好ましい。
本実施形態の粘着フィルムは、被着体への貼り付け前においては、粘着面の表面に剥離フィルムが設けられる、又は、粘着フィルムがロール状に巻回されることにより、貼着用粘着剤層210aに最も外側に位置する基材(図1の態様では基材220b、図2の態様では基材220e)の凹凸面が当接する等の方法により、粘着面が保護されることが好ましい。
本実施形態の粘着フィルムの厚みは特に限定されないが、視認性を低減するという観点からは400μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることがさらに好ましい。一方、被着体を損傷から保護するという観点や、積層単位の数を確保するという観点からは、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。
また、粘着フィルムのヘイズも視認性に影響を与える要因である。ヘイズは詳細には外部ヘイズ、内部ヘイズ、全体ヘイズがあり、(外部ヘイズ=全体ヘイズ−内部ヘイズ)の関係にある。これらの内、特に全体ヘイズ及び外部ヘイズが視認性に影響を与える。
これらの値は特に限定されないが、過大であったり過小であったりすると、粘着フィルムが視認されやすくなる恐れがある。特に、ヘイズが過大である場合は粘着フィルムが白っぽくなり、逆に過小である場合は粘着フィルムの表面で光の反射が生じやすくなり、いずれの場合も粘着フィルムが視認されやすくなる恐れがある。
上記観点より、粘着フィルムの全体ヘイズは15%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。また、95%以下であることが好ましく、90%以下であることがより好ましく、85%以下であることがさらに好ましい。また、粘着フィルムの外部ヘイズは10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましく、20%以上であることがさらに好ましい。また、80%以下であることが好ましく、75%以下であることがより好ましく、70%以下であることがさらに好ましい。なお、後述の第二の実施形態においても同様である。
全体ヘイズは、JIS K 7136(2000年版)に従って測定することができる。なお、ヘイズの測定は、基材の凹凸面側の面を光出射面として行う。内部ヘイズは、凹凸面の表面(ヘイズ測定時の光出射側)のヘイズに対する影響をなくした状態で、測定されたヘイズをいう。例えば、光出射側の面に、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを貼着し、これによって、凹凸面の表面凹凸がつぶれ、平坦な層となった評価試料を作製し、該評価試料のヘイズを内部ヘイズとすることができる。すなわち、表面を平坦にした評価試料は、表面凹凸によるヘイズをもたない、内部ヘイズだけを持つ状態となっている。したがって、この評価試料のヘイズを測定して、内部ヘイズを求めることができる。
以下に、本実施形態の粘着フィルムを構成する各要素について説明する。
<基材>
本実施形態の粘着フィルムにおける基材は、凹凸面を有する。この凹凸面により、基材の表面における過度の光の反射が抑制され、粘着フィルムが視認されにくくなる。
本実施形態における基材の材質は、透明であれば特に限定はされず、各種のフィルムを用いることができるが、通常、基材は樹脂フィルムである。
本実施形態の粘着フィルムにおいて、各積層単位の基材は、同一であってもよく、異なってもよい。すなわち、本実施形態の粘着フィルムは、材質や形状等の異なる複数種の基材を含んでもよい。
また、基材は単層構造であってもよく、2層以上の多層構造であってもよい。また、基材の最表面の層は、帯電防止層、防汚層、防滑層、抗菌層などであってもよい。
本実施態様の粘着フィルムにおける基材は、凹凸面に形成された剥離処理層を備えることが好ましい。
剥離処理層は、剥離処理剤を任意の方法で基材の凹凸面に適用することで形成することができる。剥離処理剤としては、任意の適切な剥離処理剤を採用し得る。例えば、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキル系剥離剤、低分子量ポリエチレン系剥離剤、低分子量ポリプロピレン系剥離剤、ゴム系ポリマー、リン酸エステル系界面活性剤などを用いることができる。
本実施形態の粘着フィルムにおける基材のうち、最も外側に位置する基材以外の基材、即ち、粘着剤層同士の間に位置する基材がこのような剥離処理層を備えることで、上述した最表面の積層単位の剥離が容易となる。また、最も外側に位置する基材が剥離処理層を備えることで、粘着フィルムをロール状に巻回して粘着面を保護した際に、粘着面と最も外側に位置する基材との剥離が容易となる。
樹脂フィルムを構成する樹脂に特に制限はないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂等を用いることができる。上記樹脂フィルムは、このような樹脂の1種類を単独で含む樹脂材料を用いて形成されたものであってもよく、2種以上がブレンドされた樹脂材料を用いて形成されたものであってもよい。上記樹脂フィルムは、無延伸であってもよく、延伸(一軸延伸または二軸延伸)されたものであってもよい。
好ましい樹脂材料として、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、エーテル系ポリウレタン、エステル系ポリウレタン、カーボネート系ポリウレタン等が挙げられ、特に後述のエンボス加工における加工性、耐摩耗性、耐候性の観点から、カーボネート系ポリウレタンが好ましい。
基材には、本発明の効果を阻害しない範囲において、公知の添加剤を必要に応じて含有させることができる。例えば、紫外線吸収剤等の光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、充填材、可塑剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤等の添加剤を適宜配合することができる。これら添加剤は、それぞれ1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。添加剤の配合量は、通常の配合量の範囲内から適宜設定すればよい。
樹脂フィルムの製造方法は特に限定されない。例えば、押出成形、インフレーション成形、Tダイキャスト成形、カレンダーロール成形等の、従来公知の一般的な樹脂フィルム成形方法を適宜採用することができる。
基材に凹凸面を形成する方法は特に限定されないが、エンボス加工により形成することが好ましい。例えば、基材に熱を加えて基材を軟化させ、これをエンボス型で加圧することで、基材に特定の形状の凹凸面を形成することができる。
また、ほかにも基材の表面に、バインダー樹脂(又は、その前駆体)と、粒子とを含む組成物を塗布し、その後当該組成物を硬化させることによって基材に凹凸面を形成することも好ましい。
本発明において基材に凹凸面を形成する方法は、上記以外にも公知の方法を用いることができ、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷、ナノインプリントによる転写等により基材に凹凸面を形成することができる。
本実施形態における基材の厚みは、特に限定はされないが、厚みを大きくすることにより、強度が向上し、被着体を損傷から保護する能力が向上する。したがって、基材2の厚みは好ましくは10μm以上であり、より好ましくは15μm以上であり、さらに好ましくは20μm以上である。一方、基材の厚みを小さくすることにより、粘着フィルムを視認されにくくすることができ、さらに、粗面や曲面に対する追従性が向上するため、粘着フィルムを様々な形状の被着体に貼付できるようになる。したがって、基材の厚みは好ましくは400μm以下であり、より好ましくは300μm以下であり、さらに好ましくは200μm以下である。
また、基材のヘイズや表面の形状も粘着フィルムの視認性に影響する要因である。以下に本実施形態の粘着フィルムの視認性を低下させる観点から、本実施形態における基材のヘイズや表面の形状の特に好ましい態様について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施形態における基材の凸凹面において、凸凹の平均間隔Sm、凹凸の平均傾斜角θa、凸凹面の算術平均表面粗さRa等を適切な範囲内とすることで、基材の表面で光が過度に散乱されて基材が白く見えるようになりにくくなり、また、基材の表面で光が過度に反射されて基材がぎらついて見えるようになりにくくなり、したがって、粘着フィルムをより一層視認されにくくすることができる。
上記観点より、基材の表面の凸凹面における凸凹の平均間隔Smは50μm以上であることが好ましく、75μm以上であることがより好ましく、100μm以上であることがさらに好ましい。また、500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることがさらに好ましい。
また、基材の凹凸面における凹凸の平均傾斜角θaは0.5°以上であることが好ましく、1°以上であることがより好ましく、1.5°以上であることがさらに好ましい。また、15°以下であることが好ましく、10°以下であることがより好ましく、5°以下であることがさらに好ましい。
また、基材の凸凹面におけるRaは0.1μm以上であることが好ましく、0.15μm以上であることがより好ましく、0.3μm以上であることがさらに好ましい。また、2.5μm以下であることが好ましく、2.0μm以下であることがより好ましく、1.5μm以下であることがさらに好ましい。
また、基材の凹凸面の光沢度を抑制することにより、基材表面で光が反射されにくくなり、粘着フィルムがより一層視認されにくくなる。したがって、基材の凹凸面における60°光沢度GLは60%以下であることが好ましく、30%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。
一方、基材の凸凹面における60°光沢度GLの下限値に特に限定はないが、小さすぎる場合、先述の凸凹の平均間隔Smや平均傾斜角θaの好ましい範囲を満たすことが困難になる場合がある。したがって、基材の凸凹面における60°光沢度は2.5%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましく、7.5%以上であることが更に好ましい。
基材のヘイズ(外部ヘイズ、内部ヘイズ、全体ヘイズ)も視認性に影響を与える要因であり、特に全体ヘイズ及び外部ヘイズが視認性に影響を与える。
粘着フィルムをより一層視認されにくくするためには、基材の全体ヘイズは15%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましい。また、95%以下であることが好ましく、90%以下であることがより好ましく、85%以下であることがさらに好ましい。また、基材の外部ヘイズは3%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましく、10%以上であることがさらに好ましい。また、80%以下であることが好ましく、75%以下であることがより好ましく、70%以下であることがさらに好ましい。
<貼着用粘着剤層>
本実施形態における貼着用粘着剤層は、粘着フィルムの最も外側に位置する粘着剤層であり、粘着フィルムを被着体に貼付するために設けられた、粘着力を有する層である。
本実施形態における貼着用着剤層を構成する粘着剤の成分は透明であれば特に限定されず、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の粘着剤を使用することができるが、アクリル系粘着剤およびゴム系粘着剤からなる群から選択される少なくとも1種からなる粘着剤を使用することが好ましい。
ここで、アクリル系粘着剤とは、アクリル系共重合体をベースポリマーとして含有する粘着剤をいい、ゴム系粘着剤とはゴム系共重合体をベースポリマーとして含有する粘着剤をいう。ベースポリマーとは、当該粘着剤に含まれるポリマー成分のなかの主成分(配合割合の最も大きい成分。以下同じ。)を指し、典型的には上記ポリマー成分の50重量%よりも大きい割合を占める成分をいう。
アクリル系粘着剤としては、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、これに必要に応じて該アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な改質用モノマーを加えたモノマー組成を有するアクリル系ポリマーをベースポリマー(ポリマー成分のなかの主成分)とするものを好ましく用いることができる。上記改質用モノマーの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;スチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル等のビニルエステル類;等が挙げられる。かかるアクリル系粘着剤は、溶液重合法、エマルション重合法、紫外線(UV)重合法等の慣用の重合法により得ることができる。
ゴム系粘着剤の例としては、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤等が挙げられる。合成ゴム系粘着剤のベースポリマーたるゴム系ポリマーの具体例としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブチルゴム、ポリイソブチレン、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系エラストマー;スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレンブチレンランダム共重合体、等のスチレン系エラストマー;その他、エチレンプロピレンゴム、プロピレンブテンゴム、エチレンプロピレンブテンゴム等が挙げられる。
また、本実施形態における貼着用粘着剤層を構成する粘着剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で架橋剤や、ロジン系樹脂等の粘着付与剤、剥離調整剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、レベリング剤、充填材、pH調整剤、分散剤、安定剤、防腐剤、老化防止剤等の、粘着剤の分野において一般的に使用される各種添加剤を必要に応じてさらに含有してもよい。このような各種添加剤については、従来公知のものを常法により使用すればよい。
また、本実施形態における貼着用粘着剤層は、周波数1Hzのせん断ひずみで動的粘弾性測定により測定された、23℃の貯蔵弾性率(以下、単に「貯蔵弾性率」ともいう)が1×10Pa以下であることが好ましい。
貯蔵弾性率を1×10Pa以下とすることにより、貼着用粘着剤層の形状追従性を向上させることができ、粘着フィルムの粗面や曲面への貼付性を向上させることができる。このことにより、粘着フィルムを粗面や曲面に貼付する際に粘着フィルムと被着面との間に気泡が封入されにくくなり、気泡により視認されやすくなることを防止することができる。
また、貼着用粘着剤層の貯蔵弾性率は、5×10Pa以下とすることがより好ましく、3×10Pa以下とすることがさらに好ましい。
本実施形態における貼着用粘着剤層の厚みは、特に限定はされないが、厚みを大きくすることにより、貼着用粘着剤層の形状追従性を向上させることができ、粘着フィルムの粗面や曲面への貼付性を向上させることができる。したがって、貼着用粘着剤層の厚みは好ましくは10μm以上であり、より好ましくは30μm以上であり、さらに好ましくは50μm以上である。一方、貼着用粘着剤層の厚みを小さくすることにより、粘着フィルムを視認されにくくすることができる。したがって、貼着用粘着剤層の厚みは好ましくは200μm以下であり、より好ましくは150μm以下であり、さらに好ましくは100μm以下である。
<層間粘着剤層>
本実施形態における層間粘着剤層は、透明粘着フィルムの最も外側に位置する粘着剤層以外の粘着剤層であり、即ち、基材同士の間に位置する粘着剤層であり、基材同士を貼り合わせるために設けられた層である。
本実施形態における層間粘着剤層を構成する粘着剤の成分については、貼着用粘着剤層を構成する粘着剤の成分と同様である。
本実施形態の粘着フィルムにおいて、貼着用粘着剤層と層間粘着剤層とは、同一であってもよく、異なってもよい。また、本実施形態の粘着フィルムが層間粘着剤層を複数備える場合、各層間粘着剤層は、同一であってもよく、異なってもよい。すなわち、本実施形態の粘着フィルムは、材質や形状の異なる複数種の粘着剤層を含んでもよい。
本実施形態の粘着フィルムにおいて、層間粘着剤層の厚みが当該層間粘着剤層に凹凸面が貼着される基材の凹凸面の表面粗さRaに対して小さすぎる場合、層間粘着剤層と基材の凹凸面の間に気泡が混入しやすくなり、その結果粘着フィルムが視認されやすくなる。したがって、本実施形態における層間粘着剤層の厚みは、当該層間粘着剤層に凹凸面が貼着される基材の凹凸面の表面粗さRaの5倍以上とする。すなわち、図2においては、粘着剤層210bの厚みは基材220aの凹凸面の表面粗さRaの5倍以上であり、図3においては、粘着剤層210b、210c、210d、210eの厚みは、それぞれ基材220a、220b、220c、220dの凹凸面の表面粗さRaの5倍以上である。また、層間粘着剤層の厚みは、当該層間粘着剤層に凹凸面が貼着される基材の凹凸面の表面粗さRaの7.5倍以上であることがより好ましく、10倍以上であることがさらに好ましい。
一方、層間粘着剤層の厚みを小さくすることによっても、粘着フィルムを視認されにくくすることができる。したがって、層間粘着剤層の厚みは好ましくは200μm以下であり、より好ましくは100μm以下であり、さらに好ましくは50μm以下である。
また、本実施形態の粘着フィルムにおいて、層間粘着剤層の貯蔵弾性率が小さい場合にも、層間粘着剤層と基材の凹凸面の間に気泡が混入しやすくなり、その結果粘着フィルムが視認されやすくなる。したがって、本実施形態における層間粘着剤層の貯蔵弾性率は、1.0×10Pa以下とする。また、5.0×10Pa以下とすることがより好ましく、3.0×10Pa以下とすることがさらに好ましい。
一方、最表面の積層単位の剥離後に剥離した積層単位の粘着剤層が新たに露出した基材の凹凸面側に残ることを防止する等の観点からは、層間粘着剤層の貯蔵弾性率は7.5×10Pa以上であることが好ましく、1.0×10Pa以上であることがより好ましく、2.0×10Pa以上であることが更に好ましい。
<粘着フィルムの製造方法>
本実施形態の粘着フィルムの製造方法は特に限定されない。例えば、基材と粘着剤層とを備える積層単位を製造し、得られた積層単位を複数積層することで、本実施形態の粘着フィルムを得ることができる。このように積層単位を複数積層したのちに、ラミネーター等により粘着フィルムの厚み方向に加圧することが好ましい。粘着フィルムの厚み方向に加圧すること積層単位間に気泡が入ることを抑制することができる。
基材と粘着剤層とを備える積層単位の製造方法は特に限定されず、公知の方法を用いて製造することができる。
粘着剤層は、粘着剤と溶剤等を含む粘着剤組成物を用いて形成される。粘着剤組成物は特に限定されないが、例えば水系粘着剤組成物、溶剤型粘着剤組成物、ホットメルト型粘着剤組成物、活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物などである。
粘着剤層の形成方法は特に限定されず、例えば以下に説明する直接法や転写法等の従来公知の方法にて形成することが出来る。
直接法は、基材に粘着剤組成物を塗布し、乾燥させて粘着剤層を形成する方法である。転写法は、剥離紙等に粘着剤組成物を塗布して乾燥させることで粘着剤層を形成し、その粘着剤層を基材に転写する方法である。粘着剤の塗布は例えば、グラビアロールコーター、ダイコーター、バーコーター等の、従来公知のコーターを用いて行うことができる。あるいは、含浸やカーテンコート法等により粘着剤組成物を塗布してもよい。
直接法の場合、乾燥の際の温度は、基材表面に形成された凹凸形状を損なわない温度とする必要がある。また、粘着剤組成物に含有される溶剤として、基材を溶解・膨潤させないものを選択する必要がある。
一方、転写法では基材に対して加熱を行う必要がなく、また、粘着剤組成物に含有される溶剤が基材に接触することもないため、基材の凹凸形状を損なうおそれが少ない。このことから、転写法により粘着剤層を形成することが好ましい。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明の効果についてより具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
[基材の製造]
<基材1、2、4、5>
厚さ2mmの鏡面のSUS金属板に対して、種々の研磨を行い、種々の凹凸を持つSUS金属板を作製した。これらに長辺30cm、短辺20cm、厚み80μmの平滑なカーボネート系ポリウレタン基材を貼り合せた後に、ラミネーターにて150℃、0.1MPaの条件で加熱加圧転写し、室温まで冷却した後にカーボネート系ポリウレタン基材を凹凸を持つSUS金属板から剥がして、基材1、2、4を得た。また、凹凸を設けていない鏡面SUS金属板を用いて0.1MPaの条件で加熱加圧転写を行ったこと以外は同様にして、平滑な基材5を得た。
<基材3>
UV硬化型ウレタンアクリレート樹脂(固形分濃度80重量%、商品名:UNIDIC17−806、大日本インキ社製)の固形分100重量部に、光重合開始剤(商品名:IRGACURE184、BASF社製)5重量部、粒子径1.4μmのシリカ粒子(商品名:サイロホービック100、富士シリシア社製)6.5重量部、粒子径2.5μmのシリカ粒子(商品名サイロホービック702、富士シリシア社製)7.5重量部、フッ素系添加剤(商品名:メガファックF−556、大日本インキ社製)0.5重量部を混合し、この混合物を、溶媒(トルエン)を用いて固形分濃度が47重量%となるように希釈して、防眩性ハードコート層形成材料を調製した。
調整した防眩性ハードコート層形成材料を長辺30cm、短辺20cm、厚み40μmのトリアセチルセルロース基材に塗布し、80℃で1分間加熱することにより前記塗膜を乾燥させた。その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cmの紫外線を照射し、前記塗膜を硬化処理して厚み6μmの塗膜を形成し、基材3を得た。
[基材の物性の測定]
<60°光沢度の測定>
基材1〜5の60°光沢度をJIS Z 8741(1997年版)に準拠して測定した。具体的には、True Gloss GM−26PRO(60°グロス測定、(株)村上色彩技術研究所製)を用いて測定を行った。各基材について測定は5回行い、その平均値を基材の60°光沢度GLとした。結果を表1及び2に示す。
<凹凸面の形状(Ra、Sm、θa)の測定>
JIS B 0601(1994年度版)に従って、各基材の凹凸面における凹凸の平均間隔Sm(mm)および算術平均表面粗さRa(μm)を測定した。具体的には、基材1〜6の凹凸面とは反対側の面に、ガラス板(MATSUNAMI社製、MICRO SLIDE GLASS、品番S、厚み1.3mm、45×50mm)を粘着剤で貼り合わせ、試料を作製した。先端部(ダイヤモンド)の曲率半径R=2μmの測定針を有する触針式表面粗さ測定器((株)小阪研究所製、高精度微細形状測定器、商品名「サーフコーダET4000」)を用い、走査速度1mm/秒、カットオフ値0.8mm、測定長36mmの条件で、前記基材1〜10における凹凸面の表面形状を一定方向に測定し、凹凸の平均間隔Sm(mm)および算術平均表面粗さRaを求めた。また、得られた表面粗さ曲線から凹凸の平均傾斜角度θa(°)を求めた。結果を表1及び2に示す。なお、前記高精度微細形状測定器は、前記各測定値を自動算出する。
[例1〜19の粘着フィルムの製造]
<粘着フィルム1〜12>
表1に示す基材と貯蔵弾性率及び厚みが表1に示す通りであるアクリル系粘着剤からなる粘着剤層を、表1に示す順で積層し、ラミネーターにて貼り合せて、図1に示すように積層単位の数が2層である粘着フィルム1〜12を得た。
なお、第1層が被着体側の積層単位(図1の基材220aと粘着剤層210aとからなる積層単位)である。
また、例1〜6、例8〜12においては、第1層の基材の表面に長鎖アルキル系の剥離処理剤からなる剥離処理層を設けた。
<粘着フィルム13〜19>
表2に示す基材と貯蔵弾性率及び厚みが表2に示す通りであるアクリル系粘着剤からなる粘着剤層を、表2に示す順で積層し、ラミネーターにて貼り合せて、図2に示すように積層単位の数が5層である粘着フィルム13〜19を得た。
なお、第1層が被着体側の積層単位(図2の基材220aと粘着剤層210aとからなる積層単位)である。
また、例13〜15、例17〜19においては、第1層の基材の表面に長鎖アルキル系の剥離処理剤からなる剥離処理層を設け、例16においてはSiからなる剥離処理層を設けた。
[粘着フィルム1〜19の評価]
<ヘイズの測定>
JIS K 7136(2000年版)に従って、粘着フィルム1〜19の内部ヘイズ、外部ヘイズを求めた。ヘイズの測定は、基材の凹凸面側の面を光出射面として行った。内部ヘイズは、基材の凹凸面に、トリアセチルセルロースフィルムを貼着し、これによって、凹凸面の表面凹凸がつぶれ、平坦な層となった状態で測定した。結果を表1及び2に示す。
<光沢度>
測定角度を60°として、JIS K7105−1981に準じて、スガ試験機(株)製デジタル変角光沢計UGV−5DPを用いて粘着フィルム1〜19の光沢度を測定した。結果を表1及び2に示す。
<視認性評価>
得られた粘着フィルム1〜19を、フローリング板(パナソニック株式会社製 1.5mmWPBリフォームフロア ひのき柄)に貼付し、基材の視認性を、目視により評価した。評価は5(粘着フィルムを全く視認できない)、4(粘着フィルムを視認できない)、3(粘着フィルムがほぼ見えない)、2(角度等によっては粘着フィルムを視認できる)、1(明らかに粘着フィルムを視認できる)の5段階評価で行った。評価はシートを貼り合せたフローリング板を蛍光灯下に設置し、1mの距離から見た際の視認性を評価した。評価は10人で行い、10人の評価結果の平均値を視認性評価の評価結果とし、評価結果が3以上のものを合格とした。結果を表1及び2に示す。
<厚みの測定>
(株)尾崎製作所製デジタルゲージR1−205を用いて粘着フィルム1〜19の光沢度を測定した。結果を表1及び2に示す。
<剥離性評価>
各例の粘着フィルムを構成する積層単位のうち、第1層をアクリル板に貼り合せた後に、第2層を幅50mm長さ10cmに切り出して、第1層上にラミネーターにて0.5MPaの加圧条件にて貼り合せた。その後、第2層に対して、長手方向に、180度の角度で300mm/minの引張速度で(株)島津製作所製オートグラフAGS−50NXにて剥離力の測定を行った。測定された剥離力に応じて、以下の基準で剥離性を評価した。結果を表1及び2に示す。
(剥離性評価基準)
◎(特に良好):剥離力が1N未満
○(良好):剥離力が1N以上2N未満
△(やや不良):剥離力が2N以上
Figure 2020050756
Figure 2020050756
本発明の条件を満たす、例1〜3、6、7、9、10、13〜19の粘着フィルムは視認されにくかった。
例4の粘着フィルムは、第2層の粘着剤層の厚みが第1層の基材の凹凸面のRaの4.8倍であり、本発明において規定する範囲を下回った。その結果、層間に気泡が混入し、視認されやすかった。
例5の粘着フィルムは、第2層の粘着剤層の厚みが第1層の基材の凹凸面のRaの2.4倍であり、本発明において規定する範囲を下回った。その結果、層間に気泡が混入し、視認されやすかった。
例8の粘着フィルムは、第2層の粘着剤層の貯蔵弾性率が1.7×10Paであり、本発明において規定する範囲を上回った。その結果、層間に気泡が混入し、視認されやすかった。
例11の粘着フィルムは、第2層の粘着剤層の厚みが第1層の基材の凹凸面のRaの4.3倍であり、本発明において規定する範囲を下回った。その結果、層間に気泡が混入し、視認されやすかった。
例12の粘着フィルムは、基材が凹凸面を有さなかった。その結果、基材表面で光が反射し、視認されやすかった。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に制限されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
本発明の粘着フィルムは、典型的には物品を損傷から保護する目的において使用することができるが、これに限定されるものではない。例えば物品の係止や、補修などにも用いることができる。
200 粘着フィルム
210a 貼着用粘着剤層
210b、210c、210d、210e 層間粘着剤層
220a、220b、220c、220d、220e 基材

Claims (4)

  1. 凹凸面を有する基材と、前記基材の前記凹凸面の反対側の面に積層された粘着剤層とを備える積層単位を2以上備える透明粘着フィルムであって、
    前記透明粘着フィルムの最も外側に位置する粘着剤層以外の粘着剤層の厚みが当該粘着剤層に凹凸面が貼着される前記基材の凹凸面の表面粗さRaの5倍以上であり、周波数1Hzのせん断ひずみで動的粘弾性測定により測定された23℃の貯蔵弾性率が1.0×10Pa以下である透明粘着フィルム。
  2. 基材の凹凸面側に形成された剥離処理層を備える、請求項1に記載の透明粘着フィルム。
  3. 前記透明粘着フィルムの最も外側に位置する粘着剤層は、周波数1Hzのせん断ひずみで動的粘弾性測定により測定された23℃の貯蔵弾性率が1×10Pa以下である請求項1または2に記載の透明粘着フィルム。
  4. 前記粘着剤層が、アクリル系粘着剤およびゴム系粘着剤からなる群から選択される少なくとも1種からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明粘着フィルム。
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