JP3713224B2 - 水栓取替方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、サーモ型湯水混合水栓から手すり型水栓へ取替える水栓取替方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば浴室の洗い場に位置する壁の下部に、切替コックの切替操作により吐水管接続口またはシャワーホース接続口に切り替えて水、湯、または混合水を吐水管またはシャワーホースに供給するサーモ型湯水混合水栓が横置き状態で設置されている。この水栓は、筒状の水栓本体内に温度調整手段が組み込まれて給湯温度の調整が行われるものである。すなわち、温度調整手段は、給水側通路と給湯側通路にサーモバルブ本体を介して連通する混合通路を備えており、この温度調整手段で温調された混合水は水栓本体の軸心方向に沿って延びる環状通路から弁機構を介して前記吐水管接続口、または、シャワーホース接続口へ供給されたり、混合水の供給停止がおこなわれたりする。
【0003】
前記弁機構として、切替ハンドルの回動操作に連動して切替ハンドル軸とともに回動する可動ディスクと固定ディスクが用いられている。この両ディスクは、水栓本体の軸心と同軸になるよう水栓本体内に配置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記可動ディスクと前記固定ディスクは共にセラミック製であるため高価である。また、切替ハンドルの回動操作によって前記可動ディスクが回動し、この可動ディスクと前記固定ディスクに設けた長孔が整合することで前記環状通路から混合水を供給できるが、前記長孔を両ディスク内に形成するため、両ディスクが大径とならざるを得なかった。そのため、水栓本体の外径は例えば46mmとなり、前記外径をこれ以上短くすることはできず、サーモ型湯水混合水栓をコンパクト化する際の障害となっていた。
【0005】
一方、浴室内での動作を補助する目的で浴槽側のみならず洗い場側の壁にも手すりが設置されているが、ただでさえ狭い浴室の洗い場が前記手すりに邪魔されて狭くなる上に前記手すりに体が当たることがあった。
【0006】
そのため、筒状の前記水栓本体をストレートに横方向に長く形成して手すりに兼用することが考えられるが、弁機構として前記両ディスクを用いている限り水栓本体の外径を浴室に設置される手すりとして規格に合った例えば34mmに設定するのは難しい。
【0007】
この発明は、サーモ型湯水混合水栓から手すり型水栓へ取替える水栓取替方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、一端に水、湯、または混合水の吐出・止水機能と流量調整機能を有する切替ハンドルを設けるとともに、他端に混合水の温度調節機能を有する温調ハンドルを設けた筒状の水栓本体の内部に、前記切替ハンドルと接続可能な切替ユニットと、前記温調ハンドルと接続可能な温調ユニットとが装入され、更に、前記温調ユニットの端部は、前記切替ユニットの端部に接続可能に構成されてなるサーモ型湯水混合水栓の構成部材を利用して手すり型水栓へ取替える水栓取替方法であって、前記水栓本体から湯配管用継手、水配管用継手、シャワーホース用継手および/または吐水管用継手をそれぞれ取り外し、ストレートに横方向に長く、内部に接続管を有する第1の水栓本体部分の両端に着脱自在に装着される第2、第3の水栓本体部分のうち、前記温調ハンドルが取り付けられるとともに前記温調ユニットが装入される第2の水栓本体部分に前記湯配管用継手を接続し、前記切替ハンドルが取り付けられるとともに前記切替ユニットが装入される第3の水栓本体部分に前記水配管用継手、シャワーホース用継手および/または吐水管用継手を接続し、前記接続管の両端を前記温調ユニットの端部および前記切替ユニットの端部に接続する。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態について説明する。なお、この発明はそれによって限定されるものではない。
【0011】
図1〜図3は、例えば34mmの外径を持つ筒状の水栓本体を備えた、この発明で用いるサーモ型湯水混合水栓を示す。
【0012】
図1〜図3において、1は、34mmの外径Hを持つ筒状の水栓本体で、一端に水、湯、または混合水の吐出・止水機能と流量調整機能を有する切替ハンドル2を設けるとともに、他端に混合水の温度調節機能を有する温調ハンドル3を設けてある。前記水栓本体1は、一端に切替ユニット装入用の開口1aを有する一方、他端に温調ユニット装入用の開口1bを有する。
【0013】
4は、前記切替ハンドル2と接続可能な切替ユニットで、前記開口1aを介して水栓本体1の内部に水栓本体1の軸心Aと同軸になるよう装入配置される。
【0014】
5は、前記温調ハンドル3と接続可能な温調ユニットで、前記開口1bを介して水栓本体1の内部に水栓本体1の軸心Aと同軸になるよう装入配置される。
【0015】
また、前記温調ユニット5の端部5aは、Oリング6を介して前記切替ユニット4の端部4aに接続可能に構成されている。この実施形態では前記端部4a内に前記端部5aが着脱可能に嵌込まれている。
【0016】
更に、前記水栓本体1は、湯配管(図示せず)に連通するよう湯配管用継手7が着脱可能に装着された湯接続口8と、水配管(図示せず)に連通するよう水配管用継手9が着脱可能に装着された水接続口10と、L字型のシャワーホース用継手11が着脱可能に装着されたシャワーホース接続口12とを背面側に有するとともに、下面側に、吐水管用継手13が着脱可能に装着された水、湯、または混合水の吐水管接続口14を有する。
【0017】
15は、切替ユニット4の外ケースで、筒状である。この外ケース15は、筒状の水栓本体1の内壁に0リングなどのシール部材15aを介して固定されている。
【0018】
17は、切替ユニット4の内ケースで、筒状である。この内ケース17は、外ケース15の内壁に0リングなどのシール部材17aを介して固定されている。16は、外ケース15に設けた連通穴部分で、シャワーホース接続口12に連通する。また、18は、内ケース17に設けた連通穴部分で、前記連通穴部分16に連通する。つまり、連通穴部分16,18でシャワーホース接続口12に連通する連通穴が構成される。
一方、16aは、外ケース15に設けた連通穴部分で、吐水管接続口14に連通する。また、18aは、内ケース17に設けた連通穴部分で、前記連通穴部分16aに連通する。つまり、連通穴部分16a,18aで吐水管接続口14に連通する連通穴が構成される。そして、内ケース17は、連通穴部分18と連通穴部分18aを中心角で90°離れた状態で胴部に有する。
【0019】
切替ユニット4は、水、湯、または混合水を吐水管接続口14、または、シャワーホース接続口12へ供給したり、供給停止したりする開閉機能を持つ弁機構(後述する)を前記内ケース17の内部に有する。
【0020】
20は、水栓本体1と、水栓本体1と同径の筒状の切替表示リング体21とを接続する接続部材で、水栓本体1の前記開口1aを形成する内周端面に設けた雌ねじ22に螺合する雄ねじ部23と、切替表示リング体21を外嵌させる嵌合部24とを有する。
【0021】
一方、前記温調ユニット5は、サーモワックスを内蔵したサーモエレメント25とピストン26を具備し、そのサーモエレメント25が混合水の温度を感温するとサーモワックスが膨張してピストン26を押し出し、サーモバルブ本体32の位置を変化させることにより、給水側通路27と給湯側通路28のすき間が調整されるようになっており、温調ハンドル3によって混合水の温度を任意に設定することができる。
【0022】
温調ユニット5の自動温度調節動作は以下の通りである。
温調ハンドル3を水栓本体1の軸心Aまわりに回動させて所定温度に設定すると、湯と水が湯水混合室Sで混合され、所定温度の混合水が吐水管またはシャワーホースへ流れる。
【0023】
そして、混合水の温度が所定温度より上昇した場合、これをサーモエレメント25が感温してサーモエレメント25内のサーモワックスが膨張してサーモエレメント25を温調ハンドル3の側に移動させ、サーモバルブ本体32が給湯側通路28を狭めて給水側通路27を広げる。これにより、混合水の温度が下がり、所定温度に調節できる。一方、混合水の温度が所定温度より降下した場合、これをサーモエレメント25が感温してサーモエレメント25内のサーモワックスが収縮してサーモエレメント25を切替ハンドル2の側に移動させサーモバルブ本体32が給湯側通路28を広げて給水側通路27を狭める。これにより、混合水の温度が上がり、所定温度に調節できる。
【0024】
また、サーモエレメント25は、温調ユニット5の外ケース40内に固定設置されている。
【0025】
41は、水栓本体1と、水栓本体1と同径の筒状の温調表示リング体42とを接続するとともに、弁体43を内蔵した温調ガイド体で、水栓本体1の前記開口1bを形成する内周端面に設けた雌ねじ22’に螺合する雄ねじ部44と、温調表示リング体42を外嵌・係止させる嵌合係止部45とを有する。なお、46は、温調ハンドル3および温調表示リング体42間に介装されたリング体で、図3において図示していない。
【0026】
【0027】
切替ユニット4の前記内ケース17に内蔵した弁機構は、水栓本体1の軸心Aまわりに回動して水、湯、または混合水の流路を吐水管接続口14またはシャワーホース接続口12に連通させる金属製で筒状の回動部材50と、この回動部材50の胴部50aを覆うゴム製で筒状の固定部材51とよりなる。回動部材50と固定部材51は、切替ユニット4内において水栓本体1の軸心Aに中心を一致させた状態で設置されている。
【0028】
前記固定部材51は、内ケース17に設けた連通穴部分18および連通穴部分18aにそれぞれ嵌合する固定穴部53,53aを有する状態で内ケース17の内周面に沿って固定されている。
【0029】
更に、前記回動部材50は、切替ハンドル2と回動部材50を接続する切替ハンドル軸56とともに回転するよう構成されている。この回動部材50は、前記胴部50aの中央を円周方向に180°切欠いて形成されてなる切欠穴57を有する。
【0030】
この切欠穴57は、切替ハンドル2の切替え操作により前記連通穴部分18および連通穴部分18aのいずれかに連通する。図2は、切欠穴57が、連通穴部分18および連通穴部分18aのいずれにも連通しない状態を示す。
【0031】
而して、弁機構は、筒状の回動部材50の胴部50aの円周方向に沿って所定の大きさの切欠穴57を設けたので、所定の大きさの連通用長孔が内側に形成されていた可動ディスク、固定ディスクに比して回動部材50の外径rを小径にでき、ひいては水栓本体1の外径Rを34mmと小径にできる。このため、サーモ型湯水混合水栓をコンパクト化できる。
また、回動部材50は金属製であるので、セラミック製の可動ディスクに比して安価である。また、固定部材51はゴム製であるので、セラミック製の固定ディスクに比して安価である。なお、固定部材51をゴム製としたのは、金属製の回動部材50が回動し易いためである。
【0032】
図4、図5は、上記サーモ型湯水混合水栓の構成部材を利用して手すり型水栓へ取替えるように構成したこの発明の一実施形態を示す。なお、図4、図5において、図1〜図3に示す符号と同一のものは同一または相当物である。
【0033】
図4、図5において、手すり型水栓の水栓本体60は、ストレートに横方向に長く、内部に接続管61を有し外径Hが34mmに設定された第1の水栓本体部分60Cと、温調ユニット5を内蔵し外径が34mmに設定された第2の水栓本体部分60Bと、切替ユニット4を内蔵し外径が34mmに設定された第3の水栓本体部分60Aとよりなる。水栓本体部分60C,60B,60Aの軸心A’は一致している。接続管61は、軸心A’と同軸になるよう水栓本体部分60C内に設置される。
【0034】
第1の水栓本体部分60Cは、外表面に薄くコーティングされたエラストマー樹脂よりなるスベリ止め部材62を有し、手すりとして機能する。なお、前記スベリ止め部材62をシリコン系のゴム材で構成してもよい。また、前記スベリ止め部材62を軟質塩化ビニール等の樹脂よりなる半硬質部材で構成してもよい。
【0035】
第1の水栓本体部分60Cと第3の水栓本体部分60Aはねじ結合されている。また、第1の水栓本体部分60Cと第2の水栓本体部分60Bもねじ結合されている。
【0036】
第1の水栓本体部分60Cの内部に設けられている前記接続管61は、切替ユニット4の端部4aと温調ユニット5の端部5aとを接続するよう構成されている。
【0037】
すなわち、前記接続管61は、一方端にオス型接続金具89を有するとともに、他方端にメス型接続金具93を有し、前記オス型接続金具89が切替ユニット4の前記外ケース15の端部4aに内嵌される一方、前記メス型接続金具93が前記温調ユニット5の外ケース40の端部5aに外嵌されている。更に、前記端部は5aは前記端部4aに内嵌可能に構成されている。
切替ユニット4は、第3の水栓本体部分60Aの内部に水栓本体部分60Aの軸心A’と同軸になるよう装入配置される。また、温調ユニット5は、第2の水栓本体部分60Bの内部に水栓本体部分60Bの軸心A’と同軸になるよう装入配置される。
【0038】
また、前記接続金具89の他端における外周面と接続管61の一端における内周面とが溶接により接続されている。90は、その溶接部分である。
一方、前記接続金具93の他端における内周面と接続管61の他端における外周面とが溶接により接続されている。94は、その溶接部分である。
【0039】
而して、上記サーモ型湯水混合水栓の構成部材を利用して手すり型水栓へ取替えるには、前記サーモ型湯水混合水栓の前記水栓本体1(図3参照)から湯配管用継手7、水配管用継手9、シャワーホース用継手11および吐水管用継手13をそれぞれ取り外し、図4に示すように、温調ハンドル3が取り付けられるとともに前記温調ユニット5が装入される第2の水栓本体部分60Bに前記湯配管用継手7を接続し、前記切替ハンドル2が取り付けられるとともに前記切替ユニット4が装入される第3の水栓本体部分60Aに前記水配管用継手9、シャワーホース用継手11および吐水管用継手13を接続し、前記接続管61の両端を前記温調ユニット5の端部5aおよび前記切替ユニット4の端部4aに接続する。これにより、外径Hが浴室やシャワルームに設置される手すりとして規格に合った例えば34mmに設定してある水栓本体60を備えた手すり型水栓へ取替えできる。
【0040】
また、第1の水栓本体部分60Cと第3の水栓本体部分60Aのねじ結合を解除するとともに、切替ユニット4の端部4aからオス型接続金具89を引き抜く一方、第1の水栓本体部分60Cと第2の水栓本体部分60Bのねじ結合を解除するとともに、温調ユニット5の端部5aからメス型接続金具93を引き抜いた後には、温調ユニット5の端部5aを切替ユニット4の端部4aに内嵌させることで手すり型水栓からサーモ型湯水混合水栓に簡単に取替えできる。
【0041】
【0042】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明では、例えば34mmの外径を持つ水栓本体を備えたサーモ型湯水混合水栓から手すり型水栓へ取替えることが可能な水栓取替方法を提供できる。そのため、ただでさえ狭い浴室が手すりに邪魔されて狭くなる上に手すりに体が当たることがあるといった事態を回避できるとともに、浴室の壁に新たに手すりを設ける必要がなくなり、浴室のスペースを有効に活用できるとともに、手すりに体が当たるといった事態も回避できバリアフリーとしても有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明で用いるサーモ型湯水混合水栓を示す横断面図である。
【図2】 上記サーモ型湯水混合水栓における要部の縦断面図である。
【図3】 上記サーモ型湯水混合水栓を示す分解斜視図である。
【図4】 この発明の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図5】 上記実施形態を示す横断面図である。
【符号の説明】
1…水栓本体、2…切替ハンドル、3…温調ハンドル、4…切替ユニット、5…温調ユニット、12…シャワーホース接続口、14…吐水管接続口、16,18,16a,18a…連通穴、50…回動部材、50a…胴部、51…固定部材、53,53a…固定穴、57…切欠穴。
Claims (1)
- 一端に水、湯、または混合水の吐出・止水機能と流量調整機能を有する切替ハンドルを設けるとともに、他端に混合水の温度調節機能を有する温調ハンドルを設けた筒状の水栓本体の内部に、前記切替ハンドルと接続可能な切替ユニットと、前記温調ハンドルと接続可能な温調ユニットとが装入され、更に、前記温調ユニットの端部は、前記切替ユニットの端部に接続可能に構成されてなるサーモ型湯水混合水栓の構成部材を利用して手すり型水栓へ取替える水栓取替方法であって、前記水栓本体から湯配管用継手、水配管用継手、シャワーホース用継手および/または吐水管用継手をそれぞれ取り外し、ストレートに横方向に長く、内部に接続管を有する第1の水栓本体部分の両端に着脱自在に装着される第2、第3の水栓本体部分のうち、前記温調ハンドルが取り付けられるとともに前記温調ユニットが装入される第2の水栓本体部分に前記湯配管用継手を接続し、前記切替ハンドルが取り付けられるとともに前記切替ユニットが装入される第3の水栓本体部分に前記水配管用継手、シャワーホース用継手および/または吐水管用継手を接続し、前記接続管の両端を前記温調ユニットの端部および前記切替ユニットの端部に接続することを特徴とする水栓取替方法。
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