JP3712972B2 - 繊維状炭素ナノ材料の製造方法及びこれを用いた電気化学キャパシタ用電極材 - Google Patents

繊維状炭素ナノ材料の製造方法及びこれを用いた電気化学キャパシタ用電極材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気化学キャパシタ用電極材、特に、電気二重層キャパシタ用電極材などに用いられる新規な構造の繊維状炭素ナノ材料(Fibrous carbonaceous nano materials)の製造方法及びそれを用いた電気化学キャパシタ用電極材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車、分散形及びロードレベリング用エネルギー貯蔵装置の市場が急速に拡大されたことにより、高性能キャパシタに用いられる電極材料の重要性がますます高まっている。
【0003】
電気化学キャパシタは、一般的に高比表面積の電導性材料表面に形成される電気二重層の物理電荷貯蔵現象を用いた電気二重層キャパシタ(electrolytic double layer capacitors:EDLC)と、多孔性酸化物から起こる水素及び陽イオン吸脱着のような類似キャパシタンスを用いた電気化学酸化物キャパシタ(electrochemical oxide capacitors:EOC)、及びそれらの混成体に分けられる。
その中で、表面の電気二重層の形成/解体を用いる電気二重層キャパシタは高比表面積を持つ炭素材料である粒状及び繊維状活性炭(Activated carbons)を電極材として用いて製造する。
【0004】
活性炭を製造する際には、主に粒状及び繊維状の樹脂系及びピッチ系原料を用いて炭素化及び活性化処理を経て製造するので、原料の単価が高いだけでなく最終歩留まりが10ないし50%内外と低いので、最終産物である活性炭の製造単価を高める要因になる。
【0005】
活性炭素繊維の場合、1200m/gの比表面積を有する材料が硫酸水溶液系において材料特性をテストされた場合、120F/gの蓄電容量を持つ。したがって、実際高性能キャパシタを製作する場合、約30F/gの容量が得られ、代表的な高比表面積の炭素材である分子体炭素材料(比表面積:1500m/g)は100ないし150F/gの蓄電容量を発揮する。
【0006】
一般的な炭素材料を活性化させ製造した活性炭及び活性炭素繊維は電気電導性が比較的低いので高出力特性がよくない。
【0007】
ゼオライト或いはシリカ表面に気相成長させたメゾポラスカーボン(Chem.Mater、9、609)の場合、高い電気電導性のおかげで高出力特性が優れた電極材料として期待できるが、活性炭の約30倍に近い製造単価のため実用化しがたいという問題点があった。なお、HFを使用するため工程化しがたいという問題点もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明はこのような従来技術の問題点と過去から求められた技術的課題を同時に解決することを目的とする。
【0009】
つまり、本発明は従来の樹脂系活性炭及び活性炭素繊維より優れた電荷貯蔵及び放出能力を有し、製造単価が安いだけではなく結晶性が優れ、迅速な電気二重層を形成及び除去できる、新規な繊維状炭素ナノ材料を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
これらの目的を成し遂げるための本発明の繊維状炭素ナノ材料の製造方法は、コロイド分散で製造し凍結乾燥した平均粒径20ないし80nmの酸化鉄(γ−フェライト)及び沈殿法で製造したニッケル粒子を鉄酸化物とニッケル粒子の重量比6/4ないし9/1(wt/wt)比に混練し、これを400ないし700℃還元雰囲気において還元させてから、一酸化炭素及び/或いは炭化水素を原料ガスとして移動相及び/或いは固定相の触媒表面で水素と混合して触媒表面で500ないし700℃に気相分解して、アコーデオン形の構造を有する繊維状炭素ナノ材料を製造することを特徴とする。
【0011】
したがって、本発明の製造方法は上記の方法で製造された酸化鉄とニッケル粒子の混練金属を基本触媒として使用し、触媒上でエチレン等の炭化水素を分解させカーボンフィラメントを成長させる化学的気相成長法(chemical vapor growth)或いは触媒熱分解(catalytic decomposition)で進行される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本明細書で用いられる用語である「基本触媒」は、還元処理前の混練金属を意味し、「触媒」は還元処理後の混練金属を意味する。本発明における気相分解反応は主に触媒で起こる反応を意味するが、還元処理されていない一部の基本触媒の反応も含む概念である。
【0013】
上記の極微細酸化鉄粒子は粒子間の凝結が厳しく制限されることにより各々の粒子がニッケル粒子と容易に混練されるようにするのが好ましいので、水を溶媒とするコロイド状に分散させ均一で安定した分散状態に維持して凍結乾燥して用いられる。
【0014】
上記のニッケル粒子の製造のための沈殿法は、ベスト−ラセル法(R.J. Best、W.W. Russell、J.Am.Chem.Soc.、76、838)により、硝酸ニッケル(nickel nitrate)水溶液に重炭酸アンモニウム(ammonium bicarbonate)を添加して重炭酸ニッケル沈殿を得て、これを乾燥させてから、か焼(calcination)して酸化ニッケルを製造し、最終的に、か焼(calcination)された酸化ニッケルを還元させニッケル粒子を製造する方法である。
【0015】
このように製造された酸化鉄とニッケル粒子の混練比は6/4ないし9/1(wt/wt)が好ましいが、6/4以下であればニッケル粒子が多くなりすぎて繊維状のものが得られず、9/1以上であればすすが形成される問題点がある。
【0016】
このような触媒を還元雰囲気において還元させるに、還元雰囲気は水素と窒素の混合ガス、水素とアルゴンの混合ガス、水素とヘリウムの混合ガス等が用いられる。上記の混合ガス中の水素の含量は好ましくは2ないし50体積%である。水素の含量が少なければ還元反応が起りにくく、多すぎると爆発のおそれがある。
【0017】
還元処理の温度は普通400ないし700℃で、400℃以下であれば反応の開始が容易ではなく処理に長時間がかかり、700℃以上であれば微細粒子の凝集現象が生じるおそれがある。還元処理の時間は還元処理温度のような様々な条件により変わるが、たいてい0.5ないし24時間がかかる。一つの具体的な例として、上記の混練金属の基本触媒を水素−ヘリウム混合ガスを用いて550℃において2時間還元処理する方法があげられる。
【0018】
上記の原料ガス中、炭化水素は水素と炭素からなる不飽和及び/或いは飽和炭化水素であり、炭素数が1ないし4であるアセチレン(C)、メタン(CH)、エチレン(C)、エタン(C)、プロピレン(C)、プロパン(C)、ブタン(C10)、ブチレン(C)、ブタジエン(C)とその異性体からなる群から選ばれた少なくとも一つ或いは二つ以上が用いられる。原料ガスの価格、取り扱いの容易性、反応性などを考えれば、エチレンが特に好ましい。この炭化水素は単一形態で用いられるか、Ar、He、Nなどのような非活性ガスとの混合形態でも用いられる。
【0019】
原料ガスと水素ガスの混合割合は体積当り原料ガスの割合が好ましくは5ないし92%で、より好ましくは10ないし90%である。原料ガスの割合が5%以下であれば生成される炭素ナノチューブの量が少なく経済的ではなく、92%以上であれば反応が早く終了されやはり経済的ではない。
【0020】
上記の気相分解の温度は好ましくは500ないし700℃であり、より好ましくは550ないし620℃である。気相分解温度が500℃以下あれば気相分解が完全に行われないか過度な時間がかかり、700℃以上であれば空隙の消滅により比表面積がはげしく減少されることにより有効な気孔の数量が少なくなる問題点がある。気相分解の時間は気相分解温度のようないろんな条件により変わるが、たいてい10分ないし10時間程度がかかる。一つの具体的な例として、エチレン−水素混合ガスを反応温度580℃において1.5時間反応させることが挙げられる。
【0021】
このように、酸化鉄粒子及びニッケル粒子から成長したナノチューブをヘリウムガスで雰囲気を置換して常温に冷却することにより最終的にアコーデオン形の構造である新規な繊維状炭素ナノ材料が回収できる。このような構造の炭素ナノ材料は報告されたことのないまったく新規なものである。
【0022】
場合によっては、製造された繊維状炭素ナノ材料に対して活性化熱処理をさらに行い比表面積を高めることもできる。
【0023】
上記の活性化熱処理は、混合比1/9ないし9/1(vol/vol)の二酸化炭素−非活性ガス混合物を用いて450ないし750℃において10分ないし24時間実施することにより、全体の体積には大きな影響をおよぼすことなしに繊維状炭素ナノ材料の一部を酸化分解させるものである。その結果、上記の説明の通りに、活性化された繊維状物質の比表面積は大幅に増加される。このように活性化された繊維状炭素ナノ材料は高性能電気化学キャパシタ用電極材などに用いられる。上記の混合比が1/9以下であれば活性化熱処理に多くの時間がかかる問題点があり、9/1以上であれば反応がはげしく進行され構造が破壞される問題点がある。なお、活性化熱処理温度が450℃以下であれば活性化度が低くなる問題点があり、750℃以上であれば構造が破壞される問題点がある。上記の活性化熱処理時間は熱処理温度により変わる範囲があり、相対的に低い温度において短時間熱処理をすれば熱処理の効果がほとんどなくなり、相対的に高い温度において長時間熱処理をすればあまりにも多くの炭素成分が酸化分解され構造体の強度が弱くなる問題点がある。上記の非不活性ガスの特に好ましいたとえとしてはアルゴン(Ar)ガスが挙げられる。
【0024】
本発明はまた上記のような方法で製造された繊維状炭素ナノ材料を用いた電気化学キャパシタ用電極材、特に、電気二重層キャパシタ用電極材に関するものである。電気化学キャパシタ用電極材は当業界によく知られているので、それに対する詳しい説明は省略する。
【0025】
【実施例】
以下、実施例とそれに対する比較例を參照しながら本発明をより詳しく説明するが、本発明の範囲がそれに限られるわけではない。
【0026】
実施例1
0.5Mの硝酸ニッケル500mlに2gの重炭酸アンモニウムを添加して水酸化炭酸ニッケル沈殿を得てから、100℃真空オーブンで24時間にわたって乾燥させ500℃において2時間、か焼(calcination)し、酸化ニッケルを製造した。か焼(calcination)された酸化ニッケルを1%H/He雰囲気において2時間500℃で還元させニッケル粒子を製造した。
【0027】
上記で製造されたニッケル粒子10mgと、コロイド分散で製造し凍結乾燥した平均粒径40nmの極微細鉄酸化物(γ−フェライト、γ−Fe)微粒子(神鳥和彦、表面、32−3、35、1994)60mgをセラミックボートに入れたまま、内径10cmの石英管を装着した水平炉の中心部に位置させてから、水素の混合割合が体積当り20%である水素−ヘリウム混合ガスを4cm/secの流速で流しながら550℃まで昇温させたのち、550℃において2時間還元処理した。
【0028】
それから、一酸化炭素の混合割合が80%である一酸化炭素−水素混合ガスを流速200ml/minにして580℃において1.5時間反応させ繊維状の極細炭素を製造し、反応が完了してから、ヘリウムガスで雰囲気を置換して常温に冷却して繊維状炭素ナノ材料を上記のセラミックボートから回収した。この際回収された繊維状炭素ナノ材料の重さは1220mgであった。
【0029】
上記の繊維状炭素ナノ材料をCuKαの光源を用いた広角X線回折分析器を用いて粉末黒鉛結晶子分析法(学進法、大谷彬郎、炭素繊維、付録、講談社、東京、1984、(日本語))を用いて40mA、30kVの条件で5ないし90°まで回折パターンを調べ、回折パターンで計算した繊維状炭素ナノ材料の平均面間距離(d002)は3.402Åで、比較的高い黒鉛化性であることがわかった。図4には高分解能透過形電子顕微鏡(High resolution transmission electron microscope:×12、000、000倍)で撮影した写真が開示されている。図4の写真から、本発明による繊維状炭素ナノ材料は直径が20ないし450nmで、発達した黒鉛結晶層面がまるでアコーデオンの形に積層されていて、積層が一定な単位に離れて適切な空隙が現れていることがわかる。上記で製造された繊維状炭素ナノ材料をBET N吸着法で測定した比表面積は114m/gで、比較的大きな比表面積であることがわかった。
【0030】
実施例2
原料ガスを一酸化炭素の変わりにエチレンにして実施例1と同一の方法で繊維状炭素ナノ材料4304mgを製造した。このように製造された繊維状炭素ナノ材料を高分解能透過形電子顕微鏡(×9、000、000倍)で觀察した結果、直径が20ないし450nmで実施例1のように発達した黒鉛結晶層面がアコーデオン形に積層され、積層が一定な単位に離れて空隙を形成していることが確認された。なお、これをBET N法で測定した比表面積は180m/gで、比較的大きな比表面積であることがわかった。
【0031】
実施例3
実施例1及び実施例2により製造された繊維状炭素ナノ材料各々1000mgを、同一な形の熱処理炉を用いてCO/Ar(体積比30/70)の比で総流速200ml/minを維持しながら600℃において1時間30分間活性化熱処理した。生成された活性化繊維状炭素ナノ材料の重さは550mgで、CO/Arガス熱処理により酸化分解されガス化されたバーンオフ(Burn−off)率は45%であった。
【0032】
生成された活性化繊維状炭素ナノ材料の比表面をBET N吸着法で測定した結果、実施例1の繊維状炭素ナノ材料は180m/g、実施例2の繊維状炭素ナノ材料は540m/gで高い比表面積であることがわかった。
【0033】
実施例4
実施例1と実施例2により製造された繊維状炭素ナノ材料各々1000mgを、同一な形の熱処理炉を用いてCO/Ar(体積比50/50)の比で総流速200ml/minを維持しながら600℃において1時間30分間活性化熱処理した。生成された活性化繊維状炭素ナノ材料の重さは450mgで、CO/Arガス熱処理によるバーンオフ率は55%であった。
【0034】
生成された活性化繊維状炭素ナノ材料の比表面積をBET N吸着法で測定した結果、実施例1の繊維状炭素ナノ材料は240m/g、実施例2の繊維状炭素ナノ材料は680m/gで高い比表面積であることがわかった。
【0035】
実施例5
本実施例は電気二重層電荷量の測定実験に関するもので、実施例2により製造された繊維状炭素ナノ材料を電極材として質量比30%の硫酸水溶液を電解液とする3極システムにおいて、循環電位走査法を用いて20mV/secの走査速度で電荷量を測定した。
【0036】
その結果を「A」といい、電荷量は図1の通りである。
【0037】
実施例6
実施例3により製造された活性化繊維状炭素ナノ材料中で比表面積が540m/gの極細炭素を電極材料として質量比30%の硫酸水溶液を電解液とする3極システムにおいて、循環電位走査法を用いて20mV/secの走査速度で電荷量を測定した。
【0038】
その結果を「B」といい、電荷量は図2の通りである。
【0039】
実施例7
実施例4により製造された活性化繊維状炭素ナノ材料中比表面積が680m/gの極細炭素を電極材として質量比30%の硫酸水溶液を電解液とする3極システムにおいて、循環電位走査法を用いて20mV/secの走査速度で電荷量を測定した。
【0040】
その結果を「C」といい、電荷量は図3の通りである。
【0041】
本発明による方法と比較すべく下記の様なさまざまな方法による比較実験を行った。
【0042】
比較例1
本発明による繊維状炭素ナノ材料の代わりに分子体炭素材料(Molecular sieving carbons、MSC、関西熱化学、日本;比表面積:1220m/g)を電極として、3極システムにおいて循環電位走査法を用いて20mV/secの走査速度で電荷量を測定した結果、比容量は70F/gであった。
【0043】
比較例2
PAN(Poly acrylonitrile)から製造された活性炭素繊維(比表面積970m/g)を電極にして、3極システムにおいて循環電位走査法を用いて20mV/secの走査速度で電荷量を測定した結果、比容量は85F/gであった。
【0044】
上記の比容量測定結果は下記の表1の通りである。
【0045】
【表1】
Figure 0003712972
【0046】
表1のように、一酸化炭素や様々な炭化水素から製造される本発明の繊維状炭素ナノ材料及びそれの活性化熱処理物質は、従来の粒状活性炭及び活性炭素繊維と比べられる(匹敵する)比表面積を有していて大きな比蓄電容量がある。なお、結晶性の多層炭素層からなるので、高い電気電導性と共に高速電気二重層の形成能力が優れ、単繊維状であるので電極板のESRも粒状活性炭を用いたものに比べて低い。
【0047】
また、天然ガス及び/或いは炭化水素を原料として製造されるので、製造単価が安く、電極合剤を製作する際に加工性がよくてサイクル安定性が優れる。
【0048】
【発明の効果】
本発明により製造された繊維状炭素ナノ材料を高性能電気化学キャパシタ用電極材として活用する場合には、製造単価が高い従来の活性炭及び活性炭素繊維よりも高い電気二重層蓄電量値を持ちながら高出力特性も優れた材料が得られる。また、本発明の活性化繊維状炭素ナノ材料は単純な工程で製造できるので製造単価が著しく安く、歩留まりも高分子系及び樹脂系炭素材から製造された活性炭に比べて高いという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例2による繊維状炭素ナノ材料の循環電位走査法による電荷量グラフである。
【図2】 本発明の実施例3による繊維状炭素ナノ材料の循環電位走査法による電荷量グラフである。
【図3】 本発明の実施例4による繊維状炭素ナノ材料の循環電位走査法による電荷量グラフである。
【図4】 本発明の実施例1によるアコーデオン形の構造である繊維状炭素ナノ材料の高分解能透過形電子顕微鏡の低倍率写真である。
【図5】 本発明の実施例1によるアコーデオン形の構造である繊維状炭素ナノ材料の高分解能透過形電子顕微鏡の900万倍の高倍率写真である。

Claims (6)

  1. コロイド分散で製造して凍結乾燥した平均粒径20ないし80nmの酸化鉄(γ−フェライト)と沈殿法で製造したニッケル粒子を、鉄酸化物とニッケル粒子の重量比で6/4ないし9/1の割合に混練し、これを400ないし700℃の還元雰囲気において還元処理して触媒を得、一酸化炭素及び/或いは炭化水素を原料ガスとして、移動相及び/或いは固定相の前記触媒表面において水素と混合し、前記触媒表面において500ないし700℃に気相分解して製造することを特徴とする、アコーデオン形の構造である繊維状炭素ナノ材料の製造方法。
  2. 上記の還元雰囲気は、水素と窒素の混合ガス、水素とアルゴンの混合ガス或いは水素とヘリウムの混合ガスであり、上記の混合ガス中の水素の含量が、2ないし50体積%であることを特徴とする請求項1に記載の繊維状炭素ナノ材料の製造方法。
  3. 上記の原料ガス中、炭化水素は、水素と炭素からなる不飽和及び/或いは飽和炭化水素であり、炭素数が1ないし4であるアセチレン、メタン、エチレン、エタン、プロピレン、プロパン、ブタン、ブチレン、ブタジエンおよびその異性体からなる群から選ばれた少なくとも一つ或いは二つ以上が用いられ、原料ガスと水素ガスの上記の混合割合は、体積当り原料ガスの割合が好ましくは10ないし95%であることを特徴とする請求項1に記載の繊維状ナノ材料の製造方法。
  4. さらに、上記で製造された繊維状炭素ナノ材料に対して活性化熱処理を行い、比表面積を高めることを特徴とする請求項1に記載の繊維状炭素ナノ材料の製造方法。
  5. 上記の活性化熱処理は、混合比(体積比)で1/9ないし9/1の二酸化炭素−非活性ガス混合物を用いて、450ないし750℃において10分ないし24時間行うことを特徴とする請求項4に記載の繊維状炭素ナノ材料の製造方法。
  6. 請求項1ないし5に記載の方法により製造された繊維状炭素ナノ材料を用いてなる電気化学キャパシタ用電極材。
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