JP3712571B2 - 硬貨搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬貨を搬送する硬貨搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
搬送ベルト上に側方より硬貨を放出させ、該放出させた硬貨を目的の位置まで搬送する硬貨搬送装置として、例えば、特開平10−188075号公報に開示された硬貨処理機に組み込まれたものがある。
この硬貨搬送装置は、金種別硬貨収納繰出部に金種別に収納された硬貨を位置枚ずつ側方に繰り出す出金用投出部と、該出金用投出部によって一枚ずつ側方に繰り出された硬貨を受け入れて搬送させる出金コンベアと、該出金コンベアに向け放出させられた硬貨の搬送をガイドするコンベア枠とで構成されている。
また、この種の硬貨搬送装置として、図4〜図6に示すようなものがある。これは、硬貨を一枚ずつ側方に繰り出し可能な複数の硬貨繰出部100,100と、これら硬貨繰出部100,100から放出させられた硬貨を受け入れるとともにこれら硬貨繰出部100,100の配置方向に沿って延在する搬送ベルト101と、該搬送ベルト101に向け放出させられた硬貨の搬送をガイドするガイドフレーム102,103とで構成されている。
これらいずれの硬貨搬送装置においても、搬送ベルトに向けて側方から放出させられた硬貨は、搬送ベルトの側部をガイドするガイドフレームによって、搬送ベルトの外に飛び出さないような構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、搬送ベルトに向け側方から放出させられる硬貨にはある程度の勢いがあるため、実際に搬送ベルトに向けて放出させられた硬貨は、そのまま直接搬送ベルト上にきれいに載置されることはなく、そのほとんどは搬送ベルト101かあるいはガイドフレーム102に複数回衝突して飛びはねた後、搬送ベルト101上に表裏面のいずれかを向けて載置される。しかしながら、中には、図4〜図6に示すように、踊り回るように姿勢が大きく変わることによって、ガイドフレーム102に寄り添うようにして立ち上がった状態のままとなり、搬送ベルト101が駆動されても、搬送ベルト101の移動に応じて回転するだけで移動しにくくなるいわゆる競輪状態となってしまう硬貨Cもある。例えば、図5に示すように、放出時の勢いで踊り回り、分離ローラ104に接触すること等によって、踊り回りがさらに大きくなって、ガイドフレーム102に寄り添うようにして立ち上がった状態のままとなってしまうのである。
したがって、本発明は、搬送ベルト上に放出させられた硬貨が立ち上がった状態となってしまうことを防ぎ、安定して硬貨を搬送させることができる硬貨搬送装置の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載の硬貨搬送装置は、側方に硬貨を放出させる放出手段と、該放出手段から放出させられた硬貨を回転することにより搬送する搬送ベルトとを有するものであって、前記搬送ベルト上における前記放出手段の硬貨放出方向の前方位置に、該放出手段から放出させられた硬貨に最初に当たってその放出時の勢いを吸収し該硬貨の踊り回りを防止する踊回防止部材が設けられており、前記踊回防止部材は、上部が支持され垂れ下げられた複数の垂下部材からなり、これら垂下部材は前記放出手段から放出させられた硬貨に同時に衝突可能とされていることを特徴としている。
これにより、放出手段で側方に放出させられた硬貨は、搬送ベルト上における該放出方向の前方位置に設けられた踊回防止部材に当たることになり、その際に硬貨は該踊回防止部材でその勢いが吸収されて踊り回りが防止される。
踊回防止部材は、上部が支持され垂れ下げられた垂下部材からなるため、簡素かつ安価な構成で、放出させられた硬貨の勢いを吸収することができる。
【0007】
本発明の請求項2記載の硬貨搬送装置は、請求項1記載のものに関し、前記垂下部材は鎖状部材からなることを特徴としている。
このように、踊回防止部材は、上部が支持され垂れ下げられた垂下部材からなるため、簡素かつ安価な構成で確実に、放出させられた硬貨の勢いを吸収することができる。
【0008】
本発明の請求項3記載の硬貨搬送装置は、請求項1または2記載のものに関し、前記垂下部材は、その下端部と前記搬送ベルトとの隙間が、硬貨一枚の厚さと同等以下とされていることを特徴としている。
これにより、踊回防止部材である垂下部材で放出時の勢いが吸収された硬貨に、多少踊り回りが残存したとしても、垂下部材が該硬貨の上側に載り上げてこれをその重量で搬送ベルトに押し付けることになり、踊り回りを確実に止めることになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一の実施の形態の硬貨搬送装置を図1〜図3を参照して以下に説明する。
この実施の形態の硬貨搬送装置は、図1に示すように、側方に硬貨を放出させる複数(図示例は二つ)の硬貨繰出部(放出手段)10,10と、これら硬貨繰出部10,10から側方より放出させられた硬貨を搬送する硬貨搬送部11とを有している。
【0010】
硬貨繰出部10は、多数のバラ硬貨を上面の載置面13a上に載置させる回転円盤13と、該回転円盤13の接線方向に延在し該回転円盤13の回転による遠心力で該回転円盤13から送り出される硬貨を水平状態で案内する水平配置された直線形状の硬貨通路15と、回転円盤13から該硬貨通路15に送り出される硬貨の複数重なり合った状態での通過を規制し該硬貨を一枚ずつに分離して通過させる厚み規制部材16と、硬貨通路15上の硬貨を回転円盤13に対し反対方向に送り出す硬貨送出部18と、回転円盤13と硬貨送出部18をともに駆動する駆動機構部(図示略)とを有している。
【0011】
また、硬貨繰出部10は、硬貨通路15の途中に設けられ、回転円盤13から硬貨通路15に繰り出され該硬貨通路15で搬送される硬貨を検知しその数を計数等する硬貨計数部20と、硬貨通路15の硬貨計数部20よりも回転円盤13に対し反対側に設けられて、硬貨送出部18で送り出される硬貨の径方向の外周面に当接して該硬貨を停止させる送出規制部21と、硬貨通路15と硬貨搬送部11とを結ぶガイド部材22とを有している。
【0012】
硬貨通路15は、回転円盤13の載置面13aと同じ高さの上面25aを有し回転円盤13から繰り出された硬貨を該上面25a上で搬送させる搬送底部材25の前記した上面25aと、該搬送底部材25の両側に配置されて該搬送底部材25の上面25a上に繰り出された硬貨の搬送を両側からガイドするガイド部材26,27の互いに対向する側壁面26a,27aとで構成されている。
【0013】
ここで、厚み規制部材16は、搬送底部材25の上面25aと両ガイド部材26,27の側壁面26a,27aとで、硬貨を一枚ずつ繰り出させるための繰出口(図示略)を画成する。なお、繰出口の高さは、取り扱うすべての金種の硬貨を一枚ずつのみ通過させることができる高さとされており、また、硬貨通路15の通路幅すなわちガイド部材26,27の側壁面26a,27a同士の間隔は、取り扱うすべての金種の硬貨を搬送可能な幅とされている。
【0014】
図1に示すように、搬送底部材25におけるガイド部材26,27間の中間位置すなわち硬貨通路18の幅方向の中間位置には、上下に貫通する切欠29が形成されている。
【0015】
硬貨送出部18は、切欠29を介してその径方向における外周部の一部を硬貨通路15から上側に突出させることにより、回転円盤13から繰り出された硬貨の下面に接触してこれを回転力でガイド部材22側に送り出す搬送ローラ30と、該搬送ローラ30に対向する該搬送ローラ30の上側位置に設けられて、搬送ローラ30によって送り出される硬貨を該搬送ローラ30との間に挟持しつつ連れ回ることで該硬貨の姿勢をガイドするガイドローラ31と、該ガイドローラ31を回転自在に支持するとともに該ガイドローラ31を搬送ローラ30と所定の間隔を維持するよう付勢する板バネ32とを有している。
【0016】
ガイドローラ31と搬送ローラ30との間隔は、これらの間を通過する硬貨の厚みより小さくかつ互いに当接することがない間隔とされている。
また、搬送ローラ30は、硬貨通路15に沿って硬貨を送り出すことからその中心軸線を硬貨通路15の幅方向に配置させているが、これに対しガイドローラ31の中心軸線は、搬送ローラ30の中心軸線と平行な水平面内に配置されつつも、該搬送ローラ30の中心軸線に対し平行ではなく若干角度をもって傾斜している。
【0017】
そして、ガイドローラ31の中心軸線上における軸線方向の中点と搬送ローラ30の中心軸線上における軸線方向の中点とを結んだ線が鉛直に沿いかつ硬貨通路15の通路幅の中心位置を通過するように、ガイドローラ31および搬送ローラ30は配置されている。
【0018】
硬貨計数部20は、搬送底部材25の切欠29の回転円盤13に対し反対側の端部とほぼ位置を合わせて設けられて通過する硬貨の有無をそれぞれ検出する二つの硬貨検知センサ34,35を有している。
【0019】
ここで、硬貨検知センサ34,35は、硬貨通路15で搬送される全金種の硬貨を、搬送方向に直交する方向のいずれの位置にあっても検知可能とされている。
【0020】
なお、図示せぬ制御部は、これら硬貨検知センサ34,35の検知結果に基づいて、硬貨を計数することになるが、これに加えて、該検知結果に基づいて送出規制部21での硬貨の搬送を規制するタイミングも取ることになる。
【0021】
送出規制部21は、搬送底部材25とガイド部材26,27との間に上下動可能に設けられ、上昇し搬送ローラ30の上端よりも上側となるまで搬送底部材25の上面25aから突出することにより硬貨の径方向における外周面に当接してその移動を規制する一方、搬送底部材25の上面より下まで下降して硬貨の通過を許容するストッパ37と、このようにストッパ37を上下動させる規制ソレノイド(図示略)とを有している。
【0022】
上記したガイドローラ31は、ストッパ37が硬貨を停止させる際に、搬送ローラ30が硬貨を搬送しようとしても、搬送する硬貨の搬送方向前方が上方に向いてストッパ37を飛び越えてしまうことを防止するように、該硬貨の径方向の外周面を必ずストッパ37に当接させるべく該硬貨の姿勢を案内するものである。
ガイド部材22は、搬送底部材25の水平な上面25aよりも若干下側に位置するとともに硬貨通路15に対し反対側が下方に位置するように傾斜配置された上面22aを有している。
【0023】
このような硬貨繰出部10は、バラ硬貨を載置させた状態で回転円盤13を回転駆動させると、回転円盤13の回転による遠心力で該回転円盤13から硬貨が、繰出口を介して一枚ずつ水平状態(表裏方向を上下に配置した状態)で硬貨通路15に繰り出される。このようにして回転円盤13から繰り出された硬貨は、硬貨通路15で案内されて、搬送ローラ30の上部に載り上げ、該搬送ローラ30の回転力で該搬送ローラ30とガイドローラ31との間を通過しつつ硬貨検知センサ34,35で計数された後、ほぼ水平状態を維持したまま側方に放出させられる。このとき、硬貨は、基本的にはガイド部材22に接触せず、その上を飛ぶようにして放出させられる。
【0024】
硬貨搬送部11は、各硬貨繰出部10,10から繰り出された硬貨を該硬貨繰出部10の硬貨放出方向に対し鈍角をなす水平方向に搬送する第1搬送部40と、該第1搬送部40によって搬送される硬貨を受け取るとともにこれを第1搬送部40の搬送方向に対し直交する水平方向に搬送する第2搬送部41とを有している。
【0025】
第1搬送部40は、硬貨繰出部10,10の配列方向における両側であって硬貨繰出部10,10の硬貨放出側に設けられた一対の支持軸42(一方のみ図示)と、これらに固定された一対のプーリ43(一方のみ図示)と、これらのプーリ43および図示せぬプーリに張り渡されることで、両硬貨繰出部10,10の側方にこれら硬貨繰出部10,10の配列方向に沿って延在するよう水平配置された搬送ベルト44と、該搬送ベルト44を回転駆動させる搬送モータ(図示略)とを有している。
【0026】
ここで、搬送ベルト44は、その上面44aがガイド部材22の傾斜する上面22aの最下部よりも若干低い位置に水平配置されるよう設けられており、また、その上面44a上に、すべての硬貨繰出部10,10から繰り出された硬貨を載置可能とされている。そして、搬送ベルト44は、載置させた硬貨を硬貨繰出部10,10の硬貨放出方向に対し鈍角をなす方向に移動させるように回転することになる。なお、搬送ベルト44の両側には、搬送ベルト44に載置された硬貨の該搬送ベルト44からの落下を防止して該硬貨の移動を案内するガイドフレーム46,47が、搬送ベルト44に平行をなしかつ鉛直に沿うように配置されている。
【0027】
搬送ベルト44の搬送方向における前端部側には、該搬送ベルト44の上側に分離ローラ49が、該搬送ベルト44に対し硬貨一枚のみが通過可能な隙間をあけて設けられている。
この分離ローラ49は支持軸42に平行な支持軸50に固定されており、該支持軸50にはプーリ51が固定されている。また、上述した支持軸42にはプーリ52が固定されており、これらプーリ51とプーリ52とに駆動伝達ベルト53が張り渡されている。
【0028】
これにより、搬送ベルト44が搬送方向に回転駆動されると、支持軸42、プーリ52、駆動伝達ベルト53、プーリ51および支持軸50を介して分離ローラ49が、搬送ベルト44に対向する側を搬送ベルト44の搬送方向に対し逆方向に移動させるように回転することになる。その結果、この分離ローラ49で、搬送ベルト44に接する硬貨の上に積み重なる硬貨の通過を規制し、該搬送ベルト44に接する硬貨のみを分離ローラ49と搬送ベルト44との隙間に通過させる。このようにして、硬貨搬送部11は、各硬貨繰出部10,10から繰り出された硬貨を一枚ずつ分離して搬送することになる。
【0029】
搬送ベルト44の搬送方向最下流側位置には、上記分離ローラ49で一枚ずつに分離されて搬送される硬貨を第2搬送部41に案内する傾斜面55aを有するガイド部材55が設けられている。
【0030】
そして、この実施の形態においては、図3に示すように、硬貨繰出部10に対し反対側のガイドフレーム46にヒンジ57を介して天板58が連結されており、該天板58は、搬送ベルト44の上面44aの上方に該上面44aと平行に配置される閉状態と、ガイドフレーム46に沿うことにより搬送ベルト44の上面44aの上方を開放させる開状態とに揺動自在に設けられている。
【0031】
加えて、この実施の形態においては、搬送ベルト44の上面44a上(すなわち水平方向においては該上面44aの範囲内にあって鉛直方向においては該上面44aの上側となる位置)における各硬貨繰出部10,10の硬貨放出方向の前方位置に、対応する一の硬貨繰出部10から放出させられた硬貨Cに最初に当たってその放出時の勢いを吸収し該硬貨Cの踊り回りを防止する複数(具体的には2つ)の踊回防止部材60,60がそれぞれ設けられている。
【0032】
これらの踊回防止部材60,60は、天板58に、上部のみが支持された状態で垂れ下げられる(言い換えれば上部以外が自由な)垂下部材であり、具体的には、金属または合成樹脂製のチェーン(鎖状部材)からなっている。ここで、天板58が搬送ベルト44の上面44aと平行をなしている閉状態において、これらの踊回防止部材60,60は、搬送ベルト44の上面44a上における対応する一の硬貨繰出部10の硬貨放出方向の前方位置に、該硬貨繰出部10から放出させられた硬貨Cに最初に当たってその放出時の勢いを吸収し該硬貨Cの踊り回りを防止する状態となる。
【0033】
なお、踊回防止部材60,60は、硬貨Cが衝突したときに、その衝突した硬貨Cの方が跳ね返ることなく、かつ衝突した衝撃で踊回防止部材60,60が大きくはね飛ばされることがないような重量を有し、衝突後、硬貨Cが落下するときに該硬貨Cが踊回防止部材60,60でその姿勢が乱されることがないようなものであれば、ひも状部材やシート状部材等を用いることも可能である。
【0034】
これら踊回防止部材60,60は、天板58が上記閉状態とされているときに、その下端部と搬送ベルト44の上面44aとの隙間が、0より大きく硬貨一枚の厚さと同等以下になるように長さが設定されている。
【0035】
さらに、これら踊回防止部材60,60は、天板58が上記閉状態とされているときに、対応する一の硬貨繰出部10から放出させられた硬貨Cに同時に当たることが可能な位置関係にそれぞれ配置されている。具体的には、例えば、両踊回防止部材60,60の中心位置が、対応する一の硬貨繰出部10の硬貨通路15の幅方向(搬送方向に直交する水平方向)における中心線の延長線上に配置され、しかも、両踊回防止部材60,60を水平方向に結んだ線が硬貨通路15の幅方向における中心線の延長線に対し直交するような位置に配置されている。
【0036】
これにより、図3(a)に示すように、硬貨繰出部10からその硬貨通路15に沿って案内されながら放出させられた硬貨Cは、図3(b)に示すように、これら踊回防止部材60,60に最初に当たることになり、その際に、これら踊回防止部材60,60が変形して、硬貨繰出部10から放出させられた硬貨Cの勢いを吸収する(すなわち衝突した硬貨に反動を与えることなくその移動速度を急激に低下させる)とともに、該硬貨Cをその姿勢(表裏面を上下方向に配置した姿勢)を乱すことなく搬送ベルト44の上面44a上に落下させることになる。そして、このようにして搬送ベルト44に載置された硬貨Cは該搬送ベルト44の回転で第2搬送部41に向けて搬送させられることになる。
【0037】
以上に述べた硬貨搬送装置によれば、硬貨繰出部10で側方に放出させられた硬貨は、搬送ベルト44の上面44a上における該放出方向の前方位置に設けられた踊回防止部材60,60に当たることになり、その際に硬貨はこれら踊回防止部材60,60でその勢いが吸収されて踊り回りが防止される。
したがって、搬送ベルト44上に放出させられた硬貨が立ち上がった状態となってしまうことを未然に防ぐことができ、安定して硬貨を搬送させることができることになる。
【0038】
また、複数の踊回防止部材60,60が設けられており、しかもこれら踊回防止部材60,60は、硬貨繰出部10から放出させられた硬貨に同時に当たることが可能な位置関係に配置されているため、側方より硬貨繰出部10から放出させられた硬貨の勢いを十分かつ適正に吸収することができる。
したがって、搬送ベルト44上に放出させられた硬貨が立ち上がった状態となってしまうことを確実に防ぐことができ、さらに安定して硬貨を搬送させることができることになる。
【0039】
加えて、踊回防止部材60,60は、上部が支持され垂れ下げられた垂下部材からなるため、簡素かつ安価な構成で確実に、放出させられた硬貨の勢いを吸収することができる。
【0040】
また、踊回防止部材60,60で放出時の勢いが吸収された硬貨に、多少踊り回りが残存したとしても、踊回防止部材60,60が該硬貨の上側に載り上げてこれをその重量で搬送ベルト44に押し付けることになり、踊り回りを確実に止めることになる。
すなわち、踊回防止部材60,60で放出時の勢いが吸収された硬貨に、多少踊り回りが残存したときに、分離ローラ49に接触すること等によって、踊り回りがまた大きくなってしまう可能性があるが、この場合は、踊回防止部材60,60が該硬貨の上側に載り上げてこれをその重量で搬送ベルト44に押し付けることになり、踊り回りを確実に止めることになって、上記のような踊り回りの再発生を防止するのである。
したがって、搬送ベルト44上に放出させられた硬貨が立ち上がった状態となってしまうことをさらに確実に防ぐことができ、さらに安定して硬貨を搬送させることができることになる。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の硬貨搬送装置によれば、放出手段で側方に放出させられた硬貨は、搬送ベルト上における該放出方向の前方位置に設けられた踊回防止部材に当たることになり、その際に硬貨は該踊回防止部材でその勢いが吸収されて踊り回りが防止される。
したがって、搬送ベルト上に放出させられた硬貨が立ち上がった状態となってしまうことを未然に防ぐことができ、安定して硬貨を搬送させることができることになる。
踊回防止部材は、上部が支持され垂れ下げられた垂下部材からなるため、簡素かつ安価な構成で、放出させられた硬貨の勢いを吸収することができる。
【0046】
本発明の請求項2記載の硬貨搬送装置によれば、踊回防止部材は、上部が支持され垂れ下げられた垂下部材からなるため、簡素かつ安価な構成で確実に、放出させられた硬貨の勢いを吸収することができる。
【0047】
本発明の請求項3記載の硬貨搬送装置によれば、踊回防止部材である垂下部材で放出時の勢いが吸収された硬貨に、多少踊り回りが残存したとしても、垂下部材が該硬貨の上側に載り上げてこれをその重量で搬送ベルトに押し付けることになり、踊り回りを確実に止めることになる。
したがって、搬送ベルト上に放出させられた硬貨が立ち上がった状態となってしまうことをさらに確実に防ぐことができ、さらに安定して硬貨を搬送させることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一の実施の形態の硬貨搬送装置を示す平面図。
【図2】 本発明の一の実施の形態の硬貨搬送装置の側断面図。
【図3】 本発明の一の実施の形態の硬貨搬送装置を示すものであって、(a)は硬貨放出時の第1段階を示す正断面図、(b)は硬貨放出時の第1段階を示す正断面図。
【図4】 硬貨搬送装置を示す平面図。
【図5】 硬貨搬送装置の側断面図。
【図6】 硬貨搬送装置を示す正断面図。
【符号の説明】
10 硬貨繰出部(放出手段)
44 搬送ベルト
60 踊回防止部材
Claims (3)
- 側方に硬貨を放出させる放出手段と、該放出手段から放出させられた硬貨を回転することにより搬送する搬送ベルトとを有する硬貨搬送装置において、
前記搬送ベルト上における前記放出手段の硬貨放出方向の前方位置に、該放出手段から放出させられた硬貨に最初に当たってその放出時の勢いを吸収し該硬貨の踊り回りを防止する踊回防止部材が設けられており、
前記踊回防止部材は、上部が支持され垂れ下げられた複数の垂下部材からなり、
これら垂下部材は前記放出手段から放出させられた硬貨に同時に衝突可能とされていることを特徴とする硬貨搬送装置。 - 前記垂下部材は鎖状部材からなることを特徴とする請求項1記載の硬貨搬送装置。
- 前記垂下部材は、その下端部と前記搬送ベルトとの隙間が、硬貨一枚の厚さと同等以下とされていることを特徴とする請求項1または2記載の硬貨搬送装置。
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