JP3711583B2 - 曲り歯かさ歯車の加工方法 - Google Patents

曲り歯かさ歯車の加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3711583B2
JP3711583B2 JP12549495A JP12549495A JP3711583B2 JP 3711583 B2 JP3711583 B2 JP 3711583B2 JP 12549495 A JP12549495 A JP 12549495A JP 12549495 A JP12549495 A JP 12549495A JP 3711583 B2 JP3711583 B2 JP 3711583B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tooth
tooth surface
phase angle
cutter
bevel gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12549495A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08323542A (ja
Inventor
正毅 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP12549495A priority Critical patent/JP3711583B2/ja
Publication of JPH08323542A publication Critical patent/JPH08323542A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3711583B2 publication Critical patent/JP3711583B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Gear Processing (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、歯形成形・歯筋連続創成歯切り法(Face Hobbing-Non Generate 法)による曲り歯かさ歯車の加工方法、特に当該歯切りにより成形した歯形の歯面を最終仕上げ段階で仕上げ加工する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
曲り歯かさ歯車の歯切り方法としては従来、例えば図12に示すようなものがあった。カッター10には半径rCの円周上に、一連のアウトサイドブレードOBと、インサイドブレードIBとが配列されており、このカッター10を中心OCの周りにおいて回転角速度ωcで回転させる。また被加工ワーク20は中心O2の周りにおいて回転角速度ω2で回転させる。そしてカッター10に一定軸方向の送り運動を与えることで、曲り歯かさ歯車の歯溝3および歯形4を成形し、この際アウトサイドブレードOBは歯形4の凹歯面2を、また、インサイドブレードIBは歯形4の凸歯面1を形成する。なお歯筋形状は、ωcとω2の関係、及びカッター回転中心Ocとワーク回転中心O2の位置関係、並びにカッター半径rcによって与えられ、一般的には、延長エピサイクロイド曲線に加工されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の曲り歯かさ歯車の歯切り方法にあっては、カッター回転位相角φ C に対するワーク回転位相角φ 2 の関係を図13に示すように定め、従ってカッター回転角速度ωcに対するワーク回転角速度ω2の角速度比ω2/ωcが図14で示すようにカッター回転位相角φ C の如何にかかわらず常に一定のioであったため、以下の問題を生じていた。
【0004】
つまりこの場合、歯面形状の修正が、カッター回転中心Ocとワーク回転中心O2の位置関係、あるいはカッター半径rcの変更に限られることとなる。しかして、当該変更による歯面形状の修正は、歯面全体の形状変更を余儀なくされ、歯面を一部のみを変更するという訳にゆかない。
【0005】
ところで、曲り歯かさ歯車にあっては、その使用時における干渉や片当りを防止し、静粛性や強度の向上を目的として噛合い性能の向上を図る等のために、凸歯面1および凹歯面2の歯筋方向トー側端部T1,T2や、凸歯面1および凹歯面2の歯筋方向ヒール側端部H1,H2のみに逃げを与えることが必要な場合があるが、従来の曲り歯かさ歯車の歯切り方法にあっては幾何的にこれを実現させることができない。
【0006】
本発明は、曲り歯かさ歯車の歯切り加工中に歯面の一部のみでも、これを形状変更し得るような曲り歯かさ歯車の加工方法を提案し、もって上述の問題を解消することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的のため第1発明による曲り歯かさ歯車の加工方法は、
歯形成形・歯筋連続創成歯切り法による曲り歯かさ歯車の歯切り最終仕上げ段階で、該歯切りにより成形した歯形の歯面を仕上げ加工するに際し、
カッター回転角速度に対するワーク回転角速度の角速度比が、カッター回転角に応じて変化するよう、カッター回転角速度およびワーク回転角速度の少なくとも一方を変更することを特徴とするものである。
【0008】
また第2発明による曲り歯かさ歯車の加工方法は、
前記歯形における凸歯面を逃げ加工している間は、前記歯面の仕上げ加工に際してのカッター回転位相角に対するワーク回転位相角の割合を、予め定めた一定の割合に対して大きくすることを特徴とするものである。
【0009】
更に第3発明による曲り歯かさ歯車の加工方法は、
前記歯形における凹歯面を逃げ加工している間は、前記歯面の仕上げ加工に際してのカッター回転位相角に対するワーク回転位相角の割合を、予め定めた一定の値に対して小さくすることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】
第1発明においては、歯形成形・歯筋連続創成歯切り法による曲り歯かさ歯車の歯切り最終仕上げ段階で、該歯切りにより成形した歯形の歯面を仕上げ加工するに当たり、
カッター回転角速度に対するワーク回転角速度の角速度比が、カッター回転角に応じて変化するよう、カッター回転角速度およびワーク回転角速度の少なくとも一方を変更する。
【0011】
かかるカッター回転角速度およびワーク回転角速度の少なくとも一方の変更により、曲り歯かさ歯車の歯切り加工中に歯面の一部のみを形状変更することができ、あらゆる要求に対応した歯面を持つ曲り歯かさ歯車を作ることができることとなる。
【0012】
第2発明においては、上記歯形における凸歯面の端部を加工している間は、前記歯面の仕上げ加工に際してのカッター回転位相角に対するワーク回転位相角の割合を、予め定めた一定の割合に対して大きくする方向に変化させる
この場合、凸歯面のトー側端部に、またはヒール側端部に、或いはこれら双方に逃げを形成することができ、歯面における干渉や片当たりを防止し、噛合い性能の向上により静粛性や強度の向上を実現した曲り歯かさ歯車を製作することができる。
【0013】
第3発明においては、上記歯形における凹歯面の端部を加工している間は、前記歯面の仕上げ加工に際してのカッター回転位相角に対するワーク回転位相角の割合を、予め定めた一定の値に対して小さくする方向に変化させる
この場合、凹歯面のトー側端部に、またはヒール側端部に、或いはこれら双方に逃げを形成することができ、歯面における干渉や片当たりを防止し、噛合い性能の向上により静粛性や強度の向上を実現した曲り歯かさ歯車を製作することができる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明方法を実施するための曲り歯かさ歯車創成装置の一実施例で、この装置は曲り歯かさ歯車を、歯形成形・歯筋連続創成歯切り法により創成するものとし、図中、図12におけると同様の部分を同一符号にて示す。
【0015】
構成を説明するに、カッター10はサーボモータ11で軸Ocの周りに回転駆動され、ワーク20はサーボモータ21で軸O2の周りに回転駆動される。ここでカッター10の回転角速度をωcとし、ワーク20の回転角速度をω2とする。カッター10の回転位相角φ C およびワーク20の回転位相角φ 2 を個々に検出するために、それぞれの軸上のロータリーエンコーダ12,22を設け、これらロータリーエンコーダ12,22からの信号をサーボモータコントローラ30に入力する。
【0016】
サーボモータコントローラ30は内部演算回路により、カッター10の回転角速度ω2、およびワーク20の回転角速度をω2の目標値に対する位置偏差情報を加味したモーター駆動指令を発生し、これらモーター駆動指令により各パワードライバ13,23を介してサーボモータ11,21を以下に説明するように同期駆動制御する。
【0017】
従来は、カッター回転位相角φ C に対するワーク回転位相角φ 2 の関係を図13に示すように定める結果、カッター回転角速度ωcに対するワーク回転角速度ω2の角速度比ω2/ωcが図14で示すようにカッター回転位相角φ C の如何にかかわらず常に一定のiOであったが、本例においては角速度比ω2/ωcカッター回転位相角φ C に応じて後述のごとくに変化するよう、カッター回転位相角φ C に対するワーク回転位相角φ 2 の関係を与えることとする。
【0018】
但し、上記のように角速度比ω2/ωcカッター回転位相角φ C に応じて変化するよう、カッター回転位相角φ C に対するワーク回転位相角φ 2 の関係を与えるのは、以下の領域とする。つまり、図2は、図1における曲り歯かさ歯車創成装置が行う1ワーク加工サイクル中におけるカッター10の送り位置変化を示し、本例のように角速度比ω2/ωcカッター回転位相角φ C に応じて変化するようカッター回転位相角φ C に対するワーク回転位相角φ 2 の関係を与えるのは、図2における1ワーク加工サイクル中のうちαで示す最終仕上げ段階で実施することとする。ここで段階αは、最終仕上げ〜ドエル初期の段階であるため歯形(歯溝、歯面)は、ほとんど完成に近い状況にある。
【0019】
本例において、角速度比ω2/ωcカッター回転位相角φ C に応じ変化するよう、カッター回転位相角φ C に対するワーク回転位相角φ 2 の関係を与えるに当たっては、カッター回転位相角φ C に対しワーク回転位相角φ 2 が図3(a)に示すようなものとなるよう、従って図3(b)に示すように角速度比ω2/ωcカッター回転位相角φ C に応じ従来の一定値ioから+Δi1または−Δi2だけ変化するよう、ワーク回転位相角φ 2 カッター回転位相角φ C に対して変更する。
【0020】
図3において、
(1)は、凹歯面ヒール側端部H2(図12参照)の逃げ加工開始点、
(2)は凹歯面ヒール側端部H2の逃げ加工終了点、
(3)は凹歯面トー側端部T2(図12参照)の逃げ加工開始点、
(4)は凹歯面トー側端部T2の逃げ加工終了点、
(5)は凸歯面ヒール側端部H1(図12参照)の逃げ加工開始点、
(6)は凸歯面ヒール側端部H1の逃げ加工終了点、
(7)は凸歯面トー側端部T1(図12参照)の逃げ加工開始点、
(8)は凸歯面トー側端部T1の逃げ加工終了点をそれぞれ示す。
【0021】
図3に示すように凹歯面ヒール側端部H2の逃げ加工開始点(1)から、当該逃げ加工の終了点(2)までの間、ワーク回転位相角φ 2 カッター回転位相角φ C に対して徐々に遅らせる。これにより、図4(a),(b)に示すように凹歯面のヒール側端部H2が、対応するアウトサイドフレード(OB)の切り刃B2−1により切り込まれ、ワーク回転位相角φ 2 の上記遅れに応じた徐々に大きな逃げを当該凹歯面ヒール側端部H2に形成することができる。この間、歯形4に関与している隣接したインサイドフレード(IB)の切り刃B1−1は、ワーク回転位相角φ 2 の上記遅れにより図4(b)に明示されるごとく、エアカット状態となって歯面に対する加工を行わない。加えて、その他の切り刃は全てワーク領域外にあって、これら切り刃も歯面に対する加工を行わない。
【0022】
ここで図4(b)に示す、凹歯面ヒール側端部H2の逃げ加工終了点(2)において、後続のアウトサイドフレード(OB)の切り刃B2−2からワークまでの間隔φtb2が、凹歯面ヒール側端部逃げ加工終了点(2)から凹歯面トー側端部逃げ加工開始点(3)までの余裕角であり、この余裕角φtb2中は図3に示すように、凹歯面ヒール側端部逃げ加工終了点(2)におけるワーク回転位相角φ 2 の遅れを維持する。
【0023】
当該余裕角φtb2の後、凹歯面トー側端部T2の逃げ加工開始点(3)から、当該逃げ加工の終了点(4)までの間、図3に示すようにワーク回転位相角φ 2 カッター回転位相角φ C に対して徐々に元の回転位相角に戻す。これにより、図4(c),(d)に示すように凹歯面のトー側端部T2が、対応するアウトサイドフレード(OB)の切り刃B2−2により切り込まれ、ワーク回転位相角φ 2 の上記戻しに応じて漸減する逃げを当該凹歯面トー側端部T2に形成することができる。この間、歯形4に関与している隣接したインサイドフレード(IB)の切り刃B1−1は、ワーク回転位相角φ 2 の上記戻しにより図4(d)に明示されるごとく、エアカット状態を解消されて次に歯面に対する加工を行い得る状態となる。なお、その他の切り刃は全てワーク領域外にあって、これら切り刃は歯面に対する加工を行わない。
【0024】
ここで図4(d)に示す、凹歯面トー側端部T2の逃げ加工終了点(4)において、上記インサイドフレード(IB)の切り刃B1−1から凸歯面ヒール側端部H1の逃げ加工開始点(5)までの間隔φhb1が、凹歯面トー側端部逃げ加工終了点(4)から凸歯面ヒール側端部H1の逃げ加工開始点(5)までの余裕角であり、この余裕角φhb1中は図3に示すように、凹歯面トー側端部逃げ加工終了点(4)におけるワーク回転位相角φ 2 を維持する。
【0025】
上記余裕角φhb1の後、凸歯面ヒール側端部H1の逃げ加工開始点(5)から、当該逃げ加工終了点(6)までの間は、図3に示すようにワーク回転位相角φ 2 カッター回転位相角φ C に対して徐々に進ませる。これにより、図4(e),(f)に示すように凸歯面のヒール側端部H1が、対応するインサイドフレード(IB)の切り刃B1−1により切り込まれ、ワーク回転位相角φ 2 の上記進みに応じた徐々に大きな逃げを当該凸歯面ヒール側端部H1に形成することができる。この間、歯形4に関与している隣接したアウトサイドフレード(OB)の切り刃B2−2は、ワーク回転位相角φ 2 の上記進みにより図4(f)に明示されるごとく、エアカット状態となって歯面に対する加工を行わない。加えて、その他の切り刃は全てワーク領域外にあって、これら切り刃も歯面に対する加工を行わない。
【0026】
ここで図4(f)に示す、凸歯面ヒール側端部Hの逃げ加工終了点(6)において、後続のアウトサイドフレード(OB)の切り刃B1−2からワークまでの間隔φtb1が、凸歯面ヒール側端部逃げ加工終了点(6)から凸歯面トー側端部逃げ加工開始点(7)までの余裕角であり、この余裕角φtb1中は図3に示すように、凸歯面ヒール側端部逃げ加工終了点(6)におけるワーク回転位相角φ 2 の進みを維持する。
【0027】
当該余裕角φtb1の後、凸歯面トー側端部T1の逃げ加工開始点(7)ら、当該逃げ加工の終了点(8)までの間、図3に示すようにワーク回転位相角φ 2 カッター回転位相角φ C に対して徐々に元の回転位相角に戻す。これにより、図4(g),(h)に示すように凸歯面のトー側端部T1が、対応するインサイドフレード(IB)の切り刃B1−2により切り込まれ、ワーク回転位相角φ 2 の上記戻しに応じて漸減する逃げを当該凸歯面トー側端部Tに形成することができる。この間、歯形4に関与している隣接したアウトサイドフレード(OB)の切り刃B2−2は、ワーク回転位相角φ 2 の上記戻しにより図4(h)に明示されるごとく、エアカット状態を解消されて次に歯面に対する加工を行い得る状態となる。なお、その他の切り刃は全てワーク領域外にあって、これら切り刃は歯面に対する加工を行わない。
【0028】
ここで図4(h)に示す、凸歯面トー側端部T1の逃げ加工終了点(8)から、図4(a)に示す、次の凹歯面ヒール側端部H2の逃げ加工開始点(1)までの余裕角を図4(a)にφta1で示し、この余裕角φta1中は図3に示すように、凸歯面トー側端部逃げ加工終了点(8)におけるワーク回転位相角φ 2 を維持する。
【0029】
上述したワーク回転位相角φ 2 変更と、カッター切り刃による歯面加工状況との関係を表により示すと、図5のごとくになる。
【0030】
上記の歯面加工サイクルを、全ての歯が成形されるまで繰り返すことにより、図6に破線で示した従来方式による歯形に対し、同図に実線で示した歯形を成形することができる。つまり本例の方法によれば、凸歯面1のヒール側端部H1およびトー側端部T1と、凹歯面2のヒール側端部H2およびトー側端部T2のみに逃げを持ち、他の歯面は従前のままにしてこれを変更しない歯形4を成形することができ、負荷による歯形の撓みまたは歯車の組付け誤差が発生しても、滑らかな噛合いを維持して、静粛性に優れ、また強度の向上を実現した曲り歯かさ歯車の製作が可能である。
【0031】
また本例の曲り歯かさ歯車の加工方法によれば、カッター10の回転角速度ωCおよびワーク20の回転角速度ω2の制御のみで、簡単且つ安価に上記の作用効果を実現させることができる。更に、上記の作用効果が歯面端部の逃げ加工で達成されることから、歯面全体の創成に工夫をする場合に比べて要求精度が高くなく、この点でもコスト的に大いに有利である。
【0032】
図7は、上記実施例の方法でカッター半径rc=88.0mm、ブレードグループ数Zb=17(従ってインサイドブレードおよびアウトサイドブレード毎に切り刃間隔φ=21.2°)のカッターを用い、リングギヤ歯数Z2=37、ピニオン歯数Z1=8、ギヤ歯巾F=28.6mm、オフセットE=23.8mm、ミーンコーンディスタンスA=85.5mm、ねじれ角β=33°41’のハイポイドギヤを成形する場合の応用例を示す。この歯車の凸歯面、凹歯面の各トー側端部、ヒール側端部にカッター回転位相角2°相当(歯筋方向各10%)の逃げを与えるとき、φtb2=3.2°>O,φtb1=3.8°>O,φta1=2.8>O,φhb1=3.4°>Oとなり、図8(a),(b)に示すように凸歯面1および凹歯面2の全ての端部、つまり歯面端部4カ所全てに逃げを与えることができる。
【0033】
なお図7において、OCT,OCM,OCHはそれぞれ、カッター回転中心OCの位置変化を示し、OCTはトー側端部加工時におけるカッター回転中心位置を、またOCMは歯筋中心部を加工している時におけるカッター回転中心位置を、更にOCHはヒール側端部加工時におけるカッター回転中心位置である。また、Tはトー側端部加工時の切り刃位置、T´は同種ブレードにおける1つ前の切り刃位置、Hはヒール側端部加工時の切り刃位置、H´は同種ブレードにおける1つ後の切り刃位置、Mは歯筋中心を示し、点MおよびOCM間距離、点T及びOCT間距離、点T´およびOCT間距離、点HおよびOCH間距離、点H´およびOCH間距離、点O2およびOCT間距離、点O2およびOCM間距離、点O2およびOCH間距離はそれぞれ、全てカッター半径rCに等しい。
【0034】
かかる応用例において、カッター回転位相角φ C に対するワーク回転位相角φ 2 の変化特性は図9のようなものとなる。
【0035】
図10は、上記と同じ歯車諸元のハイポイドギヤを成形するに当たり、図11(a),(b)に示すごとく最も干渉が発生し易い凸歯面1のトー側端部T1のみに上記と同仕様の逃げを形成し、凹歯面2にはトー側端部およびヒール側端部のいずれにも逃げを形成しない歯形を創成する場合の、カッター回転位相角φ C に対するワーク回転位相角φ 2 の変化特性を示す。この場合、図10から明らかなように、カッター回転位相角φ C に対するワーク回転位相角φ 2 の変化を、凸歯面ヒール側端部逃げ加工終了点(6)から凸歯面トー側端部逃げ加工開始点(7)を経て同加工終了点(8)に至る間において実行するだけでよく、制御が容易となる。
【0036】
【発明の効果】
かくして第1発明による曲り歯かさ歯車の加工方法は、請求項1に記載のごとく、
歯形成形・歯筋連続創成歯切り法による曲り歯かさ歯車の歯切り最終仕上げ段階で、該歯切りにより成形した歯形の歯面を仕上げ加工するに当たり、
カッター回転角速度に対するワーク回転角速度の角速度比が、カッター回転角に応じて変化するよう、カッター回転角速度およびワーク回転角速度の少なくとも一方を変更することから、
かかるカッター回転角速度およびワーク回転角速度の少なくとも一方の変更により、曲り歯かさ歯車の歯切り加工中に歯面の一部のみを形状変更することができ、あらゆる要求に対応した歯面を持つ曲り歯かさ歯車を作ることができる。
【0037】
第2発明による曲り歯かさ歯車の加工方法は、請求項2に記載のごとく、
上記歯形における凸歯面の端部を逃げ加工している間は、歯面の仕上げ加工に際してのカッター回転位相角に対するワーク回転位相角の割合を、予め定めた一定の割合に対して大きくする方向に変化させることから、
凸歯面のトー側端部に、またはヒール側端部に、或いはこれら双方に逃げを形成することができ、歯面における干渉や片当たりを防止し、噛合い性能の向上により静粛性や強度の向上を実現した曲り歯かさ歯車を製作することができる。
【0038】
第3発明による曲り歯かさ歯車の加工方法は、請求項3に記載のごとく、
上記歯形における凹歯面の端部を逃げ加工している間は、歯面の仕上げ加工に際してのカッター回転位相角に対するワーク回転位相角の割合を、予め定めた一定の値に対して小さくする方向に変化させることから、
凹歯面のトー側端部に、またはヒール側端部に、或いはこれら双方に逃げを形成することができ、歯面における干渉や片当たりを防止し、噛合い性能の向上により静粛性や強度の向上を実現した曲り歯かさ歯車を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による曲り歯かさ歯車の加工方法を実施するに当たって用いるのに好適な曲り歯かさ歯車創成装置を例示するシステム図である。
【図2】 図1に示す曲り歯かさ歯車創成装置による歯切り加工の1サイクルを示すカッター送り位置のタイムチャートである。
【図3】 (a)は、本発明方法による曲り歯かさ歯車の加工中におけるカッター回転位相角ワーク回転位相角特性を例示する特性図、
(b)は、同特性に対応した、カッター回転角速度に対するワーク回転角速度の角速度比を示す特性図である。
【図4】 (a)〜(h)は、図3の加工方法を適用した場合における歯面加工状況を、各段階ごとに示す工程説明図である。
【図5】 図3の加工方法を適用した場合におけるカッター切り刃の歯面加工場所を、各段階ごとに示す説明図である。
【図6】 図3の加工方法を適用して加工した歯形を例示する斜視図である。
【図7】 図3の加工方法で、特定歯車諸元の曲り歯かさ歯車を加工する場合における具体的な応用例を示す寸法線図である。
【図8】 (a)は、同応用例で製作した歯形の凸歯面を示し、
(b)は、同歯形の凹歯面を示す説明図である。
【図9】 同応用例におけるカッター回転位相角ワーク回転位相角特性を示す特性図である。
【図10】 本発明による曲り歯かさ歯車加工方法の他の例を示すカッター回転位相角ワーク回転位相角特性を示す特性図である。
【図11】 (a)は、同例で製作した歯形の凸歯面を示し、
(b)は、同歯形の凹歯面を示す説明図である。
【図12】 従来の一般的な曲り歯かさ歯車の加工方法を示す説明図である。
【図13】 同従来法による曲り歯かさ歯車の加工中におけるカッター回転位相角ワーク回転位相角特性を示す特性図である。
【図14】 同特性に対応した、カッター回転角速度に対するワーク回転角速度の角速度比を示す特性図である。
【符号の説明】
1 凸歯面
2 凹歯面
3 歯溝
10 カッター
20 被加工ワーク
IB インサイドブレード
OB アウトサイドブレード
B1 インサイドブレード切り刃
B2 アウトサイドブレード切り刃
2 ワーク回転中心
c カッター回転中心
c カッター半径
ω2 ワーク回転角速度
ωc カッター回転角速度
φ2 ワーク回転位相角
φc カッター回転位相角
11 カッター軸サーボモータ
12 カッター軸エンコーダ
13 パワードライバ
21 ワーク軸サーボモータ
22 ワーク軸エンコーダ
23 パワードライバ
30 サーボモータコントローラ
φtb2 凹面ヒール逃げ終了点から凹面トー逃げ開始点までの余裕角
φhb1 凹面トー逃げ終了点から凸面ヒール逃げ開始点までの余裕角
φtb1 凸面ヒール逃げ終了点から凸面トー逃げ開始点までの余裕角
φta1 凸面トー逃げ終了点から凹面ヒール逃げ開始点までの余裕角
1 凸歯面トー側端部
1 凸歯面ヒール側端部
2 凹歯面トー側端部
2 凹歯面ヒール側端部

Claims (3)

  1. 歯形成形・歯筋連続創成歯切り法による曲り歯かさ歯車の歯切り最終仕上げ段階で、該歯切りにより成形した歯形の歯面を仕上げ加工するに際し、
    カッター回転角速度に対するワーク回転角速度の角速度比が、カッター回転角に応じて変化するよう、カッター回転角速度およびワーク回転角速度の少なくとも一方を変更することを特徴とする曲り歯かさ歯車の加工方法。
  2. 請求項1において、前記歯形における凸歯面を逃げ加工している間は、前記歯面の仕上げ加工に際してのカッター回転位相角に対するワーク回転位相角の割合を、予め定めた一定の割合に対して大きくすることを特徴とする曲り歯かさ歯車の加工方法。
  3. 請求項1または2において、前記歯形における凹歯面を逃げ加工している間は、前記歯面の仕上げ加工に際してのカッター回転位相角に対するワーク回転位相角の割合を、予め定めた一定の値に対して小さくすることを特徴とする曲り歯かさ歯車の加工方法。
JP12549495A 1995-05-25 1995-05-25 曲り歯かさ歯車の加工方法 Expired - Fee Related JP3711583B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12549495A JP3711583B2 (ja) 1995-05-25 1995-05-25 曲り歯かさ歯車の加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12549495A JP3711583B2 (ja) 1995-05-25 1995-05-25 曲り歯かさ歯車の加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08323542A JPH08323542A (ja) 1996-12-10
JP3711583B2 true JP3711583B2 (ja) 2005-11-02

Family

ID=14911496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12549495A Expired - Fee Related JP3711583B2 (ja) 1995-05-25 1995-05-25 曲り歯かさ歯車の加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3711583B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6878760B2 (ja) * 2017-04-12 2021-06-02 株式会社不二越 工作機械
CN107570808A (zh) * 2017-07-14 2018-01-12 汉德车桥(株洲)齿轮有限公司 一种用于加工螺旋锥齿轮的弧齿刀具

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08323542A (ja) 1996-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2994755B2 (ja) ねじ型砥石車の目直し方法
EP0921886B1 (en) Apparatus and method for improved precision grinding of face gears
KR102555094B1 (ko) 치형부를 기계가공하는 방법, 툴 장치 및 치성형 머신
JPH1058231A (ja) 研削ウォームのプロフィル形成方法および装置並びにプロフィル形成ツール
JPH0229449B2 (ja)
US6151778A (en) Apparatus and method for roll forming gears
JPH10507810A (ja) フェースギアを備えた円筒ピニオンのギアトランスミッション、該ギアトランスミッションに使用されるフェースギア、並びにフェースギアを製作するための方法及びツール
JPH0398714A (ja) 歯切りによって円筒歯車のフランクを仕上げ加工する方法とこの方法を実行する装置
JP6602350B2 (ja) 半仕上げ単一割出方法においてフェースカップリングワークピースの歯面を機械加工する方法
US9925606B2 (en) Power skiving method having multiple cut strategy
CN111185638A (zh) 用于切削制造具有双斜齿部的齿轮的方法
EP0906171A1 (en) Apparatus for precision grinding face gears
GB2281523A (en) A method of fine machining gearwheels using an internally toothed tool
US5720584A (en) Tool for producing a crown wheel which can mesh with a pinion with oblique teeth, and method of producing such a crown wheel
JP3711583B2 (ja) 曲り歯かさ歯車の加工方法
KR100293616B1 (ko) 나선형베벨기어및하이포이드기어를제조하는방법및상기기어를제조하기위한표면호빙타입절단기
JP2006242211A (ja) 伝動歯車及びその製作方法
JPH0649252B2 (ja) 工作物の歯側面研削装置
JP2002011615A (ja) フェースギア・ホイールの製造方法および加工装置
JP2001157906A (ja) 機械加工装置および機械加工方法
US3264940A (en) Rotary gear-shaped tool
JP2001298901A (ja) ギャードモータ
US5325634A (en) Hourglass worm gear
JPH08135647A (ja) スプライン軸の位相割出照合部分の形成方法
JP7375524B2 (ja) 歯車のシェービング加工方法及びシェービング加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040726

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050310

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050614

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050726

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050808

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080826

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090826

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees