JP2002011615A - フェースギア・ホイールの製造方法および加工装置 - Google Patents

フェースギア・ホイールの製造方法および加工装置

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JP2002011615A
JP2002011615A JP2000191256A JP2000191256A JP2002011615A JP 2002011615 A JP2002011615 A JP 2002011615A JP 2000191256 A JP2000191256 A JP 2000191256A JP 2000191256 A JP2000191256 A JP 2000191256A JP 2002011615 A JP2002011615 A JP 2002011615A
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gear wheel
wheel
tooth
grinding
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JP2000191256A
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English (en)
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Aizo Kubo
愛三 久保
Ichiro Moriwaki
一郎 森脇
Masami Funamoto
雅巳 船本
Tatsuhiko Goi
龍彦 五井
Hirofumi Akahori
広文 赤堀
Toru Nishida
徹 西田
Teruyuki Kano
照之 加納
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Kashifuji Works Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Kashifuji Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘリコプター用トランスミッション等の高速
かつ高負荷の変速装置のコストを低減できるフェースギ
アの製造方法ならびにその加工装置を提供する。 【解決手段】 直線刃形または直線に近い形状の刃形の
フライス・カッタ11Aをフェースギア・ホイール3の
圧力角が正しい値となるように調節しながら、同フェー
スギア・ホイール3の半径方向に送り込む切削加工手段
と、円盤型砥石をフェースギア・ホイール3の圧力角が
正しい値となるように調節しながら、同フェースギア・
ホイール3の半径方向に送り込む研削加工手段とを備え
て、切削加および研削加によりフェースギヤ・ホイール
3を製造するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフェースギア・ホイ
ールの製造方法および加工装置に関する。さらに詳しく
は、ヘリコプター用トランスミッションなどの変速装置
に使用できるフェースギア・ホイールの製造方法および
加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ヘリコプター用トランスミッ
ションには、図17に示すようにスパイラル・ベベル・
ギアaとピニオン(スパイラル・ベベル・ピニオン)b
との組合せ、つまりスパイラル・ベベル・ギアセットc
が用いられている。
【0003】しかしながら、スパイラル・ベベル・ギア
セットcを用いた場合、次のような問題がある。
【0004】(1)スパイラル・ベベル・ギアセットc
が高い寸法精度が要求されるため、スパイラル・ベベル
・ギアセットcそのものが高価になる。
【0005】(2)ハウジングの寸法許容差が小さいた
め、ハウジングを高い寸法精度で製作する必要がある。
その結果、ハウジングが高価になる。
【0006】(3)ピニオンに平歯車が使用できないた
め、ピニオンが高価になる。
【0007】(4)組立時にシム調整を必要とするた
め、組立てが煩雑となる。
【0008】(5)(1)〜(4)の相乗効果により、
ヘリコプター用トランスミッションが高価になる。
【0009】このため、スパイラル・ベベル・ギアセッ
トcの代わりにフェースギアセットを用いることがコス
ト低減のためには有利であるといえる。ところが、フェ
ースギア・ホイールに関しては歯面に対する研削技術が
確立されていないため、ヘリコプター用トランスミッシ
ョンなどの高速かつ高負荷の変速装置に適用するには難
点がある。その理由は、フェースギア・ホイールの歯形
切削は例えばピニオンカッタにより可能であるが(特開
平9−123021号参照)、このピニオンカッタを使
った方法で歯面研削を行うことはできない。
【0010】また、前記ピニオンカッタによる切削方法
はフライス・カッタを用いた切削方法と比較して加工効
率が劣るという問題がある。
【0011】さらにまた、例えば特表平6−50472
9号公報または特表平8−508939号公報にあるよ
うに、フェースギア・ホイールの歯切りをホブにより行
う創成切削方法ではカッタの形状が複雑になるため高価
になるという問題がある。
【0012】また、特表平6−503999号公報に示
される創成研削方法でも同様に研削砥石形状が複雑にな
り、また砥石の回転とワークの回転とを同期させねばな
らないため、砥石の回転数が制限され、研削効率が悪く
なるという問題がある。
【0013】なお、本明細書では、説明の便宜上、大歯
車、つまりホイールと、小歯車、つまりピニオンとの組
合せをフェースギアセットと定義することする。また、
フェースギア・ホイールとは、円板に歯が植えられた形
態を有するもの、いわゆるフェースギアの大歯車をい
う。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の課題に鑑みなされたものであって、ヘリコプター用
トランスミッションなどの高速かつ高負荷の変速装置の
コストを低減できるフェースギアの製造方法ならびにそ
の加工装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1形態の第1
態様は、直線刃形または直線に近い形状の刃形を有する
フライス・カッタをフェースギア・ホイールの圧力角が
正しい値となるように調節しながら、同フェースギア・
ホイールの半径方向に送り込むことにより歯面を切削す
る加工工程を含んでなることを特徴とするフェースギア
・ホイールの製造方法に関する。
【0016】また、本発明の第1形態の第2態様は、砥
石の回転軸を含む平面で切断した断面においてフェース
ギア・ホイールの歯面を研削する部分が直線または直線
に近い形状である円盤型砥石をフェースギア・ホイール
の圧力角が正しい値となるように調節しながら、同フェ
ースギア・ホイールの半径方向に送り込むことにより歯
面を研削する加工工程を含んでなることを特徴とするフ
ェースギア・ホイールの製造方法に関する。
【0017】本発明の第1形態の第3態様は、直線刃形
または直線に近い形状の刃形を有するフライス・カッタ
をフェースギア・ホイールの圧力角が正しい値となるよ
うに調節しながら、同フェースギア・ホイールの半径方
向に送り込むことにより歯面を切削する加工工程と、砥
石の回転軸を含む平面で切断した断面においてフェース
ギア・ホイールの歯面を研削する部分が直線または直線
に近い形状である円盤型砥石をフェースギア・ホイール
の圧力角が正しい値となるように調節しながら、同フェ
ースギア・ホイールの半径方向に送り込むことにより歯
面を研削する加工工程とを含んでなることを特徴とする
フェースギア・ホイールの製造方法に関する。
【0018】本発明の第2形態の第1態様は、直線刃形
または直線に近い形状の刃形を有するフライス・カッタ
をフェースギア・ホイールの圧力角が正しい値となるよ
うに調節しながら、同フェースギア・ホイールの半径方
向に送り込むことにより歯面を切削する加工手段を備え
てなることを特徴とするフェースギア・ホイールの加工
装置に関する。
【0019】本発明の第2形態の第2態様は、砥石の回
転軸を含む平面で切断した断面においてフェースギア・
ホイールの歯面を研削する部分が直線または直線に近い
形状である円盤型砥石をフェースギア・ホイールの圧力
角が正しい値となるように調節しながら、同フェースギ
ア・ホイールの半径方向に送り込むことにより歯面を研
削する加工手段を備えてなることを特徴とするフェース
ギア・ホイールの加工装置に関する。
【0020】本発明の第2形態の第3態様は、直線刃形
または直線に近い形状の刃形を有するフライス・カッタ
をフェースギア・ホイールの圧力角が正しい値となるよ
うに調節しながら、同フェースギア・ホイールの半径方
向に送り込むことにより歯面を切削する加工手段と、砥
石の回転軸を含む平面で切断した断面においてフェース
ギア・ホイールの歯面を研削する部分が直線または直線
に近い形状である円盤型砥石をフェースギア・ホイール
の圧力角が正しい値となるように調節しながら、同フェ
ースギア・ホイールの半径方向に送り込むことにより歯
面を研削する加工手段とを備えてなることを特徴とする
フェースギア・ホイールの加工装置に関する。
【0021】
【作用】本発明によれば、単純な形状の切削・研削工具
を用いて、なおかつ多軸NCマシニングセンタなどの汎
用機械によりフェースギア・ホイールの歯形を加工する
ことが可能となるので、従来のいわゆる成形加工法およ
び創成加工法とは異なり、工具および加工装置が高価と
ならず低コスト化が達成できる。また、いわゆる創成法
に比して加工効率も容易に向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる
実施形態のみに限定されるものではない。
【0023】本発明の一実施形態に係るフェースギアセ
ットFを図1に概略図で示し、フェースギア・ホイール
3の部分拡大斜視図を図2に示す。図1および図2に示
すように、フェースギアセットFはフェースギア・ホイ
ール3とインボリュート歯車(以下、ピニオンともい
う)4との組合わせからなる。インボリュート歯車4と
しては、インボリュート歯形を有する平歯車あるいはは
すば歯車が用いられる。
【0024】フェースギア・ホイール3の歯形は、イン
ボリュート歯車4との噛み合い部分における半径方向に
直交する断面が、インボリュート歯車4のインボリュー
ト歯形と共役に近い形状とされている。ここで、インボ
リュート歯車4のインボリュート歯形と共役な形状と
は、図3に示すように、インボリュート歯車4とフェー
スギア・ホイール3との噛み合い運動を行わせたとき、
インボリュート歯車4の歯形がなす包絡線が形成するフ
ェースギア・ホイール3の歯形であり、共役に近い形状
とは共役な歯形を基本とし、これにフェースギア・ホイ
ール3の弾性変形を補償するための修整をなしたものを
いう。この共役な形状は、軸角90°のフェースギア・
ホイール3では歯面3aでラックの場合と同様に直線に
近い形状となる。なお、図3において白抜き部分はフェ
ースギア・ホイール3の歯形を示し、網目模様の部分は
インボリュート歯車4の歯形の軌跡を示す。
【0025】また、フェースギア・ホイール3の歯形
は、図4に示すようにフェースギア・ホイール3の半径
方向内側(図4(a)参照)では圧力角が小さく、中間
部分(図4(b)参照)から半径方向外側(図4(c)
参照)に向かって圧力角が徐々に大きくなっていくもの
とされる。図5〜図7にフェースギヤ・ホイール3の半
径方向各位値における歯形およびインボリュート歯車4
の歯形の軌跡を詳細に示す。図5は図4(a)に対応し
た図であり、図6は図4(b)に対応した図であり、図
7は図4(c)に対応した図である。なお、図5〜7に
おいても白抜き部分が、フェースギア・ホイール3の歯
形を示し、網目模様の部分が、インボリュート歯車4の
歯形の軌跡を示している。
【0026】ここで、フェースギア・ホイール3の半径
方向各位置での圧力角は下記式により計算される。
【0027】σ2=Σ−σ12(χ)=d2+χ・sinσ2/cosσ1 cosα(χ)=cosα・(z2/z1)・(d1/d2
χ)
【0028】なお、軸角が90°以下のとき tanσ1=sinΣ/(z2/z1+cosΣ) とされ、また軸角が90°を超えるとき tanσ1=sin(180°−Σ)/(z2/z1−cos
(180°−Σ)) とされる。
【0029】ここで、α:ピッチ点での基準圧力角、d
1,d2:ピニオンの基準ピッチ径,ホイールの基準ピッ
チ径、z1,z2:ピニオン歯数,ホイール歯数、Σ:軸
角、σ1:ピニオンのピッチ角、σ2:ホイールのピッチ
角、χ:ピッチ点から各断面までのホイール歯筋に沿っ
た距離(内端側が−、ピッチ点が0)、d2(χ):各
断面でのホイールかみ合いピッチ径、α(χ):各断面
でのかみあい圧力角である。
【0030】図8に、かかるフェースギア・ホイール3
を製造するためのフェースギア加工装置Tの基本的構成
を示し、その概略正面図を図9に示し、同概略平面図を
図10に示し、同概略側面図を図11に示す。このフェ
ースギア加工装置Tは、フライス・カッタまたは円盤型
砥石からなる歯形加工ツール11を駆動するためのツー
ル駆動機構10と、ブランクBを駆動するためのブラン
ク駆動機構20とから構成されている。
【0031】フェースギア加工装置Tは、X軸,Y軸,
Z軸,C1軸、C軸およびA軸の6軸を有するNCマシ
ニングセンタからなり、モータMが発生する回転駆動力
を駆動用ベルト12を介して歯形加工ツール11に伝達
し、これにより歯形加工ツール11を回転軸33を中心
として回転駆動するものとされる。ここで、X軸,Y
軸,Z軸,C1軸,C軸およびA軸は、それぞれ次のよ
うな機能を有している。
【0032】X軸:ブランクBの歯丈方向の切り込み、
ならびに歯形加工ツール11外径の補正運動 Y軸:歯形加工ツール11の初期位置合わせ、ならびに
歯形加工ツール11を揺動させながらホイール半径方向
に切り込む際のブランクBの位置補正運動 Z軸:歯形加工ツール11の送り運動 C1軸:歯形加工ツール11の揺動運動 C軸:ブランクBの割り出し運動ならびにブランクBの
回転位置調整 A軸:軸角調整
【0033】なお、C1軸は歯形加工ツール11による
切削または研削が行えるようにされている。
【0034】図12に、歯形加工ツールとしてのフライ
ス・カッタの構造を示す。
【0035】フライス・カッタ11Aは、円盤31の外
周に複数の切れ刃32が等間隔で設けられてなるものと
される(図12(b)参照)。円盤31は中心部に回転
軸33が挿通される回転軸挿通孔34が設けられてい
る。各切れ刃32は、刃面32aの形状が直線または直
線に近い形状とされている(図12(a)参照)。
【0036】次に、かかる構成とされているフェースギ
ア加工装置Tによるフェースギア・ホイール3の製造に
ついてより具体的に説明する。なお、この加工工程は、
切削加工および研削加工とも共通である。
【0037】(1)ブランクBをブランク駆動機構20
のブランク保持装置13に取付ける。
【0038】(2)歯形加工ツール11をツール駆動機
構10により駆動して回転軸33を中心として加工に適
切な速度で回転させる。
【0039】(3)歯形加工ツール11をC1軸回りに
揺動させて、ブランクB外端での圧力角と、歯形加工ツ
ール11切削面または研削面の角度とが前述した正しい
関係となるようにする。
【0040】(4)ブランクBへの切り込み位置が所定
の位置になるように、歯形加工ツール11をY軸方向に
移動させる。なお、歯形加工ツール11を移動させる代
わりにブランクBをC軸回りに回転させることにより切
り込み位置を調節することも可能である。
【0041】(5)歯形加工ツール11をZ軸方向に送
って、ブランクBに歯形加工ツール11を切り込ませ
る。このとき、図13に示すように、歯形加工ツール1
1のZ軸方向の位置に応じて、形成される歯面の圧力角
が変化するように、歯形加工ツール11をC1軸回りに
揺動させる。すなわち、ブランクBの半径方向内側にい
くに従って(同図(b)参照)圧力角が小さく、また半
径方向中程(同図(c)参照)から外側(同図(d)参
照)にいくに従って圧力角が大きくなるように歯形加工
ツール11の傾きが調節される。
【0042】また、これと同時に、歯形加工ツール11
のY軸方向の位置も調節される。なお、この調節はブラ
ンクBをC軸回りに回転させる動きにより行うことが可
能である。
【0043】(6)歯形加工ツール11をX軸方向に移
動させて歯形加工ツール11の切り込み深さを調節す
る。
【0044】(7)手順(1)〜手順(6)により一方
の歯面が形成されると、これと対向する別の歯の歯面に
対して手順(1)〜手順(6)を行う。
【0045】(8)このようにして歯溝が1つ完成する
と、割り出し運動によりブランクBをC軸回りに1ピッ
チ移動させる。
【0046】(9)手順(7)および手順(8)は順序
を逆にしてもよい。また、加工効率および精度を上げる
ために、フライス・カッタをC1軸回りに回転させない
で送り込む荒切削工程を本工程より先に行ってもよい。
【0047】また、歯形加工ツールの刃形または砥石断
面形状(以下、刃形等という)は直線または直線に近い
形状としたが、必要に応じて修整を加えることももちろ
ん可能である。例えば、図14(a)〜(f)に示すよ
うに、基準となる直線に対して所定角度で交差した直線
半弓形曲線、あるいは前記基準線に対して交差する外側
もしくは内側に湾曲している曲線とすることも可能であ
る。この場合、前記直線または曲線の前記基準線との偏
差は、100μm以内にするのが目安となる。ここで、
前記所定角度はフェースギア・ホイール3の歯の大きさ
に応じて適宜選択される。
【0048】なお、ピニオン2の加工については、従来
のインボリュート歯車と同様であるので、その詳細な説
明は省略する。ただし、フェースギヤ・ホイール3の共
役な形状の歯形からの誤差、噛み合いによるたわみに起
因する誤差、および熱変形による誤差を吸収するため、
その歯面は所定の3次元的修整がなされているのが好ま
しい。ここで、所定の3次元的修整とは、従来なされて
いた歯形修整や歯すじ修整ではなく、歯面を所望の自由
曲面に修整することをいう。
【0049】このように、この実施形態においては、従
来の成形加工法または創成加工法とは異なり、単純な刃
形状の歯形加工ツール11を用いて、なおかつ汎用機械
によりフェースギア・ホイール3の歯形を切削加工ある
いは研削加工することが可能となるので、加工装置が高
価とならず低コスト化を図ることができる。
【0050】また、歯形加工ツール11としての砥石の
回転数をブランクBの回転数に関係なく設定できるた
め、最適な研削速度での加工が可能であり、製品の品質
向上および低コスト化が可能となる。
【0051】また、諸元の異なるフェースギア・ホイー
ル3に対しても歯形加工ツール11を流用できるため、
さらに低コストで高品質なフェースギア・ホイール3を
製造することが可能となる。
【0052】さらには、歯形加工ツール11の小型化が
容易であることから、軸付きホイールの加工も容易とな
る。
【0053】すなわち、図15に示すように、フェース
ギア・ホイール3のブランクが回転軸3bと一体的に構
成されているワークWに研削を施す場合には、従来の創
成研削法では所定の研削速度を得るために、またねじ状
に研削面を形成するため、歯形加工ツール11´の小型
化が困難であり、軸3bと歯形加工ツールとが干渉する
場合が多く(図15の斜線部分参照)、結果としてこの
ような軸一体型のフェースギア・ホイール3の歯研削を
行うことは困難であった。
【0054】ところが、本実施形態の製造方法によれ
ば、歯形加工ツール11を高速回転することにより所定
の研削速度が得られまた加工面の形状が単純であるた
め、歯形加工ツール11を容易に小型化でき、したがっ
て軸一体型のフェースギア・ホイール3も容易に歯研削
できるという利点がある。これにより、部品点数も少な
く、軽量化および低コスト化が容易な軸一体型フェース
ギア・ホイールにより、ヘリコプター用トランスミッシ
ョンなどの歯車機構を構成することができるようになる
ので、歯車機構を信頼性が高く、軽量かつ低コストに構
成することが可能となる。
【0055】以上、本発明を実施形態に基づいて説明し
てきたが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるも
のではなく、種々改変が可能である。
【0056】例えば、実施形態ではヘリコプター用トラ
ンスミッションに適用した場合を例に採り説明されてい
るが、本発明が適用できるのはヘリコプター用トランス
ミッションに限定されるものではなく、各種変速装置に
適用でき、例えば自動車用変速装置や工作機械の変速装
置にも適用できる。
【0057】
【実施例】図16に下記の諸元を有するフェースギア・
ホイールを前記実施形態の製造装置を用いて製造した実
施例を示す。
【0058】 モジュール:3.00mm 圧力角 :27.5° 歯数比 :21/85 軸角 :90° 歯幅 :18mm(内端側9.0mm、外端側9.0mm) オフセット:0mm ねじれ角 :0°
【0059】この実施例では、加工に使用する砥石の断
面形状またはフライス・カッタの刃形等は直線とし、ま
た、砥石またはカッタを歯面に沿わせるための圧力角
は、その位置における前述した式による計算圧力角とし
たが、内端のみ計算値を元に理論歯形(共役な形状の歯
形)との差違が最小となるように若干修整している。
【0060】この結果、図16(a)に示すように、歯
筋内端での歯形誤差は6.7μm、中央で1.9μm、
外端で3.8μmとなっている。これは、歯車精度要求
規格AGMA2000−A88により、このホイールと
同じ歯数およびモジュールを持つ円筒歯車に対する値と
前記誤差とを比較すると、航空機用として一般的に要求
されるCLASS12の歯形誤差が8.0μmであるこ
とに鑑みて、十分に精度要求を満たすことがわかる。
【0061】なお、軸角が0°という極端な例では理論
歯形(共役な形状の歯形)とのずれ量は最大で99μm
となるが、砥石またはカッタの刃形等を直線ではなく円
弧にすれば、ずれ量を最大で5μmに抑えることも可能
となる。したがって、前記実施形態によれば、歯形加工
ツール11の刃形等に若干の調節を加えることによっ
て、軸角が0°から180°の全ての範囲で対応するこ
とが可能となる。ここで、軸角が0°および180°の
場合は砥石またはカッタの軸を刃面が加工対象の歯面に
沿うように回転させる必要がないため、通常の成形切削
法および成形研削法による切削加工または研削加工と何
らかわるものではない。
【0062】さらに、本実施例で生じた理論歯形(共役
な形状の歯形)からのずれは、相手側ピニオンに誤差を
うち消すような歯形・歯筋修整を加えることによって、
歯車対としての伝達誤差を低減することが可能である。
この場合の修整は、3次元的に行われるのが好ましい。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
単純な形状の切削・研削工具を用い、なおかつ6軸NC
マシニングセンタなどの多軸汎用機械によりフェースギ
ア・ホイールの歯形を加工することが可能となるので、
従来のいわゆる成形加工法および創成加工法とは異な
り、工具および加工装置が高価とならず低コスト化が達
成できる、という優れた効果が得られる。また、いわゆ
る創成加工法に比して加工効率も容易に向上させること
も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるフェースギア・
ホイールとインボリュート歯車のピニオンとの組合せか
らなるフェースギアセットの断面図である。
【図2】図1におけるフェースギア・ホイールの部分拡
大図である。
【図3】ピニオンのインボリュート歯形の共役な形状の
歯形の説明図である。
【図4】フェースギア・ホイールの歯形の詳細な説明図
であって、同(a)は半径方向内側の断面を示し、同
(b)は中間部分を示し、同(c)は半径方向外側部分
を示し、同(d)は歯形の概略斜視図を示す。
【図5】フェースギア・ホイールの歯形のさらに詳細な
説明図であって、図4(a)に対応する個所を示す。
【図6】フェースギア・ホイールの歯形のさらに詳細な
説明図であって、図4(b)に対応する個所を示す。
【図7】フェースギア・ホイールの歯形のさらに詳細な
説明図であって、図4(c)に対応する個所を示す。
【図8】フェースギア加工装置の基本的構成図である。
【図9】同加工装置の概略正面図である。
【図10】同加工装置の概略平面図である。
【図11】同加工装置の概略側面図である。
【図12】歯形加工ツールとしてのフライス・カッタの
概略形状を示す図であって、同(a)は断面図を示し、
同(b)は正面図を示す。
【図13】歯形切削および研削加工の態様を示す説明図
であり、同(a)はブランクを上方から見た様子を示
し、同(b)はC−C断面図、同(c)はB−B断面
図、同(d)はA−A断面図を示す。
【図14】フライス・カッタの刃形の説明図であって、
同(a)は基準直線に対して所定角度傾斜している直線
刃形の一例を示し、同(b)は基準直線に対して所定角
度傾斜している直線刃形の他の例を示し、同(c)は基
準直線に対して所定角度傾斜している半弓型曲線歯形の
一例を示し、同(d)は基準直線に対して所定角度傾斜
している半弓型曲線歯形の他の例を示し、同(e)は基
準直線に対して湾曲している曲線歯形の一例を示し、同
(f)は基準直線に対して湾曲している曲線刃形の他の
例を示す。
【図15】本発明のフェースギア・ホイール製造方法に
おける利点を説明するための模式図である。
【図16】本発明のフェースギア・ホイール製造方法に
よりフェースギア・ホイールを製造した一実施例を説明
するための図であって、同(a)は内端におけるものを
示し、同(b)は歯筋中央を示し、同(c)は外端を示
す。
【図17】従来のヘリコプター用トランスミッションに
用いられているベベルギアおよびピニオン組合せの概略
図である。
【符号の説明】
3 フェースギア・ホイール 4 インボリュート歯車 10 歯形加工ツール駆動機構 11 円盤型砥石 12 駆動用ベルト 13 ブランク保持装置 20 ブランク駆動機構 F フェースギアセット B ブランク M モータ T フェースギア加工装置
フロントページの続き (72)発明者 船本 雅巳 京都市南区上鳥羽鴨田28番地 株式会社カ シフジ内 (72)発明者 五井 龍彦 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会 社明石工場内 (72)発明者 赤堀 広文 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会 社明石工場内 (72)発明者 西田 徹 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会 社明石工場内 (72)発明者 加納 照之 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会 社明石工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直線刃形または直線に近い形状の刃形を
    有するフライス・カッタをフェースギア・ホイールの圧
    力角が正しい値となるように調節しながら、同フェース
    ギア・ホイールの半径方向に送り込むことにより歯面を
    切削する加工工程を含んでなることを特徴とするフェー
    スギア・ホイールの製造方法。
  2. 【請求項2】 砥石の回転軸を含む平面で切断した断面
    においてフェースギア・ホイールの歯面を研削する部分
    が直線または直線に近い形状である円盤型砥石をフェー
    スギア・ホイールの圧力角が正しい値となるように調節
    しながら、同フェースギア・ホイールの半径方向に送り
    込むことにより歯面を研削する加工工程を含んでなるこ
    とを特徴とするフェースギア・ホイールの製造方法。
  3. 【請求項3】 直線刃形または直線に近い形状の刃形を
    有するフライス・カッタをフェースギア・ホイールの圧
    力角が正しい値となるように調節しながら、同フェース
    ギア・ホイールの半径方向に送り込むことにより歯面を
    切削する加工工程と、砥石の回転軸を含む平面で切断し
    た断面においてフェースギア・ホイールの歯面を研削す
    る部分が直線または直線に近い形状である円盤型砥石を
    フェースギア・ホイールの圧力角が正しい値となるよう
    に調節しながら、同フェースギア・ホイールの半径方向
    に送り込むことにより歯面を研削する加工工程とを含ん
    でなることを特徴とするフェースギア・ホイールの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 直線刃形または直線に近い形状の刃形を
    有するフライス・カッタをフェースギア・ホイールの圧
    力角が正しい値となるように調節しながら、同フェース
    ギア・ホイールの半径方向に送り込むことにより歯面を
    切削する加工手段を備えてなることを特徴とするフェー
    スギア・ホイールの加工装置。
  5. 【請求項5】 砥石の回転軸を含む平面で切断した断面
    においてフェースギア・ホイールの歯面を研削する部分
    が直線または直線に近い形状である円盤型砥石をフェー
    スギア・ホイールの圧力角が正しい値となるように調節
    しながら、同フェースギア・ホイールの半径方向に送り
    込むことにより歯面を研削する加工手段を備えてなるこ
    とを特徴とするフェースギア・ホイールの加工装置。
  6. 【請求項6】 直線刃形または直線に近い形状の刃形を
    有するフライス・カッタをフェースギア・ホイールの圧
    力角が正しい値となるように調節しながら、同フェース
    ギア・ホイールの半径方向に送り込むことにより歯面を
    切削する加工手段と、砥石の回転軸を含む平面で切断し
    た断面においてフェースギア・ホイールの歯面を研削す
    る部分が直線または直線に近い形状である円盤型砥石を
    フェースギア・ホイールの圧力角が正しい値となるよう
    に調節しながら、同フェースギア・ホイールの半径方向
    に送り込むことにより歯面を研削する加工手段とを備え
    てなることを特徴とするフェースギア・ホイールの加工
    装置。
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