JP2008543582A - カサ歯車並びにハイポイド歯車の自由形状最適化の方法とその装置 - Google Patents

カサ歯車並びにハイポイド歯車の自由形状最適化の方法とその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008543582A
JP2008543582A JP2008516132A JP2008516132A JP2008543582A JP 2008543582 A JP2008543582 A JP 2008543582A JP 2008516132 A JP2008516132 A JP 2008516132A JP 2008516132 A JP2008516132 A JP 2008516132A JP 2008543582 A JP2008543582 A JP 2008543582A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optimization
gear
optimization method
surface geometry
axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008516132A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5185814B2 (ja
Inventor
ハルトムート・ミューラー
オラフ・フォーゲル
ローラント・ドゥチュック
カルステン・ヒューネッケ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Klingelnberg GmbH
Original Assignee
Klingelnberg GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Klingelnberg GmbH filed Critical Klingelnberg GmbH
Publication of JP2008543582A publication Critical patent/JP2008543582A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5185814B2 publication Critical patent/JP5185814B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23FMAKING GEARS OR TOOTHED RACKS
    • B23F9/00Making gears having teeth curved in their longitudinal direction
    • B23F9/08Making gears having teeth curved in their longitudinal direction by milling, e.g. with helicoidal hob
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23FMAKING GEARS OR TOOTHED RACKS
    • B23F23/00Accessories or equipment combined with or arranged in, or specially designed to form part of, gear-cutting machines
    • B23F23/006Equipment for synchronising movement of cutting tool and workpiece, the cutting tool and workpiece not being mechanically coupled
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23QDETAILS, COMPONENTS, OR ACCESSORIES FOR MACHINE TOOLS, e.g. ARRANGEMENTS FOR COPYING OR CONTROLLING; MACHINE TOOLS IN GENERAL CHARACTERISED BY THE CONSTRUCTION OF PARTICULAR DETAILS OR COMPONENTS; COMBINATIONS OR ASSOCIATIONS OF METAL-WORKING MACHINES, NOT DIRECTED TO A PARTICULAR RESULT
    • B23Q15/00Automatic control or regulation of feed movement, cutting velocity or position of tool or work
    • B23Q15/007Automatic control or regulation of feed movement, cutting velocity or position of tool or work while the tool acts upon the workpiece

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)
  • Gear Processing (AREA)
  • Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)
  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)
  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

カサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状又はこれに依存する一つ又は複数の量の大きさを最適化する方法であって、対称軸を含みうる最大6軸を備えた自由形状基底機械に可逆的,一義的に、好ましくは一対一に対応して表現でき、加工すべき歯車と工具を持ち、これらは各軸の周りに回転可能で、工具と加工すべき歯車は多数の軸に沿って,または多数の軸の周りに互いに可動、好ましくは移動可能又は回転可能である自由形状機械によって加工する際の最適化方法。カサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状又はこれに依存する一つ又は複数の量の大きさの最適化は、被最適化対象に影響を及ぼす一つ又は多数の制御パラメーターを、自由形状基底機械上での歯車製造プロセス、歯車創成、負荷歯当たり分析の少なくとも1つのシミュレーションによって、被最適化対象の大きさが少なくとも規定の目標値になるまで変化させることで行える。

Description

本発明はカサ歯車並びにハイポイド歯車の自由形状最適化の方法とその装置、その様な歯車を製造する方法とその装置、並びに既に製造されたカサ歯車やハイポイド歯車の自由形状最適化による修正方法とその装置に関する。
歯車の製造、特にカサ歯車やハイポイド歯車の製造では、今日その様な歯車の、例えばスムースな転がり運動など転がり特性や耐久力により高度な要求が求められている。この様な特性は、旧式の製造機械などでは、歯車の表面幾何形状を今日要求される高度な転がり特性や耐久力の意味で影響を与えられるような、十分な可能性がないので、そのような旧式の機械で加工されたような歯車では達成することは出来ない。
この様な以下非自由形状機械と呼ぶ旧式の機械では、歯車の幾何形状、特に歯形の幾何形状に影響できる手段としては原則的には、そのつど製造すべき歯車の理論的な意味を示す一連の所謂基底機械設定があるにすぎない。この基本的な基底機械設定は、すべての考えられうる現実的な非自由形状機械が可逆的に一義に表現出来るような、数学的に理論的にモデルである所謂基底機械に関連するものであるが、この現実的非自由形状機械とは、基底機械(基底歯切り機械とも呼ぶ)よりも多くの場合軸数が少なく、従って歯切りのすべての種類を加工できるものではない。
この基底機械とその基底機械設定の記述は、例えばゴルドリッヒの文献(Goldrich,“CNC Generation of Spiral Bevel and Hypoid Gears: Theory and Practice”, The Gleason Works, Rochester, New York 1990) にある。更に欧州特許 EP 0 784 525 にもこの基底機械とその基底機械設定の持つ意味が論じられている。その様な基底機械に基づく旧式の非自由形状機械は、技術開発の進展に伴ってモディファイされ、前述した固定的軸設定以外に例えば修整転造(,modified roll’) 及び/又はラセン状動作(,helical motion’) 等のある程度の(付加的)動作を可能としているが、欧州特許 EP 0784 525 には、基底機械を応用する表面幾何形状の最適化の可能性は、少なくともその立場から見て不十分である理由が述べられている。
一方、工具をワークに対して歯車が加工されるような位置に合わせるために機械軸数を基底機械に対して必要最小限度へ減らしたような歯車製造機械が開発された。この様な製造機械は、基底機械設定に必要な基底機械の軸の代わりに、歯車製造に必要な位置決め自由度を保証するために回転軸、リニア軸、旋回軸を備えており、自由形状機械とも称される(これについては、欧州特許 EP 0 784 525 並びに米国特許 US 4 981 402 参照の事)。通常その様な自由形状機械は、最大6機械軸、好ましくは3リニア軸と3回転軸を備えているが、これは基底機械のモデルに基づいた非自由形状機械に対して著しく機械的に単純化された事を意味する。
しかしその様な自由形状機械は、機械的に見て非自由形状機械よりも著しく簡単な構造となっているばかりか、これ以上に原則的な長所を持っている。即ちワークの加工は、この際可能となった自由度に鑑み、歯車用の基底機械の持つ歴史的に見て当然なように固定した理論的な意味にもはや拘束されず、原則的には全く自由で、基底機械に比べてより要求度の高い歯車表面の幾何形状の創出を可能とし、これで例えば冒頭に述べたような、従来に比べて明らかに高まった歯車転がり特性や耐久力への要求度を満たせることが出来る。
自由形状機械に対しても、理論的なモデル、即ち最大6軸の自由形状基底機械が存在する。この様な機械は加工すべき歯車と工具を持ち、これらは各々軸の周りに回転可能であり、工具と加工すべき歯車はお互い方向に又は多数の軸周りに可動、好ましくは移動又は回転可能となっている。
上述の説明を要約し、かつ以下の説明の前置きとして専門用語について一言するが、本明細書では次のように定義する。
− 基底機械:すべての考えられうる現実的な非自由形状機械が対称に至るまで可逆的に一義に表現出来, どの機械軸も歯切り理論的な意味を持つような非自由形状機械のモデル、
− 非自由形状機械:そのつど製造すべき歯車の理論的な意味を示す基底機械のいくつか選択された所謂基底機械設定が自由に使える旧式タイプの現実的機械で、しかしこれには必ずしも基底機械の全ての機械軸が事実上に現実に存在する必要 がないもの、
− 自由形状基底機械:最大6軸を装備した自由形状機械のモデルで、これは各々ある軸の周りに回転可能な加工すべき歯車と工具を持ち、工具と加工すべき歯車はお互い方向へ又は多数の軸周りに可動、好ましくは移動又は回転可能で、自由形状機械に対称に至るまで可逆的一義的に表現できるもの、
− 自由形状機械:基底機械設定に必要な基底機械の軸の代わりに、歯車製造に必要な位置決め自由度を保証するために回転軸とリニア軸と旋回軸(但し、必ずしも必要でないが、通常は最大6機械軸、好ましくは3リニア軸と3回転軸)を備えたもの。
特にこれに関連して指摘するが、この基底機械という概念は、ただ上述の意味においてのみで、例えば上位概念(特に自由形状基底機械の上位概念)としては通用させない。そにほかになお、ここと以下において機械間での写像とは、あるひとつの機械のあらゆる可能な動作を他の機械の動作に複写することを意味するもので、ただ或るひとつの製造プロセスの具体的な実現を表現するばかりではない。
そのようなわけで、クロイツァーによる従来技術(Kreuzer, T., “Neue Verzahnungsgeometrie fuer Kegelraeder durch Schleifen mit kegeligen Topfscheiben [,Flared Cup’-Verfahren ]“ (円錐形状つぼ形ディスクを用いた研削によるカサ歯車の新規な歯切り幾何形状[フレアカップ・方式]) in: Theodore J.Kreuzer> CNC Bevel Gear Generators and Flared Cup Formate Gear Grinding. The Gleason Works, Rochester, New York, 1991) には例えば、その様な自由形状機械の軸を適切に起動(アクティベーション)する事による歯車のコンタクト・パターン改善 (歯車の転がり特性を本質的に決定する特性)へ与える影響は原則的に周知である。しかしこのフレアカップ・方式とは、純粋な形状方式で、これでは特殊な工具がワークに形状高度の方向でただ一ラインにおいてだけで接触する事を活用している。これによって、そのつどある唯一の軸の起動をそのつど変更する影響力に関して、変形プロセスのここにある簡単な単一因果関係をいわば‘試行する’事を可能とする。
従来技術は、例えば欧州特許 EP 0 784 525 記載の歯面修整加工の方式等に従って、カサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状修整のための、この追加的な自由度を利用することを試みる事によって、この原則的な認識を活用している。
前記欧州特許 EP 0 784 525 には、本明細書で問題となっている歯車の歯面修整の方法が提案されている。その中では、まずもともとその価値から見て全体の製造プロセスのために、ただ固定的に選択すべき基底機械設定を基底機械設定機能で置き換えるという、その様な歯車の表面幾何形状を修整する方法が一般的に記載されているが、これによると歯車の製造プロセス中で基底機械設定量が変化でき、その結果、本明細書の実施に従えば、歯車の歯面と従って表面幾何形状を目的に合致させて修整することを可能なさせるものである。これは前記に説明した数々の機能的変更を、例えば米国特許 US 4 981 402 で周知の方式によって実際に歯車加工を行う、そこの理論的な自由形状機械へ換算する事で行われる。
このやり方は、従って欧州特許 EP 0 784 525 の記載によると、理論的な基底機械のモデルに基づき、歯車設計の計算をし、歯車に対する理論的意味を熟慮する可能性と、しかし同時に、−同じく上記特許の記述によると− 歯車の開発に際して追加的な自由を提供するものである。これは、基底機械の上記のモデルとその自由形状機械へのトランスフォーメーションを可能にする為に、前にただ固定的に(静的に)設定できた全ての基底機械軸を、歯車の製造プロセス中で機能的に可変(能動的)な設定として活用する事によってである。
これは元々ただ特殊な“フレアカップ・方式”と関連したものだが、既に引用したクレンツァー(上述参照)の論文によって原則的に与えられた、カサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状最適化目的の自由形状機械の追加的な可能性は、したがって欧州特許 EP 0 784 525 によると、製造プロセス中に機能的に可変な基底機械設定とそれ以降の自由形状機械へのトランスフォーメーションを備えた理論的な基底機械を回り道して活用さるべきものである。
しかしこのやり方には、ひとつ短所がある。即ち、この理論的基底機械は常時自由形状機械よりも多くの軸を備えているので、このやり方は軸動作を複写する関数の係数という形で多数の最適化目的の冗長制御パラメーターを使っているという短所がある。この短所の結果、最適化はこの冗長性によるこれらのパラメーターが原因で、不必要に実行が困難となる。そのために、例えばヤコビ行列を活用する数値的最適化方式を応用する場合には、その様な冗長なパラメーターの場合に規則的に線形な依存が発生し、これが特異ヤコビ行列に導かれ、この結果、非冗長パラメーターを使う場合のような普通のヤコビ行列を基礎とする最適化課題よりも、数値的に一層解決が困難な最適化課題となる(Nocedal,J. and Wright, S.J., “Numerical Optimization“, Springer Series in Operations Research, New York, 1999 参照の事)。
それ故、上記方法には、既に冒頭で述べたように今日明らかに高まった転がり特性に対する要求の観点から、上述の表面幾何形状の最適化が必要な歯車のための最適化方法の重要性に鑑みて、改善すべき点があることが明らかである。このことは、特に機械軸の本来の理論的意義が、表面幾何形状の最適化には属性として最早なく、従って最適化改善は断念できることからも明らかである。
その様な改良には、カサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状の最適化措置を直接自由形状機械で、即ち特に前述した短所を回避するために、基底機械のモデルを迂回する事を避けて実行出来るような方式が必要である。その様な方式は、現在まで従来技術では知られていない。
すべて今日まで従来技術で採用された方式はむしろ、そのつど製造すべき歯車の理論的な意味を示す基底機械設定を備えた基底機械を基礎としている。
そのようにして、例えば歯切り理論的認識を歯面形状又はイーズオフ(Wiener, D., “Oertliche 3D-Flankenkorrekturen zur Optimierung spiralverzahnter Kegelraeder“ in: Seminarunterlagen “Innovationen rund ums Kegelrad“[スパイラル歯切りカサ歯車の最適目的3次元歯面修正], WZL, RWTH Aachen 2001, or Stadtfeld, H.J., “The Universal Motion Concept for Bevel Gear Production“ in: Proceedings of the 4th World Congress on Gearing and Power Transmission, Band I, Paris 1999, p. 595-607 参照の事) に及ぼすパラメーターの影響又は負荷接触特性 (Simon,V., “Optimal Machine Tool Setting for Hypoid Gears Improving Load Distribution“, ASME Jornal of Mechanical Design 123, Dec. 2001, p. 577-582 参照の事)に及ぼす影響のシミュレーションによる研究成果と結合して、歯車表面幾何形状の創出に適したアルゴリズムの導出を意図している。
従来技術でも(例えば Gosselin, C.; Guertin, T.; Remond, D. and Jean, Z., “Simulation and Experimental Measurement of the Transmission Error of Real Hypoid Gears Under Load“. ASME Journal of Mechanical Design Vol.122 March 2000 bzw.Gosselin, C.; Masseth, J. and Noga, S., “Stock Distribution Optimization in Fixed Setting Hypoid Pinions”. Gear Technology July/August 2001 参照の事)、歯面修正もしくは特殊な歯面調整それゆえ即ち歯車幾何形状修整又は歯車幾何形状最適化を実行するために、ニュートンラフソン法が採用されている。しかしこの感受性ベースの最適化では、少なくとも2次の歯面形状修整を達成するために、ただ固定的な基底機械設定だけが変化させられる。
最新の歯車最適化目的最適化技術の応用分野での最も新規な開発結果としては、”Automatisches Differenzieren im Maschinenbau Simulation und Optimierung bogenverzahnter Kegelradgetriebe”(機械工業における自動特殊化−円弧形カサ歯車のシミュレーションと最適化)という O.Vogel 他の論文が発表されている(Vogel, O., Griewank, A., Henlich, T. and Schlecht, T., “Automatisches Differenyieren im Maschinenbau Simulation und Optimierung bogenverzahnter Kegelradgetriebe”, in: Tagungsband “Dresdner Maschinenelemente Kollequium DMK2003”, TU Dresden 2003, p.177-194)。
既に述べたように、これら全ての方式は常にその基底機械設定とそれらの各歯切り理論上の意味を備えた基底機械の起動に関するものである。これは歯車を設計する技師がまさに歯車理論的な意味を持つこれらの量に焦点を合わせるという手法の技術的・歴史的な背景で説明できる。その様な手法は、一方では専門家の表象世界に由来する理論的な関連性が維持され、他方ではこの際には前述したディメリットが発生しないので、歯車、つまりこれによって達成可能な基礎形状に対してその幾何形状の修整をしないような歯車の基礎設計にとって十分有益である。
しかし数値的最適化方法の採用にとっては、この歯切り理論的な意味は、従来技術に従って主張される見解(EP 0784 525 B1 の[0016] と[0023] を参照の事)とは反対に、結局のところ全く重要性はない。このことは、自由形状基底機械に続いてあるいは必要に応じて行われる最適化の結果から、多数に存在するパラメーターのために専門家によって、これらのパラメーターにより製造プロセスで何が実際に起こるか推論出来ない事を考えればもっともな事である。活用する機械モデルを歯切り理論的に関連づけることは、この様な理由から重要なことではない。
従って本発明の課題とは、カサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状の最適化を直接自由形状基底機械、即ち特に基底機械のモデルを回り道する事なしに行える、つまりカサ歯車又はハイポイド歯車の製造又は修正目的の現実的な自由形状機械に直接複写する事を可能とする様な方法とその装置を提供する事である。
この課題は本発明によると、最大6軸を備えた自由形状基底機械に対称に至るまで可逆的一義的に、好ましくは対称に至るまで一対一に対応して表現でき、加工すべき歯車と工具を持ち、これらは各々軸の周りに回転可能であり、工具と加工すべき歯車はお互い方向に又は多数の軸周りに可動、好ましくは移動又は回転可能となっているような自由形状機械で製造するためのカサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状又はこれに依存する、一つ又は複数の量の大きさを最適化する方法によって解決できる。
この際、カサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状又はこれに依存する一つ又は複数の量の大きさの最適化は、カサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状又はこれに依存する量の大きさに影響を及ぼす一つ又は多数の制御パラメーターを、歯車製造プロセス及び/又は創成及び/又は負荷歯当たり分析のシミュレーションを自由形状基底機械上で、カサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状又はこれに依存する量の大きさが少なくとも規定の目標に相当するまで変化させる事で行える。
この場合、自由形状機械が最大6軸を備えた自由形状基底機械に対称に至るまで可逆的一義的に写像出来るという事は、自由形状基底機械の自由形状機械への複写表現が一義的であるという意味である。
更にこの課題は、少なくとも一つのデーター処理装置と少なくとも一つの記憶装置を備えた、しかもこのデーター処理装置は本発明の方法に従って稼動する様にプログラム技術的に整備されているという特徴を持つカサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状最適化目的のコンピューターシステムによって解決できる。
従って本発明によって、ここで問題となっている歯車の表面幾何形状の最適化、特に歯面幾何形状の修整(モディフィケーション)は、個々の機械軸の歯切り理論的意味を必要とするので、自由形状基底機械ではなく、基底機械上で動作するという方法のみによって解決できると言う従来の誤った考えを克服することが出来る。
自由形状機械が最大6軸付の自由形状基底機械に対称に至るまで一対一で表現可能であり、自由形状機械と自由形状基底機械が軸種類と軸配置でお互いに合致しているという本発明による特に好ましい実施形態では、自由形状機械のための自由形状基底機械を基礎として、直接エラー原因の分析を実施できると言うメリットがある。そのようなわけで、例えば歯車幾何形状に及ぼす振動などの典型的な軸欠陥の影響は、軸動作の機能的なモデル化の際のその様な欠陥が顧慮されるシミュレーションによって調査できる。更に本発明によって行われる最適化を利用して、機械ミスによる歯面幾何形状の偏差は、この偏差の原因である軸動作に帰属できる。
言い換えれば、典型的な軸エラーで発生した歯面幾何形状での偏差は、一義的に原因となる機械軸へ割り当てられ、この事は生産の観点から −例えば品質確保の観点から− 大きなメリットを意味する。
シミュレーションと最適化目的の(従来の)基底機械を応用する場合には、その様な手法は許容されない。何故かというと、まず第一に自由形状機械の典型的な軸欠陥は、冗長性の為に基底機械の軸に明確に割り当て出来ず、第二に軸種類と軸配置における偏差の為に、自由形状機械の軸のあり得る欠陥は基底機械の多数の軸の、それ相応複雑にモデル化されなくてはならない複雑な動作によって表現されなくてはならないからである。これに加えて、基底機械のモデルにある場合によってはその様に決定される欠陥原因は、まだ自由形状機械のモデルへトランスフォーメーションされなくてはならない。
ここで強調しておくが、本発明に従って行われる最適化は、第一回目に最適化される歯車製造にも、また既に製造された歯車をあとから補足的に修正するのにも役立つ。この際特に後者の場合には、最初の製造が最適化なしに行われるか、あるいは本発明に従って最適化を手段とするか、あるいは他の方法による最適化を手段とするかはどうでもよい事である。
好ましくは本発明によるカサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状又はこれに依存する一つ又は複数の量の大きさの最適化方法は、6軸、好ましくは3回転軸(A,B,C) と3リニア軸(X,Y,Z) を備えた自由形状基底機械のための単独又は複数の制御パラメーターの最適化が行われるようにする事であるが、この際、好ましくは各軸は:
A- 軸 工具を回転するもの
B- 軸 製造すべき歯車を回転するもの
C- 軸 A- 軸と B- 軸間又は B- 軸と工具先端平面間で角度を設定す
る回転軸として
X- 軸 A- 軸方向へのリニア軸として
Y- 軸 X- 軸と Z- 軸と右回りシステムを形成するリニア軸として
Z- 軸 A- 軸と B- 軸の共有垂線方向へのリニア軸として
である。
6軸を備えた(理論的な)自由形状基底機械は、近代的な自由形状機械の持つ自由度を活用できるために、自由形状最適化目的ですべての6動作自由度を使用に供する。従って上記6軸の自由形状機械は、全ての考えられる自由度がワークと工具の相互の関係での位置決めを可能とし、同時にその様な目的で出来るだけ数少ない機械軸を前提とする様なモデルを使用に供する。上述した各3リニア軸と3回転軸は、この様な場合に実際上で特に実用的である事を示した。
これらの軸は、ここではそれらの原則的な協力作業を説明するのに、好ましくは次のように動作する:
工具( A- 軸)は、自主的に回転角度aで回転する。それ以外の軸の動作は、抽象的な指令量tにカップリングしている。この指令量tはインターバル[t1, t2](ここでt1 ≦ t2 )を通過する。連続的に分割する方法の場合には、このワークの回転( B- 軸)、即ち製造すべき歯車の回転は、同様に工具回転角度a に依存するが、ここではこの分割動作bT(a)のモデル化には詳しく触れない事にする。
各々の軸の機能的な依存性は、−ここでもう一度はっきりさせておくが− 明確には次のようになっている:
Figure 2008543582
ここでtとaへの依存の表示は、カサ歯車製造の今日存在する方法に準じた。創成プロセスにとって、指令量tはもう一つの独立した量である。モデルで成形方法を表現するために、tは例えばt(a) = a の様にaに依存した量と見做せる。
B- 軸の動作のほかに、同様に他の軸の動作を A- 軸にカップリングする事は、原則的に考えられる。しかし実際には、現在の軸に比較的高周波数の周期的な振動が重畳するようになるので、むしろ問題である。
しかし、特に機械制御パラメーターによって影響を与えうる軸動作に関しては、本発明によるカサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状最適化方法では、制御パラメーターとしてただ機械制御パラメーターばかりか、工具設定パラメーターも役立つ事が出来る事を原則的に考慮すべきである。その際、工具に又は工具内に固定的にあらかじめ予定されていた、例えばカッターを研ぐ際に成形されるフランク角が、カッターヘッド設定時に変化させることが出来るパラメーターと同様に、その様な工具設定パラメーターのひとつでありうる。
しかし本発明による方法の特に好ましい実施形態は、制御パラメーターとして少なくとも一つの機械軸を起動するための少なくとも一個の機械制御パラメーターが有用である様な形態に関する。その際起動に関して考慮すべき事は、ここで最適化の枠内でまずシミュレーションの役割を果たす自由形状基底機械の軸、即ちシミュレーションモデルの軸が起動される事である。
原則的には、ある軸の動作の指令量tへの機能的な依存は、任意の連続関数(連続して微分可能な関数)で表現できる。この際、‘固定的な’軸を表現するために、特に一定の関数も許容される。また、例えばスプラインを応用する場合など、一つ一つ(部分的及び/又はインターバル的に)定義された関数 −これについてはあとで説明するが− もここでの考慮の対象となる。
しかしここで意図する最適化の観点からは、その様な関数は、機能的な関係を形成するのに援用できるようなパラメーターを備えていなくてはならない。従ってvj(t) (tに依存する)は、そのつどtに依存する軸 B, C, X, Y と Z (上記参照)に関する関数 b(t), c(t), x(t), y(t) 並びに z(t) のどれか一つを代理するものとする。同じ事はν- 軸にも通用する。
或るひとつの軸の動作は、結局それに割り当てられ、tに依存する関数のパラメーターの数値によって決定される。これらパラメーターの依存を表現するために、例えばv- 軸にはνj(t) の代わりに関数 νj( t, Pj ) と表示する。ここで Pj とは軸 j のパラメーターのベクトルである。
好ましくは、軸動作が相互間で少なくとも一つの、好ましくは連続的な、特に好ましくは軸起動のための −好ましくは機械軸No.j 起動のための− 連続的に微分可能な数学的関数 νj( t, Pj ) によってシンクロナイズされる様な自由形状基底機械のための単独又は複数の制御パラメーターの最適化が行われるが、その際に機械軸の一つが自ら又は仮想軸が指令量tを発生し、そうする事で、この指令量tとそのつどの関数に割り当てられたパラメーターベクトル Pj に含まれているパラメーターに機能的に依存し、制御パラメーターとして少なくとも軸動作をシンクロナイズさせる数学的関数 vj のパラメーターベクトル Pj からのパラメーター Pji としても利用できるガイド軸として少なくとも他の軸の位置決めに役立つ。
ここで仮想軸とは、他の軸にとってのガイド軸であり、このガイド軸は他の軸をシンクロナイズすべき任務を持つが、しかしそれ自身は自由形状基底機械のモデルにおける機械的軸には相当せず、またこのモデル中の1個又は多数の機械軸を直接起動する役は果さない。
軸動作の同期化は、また多数の区間ごとに異なった数学的関数を用いても行えるが、ここでこの区間は、tのインターバル、例えば[tm,tn](ここで tn > tm )として示される。
本発明によるカサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状又はこれに依存する量の大きさの最適化方法の特に好ましい実施例は、軸動作の同期化は、付加的に重なり合った数学的関数を用いて行うという特徴を持つが、この際この重畳は、好ましくは
Figure 2008543582
(ここで l ≧ 1 )
という形で表す事が出来る。これは付加的に重なり合った部分モデルから成るハイブリッドモデルであるが、この際部分モデル内で各軸の動作のために用いられる公式化は、そのつど同一とする。
この様なハイブリッドモデルの形成を手段として、本発明による自由形状最適化では、その目標設定又は最適化戦略に従って‘各目的に合致した’部分モデルにとび乗れる。場合によっては、その後で出発モデルを起点として部分モデルを次々とつけ加える事が出来る。その様にして、例えば多項式をスプライン式と混合できる(Mueller, H., Wiener, D., and Dutschk, R., “A Modular Approach Computing Spiral Bevel Gears and Curvic Couplings”, in: Proceedings of the 4th World Congress on Gearing and Power Transmission, Band 1, Paris 1999, p. 531-540 参照)。この文献は引用することによって、本公開明細書の内容に含まれるものとする。
軸動作同期化目的の数学的関数νjは、少なくとも任意、好ましくは6次の多項式である事が好ましい。この際には、多項式νjのそのつどの係数Pjiが制御パラメーターの役を果たす。
これは、典型的には従来技術による追加的動作を持つ旧来の機械モデルの場合に行われるような、最も一般に用いられる公式化であると言えよう。
この端緒は原則的には、例えばフランク角、ネジレ角、又はクラウニング等の修整など歯車の表面幾何形状における包括的な最適化効果を達成するのに適している。
本発明によるカサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状又はこれに依存する一つ又は複数の量の大きさを最適化する方法のもう一つ別の好ましい実施例では、軸動作同期化のための数学的関数νjとして、少なくとも基底関数としてチェビシェフ多項式に基づくマトリックス展開が、好ましくはインターバル[t1,t2](但し t1 > t2 )において
Figure 2008543582
ここで Pj=(pj0, pj1, pj2, ... pji, ..., pj dv) で i = 1, ..., dv, 並びに
Figure 2008543582
で表現される関数の形で応用される。ここでTiは各々チェビシェフ多項式を表すものとし、制御パラメーターとしては、マトリックスνjの各係数Pjiを用いる。
チェビシェフ多項式は例えば、歯車の基本的な設計の場合、その表面幾何形状を後で最適化しようとする時など有益であるが、基底機械モデルを、歯車幾何形状のための各理論的意味を持ったその基底機械設定から分離した自由形状機械の表示、好ましくは6軸機械の表示へ十分な精度でトランスフォーメーション出来るのに、極めて適している。
更に最適化問題の良い数値的解決に関しても、チェビシェフ多項式を基底関数として、慣例的に用いられる(テイラー)多項式における単項式に基づく関数よりも優先すべきである。単項式をベースとした関数を用いると、次数が高まるにつれて、数値的問題解決を悪化させるような、ほとんど特異で、悪く条件づけられたヤコビ行列へ導かれる。この効果は、チェビシェフ多項式の直交性によって回避される。
そのうえ、軸動作同期化目的の数学的関数 νj として、少なくとも例えば連続的に相互に関連し合う様な、好ましくは3次の多項式から成るスプライン関数を用い、また制御パラメーターとしては、各スプライン係数を利用できる(Bronstein, I.N., Semendjajew, K.A., Musiol, G. and Muehlig, G., “Taschenbuch der Mathematik”[数学ハンドブック], 5.Aufl., Frankfurt a M, 2001, p.955-960 並びに Golub, G. and Ortega, J.M.,: “Scientific Computing Eine Einfuehrung in das wissenschaftliche Rechnen und Parallel Numerik”[科学的計算と並列ニューメリック入門], Stuttgart 1996 参照の事)が、この際、この文献は引用することによって、本公開明細書の内容に含まれるものとする。
その様なスプライン、好ましくは立方のスプラインの利用は、特に歯車の表面幾何形状の局部的最適化効果を達成するのに適している。
ここで指摘しておきたいが、欠陥分析の目的で軸動作を特別な部分モデルで補足できる(前記した、さまざまの関数 ν j を軸関数 νj に付加的に重ね合わせる手法を参照)。そのようなわけで、例えば軸動作同期目的の関数 ν j としてとぎれとぎれの三角行列(フーリエ行列)を用いる事が出来る。この時、フーリエ係数及び周期が制御パラメーターとして役立つ。
本発明による方法のもう一つの実施例の特徴は、カサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状又はこれに依存する一つの量又はいくつかの量の大きさの最適化は、カサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状又はこれに依存する一つの量又はいくつかの量の大きさに影響を持つ一個又は複数個の制御パラメーターを、数値的最適化方法によって、カサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状又はこれに依存する量の大きさが、これによって少なくとも規定の目標に合致するまで、変化させる事によって行われる事である。
原則としてこの数値的最適化方法については、まず次の事を述べておく:
いずれの最適化問題は、例えば次のような形式にする事が出来る:
最低限に抑えるべき目標関数:f(p) → min! 、この際、同時に
G(p)≦0 (不等式の副条件)
とH(p)=0 (等式の副条件)
並びに l≦p≦u (パラメーターへの限定)
p:パラメーター
とする。
上記の数値的最適化方法についての詳細な事は、 J.Nocedal, and S.J. Wright の文献(Nocedal, J. and Wright, S.J., “Numerical Optimization”, Springer Series in Operations Research, New York, 1999 参照の事、尚、この文献は引用することによって、本公開明細書の内容に含まれるものとする)に記載されている。この場合、一般には副条件付非線形最適化の問題が扱われており、従ってSQP方法のようなそれ相応の方法が応用されなくてはならない。
詳細には数値的最適化は、好ましくは次のように行われる:
最適すべき設計値、即ち各カサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状又はこれに依存する量は、これからあとで説明するが、例えば6軸モデルを基礎にシミュレーション計算によって決定される。
その際、モデルパラメーター(本明細書の図6を参照の事、これを見ればどの量が何に依存するか分かる)と設計値、即ち最適すべき量間での直接で、機能的依存関係がある。この依存関係は、シミュレーション方法(好ましくは、コンピュータープログラムとして存在する)によって直接確定/ 決定されるもので、量的にはいろいろ異なった感受性の形で、計算できる。この感受性は、最も簡単であるが、最良の手段ではない差分商によるか、又は自動的微分(AD)によって決定できるが、これについてはあとで詳しく説明する。
この感受性は、各個々のパラメーターが線形化されたモデルの中の各目標数値に、どのような影響を及ぼすかを表すもので、数学的な観点からは、これは入力値(パラメーター)に関してシミュレーション計算の出力値(設計値)の導関数である。しかもこれは、新規な数値的手法による目標とした最適化にとって必要である。
本発明による有意義な最適化を実施するには、目標を数学的に、(原則として)非線形の最適化問題の形に表現しなくてはならない。このためには、まず第一にすべての関心のある設計値(最適化すべき量)を数学的に表現しなくてはならない、即ち例えば曲線や面積を適切にパラメーター化しなくてはならない、又は例えばコンタクト・パターンは、適切な形式で量的に表現されなくてはならない。第二に、同時に考察する設計値に対して、好ましくは目標数値を副条件付の関数の形で決定しなくてはならない。この副条件は、この場合には等式の副条件としても、不等式の副条件としても表現できる。
一例を示して、前記の内容をはっきりさせる。歯車の歯形の最適化を歯厚を維持しつつ行うとする。この際、歯形の所望の歯形からの偏差は、格子上における偏差の2乗の和で限量化できる。そしてこの量を目標関数として最小限にするが、この際に例えば一定の歯厚を、ペナルティー・タームとして目標関数にインテグレートできる等式の副条件としてみなせる。
同様に、最大創成誤差への上限を考慮したイーズオフを最大化の目標として活用できる。これ以外の実施形態には、各適切な最適化目標が示されている。
このようにして、本発明による最適化方法は、有意義な最適化問題を適切に定式化することによって、技術的に筋の通った結果、即ち技術的に希望通りに形成された歯車の製造にむすびつく。
即ち第一に目標設計は勿論、これが初期デザインからあまり隔離しておらず、好ましくは、ただ局部的に最適化すべきであるが、そしてこれが実際にそもそも実現可能である場合に限って、正確に達成できるものである。そうでなければ、本発明による方法で、少なくとも意図する目標への出来るだけ良好な近似が得られるが、ただしこの際に局部的最適化方法の場合にはっきりさせておくが、ここでは折りにふれ、ただ局部的に最適な状態が達成できるに過ぎないという危険が存在する。
第二に有意義な事だが、副条件によって、技術的に無意味な問題解決を排除しなくてはならない!。そのようなわけで、歯面形状を定義化し、この点で最適化し、しかし同時に歯厚または溝の深さをまったく考慮しないというのは、十分でない。
この際、数値的最適化方法としては、導関数ベースの方法を応用できるが、この時導関数(感受性)の計算には、例えば差分商(ディファレンス・クオーシャント)方法を応用できるが、この方法では計算が極めて複雑で、場合によっては不正確である。しかしこの目的では、より効果的である自動微分法を応用するのが好ましい (Griewank, A., "Evaluating Derivatives. Principles and Techniques of Algorithmic Differentiation", Philadelphia, SIAM, 1999); 並びに Vogel, O., Griewank, A., Henlich, T. and Schlecht, T., "Automatisches Differenzieren in MaschinenbauSimulation und Optimierung bogenverzahnter Kegelradgetriebe" ["Automatic Differentiation in Mechanical EngineeringSimulation and Optimization of Spirally Toothed Bevel Wheel Transmissions"], 講演集 "Dresdner Maschinenelemente KolloquiumDMK2003" ["Dresden Machine Element ColloquiumDMK2003"], TU Dresden 2003, pp. 177-194; および Vogel, O., "Accurate Gear Tooth Contact and Sensitivity Computation for Hypoid Bevel Gears", in: Corliss, G., Faure, C., Griewank, A., Hascoet, L. and Naumann, U. (publishers), "Automatic Differentiation of AlgorithmsFrom Simulation to Optimization", New York 2002 参照の事、但しこれらの文献は引用する事によって、本公開明細書の内容に含まれるものとする)。この方法では、微分する関数が、基本算術演算と関数で、それらの導関数がそれ自体簡単に計算できるのもから構成されている事を利用している。この導関数は全体として、関数評価自体と平行して、導関数規定の応用によって計算される。このようにして、丸め誤差は別として、正確な導関数が得られる。これについては、Preuβ et al. の論文がある (Preuβ, W., Wenisch, G., "Numerische Mathematik" ["Numerical Mathematics"], Munich, Vienna 2001, p. 234)。
本発明によるカサ歯車並びにハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存した一つの量またはこれに依存したいくつかの量を最適化する方法によると、この表面幾何形状の最適化は、
− 例えば歯車歯底を含めた歯面形状により行うか、好ましくは、最小誤差の二乗方法を規定した歯面幾何形状の目標構造からの偏差へ、好ましくは、歯面形状が規定した目標値に相当するかを決めるために、二次元のグリッドに関して、応用する事で行うか、
(注:上記および以下の説明で、最小誤差の二乗方法とは、各誤差の二乗の和が、最適化の、好ましくは最小にすべき目標値として使われるべきという意味で、詳細はNocedal and Wright (Nocedal, J., Wright, S.J., "Numerical Optimization", Springer Series in Operations Research, New York, 1999;但しこの文献は引用する事によって、本公開明細書に含まれるものとする) を参照の事)
− 歯厚と全歯タケによるか、
− イーズオフ・トポグラフィー、但し好ましくは、最小誤差の二乗方法を予定したイーズオフ・トポグラフィーからの偏差へ、好ましくは、イーズオフ・トポグラフィーが予定した目標値に相当するかを決めるために、二次元のグリッドに関して、応用する事で行うか、
− 創成誤差によるか、但し好ましくは、創成誤差を予定した最大値に関して監視するか、または好ましくは、創成誤差が予定した目標値に相当するかを決めるために、一次元のグリッドに関して、最小誤差の二乗方法を予定した創成誤差関数からの偏差へ応用する事で行うか、
− コンタクト・パターン・ポジションによるか、この際これは好ましくは、最小誤差の二乗方法を、創成誤差の分修正したイーズオフ・トポグラフィーにおける等高線として規定したコンタクト・パターンからの実際のコンタクト・パターンの形状及び/又は中央ポジションの偏差へ、好ましくは、コンタクト・パターンが規定した目標値に相当するか、又は楕円近似方法をこのために使うかを決めるために採用される一次元のグリッドに関して、最小誤差の二乗方法を応用する事で行うか、
− コンタクト経路の推移によるか、
− バックラッシと頂隙、及び/又は
− 表面幾何形状に依存した張力または圧力によって
行われる。
最適化問題の仕様に、好ましくは一つ又は複数の部分モデルの選択も含めて、制御パラメーター(パラメーター)の選択が属する事は好ましい(これに関しては、追加的に重畳された数学的関数による軸動作の同期化に関する上述の説明を比較する事)。
所謂遺伝アルゴリズム応用の可能性によって、更なる最適化の可能性が、グローバル志向の最適化戦略に関しても、生まれる。
これは一般には、制御パラメーターの集合の、所謂母集団の偶然的な初期選択をベースに機能するが、この母集団の要素は各々所謂適応テスト、即ちこの集団の要素のパラメーターベクトルが、最適化目的につながる結果へ結びつくかのテストを受ける。
そのようなものが未だ見つからない場合には、この集団は、この集団に追加される新たなパラメーターベクトルへ結びつく、所謂遺伝的再生並びに所謂遺伝的クロスオーバーの確率的プロセスに支配される。母集団の従来の要素は、この場合にはなくてもよい。この様にして、新たに所謂母集団の世代が生まれるが、これも例えばそのメンバーの一つ、即ちここでは制御パラメーターベクトルが、課された最適化問題を解決するのに十分なコンディションであるかどうか、再び冒頭に述べたテストを受けることが出来る。この従来技術で周知の方法の詳しい内容については、例えば John R. Koza の“ジェネティック・プログラミング”を指摘する (Koza, John A., "Genetic Programming", MIT, Cambridge, Mass., USA 1992, regarding the principle of "Genetic Programming", in particular pp. 76f.);この発表論文は引用する事で本公開明細書の内容に含まれるものとする。
本発明によるカサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存した一つの量またはこれに依存したいくつかの量を最適化する方法の好ましい実施例は、インターセクション計算手法(これについては Beulker, K., "Berechnung der Kegelradzahngeometrie" ["Calculation of Bevel-Wheel Tooth Geometry"], FVA issue 301, Forschungsgemeinschaft Antriebstechnik e.V., 1997 を参照の事;この論文は引用する事で、本公開明細書の内容に含まれるものとする)によって製造プロセスのシミュレーションが行えるのが特徴である。しかしこれはそのかわりに、包絡条件(エンベロプ・コンディション)、即ち歯切り法に基づいた分析的方法によっても可能である(これについては、Hutschenreiter U., "A New Method for Bevel Gear Tooth Flank Computation", in: Berz, M., Bischof, C., Corliss, G. and Griewank, A. (eds) "Computational DifferentiationTechniques, Applications, and Tools", Philadelphia, SIAM 1996 を参照の事;この論文も同様に引用する事で、本公開明細書の内容に含まれるものとする)。
自由形状機械、好ましくは6機械軸を備えたものは、その他のどの可能な運動学モデルのように、工具と加工物(加工すべき歯車)間で、コマンド量に依存して相対運動を描く。この相対運動は、数学的に数式で表現でき、従って必要である微分的情報のように評価、即ち計算されうる。そのようなわけで、カサ歯車又はハイポイド歯車の製造プロセスのシミュレーションを妨げるものはない。
この結果は、正確な歯車幾何形状といえる:作成された歯面は(歯底を含めて)典型的にフランク・グリッドの形、即ち点状で表現される。シミュレーションによって、歯厚、全歯タケ、曲率、ネジレ角、フランク角等の幾何学的量を決定できる。これら歯切り数値の中で、予定(或いは所望の)理論的数値は、周知の数字である。計算した歯面から、出来るだけ理論的な数値に近い実際の正確な数値を決定できる。
創成シミュレーションや歯当たり分析では、通常入力データーとして製造シミュレーションの結果である大歯車や小歯車の正確な歯車幾何形状並びにそれ以外のギアを記述するパラメーター(例えば場合によってはマタギ歯厚等)が使われる。歯当たり分析の結果は、そのつどイーズオフ(グリッド上での点状)におけるプルとプッシュのペアについて、それに属する歯面上での創成偏差(=創成エラー)、コンタクト・パターンおよびコンタクト経路である。
更に創成シミュレーションの結果から、バックラッシや頂隙等、例えば最適化の副条件として入力出来るような量を決定できる。
von O. Vogel によって示されたように( Vogel, O., Griewank, A. and Baer, G., "Direct Gear Tooth Contact Analysis for Hypoid Bevel Gears", in: Computer Methods in Applied Mechanics and Engineering 191 (2202), pp. 3965-3982 参照の事;この論文は、ここに引用する事で、本公開明細書の内容に含まれるものになる)、歯当たり分析の結果は、事前に歯面を決定する事なしに、同じように分析的に特性化できる。このようにして、最適化に必要な感受性を効果的に算出するのに特に適した手法への道が開かれる。
それに続く、算出した歯面幾何形状と歯底面幾何形状並びに歯当たり特性(不整合度)に基づく負荷歯当たり分析によって、歯面上に発生する加圧と歯底面張力が分かる。更に負荷条件下での創成エラー、歯当たり温度と歯切り効率を決定できるが、これらの量は限界値、もしくは副条件として最適化に入力できる。
ここで強調しなくてはならない事は、何を算出するかに無関係に、これら量全体は特に自由形状基底機械で、好ましくは6機械軸タイプの特定なパラメーターに依存するという事である。この理由で、これらのパラメーターを最適化に活用すべきである。しかしこのためには、最適化問題を上記の意味で詳述しなくてはならない。
本発明によるカサ歯車或いはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存した一つの量またはこれに依存したいくつかの量を最適化する方法に基づいて、最適化された表面幾何形状を持ったカサ歯車又はハイポイド歯車製造方法が構築可能となるが、その特徴は、
どの機械軸も歯車の理論的な意味を持つ基底機械設定を、好ましくはこれについて従来技術によって周知の方法(規格 ANSI-AGMA 2005-C96 or ANSI-AGMA 2005-D05 or the Klingelnberg House Standard KN 3029 No. 3, "Auslegung von HYPOID-Getrieben mit KLINGELNBERG ZYKLO-PALLOID-VERZAHNUNG" [Design of HYPOID Gears with KLINGELNBERG CYCLO-PALLOID TOOTHING"];この文献は、ここに引用する事で、本公開明細書の内容に含まれるものとする)で示す基底機械用に当該カサ歯車又はハイポイド歯車の基本設計を行い、
基底機械用の基本設計の各設定を、各々ある軸の周りに回転可能で、お互い方向へ又は多数の軸周りに可動、好ましくは移動又は回転可能な加工すべき歯車と工具を持ち、最大6軸装備の自由形状基底機械の設定へトランスフォーメーションし、
少なくともカサ歯車並又はハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存した一つの量またはこれに依存したいくつかの量の目標値をプリセットし、
本発明によるカサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存した一つの量またはこれに依存したいくつかの量を最適化する方法を実行し、
これによって得られた一つ又は複数の制御パラメーターを、最大6軸装備で、好ましくは対称に至るまで一義的に表現可能な自由形状基底機械上に写像し、
写像した一つ又は複数の制御パラメーターを活用し、工具によって加工すべきカサ歯車又はハイポイド歯車から材料を除去する自由形状機械を、最適化された表面幾何形状を形成目的で起動する
事である。
上述した方法は勿論、基底機械用に得られる基本設計(ベーシック・デザイン)が自由形状基底機械へトランスフォーメーションできる事に依存する。
これがどのようにして行えるかを示す為に、三つの可能性を以下に説明する。
自由形状機械側(上記参照)での軸同期化の為の(テイラー)多項式を応用する場合には、基底機械の設定は、自由形状機械の設定へテイラー演算(テイラー行列の順方向計算)を手段としてエレガントに実行できる(Griewank, A., "Evaluating DerivativesPrinciples and Techniques of Algorithmic Differentiation", Frontiers in Applied Mathematics, Volume 129, SIAM 2000参照の事;この論文は、ここで引用する事により、本公開明細書の内容に含まれるものとする)。
このために、基底機械のすべての(機械)設定を、コマンド量(ここでは創成角)に依存した量と見なして、それに応じてテイラー多項式を用いてコマンド量にモデル化する。例えば米国特許 US 4 981 402 記載で周知のトランスフォーメーションは、そこで提案されているように点状に通常の演算で純に数字ではなく、テイラー演算でのテイラー多項式で行われる。こうして点状で固定した軸設定ではなく、直接テイラー多項式、即ち軸制御用の関数が得られる。このトランスフォーメーションの結果は、場合によって(これは軸構成と製造方法に依存するが)は単に近似値を表すだけである。厳密に言うと、基底機械と自由形状機械の動作は厳密にはお互いに一致しない。しかしオーダ・コントロールを応用する事で、必要とする精度を全インターバル[t1,t2]にわたって確保できる。典型的には、|t| < 1 であり、従ってテイラー係数の影響は次数が高まるにつれて弱まる。このようなやりかたによって、欧州特許 EP 0 784 525 にも応用されている 米国特許US 4 981 402 に記載の点状トランスフォーメーションに対して、再び軸動作のパラメーターつきの機能的な表現が得られる。この方法は、例えば最適化に関連してこの表現を更に活用できるという利点を意味する。
全インターバルにわたって関数を近似的に記述するのに、チェビシェフ近似法が特に適している(これについては、Bronstein, I.N., Semendjajew, K.A., Musiol, G. and Muehlig, G., "Taschenbuch der Mathematik" ["Manual of Mathematics"], 5th Edition, Frankfurt am Main 2001, pp. 947-948 を参照の事;この文献は、ここで引用する事によって、本公開明細書の内容に含まれるものとする)。前述したテイラー演算を用いたモデル・トランスフォーメーションに対し、チェビシェフ近似法を活用した、ただ近似的に可能なトランスフォーメーションの場合には、必要な次数の低下が期待できる。チェビシェフ近似の決定は、例えば米国特許 US 4 981 402 記載の点状トランスフォーメーションに基づく、周知のアルゴリズム(チェビシェフ近似ないし回帰)で行える(これについては、Judd, K., "Numerical Methods in Economics", MIT Cambridge MA, 1998 を参照の事;なおこの文献は、ここに引用する事で、本公開明細書の内容に含まれるものとする)。
もう一つの可能性は、基底機械の設定、好ましくはPK0 = {Pi,Pj,Σ,S,Xb,Xp,Em,RA,qm}(即ちカッター取付角[好ましくはカッターヘッドの傾斜角又は研削盤傾斜角](チルト)、旋回(スイベル)、マシン歯底円錐角、機械偏心度又はラジアル、デプス・フィード、機械中心から軸交差点へのディスタンス、機械軸オフセット、創成率、クレードル角)を自由形状機械の割り当てる部分モデルのパラメーターとしても理解する事である。
そのようなわけで、自由形状機械のどの軸にも、この部分モデルから結果として生じる取り分に応じた動作を、例えば米国特許 US 4 981 402 による点状トランスフォーメーションを利用する事によって、点状に正確に決定できる。この際に行われるアルゴリズムは機能的な関連を表現し、それゆえ抽象的には、自由形状機械の全ての軸の取り分に応じた移動を表現する関数として把握できる。この経路を手段としてそれ故、例えばこの関連性をよりよく熟知している専門要員に、既に本発明の自由形状最適化が、そのために好ましい部分モデルで実行された後で、それ以外の影響力の行使の可能性を許容するために、基底機械の設定を自由形状基底機械のモデルに統合(インテグレート)出来る。
製造シミュレーションを実行できる可能性を持つモデルにおける基底機械と自由形状基底機械との結びつきは、本発明のもう一つの利点であるが、この可能性は現在まで、例えば欧州特許 EP 0 784 525 で疑問視されてきた。
基底機械から自由形状機械への基本設計をトランスフォーメーションするプロセスに関して一般的に言えることは、勿論つねに歯車対合のすべて4歯面のための機械設定が決定される事である。
本発明によるカサ歯車或いはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存した一つの量またはこれに依存したいくつかの量を最適化する方法に基づいて、最適化された表面幾何形状を持つカサ歯車或いはハイポイド歯車の修正方法を構築できるが、この方法の特徴は、
既に製造されたカサ歯車又はハイポイド歯車において、その歯車に、カサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状又はこれに依存する一つ又は複数の量に影響を与えるような、自由形状基底機械用の一つ又は複数の制御パラメーターが既に確定されており、
カサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状又はこれに依存した一つの量またはこれに依存したいくつかの量に対する、少なくとも目標数値があらかじめ設定されており、
本発明によるカサ歯車或いはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存した一つの量またはこれに依存したいくつかの量を最適化する方法が実行され、
これで獲得できた一つ又は複数の新しい制御パラメーターが、最大6軸装備の自由形状基底機械に写像可能な自由形状機械に、好ましくは一対一の対応で写像可能な自由形状機械へコピーされ、
コピーした一つ又は複数の制御パラメーターを活用し、工具によって加工すべきカサ歯車あるいはハイポイド歯車から材料を除去する自由形状機械を、最適化された表面幾何形状を形成すべく起動する事である。
既に冒頭で述べたように、本発明によるカサ歯車或いはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存した一つの量またはこれに依存したいくつかの量を最適化する方法は、少なくともデーター処理装置と少なくとも記憶装置を備えたコンピューターシステム、通常は例えば、本方法の実行目的で構築されたそれ相応のインストラクションを示すコンピュータープログラムで実現できる。その様なコンピュータープログラムはどのような形態でもよいが、特にコンピューターで解読可能な記憶媒体、例えばフローピーディスク、CDまたはDVD等で、そのつどコンピュータープログラムをローディングした後、コンピューターがこのプログラムによって本発明による方法の実行を指令するコンピューター・コーディング手段を持った記憶媒体に内蔵されたコンピュータープログラム製品として可能である。しかしこのコンピュータープログラム製品は、コンピュータープログラムをローディングした後コンピューターがこのプログラムによって、本発明による方法の実行が指令される電子搬送信号上にあるコンピュータープログラムであってもよい。
上記に説明した本発明の個々各種の要素から、全体的に見てカサ歯車及び/又はハイポイド歯車製造または修正目的の歯車製造システム及び/又は修正システムが共同作業するように組み合わされたもので、
− 少なくとも1個のデーター処理装置と少なくとも1個の記憶装置を備えたカサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状の最適化目的のコンピューターシステムを備え、このデーター処理装置はプログラム技術的に、これがカサ歯車或いはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存した一つの量を最適化する方法によって機能するように調整されており、
− 最大6軸を装備した自由形状機械のモデルを備え、これは各々ある軸の周りに回転可能な加工すべき歯車と工具を持ち、工具と加工すべき歯車はお互い方向へ又は多数の軸周りに可動、好ましくは移動又は回転可能であり、
かつ自由形状機械に写像され、コンピューターシステムによって決定される一つ又は複数の制御パラメーターを活用し、最適化された表面幾何形状を形成する目的で、工具によって加工すべきカサ歯車あるいはハイポイド歯車から材料を除去するために起動される。
好ましくは、このカサ歯車又はハイポイド歯車製造又は修正目的の歯車製造システム並びに/又は修正システムは、単独又は複数の制御パラメーターをデーター媒体に書き込める記憶装置(フロッピー(登録商標)ディスク・ドライバ、CDドライバ、DVDドライバ又はチップカード、或いはUBSメモリースティック)を備えたコンピューターシステムとこれら単独又は複数の制御パラメーターを伝達する発信装置を装備しており、最大6軸を備えた自由形状機械は、単独又は複数の制御パラメーターが書き込まれたデーター媒体を読み出す読取装置又はこれら単独又は複数の制御パラメーターを受信できる受信装置を備えている。この様にして、これらの制御パラメーターはコンピューターシステムから6軸装備の機械へその起動のために伝達される。
以下図面によって本発明の実施例を説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
図1は歯切り機械の一般的な6軸装備モデル(自由形状基底機械)の実施形態とこの場合の主な座標系を示す。ワークに対する工具の相対運動を表現するのに、Σ1からΣ7までの座標系を用いる。
座標系Σ7は工具に固く結びついている。そしてこれはΣ6に対して共通のx−軸の周りを回転角aで、数学的にプラスに回転する。回転軸 x6 = x7 は工具内を指す。
座標系Σ1はワークに固く結びついている。そしてこれはΣ2に対して共通のy−軸の周りを回転角bで、数学的にプラスに回転する。回転軸 y2 = y1 はワーク内を指す。
三つの線形軸 X, Y と Z は右回り座標を形成する。Σ6 の Σ2 への相対位置はここで図に分かり易く示してあり、次のトランスフォーメーションで正確に記述できる。
Figure 2008543582
全体として、トランスフォーメーション r1 = Ar7 + a となり、ここで
Figure 2008543582
であり、
逆に、トランスフォーメーション
Figure 2008543582
が得られ、ここで
Figure 2008543582
である。
ここで、3×3 マトリックスD1(a),D2(b)とD3(c)は各々回転角a,bないしcの座標系におけるx−軸、y−軸とz−軸周りの回転を意味する。
図2は本発明による方法の好ましい実施形態を示す図である。
自由形状基底機械の与えられた機械設定と自由形状機械のモデルを基礎に、例えば歯面形状や歯厚など関心のある設計値を決定するために、シミュレーション計算を行う。このシミュレーション計算の内容には、その決定すべき設計量に応じて製造シミュレーション並びに歯当たり分析と負荷歯当たり分析が含まれる。その様な負荷歯当たり分析は、例えば従来技術としてクリンゲルベルク社(Klingelnberg)によって開発されたKIMOS・システムの枠内で、応用された駆動技術研究共同体(Forschungsvereinigung Antriebstechnik FVA -)のプログラムBECALを用いて可能である。
設計量の修整を規定する事によって、目標設計が定義されるが、この際これには遵守すべき副条件の規定も含まれる。例えば、目標として或る範囲内で修整された歯形状を、実際の歯厚を保持しながら追跡できる。通常、非線形型最適化の数値的方法を用いて、自由形状基底機械の為に、修整された機械設定を決定できるが、この方法は目標設計を少なくとも近似的に実現する。この近似の質は本質的に、定義された目標の質に依存する。このプロセスは、必要に応じて何回でも繰り返して行える。初回目の、また場合によっては唯一の過程の詳しい機械設定は、図7に従って設計計算(初期機械設計)から得られる。
図3は、本発明による方法のもう一つの好ましい実施形態を示す図である。ここに示したのは、反復的に機能し導関数に基づいた最適化方法、即ち図2による“数値的方法を用いた最適化”ステップを具体化した典型的なデーターの流れである。自由形状基底機械の現在の機械設定(注:これはいつも4歯面すべての設定である)は、シミュレーション計算によって限量化される現在設定の実現を可能とする。この現在設定を目標設定と比較して、偏差を出す。この偏差が許容しうるなら、この反復的な最適化方法は、成功したとして中断される。それ以外の場合には、所謂最適化のステップにおいて現在の機械設定とそれから決められる偏差から、機械設定の感受性を手段として、新しい機械設定を定めてこれが現在機械設定となる。この感受性(導関数)を決定するのに、シミュレーション計算をそれ相応に拡大できる。これについての詳細は、O.Vogel その他(Vogel, O., Griewank, A., Henlich, T. and Schlecht, B., "Automatisches Differenzieren im Maschinenbau-Simulation und Optimierung bogenverzahnter Kegelradgetriebe" [“機械製造シミュレーションにおける自動微分とスパイラル歯切りカサ歯車ギアの最適化”] in: Conference Volume "Dresdner Maschinenelemente KolloquiumDMK2003" ["Dresdner Machine Element ColloquiumDMK2003"], TU Dresden 2003, pp. 177 194)に記載されている;この文献は、ここに引用する事で、本公開明細書の内容に含まれるものとする。
ただ不完全または全く解決できない問題の場合にこの方法の中断を保証するために、これ以外の中断基準が採用されるが、これについてはここで詳細に説明しない事にする。これについては、Nocedal と Wright(Nocedal, J., Wright, S.J., "Numerical Optimziation", Springer Series in Operations Research, New York, 1999) を参照の事;この文献は、ここで引用する事で、本公開明細書の内容に含まれるものとする。
図4はカサ歯車又はハイポイド歯車(小歯車又は大歯車)製造シミュレーションを目的とする本発明による好ましい実施形態の一部を示す図である。
ここには、自由形状基底機械の機械設定と工具設定を基にして、歯車の製造シミュレーションが実行できる事が、具体的に説明してある。この製造シミュレーションの結果は、歯面(歯底を含め)をフランク・グリッドとして、又歯厚や全歯タケなどの大きさを含む正確な歯車幾何形状である。
図5は創成プロセスのシミュレーション、従って歯当たり分析目的の本発明による好ましい実施形態のもう一つの部分を示すダイアグラムである。
ここには、製造シミュレーションによって得られた小歯車と大歯車の正確な歯車幾何形状と、軸角度や軸距離などのギア・パラメーターやマタギ歯厚などを用いて創成シミュレーション/歯当たり分析を実行できる事が、示されている。この際、歯車の単独接触も複数接触も考慮できる。創成シミュレーション/歯当たり分析の結果は、歯当たり幾何学的形状を記述するイーズオフ、コンタクト・パターンや創成エラーなどの大きさのほかに、頂隙やバックフラッシのような大きさである。歯当たり幾何形状は、正確な歯車幾何形状と並んで、ここに示されていない負荷歯当たり分析のための詳細な量を示す。
最適化目標の数値の大きさについて一言するが、頂隙の大きさは、ただ単にスカラーや点状の量としてばかりでなく、頂隙や既述した創成エラーの場合のように、例えば最低頂隙または歯全体に沿った頂隙と見なせる。
図6にはカサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状へ及ぼすパラメーターの原則的な影響と、その結果生じる歯当たり幾何形状への影響を示すダイアグラムが示してある。
図7は初期パラメーターの構成(初期設定)を目的とする本発明による好ましい実施形態の一部を示す図である。
カサ歯車やハイポイド歯車の基本設計では、例えば構造サイズ、歯車比や回転モーメントを基にして、小歯車と大歯車の基本幾何形状を決定する。それに続いてそれに属する機械設定や工具設定を、まずこの基底機械用の機械設定を見出すように基底機械をベースに計算する。これら計算した諸設定を自由形状基底機械の機械設定へトランスフォーメーションし、しかしミックス型のモデルの場合には、ただそれ相応の部分モデルの設定(パラメーター)としてインテグレートされる。
歯切り機械の一般的な6軸装備モデル(自由形状基底機械)の実施形態とこの場合の主な座標系を示す図である。 本発明による方法の好ましい実施形態を示す図である。 本発明によるもう一つの好ましい実施形態を示す図である。 カサ歯車又はハイポイド歯車(小歯車又は大歯車)製造シミュレーション目的の本発明による好ましい実施形態の一部を示す図である。 創成プロセスのシミュレーション、従って歯当たり分析目的の本発明による好ましい実施形態のもう一つの部分を示す図である。 カサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状へ及ぼすパラメーターの原則的な影響と、その結果生じる歯当たり幾何形状への影響を示す図である。 初期パラメーターの構成(初期設定)目的の本発明による好ましい実施形態の一部を示す図である。

Claims (42)

  1. 対称軸も含みうる最大6軸を備えた自由形状基底機械に可逆的,一義的に、好ましくは一対一に対応して表現できる自由形状機械によって、加工すべきカサ歯車又はハイポイド歯車の表面幾何形状又はこれに依存する一つ又は複数の量の大きさを最適化する方法において、
    上記加工すべき歯車および上記自由形状機械の工具は、各々の軸の周りに回転可能であり、かつ、多数の軸に沿ってまたは多数の軸の周りに互いに可動、好ましくは移動可能または回転可能となっており、
    上記カサ歯車またはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存する一つまたは複数の量の大きさの最適化は、上記自由形状基底機械において、カサ歯車またはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存する量の大きさに影響を及ぼす1つまたは多数の制御パラメーターを、歯車製造プロセス、歯車創成、負荷歯当たり分析の少なくとも1つをシミュレーションし、カサ歯車またはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存する量の大きさが少なくとも規定の目標値に相当するまで変化させることで行われる最適化方法。
  2. 請求項1に記載の最適化方法において、上記自由形状機械が、対称も含みうる最大で6軸を装備した自由形状基底機械に一対一で写像可能であり、自由形状機械および自由形状基底機械が、軸種類と軸配置において互いに合致していることを特徴とする最適化方法。
  3. 請求項1または2に記載の最適化方法において、6つの軸、好ましくは3つの回転軸(A,B,C)と3つのリニア軸(X,Y,Z)を備えた自由形状基底機械のための単独または複数の制御パラメーターの最適化が行われるようになっていることを特徴とする最適化方法。
  4. 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の最適化方法において、6つの軸、即ち:
    工具を回転するA- 軸
    製造すべき歯車を回転するB- 軸
    A- 軸と B- 軸間または B- 軸と工具先端平面間で角度を設定する回転軸としての C- 軸
    A- 軸方向へのリニア軸としての X- 軸
    X- 軸と Z- 軸と右回りシステムを形成するリニア軸としての Y- 軸
    A- 軸と B- 軸の共有垂線方向へのリニア軸としての Z- 軸
    を備えた自由形状基底機械のための単独または複数の制御パラメーターの最適化が行われるようになっていることを特徴とする最適化方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の最適化方法において、制御パラメーターとして、少なくとも工具設定パラメーターが役立つことを特徴とする最適化方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の最適化方法において、制御パラメーターとして、少なくとも1つの機械軸を起動するための少なくとも1つの機械制御パラメーターが役立つことを特徴とする最適化方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の最適化方法において、制御パラメーターの最適化または上記自由形状基底機械のための制御パラメーターの最適化が行われ、この最適化の軸動作シミュレーションは、少なくとも1つの、好ましくは連続的な、特に好ましくは軸起動のための連続的に微分可能な数学的関数ν(t, P)によって相互間でシンクロナイズされ、その際、機械軸の1つまたは仮想軸が指令量 t を発生して、ガイド軸として少なくとも他の軸の位置決めに役立ち、上記他の軸は、この指令量tとそのつどの関数に割り当てられるパラメーターベクトルPに含まれるパラメーターとに関数的に依存するとともに、制御パラメーターとして少なくとも軸動作をシンクロナイズさせる数学的関数vのパラメーターベクトルPからのパラメーターPjiとして用いられることを特徴とする最適化方法。
  8. 請求項7に記載の最適化方法において、軸動作の同期化が、多数の区間ごとに異なった数学的関数を用いて行われ、上記区間は、例えば[tm,tn](ここで tn > tm )としてtのインターバルで示されることを特徴とする最適化方法。
  9. 請求項7または8に記載の最適化方法において、軸動作の同期化が、付加的に重なり合った数学的関数を用いて行われ、関数の重畳は、好ましくは
    Figure 2008543582
    ここで l ≧ 1
    という形で表されることを特徴とする最適化方法。
  10. 請求項7乃至9のいずれか1つに記載の最適化方法において、軸動作の同期化を目的とする数学的関数νjは、少なくとも任意、好ましくは6次の多項式であり、多項式νjのそのつどの係数Pjiが制御パラメーターの役を果たすことを特徴とする最適化方法。
  11. 請求項7乃至10のいずれか1つに記載の最適化方法において、軸動作同期化のための数学的関数νjとして、少なくとも基底関数としてチェビシェフ多項式に基づくマトリックス展開、好ましくはインターバル[t1,t2](但し t1 > t2 )において
    Figure 2008543582
    但し
    Pj=(pj0, pj1, pj2, ... pji, ..., pj dv) 、 i = 1, ..., dv,、
    Figure 2008543582
    Ti:各チェビシェフ多項式
    で表される関数が用いられ、制御パラメーターとして、マトリックスνjの各係数Pjiが用いられることを特徴とする最適化方法。
  12. 請求項7乃至11のいずれか1つに記載の最適化方法において、軸動作同期化を目的とする数学的関数νjとして、少なくとも例えば連続的に相互に関連し合う様な、好ましくは3次の多項式から成るスプライン関数を用い、また制御パラメーターとして、各スプライン係数を用いることを特徴とする最適化方法。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1つに記載の最適化方法において、カサ歯車またはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存する一つの量またはいくつかの量の大きさの最適化は、カサ歯車またはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存する一つの量またはいくつかの量の大きさに影響を持つ一個または複数個の制御パラメーターを、数値的最適化方法によって、カサ歯車またはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存する量の大きさが、少なくとも規定の目標に合致するまで変化させることによって行われることを特徴とする最適化方法。
  14. 請求項13に記載の最適化方法において、数値的最適化方法として、導関数ベースの方法を用いることを特徴とする最適化方法。
  15. 請求項14に記載の最適化方法において、導関数(感受性)の計算には、差分商(ディファレンス・クオーシャント)方法を用いることを特徴とする最適化方法。
  16. 請求項15または16に記載の最適化方法において、導関数(感受性)の計算に、自動的微分法(AD)を用いることを特徴とする最適化方法。
  17. 請求項1乃至12のいずれか1つに記載の最適化方法において、カサ歯車またはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存する一つの量またはいくつかの量の大きさの最適化は、カサ歯車またはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存する一つの量またはいくつかの量の大きさに影響を持つ一個または複数個の制御パラメーターを、遺伝アルゴリズムを用いて、カサ歯車またはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存する量の大きさが、少なくとも規定の目標に合致するまで変化させることによって行われることを特徴とする最適化方法。
  18. 請求項1乃至17のいずれか1つに記載の最適化方法において、幾何形状の最適化は、好ましくは歯車歯底を含む少なくとも歯面形状により、この歯面形状が規定した目標値に相当するまで行うことを特徴とする最適化方法。
  19. 請求項18に記載の最適化方法において、最小誤差の二乗方法を、プリセットした歯面幾何形状の目標構造からの偏差に、好ましくは、歯面形状がプリセットした目標値に相当するか否かを決めるために二次元グリッドに関して用いることを特徴とする最適化方法。
  20. 請求項1乃至19のいずれか1つに記載の最適化方法において、表面幾何形状の最適化は、少なくとも歯厚と全歯タケが規定した目標値に相当するまで行うことを特徴とする最適化方法。
  21. 請求項1から20のいずれか1つに記載の最適化方法において、表面幾何形状の最適化は、少なくともイーズオフ・トポグラフィーによって、これらが規定した目標値に相当するまで行うことを特徴とする最適化方法。
  22. 請求項21に記載の最適化方法において、最小誤差の二乗方法を、規定したイーズオフ・トポグラフィーからの偏差に、好ましくは、イーズオフ・トポグラフィーが予定した目標値に相当するか否かを決めるために二次元のグリッドに関して用いることを特徴とする最適化方法。
  23. 請求項1乃至22のいずれか1つに記載の最適化方法において、表面幾何形状の最適化は、少なくとも創成誤差によって、これらが規定した目標値に相当するまで行うことを特徴とする最適化方法。
  24. 請求項23に記載の最適化方法において、表面幾何形状の最適化は、創成誤差が規定した目標値に相当するか否かを決めるために、創成誤差を規定した最大値に関して監視することによって行うことを特徴とする最適化方法。
  25. 請求項23または24に記載の最適化方法において、創成誤差が規定した目標値に相当するか否かを決めるために、最小誤差の二乗方法を、好ましくは一次元のグリッドに関して規定した創成誤差関数からの偏差に用いることを特徴とする最適化方法。
  26. 請求項1乃至25のいずれか1つに記載の最適化方法において、表面幾何形状の最適化は、少なくともコンタクト・パターン・ポジションによって、これが規定した目標値に相当するまで行うことを特徴とする最適化方法。
  27. 請求項26に記載の最適化方法において、最小誤差の二乗方法を、創成誤差分を修正したイーズオフ・トポグラフィーにおける等高線として規定したコンタクト・パターンからの実際のコンタクト・パターンの形状及び/又は中央ポジションの偏差に、好ましくはコンタクト・パターンが規定した目標値に相当するかを決めるために採用される一次元のグリッドに関して用いることを特徴とする最適化方法。
  28. 請求項26または27に記載の最適化方法において、コンタクト・パターンが規定した目標値に相当するか否かを決めるため、楕円近似方法を用いることを特徴とする最適化方法。
  29. 請求項1乃至28のいずれか1つに記載の最適化方法において、表面幾何形状の最適化は、少なくともコンタクト経路の推移またはコンタクト経路に基づいて、これらが規定した目標値に相当するまで行うことを特徴とする最適化方法。
  30. 請求項1乃至29のいずれか1つに記載の最適化方法において、表面幾何形状の最適化は、少なくともバックラッシュと頂隙に基づいて、これらが規定した目標値に相当するまで行うことを特徴とする最適化方法。
  31. 請求項1乃至30のいずれか1つに記載の最適化方法において、表面幾何形状の最適化は、少なくとも表面幾何形状に依存した張力に基づいて、これらが規定した目標値に相当するまで行うことを特徴とする最適化方法。
  32. 請求項1乃至31のいずれか1つに記載の最適化方法において、表面幾何形状の最適化は、少なくとも表面幾何形状に依存した圧力に基づいて、これらが規定した目標値に相当するまで行うことを特徴とする最適化方法。
  33. 請求項1乃至32のいずれか1つに記載の最適化方法において、製造プロセスのシミュレーションは、インターセクション計算手法によって行うことを特徴とする最適化方法。
  34. 請求項1乃至32のいずれか1つに記載の最適化方法において、製造プロセスのシミュレーションは、包絡条件(エンベロプ・コンディション)、即ち歯切り法に基づいた分析的方法によって行うことを特徴とする最適化方法。
  35. 最適化された表面幾何形状を持ったカサ歯車またはハイポイド歯車の製造方法であって、
    各機械軸が歯車のための理論的意味をもつ基底機械設定を備えた基底機械に対して各カサ歯車またはハイポイド歯車の基本設計を行い、
    基底機械に対する基本設計の各設定を、加工すべき歯車と工具を備え、この歯車および工具が各軸の周りに回転可能かつ多数の軸に沿ってまたは多数の軸の周りに互いに可動、好ましくは移動可能または回転可能となっている最大6軸をもつ自由形状基底機械の設定へトランスフォーメーションし、
    少なくともカサ歯車またはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存した一つの量またはこれに依存したいくつかの量の目標値をプリセットし、
    カサ歯車またはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存した一つの量またはこれに依存したいくつかの量を最適化する請求項1乃至34のいずれか1つに記載の方法を実行し、
    これによって得られた一つまたは複数の制御パラメーターを、対称軸を含みうる最大6軸を備えた自由形状基底機械に好ましくは一義的に表現可能な自由形状機械に写像し、
    写像した一つまたは複数の制御パラメーターを用いて、加工すべきカサ歯車またはハイポイド歯車から材料を工具によって除去する自由形状機械を、最適化された表面幾何形状を得るべく起動することを特徴とする製造方法。
  36. カサ歯車またはハイポイド歯車の修正方法において、
    既に製造されたカサ歯車またはハイポイド歯車に対して、歯車の表面幾何形状またはこれに依存する一つ又は複数の量に影響を与えるような自由形状基底機械のための一つまたは複数の制御パラメーターが既に確定されており、
    カサ歯車またはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存した一つの量またはこれに依存したいくつかの量に対する目標数値が少なくとも予め設定されており、
    カサ歯車またはハイポイド歯車の表面幾何形状またはこれに依存した一つの量またはこれに依存したいくつかの量を最適化する請求項1乃至34のいずれか1つに記載の方法が実行され、
    これによって得られた一つまたは複数の新しい制御パラメーターを、最大6軸を備えた自由形状基底機械に好ましくは一義的に表現可能な自由形状機械にコピーし、
    コピーした一つまたは複数の制御パラメーターを用いて、工具によって加工すべきカサ歯車またはハイポイド歯車から材料を工具によって除去する自由形状機械を、最適化された表面幾何形状を得るべく起動することを特徴とする修正方法。
  37. 少なくとも一つのデーター処理装置と少なくとも一つの記憶装置を装備し、カサ歯車またはハイポイド歯車の表面幾何形状を最適化するためのコンピューターシステムであって、
    上記コンピューターシステムは、請求項1乃至34のいずれか1つに記載の方法に従って機能するように、データー処理装置がプログラム技術的に調整されていることを特徴とするコンピューターシステム。
  38. コンピュータープログラムであって、
    請求項1乃至34のいずれか1つに記載の方法を実行するための命令(インストラクション)を有するコンピュータープログラム。
  39. コンピュータープログラム製品であって、
    コンピュータープログラムがローディングされた後に、請求項1乃至34のいずれか1つに記載された方法を実行するプログラムによってコンピューターが指令されるようなコンピュータープログラム・コーディング手段を備えたコンピューターで解読可能な媒体を持つコンピュータープログラム製品。
  40. コンピュータープログラム製品であって、
    コンピュータープログラムがローディングされた後に、請求項1乃至34のいずれか1つに記載された方法を実行するプログラムによってコンピューターが指令されるような電子的搬送信号上にあるコンピュータープログラムを備えたコンピュータープログラム製品。
  41. カサ歯車及び/又はハイポイド歯車を製造または修正するためのシステムであって、
    請求項1乃至34のいずれか1つに記載の方法に従って動作するようにプログラム技術的に調整された少なくとも1つのデーター処理装置と少なくとも1つの記憶装置とを備えたカサ歯車またはハイポイド歯車の表面幾何形状を最適化するためのコンピューターシステムと、
    加工すべき歯車と工具を備え、この歯車および工具が各軸の周りに回転可能かつ多数の軸に沿ってまたは多数の軸の周りに互いに可動、好ましくは移動可能または回転可能となっている最大6軸をもつ自由形状機械を備え、
    上記自由形状機械は、最適化された表面幾何形状を得るべく、加工すべきカサ歯車またはハイポイド歯車から材料を工具によって除去するように、上記コンピューターシステムによって決定され、この自由形状機械に写像された一つまたは複数の制御パラメーターを用いて制御されるシステム。
  42. 請求項41に記載のシステムにおいて、単独または複数の制御パラメーターをデーター媒体に書き込める記憶装置、またはこれら単独又は複数の制御パラメーターを伝達する発信装置、および最大6軸を備えた自由形状機械を備え、この自由形状機械は、単独又は複数の制御パラメーターが書き込まれたデーター媒体を読み出す読取装置またはこれら単独又は複数の制御パラメーターを受信できる受信装置を備えていることを特徴とするシステム。
JP2008516132A 2005-06-16 2005-06-17 カサ歯車並びにハイポイド歯車の自由形状最適化の方法とその装置 Expired - Fee Related JP5185814B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP2005006485 2005-06-16
EPPCT/EP2005/006485 2005-06-16
PCT/EP2005/006542 WO2006133727A1 (de) 2005-06-16 2005-06-17 Verfahren und vorrichtung zur freiformoptimierung von kegel- und hypoidzahnrädern

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008543582A true JP2008543582A (ja) 2008-12-04
JP5185814B2 JP5185814B2 (ja) 2013-04-17

Family

ID=35788610

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008516132A Expired - Fee Related JP5185814B2 (ja) 2005-06-16 2005-06-17 カサ歯車並びにハイポイド歯車の自由形状最適化の方法とその装置

Country Status (8)

Country Link
EP (1) EP1773530B1 (ja)
JP (1) JP5185814B2 (ja)
KR (1) KR20070073893A (ja)
CN (1) CN101027158B (ja)
AT (1) ATE384594T1 (ja)
DE (1) DE502005002683D1 (ja)
TW (1) TW200706290A (ja)
WO (1) WO2006133727A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015116625A (ja) * 2013-12-17 2015-06-25 富士重工業株式会社 歯車対の加工機設定装置
JP2017205865A (ja) * 2016-04-08 2017-11-24 クリンゲルンベルク・アクチェンゲゼルシャフトKlingelnberg AG ギヤ切削機械の機械ジオメトリを測定する方法並びにギヤ切削機械、測定デバイスおよびソフトウェアモジュールを備えた装置

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5276358B2 (ja) * 2008-05-20 2013-08-28 富士重工業株式会社 ハイポイドギヤの解析システム
CN101982673B (zh) * 2010-11-04 2012-08-22 吉林大学 准双曲面齿轮副的设计方法
EP2484474B1 (de) 2011-02-07 2013-04-03 Siemens Aktiengesellschaft Ermittlungsverfahren für Geometriedaten eines ersten Kegelrades eines Kegelradgetriebes und Kegelradgetriebe, das ein erstes und ein zweites Kegelrad aufweist
DE102012015846A1 (de) * 2012-04-17 2013-10-17 Liebherr-Verzahntechnik Gmbh Verfahren und Vorrichtung zum Hartfeinbearbeiten von modifizierten Verzahnungen
US9623502B2 (en) * 2014-11-07 2017-04-18 Jtekt Corporation Gear machining device and gear machining method
JP6746940B2 (ja) * 2016-02-16 2020-08-26 株式会社ジェイテクト 歯車の歯形のシミュレーション装置及び方法並びに加工用工具の刃面のシミュレーション装置及び方法
EP3375555A1 (de) 2017-03-17 2018-09-19 Klingelnberg AG Verfahren zur bearbeitung der zahnflanken von kegelradwerkstücken
KR102145472B1 (ko) 2018-10-23 2020-08-19 울산대학교 산학협력단 프리폼형상 설계방법
CN114492118B (zh) * 2022-01-10 2024-04-09 安徽农业大学 一种拖拉机主减速器准双曲面齿轮的加工参数调整方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001511712A (ja) * 1991-02-26 2001-08-14 ザ グリーソン ワークス ベベル及びハイポイド歯車の創成方法
JP2002011615A (ja) * 2000-06-26 2002-01-15 Kawasaki Heavy Ind Ltd フェースギア・ホイールの製造方法および加工装置
JP2003343697A (ja) * 2002-05-31 2003-12-03 Honda Motor Co Ltd 歯車の三次元モデル作成方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3752340T2 (de) * 1987-08-24 2002-07-25 Gleason Works Mehrfachachsenzahnradwälzmaschine zur Herstellung von Kegelrädern und Hypoidrädern
TW405470U (en) * 1993-01-22 2000-09-11 Toyota Motor Co Ltd Apparatus for machining and measuring a gear shape
US5580298A (en) * 1994-09-27 1996-12-03 The Gleason Works Method of producing tooth flank surface modifications
US5716174A (en) * 1996-08-29 1998-02-10 The Gleason Works Tool feeding method
US6732606B1 (en) * 2000-06-30 2004-05-11 Eaton Corporation Polished gear surfaces
CN1614526A (zh) * 2004-11-18 2005-05-11 华中科技大学 渐开线直齿圆锥齿轮的修形方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001511712A (ja) * 1991-02-26 2001-08-14 ザ グリーソン ワークス ベベル及びハイポイド歯車の創成方法
JP2002011615A (ja) * 2000-06-26 2002-01-15 Kawasaki Heavy Ind Ltd フェースギア・ホイールの製造方法および加工装置
JP2003343697A (ja) * 2002-05-31 2003-12-03 Honda Motor Co Ltd 歯車の三次元モデル作成方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015116625A (ja) * 2013-12-17 2015-06-25 富士重工業株式会社 歯車対の加工機設定装置
JP2017205865A (ja) * 2016-04-08 2017-11-24 クリンゲルンベルク・アクチェンゲゼルシャフトKlingelnberg AG ギヤ切削機械の機械ジオメトリを測定する方法並びにギヤ切削機械、測定デバイスおよびソフトウェアモジュールを備えた装置
JP7045799B2 (ja) 2016-04-08 2022-04-01 クリンゲルンベルク・アクチェンゲゼルシャフト ギヤ切削機械の機械ジオメトリを測定する方法並びにギヤ切削機械、測定デバイスおよびソフトウェアモジュールを備えた装置

Also Published As

Publication number Publication date
TW200706290A (en) 2007-02-16
CN101027158B (zh) 2013-04-03
TWI332424B (ja) 2010-11-01
EP1773530A1 (de) 2007-04-18
CN101027158A (zh) 2007-08-29
ATE384594T1 (de) 2008-02-15
KR20070073893A (ko) 2007-07-10
EP1773530B1 (de) 2008-01-23
WO2006133727A1 (de) 2006-12-21
DE502005002683D1 (de) 2008-03-13
JP5185814B2 (ja) 2013-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5185814B2 (ja) カサ歯車並びにハイポイド歯車の自由形状最適化の方法とその装置
US7627389B2 (en) Method and apparatus for the free-form optimization of bevel and hypoid gears
US8977382B2 (en) Automatic method for milling complex channel-shaped cavities
US8967013B2 (en) Optimization of face cone element for spiral bevel and hypoid gears
Zhou et al. CNC milling of face gears with a novel geometric analysis
CN102375436B (zh) 用于生成通过在机床上铣削工件形成齿面部的控制数据的方法及装置
CN102905847A (zh) 加工工艺的自适应控制
Li et al. Five-axis trochoidal flank milling of deep 3D cavities
Jiang et al. High-order tooth flank correction for a helical gear on a six-axis CNC hob machine
Young et al. An integrated machining approach for a centrifugal impeller
Shih et al. Manufacture of face-hobbed straight bevel gears using a six-axis CNC bevel gear cutting machine
KR20170035818A (ko) 수정 기어링 기하구조를 가지는 워크피스를 제작하는 방법
Zhang et al. A CNC tooth grinding method for formate face hobbed hypoid gears
Ozturk et al. Analytical methods for increased productivity in five-axis ball-end milling
Chen et al. Study on the cutting time of the hypoid gear tooth flank
Zietarski System integrated product design, CNC programming and postprocessing for three-axis lathes
WO2022149569A1 (ja) 工作機械を備える加工システム、加工システムにおけるパラメータを修正するパラメータの修正方法、加工プログラムを修正するプログラム修正システム、およびプログラムの修正方法
Fan Advanced developments in computerized design and manufacturing of spiral bevel and hypoid gear drives
JP2018075711A (ja) 歯車を機械加工する方法、システム及び装置
Chen et al. Removing tool marks of blade surfaces by smoothing five-axis point milling cutter paths
Gosselin Multi axis CnC manufacturing of straight and spiral bevel gears
Safarov et al. Improving the process efficiency of helical gears’ toothed rims at the stage of pre-production
JP2020124799A (ja) 歯車ワークピースの機械加工方法
Pisula et al. Numerical model of bevel gears cutting by duplex helical method
CN114239300B (zh) 基于全工序法的螺旋锥齿轮齿根过渡圆角建模方法及系统

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110215

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20110325

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20110401

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120117

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120207

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5185814

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160125

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees