以下、図面を参照して、本実施の形態が適用される情報処理システム、および、情報処理装置について説明する。
なお、ここでは、一般的に情報処理装置と称されている装置のうちの、上述したシャットダウン処理の実行が必要な装置を、特に情報処理装置と称する。即ち、ここでは、一般的には、情報処理装置と称される装置であっても、シャットダウン処理が不要な装置を、ここで言う情報処理装置(シャットダウンが必要な装置)と区別するために、特にデバイスと称する。
また、2以上の情報処理装置(ここで言う情報処理装置)の共通電源として、所定の電源装置(例えば、後述する図1のUPS4)が利用されている場合、その電源装置と通信を行う情報処理装置(例えば、後述する図1の情報処理装置2−1)をマスタと適宜称し、それ以外の情報処理装置(例えば、後述する図1の情報処理装置2−2および情報処理装置2−3)を、スレーブと適宜称する。
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システムの構成例を表している。
図1に示されるように、本実施の形態が適用される情報処理システムは、ネットワーク1を介して相互に接続される、任意の数の情報処理装置(図1の例では、3台の情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3)、および、任意の数のデバイス(図1の例では、2台のデバイス3−1とデバイス3−2)、並びに、1台のUPS(無停電電源装置)4から構成される。
このように、本実施の形態が適用される情報処理システムにおいては、情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3、並びに、デバイス3−1およびデバイス3−2のそれぞれの入力電源(共通電源)として、1台のUPS4が利用されている。
即ち、このUPS4は、電力を出力する2以上の出力部(図1の例では、3つの出力部12−1乃至出力部12−3)を有しており、入力電源である商用交流電源5が正常な場合、この商用交流電源5からの電力を、出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれから出力することができる。
なお、出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれは、いわゆる電源コンセント(電力出力ポート)そのものとして構成されてもよいが、複数の電源コンセントからなる組から構成されてもよい。ただし、所定の1つの組内においては、複数の電源コンセントの出力状態の全ては同期する必要がある。
具体的には、例えば、本実施の形態においては、後述する図9に示されるように、情報処理装置2−1は、UPS4内のスイッチ205−1乃至スイッチ205−3の状態(オン状態またはオフ状態)のそれぞれを個別に切り替える(そのことの指令をUPS4に送信する)ことで、出力部12−1乃出力部12−3のそれぞれの出力状態を制御することができる。
即ち、情報処理装置2−1は、スイッチ205−1の状態を切り替えることで、そのスイッチ205−1に接続された複数の電源コンセント(後述する図10に示されるように、2つの電源コンセント231)の出力状態を同期して制御することができる。同様に、情報処理装置2−1は、スイッチ205−2の状態を切り替えることで、そのスイッチ205−2に接続された複数の電源コンセント(後述する図10に示されるように、2つの電源コンセント231)の出力状態を同期して制御することができる。また、情報処理装置2−1は、スイッチ205−3の状態を切り替えることで、そのスイッチ205−3に接続された複数の電源コンセント(後述する図10に示されるように、2つの電源コンセント231)の出力状態を同期して制御することができる。
そこで、本実施の形態においては、これらのスイッチ205−1乃至スイッチ205−3のそれぞれに接続された電源コンセントの組(後述する図10に示されるように、2つの電源コンセント231からなる組)が、出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれとされている。
即ち、本実施の形態においては、UPS4は、6つの電源コンセント231を有しており、これら6つの電源コンセント231が、2つの電源コンセント231からなる3つの組に区分され、これらの3つの組のそれぞれが、出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれとされている。
そして、図1に示されるように、出力部12−1のうちの、一方の電源コンセント231には、電源線22−1を介して情報処理装置2−1が接続され、他方の電源コンセント231には、電源線22−2を介して情報処理装置2−2が接続されている。同様に、出力部12−2のうちの、一方の電源コンセント231には、電源線22−3を介して情報処理装置2−3が接続され、他方の電源コンセント231には、電源線22−4を介してデバイス3−1が接続されている。また、出力部12−3のうちの、一方の電源コンセント231には、電源線22−5を介してデバイス3−2が接続されているが、他方の電源コンセント231には、何も接続されていない。
従って、UPS4は、入力電源である商用交流電源5が正常な場合、この商用交流電源5からの電力を、出力部12−1から情報処理装置2−1と情報処理装置2−2のそれぞれに出力し、出力部12−2から情報処理装置2−3とデバイス3−1のそれぞれに出力し、かつ、出力部12−3からデバイス3−2に出力する。
また、UPS4は、入力電源である商用交流電源5に異常が発生した場合、内蔵するバッテリ(後述する図9のバッテリ216)からの電力を、出力部12−1から情報処理装置2−1と情報処理装置2−2のそれぞれに出力し、出力部12−2から情報処理装置2−3とデバイス3−1のそれぞれに出力し、かつ、出力部12−3からデバイス3−2に出力する。
さらに、UPS4は、通信部11を有しており、この通信部11を利用して、情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3のそれぞれと通信を行う(情報を送受信する)ことができる。ただし、本実施の形態においては、後述するように、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3の出力状態の制御の全ては、1台の情報処理装置(図1の例では、情報処理装置2−1)により行われるので、UPS4は、その情報処理装置2−1のみと通信を行えば十分である。このため、図1においては、UPS4の通信部11は、通信線21を介して、情報処理装置2−1のみと接続されている。
従って、本実施の形態においては、UPS4と通信を行う情報処理装置2−1(UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3の状態を制御する情報処理装置2−1)がマスタとされ、それ以外の情報処理装置2−2、および情報処理装置2−3がスレーブとされる。
なお、情報処理装置(マスタ)2−1とUPS4(通信部11)との間で行われる通信の通信方式は、特に限定されないが、本実施の形態においては、例えば、有線または無線のシリアル通信方式とされる。従って、例えば、有線のシリアル通信方式の場合、通信線21は、シリアル通信方式に準拠したケーブルとされる。これに対して、例えば、無線のシリアル通信方式の場合、通信線21は無線とされる。
このように、本実施の形態の情報処理システムにおいては、その構成要素である、情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3、並びに、デバイス3−1およびデバイス3−2のそれぞれの入力電源(共通電源)として、1台のUPS4を利用することができる。このため、情報処理システムの全ての構成要素を、例えば、図2に示されるような1つのラック31の中に収納させることが容易に可能となる。これにより、従来(情報処理システムの各構成要素のそれぞれの入力電源として、それぞれ異なるUPSを接続していた場合)に比較して、情報処理システムの設置スペースの簡素化が図られるとともに、情報処理システムのユーザにとっての利便性も向上する(例えば、ユーザは、従来よりも容易に管理することが可能になる)。
なお、本実施の形態においてはさらに、設置スペースのさらなる簡素化や、利便性のさらなる向上を目的として、図2に示されるように、情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3のそれぞれの表示装置として、1台のディスプレイ41を兼用させている。
しかしながら、上述したように、情報処理システムの構成要素の共通電源としてUPS4が利用される場合、そのUPS4の電力出力の制御は、情報処理システムの全体を考慮した統一的な制御が要求されるが、従来のように、情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3のそれぞれが独立して、自分自身に接続された出力部12−1または出力部12−2を個別に制御してしまうと、このような要求に応えることが困難となってしまう。即ち、従来と同様の課題が発生してしまう。
そこで、このような課題を解決するために、本実施の形態においては、上述したように、1台の情報処理装置(マスタ)2−1のみが、UPS4と通信を行い、UPS4から送信されてきた情報を受信し、その情報に基づいてUPS4の状態を監視している。そして、情報処理装置(マスタ)2−1のみが、その監視の結果に基づいて、UPS4の複数の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの状態を個別に制御する制御情報を生成し、その制御情報をUPS4に送信するのである。
図3は、このような情報処理装置(マスタ)2−1の構成例を表している。
なお、情報処理装置(スレーブ)2−2と情報処理装置(スレーブ)2−2のそれぞれは、ネットワーク1を介する通信が可能であり、UPS4を電源とすることが可能であり、かつ、シャットダウン処理を実行することが可能な形態であれば、その形態は特に限定されない。ただし、本実施の形態においては、情報処理装置(スレーブ)2−2と情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれも、UPS4と通信を行う機能自体は有しており、ユーザの設定によっては、マスタとして機能させることも可能であるとする。
そこで、本実施の形態においては、情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3はいずれも図3に示される構成を有するとし、以下、情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3のそれぞれを個別に説明する必要がない場合(区別する必要がない場合)、単に情報処理装置2と称する。
図3の情報処理装置2において、CPU(Central Processing Unit)51は、ROM(Read Only Memory)52に記録されているプログラム、または記憶部58からRAM(Random Access Memory)53にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM53にはまた、CPU51が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
具体的には、例えば、後述する図4に示される、設定部81、UPS監視部82、UPS制御部83、および、シャットダウン制御部84のそれぞれをプログラムとして構成することができる。CPU51は、これらのプログラムを実行することで、設定部81、UPS監視部82、UPS制御部83、および、シャットダウン制御部84のそれぞれの機能を実行させる。
CPU51、ROM52、およびRAM53は、バス54を介して相互に接続されている。このバス54にはまた、入出力インタフェース55も接続されている。
入出力インタフェース55にはまた、キーボードやマウスなどよりなる入力部56、上述したディスプレイ41などよりなる出力部57(ただし、上述した図2に示されるように、ディスプレイ41は、他の情報処理装置と兼用されることもある)、および、記憶部58が接続されている。
記憶部58は、例えば、ハードディスク等で構成され、情報処理装置2が機能するためのプログラムやデータ群を記憶する。即ち、記憶部58は、オペレーティングシステムや設定情報だけでなく、アプリケーションソフトウエア、それらに付随するデータ、或いは、音声や画像のデータ等も記憶する。
具体的には、例えば、図4に示されるように、設定部81、UPS監視部82、UPS制御部83、および、シャットダウン制御部84のそれぞれがプログラムとして構成される場合、記憶部58には、それらのプログラム(それらのプログラム等から構成されるアプリケーションソフトウエア)が記憶される。
また、ユーザは、後述する図5乃至図7に示される画像を利用して、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの出力状態を個別に制御するために必要な設定情報を入力するが、記憶部58には、このような設定情報も記憶される。即ち、記憶部58の所定の領域が、後述する図4の設定情報記憶部85に対応する。
入出力インタフェース55にはさらに、通信部59、UPS通信部60、および、電力供給部61が接続されている。
通信部59は、例えば、モデムやターミナルアダプタ等で構成され、他の情報処理装置(例えば、図1の情報処理装置(マスタ)2−1に着目した場合、情報処理装置(スレーブ)2−2と情報処理装置2−2(スレーブ))とのネットワーク1を介する通信を制御する。なお、通信部59の通信方式も、特に限定されず、有線方式であってもよいし、無線方式であってもよい。
UPS通信部60は、例えば、無線または有線のシリアル通信方式に準拠した通信ボードや通信カード等で構成され、UPS4との通信を制御する。
電力供給部61は、UPS4から電源線22(このように、電源線22−1乃至電源線22−3のそれぞれも、区別する必要が特にない場合、単に電源線22と称する)を介して供給された電力を、情報処理装置2内の各部にそれぞれ供給する。即ち、図3においては、電力供給部61から供給される電力は、白抜きの矢印で示されているが、実際には、電力供給部61と、情報処理装置2内の各部のそれぞれが接続されており、電力供給部61は、情報処理装置2内の各部のそれぞれに対して、対応するレベルの直流電圧を個別に印加する。
入出力インタフェース55にはまた、必要に応じてドライブ62が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどよりなるリムーバブル記録媒体71が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部58にインストールされる。
なお、情報処理装置2は、UPS4と相互に通信を行うことが可能な構成であり、そのUPS4を監視し、制御することが可能な形態(即ち、そのような監視や制御を行うための情報等を保護するために、一般的には、シャットダウン処理の実行が必要となる形態)であれば、その形態は図3の例に限定されず、様々な形態を取ることが可能である。具体的には、例えば、情報処理装置2は、図示はしないが、PLC(Programmable Logic Controller)等の制御装置の他、家電製品等として構成することもできる。
図4は、情報処理装置2が有する機能のうちの、入力電源として接続されたUPS4の状態を監視し、その監視の結果に応じて、上述したシャットダウン処理やUPS停止処理を制御する他、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの出力状態も個別に制御する機能を示す機能ブロック図である。
このような機能は、例えば、図4に示されるように、入力部56、出力部57、記憶部58、通信部59、および、UPS通信部60といった、上述した図3に示されるハードウエア、並びに、設定部81、UPS監視部82、UPS制御部83、および、シャットダウン制御部84といった、上述した図3のCPU51が実行するソフトウエアにより実現可能である。
なお、本実施の形態では、情報処理装置2は、図3のように構成されるコンピュータとされているため、設定部81、UPS監視部82、UPS制御部83、および、シャットダウン制御部84のそれぞれは、ソフトウエアで実現されるとしたが、勿論、これらのうちの全部または一部がハードウエアで構成されてもよいし、或いは、ソフトウエアとハードウエアの組合せで構成されてもよい。ただし、この場合、情報処理装置2は、例えば、図3の構成に対してさらに、ハードウエアで構成されたブロックが付加されることになる。
設定部81は、UPS4の各負荷(本実施の形態では、図1に示されるように、情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3、並びに、デバイス3−1およびデバイス3−2)のそれぞれが行う、UPS4からの電力の遮断に対する準備に必要な準備時間のそれぞれを、入力部56から入力された各種の設定情報に基づいて設定する。そして、設定部81は、このようにして設定したUPS41の各負荷のそれぞれの準備時間と、入力部56より入力された設定情報とを、設定情報記憶部85に記憶させる。
即ち、設定情報記憶部85(記憶部58内の所定の領域)は、設定部81より供給される設定情報と、UPS41の各負荷のそれぞれの準備時間とを記憶させる。
詳細には、例えば、設定部81は、図5乃至図7のそれぞれに示されるような、各種の設定情報を入力させるための画像を、出力部57(ディスプレイ41)に表示させる。
図5は、情報処理装置(マスタ)2−1の準備時間等の設定に必要な設定情報を入力させるための画像を表している。
即ち、ユーザは、入力部56を操作して、図5の画像内のボックス91−1乃至ボックス94−1のそれぞれに、情報処理装置(マスタ)2−1の準備時間等の設定に必要な設定情報のうちの、対応する設定情報を入力させる。そして、ユーザは、設定ボタン95−1の押下操作(図示はしないが、マウスのポインタ等を設定ボタン95−1の上に配置させ、マウスを左クリックする操作等)を行うと、設定部81は、ボックス91−1乃至ボックス94−1のそれぞれに入力された情報を、情報処理装置(マスタ)2−1の準備時間の設定に必要な設定情報として確定し、設定情報記憶部85に記憶させる。また、設定部81は、これらの設定情報から、情報処理装置(マスタ)2−1の準備時間を設定し、設定情報記憶部85に記憶させる。なお、情報処理装置(マスタ)2−1の準備時間の設定方法については後述する。
具体的には、図5の画像において、「UPS出力コンセント選択」という表示の右方に示されるボックス91−1には、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のうちの、情報処理装置(マスタ)2−1が接続された出力部(図5の例では、図1にあわせて、出力部12−1とされている)が入力される。
「待機時間」という表示の右方に示されるボックス92−1には、後述するように、UPS4の入力電源に異常が発生した時点から、情報処理装置(マスタ)2−1がシャットダウン処理を実行すると判断する時点の間の時間(以下、このような時間を待機時間と称する)が入力される。即ち、UPS4の入力電源(商用交流電源5)に異常が発生しても、短時間でその異常が回復することがあり、このような場合、シャットダウン処理は不要である。従って、情報処理装置(マスタ)2−1は、UPS4の入力電源に異常が発生しても、その発生の時点から待機時間が経過するまでの間(図5の例では、60秒間)、その処理を待機し(シャットダウンン処理の実行を判断することを禁止し)、待機時間が経過しても、UPS4の入力電源の異常が継続している場合にのみ、シャットダウン処理を実行すると判断するのである。
「シャットダウン開始遅延」という表示の右方に示されるボックス93−1には、情報処理装置(マスタ)2−1がシャットダウン処理を実行すると判断した時点から、シャットダウン処理を実際に開始するまでの時間(以下、このような時間を遅延時間と称する)が入力される。例えば、図5の例では、ボックス93−1に30秒が入力されているので、情報処理装置(マスタ)2−1は、シャットダウン処理を実行すると判断した時点(即ち、UPS4の入力電源に異常が発生した時点から待機時間(図5の例では、60秒間)が経過した時点)から、さらに30秒が経過した後、シャットダウン処理を開始することになる。
ユーザは、このように、情報処理装置2−1の遅延時間、並びに、後述する他の情報処理装置2−2の遅延時間および他の情報処理装置2−3の遅延時間のそれぞれを調整することで(調整した遅延時間を設定情報として入力させることで)、情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3のそれぞれのシャットダウン処理の開始タイミングを調整することができる。これにより、例えば、マスタである情報処理装置2−1のシャットダウン処理の開始を可能な限り延ばし、先に、スレーブ(情報処理装置2−2や情報処理装置2−3)のシャットダウン処理を開始させたい、といった要望に応えることが可能になる。
「シャットダウンに必要な時間」という表示の右方に示されるボックス94−1には、情報処理装置(マスタ)2−1がシャットダウン処理を開始してから完了するまでに必要な時間(以下、このような時間を、シャットダウン処理時間と称する)が入力される。例えば、図5の例では、ボックス94−1に600秒が入力されているので、情報処理装置(マスタ)2−1は、シャットダウン処理を実行すると判断した時点(即ち、UPS4の入力電源に異常が発生した時点から待機時間(図5の例では、60秒間)が経過した時点)から、さらに遅延時間(図5の例では、30秒)が経過した後、シャットダウン処理を開始し、その後、600秒以内にシャットダウン処理を完了させる。
なお、情報処理装置(マスタ)2−1のシャットダウン処理の実際の処理時間は、情報処理装置(マスタ)2−1が実行するアプリケーションソフトウエアの数や、情報処理装置(マスタ)2−1自身の能力等によって、他の情報処理装置とは異なる時間となることが多い。そこで、ユーザは、実際に情報処理装置(マスタ)2−1にシャットダウン処理を実行させて、そのときに要した時間(シャットダウン処理の実際の処理時間)を計測し、計測した時間(シャットダウン処理の実際の処理時間)に所定の猶予時間を加えた時間を、シャットダウン処理時間(シャットダウンに必要な時間)としてボックス94−1に入力させるとよい。
このように、情報処理装置(マスタ)2−1における、UPS4の電力遮断に対する準備とは、結局、シャットダウン処理を指すので、準備時間とは、情報処理装置(マスタ)2−1がシャットダウン処理を実行すると判断した時点から、シャットダウン処理を完了させるまでの間の時間、即ち、遅延時間(ボックス93−1に入力された時間)とシャットダウン処理時間(ボックス94−1に入力された時間)とが加算された時間を指す。
図6は、他の情報処理装置(スレーブ)2−2の準備時間等の設定に必要な設定情報を入力させるための画像を表している。
即ち、ユーザは、入力部56を操作して、図6の画像内のボックス91−2、ボックス93−2、および、ボックス94−2のそれぞれに、他の情報処理装置(スレーブ)2−2の準備時間等の設定に必要な設定情報のうちの、対応する設定情報を入力させる。そして、ユーザは、設定ボタン95−2の押下操作を行うと、設定部81は、ボックス91−2、ボックス93−2、および、ボックス94−2のそれぞれに入力された情報のそれぞれを、他の情報処理装置(スレーブ)2−2の準備時間の設定に必要な設定情報として確定し、設定情報記憶部85に記憶させる。また、設定部81は、これらの設定情報から、他の情報処理装置(スレーブ)2−2の準備時間を設定し、設定情報記憶部85に記憶させる。なお、他の情報処理装置(スレーブ)2−2の準備時間の設定方法については後述する。
具体的には、図6の画像において、「UPS出力コンセント選択」という表示の右方に示されるボックス91−2には、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のうちの、他の情報処理装置(スレーブ)2−2が接続された出力部(図6のでは、図1にあわせて、出力部12−1とされている)が入力される。
「シャットダウン開始遅延」という表示の右方に示されるボックス93−2には、他の情報処理装置(スレーブ)2−2における遅延時間が入力される。
例えば、後述するように、情報処理装置(マスタ)2−1は、シャットダウン処理を実行すると判断した時点(即ち、UPS4の入力電源(商用交流電源5)に異常が発生した時点から待機時間(図5の例では、60秒間)が経過した時点)で、他の情報処理装置(スレーブ)2−2に対して、シャットダウン処理をこの遅延時間(ボックス93−2に入力された時間であって、図6の例では、0秒)後に開始させる指令(以下、シャットダウン指令と称する)を送信する。なお、このとき、ほぼ同時に、情報処理装置(マスタ)2−1は、他の情報処理装置(スレーブ)2−3にも同様なシャットダウン指令を送信する。
すると、他の情報処理装置(スレーブ)2−2は、このシャットダウン指令を受信した時点から、シャットダウン指令に指定されている遅延時間が経過した後(即ち、図6の例では、0秒が遅延時間として指定されているので、シャットダウン指令を受信したその時点で)、シャットダウン処理を開始する。
「シャットダウンに必要な時間」という表示の右方に示されるボックス94−2には、他の情報処理装置(スレーブ)2−2のシャットダウン処理時間が入力される。例えば、図6の例では、ボックス94−2に600秒が入力されているので、他の情報処理装置(スレーブ)2−2は、シャットダウン処理を実行すると判断した時点(即ち、情報処理装置(マスタ)2−1からのシャットダウン指令を受け取った時点)から、遅延時間が経過した後(即ち、図6の例では、0秒が遅延時間として指定されているので、シャットダウン指令を受信したその時点で)、シャットダウン処理を開始し、その後、600秒以内にシャットダウン処理を完了させる。
なお、図5と図6の例では、情報処理装置(マスタ)2−1と他の情報処理装置(スレーブ)2−2のそれぞれのシャットダウン処理時間(シャットダウンに必要な時間)はともに600秒とされているが、上述した情報処理装置(マスタ)2−1と同様に、一般的には、他の情報処理装置(スレーブ)2−2のシャットダウン処理の実際の処理時間も、他の情報処理装置とは異なる時間となることが多い。そこで、ユーザは、他の情報処理装置(スレーブ)2−2に対しても、実際にシャットダウン処理を実行させて、そのときに要した時間(シャットダウン処理の実際の処理時間)を計測し、計測した時間(シャットダウン処理の実際の処理時間)に所定の猶予時間を加えた時間を、シャットダウン処理時間(シャットダウンに必要な時間)としてボックス94−2に入力させるとよい。
このように、情報処理装置(マスタ)2−1と同様に、他の情報処理装置(スレーブ)2−2においても、UPS4の電力遮断に対する準備とは、結局、シャットダウン処理を指すので、準備時間とは、他の情報処理装置(スレーブ)2−2がこのシャットダウン処理を実行すると判断した時点(即ち、情報処理装置(マスタ)2−1からのシャットダウン指令を受け取った時点)から、シャットダウン処理を完了させるまでの間の時間、即ち、遅延時間(ボックス93−2に入力された時間)とシャットダウン処理時間(ボックス94−2に入力された時間)とが加算された時間を指す。
なお、図示はしていないが、他の情報処理装置(スレーブ)2−3の準備時間等の設定に必要な設定情報を入力させるための画像も、図6に示される画像と全く同様の画像とされる。
即ち、ユーザは、入力部56を操作して、図6と同様の画像内における、図示せぬ各ボックス(図6における、ボックス91−2、ボックス93−2、および、ボックス94−2のそれぞれに対応する、図示せぬボックス)に、他の情報処理装置(スレーブ)2−3の準備時間の設定に必要な設定情報のうちの、対応する設定情報を入力させる。
なお、このとき、ユーザは、他の情報処理装置(スレーブ)2−2に対しても、実際にシャットダウン処理を実行させて、そのときに要した時間(シャットダウン処理の実際の処理時間)を計測し、計測した時間(シャットダウン処理の実際の処理時間)に所定の猶予時間を加えた時間を、シャットダウン処理時間(シャットダウンに必要な時間)としてボックス94−2に対応する、図示せぬボックスに入力させるとよい。
そして、ユーザは、図示せぬ設定ボタン(図6の設定ボタン95−2に対応するボタン)の押下操作を行うと、設定部81は、各ボックスのそれぞれに入力された情報を、他の情報処理装置(スレーブ)2−3の準備時間の設定に必要な設定情報として確定し、設定情報記憶部85に記憶させる。また、設定部81は、これらの設定情報から、他の情報処理装置(スレーブ)2−3の準備時間を設定し、設定情報記憶部85に記憶させる。
このとき、設定部81は、上述した他の情報処理装置(スレーブ)2−2の準備時間の設定方法と全く同様の設定方法で、他の情報処理装置(スレーブ)2−3の準備時間も設定する。即ち、他の情報処理装置(スレーブ)2−2と全く同様に、他の情報処理装置(スレーブ)2−3においても、UPS4の電力遮断に対する準備とは、結局、シャットダウン処理を指すので、準備時間とは、他の情報処理装置(スレーブ)2−3がこのシャットダウン処理を実行すると判断した時点(即ち、情報処理装置(マスタ)2−1からのシャットダウン指令を受け取った時点)から、シャットダウン処理を完了させるまでの間の時間、即ち、遅延時間(図6のボックス93−2に対応する、図示せぬボックスに入力された時間)とシャットダウン処理時間(図6のボックス94−2に対応する、図示せぬボックスに入力された時間)とが加算された時間を指す。
図7は、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれに接続されたデバイス(本実施の形態では、図1に示されるように、出力部12−2に接続されたデバイス3−1と、出力部12−3に接続されたデバイス3−2)の準備時間等の設定に必要な設定情報を入力させるための画像を表している。
即ち、ユーザは、入力部56を操作して、図7の画像内のボックス96−1乃至ボックス96−3のそれぞれに、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれに接続されたデバイスの準備時間の設定に必要な設定情報のそれぞれを入力させる。そして、ユーザは、設定ボタン95−3の押下操作を行うと、設定部81は、ボックス96−1乃至ボックス96−3のそれぞれに入力された情報のそれぞれを、出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれに接続されたデバイスの準備時間の設定に必要な設定情報として確定し、設定情報記憶部85に記憶させる。
また、設定部81は、これらの設定情報から、出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれに接続されたデバイスの準備時間を設定し、設定情報記憶部85に記憶させる。ただし、本実施の形態においては、設定部81は、ボックス96−1乃至ボックス96−3のそれぞれに入力された情報のそれぞれを、そのまま、出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれに接続されたデバイスの準備時間として(設定し)、設定情報記憶部85に記憶させる。
即ち、「コンセント出力停止までの時間」という表示の下方に示されるボックス96−1乃至ボックス96−3のそれぞれには、それらの左方の表示に示されるように、出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれに接続されたデバイスの準備時間が入力される。例えば、図6の例では、出力部12−2に600秒が入力されているので、出力部12−2に接続されたデバイス3−1の準備時間として、600秒が設定される。同様に、出力部12−3に600秒が入力されているので、出力部12−3に接続されたデバイス3−2の準備時間として、600秒が設定される。
なお、デバイス3−1やデバイス3−2は、一般的に、それら単体で動作している場合、UPS4からの電力が遮断されても特に問題ない。従って、一般的なデバイス3−1やデバイス3−2自体には、UPS4の電力遮断に対する準備は特に存在しない。
しかしながら、デバイス3−1やデバイス3−2が、情報処理装置2(情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3のうちの少なくとも1つ)と関連して動作している場合、関連する情報処理装置2のシャットダウン処理が完了する前に、デバイス3−1やデバイス3−2の電源状態がオフ状態にされてしまうと、様々な問題が発生することがある。具体的には、例えば、デバイス3−2が、情報処理装置2−1の外付けハードディスクとされると、情報処理装置2−1のシャットダウン処理が完了する前に、その外付けハードディスクの電源状態がオフ状態にされてしまうと、情報処理装置2−1にとっては、データを退避させる(記憶させる)場所が突然消えてしまうことになり、その結果、そのデータが失われてしまう、といった問題が発生してしまう。
そこで、デバイス3−1やデバイス3−2における、UPS4の電力遮断に対する準備とは、関連する情報処理装置2のシャットダウン処理が完了するまで、稼動状態に維持する(電源状態をオン状態のまま維持する)ことであると定義し、ユーザは、例えば、デバイス3−1やデバイス3−2における準備時間として、関連する情報処理装置2の準備時間(関連する情報処理装置2が、シャットダウン処理を実行すると判断した時点から、シャットダウン処理を完了するまでの時間)と同一の時間を、ボックス96−2またはボックス96−3に入力させることができる。
このように、ルータ、スイッチングハブ、または、外付けのハードディスク等として構成されるデバイス(本実施の形態においては、図1のデバイス3−1とデバイス3−2)に対しても、準備時間という概念を導入することで、後述するように、デバイスのみがを負荷とする出力部(本実施の形態においては、図1に示されるように、デバイス3−2が接続された出力部12−3)の出力状態も制御することが可能になる。また、デバイスと情報処理装置を混在して負荷とする出力部(本実施の形態においては、図1に示されるように、情報処理装置(スレーブ)2−3とデバイス3−1とが接続された出力部12−2)の出力状態を、情報処理装置の特徴のみならず、デバイスの特徴も加味して制御することが可能になる。
以上のようにして、1台の情報処理装置(マスタ)2−1の設定部81が、図5乃至図7に示されるような、設定情報を入力させる画像を表示させることで、ユーザに設定情報を簡単な操作で入力させることができ、入力ミスといった問題の発生頻度を抑制させることが可能になる。
その後、即ち、情報処理システムの各構成要素(UPS4の各負荷)のそれぞれにおける、設定情報や準備時間の全てが設定情報記憶部85に記憶されると、設定部81は、図8に示されるような画像を、出力部57(ディスプレイ41)に表示させる。
即ち、図8は、UPS4に入力電源異常が発生した場合における、UPS4の各負荷(UPS4の各出力コンセント231(図10)のそれぞれに接続された各負荷)のそれぞれのタイミングチャートを示す画像(以下、このような画像を、出力コンセント情報画像と称する)を表している。即ち、本実施の形態では、図8に示されるように、情報処理装置(マスタ)2−1(図8の例では、PC2−1(マスタ)と表示されている)、情報処理装置(スレーブ)2−2(図8の例では、PC2−2(スレーブ)と表示されている)、情報処理装置(スレーブ)2−3(図8の例では、PC2−3(スレーブ)と表示されている)、デバイス3−1、および、デバイス3−2のそれぞれのタイミングチャート(出力コンセント情報)が、ディスプレイ41に表示される。
なお、図8の出力コンセント情報画像の詳細な説明については後述するが、ユーザは、この出力コンセント情報画像を見ることで、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれに接続された負荷の状態(情報処理システムの電源系統や、各負荷のそれぞれの準備時間)を一元管理することが容易に可能となる。即ち、ユーザは、UPS4の電力出力の制御の設計を行う場合、情報処理システム全体を考慮した統一的な制御を実現するような設計を容易に行うことができる。
具体的には、例えば、ユーザは、図8の出力コンセント情報画像を見ることで、出力部12−1には、2台の情報処理装置2−1と情報処理装置2−2とが接続されていることや、情報処理装置2−1と情報処理装置2−2との対応関係(それぞれの準備時間の差異)等を容易に把握することができる。
従って、ユーザは、情報処理システムの構成を変更したり(例えば、UPS4の負荷として、図示せぬ新たな情報処理装置やデバイスを加えたり)、情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3のうちのいずれか1つの機能を変更する(例えば、ソフトウエアを追加する)場合、図8の出力コンセント情報画像を見ながら、UPS4の各負荷のそれぞれの準備時間を容易に設計し直すことができる。
さらに、ユーザは、設計し直した準備時間に対応する設定情報の入力操作も、上述したように、図5乃至図7の画像を利用して容易に行うことがができ、入力ミスといった問題の発生頻度を抑制させることが可能になる。
図4に戻り、UPS監視部82は、UPS4から送信され、UPS通信部60に受信された各種情報に基づいてUPS4の状態を監視し、その監視の結果を、出力部57、UPS制御部83、および、シャットダウン制御部84のそれぞれに提供する。
すると、出力部57は、その監視の結果を出力し(例えば、ディスプレイ41は、監視の結果を示す画像を表示し)、UPS制御部83は、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3(図1)のそれぞれの状態を個別に制御する制御情報を生成し、UPS通信部60からUPS4に送信させる制御を実行する。また、シャットダウン制御部84は、UPS監視部82の監視の結果に基づいて、情報処理装置(マスタ)2−1自身のシャットダウン処理を制御するとともに、通信部59およびネットワーク1を介して、他の情報処理装置(スレーブ)2−2と他の情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれのシャットダウン処理も制御する(上述したシャットダウン指令を生成し、通信部59からネットワーク1を介して情報処理装置(スレーブ)2−2と情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれに送信させる制御を実行する)。
具体的には、例えば、UPS4は、後述するように、異常が発生した場合には、その異常を示す情報を情報処理装置(マスタ)2−1に送信する。
異常を示す情報には、大きく分けて、UPS4自身の異常を示す情報(例えば、後述する図9のバッテリ216の異常等)と、入力電源(図1の商用交流電源5)の異常を示す情報との、2つの種類が存在する。
なお、以下、異常を示す情報のうちの後者の種類の情報、即ち、入力電源の異常を示す情報を、「入力電源異常」と称する。
例えば、UPS4が、このような「入力電源異常」を送信してきた場合、UPS監視部82は、UPS4の入力電源に異常が発生しているという監視結果を、UPS制御部83とシャットダウン制御部84のそれぞれに通知する。
すると、UPS制御部83は、UPS4の出力部12−1の出力を停止させる停止タイミングを、設定情報記憶部85に記憶されている準備時間のうちの、出力部12−1に接続された負荷の準備時間(本実施の形態においては、図1の示されるように、情報処理装置(マスタ)2−1自身の準備時間、および、情報処理装置(スレーブ)2−2の準備時間)に基づいて決定する。
同様に、UPS制御部83は、UPS4の出力部12−2の停止タイミングを、設定情報記憶部85に記憶されている準備時間のうちの、出力部12−2に接続された負荷の準備時間(本実施の形態においては、図1の示されるように、情報処理装置(スレーブ)2−3の準備時間、および、デバイス3−1の準備時間)に基づいて決定する。また、UPS制御部83は、UPS4の出力部12−3の停止タイミングを、設定情報記憶部85に記憶さているた準備時間のうちの、出力部12−3に接続された負荷の準備時間(本実施の形態においては、図1の示されるように、デバイス3−2の準備時間)に基づいて決定する。
ここで、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの停止タイミングの決定手法の例について、図8の出力コンセント情報画像を参照して説明する。
そこで、はじめに、図8の出力コンセント情報画像の詳細について説明する。
上述したように、図8の出力コンセント情報画像には、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれに接続された負荷のそれぞれのタイミングチャートがその順番で示されている。
具体的には、例えば、UPS4の出力部12−1に接続された負荷のタイミングチャートは、「UPS4の出力部12−1」という表示104で示される範囲に表示されている。即ち、図8に示されるように、出力部12−1に接続された負荷のタイミングチャートとして、情報処理装置(マスタ)2−1(図8の例では、PC2−1(マスタ)と表示されている)、および、情報処理装置(スレーブ)2−2(図8の例では、PC2−2(スレーブ)と表示されている)のそれぞれのタイミングチャートが示されている。
なお、本実施の形態においては、UPS4の出力部12−1には、デバイスは実際には接続されていないが、上述した図7のボックス96−1に、出力部12−1にデバイスが仮に接続された場合における、そのデバイスの準備時間(コンセント停止までの時間)が入力されるので、図8の出力コンセント情報画像においても、実際には接続されていないデバイス(図8の例では、その他のデバイス3(接続なし)と表示されている)のタイミングチャートも表示される。
同様に、例えば、UPS4の出力部12−2に接続された負荷のタイミングチャートは、「UPS4の出力部12−2」という表示110で示される範囲に表示されている。即ち、図8に示されるように、出力部12−2に接続された負荷のタイミングチャートとして、情報処理装置(スレーブ)2−3(図8の例では、PC2−3(スレーブ)と表示されている)、および、デバイス3−1(図8の例では、その他のデバイス3(デバイス3−1)と表示されている)のそれぞれのタイミングチャートが示されている。
また、例えば、UPS4の出力部12−3に接続された負荷のタイミングチャートは、「UPS4の出力部12−3」という表示114で示される範囲に表示されている。即ち、図8に示されるように、出力部12−3に接続された負荷のタイミングチャートとして、デバイス3−2(図8の例では、その他のデバイス3(デバイス3−2)と表示されている)のタイミングチャートが示されている。
なお、図8の出力コンセント情報画像には、時間軸は特に示されていないが、ディスプレイ41の画面の水平方向(即ち、図8中、水平方向)が時間軸とされ、時間の流れの方向は、その画面の左から右に向かう方向(即ち、図8中、左から右に向かう方向)とされている。また、時間軸の基点は、情報処理装置(マスタ)2−1が、UPS4からの「入力電源異常」を受信した時点(図8中、「入力電源異常発生」という表示101が示される時点)とされている。
上述したように、情報処理装置(マスタ)2−1は、UPS4からの「入力電源異常」をはじめて受信してから、所定の待機時間(図5のボックス92−1に入力された時間)が経過した時点で、UPS4からの「入力電源異常」をまだ受信し続けている場合、シャットダウン処理を実行すると判断する。
このようにして、情報処理装置(マスタ)2−1がシャットダウン処理を実行すると判断する時点が、図8中、「シャットダウン処理実行判定タイミング」の表示102で示されている。また、このときの待機時間は、図8中、「PC2−1(マスタ)」のタイミングチャート上に、「待機時間 秒」という表示103で示されるとともに、この待機時間に対応する長さの直線が表示されている。即ち、「入力電源異常発生」の表示101と、「シャットダウン処理実行判定タイミング」の表示102との間隔が、この待機時間に対応する長さだけ離される。
上述したように、情報処理装置(マスタ)2−1は、シャットダウン処理の実行を判断すると、その時点から遅延時間(図5のボックス93−1に入力された時間)だけ経過した時点で、自分自身のシャットダウン処理を開始し、その後、シャットダウン処理時間(図5のボックス94−1に入力された時間)がほぼ経過すると、シャットダウン処理を完了する。
このときの遅延時間は、図8中、「PC2−1(マスタ)」のタイミングチャート上に、「シャットダウン開始遅延 秒」という表示105で示されるとともに、この遅延時間に対応する長さの矢印121が示される。
また、このときのシャットダウン処理時間は、図8中、「PC2−1(マスタ)」のタイミングチャート上に、「シャットダウンに必要な時間 秒」という表示106で示されるとともに、このシャットダウン処理時間に対応する長さの矢印122が示される。
即ち、情報処理装置(マスタ)2−1の遅延時間に対応する矢印121の長さと、情報処理装置(マスタ)2−1のシャットダウン処理時間に対応する矢印122の長さとが加算された長さ(「シャットダウン処理実行判定タイミング」の表示102から、矢印122の先端(指し示す先の端)までの長さ)が、情報処理装置(マスタ)2−1の準備時間を表すことになる。
このように、図8の出力コンセント情報画像においては、ユーザが図5の画像を利用して入力した情報処理装置(マスタ)2−1の設定情報が、タイミングチャートといった形態で表現されるので、ユーザは、このタイミングチャートを見ることで、情報処理装置(マスタ)2−1の設定情報や、それらの設定情報から決定される準備時間を視覚的に認識することが容易に可能になる。
同様に、図8の出力コンセント情報画像においては、図6や図7の画像(或いは、図6に対応する、情報処理装置(スレーブ)2−3の設定情報を入力するための画像)により入力されたUPS4の他の負荷の設定情報(即ち、情報処理装置(スレーブ)2−2、情報処理装置(スレーブ)2−3、デバイス3−1、および、デバイス3−2のそれぞれの設定情報)も、UPS4の他の負荷のそれぞれのタイミングチャートといった形態で表現されている。従って、ユーザは、これらのタイミングチャートを見ることで、UPS4の他の負荷のそれぞれの設定情報や準備時間を視覚的に認識することが容易に可能になる。
具体的には、例えば、情報処理装置(スレーブ)2−2のタイミングチャート上には、情報処理装置(スレーブ)2−2の遅延時間として、図6のボックス93−2に入力された時間が、「シャットダウン開始遅延 秒」という表示107で示されるとともに、この遅延時間に対応する長さの矢印123が示される。
また、情報処理装置(スレーブ)2−2のシャットダウン処理時間として、図6のボックス94−2に入力された時間が、「シャットダウンに必要な時間 秒」という表示108で示されるとともに、このシャットダウン処理時間に対応する長さの矢印124が示される。
即ち、情報処理装置(スレーブ)2−2の遅延時間に対応する矢印123の長さと、情報処理装置(スレーブ)2−2のシャットダウン処理時間に対応する矢印124の長さとが加算された長さ(「シャットダウン処理実行判定タイミング」の表示102から、矢印124の先端までの長さ)が、情報処理装置(スレーブ)2−2の準備時間を表すことになる。
また、例えば、情報処理装置(スレーブ)2−3のタイミングチャート上には、情報処理装置(スレーブ)2−3の遅延時間として、図6のボックス93−2に対応する、図示せぬボックスに入力された時間が、「シャットダウン開始遅延 秒」という表示111で示されるとともに、この遅延時間に対応する長さの矢印126が示される。
情報処理装置(スレーブ)2−3のシャットダウン処理時間として、図6のボックス94−2に対応する、図示せぬボックスに入力された時間が、「シャットダウンに必要な時間 秒」という表示112で示されるとともに、このシャットダウン処理時間に対応する長さの矢印127が示される。
即ち、情報処理装置(スレーブ)2−3の遅延時間に対応する矢印126の長さと、情報処理装置(スレーブ)2−3のシャットダウン処理時間に対応する矢印127の長さとが加算された長さ(「シャットダウン処理実行判定タイミング」の表示102から、矢印127の先端までの長さ)が、情報処理装置(スレーブ)2−3の準備時間を表すことになる。
また、例えば、デバイス3−1のタイミングチャート上には、デバイス3−1の準備時間として、図7のボックス96−2に入力された準備時間が、「出力コンセント停止までの時間 秒」という表示113で示されるとともに、この準備時間に対応する長さの矢印128が示される。
同様に、例えば、デバイス3−2のタイミングチャート上には、デバイス3−2の準備時間として、図7のボックス96−3に入力された準備時間が、「出力コンセント停止までの時間 秒」という表示115で示されるとともに、この準備時間に対応する長さの矢印129が示される。
なお、上述したように、UPS4の実際の出力部12−1にはデバイスは接続されていないが、図7のボックス96−1に所定の時間が入力されることから、出力部12−1におけるその他デバイス3(接続なし)のタイミングチャート上には、図7のボックス96−1に入力された時間が、「出力コンセント停止までの時間 秒」という表示109で示されるとともに、この時間に対応する長さの矢印125が示される。
このような図8の出力コンセント情報画像からもわかるように、例えば、情報処理装置(スレーブ)2−2が、シャットダウン処理を完了した時点(即ち、図8の矢印124の先端に対応する時点)では、情報処理装置(マスタ)2−1は、シャットダウン処理をまだ実行している最中である。従って、情報処理装置(スレーブ)2−2がシャットダウン処理を完了した時点で、UPS4の出力部12−1の出力状態を停止状態に遷移されてしまうと、情報処理装置(マスタ)2−1においては、電力の供給が突然遮断されてしまうことになり、その時点で処理されていた情報が破損したり損失してしまう他、情報処理装置(マスタ)2−1自身(例えば、ハードディスク等で構成される図3の記憶部58)が故障してしまう、といった課題が発生する。
従って、このような課題を解決するためには、UPS4の出力部12−1の出力停止タイミングを、情報処理装置(マスタ)2−1が、シャットダウン処理を完了した時点(即ち、図8の矢印122の先端に対応する時点)とするか、それ以降とする必要がある。
即ち、UPS4の出力部12−1の出力停止タイミングは、「情報処理装置(マスタ)2−1がシャットダウン処理を開始すると判断した時点から、出力部12−1に接続された情報処理装置(マスタ)2―1と情報処理装置(スレーブ)2−2のそれぞれの準備時間のうちの、最長の準備時間(図8中、一番右側に先端が配置される矢印122の長さと、矢印121の長さとが加算された長さに対応する、情報処理装置(マスタ)2―1の準備時間)が少なくとも経過した時点」とされる必要がある。
そこで、本実施の形態においては、図4のUPS制御部83は、「情報処理装置(マスタ)2−1がシャットダウン処理を開始すると判断した時点から、情報処理装置(マスタ)2―1の準備時間が経過した時点」が、UPS4の出力部12−1の停止タイミングであると決定する。
同様に、UPS4の出力部12−2の出力停止タイミングは、「情報処理装置(マスタ)2−1がシャットダウン処理を開始すると判断した時点から、出力部12−2に接続された情報処理装置(スレーブ)2―3とデバイス3−1のそれぞれの準備時間のうちの、最長の準備時間(図8の例では、いずれの準備時間も同一とされている)が少なくとも経過した時点」とされる必要がある。
そこで、本実施の形態においては、UPS制御部83は、「情報処理装置(マスタ)2−1がシャットダウン処理を開始すると判断した時点から、情報処理装置(スレーブ)2―3の準備時間(図8中、情報処理装置(スレーブ)2―3の遅延時間を示す矢印126の長さと、情報処理装置(スレーブ)2―3のシャットダウン処理時間を示す矢印127の長さとが加算された長さに対応する時間)が経過した時点」、または、「情報処理装置(マスタ)2−1がシャットダウン処理を開始すると判断した時点から、デバイス3−1の準備時間(図8中、矢印128の長さに対応する時間)が経過した時点」が、UPS4の出力部12−2の停止タイミングであると決定する。
また、UPS4の出力部12−3にはデバイス3−2のみが接続されているので、このような場合、本実施の形態においては、UPS制御部83は、「情報処理装置(マスタ)2−1がシャットダウン処理を開始すると判断した時点から、デバイス3−2の準備時間(図8中、矢印129の長さに対応する時間)が経過した時点」が、UPS4の出力部12−3の停止タイミングであると決定する。
このように、UPS制御部83は、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの停止タイミングを、その負荷の準備時間のうちの最長の準備時間に基づいて決定するのである。
さらに、UPS制御部83は、UPS4の全負荷の準備時間のうちの最長の準備時間に基づいて、上述したUPSの停止処理の実行タイミングも決定する。例えば、本実施の形態においては、図8に示されるように、UPS4の全負荷の準備時間のうちの最長の準備時間は、情報処理装置(マスタ)2―1の準備時間(図8中、一番右側に先端が配置される矢印122の長さと、矢印121の長さとが加算された長さに対応する時間)とされている。
そこで、本実施の形態においては、UPS制御部83は、「情報処理装置(マスタ)2−1がシャットダウン処理を開始すると判断した時点から、情報処理装置(マスタ)2―1の準備時間が経過した時点」が、UPS4のUPS停止処理の実行タイミングであると決定する。
即ち、UPS4のUPS停止処理の実行タイミングは、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3の停止タイミングのうちの最も遅いタイミング(図8の例では、UPS4の出力部12−1の停止タイミング)と一致する。
以上のようにして、UPS制御部83は、UPS監視部82よりUPS4の入力電源(図1の商用交流電源5)に異常が発生していると監視されると、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの停止タイミングと、UPS停止処理の実行タイミングとを決定する。
その後、UPS制御部83は、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの停止タイミングと、UPS停止処理の実行タイミングとを少なくとも含む制御情報(以下、このような制御情報を、停止指令と称する)を生成する。そして、UPS制御部83は、シャットダウン制御部84からシャットダウン処理の実行開始が通知されると(後述するように、この通知は、UPS監視部82よりUPS4の入力電源に異常が発生していると監視された時点から、上述した待機時間が経過した時点に行われる)、先に生成した停止指令を、UPS通信部60からUPS4に送信させる制御を実行する。
UPS4は、この停止指令を受け取ると、出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの電力の出力の状態を、その停止指令に含まれている停止タイミング(UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3の停止タイミングのうちの最も遅いタイミング)で停止状態に順次遷移させ(個別にそれぞれ遷移させ)、最終的に、その停止指令に含まれているUPS停止処理の実行タイミング(本実施の形態においては、出力部12−1の停止タイミングと同一のタイミング)で、UPS停止処理を実行する。
このように、UPS4は、情報処理装置(マスタ)2−1に制御されることで(それから送信される停止指令等の制御情報を受信することで)、その入力電源に異常が発生した場合、出力部12−n(ただし、本実施の形態においては、nは、1乃至3のうちのいずれかの値)の状態を、「その出力部12−nに接続された複数の負荷の全てが電源遮断に対する準備を完了した時点」といった適切なタイミングで、停止状態(電力の出力を停止する状態)に遷移させることができる。即ち、UPS4は、出力部12−nの状態を、他の出力部12−m(本実施の形態においては、mは、1乃至3のうちの、nを除く2つの値のそれぞれ)の出力状態とは独立して遷移させることができる。
また、UPS4は、情報処理装置(マスタ)2−1に制御されることで(それから送信される停止指令等の制御情報を受信することで)、その入力電源に異常が発生した場合、UPS4に接続されている全ての負荷が電源遮断に対する準備を完了した時点といった適切なタイミングで、UPS停止処理を実行することもできる。即ち、入力電源に異常が発生しているUPS4においては、内蔵するバッテリ(後述する図9のバッテリ216等)の不要な放電を抑制することができ、その結果、そのバッテリの劣化(寿命の短縮)等を回避することが可能になる。
なお、上述した例では、UPS制御部83は、UPS監視部82によりUPS4の入力電源に異常が発生したと監視された時点で、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの停止タイミングと、UPS停止処理の実行タイミングとを決定していたが、これらの決定のタイミングは、上述したタイミングに限定されない。
即ち、上述したように、本実施の形態では、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの停止タイミングと、UPS停止処理の実行タイミングのそれぞれは、UPS4の各負荷(本実施の形態では、図1に示されるように、情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3、並びに、デバイス3−1、および、デバイス3−2)のそれぞれの準備時間から決定される。そこで、例えば、設定部81が、これらの準備時間を設定し、設定情報記憶部85に記憶させた時点で、UPS制御部83は、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの停止タイミングと、UPS停止処理の実行タイミングとを決定してもよい。この場合、UPS制御部83は、決定した、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの停止タイミングと、UPS停止処理の実行タイミングとを、設定情報記憶部85に記憶させることで、設定部81は、図8に示されるように、出力コンセント情報画像に、さらに、これらのタイミングの表示131乃至表示133も含ませる(ディスプレイ41に表示させる)ことが可能になる。
或いは、設定部81が、UPS4の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの停止タイミングと、UPS停止処理の実行タイミングとを決定してもよい。
次に、図4のシャットダウン制御部84に着目すると、シャットダウン制御部84は、UPS監視部82によりUPS4の入力電源に異常が発生していると監視されると、上述したように、その時点から待機時間(図5のボックス92−1に入力された時間)が経過するのを待ち、待機時間が経過しても、UPS4の入力電源に異常が発生し続けている場合、シャットダウン処理を実行すると判断する。
即ち、待機時間が経過するまでに、UPS監視部82が、UPS4の入力電源が正常である(異常が復帰した)と監視した場合、シャットダウン処理の実行は不要であるので、シャットダウン制御部84は、シャットダウン処理を実行しないと判断し、そのことをUPS制御部83に通知する。UPS制御部83は、この通知を受けると、その処理の実行を停止する(即ち、上述した停止指令を、UPS4へ送信させることを禁止する)。
これに対して、待機時間が経過した後に、UPS監視部82が、UPS4の入力電源が異常であるとまだ監視している場合(UPS4が「入力電源異常」を送信し続けている場合)、シャットダウン制御部84は、シャットダウン処理を実行すると判断し、その時点で、そのことをUPS制御部83に通知するとともに、シャットダウン指令を、通信部59からネットワーク1を介して情報処理装置(スレーブ)2−2と情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれに送信させる制御を実行する。
このとき、情報処理装置(スレーブ)2−2に送信されるシャットダウン指令には、情報処理装置(スレーブ)2−2の遅延時間(図6のボックス93−2に入力された時間)が含まれている。同様に、このとき、情報処理装置(スレーブ)2−3に送信されるシャットダウン指令には、情報処理装置(スレーブ)2−3の遅延時間(図6のボックス93−2に対応する、図示せぬボックスに入力された時間)が含まれている。
従って、情報処理装置(スレーブ)2−2と情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれは、シャットダウン指令を受け取ると、その時点から、対応するシャットダウン指令に含まれている遅延時間が経過した時点で、自分自身のシャットダウン処理を開始する。
詳細には、上述したように、情報処理装置(スレーブ)2−2と情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれは、情報処理装置(マスタ)2−1と基本的に同様の構成(図3の構成)を有していることから、本実施の形態においては、情報処理装置(マスタ)2−1と基本的に同様の機能(図4に示される機能)を有するとする。ただし、情報処理装置(スレーブ)2−2と情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれは、図4に示される機能のうちの、シャットダウン制御部84の機能(さらに、その機能のうちの、自分自身のシャットダウン処理を実行する機能)のみを実行する。
即ち、情報処理装置(スレーブ)2−2と情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれのシャットダウン制御部84は、シャットダウン処理として、情報処理装置(スレーブ)2−2または情報処理装置(スレーブ)2−3自身がこれまで実行していた処理を停止させ、予め定められた手順に従って、情報処理装置(スレーブ)2−2または情報処理装置(スレーブ)2−3自身の状態を、稼動状態から、UPS4からの電力の供給が遮断されても可能な状態に遷移させる処理を実行する。
具体的には、例えば、情報処理装置(スレーブ)2−2と情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれは、図3に示されるようにコンピュータとして構成されているので、所定のOS上で動作するアプリケーションソフトウエアを実行していることが多い。この場合、情報処理装置(スレーブ)2−2と情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれのシャットダウン制御部84は、シャットダウン処理として、そのアプリケーションを立ち下げ、かつ、必要なデータを適宜保存した上で、そのOSを立ち下げる処理を実行する。
また、シャットダウン制御部84は、シャットダウン処理を実行すると判断した時点から、情報処理装置(マスタ)2−1自身の遅延時間(図5のボックス93−1に入力された時間)が経過した時点で、情報処理装置(マスタ)2−1自身のシャットダウン処理を開始する。即ち、情報処理装置(マスタ)2−1のシャットダウン制御部84も、上述した情報処理装置(スレーブ)2−2や情報処理装置(スレーブ)2−3のシャットダウン制御部84と同様に、自分自身のシャットダウン処理を実行する。
このように、UPS4の入力電源に異常が発生した場合でも、シャットダウン制御部84は、そのUPS4からの電力が遮断されてしまう前に、UPS4に接続された全ての情報処理装置2(本実施の形態においては、情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3)のそれぞれのシャットダウン処理を確実に完了させることができるので、情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3のそれぞれが処理していた情報や、情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3自身を確実に保護することが可能になる。
以上、図1の情報処理システムのうちの、UPS4の負荷として、そのUPS4に接続される情報処理装置2の構成例について説明した。
次に、図9と図10を参照して、図1の情報処理システムのうちの、UPS4の構成例について説明する。即ち、図9は、UPS4の内部の構成例を表しており、図10は、UPS4の裏面の外観の構成例を表している。
図9に示されるように、UPS4には、電力供給部201、制御部202、監視部203、および、通信部204、並びに、上述した出力部12−1乃至出力部12−3、および、それらの出力の状態を切り替えるスイッチ205−1乃至スイッチ205−3が設けられている。
電力供給部201において、その入力には商用交流電源5が接続され、その出力にはスイッチ205−1乃至スイッチ205−3のそれぞれを介して、出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれが接続されている。
即ち、入力電源である商用交流電源5の状態が正常状態の場合であって、スイッチ205−1乃至スイッチ205−3のそれぞれの状態がオン状態のときには、電力供給部201は、商用交流電源5からの電力を、出力部12−1を介して情報処理装置(マスタ)2−1および情報処理装置(スレーブ)2−2に、出力部12−2を介して情報処理装置(スレーブ)2−3およびデバイス3−1に、出力部12−3を介してデバイス3−2に、それぞれ供給する。
これに対して、商用交流電源5に異常が発生した場合であって、スイッチ205−1乃至スイッチ205−3のそれぞれの状態がオン状態のときには、電力供給部201は、内蔵するバッテリ216からの電力を、出力部12−1を介して情報処理装置(マスタ)2−1および情報処理装置(スレーブ)2−2に、出力部12−2を介して情報処理装置(スレーブ)2−3およびデバイス3−1に、出力部12−3を介してデバイス3−2に、それぞれ供給する。
なお、電力供給部201の電力供給方式(即ち、その構成)は、図9の例では、説明の簡略上、いわゆる常時商用給電方式とされているが、図9の例に限定されず、いわゆるラインインタラクティブ方式や、いわゆる常時インバータ方式といった様々な方式を適用することが可能である。また、UPS4の負荷(本実施の形態では、情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3、並びに、デバイス3−1およびデバイス3−2)に正弦波により近い波形の電圧を印加できるよう、図示はしないが、フィルタ部等の、他の構成要素が設けられることもある。
図9の電力供給部201において、検出素子211は、例えば、検出抵抗等で構成され、入力電源である商用交流電源5の状態(電圧のレベル等)を検出し、その検出結果を監視部203に供給する。
スイッチ212は、制御部202の制御に基づいて、その状態が切り替えられる。即ち、制御部202は、例えば、入力電源である商用交流電源5の状態が正常状態の場合、UPS4の状態を稼動状態(電力を出力する状態)に遷移させるとき、スイッチ212の状態をオン状態に切り替える。これに対して、例えば、制御部202は、UPS4の状態を停止状態(電力の出力を禁止する状態)に遷移させる場合、スイッチ212の状態をオフ状態にする。
ライン213は、商用交流電源5からの電力を伝播するラインである。即ち、後述するように、商用交流電源5の状態が正常状態の場合(即ち、通常の場合)、制御部202の制御によりスイッチ214の入力がこのライン213側に切り替えられ、商用交流電源5からの電力が、このライン213、スイッチ214を介して、電力供給部201から出力される。
なお、以下、ライン213を、後述するライン219と区別するために、通常ライン213と称する。
さらに、この商用交流電源5からの電力は、スイッチ205−1乃至スイッチ205−3の状態がいずれもオン状態の場合、これらのスイッチ205−1乃至スイッチ205−3のいずれか、および、出力部12−1乃至出力部12−3のいずれかを介して、各負荷(情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3、並びに、デバイス3−1およびデバイス3−2)のそれぞれに供給される。
コンバータ215は、商用交流電源5から印加された交流電圧を、所定のレベルの直流電圧に変換して、バッテリ216に印加する。即ち、バッテリ216に注目すると、コンバータ215は、バッテリ216の充電器であり、バッテリ216に充電電流を供給する。
バッテリ216は、商用交流電源5に異常が発生した場合、各負荷(情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3、並びに、デバイス3−1およびデバイス3−2)のそれぞれに電力を供給する予備電源(バックアップ電源)である。即ち、制御部202は、商用交流電源5に異常が発生した場合、スイッチ217の状態をオン状態にするとともに、スイッチ214の入力をライン219側(バッテリ216側)にする。すると、バッテリ216は放電し、所定のレベルの直流電圧をインバータ218に印加する。
スイッチ217は、制御部202の制御に基づいて、その状態が切り替えられる。即ち、制御部202は、UPS4の状態が稼動状態であって、かつ、商用交流電源5に異常が発生した場合、スイッチ217の状態をオン状態に切替え、それ以外の場合、スイッチ217の状態をオフ状態にする。
インバータ218は、バッテリ216により印加された直流電圧を、商用交流電源5と同一の周波数(関東以北は50Hz、関西以西は60Hz)、かつほぼ同一のレベルの交流電圧に変換し、ライン219、および、スイッチ214を介して、電力供給部201の外部に出力する。
ライン219は、バッテリ216からの電力を伝播するラインである。なお、以下、ライン219を、上述した通常ライン213と区別するために、バックアップライン219と称する。
スイッチ214は、上述したように、制御部202の制御に基づいて、その入力が切り替えられる。即ち、制御部202は、UPS4の状態が稼動状態であって、かつ、商用交流電源5に異常が発生した場合、スイッチ214の入力をバックアップライン219側に切替え、それ以外の場合、スイッチ214の入力を通常ライン213側にする。
制御部202は、情報処理装置(マスタ)2−1から送信され、通信部204に受信された情報(例えば、上述した停止指令)、または、監視部203の監視の結果に基づいて、上述したように、スイッチ212やスイッチ217の状態を制御したり、スイッチ214の入力の状態を制御する他、後述するスイッチ205−1乃至スイッチ205−3のそれぞれの状態も制御する。
具体的には、例えば、制御部202は、商用交流電源5の状態が正常な状態で、UPS4の状態を稼動状態に遷移させる場合、スイッチ212をオン状態にするとともに、スイッチ214の入力を通常ライン213側にする。また、制御部202は、スイッチ205−1乃至スイッチ205−3のそれぞれの状態をオン状態にする。これにより、上述したように、商用交流電源5からの電力が、電力供給部201、スイッチ205−1乃至スイッチ205−3のいずれか、および、出力部12−1乃至出力部12−3のいずれかを介して、各負荷(情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3、並びに、デバイス3−1、およびデバイス3−2)のそれぞれに供給される。なお、このとき、制御部203はまた、スイッチ217の状態をオフ状態にしてもよい。
また、例えば、監視部203により、商用交流電源5に異常が発生したと監視された場合、即ち、監視部203により生成された、上述した「入力電源異常」が通信部204に供給されるとともに、制御部202にも供給された場合、制御部202は、スイッチ217の状態をオン状態にするとともに、スイッチ214の入力をバックアップライン219側にする。これにより、上述したように、バッテリ216からの電力(バックアップ電力)が、スイッチ205−1乃至スイッチ205−3のいずれか、および、出力部12−1乃至出力部12−3のいずれかを介して、各負荷(情報処理装置2−1乃至情報処理装置2−3、並びに、デバイス3−1、およびデバイス3−2)のそれぞれに供給される。なお、このとき、制御部202はまた、スイッチ212の状態をオフ状態にしてもよい。
この状態で、さらに、通信部204が、情報処理装置(マスタ)2−1から送信された停止指令を受信し、制御部202に供給してきた場合、制御部202は、その停止指令に含まれる「出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの停止タイミング」に基づいて、出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれに対応する、スイッチ205−1乃至スイッチ205−3のそれぞれの状態を個別にオフ状態にしていく。
そして、制御部202は、その停止指令に含まれる「UPS停止処理の実行タイミング」に基づいてUPS停止処理を実行する。即ち、制御部202は、スイッチ212とスイッチ217のいずれの状態もオフ状態にする。これにより、電力供給部201からの給電が停止する(UPS4は、電力の出力を禁止する)。
監視部203は、電力供給部201等のUPS4自身の状態を監視するとともに、検出素子211の検出結果に基づいて商用交流電源(入力電源)5の状態を監視し、その監視の結果を制御部202と通信部204のそれぞれに供給する。例えば、監視部203は、UPS4自身または商用交流電源5に何かしらの異常が発生していると監視した場合、その異常の内容を示す情報(例えば、商用交流電源5の異常の場合、上述した「入力電源異常」)を生成し、制御部202と通信部204のそれぞれに供給する。
通信部204は、情報処理装置(マスタ)2−1と通信線21を介して通信を行う。即ち、通信部204は、監視部203から供給された監視結果を、通信線21を介して情報処理装置(マスタ)2−1に送信する。また、通信部204は、情報処理装置(マスタ)2−1から通信線21を介して送信されてきた情報(例えば、上述した停止指令)を受信し、制御部202に供給する。なお、いまの場合、通信部204がこのとき行う通信の通信方式は、上述したように、シリアル通信方式とされている。
スイッチ205−1乃至スイッチ205−3のそれぞれは、上述したように、制御部202の制御に基づいて、その入力が切り替えられる。
出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれは、図10に示されるように、1以上の所定の個数(図10の例では、それぞれ2個)の出力コンセント231から構成される。
なお、出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの出力コンセント231の個数は、図10の例に限定されず、任意の個数でよい。即ち、出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの出力コンセント231の個数は、特に同一の個数である必要はない。
図10のUPS4の裏面において、これらの出力コンセント231(出力部12−1乃至出力部12−3)の左方には、右から順に(出力コンセント231に近い方から順に)、入力電源(図9の商用交流電源5)に対するプラグ232、ファン233(図9には図示せず)、および、情報処理装置(マスタ)2−1とシリアル通信を行うための通信ポート234(図9の通信部204の少なくとも一部)が、それぞれ設けられている。
なお、本実施の形態においては、1台の情報処理装置(マスタ)2−1のみが、UPS4と通信を行うため、通信ポート234の個数は、基本的には、図10に示されるように1個で十分であるが、勿論複数個でもよい。また、本実施の形態においては、UPS4と情報処理装置(マスタ)2−1との通信方式は、シリアル通信とされているため、図10の例では、通信ポート234は、シリアル通信方式に準拠したポートが適用されているが、UPS4と情報処理装置(マスタ)2−1との通信方式が、異なる通信方式の場合、通信ポート234は、その通信方式に準拠したポートが適用されることになる。
図11と図12は、図1(図3)の情報処理装置(マスタ)2−1が、UPS4の状態を監視し、その監視の結果に応じてシャットダウン処理を制御するとともに、UPS4の各出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの出力状態を制御し、かつ、UPS停止処理を制御する処理(即ち、図4の機能ブロック図に対応する処理であり、以下、シャットダウンおよびUPS制御の処理と称する)の例を説明するフローチャートである。
情報処理装置(マスタ)2−1におけるシャットダウンおよびUPS制御の処理は、次の第1の条件乃至第4の条件が揃ったとき開始される。
即ち、第1の条件は、UPS4の状態が稼動状態に遷移することである。
第2の条件は、情報処理装置(マスタ)2−1、他の情報処理装置(スレーブ)2−2、および、他の情報処理装置(スレーブ)2−3、並びに、デバイス3−1、および、デバイス3−2のそれぞれの電源スイッチ(図示せず)の状態がオン状態になることである。
第3の条件は、情報処理装置(マスタ)2−1、情報処理装置(スレーブ)2−2、および、情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれのOSが起動し、かつ、情報処理装置(マスタ)2−1、情報処理装置(スレーブ)2−2、および、情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれの、図4の設定部81、UPS監視部82、UPS制御部83、および、シャットダウン制御部84に対応するアプリケーションソフトウエアが起動すること、即ち、情報処理装置(マスタ)2−1においては、設定部81、UPS監視部82、UPS制御部83、および、シャットダウン制御部84のそれぞれの状態が、対応する機能を実行することが可能な状態に遷移し、情報処理装置(スレーブ)2−2、および、情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれにおいては、シャットダウン制御部84の状態がその機能を実行することが可能な状態に遷移することである。
情報処理装置(マスタ)2−1におけるシャットダウンおよびUPS制御の処理が開始されると、はじめに、ステップS1において、情報処理装置(マスタ)2−1は、管理している他の情報処理装置(スレーブ)2−2、および、他の情報処理装置(スレーブ)2−3、並びに、他のデバイス3−1および他のデバイス3−2を、ネットワーク1(図1)を介して認識する。
ステップS2において、UPS通信部60は、情報処理装置(マスタ)2−1に接続されたUPS4との通信を開始する。
ステップS3において、設定部81は、設定情報が設定情報記憶部85に記憶されているか否かを判定する。
設定情報が設定情報記憶部85に記憶されていない場合(ステップS3において、設定情報が設定情報記憶部85に記憶されていないと判定した場合)、設定部81は、上述したように、出力部57(ディスプレイ41)に、図5乃至図7に示されるような画像を表示させ、ステップS4において、入力部56より入力された設定情報(ユーザが、これらの画像を見ながら入力部56を操作して、入力してきた設定情報)を、設定情報記憶部85に記憶させ、処理をステップS5に進める。
これに対して、設定情報が設定情報記憶部85に既に記憶されている場合(ステップS3において、設定情報が設定情報記憶部85に記憶されていると判定された場合)、ステップS4の処理は実行されずに、処理はステップS5に進められる。
ステップS5において、UPS制御部83は、上述したように、設定情報記憶部85に記憶されている設定情報(正確には、それらに基づいて設定部81により設定された、UPS4の各負荷の準備時間)に基づいて、UPS4の各出力部毎(本実施の形態では、図1の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれ)の停止タイミング、および、UPS4のUPS停止処理の実行タイミングを決定する。
ステップS6において、UPS制御部83は、ステップS5の処理で決定した、UPS4の各出力部毎の停止タイミング、および、UPS4のUPS停止処理の実行タイミンを含む停止指令を生成する。
また、ステップS7において、シャットダウン制御部84は、設定情報で指定されたタイミング(上述した「遅延時間」が経過したタイミング)で、シャットダウン処理を実行させるシャットダウン指令を、管理している他の情報処理装置(スレーブ)2−2と他の情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれに対して生成する。
なお、ステップS3乃至S7までの処理の実行タイミングは、上述したように、特に限定されず、例えば、上述した例(図4の説明をしたときの例)では、後述する図12のステップS10が実行された後のタイミングとされていた。或いは、ステップS3乃至S7までの処理を、シャットダウンおよびUPS制御の処理の内部処理とは捉えずに、シャットダウンおよびUPS制御の処理とは独立した他の処理(設定の処理)として捉えることも可能である。
図12のステップS8に着目して、ステップS8において、UPS監視部82は、UPS4の状態を監視する。詳細には、上述したように、UPS4は、自分自身の状態または入力電源(商用交流電源5)の状態を示す情報を送信してくるので、UPS監視部82は、その情報をUPS通信部60を介して取得し、取得したその情報に基づいてUPS4の状態を監視する。
ステップS9において、UPS監視部82は、ステップS8の処理の監視結果に基づいて、UPS4に異常が発生したか否かを判定する。
UPS監視部82は、UPS4の状態が正常状態であると監視した場合(即ち、ステップS9の処理でUPS4に異常が発生していないと判定した場合)、処理をステップS8に戻し、それ以降の処理を繰り返す。即ち、UPS監視部82は、UPS4の状態を常時監視している。
これに対して、ステップS9において、UPS4に異常が発生したと判定した場合、UPS監視部82は、ステップS10において、その異常は、「入力電源異常」であるか否かを判定する。
例えば、その異常が、UPS自身の異常(例えば、図9のバッテリ216の異常等)であった場合(即ち、ステップS10において、その異常は、「入力電源異常」ではないと判定した場合)、UPS監視部82は、ステップS11において、所定のエラー出力を行う。具体的には、例えば、UPS監視部82は、異常の内容を示す画像を、ディスプレイ41(出力部57)に表示させる。さらに、例えば、出力部57として、スピーカ(図示せず)が含まれている場合、UPS監視部82は、異常の内容を示す音声を、そのスピーカから出力させる。その後、処理はステップS8に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
これに対して、例えば、その異常が、「入力電源異常」であった場合(即ち、ステップS10において、その異常は、「入力電源異常」であると判定された場合)、シャットダウン制御部84は、ステップS12において、待機時間(設定情報記憶部85に記憶されている設定情報のうちの1つ)が経過したか否かを判定する。
ステップS12において、待機時間が経過していないと判定した場合、シャットダウン制御部84は、ステップS13において、「入力電源異常」は続いているか否かを判定する。
例えば、UPS4の入力電源の状態が復帰した場合、UPS4は「入力電源異常」の送信を停止するので、このような場合、シャットダウン処理の実行は不要となり、ステップS13において、「入力電源異常」は続いていないと判定され、処理はステップS8に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
これに対して、UPS4の入力電源の異常が継続している場合、UPS4は「入力電源異常」を送信し続けるので、このような場合、ステップS13において、「入力電源異常」は続いていると判定され、処理はステップS12に戻され、待機時間が経過したか否かが再度判定される。
即ち、シャットダウン制御部84は、待機時間が経過するまでに、UPS4の入力電源の状態が復帰した場合、シャットダウン処理の実行を禁止し、処理をステップS8に戻し、それ以外の場合(待機時間が経過しても、UPS4の入力電源の異常が継続している場合)、ステップS12において、待機時間が経過したと判定する。この時点で、シャットダウン制御部84は、シャットダウン処理を実行すると判断し、そのことをUPS制御部83に通知する。
UPS制御部83は、この通知を受けると、ステップS6の処理で生成した(上述したように、現時点で生成してもよい)、UPS4の各出力部毎(本実施の形態では、図1の出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれ)の停止タイミング、および、UPS4のUPS停止処理の実行タイミングを含む停止指令を、UPS通信部60からUPS4に送信させる制御を実行する。即ち、ステップS14において、UPS通信部60は、UPS4に対して停止指令を送信する。
すると、UPS4は、その停止指令を受信してから、その停止指令に含まれる、出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの停止タイミングで、出力部12−1乃至出力部12−3のそれぞれの出力状態を個別に停止状態にさせる(図9のスイッチ205−1乃至スイッチ205−3のそれぞれの状態を個別にオフ状態にさせる)。そして、UPS4は、その停止指令を受信してから、その停止指令に含まれる、UPS4のUPS停止処理の実行タイミング(いまの場合、出力部12−1の停止タイミングと同一のタイミング)で、UPS停止処理(電力を出力している稼動状態から、電力の出力を禁止する停止状態に遷移させる処理)を実行する。
また、シャットダウン制御部84は、管理している他の情報処理装置(スレーブ)2−2と他の情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれに対して、対応するシャットダウン指令を、通信部59からネットワーク1を介して送信させる制御を実行する。即ち、ステップS15において、通信部59は、管理している他の情報処理装置(スレーブ)2−2と他の情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれに対して、対応するシャットダウン指令を、ネットワーク1を介して送信する。
すると、他の情報処理装置(スレーブ)2−2と他の情報処理装置(スレーブ)2−3のそれぞれは、対応するシャットダウン指令を受信してから、そのシャットダウン指令に含まれる遅延時間が経過した後、シャットダウン処理を開始する。
なお、他の情報処理装置(スレーブ)2−2のシャットダウン処理は、UPS4の出力部12−1の状態が停止状態になる前に完了し、他の情報処理装置(スレーブ)2−3のシャットダウン処理は、UPS4の出力部12−2の状態が停止状態になる前に完了する。
さらに、シャットダウン制御部84は、ステップS16において、シャットダウン処理を実行する。なお、このステップS16の開始タイミングは、上述したように、ステップS12において、待機時間が経過したと判定された時点から、情報処理装置(マスタ)2−1の遅延時間が経過したタイミングとされる。また、情報処理装置(マスタ)2−1のシャットダウン処理も、UPS4の出力部12−1の状態が停止状態になる前に完了する。
ところで、上述した一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
具体的には、例えば、図4に示される、設定部81、UPS監視部82、UPS制御部83、および、シャットダウン制御部84のそれぞれをモジュールとするアプリケーションソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
このようなプログラムを含む記録媒体は、例えば、図3に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブル記録媒体(パッケージメディア)71により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM52や、記憶部58に含まれるハードディスクなどで構成される。
ただし、図4に示される、設定部81、UPS監視部82、UPS制御部83、および、シャットダウン制御部84のそれぞれは、上述したように、その機能を果たすものであれば、その形態は特に限定されない。
即ち、例えば、図4に示される、設定部81、UPS監視部82、UPS制御部83、および、シャットダウン制御部84のそれぞれは、ハードウエアで構成されてもよい。その場合、製造者等は、例えば、図4に示される、設定部81、UPS監視部82、UPS制御部83、および、シャットダウン制御部84に対応するハードウエアをそれぞれ製作し、これらを図4に示されるようにそれぞれ接続することで、容易に、図3とは異なる構成の情報処理装置の実現が可能になる。
また、例えば、図4に示される、設定部81、UPS監視部82、UPS制御部83、および、シャットダウン制御部84のそれぞれが、ソフトウエアで構成されている場合でも、その構成は、図4の例には限定されず、例えば、設定部81、UPS監視部82、UPS制御部83、および、シャットダウン制御部84のうちの一部分若しくは全部が組み合わされたモジュールからなるモジュール構成、または、設定部81、UPS監視部82、UPS制御部83、および、シャットダウン制御部84のうちのいずれかの機能が分割されたモジュールからなるモジュール構成とされてもよい。或いは、単に1つのアルゴリズムを有するプログラムでもよい。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置や処理部により構成される装置全体を表すものである。