JP3711279B2 - 自動弾丸供給機構付玩具銃 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願の特許請求の範囲に記載された発明は、バレル部に設けられた装弾室に対し、ガス圧により発射されることになる弾丸を、ガス圧を利用して供給する自動弾丸供給機構を備えた玩具銃に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊戯銃(エアソフトガン)と称される玩具銃にあっては、通常、外観上の色,形状に加えて、見かけ上の動作も実物と同様なものとなるように作成される。斯かる玩具銃のうち、トリガーの操作に応じてバレルに取り付けられたスライダが移動するようになされた銃を模したものにおいて、バレルの後端部分に設けられた装弾室に装填された弾丸の発射をガス圧により行うことに加えて、装弾室に対する弾丸の供給もガス圧を利用して行うようにされたものが知られている。
【0003】
このようなスライダを備えた玩具銃として、ガス圧を貯留する蓄圧室(蓄圧部),蓄圧室から伸びるガス通路,ガス通路を開閉制御する開閉弁,弾倉部(弾丸収容部)等がグリップ部内に配され、開閉弁がガス通路を開状態にするとき、蓄圧部からガス通路を通じて供給されるガス圧により、装弾室(装弾部)に装填された弾丸の発射とスライダの後退とが行われ、後退したスライダの前進により装弾室に対する弾倉部からの弾丸の供給が行われるようにされたものが、従来提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0004】
斯かる従来提案されている玩具銃、例えば、特許文献1に記載された玩具銃(ブローバック式ガスガン)にあっては、上述のグリップ部内に配された蓄圧室,ガス通路,開閉弁,弾倉部等に加えて、バレル(銃身)に対して往復動可能に配されたスライダ内に、スライダに固定されたピストン,ピストンが挿入されるシリンダと装弾室に向かうノズルとを形成し、スライダに対して移動可能とされた可動部材,可動部材内において移動するノズル弁等が配され、さらに、トリガー(引き金)とトリガーの操作に連動して回動するハンマー(打撃部材)とが設けられる。可動部材内に配されたノズル弁は、可動部材内の装弾室に向かうガス流路(発射用ガス流路)を開にする状態と閉にする状態とを選択的にとる。
【0005】
そして、特許文献1に記載された玩具銃においては、ノズル弁が可動部材内の装弾室に向かうガス流路を開にする状態にあるもとでトリガーが引かれると、ハンマーが、前方に回動して、グリップ部内に配された開閉弁に蓄圧室から伸びるガス通路を開にする状態をとらせ、それにより、蓄圧室内のガス圧が蓄圧室から伸びるガス通路を通じて可動部材内に供給され、さらに、可動部材内の装弾室に向かうガス流路を通じて装弾室に供給されて、装弾室に装填された弾丸がガス圧により発射される。続いて、弾丸の発射により生じるガス流により、ノズル弁が可動部材内の装弾室に向かうガス流路を閉にする状態とされ、可動部材内に供給されたガス圧がシリンダ内のピストンを後方に押圧して、ピストンを後退させる。このとき、ピストンはスライダを伴って後退し、スライダの後退はそれに遅れた可動部材の後退も生じさせ、弾倉部の上方に弾丸が弾倉から外部に取り出され得るスペースが形成される。なお、スライダの後退は、ハンマーを後方に回転させて、グリップ部内に配された開閉弁を蓄圧部から伸びるガス通路を閉にする状態をとらせる。
【0006】
その後、最後方位置まで後退したスライダが、可動部材を伴っての前進に転じ、前進する可動部材が、弾倉部から弾丸を取り出してそれを装弾室に装填し、スライダは後退前の位置に戻る。このようにして、蓄圧室からのガス圧が利用されて、装弾室に装填された弾丸の発射と装弾室に弾丸を供給するためのスライダの後退とが行われる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−168593号公報
【特許文献2】
登録実用新案第3049900号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如くの、従来提案された、装弾室が設けられたバレルに沿う移動を行い得るスライダを備え、ガス圧を貯留する蓄圧室,蓄圧室から伸びるガス通路,ガス通路を開閉制御する開閉弁,弾倉等がグリップ部内に配されて、開閉弁がガス通路を開状態にするとき、蓄圧部からガス通路を通じて供給されるガス圧により、装弾室に装填された弾丸の発射とスライダの後退とが行われ、後退したスライダの前進により装弾室に対する弾倉からの弾丸の供給が行われるようにされた玩具銃にあっては、蓄圧室から伸びるガス通路がグリップ部内に配された開閉弁によって開閉制御される構成がとられている。それにより、グリップ部における開閉弁が設けられる部分の構造が複雑化されており、また、グリップ部内における開閉弁の設置に要される容積が、グリップ部内に設けられる蓄圧室の容積を十分大なるものとすることを困難にしているという不都合がまねかれている。
【0009】
さらに、グリップ部内に設けられた開閉弁は、グリップ部外に設けられて回動するハンマー部によって、蓄圧室から伸びるガス通路を開にする状態をとるものとされるが、そのためには、ハンマー部の回動を開閉弁に伝達する中間部材が設けられることが必要とされ、グリップ部の構造がますます複雑化されるとともに、構成部品点数の増大がまねかれている。
【0010】
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、装弾室が設けられたバレル部に沿う移動を行い得るスライダ部を備え、グリップ部内にガス圧を貯留する蓄圧室が配され、蓄圧室から供給されるガス圧が利用されて、装弾室に装填された弾丸の発射と装弾室に弾丸を供給するためのスライダ部の後退とが行われ、しかも、グリップ部の構造が比較的簡単であって構成部品点数が低減されるとともに、グリップ部内に設けられる蓄圧室の容積を十分大とすることができるものとされる自動弾丸供給機構付玩具銃を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項15までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃は、弾丸が配される弾倉部と、グリップ部内に配されてガス圧を貯留する蓄圧室と、バレル部の後端部分に設けられて弾倉部の一端の近傍に位置する装弾室と、受圧部が設けられてバレル部に沿う移動が可能とされたスライダ部と、受圧部の前方に位置して蓄圧室に連通する圧力室を形成する圧力室形成部と、圧力室から装弾室に向かって伸びる第1のガス通路を形成する第1のガス通路形成部と、圧力室から受圧部に向かう第2のガス通路を形成する第2のガス通路形成部と、装弾室と圧力室形成部との間において第1のガス通路形成部に移動可能に嵌合し、第1のガス通路に連なって装弾室に至る第3のガス通路を形成する状態をとる可動部材と、第1及び第2のガス通路の夫々を圧力室から遮断する状態から所定の期間第1及び第2のガス通路の夫々を圧力室に連通させる状態に移行して、蓄圧室を通じて圧力室に供給されたガス圧を、第1及び第3のガス通路を通じて装弾室に供給するとともに第2のガス通路を通じて受圧部に作用させ、受圧部に作用するガス圧によるスライダ部の後退及びスライダ部の後退に伴う可動部材の後退を生じさせて、弾倉部から装弾室への弾丸の供給を準備する動作を行うバルブ形成部と、を備えて構成される。
【0012】
上述の如くに構成される本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項15までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃にあっては、バルブ形成部が、第1及び第2のガス通路の夫々を圧力室から遮断する状態から所定の期間第1及び第2のガス通路の夫々を圧力室に連通させる状態に移行して、蓄圧室を通じて圧力室に供給されたガス圧を、第1及び第3のガス通路を通じて装弾室に供給するとともに第2のガス通路を通じて受圧部に作用させる。斯かる際におけるバルブ形成部の第1及び第2のガス通路の夫々を圧力室から遮断する状態から所定の期間圧力室に連通させる状態への移行は、例えば、請求項2に記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃のように、ハンマー部により殴打される可動ピン部材が備えられたもとで、その可動ピン部材によってなされる。
【0013】
そして、装弾室に供給されたガス圧によって装弾室に装填された弾丸が発射され、さらに、第2のガス通路を通じて受圧部に作用するガス圧によるスライダ部の後退及びそれに伴う可動部材の後退が生じ、弾倉部から装弾室への弾丸の供給が準備される。即ち、圧力室からのガス圧が利用されて、装弾室に装填された弾丸の発射と弾倉部から装弾室への弾丸の供給を行うためのスライダ部の後退とが行われるのである。
【0014】
このようにして、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項15までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃にあっては、グリップ部内にガス圧を貯留する蓄圧室が配され、圧力室形成部に蓄圧室に連通する圧力室が形成されるもとで、蓄圧室に通じた圧力室からガス通路を通じて供給されるガス圧が利用されて、装弾室からの弾丸の発射と装弾室に弾丸を供給するためのスライダの後退とが行われるのである。そして、グリップ部には、蓄圧室は配されるが、それから伸びるガス通路を開閉する開閉弁として機能するものは設けられない。それゆえ、グリップ部の構造が比較的簡単とされて構成部品点数が低減されるとともに、グリップ部内に設けられる蓄圧室の容積を十分大とすることができることになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図2は、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項7までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃の一例を示す。図2に示される例においては、トリガー部1,インナーバレル2a及びアウターバレル2bを有したバレル部2,バレル部2の後端部分に設けられた装弾室3,ハンマー部4、及び、グリップ部6を有したフレーム8と、グリップ部6内に着脱可能に収容された弾倉部9とが備えられるとともに、バレル部2に沿って移動可能に設けられたスライダ部10が配されている。装弾室3は、ゴム材等の弾性摩擦材で成る環状部材5によって形成されており、環状部材5はバレル部2の後端部分に係合している。グリップ部6内には、例えば、液化ガスが注入されてガス圧を貯留する蓄圧室12が配されている。
【0016】
さらに、フレーム8には可動バー13が配されており、トリガー部1は、可動バー13におけるグリップ部6から突出した前方側部分に設けられた軸14に係合するとともに、トグルスプリング15が巻装された軸16を介してフレーム8により支持されている。トリガー部1は、引かれる操作が行われるとき、軸16を支軸とし、トグルスプリング15の付勢力に抗して、図2において実線により示される如くの、フレーム8に設けられた当接部8aから離隔した基準位置から、図2において一点鎖線により示される如くの、フレーム8に設けられた当接部8aに当接する発射完了位置まで回動する。可動バー13は、トリガー部1の動作に応じて前後動する。可動バー13の後方側となる位置には、グリップ部6に軸18を介して取り付けられた回動レバー20が配されている。
【0017】
スライダ部10は、フレーム8に設けられたバレル部2に嵌合しており、その前方部分を成す第1の部分10aと、第1の部分10aと一体的に形成されてバレル部2の後方側に位置せしめられ、その後方部分を成す第2の部分10bとを有している。そして、スライダ部10は、少なくともトリガー部1が基準位置にあるもとでは、第1の部分10aがその前端部をフレーム8の前端部に近接させる位置におかれるとともに、第2の部分10bがグリップ部6の上方となる位置におかれることになる、図2に示される如くの基準位置をとる。スライダ部10における第1の部分10aは、フレーム8におけるトリガー部1の前方側に配されてバレル部2に沿って伸びるガイド部材21にも嵌合しており、スライダ部10は、全体がバレル部2に沿っての移動が可能なものとされている。ガイド部材21には、コイルスプリング22が嵌装されており、コイルスプリング22は、ガイド部材21を介してスライダ部10の第1の部分10aに係合し、スライダ部10の全体をフレーム8の前方側に向けて付勢している。
【0018】
なお、バレル部2におけるアウターバレル2bは、図示が省略されているが、スライダ部10に連結されており、スライダ部10のバレル部2に沿う移動に伴って所定の距離だけ移動するものとされている。
【0019】
スライダ部10における第2の部分10bには、図1に明瞭に示される如くに、有底筒状部25が設けられている。このスライダ部10における有底筒状部25の底部は、受圧部26を形成している。また、有底筒状部25の底部には、その底部を貫通してバレル部2に沿う方向に伸び、ハンマー部4により選択的に殴打される可動ピン部材27が移動可能に配されている。
【0020】
有底筒状部25の底部を貫通する可動ピン部材27は、有底筒状部25内に位置する前方側部分27a及びフランジ部27bを有している。さらに、可動ピン部材27は、有底筒状部25の底部から外部に突出して係止部27cを形成する後端部を有している。そして、可動ピン部材27の前方側部分27aは、その前端部からフランジ部27bに向けて徐々に断面径が大となる形状とされている。
【0021】
ハンマー部4は、基端部分4aと基端部分4aから伸びる殴打部分4bとを有し、基端部分4aに配された軸28を介してフレーム8における後方側部分に回動可能に取り付けられている。ハンマー部4における基端部分4aは、回動レバー20が選択的に係合せしめられるものとされており、回動レバー20は、軸18に巻装されたトグルスプリング29により、ハンマー部4の基端部分4aに近接する方向に付勢されている。斯かるハンマー部4は、グリップ部6に対する弾倉部9の装着が行われる初期状態においては、基端部分4aに係合する回動レバー20による位置固定がなされている。また、ハンマー部4には、グリップ部6の下方側部分内に配されたコイルスプリング33にキャップ34を介して係合する一端部を有したハンマーストラット35の他端が、ピンを介して取り付けられており、ハンマー部4は、コイルスプリング33により、殴打部分4bを可動ピン部材27に近接させる方向に付勢されている。
【0022】
さらに、図1に明瞭に示される如く、フレーム8におけるグリップ部6の上方となる部分には、内部に受圧部26の前方に位置して蓄圧室12に連通した圧力室40を形成する圧力室形成部41が、蓄圧室12を形成する蓄圧室形成部42と一体的に形成されたものとして設けられている。そして、圧力室形成部41の内部から外部に突出するものとして、ガス圧制御部材45が配されている。ガス圧制御部材45は、圧力室40内に配されたバルブ形成部50と、圧力室40から装弾室3に向かって伸びるガス通路51を形成するガス通路形成部52と、圧力室40から受圧部26に向かうガス通路55を形成するガス通路形成部57との夫々を部分として、一体形成されたものとされている。即ち、図3のA,B及びCに示される如くに、バルブ形成部50,ガス通路51を形成するガス通路形成部52及びガス通路55を形成するガス通路形成部57の夫々が、一体形成されたガス圧制御部材45の部分とされているのである。
【0023】
ガス通路形成部57が形成するガス通路55は、可動ピン部材27の前方側部分27aの形状に対応した形状を有するものとされていて、ガス通路形成部57と可動ピン部材27とは、可動ピン部材27の前方側部分27aがガス通路55にその後方端から挿入されるものとされての相互係合状態を選択的にとる。そして、ガス通路形成部52が形成するガス通路51の圧力室40に連なる部分及びガス通路形成部57が形成するガス通路55の圧力室40に連なる部分は、共通の部分とされていて、連結通路56を形成している。連結通路56は、複数の連通孔67を介して外部と通じており、それにより、連通孔67を通じて圧力室40に連通する状態を選択的にとる。
【0024】
圧力室形成部41における前方側部分41a及び後方側部分41bの夫々には透孔が設けられている。前方側部分41aに設けられた透孔は、環状部材44及び環状シール部材47が設けられていて、それらをガス通路形成部52が貫通するものとされており、また、後方側部分41bに設けられた透孔には、環状シール部材48が設けられていて、それをガス通路形成部57が貫通するものとされている。環状部材44及び環状シール部材47を貫通するガス通路形成部52は、その外周面を環状シール部材47に密接係合させている。
【0025】
ガス圧制御部材45は、圧力室40内における環状部材44とバルブ形成部50との間の位置に配されたコイルスプリング64によって、全体が、スライダ部10における有底筒状部25の底部、即ち、受圧部26に向かう方向に付勢されている。それにより、ガス圧制御部材45は、コイルスプリング64の付勢力に従ってバルブ形成部50を環状シール部材48の傾斜面に当接させる後方位置と、コイルスプリング64の付勢力に抗してバルブ形成部50を環状シール部材48から離隔させる前方位置とを選択的にとるものとされている。
【0026】
圧力室形成部41は、図2に示される如くに、スライダ部10が基準位置をとるとき、そのスライダ部10の有底筒状部25に係合して、圧力室40をスライダ部10における第2の部分10b内に位置させるものとされる。圧力室40には、蓄圧室12から、蓄圧室12に注入された液化ガスが気化して得られるガス圧が導入される。
【0027】
装弾室3と圧力室形成部41との間には、圧力室40から装弾室3に向かって伸びるガス通路51を形成するガス通路形成部52に移動可能に嵌合した可動部材46が配されている。可動部材46の後端部には、スライダ部10の第2の部分10bに相互間距離をおいて設けられた前方側当接部11a及び後方側当接部11bの夫々に選択的に当接する突出部46aが設けられている。また、可動部材46の内部には、ガス通路形成部52が形成するガス通路51に連なるガス通路68が形成されている。斯かる可動部材46は、スライダ部10が基準位置をとるもとでは、突出部46aがスライダ部10における後方側当接部11bと相互当接状態にされ、それにより、前端部を装弾室3を形成する環状部材5の後端部に係合させる前方位置を維持するものとされる。
【0028】
弾倉部9は、グリップ部6の下方端部に設けられた開口からグリップ部6内に挿入され、その底部9aがグリップ部6の下方端部に当接係合せしめられて、弾倉部9のグリップ部6内における位置決めが行われる。弾倉部9内には、装填された複数の弾丸BBを最上端部9b側に付勢するコイルスプリング69が配されている。
【0029】
グリップ部6内に弾倉部9が位置決めされた際には、図1及び図2に示される如く、弾倉部9の最上端部9bが装弾室3の近傍に配される。そして、弾倉部9の最上端部9bが、基準位置をとるスライダ部10によって前方位置を維持するものとされている可動部材46により閉塞される。それにより、弾倉部9に装填された複数の弾丸BBがコイルスプリング69の付勢力に抗する方向に押圧される。また、基準位置をとるスライダ部10にあっては、それに配された可動ピン部材27が、その前方側部分27aがガス圧制御部材45におけるガス通路形成部57により形成されるガス通路55にその後方端から挿入されて、ガス圧制御部材45との相互係合状態におかれる。そして、可動ピン部材27は、コイルスプリング64の付勢力により後方位置をとるガス圧制御部材45により後方に押圧されて、そのフランジ部27bを有底筒状部25の底部に係合させて係止部27cを有底筒状部25から離隔させた第1の位置を維持するものとされる。
【0030】
可動ピン部材27に第1の位置を維持させる後方位置をとるガス圧制御部材45にあっては、複数の連通孔67が、環状シール部材48の傾斜面に当接するバルブ形成部50により圧力室40に通じない状態とされ、それにより、連絡通路56が圧力室40から遮断される。
【0031】
上述の如くに構成された本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項7までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃の一例においては、弾倉部9がグリップ部6内に位置決めされたもとにおいて、基準位置をとるスライダ部10が、手動操作により一旦後退せしめられた後その手動操作から解放され、コイルスプリング22の付勢力によって再び基準位置に戻される、初期動作が行われる。
【0032】
斯かる際において、スライダ部10は、その後退に伴って、前端部を環状部材5に係合させる前方位置をとって弾倉部9の最上端部9bを閉塞する可動部材46に対して、それに設けられた突出部46aに後方側当接部11bを当接させる状態から前方側当接部11aを当接させる状態に移行し、それにより可動部材46を後退させる。このようにスライダ部10の後退に伴って後退する可動部材46は、図4に示される如くに、ガス圧制御部材45におけるガス通路形成部52が形成するガス通路51に連なるガス通路68を短縮させつつ、弾倉部9の最上端部9bを開状態として圧力室形成部41に当接することになる後方位置に向かうものとされる。それにより、コイルスプリング69の付勢力によって弾倉部9に装填された弾丸BBのうち最上方位置にあるものが最上端部9b内に押し上げられ、最上端部9bにおいて保持される。
【0033】
そして、スライダ部10が、その後退に続く前進に伴って、後方位置に到達した可動部材46に対し、それに設けられた突出部46aに前方側当接部11aを当接させる状態から後方側当接部11bを当接させる状態に移行し、それにより、可動部材46を前進させる。前進する可動部材46は、ガス通路51に連なるガス通路68を伸長させつつ、その前端部を弾倉部9の最上端部9b内に挿入させて、そこに保持された弾丸BBをフレーム8に設けられたテーパー部8b(図4)に沿って装弾室3へと搬送し、弾倉部9の最上端部9bを閉塞して前端部を環状部材5に係合させることになる前方位置に到達する。その結果、図5に示される如くに、環状部材5により形成される装弾室3内に弾丸BBが供給される。装弾室3内に供給された弾丸BBは、環状部材5と環状部材5に係合する可動部材46の前端部とによって、装弾室3内に適正に位置固定される。
【0034】
また、スライダ部10が手動操作により後退せしめられる際には、基端部分4aに係合する回動レバー20によって位置固定されているハンマー部4が、先ず、可動ピン部材27により押圧され、続いて、スライダ部10の有底筒状部25によって押圧される。それにより、ハンマー部4は、図1及び図2に示される如くの、殴打部分4bを第1の位置におかれた可動ピン部材27の係止部27cから若干離隔させた位置から、図4に示される如くに、回動レバー20をトグルスプリング29の付勢力に抗する方向に押圧しつつ、コイルスプリング33の付勢力に抗する方向に回動する。そして、スライダ部10が手動操作から解放されて前進する際には、ハンマー部4は、その基端部分4aに係合する回動レバー20によって、図5に示される如くの、殴打部分4bを第1の位置におかれた可動ピン部材27の係止部27cから比較的大とされる所定の距離だけ離隔した基準回動位置に維持される。さらに、このとき、トリガー部1は、スライダ部10の後退及びその後の基準位置に戻る前進に伴って、図2に示される基準位置から、図4に示される如くの、発射完了位置に近接した位置まで移動した後、図5に示される如くの、基準位置と発射完了位置との間となる発射準備位置に戻される。
【0035】
このように、スライダ部10が手動操作により一旦後退せしめられた後再び基準位置に戻された状態のもとで、トリガー部1が引かれ、それによりトリガー部1が図5に示される如くの発射準備位置から発射完了位置に向けて回動すると、それに伴って可動バー13が前進する。前進する可動バー13は、図6に示される如く、その後方側部分に設けられた係止部13aにより、回動レバー20をトグルスプリング29の付勢力に抗する方向に回動させて、ハンマー部4における基端部分4aと回動レバー20との相互係合を解除させる。
【0036】
可動バー13の前進により回動レバー20との相互係合状態から解放されたハンマー部4は、図5に示される如くの基準回動位置から、コイルスプリング33の付勢力に従う方向に回動し、トリガー部1が発射完了位置におかれる時期と略同時期において、図6に示される如く、可動ピン部材27を殴打する状態をもって有底筒状部25の底部に殴打部分4bを当接させる位置におかれる。
【0037】
ハンマー部4により殴打された可動ピン部材27は、フランジ部27bを有底筒状部25の底部に係合させる第1の位置から、図7において明瞭に示される如くの、後端部とされる係止部27cを有底筒状部25の底部に係合させる第2の位置へと移動する。それにより、ガス通路形成部57を可動ピン部材27に係合させたガス圧制御部材45が、圧力室40内に配されたバルブ形成部50を環状シール部材48の傾斜面に当接させる後方位置から、コイルスプリング64の付勢力に抗する方向に移動し、図6及び図7に示される如く、バルブ形成部50を環状シール部材48から離隔させる前方位置をとる。即ち、ガス圧制御部材45は、ハンマー部4により殴打された可動ピン部材27を通じて伝達されるハンマー部4の押圧力により、後方位置から前方位置へと移動するものとされ、その前方位置を慣性により所定の期間維持する。
【0038】
斯かるガス圧制御部材45の後方位置から前方位置への移動に伴うバルブ形成部50の移動によって、圧力室40から遮断された状態にあった連結通路56が、連通孔67を通じて圧力室40に連通する状態とされる。それにより、圧力室40から遮断された状態にあったガス通路51が、連結通路56を通じて圧力室40に連通する状態とされ、蓄圧室12を通じて圧力室40に供給されたガス圧が、ガス通路51及びそれに連なるガス通路68を通じて急速に装弾室3に供給される状態が得られる。また、それとともに、圧力室40から遮断された状態にあったガス通路55が、連結通路56を通じて圧力室40に連通する状態とされ、蓄圧室12を通じて圧力室40に供給されたガス圧が、ガス通路55に急速に流入する。即ち、ガス圧制御部材45におけるバルブ形成部50は、トリガー部1を引く操作に連動して、ガス通路51及びガス通路55の夫々を圧力室40から遮断する状態から、ガス通路51及びガス通路55の夫々を連結通路56を通じて圧力室40に連通させる状態に移行するのであり、それにより、グリップ部6に配された蓄圧室12を通じて圧力室40に供給されたガス圧を、ガス通路51及び68を通じて装弾室3に供給するともに、ガス通路55に流入させることになる。
【0039】
このようにして、蓄圧室12を通じて圧力室40に供給されたガス圧がガス通路51及び68を通じて装弾室3に供給されることにより、図5〜7に示される如くに装弾室3に装填された弾丸BBが、蓄圧室12からのガス圧によって発射され、装弾室3から環状部材5の前方側、即ち、インナーバレル2a内へと移動せしめられる。インナーバレル2a内へと移動した弾丸BBは、図8に示される如くに、その後方側となるインナーバレル2a内における空間を急速に拡大しつつインナーバレル2aの前端部に向かって進んでいき、図9に示される如くに、インナーバレル2aの前端部さらにはアウターバレル部2bの前端部からバレル部2の外部に射出される。
【0040】
一方、ガス通路55に流入するガス圧は、前方側部分27aをガス通路55にその後方端から挿入させてガス圧制御部45におけるガス通路形成部57に係合した可動ピン部材27を、後方に押圧する。斯かる際、有底筒状部25の底部に係止部27cを係合させて第2の位置をとる可動ピン部材27は、その係止部27cにハンマー部4の殴打部分4bが当接した状態にあり、ガス通路55に流入したガス圧により押圧されることにより、係止部27cによってハンマー部4をコイルスプリング33の付勢力に抗する方向に回動させつつ後退し、ガス圧制御部材45におけるガス通路形成部57からその後方側に離隔する。それにより、ガス通路55に流入するガス圧は、ガス通路55を通じて、スライダ部10の有底筒状部25内に流入し、有底筒状部25の底部、即ち、受圧部26に作用してそれを後方に押圧し、スライダ部10が、図8に示される如くに、コイルスプリング22の付勢力に抗して基準位置から後退する。このようにして後退するスライダ部10の有底筒状部25は、可動ピン部材27と共にあるいは可動ピン部材27に代わって、ハンマー部4をコイルスプリング33の付勢力に抗して回動させる。
【0041】
このようなスライダ部10の基準位置からの後退に際しては、圧力室形成部41の後端部とその圧力室形成部41に係合するスライダ部10の有底筒状部25との間に、スライダ部10の後退に伴って容積が拡大される可変容積圧力室70が形成される。その結果、有底筒状部25の底部が形成する受圧部26と可動ピン部材27における前方側部分27a及びフランジ部27bとには、ガス通路55を通じて可変容積圧力室70に供給される圧力室40からのガス圧が作用せしめられる。
【0042】
受圧部26及び可動ピン部材27に作用するガス圧によって可変容積圧力室70を拡大させつつ後退するスライダ部10により回動せしめられるハンマー部4は、可動ピン部材27に対する位置規制を急速に弱めていく。それに伴い、可動ピン部材27が、それに作用するガス圧により有底筒状部25の底部に係止部27cを係合させる状態から、図9に示される如く、有底筒状部25の底部にフランジ部27bを係合させる状態に移行する。さらに、図示が省略されているが、後退するスライダ部10における第2の部分10bの下端側部分により、可動バー13がその後方側部分が下降するものとなる方向に回動せしめられる。それにより、可動バー13の後方側部分に設けられた係止部13aと回動レバー20との相互係合が解除され、回動レバー20がトグルスプリング29の付勢力に従う方向に回動して、ハンマー部4の基端部分4aに当接する。
【0043】
斯かる際、ガス圧制御部材45は、装弾室3に装填された弾丸BBが発射された後、スライダ部10の後退中に、ガス圧制御部材45に前方位置を維持させていた慣性力を失って、図9に示される如くに、コイルスプリング64の付勢力を受けて後方位置へと移動し、再びバルブ形成部50を環状シール部材48の傾斜面に当接させる。それにより、環状シール部材48の傾斜面に当接したバルブ形成部50によって、連結通路56が圧力室40から遮断され、それに伴って、ガス通路51及びガス通路55の夫々が圧力室40から遮断されて、圧力室40から連結通路56を通じたガス通路51及びガス通路55の夫々へのガス圧の供給が停止される。即ち、ガス圧制御部材45は、装弾室3に装填された弾丸BBが発射された後、自動的に、ガス通路51及びガス通路55の夫々を連結通路56を通じて圧力室40に連通させる状態から、ガス通路51及びガス通路55の夫々を圧力室40から遮断する状態に戻るのである。
【0044】
圧力室40から連結通路56を通じたガス通路55へのガス圧の供給が停止された後においても、スライダ部10は、その慣性と、ガス通路55及び可変容積圧力室70内に残存するガス圧とによって後退を継続する。そして、後退を継続するスライダ部10が所定の位置に到達すると、圧力室形成部41との相互係合状態におかれていた有底筒状部25が圧力室形成部41から離脱し、それにより圧力室形成部41と有底筒状部25との間に、図10に示される如くの、ガス通路55内及び可変容積圧力室70内のガス圧を大気に放出させる空隙71が形成される。このようにして可変容積圧力室70の密封が解除された後においても、スライダ部10は、その慣性によりさらに後退を継続し、ハンマー4をコイルスプリング33の付勢力に抗して回動させる。
【0045】
そして、スライダ部10は、その慣性による後退により最後方位置をとる直前に、前方側当接部11aを可動部材46の突出部46aに当接させる状態をとる。それにより、前端部を環状部材5に挿入させた前方位置をとる可動部材46が、ガス通路68を短縮させつつ、スライダ部10の後退に伴って後退し、スライダ部10が、図11に示される如くの最後方位置をとるとき、圧力室形成部41に当接する後方位置をとって、弾倉部9の最上端部9bを開状態となす。最上端部9bが開状態にされた弾倉部9にあっては、それに充填された弾丸BBのうち最上方位置にあるものが最上端部9bに押し上げられて保持される。
【0046】
スライダ部10は最後退位置におかれると、直ちにコイルスプリング22の付勢力により基準位置に向けて前進する状態におかれる。このようにスライダ部10が後退から前進に転じた際、ハンマー部4が、その基端部分4aに回動レバー20が係合することにより位置固定される。また、前進に転じたスライダ部10は、前方側当接部11aを可動部材46の突出部46aに当接させた状態から、後方側当接部11bを可動部材46の突出部46aに当接させる状態に移行する。それにより、後方位置をとる可動部材46が、ガス通路68を伸長させつつスライダ部10の前進に伴って前進し、その前端部を弾倉部9の最上端部9b内に挿入させ、そこに保持された弾丸BBを、フレーム8に設けられたテーパー部8bに沿って装弾室3へと搬送する。それにより、スライダ部10が基準位置をとるものとされたとき、図5に示される如くに、前方位置をとるものとされた可動部材46により、弾倉部9の最上端部9bが閉塞されるとともに装弾室3に弾丸BBが確実に供給される。
【0047】
このようにして装弾室3に弾丸BBを供給する動作は、ガス圧制御部材45におけるバルブ形成部50が、ガス通路51を連結通路56を通じて圧力室に40に連通させるとともに、ガス通路55も連結通路56を通じて圧力室に40に連通させることに端を発している。従って、ガス通路51を連結通路56を通じて圧力室に40に連通させるとともに、ガス通路55を連結通路56を通じて圧力室に40に連通させるバルブ形成部50は、蓄圧室12を通じて圧力室40に供給されたガス圧をガス通路55を通じて受圧部26及び可動ピン部材27に作用させ、スライダ部10の後退及びそれに伴う可動部材46の後退を生じさせて、弾倉部9から装弾室3への弾丸BBの供給を準備する動作を行うことになる。
【0048】
スライダ部10が再度基準位置をとるものとされたとき、圧力室形成部41とスライダ部10の有底筒状部25とが相互係合状態におかれて、圧力室40がスライダ部10における第2の部分10b内に位置せしめられ、それにより、第1の位置をとる可動ピン部材27の前方側部分27aに、後方位置をとるガス圧制御部材45におけるガス通路形成部57が係合して、可動ピン部材27にその第1の位置を維持させる。また、基端部分4aに係合する回動レバー20によって位置固定されたハンマー部4は、殴打部分4bが第1の位置をとる可動ピン部材27の係止部27cから比較的大とされる所定の距離だけ離隔した基準回動位置を維持するものとされる。斯かるもとで、図5に示される如くに、トリガー部1が発射完了位置から発射準備位置に戻されると、可動バー13が、トリガー部1が引かれる前の位置に状態復帰せしめられる。そして、トリガー部1が再び引かれることにより、上述の如くにして、ハンマー部4が回動せしめられ、そのハンマー部4の回動に応じて装弾室3に装填された弾丸BBが発射されて、その弾丸BBの発射に続いてスライダ部10の往復動が行われ、それに伴う可動部材46の往復動により装弾室3に対する弾丸BBの供給が行われる。
【0049】
上述のように、図2に示される例にあっては、ガス圧制御部材45が圧力室形成部41と共にグリップ部6の上方に配されるとともに、可動部材46が圧力室形成部41の前方に配され、それにより、グリップ部6に配された蓄圧室12からのガス圧の制御に関わるバルブ形成部50及びガス通路51,55及び68が、スライダ部10が基準位置をとるときそのスライダ部10におけるバレル部2の後方となる部分内に位置して、バルブ形成部部50及びガス通路51,55及び68のいずれもがグリップ部6に配されたものとはされない。従って、グリップ部6の構造が比較的簡単とされて構成部品点数が低減されるとともに、グリップ部6内に設けられる蓄圧室12の容積を、バルブ形成部,ガス通路等によるに規制を受けることなく、十分大とすることができることになる。
【0050】
図12及び図13は、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項5まで及び請求項8から請求項10までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃の一例を示す。図12及び図13に示される例においては、図1及び図2に示される例における圧力室形成部41とは異なる圧力室形成部41’、及び、図1及び図2に示される例におけるガス圧制御部材45とは異なるガス圧制御部材80が備えられているが、その他の構成は、図1及び図2に示される例の場合と略同様とされている。それゆえ、図12及び図13に示される各部及び各部材であって図1及び図2に示される例における各部及び各部材に対応するものには、図1及び図2に示される例における各部及び各部材と共通の符号が付されており、それらについての重複説明は省略される。
【0051】
図12及び図13に示される例において、グリップ部6に配された蓄圧室12を形成する蓄圧室形成部42と一体的に構成されて、内部に圧力室40を形成する圧力室形成部41’には、圧力室40から装弾室3に向かって伸びるガス通路81を形成するガス通路形成部82が設けられている。
【0052】
そして、装弾室3と圧力室形成部41’との間には、ガス通路81を形成するガス通路形成部82に移動可能に嵌合した可動部材46が配されている。可動部材46の内部には、ガス通路形成部82が形成するガス通路81に連なって装弾室3に向かうガス通路68が形成されている。
【0053】
圧力室形成部41’の内部には、図13に明瞭に示される如くに、ガス圧制御部材80が圧力室形成部41’に対して移動可能に配されている。このガス圧制御部材80は、圧力室40内に配された後方バルブ形成部84と、圧力室40から受圧部26に向かうガス通路85を形成するガス通路形成部86と、後方バルブ形成部84からガス通路81内へと伸びる前方バルブ形成部87との夫々を部分として一体形成されたものとなっており、ガス通路形成部86が形成するガス通路85は、複数の連通孔83を形成する部分を通じて圧力室40に連通する状態をとるようにされている。即ち、図14のA,B及びCに示される如くに、後方バルブ形成部84,ガス通路85を形成するガス通路形成部86及び後方バルブ形成部84から伸びる前方バルブ形成部87の夫々が、一体形成されたガス圧制御部材80の部分とされているのである。
【0054】
ガス通路形成部86が形成するガス通路85は、スライダ部10の有底筒状部25に設けられた可動ピン部材27の前方側部分27aの形状に対応した形状を有するものとされている。そして、スライダ部10が図12及び図13に示されるように基準位置をとるとき、ガス通路形成部86と可動ピン部材27とは、可動ピン部材27の前方側部分27aがガス通路85にその後方端から挿入されるものとされての相互係合状態をとる。
【0055】
圧力室形成部41’における前方側部分41a’及び後方側部分41b’の夫々には透孔が設けられている。前方側部分41a’に設けられた透孔は、環状部材44及び環状シール部材47が設けられていて、それをガス圧制御部材80の前方バルブ形成部87が貫通するものとされており、また、後方側部分41b’に設けられた透孔には、環状シール部材48が設けられていて、それをガス圧制御部材80のガス通路形成部86が貫通するものとされている。
【0056】
ガス圧制御部材80は、圧力室40内における環状部材44と後方バルブ形成部84との間の位置に配されたコイルスプリング88によって、全体が、スライダ部10における有底筒状部25の底部、即ち、受圧部26に向かう方向に付勢されている。それにより、ガス圧制御部材80は、コイルスプリング88の付勢力に従って後方バルブ形成部84を環状シール部材48の傾斜面に当接させる後方位置と、コイルスプリング88の付勢力に抗して後方バルブ形成部84を環状シール部材48から離隔させる前方位置とを選択的にとるものとされている。
【0057】
ガス圧制御部材80が、コイルスプリング88の付勢力に従って後方バルブ形成部84を環状シール部材48の傾斜面に当接させる後方位置をとるとき、後方バルブ形成部84は、複数の連通孔83を圧力室40から遮断し、それにより、ガス通路85を圧力室40から遮断する。また、ガス圧制御部材80が後方位置をとるときには、それにおける前方バルブ形成部87が環状シール部材47に密接係合し、ガス通路形成部82が形成するガス通路81を圧力室40から遮断する。
【0058】
上述のような圧力室形成部41’及びガス圧制御部材80を備えた図12及び図13に示される例においても、グリップ部6内に弾倉部9が位置決めされた際には、弾倉部9の最上端部9bが装弾室3の近傍に配される。そして、弾倉部9の最上端部9bが、基準位置をとるスライダ部10によって前方位置を維持するものとされている可動部材46により閉塞される。それにより、弾倉部9内に装填された複数の弾丸BBがコイルスプリング69の付勢力に抗する方向に押圧される。また、基準位置をとるスライダ部10にあっては、その有底筒状部25に配された可動ピン部材27が、コイルスプリング88の付勢力に従った後方位置をとるガス圧制御部材80との相互係合状態をとるものとされる。
【0059】
ガス圧制御部材80が、コイルスプリング88の付勢力に従って後方位置をとり、可動ピン部材27との相互係合状態にあるもとにおいて、圧力室形成部41’内においては、ガス圧制御部材80における前方バルブ形成部87が環状シール部材47に密接係合し、それによって、ガス通路形成部82が形成するガス通路81を圧力室40から遮断するとともに、ガス圧制御部材80における後方バルブ形成部84が環状シール部材48の傾斜面に当接し、それにより、複数の連通孔83を圧力室40から遮断して、ガス通路形成部86が形成するガス通路85を圧力室40から遮断する。
【0060】
このような本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項5まで及び請求項8から請求項10までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃の一例においても、弾倉部9がグリップ部6内に位置決めさたもとにおいて、基準位置をとるスライダ部10が手動操作により一旦後退せしめられた後その手動操作から解放され、コイルスプリング22の付勢力によって再び基準位置に戻される、初期動作が行われる。
【0061】
斯かる際において、スライダ部10は、その後退に伴って、前端部を装弾室3を形成する環状部材5に係合させる前方位置をとって弾倉部9の最上端部9bを閉塞する可動部材46に対して、それに設けられた突出部46aに後方側当接部11bを当接させる状態から前方側当接部11aを当接させる状態に移行し、それにより可動部材46を後退させる。このようにスライダ部10の後退に伴って後退する可動部材46は、図15に示される如くに、ガス圧制御部材80に設けられたガス通路形成部82が形成するガス通路81に連なるガス通路68を短縮させつつ、弾倉部9の最上端部9bを開状態として圧力室形成部41’に当接することになる後方位置に向かうものとされる。それにより、コイルスプリング69の付勢力によって弾倉部9に装填された弾丸BBのうち最上方位置にあるものが最上端部9b内に押し上げられ、最上端部9bにおいて保持される。
【0062】
そして、スライダ部10が、その後退に続く前進に伴って、後方位置に到達した可動部材46に対し、それに設けられた突出部46aに前方側当接部11aを当接させる状態から後方側当接部11bを当接させる状態に移行し、それにより、可動部材46を前進させる。前進する可動部材46は、ガス通路81に連なるガス通路68を伸長させつつ、その前端部を弾倉部9の最上端部9b内に挿入させて、そこに保持された弾丸BBをフレーム8に設けられたテーパー部8b(図15)に沿って装弾室3へと搬送し、弾倉部9の最上端部9bを閉塞して前端部を環状部材5に係合させることになる前方位置に到達する。その結果、図16に示される如くに、環状部材5により形成される装弾室3内に弾丸BBが供給される。装弾室3内に供給された弾丸BBは、環状部材5と環状部材5に係合する可動部材46の前端部とによって、装弾室3内に適正に位置固定される。
【0063】
また、スライダ部10が手動操作により後退せしめられる際には、基端部分4aに係合する回動レバー20によって位置固定されているハンマー部4が、先ず、可動ピン部材27により押圧され、続いて、スライダ部10の有底筒状部25によって押圧される。それにより、ハンマー部4は、図12及び図13に示される如くの、殴打部分4bを可動ピン部材27の係止部27cから若干離隔させた位置から、図15に示される如くに、回動レバー20をトグルスプリング29の付勢力に抗する方向に押圧しつつ、コイルスプリング33の付勢力に抗する方向に回動する。そして、スライダ部10が手動操作から解放されて前進する際には、ハンマー部4は、その基端部分4aに係合する回動レバー20によって、図16に示される如くの、殴打部分4bを可動ピン部材27の係止部27cから比較的大とされる所定の距離だけ離隔した基準回動位置に維持される。さらに、このとき、トリガー部1は、スライダ部10の後退及びその後の基準位置に戻る前進に伴って、図12に示される基準位置から、図16に示される如くの発射準備位置へと移動する。
【0064】
このように、スライダ部10が手動操作により一旦後退せしめられた後再び基準位置に戻された状態のもとで、トリガー部1が引かれ、それによりトリガー部1が図16に示される如くの発射準備位置から発射完了位置に向けて回動すると、それに伴って可動バー13が前進する。前進する可動バー13は、図17に示される如く、その後方側部分に設けられた係止部13aにより、回動レバー20をトグルスプリング29の付勢力に抗する方向に回動させて、ハンマー部4における基端部分4aと回動レバー20との相互係合を解除させる。
【0065】
可動バー13の前進により回動レバー20との相互係合状態から解放されたハンマー部4は、図16に示される如くの基準回動位置から、コイルスプリング33の付勢力に従う方向に回動し、トリガー部1が発射完了位置におかれる時期と略同時期において、図17に示される如く、可動ピン部材27を殴打する状態をもって有底筒状部25の底部に殴打部分4bを当接させる位置におかれる。
【0066】
ハンマー部4により殴打された可動ピン部材27は、フランジ部27bを有底筒状部25の底部に係合させる状態から、図18において明瞭に示される如くの、後端部とされる係止部27cを有底筒状部25の底部に係合させる状態へと移行する。それにより、ガス通路形成部86を可動ピン部材27に係合させたガス圧制御部材80が、圧力室40内に配された後方バルブ形成部84を環状シール部材48の傾斜面に当接させる後方位置から、コイルスプリング88の付勢力に抗する方向に移動し、図17及び図18に示される如くに、後方バルブ形成部84を環状シール部材48から離隔させる前方位置をとる。即ち、ガス圧制御部材80は、ハンマー部4により殴打された可動ピン部材27を通じて伝達されるハンマー部4の押圧力により、後方位置から前方位置へと移動するものとされ、その前方位置を慣性により所定の期間維持する。
【0067】
斯かるガス圧制御部材80の後方位置から前方位置への移動に伴う後方バルブ形成部84の移動によって、圧力室40から遮断された状態にあった複数の連通孔83が圧力室40に連通する状態とされる。それにより、圧力室40から遮断された状態にあったガス通路85が、複数の連通孔83を通じて圧力室40に連通する状態とされ、蓄圧室12を通じて圧力室40に供給されたガス圧が、ガス通路85に急速に流入する状態が得られる。
【0068】
また、それとともに、ガス圧制御部材80の後方位置から前方位置への移動により、ガス圧制御部材80における前方バルブ形成部87が、前方、即ち、装弾室3に向かう方向に移動し、環状シール部材47に密接係合した状態から環状シール部材47との密接係合を解除する状態に移行する。その結果、圧力室40から遮断された状態にあったガス通路81が、圧力室40に連通する状態とされる。
【0069】
このようにして、圧力室40から遮断された状態にあったガス通路81が、圧力室40に連通する状態とされることにより、蓄圧室12を通じて圧力室40に供給されたガス圧が、ガス通路81及びそれに連なるガス通路68を通じて急速に装弾室3に供給される状態が得られる。即ち、ガス圧制御部材80における前方バルブ形成部87は、トリガー部1を引く操作に連動して、ガス通路81を圧力室40から遮断する状態から、ガス通路81を圧力室40に連通させる状態に移行するのであり、それにより、グリップ部6に配された蓄圧室12を通じて圧力室40に供給されたガス圧をガス通路81及び68を通じて装弾室3に供給することになる。
【0070】
蓄圧室12を通じて圧力室40に供給されたガス圧がガス通路81及び68を通じて装弾室3に供給されることにより、図16〜18に示される如くに装弾室3に装填された弾丸BBが、蓄圧室12からのガス圧によって発射され、装弾室3から環状部材5の前方側、即ち、インナーバレル2a内へと移動せしめられる。インナーバレル2a内へと移動した弾丸BBは、図19に示される如くに、その後方側となるインナーバレル2a内における空間を急速に拡大しつつインナーバレル2aの前端部に向かって進んでいき、図20に示される如く、インナーバレル2aの前端部さらにはアウターバレル部2bの前端部からバレル部2の外部に射出される。
【0071】
一方、ガス通路85に流入するガス圧は、前方側部分27aをガス通路85にその後方端から挿入させてガス圧制御部材80におけるガス通路形成部86に係合する可動ピン部材27を、後方に押圧する。斯かる際、有底筒状部25の底部に係止部27cを係合させた可動ピン部材27は、その係止部27cにハンマー部4の殴打部分4bが当接した状態にあり、ガス通路85に流入したガス圧により押圧されることにより、係止部27cによってハンマー部4をコイルスプリング33の付勢力に抗する方向に回動させつつ後退し、ガス圧制御部材80におけるガス通路形成部86からその後方側に離隔する。それにより、ガス通路85に流入するガス圧は、ガス通路85を通じて、スライダ部10の有底筒状部25内に流入し、有底筒状部25の底部、即ち、受圧部26に作用してそれを後方に押圧し、スライダ部10が、図19に示される如くに、コイルスプリング22の付勢力に抗して基準位置から後退する。このようにして後退するスライダ部10の有底筒状部25は、可動ピン部材27と共にあるいは可動ピン部材27に代わって、ハンマー部4をコイルスプリング33の付勢力に抗して回動させる。
【0072】
このようなスライダ部10の基準位置からの後退に際しては、圧力室形成部41’の後端部とその圧力室形成部41’に係合するスライダ部10の有底筒状部25との間に、スライダ部10の後退に伴って容積が拡大される可変容積圧力室70が形成される。その結果、有底筒状部25の底部が形成する受圧部26と可動ピン部材27における前方側部分27a及びフランジ部27bとには、ガス通路85を通じて可変容積圧力室70に供給される圧力室40からのガス圧が作用せしめられる。
【0073】
受圧部26及び可動ピン部材27に作用するガス圧によって可変容積圧力室70を拡大させつつ後退するスライダ部10により回動せしめられるハンマー部4は、可動ピン部材27に対する位置規制を急速に弱めていく。それに伴って、可動ピン部材27が、それに作用するガス圧により有底筒状部25の底部に係止部27cを係合させる状態から、図20に示される如く、有底筒状部25の底部にフランジ部27bを係合させる状態に移行する。さらに、図示が省略されているが、後退するスライダ部10における第2の部分10bの下端側部分により、可動バー13がその後方側部分が下降するものとなる方向に回動せしめられる。それにより、可動バー13の後方側部分に設けられた係止部13aと回動レバー20との相互係合が解除され、回動レバー20がトグルスプリング29の付勢力に従う方向に回動して、ハンマー部4の基端部分4aに当接する。
【0074】
斯かる際、ガス圧制御部材80は、装弾室3に装填された弾丸BBが発射された後、スライダ部10の後退中に、ガス圧制御部材80に前方位置を維持させていた慣性力を失って、図20に示される如くに、コイルスプリング88の付勢力を受けて後方位置へと移動し、再び、後方バルブ形成部84を環状シール部材48の傾斜面に当接させるとともに、前方バルブ形成部87を環状シール部材47に密接係合させる。それにより、環状シール部材48の傾斜面に当接した後方バルブ形成部84によって、複数の連通孔83が圧力室40から遮断され、それに伴って、ガス通路85が圧力室40から遮断されて、圧力室40から複数の連通孔83を通じたガス通路85へのガス圧の供給が停止されるとともに、前方バルブ形成部87によって、ガス通路81が圧力室40から遮断されて、圧力室40からガス通路81へのガス圧の供給が停止される。即ち、ガス圧制御部材80は、装弾室3に装填された弾丸BBが発射された後、自動的に、ガス通路81及びガス通路85の夫々を圧力室40に連通させる状態から、ガス通路81及びガス通路85の夫々を圧力室40から遮断する状態に戻るのである。
【0075】
圧力室40から複数の連通孔83を通じたガス通路85へのガス圧の供給が停止された後においても、スライダ部10は、その慣性と、ガス通路85及び可変容積圧力室70内に残存するガス圧とによって後退を継続する。そして、後退を継続するスライダ部10が所定の位置に到達すると、圧力室形成部41’との相互係合状態におかれていた有底筒状部25が圧力室形成部41’から離脱し、それにより圧力室形成部41’と有底筒状部25との間に、図21に示される如くの、ガス通路85内及び可変容積圧力室70内のガス圧を大気に放出させる空隙71が形成される。このようにして可変容積圧力室70の密封が解除された後においても、スライダ部10は、その慣性によりさらに後退を継続し、ハンマー4をコイルスプリング33の付勢力に抗して回動させる。
【0076】
そして、スライダ部10は、その慣性による後退により最後方位置をとる直前に、前方側当接部11aを可動部材46の突出部46aに当接させる状態をとる。それにより、前端部を環状部材5に挿入させた前方位置をとる可動部材46が、ガス通路68を短縮させつつ、スライダ部10の後退に伴って後退し、スライダ部10が、図22に示される如くの最後方位置をとるとき、圧力室形成部41’に当接する後方位置をとって、弾倉部9の最上端部9bを開状態となす。最上端部9bが開状態にされた弾倉部9にあっては、それに充填された弾丸BBのうち最上方位置にあるものが最上端部9bに押し上げられて保持される。
【0077】
スライダ部10は最後退位置におかれると、直ちにコイルスプリング22の付勢力により基準位置に向けて前進する状態におかれる。このようにスライダ部10が後退から前進に転じた際、ハンマー部4が、その基端部分4aに回動レバー20が係合することにより位置固定される。また、前進に転じたスライダ部10は、前方側当接部11aを可動部材46の突出部46aに当接させた状態から、後方側当接部11bを可動部材46の突出部46aに当接させる状態に移行する。それにより、後方位置をとる可動部材46が、ガス通路68を伸長させつつスライダ部10の前進に伴って前進し、その前端部を弾倉部9の最上端部9b内に挿入させ、そこに保持された弾丸BBを、フレーム8に設けられたテーパー部8bに沿って装弾室3へと搬送する。それにより、スライダ部10が基準位置をとるものとされたとき、図16に示される如くに、前方位置をとるものとされた可動部材46により、弾倉部9の最上端部9bが閉塞されるとともに装弾室3に弾丸BBが確実に供給される。
【0078】
このようにして装弾室3に弾丸BBを供給する動作は、ガス圧制御部材80における後方バルブ形成部84が、ガス通路85を複数の連通孔83を通じて圧力室に40に連通させることに端を発している。従って、ガス通路85を複数の連通孔83を通じて圧力室に40に連通させる後方バルブ形成部84は、蓄圧室12を通じて圧力室40に供給されたガス圧をガス通路85を通じて受圧部26に作用させ、スライダ部10の後退及びそれに伴う可動部材46の後退を生じさせて、弾倉部9から装弾室3への弾丸BBの供給を準備する動作を行うことになる。
【0079】
スライダ部10が再度基準位置をとるものとされたとき、圧力室形成部41’とスライダ部10の有底筒状部25とが相互係合状態におかれて、圧力室40がスライダ部10における第2の部分10b内に位置せしめられ、それにより、第1の位置をとる可動ピン部材27の前方側部分27aに、後方位置をとるガス圧制御部材80におけるガス通路形成部86が係合して、可動ピン部材27にその第1の位置を維持させる。また、基端部分4aに係合する回動レバー20によって位置固定されたハンマー部4は、殴打部分4bが第1の位置をとる可動ピン部材27の係止部27cから比較的大とされる所定の距離だけ離隔した基準回動位置を維持するものとされる。斯かるもとで、図16に示される如くに、トリガー部1が発射完了位置から発射準備位置に戻されると、可動バー13が、トリガー部1が引かれる前の位置に状態復帰せしめられる。そして、トリガー部1が再び引かれることにより、上述の如くにして、ハンマー部4が回動せしめられ、そのハンマー部4の回動に応じて装弾室3に装填された弾丸BBが発射されて、その弾丸BBの発射に続いてスライダ部10の往復動が行われ、それに伴う可動部材46の往復動により装弾室3に対する弾丸BBの供給が行われる。
【0080】
上述のように、図12及び図13に示される例にあっても、ガス圧制御部材80が圧力室形成部41’と共にグリップ部6の上方に配されるとともに、可動部材46が圧力室形成部41’の前方に配され、それにより、グリップ部6に配された蓄圧室12からのガス圧の制御に関わる後方バルブ形成部84及び前方バルブ形成部87、及び、ガス通路81,85及び68が、スライダ部10が基準位置をとるときそのスライダ部10におけるバレル部2の後方となる部分内に位置して、後方バルブ形成部部84及び前方バルブ形成部87、及び、ガス通路68,81及び85のいずれもがグリップ部6に配されたものとはされない。従って、グリップ部6の構造が比較的簡単とされて構成部品点数が低減されるとともに、グリップ部6内に設けられる蓄圧室12の容積を、バルブ形成部,ガス通路等によるに規制を受けることなく、十分大とすることができることになる。
【0081】
図23は、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項5まで及び請求項11から請求項15までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃の一例の部分を示す。この図23に部分が示される例は、図23に示される部分以外の部分については、前述の図12に示される例と同様に構成されるものとされ、それゆえ、それらについての重複説明は省略される。
【0082】
図23に示される部分にあっては、図12及び図13に示される例における圧力室形成部41’に相当する圧力室形成部91,図12及び図13に示される例におけるガス圧制御部材80に相当するガス圧制御部材92、及び、図12及び図13に示される例における可動ピン部材27に相当する可動ピン部材93が備えられている。その他の構成は、図12及び図13に示される例の場合と同様であり、図12及び図13に示される例における各部に対応する部分には、図12及び図13に示される例と共通の符号が付されて示されている。
【0083】
圧力室形成部91は、蓄圧室形成部42と一体的に構成されており、内部に蓄圧室12に連通した圧力室40を形成している。そして、圧力室形成部91には、圧力室40から装弾室3に向かって伸びるガス通路81を形成するガス通路形成部82が設けられており、それに加えて、圧力室40からスライダ部10における有底筒状部25の底部、即ち、受圧部26に向かうガス通路94を形成するガス通路形成部95が設けられている。そして、圧力室形成部91におけるガス通路形成部82が設けられた部分に、環状部材44と環状シール部材47とが固着されており、また、圧力室形成部91におけるガス通路形成部95が設けられた部分に、環状シール部材48が固着されている。さらに、圧力室形成部91における圧力室40を形成する部分の内面側には、圧力室40内に突出する環状部材96が設けられている。
【0084】
ガス圧制御部材92は、圧力室形成部91内に配されており、後方バルブ形成部97と、後方バルブ形成部97から圧力室形成部91に配された環状シール部材47を貫通して伸び、ガス通路形成部82が形成するガス通路81内に入り込む前方バルブ形成部98と、後方バルブ形成部97からガス通路形成部95が形成するガス通路94を通じて受圧部26に向かって伸びる円柱状部99とを有して、一体形成されている。そして、ガス圧制御部材92は、圧力室形成部91内において、圧力室40内に突出する環状部材96と後方バルブ形成部97との間に配されたコイルスプリング100によって、後方バルブ形成部97が環状シール部材48の傾斜面部に当接する方向に付勢されている。
【0085】
後方バルブ形成部97が環状シール部材48の傾斜面部に当接するとき、前方バルブ形成部98は環状シール部材47に密接係合する。斯かる際には、環状シール部材48の傾斜面部に当接する後方バルブ形成部97が、圧力室形成部91に設けられたガス通路形成部95が形成するガス通路94を圧力室40から遮断し、また、環状シール部材47に密接係合する前方バルブ形成部98が、圧力室形成部91に設けられたガス通路形成部82が形成するガス通路81を圧力室40から遮断する。
【0086】
可動ピン部材93は、スライダ部10における有底筒状部25の底部を貫通して移動可能に配されており、ハンマー部4により選択的に殴打されるものとされている。そして、有底筒状部25の底部を貫通する可動ピン部材93は、有底筒状部25内に位置するフランジ部93aと有底筒状部25外に位置して係止部93bを形成する後端部とを有しており、フランジ部93aは、ガス圧制御部材92における円柱状部99の後端面に対向する前端面を形成している。
【0087】
さらに、圧力室40内にあっては、ガス圧制御部材92における前方バルブ形成部98に嵌合して、ガス圧制御部材92に対して移動可能とされたバルブ形成部101が配されている。このバルブ形成部101は、圧力室40内において、環状シール部材47との間に配されたコイルスプリング102によって、後方バルブ形成部97に向かう方向に付勢されているとともに、圧力室形成部91から突出する環状部材96によってバルブ形成部97に向かう方向の移動が規制されている。
【0088】
このようなもとで、スライダ部10が手動操作により一旦後退せしめられた後再び基準位置に戻された状態のもとで、トリガー部1が引かれ、それにより、図24に示される如くに、ハンマー部4が可動ピン部材93の後端部を殴打する状態をもって、有底筒状部25の底部に殴打部分4bを当接させる位置におかれると、ハンマー部4により殴打された可動ピン部材93は、フランジ部93aを有底筒状部25の底部に係合させる状態から、後端部とされる係止部93bを有底筒状部25の底部に係合させる状態へと移行する。このとき、可動ピン部材93は、そのフランジ部93aが形成する前端面をガス圧制御部材92における円柱状部99の後端面に当接させて、ガス圧制御部材92を、コイルスプリング100の付勢力に抗して前方に押圧移動させる。
【0089】
それにより、ガス圧制御部材92が、圧力室40内に配された後方バルブ形成部97を環状シール部材48の傾斜面に当接させる後方位置から、後方バルブ形成部97を環状シール部材48から離隔させる前方位置をとる。即ち、ガス圧制御部材92は、ハンマー部4により殴打された可動ピン部材93を通じて伝達されるハンマー部4の押圧力により、後方位置から前方位置へと移動するものとされ、その前方位置を慣性により所定の期間維持する。
【0090】
斯かるガス圧制御部材92の後方位置から前方位置への移動に伴う後方バルブ形成部97の移動によって、圧力室40から遮断された状態にあったガス通路94が、圧力室40に連通する状態とされ、蓄圧室12を通じて圧力室40に供給されたガス圧が、ガス通路94に急速に流入して可動ピン部材93のフランジ部93aが形成する前端面、さらには、スライダ部10における有底筒状部25の底部、即ち、受圧部26に作用する状態が得られる。
【0091】
また、それとともに、ガス圧制御部材92の後方位置から前方位置への移動により、ガス圧制御部材92における前方バルブ形成部98が、前方、即ち、装弾室3に向かう方向に移動し、環状シール部材47に密接係合した状態から環状シール部材47との密接係合を解除する状態に移行する。その結果、圧力室40から遮断された状態にあったガス通路81が、圧力室40に連通する状態とされる。
【0092】
このようにして、圧力室40から遮断された状態にあったガス通路81が、圧力室40に連通する状態とされることにより、蓄圧室12を通じて圧力室40に供給されたガス圧が、ガス通路81及びそれに連なるガス通路68を通じて急速に装弾室3に供給される状態が得られる。即ち、ガス圧制御部材92における前方バルブ形成部98は、トリガー部1を引く操作に連動して、ガス通路81を圧力室40から遮断する状態から、ガス通路81を圧力室40に連通させる状態に移行するのであり、それにより、グリップ部に配された蓄圧室12を通じて圧力室40に供給されたガス圧をガス通路81及び68を通じて装弾室3に供給することになる。
【0093】
蓄圧室12を通じて圧力室40に供給されたガス圧がガス通路81及び68を通じて装弾室3に供給されることにより、図24に示される如くに装弾室3に装填された弾丸BBが、蓄圧室12からのガス圧によって発射され、装弾室3から環状部材5の前方側、即ち、インナーバレル2a内へと移動せしめられる。インナーバレル2a内へと移動した弾丸BBは、その後方側となるインナーバレル2a内における空間を急速に拡大しつつインナーバレル2aの前端部に向かって進んでいき、その後、インナーバレル2aの前端部さらにはアウターバレル部2bの前端部からバレル部2の外部に射出される(図26)。
【0094】
このように、装弾室3に装填された弾丸BBが、装弾室3からインナーバレル2a内へ移動してインナーバレル2a内をバレル部2の外部に射出されるべく進んでいくとき、インナーバレル2a内における弾丸BBの後方の空間の急激な拡大等により、インナーバレル2a内さらにはガス通路68及びそれが連なるガス通路81内にガス圧低下が生じる。このガス圧低下は、圧力室40内において、バルブ形成部101に作用し、バルブ形成部101を、図23及び図24に示される如くの後方位置をとる状態から、コイルスプリング102の付勢力に抗する方向に移動させて、図25及び図26に示される如くの、ガス通路81を圧力室40から遮断する前方位置をとる状態に移行させる。その結果、蓄圧室12を通じて圧力室40に供給されたガス圧のガス通路81への供給が停止され、蓄圧室12を通じて圧力室40に供給されたガス圧は、全て、ガス通路94に流入して、可動ピン部材93のフランジ部93aが形成する前端面及び受圧部26に作用する状態とされる。
【0095】
ガス通路94に流入して可動ピン部材93のフランジ部93aが形成する前端面及び受圧部26に作用するガス圧は、可動ピン部材93及び受圧部26を、後方に押圧する。斯かる際、図26に示される如くに、有底筒状部25の底部に係止部93bを係合させた可動ピン部材93は、その係止部93bにハンマー部4の殴打部分4bが当接した状態にあり、ガス通路94に流入したガス圧により押圧されることにより、係止部93bによってハンマー部4を、図12に示されるコイルスプリング33と同様のものとされるコイルスプリングの付勢力に抗する方向に回動させつつ後退し、ガス圧制御部材92における円柱状部99からその後方側に離隔する。
【0096】
そして、ガス通路94に流入して可動ピン部材93及び受圧部26を後方に押圧するガス圧は、図26に示される如くに、スライダ部10をコイルスプリング22の付勢力に抗して基準位置から後退させる。そして、後退するスライダ部10の有底筒状部25は、可動ピン部材93と共にあるいは可動ピン部材93に代わって、ハンマー部4を、図12に示されるコイルスプリング33と同様のものとされるコイルスプリングの付勢力に抗して回動させる。
【0097】
このようなスライダ部10の基準位置からの後退に際しては、圧力室形成部91の後端部とその圧力室形成部91に係合するスライダ部10の有底筒状部25との間に、スライダ部10の後退に伴って容積が拡大される可変容積圧力室70が形成される。その結果、有底筒状部25の底部が形成する受圧部26と可動ピン部材93のフランジ部93aとには、ガス通路94を通じて可変容積圧力室70に供給される圧力室40からのガス圧が作用せしめられる。
【0098】
受圧部26に作用するガス圧によって可変容積圧力室70を拡大させつつ後退するスライダ部10により回動せしめられるハンマー部4は、可動ピン部材93に対する位置規制を急速に弱めていく。それに伴って、可動ピン部材93が、それに作用するガス圧により有底筒状部25の底部に係止部93bを係合させる位置から、有底筒状部25の底部にフランジ部93aを係合させる位置に向かって移動する。
【0099】
斯かる際、ガス圧制御部材92は、装弾室3に装填された弾丸BBが発射された後、スライダ部10の後退中に、ガス圧制御部材92に前方位置を維持させていた慣性力を失って、コイルスプリング100の付勢力を受けて後方位置へと移動し、図26に示される如くに、再び、後方バルブ形成部97を環状シール部材48の傾斜面に当接させるとともに、前方バルブ形成部98を環状シール部材47に密接係合させる。それにより、環状シール部材48の傾斜面に当接した後方バルブ形成部97によって、ガス通路94が圧力室40から遮断されて、圧力室40からガス通路94へのガス圧の供給が停止されるとともに、前方バルブ形成部98によって、ガス通路81が圧力室40から遮断されて、圧力室40からガス通路81へのガス圧の供給が停止される。即ち、ガス圧制御部材92は、装弾室3に装填された弾丸BBが発射された後、自動的に、ガス通路81及びガス通路94の夫々を圧力室40に連通させる状態からガス通路81及びガス通路94を夫々を圧力室40から遮断する状態に戻るのである。
【0100】
圧力室40からガス通路94へのガス圧の供給が停止された後においても、スライダ部10は、その慣性と、ガス通路94及び可変容積圧力室70内に残存するガス圧とによって後退を継続する。そして、後退を継続するスライダ部10が所定の位置に到達すると、圧力室形成部91との相互係合状態におかれていた有底筒状部25が圧力室形成部91から離脱し、それにより圧力室形成部91と有底筒状部25との間に、ガス通路94内及び可変容積圧力室70内のガス圧を大気に放出させる空隙が形成される。このようにして可変容積圧力室70の密封が解除された後においても、スライダ部10は、その慣性によりさらに後退を継続し、ハンマー4を、図12に示されるコイルスプリング33と同様のものとされるコイルスプリングの付勢力に抗して回動させる。
【0101】
この後におけるスライダ部10の更なる後退及びその後の前進による装弾室3への弾丸BBの供給、さらには、その他の動作及び作用効果については、図12及び図13に示される例の場合と同様である。
【0102】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな如く、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項15までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃にあっては、バルブ形成部が、第1及び第2のガス通路の夫々を圧力室から遮断する状態から所定の期間第1及び第2のガス通路の夫々を圧力室に連通させる状態に移行して、蓄圧室を通じて圧力室に供給されたガス圧を、第1及び第3のガス通路を通じて装弾室に供給するとともに第2のガス通路を通じて受圧部に作用させる。それにより、圧力室からのガス圧が利用されて、装弾室に装填された弾丸が発射され、また、圧力室から第2のガス通路を通じて受圧部に作用するガス圧によるスライダ部の後退及びそれに伴う可動部材の後退が生じ、弾倉部から装弾室への弾丸の供給が準備され、従って、圧力室からのガス圧が利用されて、弾倉部から装弾室への弾丸の供給を行うためのスライダ部の後退が行われる。
【0103】
このようにして、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項15までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃によれば、グリップ部内にガス圧を貯留する蓄圧室が配され、圧力室形成部に蓄圧室に連通する圧力室が形成されるもとで、蓄圧室に通じた圧力室からガス通路を通じて供給されるガス圧が利用されて、装弾室からの弾丸の発射と装弾室に弾丸を供給するためのスライダの後退とが行われるのであり、グリップ部には、蓄圧室は配されるが、それから伸びるガス通路を開閉する開閉弁として機能するものは設けられない。それゆえ、グリップ部の構造を比較的簡単であって構成部品点数が低減されることになるものとできるとともに、グリップ部内に設けられる蓄圧室の容積を十分大とすることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項7までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃の一例の要部の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図2】 図1に要部が示される例の構成及び動作の説明に供される断面図である。
【図3】 図2に示される例におけるガス圧制御部材の構成の説明に供される図である。
【図4】 図2に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図5】 図2に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図6】 図2に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図7】 図2に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図8】 図2に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図9】 図2に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図10】 図2に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図11】 図2に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図12】 本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項5まで及び請求項8から請求項10までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃の一例の構成及び動作の説明に供される断面図である。
【図13】 図12に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図14】 図12に示される例におけるガス圧制御部材の構成の説明に供される図である。
【図15】 図12に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図16】 図12に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図17】 図12に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図18】 図12に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図19】 図12に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図20】 図12に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図21】 図12に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図22】 図12に示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図23】 本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項5まで及び請求項11から請求項15までのいずれかに記載された発明に係る自動弾丸供給機構付玩具銃の一例の要部の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図24】 図23に要部が示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図25】 図23に要部が示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【図26】 図23に要部が示される例の構成及び動作の説明に供される部分断面図である。
【符号の説明】
1・・・トリガー部, 2・・・バレル部, 3・・・装弾室, 4・・・ハンマー部, 5・・・環状部材, 6・・・グリップ部, 9・・・弾倉部, 10・・・スライダ部, 12・・・蓄圧室, 22,33,64,69,88,100,102・・・コイルスプリング, 25・・・有底筒状部, 26・・・受圧部, 27,93・・・可動ピン部材, 40・・・圧力室, 41,41’,91・・・圧力室形成部, 45,80,92・・・ガス圧制御部材,46・・・可動部材, 47,48・・・環状シール部材, 50,101・・・バルブ形成部, 51,55,68,81,85,94・・・ガス通路, 52,57,82,86,95・・・ガス通路形成部, 56・・・連結通路,67,83・・・連通孔、 70・・・可変容積圧力室, 84,97・・・後方バルブ形成部, 87,98・・・前方バルブ形成部, BB・・・弾丸

Claims (15)

  1. 弾丸が配される弾倉部と、
    グリップ部内に配されてガス圧を貯留する蓄圧室と、
    バレル部の後端部分に設けられて上記弾倉部の一端の近傍に位置する装弾室と、
    受圧部が設けられ、上記バレル部に沿う移動が可能とされたスライダ部と、
    上記受圧部の前方に位置して上記蓄圧室に連通する圧力室を形成する圧力室形成部と、
    上記圧力室から上記装弾室に向かって伸びる第1のガス通路を形成する第1のガス通路形成部と、
    上記圧力室から上記受圧部に向かう第2のガス通路を形成する第2のガス通路形成部と、
    上記装弾室と上記圧力室形成部との間において上記第1のガス通路形成部に移動可能に嵌合し、上記第1のガス通路に連なって上記装弾室に至る第3のガス通路を形成する状態をとる可動部材と、
    上記第1及び第2のガス通路の夫々を上記圧力室から遮断する状態から所定の期間上記第1及び第2のガス通路の夫々を上記圧力室に連通させる状態に移行して、上記蓄圧室を通じて上記圧力室に供給されたガス圧を、上記第1及び第3のガス通路を通じて上記装弾室に供給するとともに上記第2のガス通路を通じて上記受圧部に作用させ、該受圧部に作用するガス圧による上記スライダ部の後退及び該スライダ部の後退に伴う上記可動部材の後退を生じさせて、上記弾倉部から上記装弾室への弾丸の供給を準備する動作を行うバルブ形成部と、
    を備えて構成される自動弾丸供給機構付玩具銃。
  2. トリガー部の操作に連動して回動するハンマー部と、回動する上記ハンマー部により殴打されるとき、バルブ形成部を第1及び第2のガス通路の夫々を圧力室から遮断する状態から所定の期間上記第1及び第2のガス通路の夫々を上記圧力室に連通させる状態に移行させる可動ピン部材とを備えることを特徴とする請求項1記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
  3. 圧力室形成部が、蓄圧室を形成する蓄圧室形成部と一体的に形成されることを特徴とする請求項1記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
  4. バルブ形成部が圧力室形成部が形成する圧力室内に配されることを特徴とする請求項1記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
  5. バルブ形成部を受圧部に向かう方向に付勢する付勢手段を備え、該付勢手段によって上記バルブ形成部が第1及び第2のガス通路の夫々を圧力室に連通させる状態から上記第1及び第2のガス通路の夫々を上記圧力室から遮断する状態に戻されることを特徴とする請求項4記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
  6. 第1のガス通路形成部,第2のガス通路形成部及びバルブ形成部が、一体に形成されて圧力室形成部に対して移動可能とされたガス圧制御部材の部分とされることを特徴とする請求項1記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
  7. トリガー部の操作に連動して回動するハンマー部と、回動する上記ハンマー部により殴打されるとき、ガス圧制御部材を移動させて、バルブ形成部を第1及び第2のガス通路の夫々を圧力室から遮断する状態から所定の期間上記第1及び第2のガス通路の夫々を上記圧力室に連通させる状態に移行させる可動ピン部材とを備えることを特徴とする請求項6記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
  8. 第1のガス通路形成部が圧力室形成部と一体的に形成され、第2のガス通路形成部及びバルブ形成部が一体に形成されて圧力室形成部に対して移動可能とされたガス圧制御部材の部分とされることを特徴とする請求項1記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
  9. トリガー部の操作に連動して回動するハンマー部と、回動する上記ハンマー部により殴打されるとき、ガス圧制御部材を移動させて、バルブ形成部を第1及び第2のガス通路の夫々を圧力室から遮断する状態から所定の期間上記第1及び第2のガス通路の夫々を上記圧力室に連通させる状態に移行させる可動ピン部材とを備えることを特徴とする請求項8記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
  10. バルブ形成部が前方バルブ形成部と後方バルブ形成部とを有し、上記前方バルブ形成部が、第1のガス通路を圧力室から遮断する状態から所定の期間上記第1のガス通路を上記圧力室に連通させる状態に移行するとともに、上記後方バルブ形成部が、第2のガス通路を上記圧力室から遮断する状態から所定の期間上記第2のガス通路を上記圧力室に連通させる状態に移行する動作を行うことを特徴とする請求項9記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
  11. 第1のガス通路形成部及び第2のガス通路形成部が圧力室形成部と一体的に形成され、バルブ形成部が上記圧力室形成部内に移動可能に配されたガス圧制御部材の部分とされることを特徴とする請求項1記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
  12. トリガー部の操作に連動して回動するハンマー部と、回動する上記ハンマー部により殴打されるとき、ガス圧制御部材を移動させて、バルブ形成部を第1及び第2のガス通路の夫々を圧力室から遮断する状態から所定の期間上記第1及び第2のガス通路の夫々を上記圧力室に連通させる状態に移行させる可動ピン部材とを備えることを特徴とする請求項11記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
  13. バルブ形成部が前方バルブ形成部と後方バルブ形成部とを有し、上記前方バルブ形成部が、第1のガス通路を圧力室から遮断する状態から所定の期間上記第1のガス通路を上記圧力室に連通させる状態に移行するとともに、上記後方バルブ形成部が、第2のガス通路を上記圧力室から遮断する状態から所定の期間上記第2のガス通路を上記圧力室に連通させる状態に移行する動作を行うことを特徴とする請求項12記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
  14. ガス圧制御部材の外部に移動可能に配された付加バルブ形成部を備え、該付加バルブ形成部が、バルブ形成部が第1及び第2のガス通路を圧力室に連通させる状態にあるもとで、上記第1のガス通路を上記圧力室から遮断する状態をとることを特徴とする請求項11記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
  15. 付加バルブ形成部が、第3のガス通路及び該第3のガス通路が連なる第1のガス通路に生じたガス圧低下により移動して、上記第1のガス通路を圧力室から遮断する状態をとることを特徴とする請求項14記載の自動弾丸供給機構付玩具銃。
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