JP3710502B2 - 三環性化合物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はアンジオテンシンII受容体拮抗剤であり、アンジオテンシンIIにより誘発され、または悪化する高血圧症の調節、およびうっ血性心不全などの治療において有用な新規な三環性化合物に関する。さらに本発明は上記化合物を含有する降圧剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
アンジオテンシンIIは体内にあって血圧、体液量、電解質バランスなどを調節するレニン−アンジオテンシン系の活性物質である。アンジオテンシンIIは細胞膜上のアンジオテンシンII受容体を介して血管を収縮させて血圧を上昇させる。
このためアンジオテンシンIIは種々の哺乳動物において高血圧を生じさせる原因物質とされている。すでにアンジオテンシンIIを生成させるアンジオテンシンII変換酵素の阻害剤(ACE阻害剤)が実用化されている。
【0003】
アンジオテンシンII受容体拮抗剤も、ACE阻害剤同様にアンジオテンシンIIによって起こる高血圧の治療剤、すなわち降圧剤として有用である。しかも作用が強力で、ACE阻害剤で問題となる空咳などの副作用もないと考えられる。これまでにサララシンなどのペプチド性アンジオテンシンII類縁体が研究されてきており、これらは強力なアンジオテンシンII受容体拮抗作用を有することが報告されている。しかしその拮抗特性のために、サララシンは一般には高血圧がアンジオテンシンIIによるものでない場合には昇圧作用を示す。さらにこのようなペプチド性拮抗剤は、非経口投与では作用時間が短く、経口投与では無効であることが報告されている。[M. A. Ondetti and D. W. Cushman, Annual Reports in Medicinal Chemistry, 13, 82-91(1978)]。
【0004】
これらのペプチド性アンジオテンシンII受容体拮抗剤の持つ問題点を解決するため、非ペプチド性アンジオテンシンII受容体拮抗剤の研究が行われている。非ペプチド性アンジオテンシンII受容体拮抗剤としては、特開昭56−71073号公報、同56−71074号公報、ヨーロッパ特許出願公開第0324377号、同第505954号、および同第0403159号にイミダゾール誘導体が開示されている。特開平4−261156号公報、同4−120072号公報、同3−133964号公報、ヨーロッパ特許出願公開第499415号、および同第515265号にアミノアジン誘導体が開示されている。特開平3−143214号公報にはアミノキノリン誘導体が、米国特許第5,187,168号にはアミノキナゾリン誘導体が開示されている。ヨーロッパ特許出願公開第0549352号には特定の構造を有する三環性誘導体が開示されている。これらの化合物はいずれもアンジオテンシンII受容体拮抗剤としての効果が認められているが、さらに新規な非ペプチド性アンジオテンシンII受容体拮抗剤の開発が望まれている。
【0005】
【発明の目的】
本発明の目的はアンジオテンシンII受容体拮抗剤であり、アンジオテンシンIIにより誘発され、または悪化する高血圧症の調節、およびうっ血性心不全などの治療において有用な、新規な三環性化合物を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、これらの化合物を含有する降圧剤を提供することにある。
【0006】
【発明の構成】
本明細書における略号の意義を次に示す
Ac:アセチル
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
Boc:t−ブトキシカルボニル
Bu:ブチル
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
Et:エチル
HMPA:ヘキサメチルホスホリックトリアミド
MCPBA:メタクロロ過安息香酸
Me:メチル
NBS:N−ブロモサクシンイミド
Ph:フェニル
Py:ピリジン
Pr:プロピル
Tet:テトラゾリル
THF:テトラヒドロフラン
TMS:トリメチルシリル
Tr:トリチル。
【0007】
本発明の三環性化合物は下記一般式Iで示される。
【0008】
【化4】
Figure 0003710502
【0009】
ここでXは−CO−、−CH2−、または−O−であり;
Yはテトラゾリル基またはカルボキシル基であり;
【0010】
【化5】
Figure 0003710502
【0011】
(ここでR1、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C1〜C6アルキルオキシ基、アミノ基、またはニトロ基である)
であり;
Zは、
【0012】
【化6】
Figure 0003710502
【0013】
(ここでR5は水素、C1〜C6アルキル基、C3〜C6シクロアルキル基、C1〜C6アルキルオキシ基、またはアミノ基であり;
6およびR7はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル基、C3〜C6シクロアルキル基、C1〜C6アルキルオキシ基、C1〜C6アシル基、アミノ基、カルボキシル基、C1〜C6アルキルオキシカルボニル基、またはC1〜C6ヒドロキシアルキル基であり、あるいはR6およびR7は一緒になって、置換されていてもよいピリジン環、置換されていてもよいベンゼン環、または置換されていてもよいシクロヘキサン環を形成し;
8は水素、C1〜C6アルキル基、またはC3〜C6シクロアルキル基であり;
9は水素、C1〜C6アルキル基、アミノ基、または置換されていてもよいカルバモイルアミノ基であり;
10は水素、またはC1〜C6アルキル基であり、そして
WはOまたはNHである)
である。
【0014】
本明細書において、「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素である。
【0015】
「C1〜C6アルキル基」とは炭素数1〜6の直鎖状または分枝状のアルキル基を意味する。具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチルなどが挙げられる。これらのアルキルは1個以上のハロゲンで置換されていてもよく、この置換アルキル基としては、トリフルオロメチルなどが挙げられる。
【0016】
本明細書において、「C1〜C6アルキルオキシ基」および「C1〜C6アルキルオキシカルボニル基」におけるアルキル部分は前記「C1〜C6アルキル基」と同様のものを意味する。
【0017】
「C1〜C6アシル基」としては、具体的にはホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイルなどが挙げられる。
【0018】
「アミノ基」とは、非置換アミノ基またはC1〜C6アルキル置換アミノ基を意味し、このアルキル置換は、モノ置換またはジ置換のいずれであってもよい。具体的には、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノなどが挙げられる。
【0019】
「C3〜C6シクロアルキル基」とは、1個以上の置換基を有していてもよい炭素数3〜6のシクロアルキル基を意味する。この置換基としては、C1〜C6アルキル基、ハロゲンなどが挙げられ、これらの置換基の定義は前記と同様である。
この置換基はシクロアルキルの任意の位置を置換し得る。具体的には、メチルシクロプロピル、ジエチルシクロブチル、2−クロロ−4−プロピルシクロペンチルなどが挙げられる。
【0020】
「C1〜C6ヒドロキシアルキル基」とは、1個以上のヒドロキシ基で置換されたC1〜C6アルキル基を意味する。このC1〜C6アルキル基の定義は前記と同様である。ヒドロキシ基はアルキル基の任意の位置を置換し得る。具体的には、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシブチル、ジヒドロキシペンチルなどが挙げられる。
【0021】
「置換されていてもよいピリジン環」の置換基としては、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルキルオキシ基、カルボキシル基、C1〜C6アルキルオキシカルボニル基、アミノ基、ハロゲンなどが挙げられる。これらの置換基の定義はいずれも前記したものと同様である。ピリジン環の任意の位置が1個以上のこれらの置換基で置換され得る。
【0022】
「置換されていてもよいベンゼン環」および「置換されていてもよいシクロヘキサン環」における置換基も上記ピリジン環の場合と同様であり、このベンゼン環およびシクロヘキサン環も、それぞれ任意の位置で1個以上の置換基で置換され得る。
【0023】
「置換されていてもよいカルバモイルアミノ基」とは、非置換またはC1〜C6アルキル基で置換されたカルバモイルアミノ基を意味する。このC1〜C6アルキル基の定義は前記と同様である。このアルキル置換はモノ置換またはジ置換のいずれであってもよい。具体的には、メチルカルバモイルアミノ、エチルカルバモイルアミノ、N−イソプロピル−N−メチルカルバモイルアミノなどが挙げられる。
【0024】
本明細書中で「製薬上許容し得る塩」とは、カルボキシル基と金属イオンとから形成される塩、あるいはアミノ基またはテトラゾリル基と酸とにより形成される塩を意味する。具体的にはナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩などが挙げられる。以下、本明細書中では、本発明の化合物という場合には、その製薬上許容し得る塩も含める。
【0025】
本発明の三環性化合物(I)の好ましい例としては、以下の式(Ia−1)または(Ib−1)で示される化合物が挙げられる。
【0026】
【化7】
Figure 0003710502
【0027】
本発明の三環性化合物(I)は、例えば以下のスキ−ム1に示すような方法で得られる。
【0028】
【化8】
Figure 0003710502
【0029】
ここで、X、Z、および
【0030】
【化9】
Figure 0003710502
【0031】
は化学式(I)で定義されたのと同様である。X’は上記Xと同様であるか、あるいは任意の反応によりXに変換し得る基である。Halはハロゲンを表す。
【0032】
この方法では、まず第1工程において、公知の方法(J.Org.Chem.,36,461(1971))に準じて得られる出発物質(II)とN−ブロモサクシンイミド、N−クロロサクシンイミドなどのN−ハロサクシンイミドとを、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどの溶媒中で、過酸化ベンゾイル、AIBNなどのラジカル開始剤と共に、60℃〜100℃で反応させることにより、ハロゲンが導入された化合物(III)を得る。
【0033】
次に第2工程において、この化合物(III)とH−Zで示される化合物とを、塩基存在下、適切な溶媒中で−50℃〜100℃で反応させることにより、置換基Zが導入された化合物(IV)を得る。ここでH−Zは公知の方法により得られる化合物である。ここで用いられる塩基としては、NaH、NaOMe、NaOEt、K2CO3、Cs2CO3、リチウムビストリメチルシリルアミドなどが挙げられる。この塩基と共に用いられる溶媒としては、塩基としてNaHを用いる場合にはDMF、THFなどが好ましく、NaOMe、NaOEtなどの場合にはDMFなどが、K2CO3、Cs2CO3などの場合にはDMF、THF、アセトニトリルなどが、リチウムビストリメチルシリルアミドなどの場合にはTHF、DMFなどがそれぞれ好ましい。
【0034】
次に、第3工程または第3’工程により化合物(IV)のシアノ基をテトラゾリル基またはカルボキシル基に変換することにより、式(I)のYがテトラゾリル基である本発明の化合物(I−1)またはYがカルボキシル基である本発明の化合物(I−2)を得る。第3工程では、ニトリル体である化合物(IV)とトリメチルスズアジド、トリブチルスズアジドなどのトリアルキルスズアジドとを、キシレン、トルエン、DMFなどの溶媒中、80℃〜140℃で反応させることにより、シアノ基がテトラゾリル基に変換されて、テトラゾール体である化合物(I−1)が得られる。第3’工程では、化合物(IV)を加水分解することにより、シアノ基がカルボキシル基に変換されて、Yがカルボキシル基である化合物(I−2)が得られる。この加水分解は6N塩酸などの酸で行われるか、あるいは、プロパノール中の水酸化カリウムなどの塩基によって行われる。
【0035】
ここで、X’が任意の反応によりXに変換し得る基である場合には、任意の反応段階でX’をXに変換し得る。例えば、Xが−CH2−である本発明の化合物(I−1)または(I−2)は、X’が−CO−である化合物(II)を出発物質として用いて、上記の第3工程または第3’工程に先だって化合物(IV)の−CO−を還元して−CH2−に変換することにより合成され得る。この還元反応は、例えば、まず化合物(IV)を、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤存在下、エタノールなどの溶媒中で還元することにより、X’が−CH(OH)−である化合物に変換したのち、次いでヨウ化ナトリウム、ジメチルジクロロシランなどの還元剤存在下、アセトニトリルなどの溶媒中でさらに還元することにより行われ得、目的化合物が得られる。
【0036】
あるいは、Yがテトラゾリル基である本発明の化合物(I−1)は、以下のスキーム2に示すように、あらかじめ出発物質(II)のシアノ基をテトラゾリル基に変換したのち、置換基Zを導入することによっても得られる。
【0037】
【化10】
Figure 0003710502
【0038】
ここで各記号の定義はスキーム1と同様である。Q1はテトラゾリル基の任意の保護基である。この場合、第1工程において、出発物質(II)とアジド化合物とをスキーム1の第3工程に準じて反応させることにより、テトラゾール体である化合物(V)を得る。次に、第2工程において、化合物(V)のテトラゾリル基を任意の保護基Q1、例えばトリチル基、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基で保護することにより化合物(VI)を得る。この保護化反応は、例えば、化合物(V)を、トリエチルアミン、ピリジンなどの塩基存在下、ジクロロメタン、THF、アセトニトリルなどの溶媒中でトリチルクロリド、メトキシメチルクロリド、ベンジルオキシメチルクロリドなどで処理することにより行われ得る。
【0039】
以下、第3工程において、上記スキーム1の第1工程に準じて化合物(VI)にハロゲンを導入し、化合物(VII)を得る。ついで、第4工程においてスキーム1の第2工程に準じて置換基Zを導入し、化合物(VIII)を得る。第5工程において化合物(VIII)のテトラゾリル基の保護基Q1をはずして本発明の化合物(I−1)を得る。この脱保護反応は、化合物(VIII)を、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、THF、ニトロメタンなどの溶媒中で、トリフルオロ酢酸、塩酸、酢酸、塩化アルミニウムなどの適当な脱保護剤で処理あるいは接触還元することにより行われ得る。この方法の場合も、上記スキーム1の場合と同様に、X’が任意の反応によりXに変換し得る基の場合には、任意の反応段階でX’からXへの変換が行われ得る。例えばXが−CH2−である本発明の化合物(I−1)が、第5工程の脱保護反応に先だって、−CO−を−CH2−に変換することによって得られ得る。
【0040】
Yがカルボキシル基である本発明の化合物(I−2)は、スキーム1の反応で合成するとシアノ基からカルボキシル基への変換反応を伴い、煩雑な操作が必要とされるので、X=Oの場合には、公知の方法(J. Chem. Soc., 3807(1957))に準じて以下のスキーム3に示す方法で合成することが好ましい。
【0041】
【化11】
Figure 0003710502
【0042】
ここでRはC1〜C6アルキル基であり、その他の各記号の定義は上記スキーム1と同様である。この方法では、カルボン酸である出発物質(IX)を用いる。第1工程において、この出発物質(IX)とチオニルクロリドなどを、無溶媒で、あるいはベンゼンなどの溶媒中で反応させることにより、酸クロリドを得る。この酸クロリドをメタノール、エタノールなどのアルコールと反応させることによりカルボン酸エステル(X)を得る。この反応において生成する塩化水素はピリジンなどの塩基で中和され得る。
【0043】
以下、第2工程において、上記スキーム1の第1工程に準じて化合物(X)にハロゲンを導入し、化合物(XI)を得る。ついで、第3工程においてスキーム1の第2工程に準じて置換基Zを導入し、化合物(XII)を得る。第4工程において、この化合物(XII)を適当なアルコール中で水酸化ナトリウムなどの塩基で処理することにより、エステル部分が加水分解され、本発明の化合物(I−2)が得られる。
【0044】
上記スキーム1〜3において、化合物(III)、(VII)または(XI)にZを導入する代わりに、任意の反応によりZに変換し得る基Z’を導入し、そして任意の反応段階でZ’をZに変換して、本発明の化合物(I−1)または(I−2)を得ることができる。以下のスキーム4〜6にそのような反応の例を示す。
【0045】
例えば、Zが
【0046】
【化12】
Figure 0003710502
【0047】
であって、R6およびR7が一緒になって置換されていてもよいベンゼン環を形成する化合物を得る場合には、以下のスキーム4に示すような反応により、あらかじめ
【0048】
【化13】
Figure 0003710502
【0049】
をZ’として導入し、その後このZ’をZに変換すればよい。
【0050】
【化14】
Figure 0003710502
【0051】
ここでY’はCN、保護基Q1で保護されたテトラゾリル基、またはCOORを表し、R11は、ベンゼン環を置換し得る任意の1個以上の置換基(C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルキルオキシ基、カルボキシル基、C1〜C6アルキルオキシカルボニル基、アミノ基、ハロゲンなど)を表し、そしてQ2はt−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどの、アミノ基の任意の保護基を表す。
5は化学式(I)で定義されたものと同様である。X’の定義はスキーム1と同様である。
【0052】
この方法では、まず化合物(III)、(VII)または(XI)をスキーム1の第2工程に準じて化合物(XIII)と反応させることにより、Z’が
【0053】
【化15】
Figure 0003710502
【0054】
である化合物(XIV−1)を得る(第1工程)。ついで、第2工程において、酸性条件下(すなわち、トリフルオロ酢酸、塩酸などの存在下)で脱保護反応を行い、保護基Q2を除去して化合物(XIV−2)を得る。第3工程において、化合物(XIV−2)のニトロ基を塩化第1スズ、硫酸第1鉄−トリエチルアミンなどの還元剤で還元して1級アミノ基に変換し、化合物(XIV−3)を得る。第4工程において、化合物(XIV−3)の環化反応を行い、化合物(IV−1)、(VIII−1)または(XII−1)を得る。ここで(IV−1)はY’がCNの化合物であり、(VIII−1)はY’が保護基Q1で保護されたテトラゾリル基の化合物であり、(XII−1)はY’がCOORの化合物である。この環化反応は、化合物(XIV−3)を、ポリリン酸中でR5COOHと反応させるか、あるいはR5がアルキルオキシである場合、酢酸中で対応するR5を有するテトラアルキルオキシメタンで処理することにより行われ得る。
【0055】
Zが
【0056】
【化16】
Figure 0003710502
【0057】
である化合物を得る場合には、以下のスキーム5に示すような反応により、あらかじめ
【0058】
【化17】
Figure 0003710502
【0059】
をZ’として導入し、その後このZ’をZに変換すればよい。
【0060】
【化18】
Figure 0003710502
【0061】
ここで、Y’はスキーム4で定義されたものと同様であり、R5、R8、およびR10は化学式(I)で定義されたものと同様である。X’の定義はスキーム1と同様である。
【0062】
この方法では、まず化合物(III)、(VII)または(XI)と目的化合物に対応するアミノ酸エステル(XV)とを、アセトニトリル、THFなどの溶媒中、4ージメチルアミノピリジン、ジメチルアニリンなどの塩基存在下で反応させることにより、Z’が
【0063】
【化19】
Figure 0003710502
【0064】
である化合物(XVI)を得る(第1工程)。ついで、第2工程において、ピリジン中、R5COClで化合物(XVI)をアシル化することにより、化合物(IV−2)、(VIII−2)または(XII−2)が得られる。ここで(IV−2)はY’がCNの化合物であり、(VIII−2)はY’が保護基Q1で保護されたテトラゾリル基の化合物であり、(XII−2)はY’がCOORの化合物である。
【0065】
Zが
【0066】
【化20】
Figure 0003710502
【0067】
である化合物を得る場合には、以下のスキーム6に示すような反応により、あらかじめ
【0068】
【化21】
−NH2
をZ’として導入し、その後このZ’をZに変換すればよい。
【0069】
【化22】
Figure 0003710502
【0070】
ここで、Y’はスキーム4で定義されたものと同様であり、R5およびR9は化学式(I)で定義されたものと同様である。X’の定義はスキーム1と同様である。
【0071】
この方法では、まず化合物(III)、(VII)または(XI)を、HMPA、DMFなどの溶媒中、アジ化ナトリウムでアジド化した後、塩化第1スズ、トリフェニルホスフィン−水などで還元することにより、Z’がNH2である化合物(XVII)を得る(第1工程)。ついで、第2工程において、DMF、アセトニトリルなどの溶媒中、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミンなどの塩基存在下で、化合物(XVII)に、目的化合物に対応した5−アルキル−7−クロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(XVIII)を反応させて、化合物(IV−3)、(VIII−3)または(XII−3)を得る。ここで(IV−3)はY’がCNの化合物であり、(VIII−3)はY’が保護基Q1で保護されたテトラゾリル基の化合物であり、(XII−3)はY’がCOORの化合物である。
【0072】
上記のスキーム4から6で得られた化合物(IV−1)、(VIII−1)、(XII−1)、(IV−2)、(VIII−2)、(XII−2)、(IV−3)、(VIII−3)および(XII−3)のY’を、それぞれ、スキーム1の第3工程または第3’工程、あるいはスキーム3の第4工程に準じてYに変換することにより、目的化合物が得られる。
【0073】
本発明の三環性化合物(I)はアンジオテシンII受容体拮抗剤、特に降圧剤として使用し得、アンジオテシンIIにより誘発され、また悪化する高血圧症の調節、およびうっ血性心不全などの治療において有用である。
【0074】
本発明の三環性化合物(I)を含有する薬剤組成物は経口または非経口で投与される。非経口投与としては静脈注射、筋肉注射、腹腔内注射、点滴などの方法が挙げられる。上記薬剤組成物はプロドラッグとして投与し得る。上記薬剤組成物の製剤形態としては粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、注射剤、液剤、懸濁剤、乳剤、座剤、などが挙げられる。上記製剤は本発明の三環性化合物(I)に加えて、投与形態に応じて製剤学的および薬理学的に許容し得る適当な賦形剤、助剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、その他の添加剤などの公知の化合物を任意に選択して使用し得る。
【0075】
本発明の三環性化合物(I)の投与量は対象疾患、症状、投与対象、投与方法などによって異なるが、成人の本態性高血圧症治療剤として投与する場合、経口投与では1日量1〜50mg、静注では1日量1〜30mgを1回〜3回に分けて投与するのが好ましい。
【0076】
本発明の三環性化合物(I)のアンジオテシンII受容体拮抗剤としての効果は例えば以下に示すような方法で評価し得る。ラット肝臓から調製した膜成分と125I−標識アンジオテンシンIIとの混合物に本発明の化合物を濃度を変化させて添加し、インキュベートする。培養物と結合した125I−標識アンジオテンシンIIの放射活性から、培養物に対する125I−標識アンジオテンシンIIの特異的結合を50%阻害する本発明の化合物濃度(IC50)を得、次式により阻害定数(Ki)を求める。
【0077】
【数1】
Figure 0003710502
【0078】
ここでCは125I−標識アンジオテンシンII濃度、KdはアンジオテンシンIIの 解離定数である。
【0079】
後述の実施例から明らかなように、本発明の三環性化合物(I)は、優れたアンジオテンシンII受容体拮抗作用を示す。
【0080】
【実施例】
以下に、本発明を実施例および参考例に基づき説明する。参考例1の第1〜第3工程の化合物は J.Org.Chem.,36,461(1971) に記載された方法に準じて、あるいはその変法により合成される。
【0081】
[参考例1]7−メチル−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(IIa)の調製
(第1工程)2−(2−シアノ−2−p−トリル−ビニル)−安息香酸
2−(2−シアノ−2−p−トリル−ビニル)−安息香酸金属ナトリウム(1.29g, 56.1mmol)をメタノール(50ml)に溶解し、氷冷下4−メチルベンジルシアニド(7.33g, 55.9mmol)を滴下した。溶液を室温で20分撹拌した後、オルトフタルアルデヒド酸(7.63g, 50.8mmol)を加え1時間加熱還流した。反応溶液を室温に戻した後、濃塩酸(8ml)を含む氷水に加え10分間撹拌した。水溶液を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水洗し、飽和食塩水で洗浄後、乾燥した。
酢酸エチルを留去し、得られた残留物を塩化メチレン−n−ヘキサンで結晶化させると12.64g(収率:94.5%)の標題化合物が得られた。
【0082】
NMR(CDCl3)δ:2.40(3H, s), 7.25 および 7.62(2H×2, ABq, J=8.6 Hz), 7.50-7.75(2H, m), 7.90(1H, dd, J=7.0 Hz, 0.8 Hz), 8.19(1H, dd, J=7.8 Hz, 1.2 Hz), 8.33(1H, s)。
【0083】
(第2工程)2−(2−シアノ−2−p−トリル−エチル)−安息香酸
第1工程で得られた 2−(2−シアノ−2−p−トリル−ビニル)−安息香酸(11.35g, 43.1mmol)と水素化ホウ素ナトリウム(3.3g, 87.2mmol)とを含有するイソプロパノール(100ml)懸濁液を、5時間加熱還流した。反応溶液を室温に戻した後、氷水に加え、濃塩酸で酸性にし、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水洗し、飽和食塩水で洗浄後、乾燥した。酢酸エチルを留去し、得られる残留物をn−ヘキサンで結晶化させると 11.23g(収率:98.3%)の標題化合物が得られた。
【0084】
NMR(CDCl3)δ:2.35(3H, s), 3.34(1H, dd, J=12.8 Hz, 10.2 Hz), 3.74(1H, dd, J=12.8 Hz, 5.6 Hz), 4.33(1H, dd, J=10.2 Hz, 5.6 Hz), 7.15-7.61(7H, m), 8.21(1H, dd, J=7.6 Hz, 1.4 Hz)。
【0085】
(第3工程)7−メチル−5−オキソ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル
第2工程で得られた2−(2−シアノ−2−p−トリル−エチル)−安息香酸(2.6g, 10mmol)をジクロロエタン(20ml)に溶解し、塩化チオニル(2.4g, 20mmol)を加えて、30分間加熱還流した。冷却後反応液を減圧下で濃縮し、ジクロロエタンを加えて濃縮を繰り返した。得られた残留物をジクロロエタン(20ml)に溶解し、塩化アルミニウム(2.7g, 20mmol)を加えて15分間加熱還流した。
冷却後、反応溶液を氷水に加え、塩化メチレンで2回抽出した。有機層を1N水酸化ナトリウム溶液および飽和食塩水で洗浄後、乾燥した。塩化メチレンを留去し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し精製した。n−ヘキサン−酢酸エチル(4:1 v/v)で溶出する画分を濃縮し、油状物質として2.34g(収率:94.6%)の標題化合物を得た。
【0086】
NMR(CDCl3)δ:2.41(3H, s), 3.49(1H, dd, J=15.8 Hz, 8.2 Hz), 3.60(1H, dd, J=15.8 Hz, 2.6 Hz), 4.45(1H, dd, J=8.2 Hz, 2.4 Hz), 7.20-7.61(5H, m), 7.87(1H, dd, J=1.2 Hz, 0.8 Hz), 7.98-8.03(1H, m)。
【0087】
(第4工程)7−メチル−5−オキソ−10−フェニルセレニル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル
【0088】
【化23】
Figure 0003710502
【0089】
第3工程で得られた7−メチル−5−オキソ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(2.29g, 9.26mmol)をTHF(25ml)に溶解し、−60℃にてリチウムビストリメチルシリルアミド(1N THF溶液11.1ml, 11.1mmol)を滴下した。10分間撹拌した後、フェニルセレニルクロリド(1.95g, 10.18mmol)を加え、−70℃で20分間撹拌した。反応溶液を塩化アンモニウム−氷水に加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水洗し、飽和食塩水で洗浄後、乾燥した。溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し精製した。n−ヘキサン−酢酸エチル(8:1 v/v)で溶出する画分を濃縮し、油状物質として3.34g(収率:89.6%)の標題化合物を得た。
【0090】
NMR(CDCl3)δ:2.39(3H, s), 3.66 および 3.96(1H×2, ABq, J=16.2 Hz),7.10-7.56(10H, m), 7.85(1H, dd, J=1.2 Hz, 0.6 Hz), 8.00-8.08(1H, m)。
【0091】
(第5工程)7−メチル−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(IIa)
【0092】
【化24】
Figure 0003710502
【0093】
第4工程で得られた7−メチル−5−オキソ−10−フェニルセレニル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(3.34g, 8.3mmol)を塩化メチレン(30ml)に溶解し、メタクロロ過安息香酸(3.6g, 80%純度,16.69mmol)を加えて、室温で30分間撹拌した。反応溶液を氷水に加え、有機層を分離した。水層を塩化メチレンで2回抽出し、先の有機層と合わせた。抽出液を亜硫酸ナトリウム溶液、炭酸水素ナトリウム溶液、飽和食塩水で洗浄後、乾燥した。塩化メチレンを留去し、得られた残留物をメタノールで結晶化させると1.81g(収率:88.9%)の標題化合物(IIa)が得られた。
【0094】
NMR(CDCl3)δ:2.51(3H, s), 7.26-7.74(5H, m), 7.94-8.00(2H, m), 8.10-8.16(1H, m)。
【0095】
[参考例2]3−メチル−11−(トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(VIa)の調製
(第1工程)3−メチル−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン
【0096】
【化25】
Figure 0003710502
【0097】
参考例1で得られた7−メチル−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(IIa)(20.0g,81.5mmol)をDMF(200ml)に溶解し、トリメチルスズアジド(33.0g,160mmol)を加えて120℃で24時間攪拌した。反応液を濃縮後、得られた残留物をメタノール−塩化メチレンに懸濁し、4N水酸化ナトリウム(50ml)を加えて溶解した。溶液を室温で15分間攪拌した後、溶媒を留去し、得られた残留物を水に溶解した。それを塩化メチレンで3回洗浄した後、塩酸を用いて溶液を中性にし、塩化メチレンで2回抽出した。抽出液を濃縮し、メタノールに溶解した後、6N塩酸(20ml)を加えて室温で15分間攪拌した。生じた沈殿を濾取し、メタノールで洗浄後、メタノールから再結晶すると17.4g(収率:74%)の標題化合物が得られた。
【0098】
NMR(CDCl3)δ:2.42(3H,s),7.17(1H,d,J=8.2Hz),7.30−7.38(1H,m),7.54−7.68(3H,m),7.72−7.76(1H,m),7.79(1H,s),7.92−7.98(1H,m)。
【0099】
(第2工程)3−メチル−11−(トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(VIa)
【0100】
【化26】
Figure 0003710502
【0101】
第1工程で得られた3−メチル−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(9.36g,32.5mmol)とトリエチルアミン(4.00g,39.5mmol)をTHF(100ml)に溶解し、塩化トリチル(10.4g,37.3mmol)を加えて、室温で90分間攪拌した。生じた沈殿を濾取し、THF、水、エタノールで順次洗浄した後、得られた結晶を乾燥して15.1g(収率:89%)の標題化合物(VIa)を得た。また、濾液を濃縮後クロロホルムに溶解し、水洗、乾燥し、濃縮して得た残留物をエタノールで結晶化させると、さらに1.76g(収率:10%)の標題化合物(VIa)が得られた。
【0102】
NMR(CDCl3)δ:2.43(3H,s),7.12−7.40(17H,m),7.45−7.62(3H,m),7.75−7.80(1H,m),7.95−8.00(2H,m)。
【0103】
[参考例3]7−メチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル(Xc)の調製
(第1工程)5−ニトロ−2−m−トリルオキシ−ベンズアルデヒド
【0104】
【化27】
Figure 0003710502
【0105】
m−クレゾール(29.3g,270mmol)、2−クロロ−5−ニトロベンズアルデヒド(50.3g,270mmol)および0.63N水酸化ナトリウム水溶液(40ml,313mmol)との混合液を2時間加熱還流した。冷却後、トルエンで抽出し、有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液、水で順次洗浄、乾燥した。溶媒を留去後、得られた残留物をイソプロピルエーテル−n−ヘキサンから再結晶すると、プリズム晶として標題化合物(51.8g,収率:75%)が得られた。
【0106】
融点:74−75℃
NMR(CDCl3)δ:2.41(3H,d,J=0.4Hz),6.92(1H,d,J=9.2Hz),6.96(1H,brd,J=7.6Hz),6.98(1H,brs),7.15(1H,brd,J=7.6Hz),7.37(1H,dt,J=7.6Hz,1.4Hz),8.31(1H,dd,J=9.2Hz,3.0Hz),8.79(1H,d,J=3.0Hz)
元素分析:C14H11NO4として
計算値(%):C,65.37;H,4.31;N,5.44
実測値(%):C,65.32;H,4.48;N,5.60。
【0107】
(第2工程)2−メチル−4−(5−ニトロ−2−m−トリルオキシ−ベンジリデン)−4H−オキサゾール−5−オン
【0108】
【化28】
Figure 0003710502
【0109】
第1工程で得られた5−ニトロ−2−m−トリルオキシ−ベンズアルデヒド(2.74g,10.6mmol)、N−アセチルグリシン(1.25g,10.6mmol)および炭酸水素カリウム(1.06g,10.6mmol)を無水酢酸(8ml)に懸濁し、40℃で16時間攪拌した。
反応混合物をイソプロピルエーテル(10ml)とn−ヘキサン(4ml)で希釈した。
析出物を濾取、水洗、乾燥すると、黄色針状晶の標題化合物(2.16g,収率:60%)が得られた。
【0110】
融点:165−166℃
NMR(CDCl3)δ:2.30(3H,s),2.48(3H,d,J=0.4Hz),6.83(1H,d,J=9.2Hz),6.89(1H,d,J=7.6Hz),6.91(1H,brs),7.10(1H,d,J=7.6Hz),7.33(1H,dt,J=7.6Hz,1.4Hz),7.71(1H,s),8.14(1H,dd,J=9.2Hz,2.8Hz),9.65(1H,d,J=2.8Hz)。
【0111】
(第3工程)7−メチル−2−ニトロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸
【0112】
【化29】
Figure 0003710502
【0113】
第2工程で得られた2−メチル−4−(5−ニトロ−2−m−トリルオキシ−ベンジリデン)−4H−オキサゾール−5−オン(8.83g,26.1mmol)、酢酸(85ml)、濃塩酸(30ml)および水(50ml)の混合物を8時間加熱還流した。冷却後、析出する結晶を濾取し、水洗、乾燥した。この粗結晶を90%メタノール(40ml)と処理することにより、標題化合物(4.95g 収率:64%)が得られた。
【0114】
融点:221−222℃ 再結晶溶媒:ジクロロメタン−メタノール
NMR(DMSO−d6)δ:2.33(3H,s),7.10(1H,dd,J=8.0Hz,0.8Hz),7.24(1H,d,J=0.8Hz),7.43(1H,d,J=8.0Hz),7.57(1H,d,J=8.8Hz),7.93(1H,s),8.32(1H,dd,J=8.8Hz,2.8Hz),8.46(1H,d,J=2.8Hz)元素分析:C16H11NO5・0.5H2Oとして
計算値(%):C,62.74;H,3.95;N,4.57
実測値(%):C,62.98;H,4.20;N,4.41。
【0115】
(第4工程)7−メチル−2−ニトロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル
【0116】
【化30】
Figure 0003710502
【0117】
第3工程で得られた7−メチル−2−ニトロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(22.5g,75.8mmol)をベンゼン(150ml)に懸濁し、一滴のDMFと塩化チオニル(16.2ml,227mmol)を加え、1時間還流した。反応液を濃縮し、得られた残留物をジクロロメタン(265ml)に溶解し、ピリジン(12.2ml)を含むメタノール(150ml)溶液に滴下した。1時間後、反応液を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水、1N塩酸、水、重ソウ水で順次洗浄し、乾燥した後溶媒を留去すると、結晶として標題化合物(23.2g 収率:98%)が得られた。
【0118】
融点:148−149℃ 再結晶溶媒:ジクロロメタン−メタノール
NMR(CDCl3)δ:2.37(3H,s),3.94(3H,s),7.05(1H,brm),7.07(1H,s),7.33(1H,d,J=8.4Hz),7.40(1H,d,J=8.8Hz),7.80(1H,s),8.20(1H,d,J=2.6Hz),8.23(1H,dd,J=8.8Hz,2.6Hz)
元素分析:C17H13NO5として
計算値(%):C,65.59;H,4.21;N,4.50
実測値(%):C,65.63;H,4.35;N,4.43。
【0119】
(第5工程)2−アミノ−7−メチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル
【0120】
【化31】
Figure 0003710502
【0121】
硫酸第1鉄7水和物(25.6g,92mmol)を水(60ml)に溶解し、トリエチルアミン(12.8ml,92mmol)を加えた。この青色懸濁液に第4工程で得られた7−メチル−2−ニトロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル(3.12g,10mmol)のメタノール(30ml)−ジオキサン(30ml)溶液を加え、30分間攪拌還流した。析出する無機物をセライトを用いて濾過、メタノールで洗浄し、その洗浄液と濾液を合わせて濃縮後、得られた残留物をジクロロメタンで抽出した。有機層を水洗し、乾燥後、溶媒を留去、残留物をエタノール−n−ヘキサンから再結晶すると、淡黄色のプリズム晶として標題化合物(2.79g,収率:90%)が得られた。
【0122】
融点:135−136℃
NMR(CDCl3)δ:2.34(3H,s),3.89(3H,s),6.59(1H,d,J=2.8Hz),6.67(1H,dd,J=8.4Hz,2.8Hz),6.96(1H,brm),7.02(1H,d,J=8.4Hz),7.02(1H,s),7.35(1H,d,J=8.0Hz),7.76(1H,s)
元素分析:C17H15NO3として
計算値(%):C,72.58;H,5.37;N,4.98
実測値(%):C,72.58;H,5.58;N,5.03。
【0123】
(第6工程)7−メチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル(Xc)
【0124】
【化32】
Figure 0003710502
【0125】
第5工程で得られた2−アミノ−7−メチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル(2.81g,9.53mmol)を水(9.5ml)に懸濁し、1N塩酸(19ml)を加えて、室温で20分間攪拌後、氷冷した。これに亜硝酸ナトリウム(0.72g,10.5mmol)の水(4.8ml)溶液を滴下し、100分間攪拌した後、反応液を50%次亜リン酸溶液(19ml)に徐々に加えた。2.5時間後、反応液をジクロロメタンで抽出し、有機層を水洗、乾燥した。溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製した。トルエン−n−ヘキサン(2:1 v/v)で溶出する画分を濃縮し、イソプロピルエーテル−n−ヘキサンから再結晶すると、針状晶として標題化合物(Xc)(1.60g,収率:63%)が得られた。
【0126】
融点:111−112℃
NMR(CD3OD)δ:2.34(3H,s),3.89(3H,s),7.00(1H,m),7.07(1H,s),7.20−7.50(5H,m),7.82(1H,s)
元素分析:C17H14O3として
計算値(%):C,76.68;H,5.30
実測値(%):C,76.50;H,5.40。
【0127】
[参考例4]7−メチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボニトリル(IIc)の調製
(第1工程)7−メチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸
【0128】
【化33】
Figure 0003710502
【0129】
参考例3で得られた7−メチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル(Xc)(4.0g,15mmol)のメタノール(12ml)溶液に1N水酸化ナトリウム(20ml)を加え、1時間還流した。1N塩酸で中和し、析出する結晶を濾取、水洗、乾燥して標題化合物(3.7g,収率:98%)を得た。
【0130】
融点:197−199℃ 再結晶溶媒:アセトン−n−ヘキサン
NMR(CDCl3)δ:2.36(3H,s),7.02(1H,d,J=8.0Hz),7.05(1H,brs),7.15−7.45(4H,m),7.51(1H,d,J=8.8Hz),8.06(1H,s)
元素分析:C16H12O3として
計算値(%):C,75.37;H,4.86
実測値(%):C,75.64;H,4.83。
【0131】
(第2工程)7−メチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸アミド
【0132】
【化34】
Figure 0003710502
【0133】
第1工程で得られた7−メチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(3.59g,14.2mmol)をベンゼン(28ml)に懸濁し、一滴のDMFと塩化チオニル(3ml)を加えて、1時間還流した。反応液を濃縮後、残留物をTHF(10ml)に溶解し、濃アンモニア水(20ml)に加え、攪拌した。15分後、反応液を濃縮し、析出した結晶を濾取、水洗、乾燥した。本品をエタノールから再結晶すると、針状晶の標題化合物(3.11g,87%)が得られた。
【0134】
融点:148−149℃
NMR(DMSO−d6)δ:2.35(3H,s),7.00(1H,m),7.09(1H,brs),7.10−7.40(6H,m)
元素分析:C16H13NO2として
計算値(%):C,76.48;H,5.21;N,5.57
実測値(%):C,76.26;H,5.42;N,5.72。
【0135】
(第3工程)7−メチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボニトリル(IIc)
【0136】
【化35】
Figure 0003710502
【0137】
第2工程で得られた7−メチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸アミド(160mg,0.64mmol)と塩化チオニル(1ml)の混合物を1時間還流し、濃縮して得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製した。ジクロロメタンで溶出する画分を濃縮し、標題化合物(IIc)(140mg,収率:94%)を得た。
【0138】
融点:131−133℃
NMR(CDCl3)δ:2.37(3H,s),7.05(2H,m),7.10−7.30(3H,m),7.40−7.50(3H,m)。
【0139】
[実施例1]7−(5,7−ジメチル−2−プロピル−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(Ia−1)の合成
(第1工程)7−ブロモメチル−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(IIIa)
【0140】
【化36】
Figure 0003710502
【0141】
参考例1で得られた7−メチル−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(IIa)(2.45g, 10mmol)を四塩化炭素(300ml)に懸濁し、過酸化ベンゾイル(ラジカル開始剤)存在下、NBS(1.86g, 10.5mmol)を加えて、48時間加熱還流した。溶液を減圧下濃縮し、残留物に酢酸エチルを加えて溶解した。溶液を水洗し、飽和食塩水で洗浄後、乾燥した。酢酸エチルを留去し、得られた残留物をジエチルエーテルで結晶化させると2.0g(収率:64%)の標題化合物(IIIa)が得られた。
【0142】
NMR(CDCl3)δ:4.59(2H, s), 7.50-8.18(8H, m)。
【0143】
(第2工程)7−(5,7−ジメチル−2−プロピル−イミダゾ[4,5-b]ピリジン−3−イルメチル)−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(IVa−1)
【0144】
【化37】
Figure 0003710502
【0145】
n−ヘキサンで洗浄した水素化ナトリウム(70mg, 2.92mmol)をDMF(20ml)に懸濁し、これに5,7−ジメチル−2−プロピル−イミダゾ[4,5-b]ピリジン(380mg, 2mmol)を−60℃にて加えた。反応溶液を室温に戻し10分撹拌した後、第1工程で得られた7−ブロモメチル−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(IIIa)(940mg, 純度75%, 2.26mmol)を−60℃にて加えた。反応溶液を−45℃から−40℃にて2時間撹拌した後、塩化アンモニウム−氷水に加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を3回水洗し、飽和食塩水で洗浄後、乾燥した。酢酸エチルを留去し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し精製した。クロロホルム−酢酸エチル(4:1 v/v)で溶出する画分を濃縮し、結晶として680mg(収率:78.6%)の標題化合物(IVa−1)を得た。本品をn−ヘキサン−酢酸エチルから再結晶すると、融点232−233℃の無色結晶が得られた。
【0146】
NMR(CDCl3)δ:0.97(3H, t, J=7.4 Hz), 1.77(2H, dd, J=7.7 Hz, 3.9 Hz), 2.58(3H, s), 2.64(3H, s), 2.75(2H, t, J=7.8 Hz), 5.59(2H, s), 6.91(1H, d, J=0.2 Hz), 7.42(1H, dd, J=8.4 Hz, 2.0 Hz), 7.58-7.78(4H, m), 7.96-8.00(3H, m), 8.01-8.13(1H, m)
元素分析 : C28H24N4O として
計算値(%): C,77.75; H,5.59; N,12.95
実測値(%): C,77.72; H,5.85; N,12.91。
【0147】
(第3工程)7−(5,7−ジメチル−2−プロピル−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(Ia−1)
【0148】
【化38】
Figure 0003710502
【0149】
第2工程で得られた7−(5,7−ジメチル−2−プロピル−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(IVa−1)(200mg, 0.46mmol)とトリメチルスズアジド(280mg, 1.36mmol)をキシレン(5ml)に懸濁し、130℃で72時間撹拌した。冷却後キシレンを留去し、残留物をメタノール(5ml)に溶解し、1N 塩酸(2ml)を加え、室温で15分間撹拌した。溶液を水に加え、クロロホルムで2回抽出し、有機層を乾燥した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し精製した。クロロホルム−メタノール(8:1 v/v)で溶出する画分を濃縮し、結晶として96mg(収率:44%)の標題化合物(Ia−1)を得た。本品をメタノールから再結晶すると、融点278−281℃の無色結晶が得られた。
【0150】
NMR(CDCl3 - CD3OD)δ:0.96(3H, t, J=7.3 Hz), 1.69-1.81(2H, m), 2.58(3H, s), 2.63(3H, s), 2.72-2.80(2H, m), 5.58(2H, s), 6.96(1H, s), 7.18-7.28(2H, m), 7.58-7.98(6H, m)
元素分析 : C28257O・0.3H2Oとして
計算値(%): C,69.92; H,5.37; N,20.39
実測値(%): C,69.94; H,5.43; N,20.19。
【0151】
[実施例2]7−(5,7−ジメチル−2−プロピル−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(Ib−1)の合成
(第1工程)7−(5,7−ジメチル−2−プロピル−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(IVb)
【0152】
【化39】
Figure 0003710502
【0153】
実施例1の第2工程で得られた7−(5,7−ジメチル−2−プロピル−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(IVa−1)(430mg, 1mmol)のエタノール(10ml)懸濁液に、水素化ホウ素ナトリウム(76mg, 1mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液を酢酸エチル−水に分配し、水層をさらに酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥した。溶媒を留去した後、残留物をアセトニトリル(10ml)に懸濁し、これにヨウ化ナトリウム(600mg, 4mmol)、ついでジメチルジクロロシラン(260mg, 2mmol)を加えた。反応溶液を室温で1時間撹拌し、これを酢酸エチルで希釈した。溶液を水洗し、炭酸水素ナトリウム、10%チオ硫酸ナトリウム、飽和食塩水で洗浄後、乾燥した。酢酸エチルを留去し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し精製した。クロロホルム−酢酸エチル(4:1 v/v)で溶出する画分を濃縮し、結晶として190mg(収率:45%)の標題化合物(IVb−1)を得た。
【0154】
NMR(CDCl3)δ:0.93(3H, t, J=7.4 Hz), 1.68-1.81(2H, m), 2.58(3H, s), 2.64(3H, s), 2.70(2H, t, J=7.9 Hz), 3.66(2H, s), 5.48(2H, s), 6.91(1H, s), 7.04-7.08(2H, m), 7.23-7.45(4H, m), 7.61-7.66(1H, m), 7.75(1H, s)。
【0155】
(第2工程)7−(5,7−ジメチル−2−プロピル−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(Ib−1)
【0156】
【化40】
Figure 0003710502
【0157】
第1工程で得られた 7−(5,7−ジメチル−2−プロピル−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(IVb−1)(190mg, 0.45mmol)とトリメチルスズアジド(280mg, 1.36mmol)をキシレン(5ml)に懸濁し、130℃で24時間撹拌した。冷却後キシレンを留去し、残留物をメタノール(5ml)に溶解し、1N 塩酸(2ml)を加えて室温で15分間撹拌した。溶液を水に加え、クロロホルムで2回抽出し、有機層を乾燥した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し精製した。クロロホルム−メタノール(8:1 v/v)で溶出する画分を濃縮し、結晶として160mg(収率:76%)の標題化合物(Ib−1)を得た。本品をメタノールから再結晶すると、融点 254-257℃の無色結晶が得られた。
【0158】
NMR(CDCl3- CD3OD)δ:0.93(3H, t, J=7.4 Hz), 1.62-1.81(2H, m), 2.57(3H, s), 2.65(3H, s), 2.70-2.80(2H, m), 3.71(2H, s), 5.47(2H, s), 6.84-7.15(4H, m), 7.25-7.50(4H, m), 8.13(1H, s)
元素分析 : C28277 として
計算値(%): C,72.86; H,5.90; N,21.24
実測値(%): C,72.83; H,5.99; N,21.10。
【0159】
[実施例3]3−(5,7−ジメチル−2−エチル−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(Ia−2)の合成
【0160】
【化41】
Figure 0003710502
【0161】
公知の方法(J.Med.Chem.,34,2919(1991))で得られる2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンを用い、実施例1に準じて標題化合物(Ia−2)を得た。
【0162】
融点:272−274℃(分解) 再結晶溶媒:メタノール
NMR(CDCl3−CD3OD)δ:1.32(3H,t,J=7.6Hz),2.59(3H,s),2.64(3H,s),2.82(2H,q,J=7.6Hz),5.59(2H,s),6.97(1H,s),7.20−7.30(2H,m),7.60−7.75(3H,m),7.81(1H,d,J=0,8Hz),7.87(1H,s),7.96(1H,d,J=7.0Hz)
元素分析:C27H23N7Oとして
計算値(%):C,70.27;H,5.02;N,21.24
実測値(%):C,70.11;H,5.20;N,21.11。
【0163】
[実施例4]3−(2−シクロプロピル−5,7−ジメチル−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(Ia−3)の合成
【0164】
【化42】
Figure 0003710502
【0165】
公知の方法(J.Med.Chem.,34,2919(1991))に準じて合成される2−シクロプロピル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンを用い、実施例1に準じて標題化合物(Ia−3)を得た。
【0166】
融点:261−264℃(分解) 再結晶溶媒:メタノール
NMR(CDCl3−CD3OD)δ:1.00−1.20(4H,m),1.80−1.92(1H,m),2.56(3H,s),2.59(3H,s),5.70(2H,s),6.93(1H,s),7.28−7.31(2H,m),7.60−7.70(3H,m),7.85−7.90(2H,m),7.96(1H,d,J=7.0Hz)
元素分析:C28H23N7O・0.3H2Oとして
計算値(%):C,70.22;H,4.97;N,20.47
実測値(%):C,70.39;H,4.98;N,20.32。
【0167】
[実施例5]2−ブチル−5−クロロ−4−ホルミル−3−[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル]−3H−イミダゾール(Ia−4)の合成
【0168】
【化43】
Figure 0003710502
【0169】
公知の方法(J.Med.Chem.,34,2525(1991))で得られる2−ブチル−5−クロロ−4−ホルミル−3H−イミダゾールを用い、実施例1に準じて粉末として化合物(Ia−4)を得た。
【0170】
NMR(CDCl3)δ:0.85(3H,t,J=7.2Hz),1.25−1.45(2H,m),1.55−1.75(2H,m),2.64(2H,t,J=7.6Hz),5.60(2H,s),7.14(1H,dd,J=7.8Hz,1.2Hz),7.37(1H,d,J=8.2Hz),7.48−7.68(3H,m),7.93(1H,d,J=7.8Hz),9.68(1H,s)
元素分析:C25H21N6O2Cl・1.3H2Oとして
計算値(%):C,60.42;H,4.80;N,16.91;Cl,7.13
実測値(%):C,60.61;H,4.78;N,16.66;Cl,6.46。
【0171】
[実施例6]7−オキソ−4−[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル]−6−プロピル−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステル(Ia−5)の合成
【0172】
【化44】
Figure 0003710502
【0173】
公知の方法(特願平6-42876)で得られる7−オキソ−6−プロピル−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステルを用い、実施例1に準じて標題化合物(Ia−5)を得た。
【0174】
融点:271−274℃(分解) 再結晶溶媒:エタノール
NMR(CDCl3−CD3OD)δ:0.95(3H,t,J=7.5Hz),1.33(3H,t,J=7.3Hz),1.58−1.76(2H,m),2.52(2H,t,J=7.6Hz),4.27(2H,q,J=7.3Hz),6.08(2H,s),7.34−7.42(2H,m),7.48(1H,s),7.60−7.75(3H,m),7.83(1H,s),7.86(1H,s),7.97(1H,d,J=7.4Hz)
元素分析:C29H25N7O4・0.1H2Oとして
計算値(%):C,65.04;H,4.71;N,18.31
実測値(%):C,64.71;H,4.80;N,18.14。
【0175】
[実施例7]6−アミノ−2−ブチル−3−[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテシ−3−イルメチル]−3H−キナゾリン−4−オン(Ia−6)の合成
【0176】
【化45】
Figure 0003710502
【0177】
公知の方法(J.Med.Chem.,36,3207(1993))で得られる2−ブチル−6−ニトロ−3H−キナゾリン−4−オンを用い、実施例1に準じて6−ニトロ−2−ブチル−3−[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクヘプテン−3−イルメチル]−3H−キナゾリン−4−オンを得た。これを塩化第一スズで還元して、粉末として標題化合物(Ia−6)を得た。
【0178】
NMR(CDCl3−CD3OD)δ:0.88(3H,t,J=7.4Hz),1.28−1.48(2H,m),1.63−1.83(2H,m),2.70(2H,t,J=7.8Hz),2.97(2H,brs),5.45(2H,s),7.16(1H,dd,J=8.8Hz,2.6Hz),7.27(2H,s),7.39(1H,d,J=2.6Hz),7.52(1H,d,J=8.8Hz),7.56−7.67(3H,m),7.80(1H,s),7.90(1H,s),7.94(1H,d,J=7.2Hz)
元素分析:C29H25N7O2・0.5H2O・0.3Et2Oとして
計算値(%):C,67.81;H,5.50;N,18.25
実測値(%):C,67.92;H,5.29;N,18.26。
【0179】
[実施例8]2−エチル−4−[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメトキシ]−キノリン−6−カルボン酸エチルエステル(Ia−7)の合成
(第1工程)3−ブロモメチル−11−(トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(VIIa)
【0180】
【化46】
Figure 0003710502
【0181】
参考例2で得られた3−メチル−11−(トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(VIa)(16.9g,32.5mmol)をジクロロエタン(660ml)に懸濁し、NBS(5.94g,33.4mmol)とAIBN(300mg,1.83mmol)を加えて3時間加熱還流した。反応溶液を室温に戻し、1N水酸化ナトリウム溶液、水および飽和食塩水で順次洗浄した後、乾燥した。ジクロロエタンを留去し、得られた残留物をジイソプロピルエーテルで結晶化させて標題化合物(VIIa)(12.91g 収率:66.9%)を得た。
【0182】
(第2工程)2−エチル−4−[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメトキシ]−キノリン−6−カルボン酸エチルエステル(Ia−7)
【0183】
【化47】
Figure 0003710502
【0184】
第1工程で得られた3−ブロモメチル−11−(トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(VIIa)(707mg,1.72mmol)と2−エチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−6−カルボン酸エチルエステル(400mg,1.63mmol)をアセトニトリル(15ml)に懸濁し、炭酸カリウム(340mg,2.45mmol)を加えて、4時間加熱還流した。反応溶液を室温に戻した後、水に添加し、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を2回水洗し、飽和食塩水で洗浄後、乾燥した。酢酸エチルを留去して得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し精製した。n−ヘキサン−酢酸エチル(2:1 v/v)で溶出する画分を濃縮した後、残留物をエタノール(20ml)に懸濁し、濃塩酸(1ml)を加えて室温で15分間攪拌した。反応液を室温に戻した後、水に加え、重ソウ水を用いて中性にした。この溶液をジクロロメタンで2回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥した。ジクロロメタンを留去し、結晶として標題化合物(Ia−7)(520mg 収率:60%)を得た。本品をエタノールから再結晶すると、融点171−173℃の無色結晶が得られた。
【0185】
NMR(CDCl3−CD3OD)δ:1.35−1.45(6H,m),2.99(2H,q,J=7.8Hz),4.45(2H,q,J=7.2Hz),5.40(2H,s),6.82(1H,s),7.42(1H,d,J=8.2Hz),7.60−7.73(4H,m),7.98−8.11(4H,m),8.30(1H,dd,J=9.0Hz,1.8Hz),8.90(1H,d,J=2.0Hz)
元素分析:C31H25N5O4・0.5EtOH・0.5H2Oとして
計算値(%):C,68.19;H,5.19;N,12.43
実測値(%):C,67.95;H,5.26;N,12.37。
【0186】
[実施例9]2−エチル−4−[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメトキシ]−キノリン−6−カルボン酸(Ia−8)の合成
【0187】
【化48】
Figure 0003710502
【0188】
実施例8で得られた2−エチル−4−[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメトキシ]−キノリン−6−カルボン酸エチルエステル(Ia−7)(100mg,0.19mmol)をエタノール(5ml)に溶解し、4N水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)を加えて、30分間還流した。反応液を濃縮後、水に溶解し、1N塩酸(2.5ml)を加えて析出する固体を濾取した。エタノールで洗浄後、本品をメタノールから再結晶すると標題化合物(Ia−8)(30mg,収率:32%)が得られた。
【0189】
融点:300℃以上
NMR(DMSO−d6)δ:1.33(3H,t,J=7.7Hz),2.92(2H,q,J=7.7Hz),5.49および5.60(合わせて2H,各シグナルはs),7.22(1H,d,J=2.6Hz),7.30−7.56(4H,m),7.64−8.20(6H,m),8.70−8.74(1H,m)
元素分析:C29H21N5O4・1.5H2Oとして
計算値(%):C,65.65;H,4.56;N,13.20
実測値(%):C,65.72;H,4.83;N,13.29。
【0190】
[実施例10]2−ブチル−5−クロロ−3−[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル]−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル(Ia−9)の合成
【0191】
【化49】
Figure 0003710502
【0192】
公知の方法(J.0rg.Chem.,58,4642(1993))で得られる2−ブチル−5−クロロ−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステルを用い、実施例8に準じて標題化合物(Ia−9)を得た。
【0193】
融点:158−161℃ 再結晶溶媒:エーテル
NMR(CDCl3−CD3OD)δ:0.86(3H,t,J=7.2Hz),1.25−1.45(2H,m),1.55−1.75(2H,m),2.64(2H,t,J=7.6Hz),3.82(3H,s),5.65(2H,s),7.13(1H,dd,J=8.0Hz,1.6Hz),7.39(1H,d,J=8.2Hz),7.55−7.69(4H,m),7.82(1H,s),7.98(1H,d,J=7.2Hz)
元素分析:C26H23N6O3Cl・1.2H2O・0.25Et2Oとして
計算値(%):C,59.93;H,4.82;N,15.53;Cl,6.55
実測値(%):C,59.96;H,4.82;N,15.53;Cl,6.26。
【0194】
[実施例11]2−ブチル−5−クロロ−3−[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル]−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(Ia−10)の合成
【0195】
【化50】
Figure 0003710502
【0196】
実施例10で得られた2−ブチル−5−クロロ−3−[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル]−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル(Ia−9)を実施例9に準じて加水分解し、標題化合物(Ia−10)を得た。
【0197】
融点:134−137℃ 再結晶溶媒:エーテル
NMR(CDCl3−CD3OD)δ:0.84(3H,t,J=7.4Hz),1.20−1.40(2H,m),1.55−1.75(2H,m),2.63(2H,t,J=7.6Hz),5.62(2H,s),7.12(1H,dd,J=8.2Hz,1.8Hz),7.28(1H,d,J=8.2Hz),7.55−7.69(4H,m),7.89(1H,s),7.96(1H,d,J=7.0Hz)
元素分析:C25H21N6O3Cl・0.4H2O・0.5Et2Oとして
計算値(%):C,60.82;H,5.07;N,15.76;Cl,6.65
実測値(%):C,60.74;H,5.02;N,16.05;Cl,6.77。
【0198】
[実施例12]2,6−ジメチル−4−[[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル]アミノ]−ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(Ia−11)の合成
【0199】
【化51】
Figure 0003710502
【0200】
公知の方法(Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters,4,139(1994))に準じて合成される4−アミノ−2,6−ジメチルピリジン−3−カルボン酸エチルエステルと塩基としてリチウムビストリメチルシリルアミドを用い、実施例8に準じて標題化合物(Ia−11)を得た。
【0201】
融点:235℃(分解) 再結晶溶媒:エタノール
NMR(CD3OD)δ:1.43(3H,t,J=7.4Hz),2.45(3H,s),2.73(3H,s),4.48(2H,q,J=7.4Hz),4.85(2H,d,J=6.0Hz),6.83(1H,s),7.35(1H,d,J=8.5Hz),7.60−7.80(7H,m),9.42(1H,brt,J=6.0Hz)
元素分析:C27H24N6O3・HClとして
計算値(%):C,62.73;H,4.87;N,16.26;Cl,6.86
実測値(%):C,62.41;H,4.89;N,16.17;Cl,6.70。
【0202】
[実施例13]2,6−ジメチル−4−[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメトキシ]−ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(Ia−12)の合成
【0203】
【化52】
Figure 0003710502
【0204】
公知の方法(Chem.Pharm.Bu11.,31,4300(1983))で得られる2,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸エチルエステルを用い、実施例8に準じて標題化合物(Ia−12)を得た。
【0205】
融点:217−219℃(分解) 再結晶溶媒:酢酸エチル−メタノール
NMR(CDCl3−CD3OD)δ:1.39(3H,t,J=7.2Hz),2,47(3H,s),2.49(3H,s),4.45(2H,q,J=7.2Hz),5.26(2H,s),6.70(1H,s),7.40−7.73(5H,m),7.90−8.00(3H,m)
元素分析:C27H23N5O4・0.2EtOAcとして
計算値(%):C,66.90;H,4.97;N,14.03
実測値(%):C,66.68;H,5.01;N,14.06。
【0206】
[実施例14]3−(2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−4−イルオキシメチル)−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(Ia−13)の合成
【0207】
【化53】
Figure 0003710502
【0208】
公知の方法(Chem.Ber.,94,486(1961))で得られる2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−1H−キノリン−4−オンを用い、実施例8に準じて標題化合物(Ia−13)を得た。
【0209】
融点:205−207℃(分解) 再結晶溶媒:メタノール
NMR(CDCl3−CD3OD)δ:1.80−1.95(4H,m),2.55(3H,s),2.65−2.78(2H,m),2.80−2.90(2H,m),5.38(2H,s),6.97(1H,s),7.50−7.76(5H,m),7.85(1H,s)
元素分析:C27H23N5O2・H2Oとして
計算値(%):C,69.36;H,5.39;N,14.98
実測値(%):C,69.56;H,5.55;N,14.69。
【0210】
[実施例15]3−(2−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−4−イルオキシメチル)−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(Ia−14)の合成
【0211】
【化54】
Figure 0003710502
【0212】
公知の方法(Tetrahedron,25,255(1969))に準じて合成される2−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−1H−キノリン−4−オンを用い、実施例8に準じて標題化合物(Ia−14)を得た。
【0213】
融点:189−192℃(分解) 再結晶溶媒:メタノール
NMR(CDCl3−CD3OD)δ:1.31(3H,t,J=7.6Hz),1.80−1.95(4H,m),2.68−2.95(6H,m),5.42(2H,s),7.00(1H,s),7.50−7.76(3H,m),7.65−7.78(2H,m),7.85(1H,s),7.90−8.05(2H,m)
元素分析:C28H25N5O2・1.6H2Oとして
計算値(%):C,68.31;H,5.77;N,14.22
実測値(%):C,68.37;H,5.56;N,14.27。
【0214】
[実施例16]3−(2−エチルキノリン−4−イルオキシメチル)−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン塩酸塩(Ia−15)の合成
【0215】
【化55】
Figure 0003710502
【0216】
2−エチル−1H−キノリン−4−オンを用い、実施例8に準じて標題化合物(Ia−15)を得た。
【0217】
融点:210−212℃ 再結晶溶媒:エタノール
NMR(CDCl3−CD3OD)δ:1.54(3H,t,J=7.6Hz),3.26(2H,q,J=7.6Hz),5.72(2H,s),7.37(1H,s),7.46(1H,s),7.57(1H,d,J=8.2Hz),7.60−7.82(4H,m),7.91(1H,s),8.00−8.28(2H,m),8.37−8.42(1H,m)
元素分析:C28H21N5O2・HCl・0.75H2Oとして
計算値(%):C,66.49;H,4.66;N,13.85;Cl,6.31
実測値(%):C,66.37;H,4.64;N,14.05;Cl.6.20。
【0218】
[実施例17]3−(2−エチル−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イルオキシメチル)−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(Ia−16)
【0219】
【化56】
Figure 0003710502
【0220】
公知の方法(ヨ−ロッパ特許出願公開第499414号)で得られる2−エチル−6−メトキシ−1H−[1,5]ナフチリジン−4−オンを用い、実施例8に準じて標題化合物(Ia−16)を得た。
【0221】
融点:119−121℃ 再結晶溶媒:メタノール
NMR(DMSO−d6)δ:1.40(3H,t,J=7.6Hz),3.08(2H,q,J=7.6Hz),4.11(3H,s),5.79(2H,s),7.49(1H,d,J=2.4Hz),7.53(1H,d,J=3.2Hz),7.65−7.96(7H,m),8.29(1H,d,J=1.6Hz),8.36(d,1H,J=9.0Hz)
元素分析:C28H22N6O3・0.4H2Oとして
計算値(%):C,67.57;H,4.62;N,16.88
実測値(%):C,67.68;H,4.57;N,16.86。
【0222】
[実施例18]2−エトキシ−3−[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル]−3H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸(Ia−17)の合成
(第1工程)2−[t−ブトキシカルボニル−(11−シアノ−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル)−アミノ]−3−ニトロ−安息香酸メチル(XIVa−1)
【0223】
【化57】
Figure 0003710502
【0224】
公知の方法(J.Med.Chem.,36,1772(1993))で得られるメチル2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−ニトロ安息香酸エチル(3.61g,12.2mmol)と実施例1第1工程で得られた7−ブロモメチル−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(IIIa)(5.00g,純度75%,12.2mmol)をアセトニトリル(100ml)に懸濁し、炭酸カリウム(1.90g,13.7mmol)を加えて4時間加熱還流した。反応液を濃縮後、残留物を酢酸エチル−水に分配し、有機層を乾燥した。溶媒を留去した後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製した。ジクロロメタン−酢酸エチル(30:1 v/v)で溶出する画分を濃縮し、結晶として標題化合物(XIVa−1)(5.68g 収率:86%)を得た。
【0225】
融点:178−180℃
NMR(CDCl3)δ:1.34および 1.57(合わせて9H,各シグナルはs),3.72(3H,s),4.72および 4.85(2H,ABq,J=16Hz),7.45−8.15(11H,m)
元素分析:C30H25N3O7として
計算値(%):C,66.78;H,4.67;N,7.79
実測値(%):C,66.78;H,4.73;N,7.79。
【0226】
(第2工程)2−[(11−シアノ−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル)−アミノ]−3−ニトロ−安息香酸メチル(XIVa−2)
【0227】
【化58】
Figure 0003710502
【0228】
第1工程で得られた2−[t−ブトキシカルボニル−(11−シアノ−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル)−アミノ]−3−ニトロ−安息香酸メチル(XIVa−1)(5.50g,10.2mmol)のジクロロメタン(55ml)溶液にトリフルオロ酢酸(15ml)を加え、室温で1時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた残留物をジクロロメタン−飽和重ソウ水に分配した。有機層を水洗し、乾燥後濃縮して溶媒を留去した。得られた残留物をn−ヘキサンから結晶化すると標題化合物(XIVa−2)(4.39g 収率:98%)が得られた。
【0229】
融点:204−206℃
NMR(CDCl3)δ:3.90(3H,s),4.32(2H,d,J=6.0Hz),6.76(1H,t,J=10Hz),7.57−7.66(4H,m),7.80(1H,s),7.95−8.15(5H,m),8.90(1H,brt,J=6.0Hz)
元素分析:C25H17N3O5・0.4H2Oとして
計算値(%):C,67.23;H,4.02;N,9.41
実測値(%):C,67.31;H,4.06;N,9.27。
【0230】
(第3工程)3−アミノ−2−[(11−シアノ−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル)−アミノ]−安息香酸メチル(XIVa−3)
【0231】
【化59】
Figure 0003710502
【0232】
第2工程で得られた2−[(11−シアノ−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル)−アミノ]−3−ニトロ−安息香酸メチル(XIVa−2)(4.36g,9.91mm01)と塩化第1スズ2水和物(9.30g,41.2mmol)をエタノール(30ml)とジオキサン(30ml)に懸濁し、1時間還流した。反応液を濃縮後、得られた残留物を2N水酸化ナトリウム(200ml)に加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を3回水洗し、飽和食塩水で洗浄後乾燥した。溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製した。ジクロロメタン−酢酸エチル(10:1 v/v)で溶出する画分を濃縮し、結晶として標題化合物(XIVa−3)(3.02g 収率:74%)を得た。
【0233】
融点:204−207℃
NMR(CDCl3)δ:3.76(3H,s),3.92(1H,brs),4.35(2H,brs),6.80−6.95(2H,m),7.30−7.38(1H,m),7.55−7.75(5H,m),7.92−8.15(3H,m)
元素分析:C25H19N3O3・0.2H2Oとして
計算値(%):C,72.70;H,4.73;N,10.17
実測値(%):C,72.81;H,4.73;N,10.17。
【0234】
(第4工程)3−(11−シアノ−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル)−2−エトキシ−3H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル(IVa−17)
【0235】
【化60】
Figure 0003710502
【0236】
第3工程で得られた3−アミノ−2−[(11−シアノ−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル)−アミノ]−安息香酸メチル(XIVa−3)(2.95g,7.20mmol)をテトラエトキシメタン(13ml)に懸濁し、酢酸0.96gを加えて、100℃で2時間加熱した。冷却後、析出した結晶を濾取し、n−ヘキサンで洗浄すると標題化合物(IVa−17)(2.93g 収率:88%)が得られた。
【0237】
融点:203−205℃
NMR(CDCl3)δ:1.49(3H,t,J=7.2Hz),3.90(3H,s),4.68(2H,q,J=7.2Hz),5.78(2H,s),7.18(1H,t,J=9.0Hz),7.30−7.38(1H,m),7.55−7.78(6H,m),7.90−7.96(2H,m),8.06−8.11(1H,m)
元素分析:C28H21N3O4として,
計算値(%):C,72.56;H,4.57;N,9.07
実測値(%):C,72.40;H,4.61;N,9.09。
【0238】
(第5工程)2−エトキシ−3−[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル]−3H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸(Ia−17)
【0239】
【化61】
Figure 0003710502
【0240】
第4工程で得られた3−(11−シアノ−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル]−2−エトキシ−3H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル(IVa−17)(1.0g,2.1mmol)とトリメチルスズアジド(1.5g,7.3mmol)をDMF(20ml)に懸濁し、120℃で24時間加熱した。DMFを留去し、得られた残留物をメタノール(2ml)に懸濁し、1N塩酸(1ml)を加えて1時間攪拌した。反応液を濃縮後、残留物を酢酸エチル−水(pH=4)に分配した。有機層を水洗、飽和食塩水で洗浄、乾燥後、溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製した。クロロホルム−メタノール(20:3 v/v)溶出する画分を濃縮すると2−エトキシ−3−[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル]−3H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル(320mg)の粉末が得られた。
【0241】
NMR(CDCl3)δ:1.41(3H,t,J=7.0Hz),3.80(3H,s),4.58(2H,q),5.65(2H,s),7.00−7.22(3H,m),7.45−7.55(5H,m),7.82−7.95(3H,m)。
【0242】
これをエタノール(6ml)に溶解し、1N水酸化ナトリウム(2ml)を加えて1.5時間還流した。反応液を濃縮後、残留物を水−酢酸エチルに分配し、水層に1N塩酸(3ml)を加えて析出する固体を濾取し、乾燥した。次いでメタノール−クロロホルムから再結晶させると、標題化合物(Ia−17)(220mg,収率:20%)が得られた。
【0243】
融点:209−211℃
NMR(DMSO−d6)δ:1.39(3H,t,J=7.0Hz),4.60(2H,q,J=7.0Hz),5.75(2H,s),7.16−7.36(3H,m),7.57(1H,d,J=6.0Hz),7.60−7.90(7H,m)
元素分析:C27H20N6O4・0.2H2Oとして
計算値(%):C,65.37;H,4.14;N,16.94
実測値(%):C,65.31;H,4.44;N,16.74。
【0244】
[実施例19]3−メチル−2−[[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル]−ペンタノイルアミノ]−ブタン酸メチルエステル(Ia−18)の合成
(第1工程)2−[(11−シアノ−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル)−アミノ]−3−メチル−ブタン酸メチルエステル(XVIa−1)
【0245】
【化62】
Figure 0003710502
【0246】
バリンメチルエステル塩酸塩(1.00g,6.02mmol)を飽和重ソウ水でアルカリ性にした後、過剰の食塩を加えて飽和溶液にした。これをジクロロメタン−メタノール(9:1 v/v)で抽出し、乾燥した。溶媒を留去し、得られた残留物(830mg)のアセトニトリル(10ml)溶液に、実施例1の第1工程で得られた7−ブロモメチル−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(IIIa)(1.00g,2.44mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液と4−ジメチルアミノピリジン(100mg,0.82mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。反応液を濃縮後、得られた残留物をジクロロメタン−水に分配した。有機層を水洗、乾燥後、溶媒を留去し得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製した。ジクロロメタン−アセトニトリル(98:2 v/v)で溶出する画分を濃縮し、標題化合物(XVIa−1)(582mg,収率:64%)を得た。
【0247】
融点:54−57℃ 再結晶溶媒:イソプロピルエーテル
NMR(CDCl3)δ:0.96(6H,d,J=6.8Hz),1.60(1H,brs),1.96(1H,sextet,J=6.8Hz),3.01(1H,d,J=6.0Hz),3.71(1H,d,J=14Hz),3.74(3H,s),4.01(1H,d,J=14Hz),7.56−7.84(5H,m),8.03(1H,d,J=8.2Hz),8.06−8.16(2H,m)
元素分析:C23H22N2O3として
計算値(%):C,73.78;H,5.92;N,7.48
実測値(%):C,73.40;H,6.07;N,7.59。
【0248】
(第2工程)2−[(11−シアノ−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル)−ペンタノイルアミノ]−3−メチル−ブタン酸メチルエステル(IVa−18)
【0249】
【化63】
Figure 0003710502
【0250】
第1工程で得られた2−[(11−シアノ−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル)−アミノ]−3−メチル−ブタン酸メチルエステル(XVIa−1)(628mg,1.68mmol)のピリジン(6ml)溶液に、冷却下、吉草酸クロリド(0.4ml,3.36mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を氷水に加え、酢酸エチルで抽出、水洗、乾燥した。溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製した。n−ヘキサン−酢酸エチル(2:1 v/v)で溶出する画分を濃縮し、標題化合物(IVa−18)(724mg 収率:94%)を油状物として得た。
【0251】
NMR(CDCl3)δ:0.76−1.06(9H,m),1.14−1.48(2H,m),1.52−1.80(2H,m),2.00−2.72(3H,m),4.08−5.04(3H,m),7.50−7.80(5H,m),7.89(1H,dd,J=82Hz,2.0Hz),7.94−8.16(2H,m)。
【0252】
(第3工程)3−メチル−2−[[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル]−ペンタノイルアミノ]−ブタン酸メチルエステル(Ia−18)
【0253】
【化64】
Figure 0003710502
【0254】
第2工程で得られた2−[(11−シアノ−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル)−ペンタノイルアミノ]−3−メチル−ブタン酸メチルエステル(IVa−18)(724mg,1.58mmol)のキシレン(20ml)溶液にトリメチルスズアジド(975mg,4.74mmol)を加えて、115℃で3日間加熱攪拌した。
反応液を濃縮後、残留物をメタノール(12ml)に溶解し、1N塩酸(10ml)を加えた。室温で30分攪拌後、この溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(9ml)を加えてpH=3.5とし、ジクロロメタン−メタノール(9:1 v/v)で抽出、乾燥した。溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製した。ジクロロメタン−メタノール(9:1 v/v)で溶出する画分を濃縮し、標題化合物(Ia−18)(341mg 収率:42%)を粉末として得た。
【0255】
NMR(CDCl3−CD3OD)δ:0.77−1.00(9H,m),1.15−1.75(4H,m),2.10−2.80(3H,m),3.52(3H,s),4.10−5.00(3H,m),7.28(1H,s),7.36−7.46(1H,m),7.52−7.86(5H,m),7.88−7.98(1H,m)
元素分析:C28H31N5O4・1.4H2Oとして
計算値(%):C,63.84;H,6.47;N,13.29
実測値(%):C,63.93;H,6.24;N,13.04。
【0256】
[実施例20]3−メチル−2−[[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル]−ペンタノイルアミノ]−ブタン酸(Ia−19)の合成
【0257】
【化65】
Figure 0003710502
【0258】
実施例19で得られた3−メチル−2−[[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−3−イルメチル]−ペンタノイルアミノ]−ブタン酸メチルエステル(Ia−18)(280mg,0.56mmol)をメタノール(2ml)に溶解し、1N水酸化リチウム水溶液(1.7ml)を加えて、室温で17時間攪拌した。反応液を濃縮後、1N塩酸でpH=3として、ジクロロメタン−メタノール(9:1 v/v)で抽出、乾燥した。溶媒を留去し、得られた残留物をイソプロピルエーテルで処理すると標題化合物(Ia−19)(143mg,収率:53%)が粉末として得られた。
【0259】
NMR(CDCl3−CD3OD)δ:0.76−1.04(9H,m),1.10−1.42(2H,m),1.50−1.80(2H,m),2.20−2.75(3H,m),4.00−5.05(3H,m),6.85−7.72(6H,m),7.78(1H,s),7.88(1H,d,J=6.8Hz)
元素分析:C27H29N5O4・0.6H2Oとして
計算値(%):C,65.07;H,6.11;N,14.05
実測値(%):C,65.25;H,6.25;N,13.53。
【0260】
[実施例21]2−[プロピル−[11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[b,f]オキセピン−3−イル]メチル−アミノ]−ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(Ic−1)の合成
(第1工程)7−ブロモメチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボニトリル(IIIc)
【0261】
【化66】
Figure 0003710502
【0262】
参考例4で得られる7−メチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボニトリル(IIc)を実施例8の第1工程に準じて、ブロム化することにより標題化合物(IIIc)を得た。
【0263】
融点:129−133℃
NMR(CDCl3)δ:4.96(2H,s),7.20−7.30(5H,m),7.40−7.60(3H,m)。
【0264】
(第2工程)2−[(11−シアノ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−3−イル)メチル−プロピル−アミノ]−ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(IVc−1)
【0265】
【化67】
Figure 0003710502
【0266】
公知の方法(J.Med.Chem.,35,3714(1992))で得られる2−プロピルアミノ−3−ピリジンカルボン酸エチルエステル(416mg,2.00mmol)をTHF(5ml)に溶解し、−20℃で1Nリチウムビストリメチルシリルアミド−THF溶液(2.5ml)を加えて30分間攪拌した。次いで第1工程で得られる7−ブロモメチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボニトリル(IIIc)(749mg,2.40mmol)を加えて、室温で1時間攪拌した。反応液を水に加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水洗、乾燥後、濃縮した。得られる残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製した。n−ヘキサン−酢酸エチル(95:5 v/v)で溶出する画分を濃縮して、アモルファスとして標題化合物(IVc−1)(558mg,収率:63%)を得た。
【0267】
NMR(CDCl3)δ:0.78(3H,t,J=7.4Hz),1.38(3H,t,J=7.0Hz),1.58(2H,m),3.23(2H,t,J=7.4Hz),4.34(2H,q,J=7.0Hz),4.74(2H,s),6.72(1H,dd,J=7.6Hz,4.6Hz),7.10−7.30(5H,m),7.40−7.50(3H,m),7.91(1H,dd,J=7.6Hz,2.0Hz),8.24(1H,dd,J=4.6Hz,2.0Hz)
元素分析:C27H25N3O3として
計算値(%):C,73.78;H,5.73;N,9.56
実測値(%):C,73.79;H,5.83;N,9.55。
【0268】
(第3工程)2−[プロピル−[11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[b,f」オキセピン−3−イル]メチル−アミノ]−ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(Ic−1)
【0269】
【化68】
Figure 0003710502
【0270】
第2工程で得られた2−[(11−シアノ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−3−イル)メチル−プロピル−アミノ]−ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(IVc−1)(524mg,1.20mmol)とトリメチルスズアジド(740mg,3.60mmol)をトルエン(10ml)に懸濁し、16時間還流した。実施例1と同様の後処理を行い、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製した。ジクロロメタン−メタノール(9:1 v/v)で溶出する画分を濃縮して、標題化合物(Ic−1)(490mg,収率:85%)をアモルファスとして得た。
【0271】
NMR(CDCl3)δ:0.76(3H,t,J=7.4Hz),1.36(3H,t,J=7.0Hz),1.55(2H,m),3.21(2H,t,J=7.2Hz),4.32(2H,q,J=7.0Hz),4.65(2H,s),6.72(1H,dd,J=7.8Hz,4.8Hz),7.00−7.40(7H,m),7.80(1H,s),7.91(1H,dd,J=7.8Hz,2.0Hz),8.16(1H,dd,J=4.8Hz,2.0Hz)
元素分析:C27H26N6O3・0.2H2Oとして
計算値(%):C,66.71;H,5.47;N,17.29
実測値(%):C,66.72;H,5,64;N,17.21。
【0272】
[実施例22]2−[プロピル−[11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[b,f]オキセピン−3−イル]メチル−アミノ]−ピリジン−3−カルボン酸(Ic−2)の合成
【0273】
【化69】
Figure 0003710502
【0274】
実施例21で得られた2−[プロピル−[11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[b,f]オキセピン−3−イル]メチル−アミノ]−ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(Ic−1)(399mg,0.83mmol)をエタノール(5ml)に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液(2.5ml)を加えて、2時間還流した。反応液を濃縮し、水で希釈した。水層をジクロロメタンで洗浄後、1N塩酸でpH=2とした。析出する固体を濾取し、水洗、乾燥した。本品をジクロロメタン−メタノールから再結晶するとプリズム晶として標題化合物(Ic−2)(264mg,収率:70%)が得られた。
【0275】
融点:222−226℃
NMR(DMSO−d6)δ:0.73(3H,t,J=7.3Hz),1.53(2H,m),3.26(2H,t,J=7.6Hz),4.76(2H,s),6.80(1H,dd,J=7.8Hz,4.0Hz),7.10−7.50(7H,m),7.68(1H,s),7.88(1H,dd,J=7.8Hz,2.0Hz),8.22(1H,dd,J=4.8Hz,2.0Hz)
元素分析:C25H22N6O3・0.2H2Oとして
計算値(%):C,65.55;H,4.93;N,18.35
実測値(%):C,65.28;H,5.05;N,18.28。
【0276】
[実施例23]2−[[5−オキソ−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−5H−ジベンゾ[a,d」シクロヘプテン−3−イルメチル]−プロピル−アミノ]−ピリジン−3−カルボン酸(Ia−20)の合成
【0277】
【化70】
Figure 0003710502
【0278】
実施例21および実施例22の合成法に準じて、粉末として標題化合物(Ia−20)を得た。
【0279】
NMR(CD3OD)δ:0.84(3H,t,J=7.4Hz),1.45−1.62(2H,m),3.36−3.44(2H,m),4.79(2H,s),7.02−7.12(1H,m),7.20(1H,d,J=7.5Hz),7.55−7.94(7H,m),8.10(1H,d,J=7.5Hz),8.38−8.42(1H,m)
元素分析:C26H22N6O3・0.4H2Oとして
計算値(%):C,65.92;H,4.85;N,17.74
実測値(%):C,66.20;H,5.01;N,14.76。
【0280】
[実施例24]3−(5−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イルアミノ−メチル)−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(Ia−21)の合成
(第1工程)7−アミノメチル−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(XVIa)
【0281】
【化71】
Figure 0003710502
【0282】
実施例1の第1工程で得られた7−ブロモメチル−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(IIIa)(3.00g,7.32mmol)をHMPA(12ml)に溶解し、アジ化ナトリウム(600mg,9.23mmol)を加えて50℃で1.5時間攪拌した。反応液を水に加え、激しく5分間攪拌した後、生じた沈殿を濾取し、水で洗浄した。得られた結晶をジクロロメタンに溶解し、乾燥後濃縮した。残留物をエタノール(50ml)とTHF(10ml)に溶解し、塩化第1スズ(2.42g,10.7mmol)を加えて80℃で1時間攪拌した。冷却後、2N水酸化ナトリウム水溶液(40ml)を加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を1N塩酸で抽出した後、水層を2N水酸化ナトリウムでアルカリ性とし、ジクロロメタンで抽出した。乾燥後、溶媒を留去し、残留物をエーテルで結晶化させると標題化合物(XVIa)(1.28g 収率:67.2%)が得られた。
【0283】
NMR(CD3OD)δ:4.00(2H,s),7.60−7.38(1H,m),7.54−7.82(4H,m),7.89(1H,s),8.00−8.15(3H,m)。
【0284】
(第2工程)7−(5−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イルアミノ−メチル)−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(IVa−21)
【0285】
【化72】
Figure 0003710502
【0286】
第1工程で得られた7−アミノメチル−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(XVIa)(1.50g,5.76mmol)と5−エチル−7−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(1.05g,5.78mmol)をDMF(50mlに溶解し、4−ジメチルアミノピリジン(710mg,5.81mmol)を加えて、60℃で8時間攪拌した。反応液を水に加え、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性にし、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を2回水洗し、飽和食塩水で洗浄後、乾燥した。酢酸エチルを留去し、得られる残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し精製した。ジクロロメタン−アセトニトリル(5:1 v/v)で溶出する画分を濃縮して標題化合物(IVa−21)(1.20g 収率:51%)を得た。本品をn−ヘキサン−酢酸エチルから再結晶すると、融点232−233℃の無色結晶が得られた。
【0287】
NMR(CDCl3)δ:1.27(3H,t,J=7.6Hz),2.71(2H,q,J=7.6Hz),4.77(2H,d,J=5.8Hz),5.79(1H,s),6.30(1H,d,J=2.4Hz),6.78−6.90(1H,m),7.60−7.80(5H,m),7.98(1H,d,J=2.2Hz),8.05−8.18(3H,m)元素分析:C25H19N5O・0.3H2Oとして
計算値(%):C,73.08;H,4.81;N,17.05
実測値(%):C,73.05;H,4.87;N,17.05。
【0288】
(第3工程)3−(5−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イルアミノ−メチル)−11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オン(Ia−21)
【0289】
【化73】
Figure 0003710502
【0290】
第2工程で得られた7−(5−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イルアミノ−メチル)−5−オキソ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−10−カルボニトリル(IVa−21)(1.20g,2.97mmol)をDMF(10ml)に溶解し、トリメチルスズアジド(1.83g,8.89mmol)を加えて60℃で8時間攪拌した。冷却後DMFを留去し、残留物をメタノール(10ml)に溶解し、1N塩酸(4ml)を加え、室温で15分間攪拌した。溶液を水に加え、重ソウ水で中和した後、ジクロロメタンで2回抽出し、有機層を乾燥した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し精製した。クロロホルム−メタノール(4:1 v/v)で溶出する画分を濃縮し、粉末として標題化合物(Ia−21)(910mg 収率:68.3%)を得た。NMR(CDCl3)δ:1.10(3H,t,J=7.6Hz),2.44(2H,q,J=7.6Hz),4.57(2H,s),5.88(1H,s),6.26(1H,d,J=2.2Hz),6.77(1H,d,J=8.2Hz),7.03(1H,dd,J=8.2Hz,1.8Hz),7.60−7.78(4H,m),7.92(1H,d,J=2.4Hz),7.99(1H,d,J=7.4Hz),8.29(1H,d,J=2.0Hz)
元素分析:C25H20N8O・H2O・0.2EtOAcとして
計算値(%):C,64.15;H,4.85;N,23.49
実測値(%):C,64.40;H,4.97;N,23.25。
【0291】
[実施例25]7−(5,7−ジメチル−2−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(Ic−3)の合成(第1工程)7−ブロモメチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル(XIc)
【0292】
【化74】
Figure 0003710502
【0293】
参考例3で得られた7−メチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル(Xc)を実施例1の第1工程に準じてブロム化することにより、標題化合物(XIc)を得た。
【0294】
融点:128−130℃
NMR(CDCl3)δ:3.92(3H,s),4.46(2H,s),7.15−7.50(7H,m),7.93(1H,s)。
【0295】
(第2工程)7−(5,7−ジメチル−2−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(Ic−3)
【0296】
【化75】
Figure 0003710502
【0297】
第1工程で得られた7−ブロモメチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル(XIc)を用い、実施例1と実施例9に準じて標題化合物(Ic−3)を得た。
【0298】
融点:233−234℃ 再結晶溶媒:メタノール
NMR(DMSO−d6)δ:0.89(3H,t),1.70(2H,m),2.49(3H,s),2.51(3H,s),2.76(2H,t,J=7.5Hz),5.84(2H,s),6.88(1H,dd,J=8.2Hz,1.8Hz),6.95(1H,s),7.15(1H,d,J=1.6Hz),7.20−7.30(2H,m),7.40−7.55(3H,m),7.87(1H,s)
元素分析:C27H25N3O3として
計算値(%):C,73.79;H,5.73;N,9.56
実測値(%):C,73.62;H,5.87;N,9.67。
【0299】
[実施例26]2−[(11−カルボキシ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−3−イルメチル)−プロピル−アミノ]−ピリジン−3−カルボン酸(Ic−4)の合成
【0300】
【化76】
Figure 0003710502
【0301】
実施例25と実施例22に準じて、粉末として標題化合物(Ic−4)を得た。
【0302】
NMR(CD3OD)δ:0.83(3H,t,J=7.3Hz),1.50(2H,m),3.39(2H,m),4.64(2H,s),7.10−7.25(5H,m),7.30−7.50(3H,m),7.91(1H,s),8.15(1H,dd,J=7.8Hz,2.0Hz),8.48(1H,dd,J=4.8Hz,2.0Hz)
元素分析:C25H22N2O5・0.3H2Oとして
計算値(%):C,68.89;H,5.23;N,6.43
実測値(%):C,68.80;H,5.30;N,6.53。
【0303】
[実施例27]7−[(1−カルボキシ−2−メチル−プロピル)−ペンタノイル−アミノメチル]−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(Ic−5)の合成
【0304】
【化77】
Figure 0003710502
【0305】
実施例25と実施例20に準じて、アモルファスとして標題化合物(Ic−5)を得た。
【0306】
元素分析:C26H29NO6・0.4H2Oとして
計算値(%):C,68.08;H,6.55;N,3.05
実測値(%):C,68.18;H,6.67;N,3.22。
【0307】
[実施例28]3−(11−カルボキシ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−3−イルメチル)−2−エトキシ−3H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸(Ic−6)の合成
【0308】
【化78】
Figure 0003710502
【0309】
実施例25と実施例18に準じて標題化合物(Ic−6)を得た。
【0310】
融点:227−228℃ 再結晶溶媒:クロロホルム−メタノール
NMR(DMSO−d6)δ:1.39(3H,t,J=7.0Hz),4.60(2H,q,J=7.0Hz),5.62(2H,s),6.78(1H,dd,J=8.2Hz,1.4Hz),7.00(1H,d,J=1.4Hz),7.18(1H,t,J=7.8Hz),7.20−7.30(2H,m),7.40−7.50(3H,m),7.53(1H,dd,J=8.0Hz,1.0Hz),7.68(1H,dd,J=7.8Hz,0.8Hz),7.87(1H,s)元素分析:C26H20N2O6として
計算値(%):C,68.42;H,4.42;N,6.14
実測値(%):C,68.18;H,4.40;N,6.08。
【0311】
[実施例29]5,7−ジメチル−2−プロピル−3−[11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[b,f]オキセピン−3−イルメチル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(Ic−7)の合成
【0312】
【化79】
Figure 0003710502
【0313】
実施例21第1工程で得られた7−ブロモメチル−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボニトリル(IIIc)を用い、実施例1に準じて標題化合物(Ic−7)を得た。
【0314】
融点:233−234℃ 再結晶溶媒:エタノール
NMR(DMSO−d6)δ:0.90(3H,t,J=7.3Hz),1.70(2H,m),2.50(3H,s)2.51(3H,s),2.77(2H,t,J=7.5Hz),5.51(2H,s),6.90−7.00(2H,m),7.20−7.35(4H,m),7.40−7.55(2H,m),7.71(1H,s)
元素分析:C27H25N7O・0.2H2Oとして
計算値(%):C,69.42;H,5.48;N,20.99
実測値(%):C,69.42;H,5.53;N,20.82。
【0315】
[実施例30]2−エトキシ−3−[11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[b,f]オキセピン−3−イルメチル]−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル(Ic−8)の合成
【0316】
【化80】
Figure 0003710502
【0317】
実施例18に準じて標題化合物(Ic−8)を得た。
【0318】
融点:169−170℃ 再結晶溶媒:エタノール
NMR(CDCl3)δ:1.40(3H,t,J=7.0Hz),3.69(3H,s),4.56(2H,q,J=7.0Hz),5.57(2H,s),6.68(1H,dd,J=8.2Hz,1.6Hz),7.01(1H,d,J=1.6Hz),7.05−7.40(6H,m),7.54(1H,dd,J=7.8Hz,1.2Hz),7.69(1H,dd,J=7.8Hz,1.2Hz),7.82(1H,s)
元素分析:C27H22N6O4として
計算値(%):C,65.58;H,4.48;N,16.99
実測値(%):C,65.46;H,4.67;N,16.81。
【0319】
[実施例31]2−エトキシ−3−[11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[b,f]オキセピン−3−イルメチル]−3H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸(Ic−9)の合成
【0320】
【化81】
Figure 0003710502
【0321】
実施例30で得られた2−エトキシ−3−[11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[b,f]オキセピン−3−イルメチル]−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル(Ic−8)を加水分解して標題化合物(Ic−9)を得た。
【0322】
融点:185−187℃ 再結晶溶媒:クロロホルム−エタノール
NMR(DMSO−d6)δ:1.39(3H,t,J=7.0Hz),4.60(2H,q,J=7.0Hz),5.66(2H,s),6.82(1H,dd,J=8.0Hz,1.8Hz),7.10(1H,d,J=1.8Hz),7.19(1H,t,J=7.8Hz),7.22(1H,d,J=8.2Hz),7.25−7.35(2H,m),7.4−7.6(3H,m),7.68(1H,dd,J=7.8Hz,1.2Hz),7.69(1H,s)
元素分析:C26H20N6O4・H2Oとして
計算値(%):C,64.72;H,4.20;N,17.42
実測値(%):C,64.62;H,4.25;N,17.36。
【0323】
[実施例32]3−メチル−2−[ペンタノイル−[11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[b,f]オキセピン−3−イルメチル]−アミノ]−ブタン酸メチルエステル(Ic−10)の合成
【0324】
【化82】
Figure 0003710502
【0325】
実施例19に準じて、粉末として標題化合物(Ic−10)を得た。
【0326】
NMR(CDCl3)δ:0.80−1.00(9H,m),1.20−1.80(4H,m),2.10−2.70(3H,m),3.33 および 3.48(合わせて3H,各シグナルはs ),4.13−4.81(2H,m),6.80−7.40(7H,m),7.73 および 7.82(合わせて1H,各シグナルはs)
元素分析:C27H31N5O4・0.1H2Oとして
計算値(%):C,66.00;H,6.36;N,14.25
実測値(%):C,65.99;H,6.56;N,14.06。
【0327】
[実施例33]3−メチル−2−[ペンタノイル−[11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[b,f]オキセピン−3−イルメチル]−アミノ]−ブタン酸(Ic−11)の合成
【0328】
【化83】
Figure 0003710502
【0329】
実施例32で得られた3−メチル−2−[ペンタノイル−[11−(1H−テトラゾール−5−イル)−ジベンゾ[b,f]オキセピン−3−イルメチル]−アミノ]−ブタン酸メチルエステル(Ic−10)を実施例20に準じて加水分解し、粉末として標題化合物(Ic−11)を得た。
【0330】
NMR(CDCl3)δ:0.75−1.10(9H,m),1.10−1.80(4H,m),2.36(2H,t,J=7.6Hz),2.55(1H,m),4.00−5.00(2H,m),6.70−7.50(7H,m),7.72(1H,s)
元素分析:C26H29N5O4・0.5H2Oとして
計算値(%):C,64.52;H,6.14;N,14.47
実測値(%):C,64.64;H,6.28;N,14.50。
【0331】
以下、同様に、下記の表1〜5に示す化合物を合成し得る。表2は表1の続きであり、表1上部に図示した構造と同様の、置換されていてもよい縮合ベンゼン環を有する本発明の三環性化合物(I)を示す。表4は表3の続きであり、表3上部に図示した構造と同様の、置換されていてもよい縮合チオフェン環を有する本発明の三環性化合物(I)を示す。
【0332】
【表1】
Figure 0003710502
【0333】
【表2】
Figure 0003710502
【0334】
【表3】
Figure 0003710502
【0335】
【表4】
Figure 0003710502
【0336】
【表5】
Figure 0003710502
【0337】
[試験例1]
125I−標識アンジオテンシンIIの受容体結合に対する三環性化合物の阻害作用の評価
ラット肝臓から膜成分を調製し、本発明の化合物を10-6M〜10-10Mの範囲で添加し、あるいは添加せずに100pM125I−標識アンジオテンシンIIと25℃で1時間インキュベートした。反応終了後、ガラス繊維濾紙により、膜成分と結合した 125I−標識アンジオテンシンIIを分離し、ガンマカウンターにて放射活性を測定した。膜成分に対する125I−標識アンジオテンシンIIの特異的結合は、非放射性アンジオテンシンIIを10-6M 含む条件下で得られる非特異的結合を、全結合から差し引くことにより求めた。膜成分に対する125I−標識アンジオテンシンIIの特異的結合を50%阻害する本発明化合物の濃度(IC50)から、次式により阻害定数(Ki)を求めた(表6)。
【0338】
【数2】
Figure 0003710502
【0339】
【表6】
Figure 0003710502
【0340】
ここでCは125I−標識アンジオテンシンII濃度(100pM)、KdはアンジオテンシンIIの解離定数(1.3nM)である。
【0341】
このように本発明の三環性化合物は阻害作用が強く、効果的にアンジオテンシンIIの受容体と結合し得ることがわかる。

Claims (7)

  1. 一般式Iで表される三環性化合物またはその製薬上許容し得る塩:
    Figure 0003710502
    ここでXは−CO−、−CH−、または−O−であり;
    Yはテトラゾリル基またはカルボキシル基であり;
    Figure 0003710502
    (ここでR、R、R、およびRはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C〜Cアルキルオキシ基、アミノ基、またはニトロ基である)
    であり;
    Zは、
    Figure 0003710502
    (ここでRは水素、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキルオキシ基、またはアミノ基であり;
    およびRはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C〜Cアルキル基、C〜Cシクロアルキル基、C〜Cアルキルオキシ基、C〜Cアシル基、アミノ基、カルボキシル基、C〜Cアルキルオキシカルボニル基、またはC〜Cヒドロキシアルキル基であり、あるいはRおよびRは一緒になって、 〜C アルキル、C 〜C アルキルオキシ、カルボキシル、C 〜C アルキルオキシカルボニル、アミノもしくはハロゲンで置換されていてもよいピリジン環、 〜C アルキル、C 〜C アルキルオキシ、カルボキシル、C 〜C アルキルオキシカルボニル、アミノもしくはハロゲンで置換されていてもよいベンゼン環、または 〜C アルキル、C 〜C アルキルオキシ、カルボキシル、C 〜C アルキルオキシカルボニル、アミノもしくはハロゲンで置換されていてもよいシクロヘキサン環を形成し;
    は水素、C〜Cアルキル基、またはアミノ基であり;そして
    WはOまたはNHである)
    である。
  2. 請求項1に記載の三環性化合物またはその製薬上許容し得る塩を含有するアンジオテンシンII受容体拮抗剤。
  3. 請求項1に記載の三環性化合物またはその製薬上許容し得る塩を含有する降圧剤。
  4. 一般式 I で表される三環性化合物またはその製薬上許容し得る塩:
    Figure 0003710502
    ここで
    a)Zが
    Figure 0003710502
    であり、かつ
    a−1)Xが−CO−であり、Yがテトラゾリル基であり、R がC 〜C アルキルであり、R およびR が一緒になってC 〜C アルキルで置換されたピリジン環を形成する;
    a−2)Xが−CO−であり、Yがテトラゾリル基であり、R がC 〜C シクロアルキルであり、R およびR が一緒になってC 〜C アルキルで置換されたピリジン環を形成する;
    a−3)Xが−CH −であり、Yがテトラゾリル基であり、R がC 〜C アルキルであり、R およびR が一緒になってC 〜C アルキルで置換されたピリジン環を形成する;
    a−4)Xが−O−であり、Yがテトラゾリル基であり、R がC 〜C アルキルであり、R およびR が一緒になってC 〜C アルキルで置換されたピリジン環を形成する;
    a−5)Xが−O−であり、Yがカルボキシル基であり、R がC 〜C アルキルであり、R およびR が一緒になってC 〜C アルキルで置換されたピリジン環を形成する;
    a−6)Xが−CO−であり、Yがテトラゾリル基であり、R がC 〜C アルキルオキシ基であり、R およびR が一緒になってカルボキシル基で置換されたベンゼン環を形成する;
    a−7)Xが−O−であり、Yがテトラゾリル基であり、R がC 〜C アルキルオキシ基であり、R およびR が一緒になってカルボキシル基で置換されたベンゼン環を形成する;
    a−8)Xが−CO−であり、Yがテトラゾリル基であり、R がC 〜C アルキルであり、R がハロゲンであり、R がC 〜C アルキルオキシカルボニル基である;
    または
    a−9)Xが−CO−であり、Yがテトラゾリル基であり、R がC 〜C アルキルであり、R がハロゲンであり、R がカルボキシル基である;
    b)Zが
    Figure 0003710502
    であり、かつ
    b−1)Xが−CO−であり、Yがテトラゾリル基であり、R がC 〜C アルキルであり、R およびR が一緒になってカルボキシル基で置換されたベンゼン環を形成し、WがOである;
    b−2)Xが−CO−であり、Yがテトラゾリル基であり、R がC 〜C アルキルであり、R およびR が一緒になってベンゼン環を形成し、WがOである;
    b−3)Xが−CO−であり、Yがテトラゾリル基であり、R がC 〜C アルキルであり、R がC 〜C アルキルであり、R がC 〜C アルキルオキシカルボニルであり、WがNHである;
    b−4)Xが−CO−であり、Yがテトラゾリル基であり、R がC 〜C アルキルであり、R がC 〜C アルキルであり、R がC 〜C アルキルオキシカルボニルであり、WがOである;
    b−5)Xが−CO−であり、Yがテトラゾリル基であり、R がC 〜C アルキルであり、R およびR が一緒になってシクロヘキサン環を形成し、WがOである;
    または
    b−6)Xが−CO−であり、Yがテトラゾリル基であり、R がC 〜C アルキルであり、R およびR が一緒になってC 〜C アルキルオキシで置換されたピリジン環を形成し、WがOである;
    または
    c)Zが
    Figure 0003710502
    であり、
    Xが−CO−であり、Yがテトラゾリル基であり、R がC 〜C アルキルである。
  5. 以下の式で表される、三環性化合物またはその製薬上許容し得る塩:
    Figure 0003710502
    Figure 0003710502
  6. 請求項4または5に記載の三環性化合物またはその製薬上許容し得る塩を含有するアンジオテンシンII受容体拮抗剤。
  7. 請求項4または5に記載の三環性化合物またはその製薬上許容し得る塩を含有する降圧剤。
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