JP3710425B2 - 異質材積層金属板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、材質の異なる複数の金属板材を積層し互いに接合して成る異質材積層金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、モーターにおけるローターの鉄心(コア)、トランス等を製造する場合、透磁率が高い、保持力が小さい等の磁気特性が良好で、且つ鉄損等の損失の少ないものが追求されている。
【0003】
そこで、鉄損の主原因となるうず電流に起因するジュール熱の発生および反運動方向の磁気力の発生を防止するため、うず電流の流れを遮断することを目的として磁気特性良好な電磁鋼板を薄くして、該薄い電磁鋼板を複数枚積層して、ローターの鉄心、トランス等を製造することが考えられる。
【0004】
上記製造に際して、例えば、透磁率、鉄損、加工性、強度特性、或いは耐食性等についてすぐれた特性を有する金属材料が存在すれば非常に有用であるが、1つの金属板で多くの特性に優れた材料が存在しないのが実状である。
【0005】
例えば、アモルファスは高透磁率や低鉄損など磁気特性は非常にすぐれているが、加工性は劣り加工が難しい。
【0006】
電磁鋼板はアモルファスほどの磁気特性を有していないが、加工性はアモルファスより優れている。
【0007】
低炭素鋼板は電磁鋼板より磁気特性は劣るが、加工性が優れ、且つ、安価でコスト低下に有利である。
【0008】
電磁軟鉄板は電磁鋼板に比べ鉄損が劣るが、加工性が優れている。
【0009】
以上のように、個々の金属板はそれぞれの特性を有しているが、至らない特性もある。
【0010】
異種の金属板を接合し積層したものとしてはクラッド鋼がある。
【0011】
クラッド鋼は、例えば、中間層が極低炭素鋼で表層および裏層にステンレス鋼を金属接合させたものや、中間層がステンレス鋼でその下層および上層にパーマロイを金属接合したもの等が製造され、多肢の特性を有している。
【0012】
上記クラッド鋼以外の積層した金属板を一体とする接合方法として、金属板にそれぞれ点状の凹部と点状の凸部を形成して、該凹部と凸部とを嵌合してかしめるエンボス加工、接着剤による接合、或いはリベットで仮留めする等の方策が行われている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、モーターの積層鉄心を製造する場合、金属板の板厚が薄いと所望の積層厚の積層鉄心を製造するために、鉄心片の打ち抜き工程が増加し、生産性が低下する。
【0014】
そこで、打ち抜きの生産性を向上させるために、薄い金属板を重ねて打ち抜きすることが考えられるが、例えば、アモルファス板は加工性が劣ることから重ねて打ち抜きするとクラックやワレ等が発生する。
【0015】
一方、クラッド鋼は、異種金属を金属接合するために高温加熱および融着接合処理が必要で、製造に多大のエネルギーと労力を要するとともにコスト高である。
【0016】
また、エンボス加工は、接合される金属板それぞれの凹部と凸部とによるかしめ強度が弱く、加工工程、搬送工程において剥離する場合がある。
【0017】
また、接着剤による接合は、接合される金属板間に残留した空気の膨張、接合面の不純物の付着、接合力の弱さ等により剥離する場合があり、またコスト高である。
【0018】
また、リベットによる接合は、金属板の反接合面側にリベットの一部が凸部として存在し、該リベットの凸部と他の金属板とが接触することにより他の金属板にキズがつく等の問題がある。
【0019】
本発明は上記実状に鑑み、材質の異なる複数の金属板が簡便に且つ強固に接合され多岐にわたる特性を有し、しかも製造コストの低廉が図れる異質材積層金属板の提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1に関わる異質材積層金属板は、材質の異なる複数の金属板材を積み重ね接合して成る異質材積層金属板であって、中間部に切り欠きを有するとともに該切り欠きの長さ方向の両端側並びを切り下げたかしめ突起が形成される一方異質材積層金属板材体と、かしめ突起が嵌入されるかしめ孔が形成される他方金属板材体とを、一方異質材積層金属板材体のかしめ突起と他方金属板材体のかしめ孔とをかしめて、複数の異種の金属板材を接合して成ることを特徴としている。
【0021】
本発明の請求項2に関わる異質材積層金属板は、下側、上側の金属板材より難加工性の金属板材を挟んで重ねられ、且つ、中間部に切り欠きを有するとともに該切り欠きの長さ方向の両端側並びを切り下げたかしめ突起が形成される一方異質材積層金属板材体と、かしめ突起が嵌入されるかしめ孔が形成される他方金属板材体とを、一方異質材積層金属板材体のかしめ突起と他方金属板材体のかしめ孔とをかしめて、複数の異種の金属板材を接合して成ることを特徴としている。
【0022】
本発明の請求項3に関わる異質材積層金属板は、請求項1から請求項2のうちの何れか一項に記載の異質材積層金属板において、かしめ突起は、切り欠きの長さ方向両端並びに沿って切り下げていることを特徴としている。
【0023】
本発明の請求項4に関わる異質材積層金属板は、請求項1から請求項2のうちの何れか一項に記載の異質材積層金属板において、かしめ突起は、切り欠きの長さ方向の両端を超えた並びを切り下げていることを特徴としている。
【0024】
本発明の請求項5に関わる異質材積層金属板は、請求項2から請求項4のうちの何れか一項に記載の異質材積層金属板において、難加工性の金属板材は、アモルファス板であり、下側、上側の金属板材は、電磁鋼板、低炭素鋼板、電磁軟鉄板、Fe−Ni合金板、または銅板であることを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を示す図面に基づいて、本発明を詳細に説明する。
【0026】
図1に示すように、本発明の第1実施例である異質材積層金属板1は、電磁鋼板(上側の金属板材)21、(下側の金属板材)22、23と難加工性板であるアモルファス板(難加工性の金属板材)31、32とが交互に積層され、かしめ部k1、k2、k3、k4において互いにかしめられ接合されている。
【0027】
アモルファス板31、32は、透磁率や保持力に優れているほか、電気抵抗が非常に高くうず電流損失が非常に少ない、即ち鉄損が非常に少ない等の特長を有するが、硬度が非常に高く難加工性板である。また、該アモルファス板31、32は板厚が極薄、例えば0.02〜0.06mm程度である。
【0028】
電磁鋼板21、22、23はアモルファス板31、32より加工性がよく、また磁気特性についてもアモルファス板31、32ほどではないが良好である。その板厚は例えば0.15〜0.20mm程度であり、従来の電磁鋼板より薄いものである。
【0029】
上記構成の異質材積層金属板1は、下記の方法により製造されている。
【0030】
異質材積層金属板1におけるかしめ部k1の形成とかしめ接合について説明を行う。
【0031】
図2(a)に示すように、所定の大きさのアモルファス板32上に電磁鋼板23を積層した異質材積層金属板下層部(他方金属板材体)1Bに対して、プレス金型装置のパンチP1をダイ孔Dhに進退させ、図2(b)、図2(c)に示すように、幅lm1と長さlm2とを有する矩形状の孔であるかしめ孔km1を穿孔する。
【0032】
ここで、異質材積層金属板下層部1Bのかしめ孔km1の幅lm1は、異質材積層金属板上層部(一方異質材積層金属板材体)1Aのかしめ切り下げ部ko1(図3(d)参照)の幅lo1と同等または若干大きな寸法を有し、また、かしめ孔km1の長さlm2は、異質材積層金属板上層部1Aのかしめ切り下げ部ko1の長さlo2と同等または若干大きな寸法を有している。
【0033】
一方、図3(a)に示すように、所定の大きさの電磁鋼板21とアモルファス板31と電磁鋼板22とを積層した異質材積層金属板上層部1Aに対して、金型装置のパンチP2をダイ孔Dhに進退させ、かしめ部形成領域の中間部に、図3(b)(平面図)、図3(c)(断面図)に示すように、幅lh1と長さlh2とを有する矩形状の切り欠きkh1を穿孔する。
【0034】
切り欠きkh1の長さlh2は、次工程で形成されるかしめ切り下げ部ko1の長さlo2と同等の寸法を有するように開口される。
【0035】
切り欠きkh1が穿孔された異質材積層金属板上層部1Aを、先にかしめ孔km1を開口した異質材積層金属板下層部1B上におき、プレス金型装置のかしめ用パンチP3にて、図3(e)に示すように、異質材積層金属板上層部1Aの切り欠きkh1を中心として縁部(両端側並び、切り欠き長さ方向両端並び)kh10を押し下げ、幅lo1と長さlo2を有する矩形状のかしめ切り下げ部(かしめ突起)ko1を形成し(図3(d)参照)、下層の異質材積層金属板下層部1Bのかしめ孔km1に押し入れてかしめる。
【0036】
かしめ切り下げ部ko1の長さlo2は切り欠きkh1の長さlh2の両端の並びに沿って形成されている。
【0037】
以上が、異質材積層金属板1におけるかしめ部k1のかしめ切り下げ部ko1およびかしめ孔km1の形成と、それらのかしめ接合方法であるが、異質材積層金属板1におけるかしめ部k2、k3、k4はかしめ部k1と同様な方法で形成され、かつ、かしめられる。
【0038】
これにより、異質材積層金属板下層部1Bと異質材積層金属板上層部1Aとを一体化した図1に示すような異質材積層金属板1が得られる。
【0039】
上記実施例においては、難加工性板であるアモルファス板3を電磁鋼板2で挟んで構成した例を例示したが、電磁鋼板2に代替して加工性がすぐれ、かつ安価な炭素が少ない低炭素鋼板、電磁鋼板より加工性の良好な電磁軟鉄板、透磁率が高く、耐食性が良好なFe−Ni合金板、または加工性が良く良導体で熱伝導度大なる銅板が用いられる。これらの金属板は異質材積層金属板1の使用目的に応じて選択される。
【0040】
なお、異質材積層金属板1は、この実施例では5層の積層板としたが、この層数に限ることなく、例えば3層、4層、6層、7層等とすることができる。また、その積層した厚みは例えば0.20〜0.80mm等と任意にできる。
【0041】
上記構成によれば、前記のように異質材積層金属板上層部1Aに切り欠きkhi(i=1、2、3、4)を有する各かしめ切り下げ部koiを形成するとともに異質材積層金属板下層部1Bにかしめ孔kmiを形成して、異質材積層金属板下層部1Bの各かしめ孔kmiに異質材積層金属板上層部1Aの各かしめ切り下げ部koiをかしめて接合し、異質材積層金属板1を製造している。
【0042】
従って、異質材積層金属板上層部1Aに切り欠きkhiを有するかしめ切り下げ部koiを形成してかしめるに際して、アモルファス板31は、当該アモルファス板31より加工性のよい電磁鋼板21と電磁鋼板22とによって挟まれ、且つ、その厚みは電磁鋼板21、22より薄く、さらに前記切り欠きkhiを形成しているので、クラックや折損等の損傷が生じることはなく、かしめ用パンチP3で深く切り下げられる。
【0043】
また、異質材積層金属板下層部1Bにかしめ孔kmiを形成するに際して、この実施例ではアモルファス板32は、上方に電磁鋼板23を積層した状態でかしめ孔kmiが穿孔されるので折損等の損傷が生じることはない。
【0044】
なお、異質材積層金属板下層部1Bにおいて、アモルファス板を電磁鋼板で挟む3層板とすることができる。
【0045】
また、各かしめ切り下げ部koiには前記のように切り欠きkhiが形成され、かしめ作業に際して、各かしめ部kiにおけるかしめ切り下げ部koiを深く切り下げることができ、且つ、当該切り下げ部は板厚や幅が減少せず、薄い金属板であってもかしめの嵌合部が長くとられ接合強さが高められ、それぞれのかしめ部kiが強固に接合される。
【0046】
よって、積層された材質の異なる複数の金属板材が互いに強く接合され、強固に一体化した異質材積層金属板が得られる。
【0047】
この実施例の異質材積層金属板1はアモルファス板3と電磁鋼板2を積層したものであるから、アモルファス板3が有する良好な磁気特性および極めて低い鉄損特性と、電磁鋼板2が有する良好な透磁性、高磁束密度性および低鉄損特性とが相乗され、すぐれた磁気特性と前記電磁鋼板による大方の加工に耐える加工性とを兼備した異質材積層金属板1が得られる。
【0048】
また、電磁鋼板2に代替して、アモルファス板3を低炭素鋼板で挟んで異質材積層金属板1を構成すれば、アモルファス板3の前記特性が活されるとともに、加工性がより補完された異質材積層金属板1がコスト低下を図りながら得られる。
【0049】
また、電磁鋼板2に代替して、アモルファス板3を電磁軟鉄板で挟んで異質材積層金属板1を構成すれば、アモルファス板3が有する前記特性が活され、加工性を補った異質材積層金属板1が得られる。
【0050】
また、電磁鋼板2に代替して、アモルファス板3をFe−Ni合金板で挟んで異質材積層金属板1を構成すれば、アモルファス板3が有する前記特性が活され、且つ、Fe−Ni合金板が有する高透磁性および耐食性が活用された悪環境下での耐性が強い異質材積層金属板1が得られる。
【0051】
また、電磁鋼板2に代替して、アモルファス板3を銅板で挟んで異質材積層金属板1を構成すれば、アモルファス板3が有する前記特性が活されながら、加工が容易で且つ、銅板が有する導電性および熱伝導性に優れた特性を兼備した異質材積層金属板1が得られる。
【0052】
次に、第2実施例について説明する。
【0053】
本発明の第2実施例である異質材積層金属板21は、図4に示すように、電磁鋼板(上側の金属板材)221、(下側の金属板材)222 、223と難加工性板であるアモルファス板(難加工性の金属板材)231、232とが交互に積層され、かしめ部k21、k22、k23、k24において互いにかしめられ接合されている。
【0054】
上記構成の異質材積層金属板21は、下記の方法により製造されている。
【0055】
異質材積層金属板21における前記第1実施例と異なるかしめ部k21の形成とかしめ接合について説明を行う。
【0056】
図5(a)に示すように、異質材積層金属板下層部(他方金属板材体)21Bに対して、プレス金型装置のパンチP21をダイ孔Dhに進退させ、図5(b)(平面図)、図5(c)(断面図)に示すように、幅lm21と長さlm22とを有する矩形状のかしめ孔km21を穿孔する。
【0057】
一方、図6(a)に示すように、所定の大きさの電磁鋼板221とアモルファス板231と電磁鋼板222とを積層した異質材積層金属板上層部(一方異質材積層金属板材体)21Aに対して、かしめ部形成予定領域に切り欠きkh21をプレス金型装置のパンチP22をダイ孔Dhに進退させ形成する。該切り欠きkh21は、図6(b)、図6(c)に示すように、幅lh21と長さlh22とを有する矩形状孔である。
【0058】
切り欠きkh21の長さlh22は、次工程で形成されるかしめ切り下げ部ko21の長さlo22より長さ方向を若干短くするように加工される。(図6(b)において、かしめ工程で形成されるかしめ切り下げ部ko21を2点鎖線で示す。)
前記切り欠きkh21が穿孔された異質材積層金属板上層部21Aを先にかしめ孔km21を開口した異質材積層金属板下層部21Bの上におき、図6(e)に示すように、プレス金型装置のパンチP23で異質材積層金属板上層部21Aの切り欠きkh21を中心として、該切り欠きkh21の長さ方向の両端を超えた箇所(両端側並び、切り欠きの長さ方向の両端を超えた並び)kh210から切り下げ、幅lo21と長さlo22とを有する矩形状のかしめ切り下げ部(かしめ突起)ko21を形成する(図6(d)参照)とともに、異質材積層金属板下層部21Bのかしめ孔km21に嵌入してかしめる。
【0059】
上述したように、かしめ切り下げ部ko21の長さlo22は切り欠きkh21の長さlh22より大きくしているので、かしめ突起は底に左右側をつなぐ部分があって機械的強度を強めている。これによりかしめ強度はより強くなる。
【0060】
以上が、異質材積層金属板21におけるかしめ部k21のかしめ切り下げ部ko21およびかしめ孔km21の形成とかしめ接合であるが、異質材積層金属板21におけるかしめ部k22、k23、k24はかしめ部k21と同様に行われる。
【0061】
前記のように、異質材積層金属板下層部21Bと異質材積層金属板上層部21Aとを接合することにより異質材積層金属板21を製造する。
【0062】
上記実施例においては、難加工性板であるアモルファス板23を電磁鋼板22で挟んで構成した例を例示したが、先の実施例で述べたのと同様に電磁鋼板22に代替して低炭素鋼板、電磁軟鉄板、Fe−Ni合金板、または銅板を用いることにより、それぞれ使用される板材の組み合わせに応じた特性を有する異質材積層金属板21が得られる。
【0063】
この第2実施例の特徴は、前記のように切り欠きkh2i(i=1、2、3、4)の長さlh22は、かしめ切り下げ部ko2iの長さlo22より短いので、切り下げたかしめ切り下げ部ko2iの底に左右側に繋がった部分がありかしめ切り下げ部ko2iの強度が高く、より高い強度でかしめられ、より強固に一体化した異質材積層金属板が得られるところにある。
【0064】
なお、上述の実施例では、異質材積層金属板上層部において難加工性のアモルファス板を電磁鋼板で挟んで構成する例を例示したが、アモルファス板に隣接して少なくとも一方側に電磁鋼板を重ねてもよく、アモルファス板に隣接して一方側のみに電磁鋼板を重ねてもよい。
【0065】
また、異質材積層金属板上層部におけるアモルファス板が1層の例を例示したが2層、3層、…等、1層以外の層数で構成してもよいことは言うまでもない。
【0066】
また、異質材積層金属板下層部を難加工性のアモルファス板と電磁鋼板とを隣接して重ねる例を例示したが、アモルファス板に隣接して少なくとも一方側に電磁鋼板を重ねて構成してもよく、アモルファス板に隣接して両側に電磁鋼板を重ねて構成してもよい。
【0067】
また、異質材積層金属板下層部におけるアモルファス板が1層の例を例示したが2層、3層、…等、1層以外で構成してもよいことは言うまでもない。
【0068】
また、異質材積層金属板上層部を3層の金属板で構成したが、2層、4層、5層、…等の3層以外の層の金属板で構成してもよく、同様に、異質材積層金属板下層部を2層の金属板で構成したが、1層、3層、4層、5層、…等の2層以外の層の金属板で構成してもよい。
【0069】
また、異質材積層金属板は5層のものを例示したが、3層、4層、6層、7層、…等の5層以外の層の金属板で構成してもよい。
【0070】
また、異質材積層金属板のかしめ部は4ヶ所に設けられる例を例示したが、2ヶ所、3ヶ所、4ヶ所、5ヶ所、…等々、異質材積層金属板におけるかしめ部の数は4ヶ所に限定されず、任意に選択可能である。
【0071】
また、異質材積層金属板のかしめ部の形状は矩形のものを例示したが、中間部を切り欠き、該切り欠きの両側を切り下げてかしめ突起を形成するのであれば矩形の角部にR部またはC部等を形成した形状、長楕円等、かしめ部の形状は矩形に限ぎらずその他の形状にできる。
【0072】
また、かしめ切り下げ部のかしめ孔は矩形のものを例示したが、かしめ突起の形状に応じて楕円状、円状等の形状にできる。
【0073】
【発明の効果】
以上、詳述した如く、本発明の請求項1に関わる異質材積層金属板は、中間部に切り欠きを有するとともに該切り欠きの長さ方向の両端側並びを切り下げたかしめ突起が形成される一方異質材積層金属板材体と、かしめ突起が嵌入されるかしめ孔が形成される他方金属板材体とを、一方異質材積層金属板材体のかしめ突起と他方金属板材体のかしめ孔とをかしめて、複数の異種の金属板材を接合して成るので、かしめ突起が切り欠きの存在により深く切り下げられてかしめられ、強固に接合された異質材積層金属板が得られる。
【0074】
本発明の請求項2に関わる異質材積層金属板は、下側、上側の金属板材より難加工性の金属板材を挟んで重ねられ、且つ、中間部に切り欠きを有するとともに該切り欠きの長さ方向の両端側並びを切り下げたかしめ突起が形成される一方異質材積層金属板材体と、かしめ突起が嵌入されるかしめ孔が形成される他方金属板材体とを、一方異質材積層金属板材体のかしめ突起と他方金属板材体のかしめ孔とをかしめて、複数の異種の金属板材を接合して成るので、難加工性の金属板材は、隣接して少なくとも一方側に重ねられる比較的加工性のよい金属板材によって加工に際して保護され、クラック等を生じることなく加工される。
【0075】
また、かしめ突起が切り欠きの存在により深く切り下げられ、前記一方の異質材積層金属板材体と他方の金属板材体が強固にかしめ接合された異質材積層金属板が得られる。
【0076】
本発明の請求項3に関わる異質材積層金属板は、かしめ突起は、切り欠きの長さ方向の両端並びに沿って切り下げているので、深く切り下げられかしめの嵌合部を長くとることができ、且つ、切り下げた箇所は板厚および幅の減少がなく、異質材積層金属板における接合を強固にすることができる。
【0077】
本発明の請求項4に関わる異質材積層金属板は、かしめ突起は、切り欠きの長さ方向の両端を超えた並びを切り下げているので、深く切り下げられかしめの嵌合部を長くとることができるとともに、切り下げたかしめ突起の底に左右側に繋がった部分があり、異質材積層金属板における接合をより強固にすることが可能である。
【0078】
本発明の請求項5に関わる異質材積層金属板は、前記難加工性の金属板材は、アモルファス板であり、前記下側、上側の金属板材は、電磁鋼板、低炭素鋼板、電磁軟鉄板、Fe−Ni合金板、または銅板であるので、アモルファス板が有する特性とそれぞれ組み合わされる金属板材の特性とが兼備且つ、アモルファス板の加工性を補完した異質材積層金属板が得られる。
【0079】
また、本発明による異質材積層金属板は前記かしめ部により一体化されるので製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる第1実施例の異質材積層金属板を示す斜視図。
【図2】 (a)、(b)、(c)は、本発明に関わる第1実施例の異質材積層金属板下層部のかしめ孔の穴開け加工を示す断面図、該かしめ孔形成後の上面図、(b)図のB−B線断面図。
【図3】 (a)、(b)、(c)、(d)、 (e)は、本発明に関わる第1実施例の異質材積層金属板上層部のかしめ孔の穴開け加工を示す断面図、該かしめ孔形成後の上面図、(b)図のB−B線断面拡大図、かしめ孔を有するかしめ切り下げ部形成後の上面図、および(d)図のD−D線断面拡大図。
【図4】本発明に関わる第2実施例の異質材積層金属板を示す斜視図。
【図5】 (a)、(b)、(c)は、本発明に関わる第2実施例の異質材積層金属板下層部のかしめ孔の穴開け加工を示す断面図、該かしめ孔形成後の上面図、(b)図のB−B線断面図。
【図6】 (a)、(b)、(c)、(d)、 (e)は、本発明に関わる第2実施例の異質材積層金属板上層部のかしめ孔の穴開け加工を示す断面図、該かしめ孔形成後の上面図、(b)図のB−B線断面拡大図、かしめ孔を有するかしめ切り下げ部形成後の上面図、および(d)図のD−D線断面拡大図。
【符号の説明】
1、21…異質材積層金属板、
21、221…電磁鋼板(上側の金属板材)、
22、222…電磁鋼板(下側の金属板材)、
23、223…電磁鋼板(金属板材)、
31、231…アモルファス板(難加工性の金属板材)、
32、232…アモルファス板(金属板材)、
1A、21A…異質材積層金属板上層部(一方異質材積層金属板材体)、
1B、21B…異質材積層金属板下層部(他方金属板材体)、
khi0(kh10、kh20、kh30、kh40)…縁部(両端側並び、切り欠き長さ方向両端並び)、
kh2i0(kh210、kh220、kh230、kh240)…切り欠きの長さ方向の両端を超えた箇所(両端側並び、切り欠きの長さ方向の両端を超えた並び)、
khi(kh1、kh2、kh3、kh4)、kh2i(kh21、kh22、kh23、kh24)…切り欠き、
kmi(km1、km2、km3、km4)、km2i(km21、km22、km23、km24)…かしめ孔、
koi(ko1、ko2、ko3、ko4)、ko2i(ko21、ko22、ko23、ko24)…かしめ切り下げ部(かしめ突起)、
lh2…切り欠きの長さ(請求項3の切り欠きの長さ)、
lh22…切り欠きの長さ(請求項4の切り欠きの長さ)。

Claims (5)

  1. 材質の異なる複数の金属板材を積み重ね接合して成る異質材積層金属板であって、
    中間部に切り欠きを有するとともに該切り欠きの長さ方向の両端側並びを切り下げたかしめ突起が形成される一方異質材積層金属板材体と、
    前記かしめ突起が嵌入されるかしめ孔が形成される他方金属板材体とを、
    前記一方異質材積層金属板材体のかしめ突起と前記他方金属板材体のかしめ孔とをかしめて、前記複数の異種の金属板材を接合して成ることを特徴とする異質材積層金属板。
  2. 材質の異なる複数の金属板材を積み重ね接合して成る異質材積層金属板であって、
    下側、上側の前記金属板材より難加工性の前記金属板材を挟んで重ねられ、且つ、中間部に切り欠きを有するとともに該切り欠きの長さ方向の両端側並びを切り下げたかしめ突起が形成される一方異質材積層金属板材体と、
    前記かしめ突起が嵌入されるかしめ孔が形成される他方金属板材体とを、
    前記一方異質材積層金属板材体のかしめ突起と前記他方金属板材体のかしめ孔とをかしめて、前記複数の異種の金属板材を接合して成ることを特徴とする異質材積層金属板。
  3. 前記かしめ突起は、前記切り欠き長さ方向両端並びに沿って切り下げていることを特徴とする請求項1から請求項2のうちの何れか一項に記載の異質材積層金属板。
  4. 前記かしめ突起は、前記切り欠きの長さ方向の両端を超えた並びを切り下げていることを特徴とする請求項1から請求項2のうちの何れか一項に記載の異質材積層金属板。
  5. 前記難加工性の金属板材は、アモルファス板であり、
    前記下側、上側の金属板材は、電磁鋼板、低炭素鋼板、電磁軟鉄板、Fe−Ni合金板、または銅板であることを特徴とする請求項2から請求項4のうちの何れか一項に記載の異質材積層金属板。
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