JP3709691B2 - 複合材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,Si3 4 ,AlNまたはサイアロン質セラミックスとSiCとからなる複合材料に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来,Si3 4 ,AlNまたはサイアロン質材料とSiCとよりなる複合材料は1200℃以上の高い耐熱性を有し,1400℃の高温で1000MPa以上の高い強度を発現できるだけなく,耐酸化性にも優れることから,ガスタービンやエンジン等の高温用部材あるいはヒータ等の高温用機能性材料として利用されている。
【0003】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記複合材料は大気中900〜1200℃程度の温度領域では逆に酸化されやすくなり,膨れや割れが生じるという問題があった。特に,水蒸気を含むような雰囲気においては酸化腐食が著しくなる。
【0004】
Si3 4 質セラミックスの酸化は,Si3 4 結晶の粒界相を酸素が拡散することによってSi3 4 が酸化されるために生じる。従って,上記Si3 4 結晶の粒界層にポアがあったり,酸化されやすい物質が存在すると,酸素の拡散が促進されるために耐酸化性が低下する。
一方,SiCは1400℃程度の高温ではその表面に高純度のSiO2 層が形成され,これが酸素の拡散を抑制するために優れた耐酸化性を示す。
【0005】
しかしながら,上記のような900〜1200℃程度の温度領域の大気中では,SiC表面でのSiO2 層の形成が不充分となるために,酸素がSiC中を拡散しやすくなる(SiC自体が酸化されやすい)。そのようなSiC粒子やSiCウィスカがSi3 4 結晶の粒界相に存在すると,これらによって酸素拡散が逆に促進されるようになり,その結果,Si3 4 /SiC複合材料の耐酸化性が低下すると考えられる。
【0006】
そして,酸化により複合材料の表面層が変質した場合には,該複合材料よりなるセンサ材料,ヒータ材料等の機能性材料や,耐熱性の構造用材料等を用いた各種デバイスにおいて所望の性能が得難くなるだけでなく,表面に膨れや気孔が生成し,素材そのものが破壊してしまうおそれがあった。
【0007】
このような問題点について,従来以下のような技術が提案されていた。
特開昭63−69757号の「複合セラミックス及びその製造方法」において,Si3 4 /SiCを1000〜1300℃で熱処理することにより,Si3 4 /SiC表面層に存在するSiC粒子とSi3 4 粒子相互間の空隙をSiO2 を主成分とするガラス相で埋めることにより,耐酸化性を向上させようとする技術が提案されている。
【0008】
しかしながら,SiO2 を主成分とするガラス相は,それ自体は耐熱性や強度が母材であるSi3 4 に比べて低いため,耐熱性,強度や耐熱衝撃性等の機械的特性が低下するおそれがある。更に,強度や靱性が低い表面ガラス層に亀裂や破壊が生じると耐酸化性が低下してしまうおそれがある。
また,高温大気中で熱処理を行う必要があり,プロセスが複雑になるために生産性が低く,材料がコスト高になるという問題がある。
【0009】
また,特開平5−51286号の「セラミック被覆C/C複合材の製造法」において,コンバージョン法やCVD法等により,C/C複合材の表面をセラミックスで被覆することによって耐酸化性を向上させようとすることが提案されている。
【0010】
しかしながら,上記従来技術においては複合材の表面全体を被覆する必要があるため,生産性が悪く,材料費がコスト高となるおそれがある。また,外力による被覆層への亀裂生成または剥離によって耐酸化性が悪化するおそれがある。被覆層の強度や破壊靱性等によって複合材料の機械的特性が支配されるため,高い機械的特性が発現し難くなるおそれがある。
【0011】
また,特開平5−186268号において,「金属窒化物で被覆された繊維強化材を有する炭化珪素複合材」が提案されている。
しかしながら,強化用繊維の表面全体を金属窒化物で被覆する必要があり,生産性が悪く,このため材料コストも高くなる。また,外力,特に繰り返しの外力の負荷によって被覆層が破壊または剥離することによって,耐酸化性が悪化するおそれもある。
【0012】
また,特開平6−305836号の「窒化ケイ素基セラミックス複合体材料」において,酸化イットリウム,酸化ハフニウム,炭化珪素及び窒化珪素よりなる窒化珪素複合材料であり,該酸化ハフニウム及び酸化イットリウムを用いて結晶粒界層にY2 Hf2 7 のような結晶相を生成させることによって高温強度や耐酸化性を向上させようとすることが提案されている。
【0013】
しかしながら,粒界相を結晶化する必要があり,その生成量や生成状態によっては耐酸化性が低下するおそれがある。更に,粒界相に生成した結晶相の熱膨張率がマトリックスである窒化珪素のそれに比べて大きくなると,粒界相に沿って熱歪みによる割れが形成されやすくなるおそれがある。これによって,耐酸化性も低下するおそれがある。また,粒界相が結晶質の場合には,室温強度や耐機械的,熱的衝撃性等が低下してしまうため,窒化珪素基セラミックス複合材料が元来有する機械的特性を発現し難くなるおそれがある。
【0014】
更に,特開平3−150267号において「炭化ケイ素質摺動材」が提案されている。
しかしながら,耐酸化性は炭化珪素で発現させるものであり,硼化物は摺動性を向上させるものとして添加しており,硼化物添加による耐酸化性の向上は殆どなかった。
このようにいずれの従来技術も表面を被覆することなく,炭化珪素を添加した複合材料の耐酸化性を向上させることはできなかった。
【0015】
本発明は,かかる問題点に鑑み,酸化され難く,酸化による特性劣化や破壊等が生じ難い複合材料を提供しようとするものである。
【0016】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,Si34 ,SiCと,周期律表のIVa,Va,VIa,VIIa,VIII族及びランタノイドの炭化物,窒化物,珪化物,硼化物,酸化物のいずれか1種以上よりなる添加物とを含有してなる混合原料であると共に,上記Si34 と,上記SiCと上記添加物との合計100重量%中に上記SiCは10〜60重量%,上記添加物は0.6〜5重量%含有されている混合原料を準備し,
上記混合原料を成形し,加熱焼成することにより得られた,
上記添加物が上記SiCと共に,上記Si34 りなる母材の粒界相に混在している複合材料であり,
かつ,1200℃を超える高温雰囲気中において上記複合材料中のSiC表面にSiO 2 の皮膜が形成されるよう構成されていることを特徴とする複合材料であることを特徴とする複合材料にある。
【0017】
上記Si3 4 質セラミックスとは,Si3 4 結晶粒を主成分として含有したSi3 4 結晶粒界にY2 3 ,Al2 3 ,Al2 MgO4 ,MgO,HfO2 ,Li2 3 ,La2 3 ,SiO2 ,Yb2 3 ,Ta2 5 等の焼結助剤から形成されたガラス相または結晶相で構成された材料を示している。
また,AlN,またはサイアロン質セラミックスについても同様である。
【0018】
添加剤としては,周期律表のIVa,Va,VIa,VIIa,VIII族及びランタノイドから選択される元素の炭化物,窒化物,珪化物,硼化物,及び酸化物のいずれか1種以上よりなる化合物及び/またはそれらの複合酸化物を使用することができる。更に好ましくは,IVa,Va及びVIa族から選択される炭化物,窒化物,珪化物,硼化物,及び酸化物のいずれか1種以上の化合物及び/またはそれらの複合化合物が挙げられる。
【0019】
また,上記添加物として使用可能なものとしては,例えば,TiB2 ,VN,,VB,VC,TiO2 ,TiN,CrB2 ,WSi2 ,MoSi2 ,HfB2 ,HfO2 ,TaB2 ,NbN,TaN,Cr2 N,NbB2 ,TaB2 ,MoB,WB,LaB6 ,TiSi2 ,HfSi2 ,NbSi2 ,TaSi2 ,CrSi2 ,MoO3 ,NiO,NiB,Mo2 5 ,CeB6 ,W,CeSi2 ,Nd2 3 というものを挙げることができる。
【0020】
これら添加物の種類は,破壊靱性,強度,耐衝撃性,耐クリープ性,耐熱性,使用雰囲気等の機械的な特性や,電気抵抗値,熱伝導率等の機能性を向上あるいは付与するために適宜選択することができる。
例えば,添加物としてTiB2 やTiN等を用いた複合材料は電気抵抗値が低くなることから,ヒータやセラミックグロープラグ素子の抵抗値を調整することに利用することができ,耐酸化性と耐熱性が高く,急速昇温を可能なヒータやセラミックグロープラグ素子を得ることができる。
【0022】
本発明の作用につき,原理はまだ明確ではないが以下に説明する。
本発明にかかる複合材料は,Si3 4 ,AlN,またはサイアロン質セラミックスよりなる母材中にSiCを分散相として複合化した焼結体中に対し,周期律表のIVa,Va,VIa,VIIa,VIII族及びランタノイドの炭化物,窒化物,珪化物,硼化物及び酸化物のいずれか1種以上よりなる添加物を含有させてなり,上記焼結体中に上記添加物は上述の割合で含有されており,かつ上記添加物は上記SiCと共に上記母材の粒界相に混在した状態にある。
上記添加物が母材の結晶粒界相で生じる酸素の拡散を阻害することができると考えられるため,本発明にかかる複合材料は酸化され難い。
【0023】
また,本発明にかかる複合材料が1200℃を越えるような高温雰囲気に曝された場合には,該複合材料中のSiC表面にSiO2 の皮膜が形成される。
酸素の拡散パスとなる粒界相に分散したSiCの耐酸化性が向上することによって酸素拡散が抑止され,その結果,複合材料の耐酸化性が向上すると考えられる。
【0024】
つまり本発明にかかる複合材料は低温では添加物の酸素透過阻害作用により,高温では添加物の効果に加えてSiC表面層のSiO2 皮膜の酸素透過阻害作用が働き,幅広い温度範囲における優れた耐酸化性を有する。
よって,酸化による品質変化も生じ難い。
【0025】
以上のように,本発明によれば,酸化され難く,酸化による特性劣化や破壊等が生じ難い複合材料を提供することができる。
【0026】
なお,本発明にかかる複合材料は後述するごとく添加物は混合原料中に含有され,加熱焼成前に混合される。このことから,上記添加物は加熱焼成中に酸化され,酸化物となって複合材料中に存在することもある。つまり,添加物として例えばTiB2 等を用いた場合においても,加熱焼成によりBは揮散し,Tiは酸化された状態で複合材料中に残留することがある。
【0027】
次に,上記複合材料は,Si34 SiC及び周期律表のIVa,Va,VIa,VIIa,VIII族及びランタノイドの炭化物,窒化物,珪化物,硼化物,酸化物のいずれか1種以上よりなる添加物を含有してなる混合原料であって,該混合原料100重量%中にSiCは10〜60重量%,添加物は0.6〜5重量%含有された混合原料を準備し,上記混合原料を成形し,加熱焼成して作製する。
【0028】
上記混合原料において,SiCの量が10重量%未満である場合には,高温での強度低下や1200℃以上の高温での耐酸化性が低下するおそれがある。一方,60重量%より大である場合には,SiCが難焼結性材料であることから,複合材料の焼結密度が低下するおそれがある。
【0029】
また,添加物の量が0.01重量%未満である場合には,添加物による酸化抑制効果が小さくなるおそれがあり,一方,40重量%より大である場合には,材料の焼結密度を低下させると共に1200℃付近での耐酸化性を低下させるおそれがある。
これにより,上述したごとき酸化され難く,酸化による変質が生じ難い優れた複合材料を得ることができる。
【0030】
また,添加物は粒径が0.1μm以上のものを使用することが好ましい。このような粒径範囲とすることにより,添加物が焼結体の母材の結晶粒界相に分散し易くなることができる。
【0031】
上記製造方法において混合原料を成形する方法としては,単軸成形,冷間静水圧プレス(CIP),ホットプレス,熱間静水圧等の加圧成形,泥漿鋳込,固層鋳込,ロストワックス等の鋳込成形,及びドクターブレード成形,押出成形,射出成形,トランスファー成形,圧縮成形等の可撓成形法等を利用することができる。
また,加熱焼成は温度1650〜1950℃,N2 ,Ar等の雰囲気において行うことが好ましい。更に好ましくは加圧成形(CIP),ホットプレス成形またはHIPにより焼成することが好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
実施形態例
本発明の実施形態例にかかる複合材料につき,試料1〜10を用いて説明する。
本例にかかる複合材料は,Si34 と,SiCと,周期律表のIVa,Va,VIa,VIIa,VIII族及びランタノイドの炭化物,窒化物,珪化物,硼化物,酸化物のいずれか1種以上よりなる添加物とを含有してなる混合原料であると共に,該混合原料100重量%中に上記SiCは10〜60重量%,上記添加物は0.6〜5重量%含有されている混合原料を準備し,上記混合原料を成形し,加熱焼成することにより得られたものであり,上記添加物が上記SiCと共に,上記Si34 りなる母材の粒界相に混在している。また,焼結助剤等も含有されている。
【0033】
添加物の種類を違えて作製した試料1〜10を準備し,各試料1〜10の性能について比較試料C1,C2と共に説明する。なお,各試料1〜10においてSi3 4 質材料としてはSi3 4 そのものを利用した。なお,各試料1〜10及び比較試料C1,C2を作製する際の混合原料が含有するSi3 4 ,SiC,添加物,Y2 3 (焼結助剤)の含有量は表1に記載した。
【0034】
<試料1>,<試料2>
Si3 4 (平均粒径:0.2μm)に,焼結助剤であるY2 3 (平均粒径:0.4μm),SiC(平均粒径:0.3μm)及び本発明にかかる添加物として作用するTiB2 (平均粒径:1μm)をエタノール中で24時間ボールミル混合し,混合原料を作製した。
【0035】
得られた混合原料を解砕して一軸金型成形した後,1850℃×1時間×20MPaの条件でホットプレスを行い,試料1または試料2にかかる複合材料を得た。なお,試料1,試料2は表1より知れるごとく混合原料中における添加物TiB2 の含有量が異なる。
【0036】
<試料3>
Si3 4 (平均粒径:0.2μm)に,焼結助剤であるY2 3 (平均粒径:0.4μm),SiC(平均粒径:0.3μm)及び添加物であるVN(平均粒径:1μm)をエタノール中で24時間ボールミル混合し,混合原料を作製した。
得られた混合原料を解砕して一軸金型成形した後,1850℃×1時間×20MPaの条件でホットプレスを行い,試料3にかかる複合材料を得た。
【0037】
<試料4>,<試料5>
Si34(平均粒径:0.2μm)に,焼結助剤であるY23(平均粒径:0.4μm),SiC(平均粒径:0.3μm)及び添加物であるTiO2粉(平均粒径:1μm)をエタノール中で24時間ボールミル混合し,混合原料を作製した。
得られた混合原料を解砕して一軸金型成形した後,1850℃×1時間×20MPaの条件でホットプレスを行い,試料4または試料5にかかる複合材料を得た。
【0038】
<試料6>
Si3 4 (平均粒径:0.2μm)に,焼結助剤であるY2 3 (平均粒径:0.4μm),SiC(平均粒径:0.3μm)及び添加物のTiN(平均粒径:1μm)をエタノール中で24時間ボールミル混合し,混合原料を作製した。
得られた混合原料を解砕して一軸金型成形した後,1850℃×1時間×20MPaの条件でホットプレスを行い,試料6にかかる複合材料を得た。
【0039】
<試料7>
Si3 4 (平均粒径:0.2μm)に,焼結助剤であるY2 3 (平均粒径:0.4μm),SiC(平均粒径:0.3μm)及び添加物のTiB2 (平均粒径:1μm)を湿式でボールミル混合し,乾燥して混合原料を作製した。
得られた混合原料を一軸金型成形(圧力:20MPa)した後,1850℃×1時間×20MPaの条件でホットプレスを施し,試料7にかかる複合材料を得た。
【0040】
<試料8>
Si3 4 (平均粒径:0.2μm)に,焼結助剤であるY2 3 (平均粒径:0.4μm),SiC(平均粒径:0.3μm)及び添加物であるCrB2 (平均粒径:1μm)を湿式でボールミル混合し,乾燥して混合原料を作製した。得られた混合原料を一軸金型成形(圧力:20MPa)した後,1850℃×1時間×20MPaの条件でホットプレスを施し,試料8にかかる複合材料を得た。
【0041】
<試料9>
Si3 4 (平均粒径:0.2μm)に,焼結助剤であるY2 3 (平均粒径:0.4μm),SiC(平均粒径:0.3μm)及び添加物であるWSi2 (平均粒径:1μm)を湿式でボールミル混合し,乾燥して混合原料を作製した。得られた混合原料を一軸金型成形(圧力:20MPa)した後,1850℃×1時間×20MPaの条件でホットプレスを施し,試料9にかかる複合材料を得た。
【0042】
<試料10>
Si3 4 (平均一次粒子径:0.2μm)と焼結助剤であるY2 3 (平均粒径:0.4μm)に対し,バインダであるPVA(ポリビニルアルコール)を添加し,湿式でボールミル混合した後,スプレードライ装置を用いてSi3 4 及びY2 3 よりなる造粒粉を作製した。
【0043】
上記造粒粉とSiC(平均粒径:0.3μm)及び添加物であるVN(平均粒径:1μm)とを乾式混合し,混合原料を作製した。
得られた混合原料を乾燥,成形した後,1850℃×1時間×20MPaの条件でホットプレスを行った。これにより,試料10にかかる複合材料を得た。
これら試料1〜10の断面を走査型顕微鏡により観察したところ,SiC及び添加物が母材の粒界相に混在して分散していることが確認できた。
【0044】
以上に示した各試料と比較するため,本発明にかかる添加物を含まない複合材料を作製し,比較試料とした。以下に説明する。
<比較試料C1>
Si34(平均粒径:0.2μm)と焼結助剤のY23(平均粒径:0.4μm)とSiC(平均粒径:0.3μm)とを準備した。これらをボールミルで湿式混合し,乾燥して成形後,1850℃×1時間×20MPaという条件でホットプレスを施した。これにより,比較試料C1にかかる複合材料を得た。
【0045】
<比較試料C2>
Si34(平均粒径:0.2μm)と焼結助剤のY23(平均粒径:0.4μm)とSiC(平均粒径:0.3μm)とを準備した。これらをボールミルで湿式混合し,乾燥して成形後,1850℃×1時間×20MPaという条件でホットプレスを施した。これにより,比較試料C2にかかる複合材料を得た。
【0046】
上述したごとき試料1〜10,比較試料C1,C2に対して以下に示す試験を行い,表1に記載した。
上記各試料,比較試料より大きさが3×3×10mmである試験片を切り出した。この試験片を表1及び表2に示すごとく,焼成温度900〜1200℃大気中で500時間保持した。なお,この試験は大気開放されているが,炉内温度は一定に保持された加熱炉を用いて行った。
【0047】
試験後の重量と試験前に測定した重量とを比較し,試験片の重量増加を調べた。この重量増加は試験片が酸化されたために生じ,この値が小さいほど,試験片は酸化され難いといえる。なお,重量増加の値は表1及び表2における酸化増量の欄に記載した。更に,上記試験を経た後,試験片に割れ・膨れが生じたか否か,変色が生じたか否かについても調べ,結果を表1に記載した。
【0048】
表1から明らかなように,試料1〜10は酸化増量が0.8mg/cm2 以下であり,添加物が含有されていない比較試料C1,C2と比べて2桁近く酸化増量が低かった。
【0049】
更に,比較試料C1,C2では膨れが認められ,また変色を生じたが,試料1〜10では膨れや割れは認められず,変色も生じなかった。
つまり,添加物を加えて作製した複合材料は温度1000℃において優れた耐酸化性を有することが分かった。
更に表2により明らかであるが,試料1,5,10は温度900℃,温度1200℃においても酸化増量が0.8mg/cm2 以下であった。また,添加物が含有されていない比較試料C2は12〜26mg/cm2 と2桁近く酸化増量が高かった。
【0050】
また,上記と同様の試験をサイアロン(またはAlN),SiC,焼結助剤であるY2 3 ,そして上述したごとき各種添加物(TiB2 ,VN,TiO2 等)を用いて作製した混合原料より作製した複合材料に対して行った。この場合においても,得られた複合材料の酸化増量は非常に低く,変質等が認められなかった。
【0051】
【表1】
Figure 0003709691
【0052】
【表2】
Figure 0003709691
【0053】
【発明の効果】
上記のごとく,本発明によれば,酸化され難く,酸化による特性劣化や破壊等が生じ難い複合材料を提供することができる。

Claims (1)

  1. Si34 ,SiCと,周期律表のIVa,Va,VIa,VIIa,VIII族及びランタノイドの炭化物,窒化物,珪化物,硼化物,酸化物のいずれか1種以上よりなる添加物とを含有してなる混合原料であると共に,上記Si34 と,上記SiCと上記添加物との合計100重量%中に上記SiCは10〜60重量%,上記添加物は0.6〜5重量%含有されている混合原料を準備し,
    上記混合原料を成形し,加熱焼成することにより得られた,
    上記添加物が上記SiCと共に,上記Si34 りなる母材の粒界相に混在している複合材料であり,
    かつ,1200℃を超える高温雰囲気中において上記複合材料中のSiC表面にSiO 2 の皮膜が形成されるよう構成されていることを特徴とする複合材料。
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