JP3709599B2 - ディザマトリックス作成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多値画像を2値画像化するためのディザマトリックスの作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像を構成するデータは通常8ビット程度の濃淡階調で表現されている。しかし、この画像データを人が見ることのできる画像として出力する機器、例えばプリンタなどの出力機器においては、機構が簡単であることや制御の容易性から、インク等の色素を記録紙にドットとして付着させるか否かしか行わない、いわゆる2値記録が一般的である。
【0003】
このような2値記録の出力機器を使用して、8ビット濃淡階調で表された画像を記録する場合には、単に各画素の値を閾値で判断してインクを付着させるか否かを決定することになる。しかし、このように閾値で単純に2値化するだけでは、8ビット濃淡階調が持つ豊富な濃淡状態(1色なら256階調、3原色が各256階調ならば、約1670万色を表すことができる。)を表現することは不可能となる。そのため、このような2値記録の出力機器でも疑似的に濃淡状態を表現する方法が考えられている。すなわち、所定の面積の中で配置されるドット数によって濃淡を表現しようと言う面積階調の考え方である。
【0004】
この考え方を実現する方法としては種々の提案がなされている。例えば、誤差拡散法、乱数発生型ディザ法、組織的ディザ法等である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの方法には、次のような問題があった。
すなわち、誤差拡散法は、誤差拡散あるいは誤差分配演算のために、2値化の処理が遅くなり、また2値化された画像に独特の紋様が発生し易かった。乱数発生型ディザ法は、ディザマトリックスを使用するために高速であるが、乱数を用いるため、画質が非常にノイジー、すなわち、多くのノイズが画像に満ちているような画質となると言う問題が有った。
【0006】
ディザマトリックスを用いる他の方法として、組織的ディザ法の内の渦巻型があるが、この渦巻型は、ドットが密集し易く、密集したものが大きなドットと認識されるので解像度が悪化し易かった。組織的ディザ法の内で、ベイヤー(Bayer)法があるが、このベイヤー(Bayer)法は、ドットが分散するので解像度は良いが、独特な紋様が発生し、暗部の階調性も悪いものであった。
【0007】
本発明は、ディザ法を用いても、ノイジーとならず、解像度が悪化せず、紋様の発生を抑制するディザマトリックスの作製方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明のディザマトリックス作成方法は、画素において表すことができる濃度範囲内に設定された所定範囲において離散的に設定された複数の濃度値の各々を、複数の均一濃度画素マトリックスの各々における全画素の濃度値として、前記均一濃度画素マトリックス毎に誤差拡散法にて前記濃度値をオン/オフのいずれかに2値化し、この2値化された濃度値に基づいて、ディザマトリックスにおける各画素の閾値を設定してディザマトリックスを形成している。
【0009】
この2値化された濃度値に基づいて、ディザマトリックスにおける各画素の閾値を設定する方法としては、例えば、2値化された濃度値を、前記均一濃度画素マトリックスのすべてについて同一位置の画素毎に集積し、この同一位置の画素毎の集積結果に基づいて、ディザマトリックスにおける各画素の閾値を設定する。
【0010】
このようにして閾値が設定されたディザマトリックスによって画像を2値化すると、人間の目に対してノイジーとならず、解像度が悪化せず、紋様の発生を抑制した2値化画像を生成することができる。
誤差拡散法により生じる2値の並びは、一見不規則に見えるけれども、まったくのでたらめではない。すなわち、紋様はできにくいがノイジーな画像にはなりにくい性質がある。このように本発明のディザマトリックス作成方法は、誤差拡散法により生じる2値の並びを利用することにより、ディザマトリックスにも誤差拡散法における2値の並びの性質を取り込んで作成されたものである。
【0011】
したがって、2値化の計算処理が高速に可能となるディザマトリックスにおいて、前述のごとく誤差拡散法により、不規則ではあるがまったくのでたらめではない適切な閾値の分布を形成しているので、人間の目に対してノイジーとならず、かつ解像度が悪化せず、更に、紋様の発生を抑制した2値化画像を生成することができたものと考えられる。
【0012】
更に、本発明のディザマトリックス作成方法は、既に2値化された前記均一濃度画素マトリックスの2値化状態に応じて、前記均一濃度画素マトリックスの各画素が2値化処理されることを特徴とする。この「既に2値化された均一濃度画素マトリックスの2値化状態に応じてなされる2値化処理」とは、例えば、既に2値化された均一濃度画素マトリックスの内で、2値化処理しようとする均一濃度画素マトリックスに最も近い濃度の均一濃度画素マトリックスの2値化状態に応じて2値化処理する手法が挙げられる。すなわち、均一濃度画素マトリックスの誤差拡散法による2値化処理がまったく独立に実行されるのではなく、既になされている他の均一濃度画素マトリックスにおける2値化状態が反映される。
【0013】
この反映により、単に各均一濃度画素マトリックス独立に2値化している場合に比較して、各画素位置における集積状態が特定の値に偏ることが無く、各種の値に分散化する。したがって、このような集積状態に基づいて最終的に得られるディザマトリックスは、閾値の値が、所定範囲に適度に分散して分布するものとなる。
【0014】
すなわち、本発明によれば、ディザ法を用いても、ノイジーとならず、解像度が悪化せず、紋様の発生を抑制するディザマトリックスを作成することができると共に、特に、各均一濃度画素マトリックス独立に2値化している場合に得られるディザマトリックスに比較して、解像度の向上や紋様の抑制を一層改良させたディザマトリックスを得ることができる。
【0015】
更に具体的には、濃度値iを全画素の濃度値とする均一濃度画素マトリックスにてなされる誤差拡散法において、濃度値i未満で最も濃度値iに近い濃度値について既に2値化されて得られた最近下方2値化画素マトリックスにてオンとなっている画素位置と同じ画素位置は、必ずオンとして誤差拡散処理することにより2値化すれば、前述した効果を得ることができる。この場合、最初に、所定範囲において離散的に設定された複数の濃度値の内の最小値minを全画素の濃度値とする均一濃度画素マトリックスについて、誤差拡散法にて各画素の濃度値をオン/オフのいずれかに2値化し、その後、他の濃度を前記濃度値iとして2値化しても良い。
【0016】
また、濃度値iを全画素の濃度値とする均一濃度画素マトリックスにてなされる誤差拡散法において、濃度値iを越えていて最も濃度値iに近い濃度値について既に2値化されて得られた最近上方2値化画素マトリックスにてオフとなっている画素位置と同じ画素位置は、必ずオフとして誤差拡散処理することにより2値化すれば、前述した効果を得ることができる。この場合、最初に、所定範囲において離散的に設定された複数の濃度値の内の最大値maxを全画素の濃度値とする均一濃度画素マトリックスについて、誤差拡散法にて各画素の濃度値をオン/オフのいずれかに2値化し、その後、他の濃度を前記濃度値iとして2値化しても良い。
【0017】
また、濃度値iを全画素の濃度値とする均一濃度画素マトリックスにてなされる誤差拡散法において、濃度値i未満で最も濃度値iに近い濃度値について既に2値化されて得られた最近下方2値化画素マトリックスにおいてオンおよび濃度値iを越えていて最も濃度値iに近い濃度値について既に2値化されて得られた最近上方2値化画素マトリックスにおいてもオンとなっている画素位置と同じ画素位置は必ずオンとし、前記最近下方2値化画素マトリックスにおいてオフおよび前記最近上方2値化画素マトリックスにおいてもオフとなっている画素位置と同じ画素位置は必ずオフとして誤差拡散処理することにより2値化しても良く、前述した効果を得ることができる。この場合、最初に、所定範囲において離散的に設定された複数の濃度値の内の最小値minおよび最大値maxを全画素の濃度値とする2つの均一濃度画素マトリックスについて、誤差拡散法にて各画素の濃度値をオン/オフのいずれかに2値化することが好ましい。
【0018】
また、前記濃度値iは、前記最近下方2値化画素マトリックスと前記最近上方2値化画素マトリックスとの各濃度値の中央の整数値に対応させること、あるいはほぼ中央の整数値に対応させることが、得られたディザマトリックスにて処理されて得られた疑似中間調画像の解像度の向上や紋様の抑制の上で好ましい。
【0019】
また、前記所定範囲は、画素において表すことができる濃度範囲に等しいこととしても良い。この場合、前記所定範囲は例えば0〜255の範囲が挙げられる。これは、特に2値化処理対象の画像を構成するデータが8ビットの濃淡階調で表現されている場合に好ましい。
【0020】
また、前述した効果を一層向上させるためには、前記複数の濃度値としては、所定範囲において離散的に設定された複数の濃度値の内の最小値minから最大値maxまで1づつ変化させて設定したmax−min+1個の値であることが好ましい。
【0021】
また、前記均一濃度画素マトリックスは、求められるディザマトリックスより行および列がともに大きいマトリックスであり、前記誤差拡散法による2値化後に、前記ディザマトリックスと同じ大きさの特定領域について前記集積を行い、その集積結果に基づいて、前記ディザマトリックスにおける各画素の閾値を設定しても良い。この場合、特に、前記特定領域は、前記誤差拡散法の処理が開始された先頭画素ライン部分の集積結果を含まないことにすると、誤差拡散の初期における誤差拡散あるいは誤差分配の歪みがディザマトリックスへ影響し難くなり、でき上がったディザマトリックスを使用して画像を2値化しても、一層、ドットの偏りや紋様の発生を抑制することができる。更に、この場合、できるだけ前記歪みの影響を無くすためには、前記特定領域としては、前記先頭画素ライン部分から最も離れたラインである、前記誤差拡散法の処理が終了する最終画素ライン部分の集積結果を含むようにすることが好ましい。
【0022】
前記同一位置の画素毎の集積結果としては、例えば、同一位置の画素における2値化された濃度値の内の一方の値の個数であって、この個数に応じてディザマトリックスの各画素の閾値を設定することができる。例えば、2値が「1」(オン)と「0」(オフ)とで表されているとすると、2値化した複数の均一濃度画素マトリックスの同一位置に存在する「1」(オン)をカウントし、そのカウント値を、そのまま、あるいは係数をかけてディザマトリックスの同一位置における閾値として設定しても良い。またカウント値からテーブルに基づいて閾値を設定しても良い。「1」(オン)の代りに「0」(オフ)をカウントしても良い。
【0023】
また、閾値の設定は、上述の方法以外に、濃度値が前記所定範囲において離散的に設定された複数の濃度値の内の最小値minである均一濃度画素マトリックスから最大値maxである均一濃度画素マトリックスまで見た場合に、2値化された均一濃度画素マトリックスに最初に「1」(オン)となって現れる画素位置に対して、最初に「1」(オン)となった均一濃度画素マトリックスの濃度値に応じて閾値が設定されることとしても良い。例えば、各画素位置を濃度値の小さい方から順次チェックして、「1」(オン)が最初に現れた均一濃度画素マトリックスの濃度値をそのまま閾値として設定しても良い。またこの濃度値に所定の係数をかけて閾値として設定しても良い。
【0024】
また、閾値の設定は、濃度値が前記最大値maxである均一濃度画素マトリックスから前記最小値minである均一濃度画素マトリックスまで見た場合に、2値化された均一濃度画素マトリックスに最初に「0」(オフ)となって現れる画素位置に対して、最初に「0」(オフ)となった均一濃度画素マトリックスの濃度値に応じて閾値が設定されることとしても良い。例えば、各画素位置を濃度値の大きい方から順次チェックして、「0」(オフ)が最初に現れた均一濃度画素マトリックスの濃度値をそのまま閾値として設定しても良い。またこの濃度値に所定の係数をかけて閾値として設定しても良い。
【0025】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、ディザマトリックス作成装置2の主要ブロック図である。
このディザマトリックス作成装置2の主体を成すマイクロコンピュータ部11はCPU12、ROMからなるプログラムメモリ13、RAMからなるワーキングメモリ14、RAMからなるディザマトリックス格納メモリ16およびRAMからなる出力イメージメモリ17により構成されている。また、マイクロコンピュータ部11にはシステムバス18を介して入力部10および出力部19が接続されている。
【0026】
入力部10は、キーボードや外部の記憶装置から入力するためのインターフェースを備え、ディザマトリックス作成に必要なデータや指示の入力を行うものである。また、入力部10は、作成されたディザマトリックスの効果を確認するために、各画素が8ビットで表される階調を有する画像データを入力する。
【0027】
CPU12は、後述するごとくディザマトリックスの作成を実行するものであり、プログラムメモリ13は、このCPU12で行う様々な制御を実施するためのプログラムを記憶している。また、ワーキングメモリ14は、CPU12がプログラムメモリ13に記憶されたプログラムを実行するときに必要なデータを一時的に記憶するものである。
【0028】
ディザマトリックス格納メモリ16は、CPU12の処理によって形成されたディザマトリックスデータを記憶する。
出力イメージメモリ17は、CPU12により、ディザマトリックス格納メモリ16に格納されているディザマトリックスを用いて、8ビットで表される階調を有する画像データを2値化し、その2値化された出力イメージデータを記憶する。
【0029】
出力部19は、出力イメージメモリ17に格納した2値化画像データを電子写真方式によりドットの有無で印字する装置である。
次に、ディザマトリックス作成装置2により実行されるディザマトリックス作成処理について説明する。ディザマトリックス作成処理のフローチャートを図2に示す。
【0030】
まず、全画素が濃度値i=0である均一濃度画素マトリックスと、全画素が濃度値i=255である均一濃度画素マトリックスとを誤差拡散法により2値化する(S80)。この均一濃度画素マトリックスは、図4に示すごとく、i=0,255の2種類の均一濃度画素マトリックスD0,D255をワーキングメモリ14に読み込んで用いれば良い。そして、その2値化画素マトリックスF0,F255(図5)をワーキングメモリ14に保存する(S90)。
【0031】
ここでは誤差拡散法は、広い意味で用いており、ある画素を2値化した場合に2値化の誤差を未だ2値化していない周辺の画素の濃度に分配する方法(狭い意味の誤差拡散法・文献:Robert W.Floyd and Louis Steinberg,"An Adaptive Algorithm for Spatial Greyscale",Proceeding of the S.I.D. Vol.17/2,1976等)、あるいは2値化する際に周辺に存在する既に2値化した画素からその2値化の際に生じた誤差の所定割合を受け取る方法(平均誤差最小法とも言う。文献:J.F.Jarvis,C.N.Judice,and W.H.Ninke,"A Survey of Techniques for the Display of Continuous Tone Pictures on Bilevel Displays",Computer Graphics and Image Processing.5,13-40(1976)等)等が良く知られているので、誤差拡散法自体の詳細な説明は省略する。ただし、ステップS80にて行われる濃度値i=0,255の均一濃度画素マトリックスの誤差拡散法による2値化結果は、i=0の場合は全画素「0」(以下「オフ」と称する。)、i=255の場合は全画素「1」(以下「オン」と称する。)となるので、特に誤差拡散法による計算はせずに、予め全画素がオフの2値化画素マトリックスと全画素がオンの2値化画素マトリックスとを備えておいて、これらのマトリックスを用いても良い。
【0032】
次に濃度値iに「1」を設定し(S100)、全画素が濃度値i=1の均一濃度画素マトリックスに対して、図3に示す2値化処理を実行する(S110)。この均一濃度画素マトリックスは、図4に示したごとく、i=1〜254の254種類の均一濃度画素マトリックスD1〜D254をワーキングメモリ14に読み込んで用いれば良い。
【0033】
図3の2値化処理について説明する。まず、2値化済みの濃度値、すなわち既に2値化画素マトリックスが求められている濃度値の内で、濃度値iを越えていて最も濃度値iに近い濃度値の均一濃度画素マトリックスを2値化処理した2値化画素マトリックス(以下、「最近上方2値化画素マトリックスH」と称する。)と、濃度値i未満で最も濃度値iに近い濃度値の均一濃度画素マトリックスを2値化処理した2値化画素マトリックス(以下、「最近下方2値化画素マトリックスL」と称する。)とをワーキングメモリ14の内容から検索する(S112)。本実施の形態1では、i=1から順次、i=254まで処理して行くので、最近上方2値化画素マトリックスHは、常にi=255の2値化画素マトリックスであり、最近下方2値化画素マトリックスLは、i−1の2値化画素マトリックスである。
【0034】
次に、濃度値iの均一濃度画素マトリックスについて、誤差拡散法により2値化し、2値化画素マトリックスFiを作成する(S116)。
ただし、次の条件▲1▼,▲2▼の下に2値化される。
▲1▼最近上方2値化画素マトリックスHと最近下方2値化画素マトリックスLとの両者にて共にオンが配置されている画素位置は、必ずオンとする。
【0035】
▲2▼最近上方2値化画素マトリックスHと最近下方2値化画素マトリックスLとの両者にて共にオフが配置されている画素位置は、必ずオフとする。
すなわち、通常、誤差拡散法においては、周辺の画素から分配された誤差と自己の濃度とを合計した値を、閾値と比較して、閾値以上であれば「オン」、閾値未満であれば「オフ」に2値化しているが、前記▲1▼または▲2▼の条件に該当する画素の場合には、その画素については閾値との比較をせずに、前記▲1▼または▲2▼の条件通りに、「オン」または「オフ」に設定する。勿論、この閾値と比較しない設定の結果は2値化誤差に反映され、周辺画素への分配の対象となる。
【0036】
濃度値iの均一濃度画素マトリックスについて2値化を終了すると、このようにして得られた2値化画素マトリックスをワーキングメモリ14に保存し(S120)、濃度値i=254か否かを判定する(S130)。最初は濃度値i=1であるので(S130で「NO」)、次に濃度値iがインクリメントされる(S140)。したがって、次に全画素が濃度値i=2の均一濃度画素マトリックスを前述のごとく2値化処理し(S110)、その2値化画素マトリックスF2をワーキングメモリ14に保存する(S120)。
【0037】
以後、順次、濃度値iをインクリメントしつつ(S140)、該当する濃度値iの均一濃度画素マトリックスを2値化し(S110)、その2値化画素マトリックスFiをワーキングメモリ14に保存する(S120)処理を繰り返す。
濃度値i=254の均一濃度画素マトリックスの処理(S110,S120)が終了すると図5に示すごとく、ワーキングメモリ14内には、濃度値i=0〜255の256個の2値化画素マトリックスF0〜F255が形成されている。
【0038】
次に濃度値i=254であるので(S130で「YES」)、全ての2値化画素マトリックスについて、同一位置のオンの画素をカウントし、このカウント値を要素とする集積結果マトリックスM1を形成する(S150)。
すなわち、図5に示すごとく、左上隅を原点(0,0)として横方向をx軸、縦方向をy軸とすると、まず、全ての2値化画素マトリックスF0〜F255の(0,0)について「オン」の数をカウントする。そのカウント結果を、図6に示すごとくワーキングメモリ14内に用意された集積結果マトリックスM1の同一位置に格納する。このカウント処理を各画素位置について行い、集積結果マトリックスM1をすべて埋める。このカウント処理は、2値化画素マトリックスの各画素において、オンが「1」で、オフが「0」で表されていれば、各画素について値を合計すれば、カウント値が得られる。
【0039】
次に、集積結果マトリックスM1のカウント値の低い画素位置から、順にディザマトリックス用の閾値を設定し(S160)、その閾値からなるマトリックスをディザマトリックスとして、ディザマトリックス格納メモリ16に保存する(S170)。
【0040】
この閾値の設定の方法としては、カウント値そのものを閾値として設定しても良い。この場合はステップS150のカウント処理が閾値設定の処理に該当するので、ステップS160では特に処理は行わない。そして、集積結果マトリックスM1そのものをディザマトリックスとして、ディザマトリックス格納メモリ16に保存する(S170)。
【0041】
ステップS160にては、単に集積結果マトリックスM1の各カウント値自体をそのまま閾値とする代りに、予め用意されたカウント値と閾値とのテーブルに応じて、集積結果マトリックスM1の各カウント値を閾値に変換しても良い。
また、ステップS160にては、カウント値の低い順番から、閾値を「0,1,2,…」と設定して行っても良いし、逆にカウント値の高い順番から、閾値を「255,254,253,…」と設定して行っても良い。この場合、同一のカウント値が2つ以上存在する場合は、それらはすべて同一の閾値が与えられるものとしても良いし、同一のカウント値を順番付けして、異なる閾値を設定しても良い。
【0042】
このようにして形成されたディザマトリックスを用いて、中間調のカラー画像を2値化処理し、カラープリンタにて記録したところ、人間の目に対してノイジーとならず、かつ解像度が悪化せず、紋様の発生が抑制された疑似中間調の2値化画像を生成することができた。勿論、ディザ法であり、誤差拡散法のように多数の計算は行わないので、迅速に処理できた。
【0043】
更に、各画素位置のオン・オフ設定状態を説明する図7(a)に示すごとく、各画素位置において、一旦、オンとなると、以後の濃度値iおいて必ず前記条件▲1▼が満足され、すべてオンとなる。前記▲1▼▲2▼の条件を用いない通常の2値化を行うと、図7(b)に示すごとく、オンとなった後も同じ画素位置でオフが出現する。このため、通常の2値化では各画素位置におけるオンの数が、0〜255内の特定の値に偏る傾向が有るが、本実施の形態1では、0〜255の範囲の各種の値に分散して好適な分布となる。したがって、このようにして得られるディザマトリックスは、閾値の値も0〜255の範囲に適度に分散して分布するものとなる。したがって、特に、図7(b)に示したごとく、各均一濃度画素マトリックス独立に2値化している場合に得られるディザマトリックスに比較して、解像度の向上や紋様の抑制を一層改良させたディザマトリックスを得ることができる。
【0044】
尚、図9(c)に、本実施の形態1の手法で2値化した濃度値i=128の場合の2値化画素マトリックスの一部を画像化して示す。黒のドットがオンの画素を表し、白のドットがオフの画素を表している。図9(d)は同じく濃度値i=192の場合である。図9(c),(d)では、オン・オフのドットが適度に分散して分布している。したがって、その結果として得られる閾値も0〜255の範囲に適度に分散して分布するものとなる。
【0045】
本実施の形態1では、濃度値iを順次i=1から1つ増加させつつ2値化処理していたので、特に前記▲2▼の条件は用いる必要はない。また、このように順次、濃度値iを+1して行く場合には、前記▲1▼▲2▼の条件を用いずに、単に最近下方2値化画素マトリックスLを参照しつつ、最近下方2値化画素マトリックスLにてオンとなっている画素位置は必ずオンにする条件にて、2値化しても良い。すなわち、オンが現れたらそれ以降の濃度値の2値化においては必ずオンにするとの規則で2値化しても良い。
【0046】
また、本実施の形態1において、i=254から順次1つ減少させつつ2値化処理しても良い。この場合には、前記条件は▲2▼のみでも良い。また、このように順次、濃度値iを−1して行く場合には、前記▲1▼▲2▼の条件を用いずに、単に最近上方2値化画素マトリックスHを参照しつつ、最近上方2値化画素マトリックスHにてオフとなっている画素位置は必ずオフにする条件にて、2値化しても良い。すなわち、オフが現れたらそれ以降の濃度値の2値化においては必ずオフにするとの規則で2値化しても良い。
【0047】
また、本実施の形態1または上述の変形例では、濃度値iの変化は+1または−1であったが、これ以外に、2以上の増減でも良い。すなわち、濃度値iについて飛び飛びに2値化処理し、更にその残りの濃度値iについても飛び飛びに2値化処理することにより全ての濃度値iについて2値化処理しても良い。この場合には、必ず前記条件▲1▼▲2▼を用いる。このように飛び飛びに処理をすると、同様な値の閾値が偏在することが抑制できる。
【0048】
[実施の形態2]
本実施の形態2が前記実施の形態1と異なる点は、ディザマトリックス作成処理が図8に示すごとくの内容である点であり、他の構成は実施の形態1と同じである。また、図8のフローチャートにおいて、ステップS1080,S1090,S1110,S1120,S1150,S1160,S1170は、実施の形態1のステップS80,S90,S110,S120,S150,S160,S170と同じであるので、それらについての説明は省略する。
【0049】
前記実施の形態1と大きく異なる点は、2値化する濃度値iの処理の順番である。まず最初に1〜254の濃度値について濃度値配列の作成を行い(S1100)、次にその配列から一つづつ濃度値iに読み込んで(S1105)、ステップS1110,S1120の処理を行い、配列の全ての濃度値について処理が終了すれば、ステップS1130で配列終了と判定されて、ステップS1150,S1160,S1170の処理が行われる。
【0050】
ステップS1100における濃度値の配列は、2値化処理された濃度値の中央の濃度値がiに設定されるように作成される。すなわち、配列の先頭は「0」と「255」の中央の整数値である「128」(もう一つの中央の整数値の「127」でも良い。)、次が、「0」と「128」との中央の「64」、「128」と「255」との中央の「192」(もう一つの中央の整数値の「191」でも良い。)、次が「0」と「64」との中央の「32」、「64」と「128」との中央の「96」、「128」と「192」との中央の「160」、「192」と「255」との中央の「224」(もう一つの中央の整数値の「223」でも良い。)と言うように、前に得られている値の中央の整数値を求めて、「1」〜「254」までの濃度値の配列「128,64,192,32,96,160,224,……」を作成する。この配列は予め計算して配列データとして記憶しておき、本処理時に配列データのみ読み込んで用いても良い。
【0051】
ステップS1105においては、この配列の先頭から順次、濃度値iに設定し、ステップS1110の2値化処理と、S1120の2値化画素マトリックスの保存処理を行い、配列の最後までステップS1110,S1120の処理が終了すれば、ステップS1130にて「YES」と判定されて、閾値の設定処理に移る(S1150,S1160,S1170)。
【0052】
本実施の形態2では、前記実施の形態1と異なり、既に2値化処理された濃度値の中央の濃度iを順次2値化して行くために、最近上方2値化画素マトリックスと最近下方2値化画素マトリックスとのそれぞれの2値分散の影響を同程度受けることになり、中央の濃度iの2値化画素マトリックスの2値の分散は比較的均一な分布となる。このようにして求めた、均一な分布と条件▲1▼▲2▼とを満たす2値化画素マトリックスに基づいてディザマトリックスは作成されるので、解像度の向上や紋様の抑制上の効果が更に増大する。
【0053】
図9(a)に、本実施の形態2の手法で2値化した濃度値i=128の場合の2値化画素マトリックスの一部を画像化して示す。黒のドットがオンの画素を表し、白のドットがオフの画素を表している。図9(b)は同じく濃度値i=192の場合である。図9(c)、(d)に示した実施の形態1の場合と比較して、更に、オン・オフのドットが適度に分散されていることがわかり、実施の形態1に比較して解像度の向上や紋様の抑制が改良されていることが判る。
【0054】
尚、本実施の形態2では、予め、順次、濃度値iに中央の値が得られるように配列を作成していたが、配列を予め作成する代りにステップS1105の処理にて、中央の値を計算にて順次求めて、濃度値iに設定しても良い。
中央の値を計算にて求める一例を図10に示す。この処理は、図8におけるステップS1100〜S1130の代りに実行される。本処理において、最初は8つの変数I0 〜I7 を「0」で初期化し(S2010〜S2080)、次にI0 〜I7 までを合計して、濃度値iに設定する(S2090)。この濃度値iが「0」であれば、I7 を「128」増加させ(S2120)、次にI7 >128ではないので(S2130で「NO」)、ステップS2090の合計処理で濃度値iに「128」が設定され、i=0でなく(S2100で「NO」)、i=255でもないので(S2110で「NO」)、ステップS1110およびステップS1120の処理(図8の処理と同じ)がなされる。すなわち、濃度値i=128の均一濃度画素マトリックスに対して2値化処理が行われ(S1110)、その結果の2値化画素マトリックスが保存される(S1120)。
【0055】
次にステップS2120の処理にてI7 =256となり、ステップS2130にて「YES」と判定されて、I6 が「64」増加され(S2140)、I6 =64となり、I6 >64ではないので(S2150で「NO」)、ステップS2080にてI7 =0に初期化され、ステップS2090ではi=64となる。したがって、ステップS2100,S2110からステップS1110,S1120に移って、濃度値i=64の均一濃度画素マトリックスについて2値化処理がなされる。
次に、ステップS2120にてI7 =128となり、ステップS2130にて「NO」と判定されて、ステップS2090では、I0 〜I5 =0、I6 =64、I7 =128であることから、i=192となり、ステップS2100,S2110の後、濃度値i=192の均一濃度画素マトリックスについて2値化がなされる。
【0056】
次にI0 〜I5 =0、I6 =64、I7 =128であることから、ステップS2120からステップS2160まで進み、ステップS2160でI5 =32となる。I5 >32ではないので(S2170で「NO」)、ステップS2070,S2080が処理されて、I0 〜I4 =0、I5 =32、I6 =0、I7 =0となる。したがって、ステップS2090ではi=32となり、ステップS1110,S1120では濃度値i=32の均一濃度画素マトリックスが2値化される。
【0057】
次にI7 =0となったので、ステップS2120,S2130を経て、ステップS2090に戻る。このとき、I0 〜I4 =0、I5 =32、I6 =0、I7 =128となる。したがって、ステップS2090ではi=160となり、ステップS1110,S1120では濃度値i=160の均一濃度画素マトリックスが2値化される。
【0058】
次に、ステップS2120〜S2150,S2080が処理されて、I0 〜I4 =0、I5 =32、I6 =64、I7 =0となる。したがって、ステップS2090ではi=96となり、ステップS1110,S1120では濃度値i=96の均一濃度画素マトリックスが2値化される。
【0059】
以後、I0 〜I7 の値に応じて、ステップS2020〜S2080,S2120〜S2260のいずれかの処理により、順次、濃度値iに、224、16,144,80,…,127が設定されて、濃度値iの均一濃度画素マトリックスの2値化と保存が行われ、最後に、I0 =1、I1 =2、I2 =4、I3 =8、I4 =16、I5 =32、I6 =64、I7 =128となる。このとき、ステップS2090にて濃度値i=255が設定されるので、ステップS2110にて「YES」と判定されて、ステップS1150の処理に移る。このようにして、計算にても中央の値をたどって、均一濃度画素マトリックスの2値化を行うことができる。
【0060】
尚、本実施の形態2では、中央の整数値をたどって2値化処理したが、完全に中央の整数値でなくても、1:2の位置、1:3の位置、2:1の位置、3:1の位置といったように、2値化済みの2つの濃度値の中間の値では有るが、小側あるいは大側に偏った整数値をたどって2値化処理しても良い。
【0061】
[実施の形態3]
前記実施の形態1,2では、均一濃度画素マトリックスD0〜D255あるいはその2値化画素マトリックスF0〜F255の大きさとおなじ大きさの集積結果マトリックスM1およびディザマトリックスを形成していたが、本実施の形態3では、図11に示すごとく、均一濃度画素マトリックスD0〜D255およびその2値化画素マトリックスF0〜F255の大きさが、集積結果マトリックスM1およびディザマトリックスに比較して非常に大きいものを用いるとともに、2値化画素マトリックスF0〜F255の特定の領域における2値化値を集積結果マトリックスM1として用いて、ディザマトリックスを作成する。
【0062】
本実施の形態3におけるディザマトリックス作成処理について説明する。尚、ディザマトリックス作成処理は、前記実施の形態1,2とは、ステップS110,S120、ステップS1110,S1120の処理が異なり、他は同じであるので、異なる部分のみ図12に示す。
【0063】
ステップS100あるいはステップS1100,S1105で濃度値iが設定された後、濃度値iの均一濃度画素マトリックスにおける注目画素の濃度(濃度値iに等しい)を読み込む(S210)。最初の注目画素は原点位置(0,0)の画素である。
【0064】
次に、前記条件▲1▼▲2▼の基に注目画素の濃度値iに周辺画素から分配される2値化誤差を加えた値を誤差拡散法により2値化する(S220)。すなわち、条件▲1▼に該当する場合には、閾値によらず必ずオンに2値化し、条件▲2▼に該当する場合には、閾値によらず必ずオフに2値化し、それ以外は閾値により2値化し、2値化誤差を求める。
【0065】
次に、現在の注目画素が特定領域A1に含まれているか否かが判定される(S230)。特定領域A1とは、図11に示したごとく、集積結果マトリックスM1を形成するために、2値化値のカウント処理を行う領域であり、本実施の形態3では全ての均一濃度画素マトリックスにおいて同一の位置に存在する領域である。
【0066】
この特定領域A1は、誤差拡散処理における先頭画素ラインL0部分は含まず、最終画素ラインLx部分を含んでいる。これは、先頭画素ラインL0部分では、その前のラインが存在しないため2値化誤差の拡散において、後方のラインと比較して歪みを生じており、ドットの集中や特定のパターンが生じ易いからであり、この2値化誤差拡散の歪みの影響は先頭画素ラインL0から後方に離れるにしたがって少なくなり、最終画素ラインLx部分では最も影響が少ないからである。
【0067】
現在の注目画素が特定領域A1に含まれていると判定されると(S230で「YES」)、注目画素の2値化値がワーキングメモリ14に保存される(S240)。現在の注目画素が特定領域A1に含まれていないと判定されると(S230で「NO」)、注目画素の2値化値は保存されない。
【0068】
次に濃度値iにおいて未処理の画素が有るか否かが判定されて(S250)、未処理画素が有れば(S250で「YES」)、再度ステップS210に戻り、未処理画素を注目画素として上述の処理を続ける。尚、ステップS250での未処理画素の判定は、特定領域A1内に未処理画素が有るか否かの判定でも良い。
【0069】
ステップS250で「NO」と判定された後、ステップS130またはステップS1130の判定処理に移る。
したがって、ステップS130またはステップS1130にて「YES」と判定された時には、ワーキングメモリ14には、図5に示した場合と同じように濃度値i毎に特定領域A1に該当する2値化画素マトリックスF0〜F255が形成されている。
【0070】
この全ての2値化画素マトリックスF0〜F255を同一位置の画素毎にオンをカウントして集積結果マトリックスM1を作成する(S150,S1150)。次に実施の形態1,2と同様に閾値を設定してディザマトリックスを形成し(S160,S1160)、ディザマトリックス格納メモリ16に保存する(S170,S1170)。
【0071】
本実施の形態3にて得られたディザマトリックスを、中間調のカラー画像を2値化処理しカラープリンタにて記録したところ、前述した実施の形態1,2と同様な効果が得られた。更に、均一濃度画素マトリックスから、先頭画素ラインL0を含まず、かつ最終画素ラインLxを含む特定領域A1の2値化画素マトリックスF0〜F255を求め、この2値化画素マトリックスF0〜F255から、均一濃度画素マトリックスより小さい集積結果マトリックスM1を求めて、この集積結果マトリックスM1に基づいてディザマトリックスを形成しているため、先頭画素ラインL0部分で生じている誤差分配の歪みの影響が及びにくく、一層、紋様の発生が抑制された疑似中間調の2値化画像を生成することができた。
【0072】
[その他]
前記実施の形態1〜3では、同一位置の2値化値の内、オンの数、すなわち2値化にて「1」となった画素の個数をカウントしていたが、オフ、すなわち「0」になった2値化画素の個数をカウントし、このカウント値に基づいて集積結果マトリックスM1を作成し、これに対してステップS160,S1160の処理を実行してディザマトリックスを作成しても良い。
【0073】
前記カウント値もそのまま集積結果マトリックスM1として用いるのではなく、所定の係数をかけても良い。また、濃度値iの均一濃度画素マトリックスの2値化値Iixy に対して次式のごとく濃度値i毎に異なる係数k(i) を設定して、全ての均一濃度画素マトリックスの合計値Cxyを求めることにより、集積結果マトリックスM1を作成しても良い。
【0074】
【数1】
【0075】
尚、x,yは均一濃度画素マトリックスあるいは集積結果マトリックスM1上の画素位置を表す。
均一濃度画素マトリックスの2値化は、オン(「1」)またはオフ(「0」)への2値化であったが、いかなる値の2値化でも良く、いずれか一方の値の個数をカウントして、集積結果マトリックスM1を形成し、この集積結果マトリックスM1をディザマトリックスに変換すれば良い。また、上述したような個数のカウントではなく、2値化値の合計であっても良い。
【0076】
実施の形態3において、2値化値を保存する特定の領域A1は、全ての均一濃度画素マトリックスにおいて同じ位置であったが、均一濃度画素マトリックスに応じて異なっていても良い。これは、均一濃度画素マトリックスを構成する濃度値iに応じて、先頭画素ラインL0部分で生じている誤差拡散の歪みの後方への影響の程度が異なるためである。
【0077】
また、このように濃度値iに応じて、先頭画素ラインL0部分で生じている誤差拡散の歪みの後方への影響の程度が異なるため、全ての均一濃度画素マトリックスの2値化において誤差拡散の歪みの影響を無くすため、均一濃度画素マトリックスの大きさを濃度値iの値に応じて調整しても良い。
【0078】
ステップS80,S110,S1080,S1110,S220において誤差拡散法にて2値化処理する場合、256種類の均一濃度画素マトリックスを揃える以外に、各均一濃度画素マトリックスにおいて全画素が同じ濃度値iであるので、各画素の濃度値を誤差拡散法における計算に用いる場合に、すべて濃度値iとして扱えば良いことから、i=0〜255までの256個の値のみ記憶しておいても良い。また、濃度値iの下限値「0」、上限値「255」、および下限値と上限値との間に離散的に存在する濃度値iの値を決定するためのステップ値Sp(処理される濃度値iの間隔を示す値、前記実施の形態1〜3ではSp=1である)のみでも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1のディザマトリックス作成装置の主要ブロック図である。
【図2】 実施の形態1のディザマトリックス作成処理のフローチャートである。
【図3】 実施の形態1の2値化処理のフローチャートである。
【図4】 実施の形態1における均一濃度値画像データを示す説明図である。
【図5】 実施の形態1における均一濃度値画像データを2値化した状態を示す説明図である。
【図6】 実施の形態1における集積結果マトリックスの説明図である。
【図7】 各画素位置のオン・オフ設定状態の説明図である。
【図8】 実施の形態2のディザマトリックス作成処理のフローチャートである。
【図9】 実施の形態1,2にて得られた2値化画素マトリックスを画像化して示す説明図である。
【図10】 均一濃度画素マトリックスの処理順序を決定する方法の他の例を示すフローチャートである。
【図11】 実施の形態3における均一濃度画素マトリックスと特定領域との関係を示す説明図である。
【図12】 実施の形態3のディザマトリックス作成処理の一部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2…ディザマトリックス作成装置 10…入力部
11…マイクロコンピュータ部 12…CPU
13…プログラムメモリ 14…ワーキングメモリ
16…ディザマトリックス格納メモリ
17…出力イメージメモリ 18…システムバス 19…出力部
Claims (21)
- 画素において表すことができる濃度範囲内に設定された所定範囲において離散的に設定された複数の濃度値の各々を、複数の均一濃度画素マトリックスの各々における全画素の濃度値として、前記均一濃度画素マトリックス毎に誤差拡散法にて前記濃度値をオン/オフのいずれかに2値化し、この2値化された濃度値に基づいて、ディザマトリックスにおける各画素の閾値を設定して形成するディザマトリックス作成方法であって、
既に2値化された前記均一濃度画素マトリックスの2値化状態に応じて、前記均一濃度画素マトリックスの各画素が2値化処理されることを特徴とするディザマトリックス作成方法。 - 前記2値化された濃度値を、前記均一濃度画素マトリックスのすべてについて同一位置の画素毎に集積し、この同一位置の画素毎の集積結果に基づいて、ディザマトリックスにおける各画素の閾値を設定することを特徴とする請求項1記載のディザマトリックス作成方法。
- 前記既に2値化された前記均一濃度画素マトリックスの内で、2値化処理しようとする前記均一濃度画素マトリックスに最も近い濃度の均一濃度画素マトリックスの2値化状態に応じて2値化処理されることを特徴とする請求項1または2記載のディザマトリックス作成方法。
- 濃度値iを全画素の濃度値とする均一濃度画素マトリックスにてなされる誤差拡散法において、濃度値i未満で最も濃度値iに近い濃度値について既に2値化されて得られた最近下方2値化画素マトリックスにてオンとなっている画素位置と同じ画素位置は、必ずオンとして誤差拡散処理することにより2値化することを特徴とする請求項3記載のディザマトリックス作成方法。
- 最初に、前記所定範囲において離散的に設定された複数の濃度値の内の最小値minを全画素の濃度値とする均一濃度画素マトリックスについて、誤差拡散法にて各画素の濃度値をオン/オフのいずれかに2値化し、その後、他の濃度を前記濃度値iとして2値化することを特徴とする請求項4記載のディザマトリックス作成方法。
- 濃度値iを全画素の濃度値とする均一濃度画素マトリックスにてなされる誤差拡散法において、濃度値iを越えていて最も濃度値iに近い濃度値について既に2値化されて得られた最近上方2値化画素マトリックスにてオフとなっている画素位置と同じ画素位置は、必ずオフとして誤差拡散処理することにより2値化することを特徴とする請求項3記載のディザマトリックス作成方法。
- 最初に、前記所定範囲において離散的に設定された複数の濃度値の内の最大値maxを全画素の濃度値とする均一濃度画素マトリックスについて、誤差拡散法にて各画素の濃度値をオン/オフのいずれかに2値化し、その後、他の濃度を前記濃度値iとして2値化することを特徴とする請求項6記載のディザマトリックス作成方法。
- 濃度値iを全画素の濃度値とする均一濃度画素マトリックスにてなされる誤差拡散法において、濃度値i未満で最も濃度値iに近い濃度値について既に2値化されて得られた最近下方2値化画素マトリックスにおいてオンおよび濃度値iを越えていて最も濃度値iに近い濃度値について既に2値化されて得られた最近上方2値化画素マトリックスにおいてもオンとなっている画素位置と同じ画素位置は必ずオンとし、前記最近下方2値化画素マトリックスにおいてオフおよび前記最近上方2値化画素マトリックスにおいてもオフとなっている画素位置と同じ画素位置は必ずオフとして誤差拡散処理することにより2値化することを特徴とする請求項3記載のディザマトリックス作成方法。
- 最初に、前記所定範囲において離散的に設定された複数の濃度値の内の最小値minおよび最大値maxを全画素の濃度値とする2つの均一濃度画素マトリックスについて、誤差拡散法にて各画素の濃度値をオン/オフのいずれかに2値化し、その後、他の濃度を前記濃度値iとして2値化することを特徴とする請求項8記載のディザマトリックス作成方法。
- 前記濃度値iは、前記最近下方2値化画素マトリックスと前記最近上方2値化画素マトリックスとの各濃度値の中央の整数値に対応させることを特徴とする請求項8または9記載のディザマトリックス作成方法。
- 前記濃度値iは、前記最近下方2値化画素マトリックスと前記最近上方2値化画素マトリックスとの各濃度値のほぼ中央の整数値に対応させることを特徴とする請求項8または9記載のディザマトリックス作成方法。
- 前記所定範囲が、前記画素において表すことができる濃度範囲に等しいことを特徴とする請求項1〜11のいずれか記載のディザマトリックス作成方法。
- 前記画素において表すことができる濃度範囲が0から255までの範囲であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか記載のディザマトリックス作成方法。
- 前記所定範囲において離散的に設定された複数の濃度値が、前記所定範囲において離散的に設定された複数の濃度値の内の最小値minから最大値maxまで1づつ変化させて設定したmax−min+1個の値であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか記載のディザマトリックス作成方法。
- 前記均一濃度画素マトリックスは、求められるディザマトリックスより画素の数が多いマトリックスであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか記載のディザマトリックス作成方法。
- 前記均一濃度画素マトリックスは、求められるディザマトリックスより行および列がともに大きいマトリックスであり、前記誤差拡散法による2値化後に、前記ディザマトリックスと同じ大きさの特定領域について前記集積を行い、その集積結果に基づいて、前記ディザマトリックスにおける各画素の閾値を設定してなることを特徴とする請求項15記載のディザマトリックス作成方法。
- 前記特定領域は、前記誤差拡散法の処理が開始された先頭画素ライン部分の集積結果を含まないことを特徴とする請求項16記載のディザマトリックス作成方法。
- 前記特定領域は、前記誤差拡散法の処理が終了する最終画素ライン部分の集積結果を含むことを特徴とする請求項16または17記載のディザマトリックス作成方法。
- 前記同一位置の画素毎の集積結果が、2値化された濃度値の内の一方の値の個数であり、この個数に応じてディザマトリックスの各画素の閾値を設定したことを特徴とする請求項1〜18のいずれか記載のディザマトリックス作成方法。
- 前記閾値が前記集積結果に基づいて設定される代りに、濃度値が前記所定範囲において離散的に設定された複数の濃度値の内の最小値minである均一濃度画素マトリックスから最大値maxである均一濃度画素マトリックスまで見た場合に、2値化された均一濃度画素マトリックスに最初にオンとなって現れる画素位置に対して、最初にオンとなった均一濃度画素マトリックスの濃度値に応じて閾値が設定されることを特徴とする請求項1〜18のいずれか記載のディザマトリックス作成方法。
- 前記閾値が前記集積結果に基づいて設定される代りに、濃度値が前記所定範囲において離散的に設定された複数の濃度値の内の最大値maxである均一濃度画素マトリックスから最小値minである均一濃度画素マトリックスまで見た場合に、2値化された均一濃度画素マトリックスに最初にオフとなって現れる画素位置に対して、最初にオフとなった均一濃度画素マトリックスの濃度値に応じて閾値が設定されることを特徴とする請求項1〜18のいずれか記載のディザマトリックス作成方法。
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