JP3685148B2 - 画像処理装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多階調画像データを、中間調表示可能な2階調画像データに変換出力する画像処理装置及び方法、特に多階調画像データを誤差拡散法または平均誤差拡散最小法を用い、中間調表示な2階調画像データに変換出力する画像処理装置及び方法の改良に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、スキャナなどの画像入力を用いて読み取った多階調画像データや、コンピュータを用いて演算された多階調グラフィック画像データ等を、例えばディスプレイやプリンタ等を用いて再生表示させたり、あるいはファクシミリやデジタル複写機等を用いて再生表示させることが行われている。
【0003】
このとき、画像出力装置として、多階調の画像データが再生表示できるものを用いる場合には問題はないが、例えばドット単位での階調制御ができないプリンタ装置や、ディスプレイ装置を用いた場合には、各画素の階調を2階調に減らす2値化処理を行う必要がある。
【0004】
さらに、前記多階調画像データを保存し、あるいは転送するために、そのデータ容量を減らそうとする場合には、同様に各画素の階調数を2階調に減らす2値化処理することが広く行われている。
【0005】
このように、多階調画像データを2値化処理する手法としては、各種のものがある。その中で、最も画質の優れたものとして、誤差拡散法や、それと等価な平均誤差最小法が広く用いられている。前記誤差拡散法や平均誤差最小法は、高解像度でありながら、連続的な階調制御が可能であるという優れた特徴をもつ。
【0006】
前記誤差拡散法は、ある画素の2値化時に生じた量子化誤差を、周辺のまだ2値化していない画素に拡散して加えるものである。一方、平均誤差最小法は、周辺の2値化済みの画素に生じた量子化誤差の重み付き平均値で、次の注目画素のデータ値を修正するものである。誤差拡散法と、平均誤差最小法は、誤差の拡散作業をいつ行うかが異なるだけであり、論理的には等価である。誤差拡散法を使用した例としては、例えば特開平1−284173号公報の「画像処理方法及び装置」等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし誤差拡散法や平均誤差最小法を用いた従来の画像処理装置では、多階調画像データを2階調画像データに変換する際に、次のような問題があった。
【0008】
(第1の問題点)
低濃度領域(黒ドットが疎な領域)の立上がり部における黒ドットの生成および、高濃度領域(白ドットが疎な領域)の立上がり部における白ドットの生成が、大幅に遅延し、その結果、最悪の場合には画像が変形してしまう場合があるという問題があった。
【0009】
(第2の問題点)
また、低濃度領域や高濃度領域が終わった後も、周辺画素に対する異常な誤差の拡散が残り、低濃度領域の後に続く画像データは高濃度側に、高濃度領域の後に続く画像データは低濃度側に歪む「尾引き」という現象が生じるという問題があった。
【0010】
前記第1の問題点を、白い紙上に黒インクのドットを印画する2階調プリンタ装置の場合について考えると、黒ドットはインクが滲んで大きくなるのに対し、白ドットは周囲の黒ドットからの滲みで潰れて目立ちにくくなるので、前記第1の問題点は特に低濃度部で目立つ結果となる。
【0011】
前記第1の問題点および第2の問題点を、図面を用いてより詳細に説明する。
【0012】
図13は、多階調を用いて表示された原画像100である。この原画像100は、濃度階調値252(255で最高値)の正方形をした高濃度領域110の中に、濃度階調値3(0が最低濃度)の正方形の低濃度領域120が存在し、さらにこの低濃度領域120の右下に濃度階調値231(背景濃度252よりやや低濃度)の傾き45度の直線130が引いてある。
【0013】
図14(A)には、誤差拡散法を用いた従来技術により、図13に示す原画像100の多階調画像データを2値化した画像が示されている。なお、図14(B)には、図14(A)の場所を示すための概略図が示されている。この2値化画像は、原画像100の左上隅画素を2値化開始点とし、右方向に1行分2値化した後、1画素下の行の左端に移る、という2値化作業を繰り返し得られたものである。これに対し、図12は、同じ原画像100が理想的に2値化された場合の出力例であり、本発明の画像処理装置によるものである。
【0014】
両者を比較すると、図14では、正方形をした高濃度領域110の上辺および左辺の領域140(図14(B)参照)で白ドットの生成が遅延し、さらに正方形の低濃度領域120の上辺および左辺の領域142では、黒ドットの生成の遅延が生じている。すなわち、領域140,142では、前述した第1の問題が発生している。
【0015】
さらに、階調値3の正方形をした低濃度領域120の尾引きの影響で、その右下にある領域150において、直線130の一部132が消失してしまっている。このように、領域150では、前述した第2の問題が発生している。
【0016】
このような、第1および第2の問題を解決するために、特開平1−130945号公報にかかる「画像処理装置」の提案がなされている。
【0017】
この提案に記載の第1の実施例は、0〜255の256階調の入力濃度データを扱う場合に、入力濃度データ値が1以上29以下の場合に、しきい値が以下に示すようにランダムに変化するようにしている。
【0018】
入力データが1〜4の時は、20〜230、入力データが5〜14のときは50〜200、入力データが15〜29のときは100〜150の幅でしきい値をランダムに変化させる。ランダムノイズの幅は、データが1〜4の時はプラスマイナス105、データが5〜14のときはプラスマイナス75、データが15〜29のときはプラスマイナス25というふうになっており、0に近い低濃度領域ほど、大きなノイズを加える結果となっている。ただし、しきい値の期待値はいずれも125で一定となっている。
【0019】
このようにすると、低濃度時には大きなしきい値ノイズによってしきい値が非常に小さな値になるケースが生じる。このため、低濃度領域の立上り部でも255側に2値化される画素が発生し、ドット生成の遅延が改善される。しかし、この手法によって前記第1の問題点を改善しようとした場合には、低濃度領域は非常にノイズの多い、低品位な画像となってしまう。また、この従来例では、判定回路という特別な機構を設け、この判定回路を用い、注目画素周辺の2値化済み画素の2値化結果を調べ、周辺に既にドットがある場合には、注目画素をドット有りに2値化しないような判定処理を行っている。これは、前記問題を少しでも改善するためであろうと思われる。しかし、そのためには、判定回路が近傍の12画素という多くの画素の2値化結果を参照するという複雑な判定処理が必要となり、処理時間がかかる上に、画質的にもまだ十分ではないという問題があった。これに加えて、この従来技術では、第2の問題点の改善も不十分であった。
【0020】
また、この従来技術に記載の「その他の実施例1」には、信号410を定義する式と、その例を示す図1とが食い違って記載されており、その正確な理解は難しい。しかし、この従来技術には、「前述の実施例の場合と同じような閾値設定の機能をもたせて、かつハード規模を小さくできる」と述べられていることから、第1の実施例同様に、低濃度領域ではしきい値に大量のノイズを加えていると考えられる。従って、この従来例に記載の「その他の実施例1」は、「第1の実施例」と同様な問題点を有している。
【0021】
また、前記第1および第2の問題点を改善するための別の手法として、特開平3−112269号公報にかかる「画像処理装置」や、特開平4−126464号公報にかかる「画像形成装置」などの提案がある。これらの従来技術は、注目画素近傍の複数画素の2値化結果を参照することによって、平均濃度値を推定し、それをしきい値として注目画素の2値化を行っている。
【0022】
しかし、これらの従来技術は、次の▲1▼、▲2▼の問題があった。
【0023】
▲1▼周辺の10以上もの画素の2値化結果を参照する必要があり、処理時間がかかったり、複雑な処理回路が必要となったりするという問題があった。
【0024】
▲2▼さらに、データが急に変化しているエッジ部分では、周辺画素の平均濃度値を用いるのは適切でなく、この結果、不適切な2値化が行われ、ノイズが発生してしまうという問題があった。
【0025】
本発明は、このような従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、低濃度領域、高濃度領域の立上り部でのドット生成の遅延や、低濃度領域、高濃度領域が終わった後の尾引きの問題を解決する事ができるとともに、画質劣化につながるがる副作用がなく、複雑な処理回路などを用いなくても多階調画像データを高速に二階調画像データに画像処理できる画像処理装置及び方法を得ることにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
(1)前記目標を達成するため、本発明は、
多階調画像データを、誤差拡散法または平均誤差最小法を用いて、第1階調値および第2階調値(第1階調値<第2階調値)からなる2階調画像データに2値化変換する画像処理装置において、
注目画素の多階調画像データの階調値に応じて2値化のためのしきい値に異なる値を設定し得るしきい値設定手段と、
前記設定されたしきい値に基づき、前記補正画素データを前記2階調画像データに2値化変換する2値化手段と、
を有し、
前記しきい値は、
所与の領域における平均2値化誤差が0となるように設定されることを特徴とする。
【0027】
(2)また本発明は、
多階調画像データを、誤差拡散法または平均誤差最小法を用いて、第1階調値および第2階調値(第1階調値<第2階調値)からなる2階調画像データに2値化変換する画像処理装置において、
注目画素の多階調画像データの階調値に応じて2値化のためのしきい値に異なる値を設定し得るしきい値設定手段と、
前記設定されたしきい値に基づき、前記補正画素データを前記2階調画像データに2値化変換する2値化手段と、
を有し、
前記しきい値は、
所与の領域における平均2値化誤差が0を超えて符合が逆転する過補正状態となるように設定されることを特徴とする。
【0028】
(3)また本発明は、
多階調画像データを、誤差拡散法または平均誤差最小法を用いて、第1階調値および第2階調値(第1階調値<第2階調値)からなる2階調画像データに2値化変換する画像処理方法において、
注目画素の多階調画像データの階調値に応じて2値化のためのしきい値に異なる値を設定し得るしきい値設定工程と、
前記設定されたしきい値に基づき、前記補正画素データを前記2階調画像データに2値化変換する2値化工程と、
を有し、
前記しきい値は、
所与の領域における平均2値化誤差が0となるように設定されることを特徴とする。
【0029】
(4)また本発明は、
多階調画像データを、誤差拡散法または平均誤差最小法を用いて、第1階調値および第2階調値(第1階調値<第2階調値)からなる2階調画像データに2値化変換する画像処理方法において、
注目画素の多階調画像データの階調値に応じて2値化のためのしきい値に異なる値を設定し得るしきい値設定工程と、
前記設定されたしきい値に基づき、前記補正画素データを前記2階調画像データに2値化変換する2値化工程と、
を有し、
前記しきい値は、
所与の領域における平均2値化誤差が0を超えて符合が逆転する過補正状態となるように設定されることを特徴とする。
【0030】
(5)前記所与の領域とは、
実質的に前記第1階調値から前記第2階調値の全ての範囲としてもよい。
【0031】
(6)前記所与の領域とは、
前記第1階調値の近傍または前記第2階調値の近傍の少なくとも一方の領域としてもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
(1)本実施の形態は、
多階調画像データを、誤差拡散法または平均誤差最小法を用いて、第1階調値および第2階調値(第1階調値<第2階調値)のみからなる2階調画像データに変換出力する画像処理装置において、
注目画素の多階調画像データに、周辺の既に2値化済の画素から拡散された誤差を加えて補正し、補正画素データとして出力する誤差補正手段と、
前記注目画素の多階調画像データの階調値に基づき、2値化しきい値を設定するしきい値設定手段と、
設定されたしきい値に基づき、前記補正画素データを前記2階調画像データに変換出力する2値化手段と、
を含み、
前記注目画素の多階調画像データの階調値をdata、前記第1階調値および第2階調値の中間の値をm、前記しきい値をslshとすると、
前記しきい値設定手段は、
前記2値化しきい値slshを、前記注目画素の多階調画像データの階調値dataに応じて、次式に示す許容範囲の少なくともいずれか一方を満たすように設定することを特徴とする。
【0033】
dataが第1階調値近辺の値の場合には、data≦slsh≦(m+data)/2
dataが第2階調値近辺の値の場合には、(m+data)/2≦slsh≦data
【0034】
ここにおいて、前記しきい値設定手段は、
前記注目画素の多階調画像データの階調値dataが、前記第1階調値および第2階調値の付近の値であるとき、前記2値化しきい値slshを前記許容範囲に設定するよう形成できる。
【0035】
また、必要に応じ、前記しきい値設定手段は、
前記注目画素の多階調画像データの階調値dataが、前記第1階調値または第2階調値の付近の値であるとき、前記2値化しきい値slshを前記許容範囲に設定するよう形成することもできる。
【0036】
(2)また、前記しきい値設定手段は、
前記注目画素の多階調画像データの階調値dataの値に基づき、次式に従い前記2値化しきい値slshを設定することを特徴とする。
【0037】
slsh=(data*(K−1)+m)/K
ただし、Kは2以上の整数で表される定数。
【0038】
(3)また、前記しきい値設定手段は、
前記注目画素の多階調画像データの階調値dataの値に応じて、前記2値化しきい値slshを段階的に設定することを特徴とする。
【0039】
(4)また、前記しきい値設定手段は、
前記注目画素の多階調画像データの階調値dataの値に基づき、次式に従い前記2値化しきい値slshを設定することを特徴とする。
【0040】
data<m−L1 のときには、slsh=data+L1
m−L1 <data<m+L 2のときには、slsh=m
m+L2 <dataのときには、slsh=data−L2
ただし、L1 ,L2 は0〜mの間の整数で表される定数。
【0041】
(5)また、前記2値化手段は、
設定されたしきい値または前記補正画素データにランダムノイズを加え、前記補正画素データに対する前記2値化処理を行うことを特徴とする。
【0042】
(6)また、前記誤差補正手段は、
各画素毎の拡散誤差積算値を記憶する拡散誤差記憶部と、
補正画素データと2値化結果との2値化誤差を演算し、その2値化誤差を誤差拡散法を用い注目画素近傍の未2値化画素へ分配して拡散する演算を行い、前記拡散誤差記憶部に記憶された各画素毎の拡散誤差積算値に、前記注目画素からの拡散誤差を加算して新たな拡散誤差積算値を求め、前記拡散誤差記憶部に記憶された各画素毎の拡散誤差積算値を更新する誤差拡散部と、
注目画素の多階調画像データと、前記拡散誤差記憶部に記憶された注目画素の拡散誤差積算値とを加算し、前記補正画素データを演算するデータ補正部と、
を含み、注目画素の多階調画像データを誤差拡散法を用い補正し、補正画素データとして出力することを特徴とする。
【0043】
(7)また、前記誤差補正手段は、
各画素毎の誤差を記憶する誤差記憶部と、
補正画素データと2値化結果との2値化誤差を演算し、その2値化誤差を前記誤差記憶部に記憶する誤差拡散部と、
前記誤差記憶部に記憶された注目画素の周辺の画素の2値化誤差を読み出し所定の重み付けをすることにより平均誤差を求め、この平均誤差を注目画素の多階調画像データに加算し、前記補正画素データを演算するデータ補正部と、
を含み、注目画素の多階調画像データを平均誤差最小法を用い補正し、補正画素データとして出力することを特徴とする。
【0044】
多階調画像データは、誤差補正手段およびしきい値決定手段に入力される。
【0045】
誤差補正手段は、注目画素の多階調データに、周辺の既に2値化済の画素から拡散された誤差を加えて補正し、補正画素データとして出力する。
【0046】
前記しきい値設定手段は、注目画素の多階調画像データの階調に基づき、2値化しきい値を設定する。このとき、注目画素の多階調画像データの階調値dataが、2値化された後の画像の第1階調値および第2階調値(第1階調値<第2階調値)の少なくともいづれか一方の付近の値を取るとき、2値化しきい値slshを次式に示す許容範囲内に設定する。
【0047】
dataが第1階調値近辺の値の時には、data≦slsh≦(m+data)/2
dataが第2階調値近辺の値の時には、(m+data)/2 ≦slsh≦data
そして、2値化設定手段は、設定されたしきい値に基づき、前記補正画素データを、中間調表示可能な第1階調値および第2階調値のみからなる2階調画像データに変換出力する。
【0048】
このように、本実施の形態では、多階調画像データ値が小さいときには、しきい値を小さく、画像データ値が大きいときには、しきい値も大きくするよう注目画素の多階調画像データの階調値に応じて2値化しきい値を最適化することで、2値化に伴い発生する誤差の蓄積を解消し、注目画素のドット生成を良好に行うことができる。
【0049】
また、本実施の形態のように、誤差拡散法または平均誤差最小法を用い2値化処理を行う場合には、2値化しきい値を変化させても、全体としての出力濃度はほとんど変動しないことが確認された。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態によれば、低濃度領域や高濃度領域で、多量の誤差の蓄積が発生するという現象を解消することができ、それに起因して生じていた、低濃度または高濃度領域の立上り部でのドット生成の遅延や、低濃度領域または高濃度領域が終わった後の尾引きなどの問題を画質劣化につながる副作用なしに根本的に解決することができる。
【0051】
次に、本発明の好適な実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【0052】
(システム全体の説明)
図1には、本発明にかかる画像処理装置を用いたシステムの概略が示されている。
【0053】
階調画像データ出力装置10から出力される原画像の多階調画像データ200は、画像処理装置30へ入力される。
【0054】
画像処理装置30は、入力された原画像の多階調画像データ200を、二値画像出力装置20の出力可能な2階調に階調数変換して出力する。すなわち、多階調画像データ200を、誤差拡散法または平均誤差最小法を用いて補正し、中間調表示可能な第1階調値および第2階調値のみからなる2階調画像データ230に変換して出力する。
【0055】
二値画像出力装置20は、画像処理装置30から出力される2階調画像データ230に基づき、原画像を再生出力する。
【0056】
本実施例において、前記階調画像データ出力装置10は、コンピュータを用いて形成されている。そして、このコンピュータは、ハードディスク等に記憶された多階調画像データ200を画像処理装置30へ向け出力するように構成されている。前記多階調画像データ200は、0〜255の256階調の濃度データとして表されている。なお、この階調画像データ出力装置10は、これ以外に、例えばコンピュータグラフィックの多階調画像データを出力するように形成してもよく、また、コンピュータ以外でも、例えば、スキャナ、ビデオカメラなど各種の手段を用いてもよい。
【0057】
そして、実施例の画像処理装置30は、入力される256階調の画像データを、誤差拡散法により、0(白)または255(黒)のみからなる2階調画像データ230に変換出力する。
【0058】
また、実施例の二値画像出力装置20は、画素単位での階調制御ができないプリンタを用いて形成され、入力される2階調画像データ230に基づき、原画像を中間調表示可能に再生出力する。なお、前記二値画像出力装置20は、プリンタ以外に、必要に応じ、ディスプレイや、ファクシミリ装置、デジタル複写機等を用いてもよい。
【0059】
(システムの具体例)
本発明において、前記画像処理装置30は、階調画像データ出力装置10または二値画像出力装置20と別体に形成してもよいが、必要に応じ、これら各装置10,20と一体に形成してもよい。
【0060】
例えば、図15に示すよう、階調画像データ出力装置10としてホストコンピュータ12を用い、二値画像出力装置20としてプリンタ20を用いた場合には、本発明の画像処理装置30を、プリンタ22内へ一体的に組み込んで形成することができる。この場合には、プリンタ22は、ホストコンピュータ12より出力する多階調画像データ200が入力されるデータ入力部24と、本発明の画像処理装置30と、2値化ドット印画手段26とを含んで構成される。
【0061】
また、本発明の画像処理装置30を、図16に示すよう、ホストコンピュータ12内へ一体的に組み込んで形成してもよい。この場合、ホストコンピュータ12は、階調画像ファイルの読込手段14と、プリンタドライバ16と、データ出力手段18とを含むように構成される。そして、前記プリンタドライバ16は、階調画像ファイル読込手段14から多階調画像データ200が入力される本発明の画像処理装置30と、この画像処理装置30の出力に基づき、プリンタ制御コマンドを生成するプリンタ制御コマンド生成手段16aとを含み、プリンタ制御コマンドに基づき、プリンタ22を制御するように構成されている。
【0062】
なお、図17に示すよう、階調画像データ出力装置10としてスキャナ50を用い、このスキャナ50で読み込んだ多階調画像データを2値化データとしてホストコンピュータ60へ出力する場合には、スキャナ50に本発明の画像処理装置30を一体的に組み込んで形成すればよい。この場合には、スキャナ50は、画像を光学的に読み取る階調画像データ読み取り部52と、読み取られた多階調画像データ200を2階調画像データ230として出力する本発明の画像処理装置30と、出力された2階調画像データ230のデータをホストコンピュータへ向け出力する2値化データ出力部54とを含んで構成される。
【0063】
なお、本発明の画像処理装置は必要に応じ、前述以外の装置に一体的に組み込んで形成することもできる。
【0064】
なお、説明の都合上、以降の説明では、図1に示すよう、本発明の画像処理装置30は、階調画像データ出力装置10および二値画像データ出力装置20とは別体に形成されるものとして、その説明を行う。
【0065】
(画像処理装置)
図2には、前記画像処理装置30の機能ブロック図が示されている。
【0066】
実施例の画像処理装置30は、最適しきい値設定手段32と、誤差補正手段34と、2値化手段36とを含んで構成される。
【0067】
前記最適しきい値設定手段32および誤差補正手段34には、注目画素の多階調画像データ200として、i行j列目の画素P[i,j]のデータdata(i,j)が入力されている。
【0068】
前記最適しきい値設定手段32は、この注目画素P[i,j]の多階調画像データ200を2値化するのに用いるslsh(i,j)を、注目画素の多階調画像データdata(i,j)に応じ、次式に基づき設定する。
【0069】
slsh(i,j)=(data(i,j)*(K−1)+128)/K …(1)
ここで、Kは、2以上の整数で表される定数である。
【0070】
前記誤差補正手段34は、注目画素P[i,j]の多階調画像データdata(i,j)を、周辺画素の2値化によって生じる2値化誤差に基づき誤差拡散法を用いて補正し、補正画素データdata c(i,j)として2値化手段36へ向け出力する。
【0071】
2値化手段36は、入力される注目画素P[i,j]の補正画素データdata c(i,j)を、しきい値slsh(i,j)と比較して2値化し、その2値化結果result(i,j)を2階調画像データ230として出力する。すなわち、補正画素データを、次のように2値化して出力する。
【0072】
data c(i,j) ≧slsh(i,j) ならば、result(i,j) =255
data c(i,j) <slsh(i,j) ならば、result(i,j) =0 …(2)
前記実施例の誤差補正手段34は、データ補正手段38、誤差拡散手段40、拡散誤差記憶手段42を含んで構成される。
【0073】
前記拡散誤差記憶手段42は、原画像の各画素毎の拡散誤差積算値total err(n,m)を記憶している。
【0074】
そして、誤差拡散手段40は、まず、2値化結果result(i,j)と補正データdata c(i,j)とにより、2値化誤差err を、
err(i,j)=data c(i,j)−result(i,j) …(3)
のようにして求める。次にその2値化誤差err (i,j)を近傍の未2値化画素P[m,n](P[i,j+1]、P[i+1,j]等)へ分配して拡散する。具体的には、拡散誤差記憶手段40が記憶している各画素毎の拡散誤差積算値total err(n,m)に、注目画素P[i,j]からの拡散誤差分を加算していく。いま、図3(a)のような誤差拡散重みマトリクスを用いるとする。図3の*が注目画素を示す。重みの合計値は16なので、注目画素での2値化誤差に、分配対象の画素位置に応じた重み値を乗じた後、16で割った値を、以下のようにtotal err(m,n)に加算する。
【0075】
total err(i ,j +1)=total err(i ,j+1)+err(i,j)*3/16
total err(i ,j+2)=total err(i ,j+2)+err(i,j) /16
total err(i+1,j-2)=total err(i+1,j-2)+err(i,j) /16
total err(i+1,j-1)=total err(i+1,j-1)+err(i,j)*2/16
total err(i+1,j )=total err(i+1,j )+err(i,j)*3/16
total err(i+1,j+1)=total err(i+1,j+1)+err(i,j)*2/16
total err(i+1,j+2)=total err(i+1,j+2)+err(i,j) /16
total err(i+2,j-1)=total err(i+2,j-1)+err(i,j) /16
total err(i+2,j )=total err(i+2,j )+err(i,j) /16
total err(i+2,j+1)=total err(i+2,j+1)+err(i,j) /16 …(4)
以上の工程により注目画素P[i,j]の2値化に伴う誤差拡散は終わる。
【0076】
以上の工程を、2値化手段36から2値化結果が出力される毎に繰り返して行う。なお、誤差拡散法の重みマトリクスの例としてはこれ以外にも、必要に応じ、例えば図3(b)、図3(c)など各種のものを採用することができる。
【0077】
そして、データ補正手段38は、注目画素P[i,j]の多階調画像データdata(i,j)が入力されると、その注目画素P[i,j]に対応した拡散誤差積算値total err(i,j)を拡散誤差記憶手段42から読み出し、これを次式に基づき注目画素の多階調画像データdata(i,j)に加え、補正画像データdata c(i,j)を求める。
【0078】
data c(i,j)=data(i,j)+total err(i,j) …(5)
このような動作を、全画素について繰り返し行うことで、全画面の2値化を行う。
【0079】
(第1,第2の問題点の解消)
このようにして、実施例の画像処理装置30は、入力される注目画素の多階調画像データ200を、誤差拡散法を用い、中間調表示可能な0階調値および255階調値のみからなる2階調画像データ230に変換出力する。
【0080】
本実施例の画像処理装置30の特徴は、低濃度領域や高濃度領域で多量の2値化誤差の蓄積が生じていたのを、最適しきい値設定手段32を用い解消し、それに起因して発生していた、低濃度領域または高濃度領域の立上り部でのドット生成の遅延や、低濃度領域または高濃度領域が終わった後の尾引き等の問題を解消したことにある。
【0081】
以下、本発明の画像処理装置によって、前述した第1の問題点(ドット生成の遅延)および第2の問題点(尾引きの問題)の双方が解決される理由について説明する。
【0082】
本発明者は、まず、前記第1および第2の問題点の原因の解明を行った。このために、図2に示す画像処理装置30において、最適しきい値設定手段32が設定する2値化しきい値を128に固定し、しかも画像データ200として、全画素が一定階調値であるような画像のデータを入力した。そして、前記数式(5)で原画像データに加えられる2値化誤差err(i,j)の平均値がどうなるかを調べてみた。
【0083】
具体的には、図2に示す実施例の画像処理装置から最適しきい値設定手段32を取り除き、2値化しきい値を128にほぼ固定した。そして、図4に示すよう、原画像サイズが600画素×400画素であり、全画素が一定の階調値であるような原画像160を、その左上隅を出発点として2値化処理した。そして、ドット形成が安定状態に達したと思われる、右下隅の200画素×100画素の領域170について、前記数式(5)で原画像データに加えられる2値化誤差err(i,j)の平均値を、平均2値化誤差として求めた。ただし、しきい値は128に完全固定ではなく、特定の規則的パターンが生じる事態を回避する目的で、プラスマイナス6の範囲の少量のランダムノイズを加えてある。このノイズは、原画像データが本例のようにコンピュータで作り出した人工的なデータの場合に、パターンが規則的に生じるのを防ぐために付加したものである。
【0084】
図5には、以上の実験を、異なる階調値の原画像160について行った結果を表したものである。この実験結果から明らかなように、原画像160は、その階調値が1〜4という低濃度のものや、階調値が251〜254という高濃度のものでは、その平均2値化誤差が0になるどころか、絶対値で100にも達するような大きな値となっていることがわかる。平均2値化誤差は、定常状態における誤差の拡散、蓄積量の期待値に相当するものである。誤差拡散法は、2値化誤差の局所的平均値を最小にする手法であると考えられているから、低濃度領域や高濃度領域で平均2値化誤差が0ではなく、このような絶対値の大きな値を取るということは、非常に興味深い発見であった。
【0085】
この図5に示す実験データから、前述した第1および第2の問題点の生じるメカニズムを、次のように解析することができる。
【0086】
▲1▼原画像160の階調値が、1〜8や、247〜254というように0または255近辺の値をとる場合には、2値化しきい値を128のように固定すると、ドットが安定して形成される定常状態に落ち着くまでには、平均2値化誤差の絶対値が80以上に達するような多量の誤差蓄積がなされる必要がある。特に、階調値が1〜4や251〜254の値の原画像データ160では、ドットが安定して形成される定常状態に落ち着くまでに、100以上の多量の誤差が蓄積される必要がある。この誤差蓄積量は、多階調画像データ200の濃度値が2値化濃度値である0および255に近付くほど大きくなる。
【0087】
▲2▼誤差の蓄積時間
また、画像データの濃度が0付近の値の場合、それを0に2値化してもわずかな2値化誤差しか生じない。そのため、この2値化誤差が拡散・蓄積して80〜100前後の値に達するまでには、かなりの蓄積期間が必要となる。また、画像データの濃度が255付近の値の場合にも、その2値化誤差が拡散・蓄積して、80〜100前後の値に達するまでには、同様にかなりの蓄積期間が必要となる。しかも、蓄積速度も、画像データの濃度値が2値化濃度値である0および255に近付くほど遅くなる。
【0088】
▲3▼第1の問題点
誤差が蓄積されて、定常状態での蓄積量に達するまでの蓄積期間中は、ドットは形成されない。このため、ドット形成のために多量の誤差蓄積量が必要とされ、しかも、必要とされる誤差蓄積量に達するまでにかなりの蓄積期間が必要になると、ドット生成の遅延が発生することになる。これが、第1の問題の原因となる。
【0089】
▲4▼第2の問題点
ドット形成のために多量の誤差蓄積量が必要になると、多量に蓄積された誤差が、領域外部にまで拡散されて周辺の画像データを歪ませる。これが、第2の問題の原因となり、前述した尾引きの問題が生じる。
【0090】
以上、▲1▼〜▲4▼で述べたように、画像データが2値化濃度値である0および255付近の値をとる場合に、平均2値化誤差が非常に大きな絶対値を取り、「誤差の蓄積」現象が生じる。この「誤差の蓄積」現象が、前記第1および第2の問題点の発生原因である。
【0091】
本発明の画像処理装置において、最適しきい値設定手段32は、この「誤差の蓄積」という根本原因を解消し、前記第1および第2の問題点を本質的に解決するものである。すなわち、原画像データ200が低濃度の時には、2値化しきい値を小さく、高濃度の時にはしきい値を大きくするようにして、原画像データ200の濃度に応じて2値化しきい値を最適化することで、「誤差の蓄積」自体を解消しつつ、「誤差の蓄積」なしでドット生成を行うことを可能とするものである。
【0092】
ここで、「低濃度領域でのしきい値を勝手に小さくしたりすると、255(黒ドット)に2値化される画素が増えて、濃度が大幅に上昇してしまうのではないか?」というような疑問が生じるかもしれない。確かに誤差拡散を行わない一般のディザ法においてはしきい値の変動は即濃度の変化に繋がる。しかし、本発明者が確認したところでは、誤差拡散法ではしきい値を変えてもトータルでの出力濃度はほとんど変動しなかった。すなわち、しきい値を128に固定して2値化した場合と、64や192に固定して2値化した場合とで、出力濃度はほとんど変わらないのである。これは、誤差拡散法では2値化誤差を捨て去ることなく、周辺の未2値化画素に拡散させるためである。例えば、しきい値を小さくしたために従来ならば0に2値化されていた画素が255に2値化される事態が生じても、その画素にはより絶対値の大きな負の2値化誤差が生じる。それが周辺の未2値化画素に拡散され、周辺画素階調レベルを下げる方向に働いて帳尻を合わせる。
【0093】
図6には、本実施例による「誤差の蓄積」の解消効果が示されている。すなわち、図6は、本実施例の最適しきい値設定手段32を用いた場合に、図5と同様にして調べた平均2値化誤差がどのようになるかを明らかにしたもので、図5に示したしきい値が128固定の場合に加えて、本実施例の数式(1)におけるKの値を、2,4,8,∞とした場合の結果がプロットしてある。K=∞の場合、slsh=dataとなる。ただし図6の場合も、図5の場合同様、数式(1)で決まったしきい値に、最大でプラスマイナス6の少量のランダムノイズを加えている。
【0094】
図6より、K=2、すなわち、slsh=(data+128)/2とすれば、平均2値化誤差が最大でも50以下と半分以下に減少し、誤差の蓄積量を大きく減少させる効果があるのがわかる。さらに、K=4とすると、全体的に平均2値化誤差が0に近付き、K=8とすると、画像データの濃度が1,2や253,254といった0や255に極めて近い階調値の場合でも、平均2値化誤差はほぼ0になる。
【0095】
図1に示す画像処理装置30から出力される2階調画像データ23に基づき、実際にプリンタを用いて印画を行い、前述した第2の問題点の「尾引き」の影響を評価する実験を行った。この評価実験の結果、平均2値化誤差の絶対値を50以下に押さえることにより、第2の問題点の「尾引き」の影響を大幅に軽減できることが確認された。このことから、前記数式(1)のKの値をK=2〜∞の範囲に設定することにより、すなわち、しきい値slshを画像データdataの階調値に応じて、
data<128のときには data≦slsh≦(128+data)/2
data>128のときには (128+data)/2≦slsh≦data …(6)
の範囲になるよう設定することにより、平均2値化誤差の絶対値を50以下に納めることができ、第2の問題点を解決することができる。
【0096】
次に、前記第1の問題点の「ドット生成遅れ」の影響を評価する実験も行った。この実験の結果、ドット生成遅れも、平均2値化誤差が減るに従って改善されることが確認された。前記数式(1)のKを大きくしすぎると、平均2値化誤差が0を越えて、その符号が逆転してしまう「過補正状態」が生じる。しかし、実際の印字結果の主観評価では、やや過補正状態にまでドット生成速度を早めたほうが、印字強調的な効果が生じて好ましい画質になった。data値が、1,2や253,254といったドット生成の遅れの最も大きいデータ領域の再現性を重視した主観評価結果では、K=8〜24程度の範囲が非常に良好で、K=16は最適であった。
【0097】
図7には、平均2値化誤差が常に0になる2値化しきい値が示されている。この2値化しきい値は、図6を基にして補間演算による推定値として求めた。
【0098】
実施例の画像処理装置の最適しきい値設定手段32を、図7に基づいて原画像データから2値化しきい値を決定するように形成すれば、前記第2の問題点の「尾引き」の期待値が0になる最良の最適しきい値設定手段が実現できる。なお、図7には、同時に、数式(1)のKの値が2,8,∞の場合の特性図が描かれている。これらの特性曲線から、Kの値をK=8前後に設定した場合に、平均2値化誤差を0にするための好適な近似値が得られることがわかる。また、先に述べたように、第1の問題点のドット生成の遅延の改善の点から、平均2値化誤差が0を越えて符号が逆転した「過補正状態」気味のほうがよい主観評価が得られる場合があり、主観評価では、K=16程度の近似式を用いた場合に最良の結果が得られた。K=∞までいくと、データ変化部のエッジがかなり強調される結果となるが、これも画像の使用目的によっては十分に有用なものとなる。
【0099】
また、図7では、原画像データ200が0または255の場合の最適しきい値を128としたが、データ階調値と2値化結果値が等しい場合のしきい値は、どのように設定しても大差なくなる。したがって、本実施例の最適しきい値設定手段32でも、データ値が0または255の場合には、しきい値をどのように設定してもよい。
【0100】
このように、本実施例によれば、多階調画像データ200を誤差拡散法を用いて、中間調表示可能な2階調画像データ230に変換出力するとともに、その2値化処理に使用する2値化しきい値を、多階調画像データ200の階調値に基づき、前記数式(6)の範囲に設定することにより、前記第1および第2の問題点を、画質劣化に繋がる副作用なしに根本的に解決することができた。
【0101】
しかも、本実施例によれば、数式(1)の定数Kの設定の仕方により、所望の特性をもった2値化出力画像を得ることができる。
【0102】
なお、図6,図7に示した補正データは、図3(a)に示した誤差拡散重みマトリクスを用いて誤差拡散した場合の例である。異なる重みマトリクスを用いた場合は、定量的には多少異なった結果が得られるが、定性的な傾向はほとんど変わりがない。このように、本発明は、異なる誤差拡散重みマトリクスを用いた場合にも、有効である。
【0103】
(本発明と従来例との比較)
本発明と同様に、原画像データ200の階調値に応じて、2値化しきい値を変化させるものとしては、特開平4−154370号公報の「画像処理装置及び画像処理方法」があった。しかし、この手法は、文字・線画部でのノイズの抑制に主目的をおいて、「原画濃度データが大きいほど、小さい2値化しきい値が対応させられる」ように、本発明とは正反対の方向にしきい値を変化させるものであり、第1,第2の問題点の改善効果はほとんどなかった。なお、2値化手法に平均誤差最小法を用いた例については、特開平4−154370号公報を参照すればよい。
【0104】
図12は、図2に示す本発明の画像処理装置30を用いて、図3に示す原画像100をした場合の出力例を示す図である。図14で問題となった、ドット生成の遅延や、低濃度領域120からの尾引きによる直線130の中央部の消失等の問題点が、完璧に解消しているのがわかる。
【0105】
このように、本発明によれば、第1,第2の問題点を理想的に解決できることが確認された。さらに、本発明によれば、有害な副作用を伴うことなく、第1,第2の問題点を解決できることも確認できた。
【0106】
(最適しきい値設定手段の他の実施例)
前記実施例において、最適しきい値設定手段32は、数式(1)に基づき2値化しきい値の設定を行っている。本発明はこれに限らず、必要に応じて他の手法を用い2値化しきい値の設定を行うようにしてもよい。
【0107】
図8には、最適しきい値設定手段32の他の実施例が示されている。
【0108】
本実施例の最適しきい値設定手段32は、注目画素の多階調画像データ200として入力されるデータdata[i,j]に基づき、次式に示すようにしてしきい値を設定するように形成されている。
【0109】
0 ≦data(i,j) <128-L1ならばslsh(i,j)=data(i,j)+L1
128-L1≦data(i,j) ≦128+L2ならばslsh(i,j)=128
128+L2<data(i,j) ≦255 ならばslsh(i,j)=data(i,j)-L2 …(7)
【0110】
ここにおいて、L1 ,L2 は0〜64の適当な値でよいが、8〜16の範囲とすると最適となる。なお、L1 ,L2 は同じ値に設定してもよい。本実施例の場合は、data値が128前後の場合には、数式(6)で示した
data<128 の時にはdata≦slsh≦(128+data)/2
data>128 の時には(128+data)/2≦slsh≦data
という範囲からはずれることになるが、本発明が解決しようとしている第1,第2の問題点が特に顕著になるのは、dataが0または255近辺の値(0および255は含まない)の場合である。したがって、全データ領域で数式(6)が満たされる必要はなく、dataが0または255近辺の値の場合に数式(6)が満たされればよい。
【0111】
したがって、2値化しきい値を、前記数式(7)に示すように設定することによっても、前記第1および第2の問題点を解決し、前記第1実施例と同様に良好な2値化画像を得ることができる。
【0112】
図8には、最適しきい値設定手段32のさらに別の実施例が示されている。
【0113】
実施例の最適しきい値設定手段32では、原画像データ200の階調値に応じ、2値化しきい値を連続的ではなく、段階的に設定する。このようにしても、前記実施例と同様に第1および第2の問題点を解決し、良好な2値化画像を得ることができる。
【0114】
また、図10には、最適しきい値設定手段32のさらに別の実施例が示されている。実施例の最適しきい値設定手段32は、低濃度領域のみに、本発明の特徴とするしきい値最適化動作が働くように形成されている。すなわち、画像データ200のしきい値が高濃度領域側にある場合には、2値化しきい値は128に固定され、画像データ200が低濃度領域側の0近辺の値にあった時に、最適しきい値を前記数式(6)を満足するように設定するよう形成されている。
【0115】
例えば、ドットの滲み量の大きいプリンタ装置では、高濃度部の孤立した白ドットがほとんど潰れてしまうため、高濃度部では、第1の問題点がもともと顕著に現われない。そのため、第1の問題点が目立ちやすい低濃度部のみを、本発明により改善しようとするものである。
【0116】
なお、画像出力装置の特性に応じ、これとは逆に高濃度部領域のみに本発明のしきい値最適化動作が働くように形成してもよい。
【0117】
このように、本発明の最適しきい値設定手段32は、その画像出力装置に応じて、必要な原画像濃度領域にのみ、最適しきい値設定するように形成してもよい。
【0118】
(しきい値設定手段の具体例)
前述した各実施例における最適しきい値設定手段32は、原画像データから2値化しきい値を設定するために、前記した数式(1)のような演算をその都度行うように形成してもよく、また原画像データの階調値と2値化しきい値との対応関係をあらかじめ変換テーブル内に記憶しておき、それを参照するように形成してもよい。
【0119】
図11には、最適しきい値設定手段32を、ROMを用いて構成した具体例が示されている。ROMのアドレスバスA0〜A7に8ビット原画像データを入力すると、それに対応した8ビットの2値化しきい値がデータバスD0〜D7に出力されるよう形成されている。
【0120】
また、各実施例の中には、最適しきい値設定手段32によって設定された2値化しきい値に、さらに少量のランダムノイズを加えている例があった。これは、原画像データが、コンピュータ等で描いた非常に整然としたデータの場合に、誤差拡散法での2値化により特定の規則的パターンが生じてしまうことがあるのを防ぐために行うものである。したがって、原画像データが、階調値の適当なばらつきをもった自然画の場合には、このようなランダムノイズを加える処理は不必要になる。
【0121】
また、ランダムノイズを付加した結果、しきい値が数式(6)で示した範囲からはずれてしまうことがありうるが、しきい値の期待値が数式(6)の範囲に入っていればよいものとする。
【0122】
また、しきい値ではなく、原画像データ側にノイズを付加しても、同様の効果が得られる。
【0123】
(他の実施例)
なお、本発明は前記各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で各種の変形実施が可能である。
【0124】
例えば、前記実施例では、原画像データが0で白、255で黒となるような濃度データである場合を例にとり説明したが、原画像データが0で黒、255で白となるような、明度データである場合も、本発明を同様に適用できることはいうまでもない。
【0125】
また、原画像データがA〜B(A>B)の範囲の値をとる場合に、この原画像データをaまたはb(a>b)に2値化する場合には、第1の実施例の数式(1)を、
slsh(i,j)=(data(i,j)*(K-1)+(a+b)/2)/K …(1)’
に変換し、数式(2)を
data C(i,j) ≧slsh(i,j) ならば、result(i,j)=a
data C(i,j) <slsh(i,j) ならば、result(i,j)=b …(2)’
のように変更すればよい。一般にはA=a、B=bであるが、出力装置の出力可能濃度が原画像データの範囲と大きく異なっている場合には、Aとa、Bとbが一致しない例もある。
【0126】
この場合、数式(6)のしきい値設定のための条件式は、m=(a+b)/2として、
data<mの時にはdata≦slsh≦(m+data)/2
data>mの時には(m+data)/2≦slsh≦data …(8)
のようになる。
【0127】
また、前記実施例では、多階調画像データ200を、誤差拡散法を用いて補正する場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限らず、平均誤差最小法を用いて補正する場合にも適用できる。
【0128】
図18には、平均誤差最小法を用いた画像処理装置30の好適な実施例が示されている。なお、図2に示す前記実施例と対応する部材には同一の符号を付しその説明は省略する。
【0129】
本実施例において、誤差補正手段34は、データ補正手段38と、誤差計算手段44と、誤差記憶手段46とを含んで構成される。
【0130】
前記誤差計算手段44は、前記数式(3)に基づき、注目画素の2値化誤差errを演算し、誤差記憶手段46の注目画素に対応したアドレスにその値を書き込むよう形成されている。この結果、誤差記憶手段46の各画素アドレスに対応した記憶エリアには、2値化済みの画素の2値化誤差が順次書き込み記憶されていく。
【0131】
データ補正手段38は、注目画素P[i,j]の多階調画像データdata(i,j)が入力されると、その注目画素P[i,j]近傍の2値化済みの画素の誤差を誤差記憶手段46から読み出す。そして、読み出した誤差データに所定の重み付けをして平均誤差を求め、この平均誤差を注目画素の多階調画像データdata(i,j)に加え、これを補正画像データdata c(i,j)として2値化手段36へ向け出力する。
【0132】
なお、これ以外の構成は、前記第1実施例と同様であるので、ここではその説明は省略する。
【0133】
このような平均誤差最小法を用いた場合でも、前記第1実施例と同様な効果を奏することができる。
【0134】
以上説明したように、本実施の形態によれば、多階調画像データを、誤差拡散法または平均誤差最小法を用いて補正し、しかも、注目画素の階調値画像データの階調値に基づき、2値化しきい値を最適化するしきい値設定手段を設けることにより、低濃度領域や高濃度領域で多量の誤差の蓄積が生じているという現象を解消することができ、それに起因して発生していた、低濃度領域や高濃度領域の立上り部でのドット生成の遅延や、低濃度領域や高濃度領域が終わった後の「尾引き」などの問題を、画質劣化に繋がる副作用なしに根本的に解消できる画像処理装置を得ることができるという効果がある。
【0135】
さらに、本実施の形態によれば、しきい値設定手段を、簡単な演算を行うか、または変換テーブルを参照するなどの単純な構成で実現できるため、複雑な処理回路を必要とせず、高速にかつ良好な画像処理を行うことができる。
【0136】
さらに、本実施の形態では、しきい値設定手段が設定するしきい値を増減させることで、ドット生成速度の調整が可能となり、必要に応じ過補正状態を設定することで、例えばエッジ強調的な効果を期待できるという副次的な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された画像処理システムの概略説明図である。
【図2】図1に示す画像処理システムに用いられる画像処理装置の機能ブロック図である。
【図3】本実施例で用いられる拡散重みマトリクスの具体例の説明図である。
【図4】平均2値化誤差を求めるために使用した原画像データと、平均2値化誤差を求める領域との関係を示す説明図である。
【図5】原画像データの階調値と、平均2値化誤差の関係を示す説明図である。
【図6】第1実施例で、平均2値化誤差がどのように発生するかを示す説明図である。
【図7】平均2値化誤差が常に0になる2値化しきい値の説明図である。
【図8】本発明に用いられるしきい値設定手段の他の実施例の説明図である。
【図9】本発明に用いられるしきい値設定手段の他の実施例の説明図である。
【図10】本発明に用いられるしきい値設定手段の他の実施例の説明図である。
【図11】本発明に用いられるしきい値設定手段をハードウェアにて構成した例の説明図である。
【図12】本発明の画像処理装置を用いて得られる2値化結果の説明図である。
【図13】図12,図14に示す2値化画像を得るために用いた原画像の説明図である。
【図14】従来の誤差拡散法により得られた、2値化結果の説明図である。
【図15】本発明の画像処理装置を組み込んだ画像処理システムの全体概略説明図である。
【図16】図15のシステムの他の実施例の説明図である。
【図17】図15のシステムの他の実施例の説明図である。
【図18】多階調画像データの補正に平均誤差最小法を用いる画像処理装置の実施例のブロック図である。
【符号の説明】
30 画像処理装置
32 しきい値設定手段
34 誤差補正手段
36 2値化手段
38 データ補正手段
40 誤差拡散手段
42 拡散誤差記憶手段
200 多階調画像データ

Claims (4)

  1. 多階調画像データを、誤差拡散法または平均誤差最小法を用いて、第1階調値および第2階調値(第1階調値<第2階調値)からなる2階調画像データに2値化変換する画像処理装置において、
    注目画素の多階調画像データの階調値に応じて2値化のためのしきい値に異なる値を設定し得るしきい値設定手段と、
    前記設定されたしきい値に基づき、前記補正画素データを前記2階調画像データに2値化変換する2値化手段と、
    を有し、
    前記しきい値設定手段は、
    前記注目画素の多階調画像データの階調値が、前記第1階調値および第2階調値の中間値と前記第1階調値との間の範囲では、平均2値化誤差が負の値をとる過補正状態となる値に前記しきい値を設定する処理と、
    前記注目画素の多階調画像データの階調値が、前記中間値と前記第2階調値との間の範囲では、平均2値化誤差が正の値をとる過補正状態となる値に前記しきい値を設定する処理と、
    の少なくとも一方の処理を行う画像処理装置。
  2. 請求項1において、
    過補正状態となる値に前記しきい値を設定する処理は、
    前記第1階調値および第2階調値の中間値と前記第1階調値との間の範囲では、前記第1階調値近辺で行い、
    前記中間値と前記第2階調値との間の範囲では、前記第2階調値近辺で行う画像処理装置
  3. 多階調画像データを、誤差拡散法または平均誤差最小法を用いて、第1階調値および第2階調値(第1階調値<第2階調値)からなる2階調画像データに2値化変換する画像処理方法において、
    注目画素の多階調画像データの階調値に応じて2値化のためのしきい値に異なる値を設定し得るしきい値設定工程と、
    前記設定されたしきい値に基づき、前記補正画素データを前記2階調画像データに2値化変換する2値化工程と、
    を有し、
    前記しきい値設定工程では、
    前記注目画素の多階調画像データの階調値が、前記第1階調値および第2階調値の中間値と前記第1階調値との間の範囲では、平均2値化誤差が負の値をとる過補正状態となる値に前記しきい値を設定する処理と、
    前記注目画素の多階調画像データの階調値が、前記中間値と前記第2階調値との間の範囲では、平均2値化誤差が正の値をとる過補正状態となる値に前記しきい値を設定する処理と、
    の少なくとも一方の処理を行う画像処理方法。
  4. 請求項3において、
    過補正状態となる値に前記しきい値を設定する処理は、
    前記第1階調値および第2階調値の中間値と前記第1階調値との間の範囲では、前記第1階調値近辺で行い、
    前記中間値と前記第2階調値との間の範囲では、前記第2階調値近辺で行う画像処理方法。
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