JP3679993B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、量子化された画像データによって表される画像のエッジ部におけるジャギーや凹凸を滑らかにするためのスムージング処理を行う画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画素ごとの量子化された濃度を表す画像データを取り扱う機器には、レーザビームプリンタやディジタル複写機がある。たとえば、ディジタル複写機は、原稿画像を光学的に読み取る原稿読取部と、この原稿読取部によって読み取られた原稿の画像データを処理する画像処理部と、この画像処理部によって処理された後の画像データに基づいて記録用紙上に画像を形成する画像形成部とを備えている。
【0003】
原稿読取部は、CCD等のイメージセンサによって、原稿を一定方向に主走査し、さらに主走査方向と直交する方向に副走査し、これによって原稿像を読み取る構成となっている。
画像形成部は、たとえば、感光体と、この感光体の表面に原稿に対応した静電潜像を書き込むためのレーザ走査ユニットと、感光体に書き込まれた静電潜像を現像するための現像装置と、現像装置によって感光体の表面に形成されたトナー像を記録用紙に転写するための転写装置と、用紙上に転写されたトナー像を定着させるための定着装置とを備えている。
【0004】
このような原稿読取部および画像形成部の構成に起因して、原稿画像中に文字や線画部分が含まれている場合には、それらの画像のエッジ部分においてジャギーや凹凸が発生し、必ずしも良好な品質の再生像を得ることができない。
この問題を解決した1つの先行技術は、特許第2886192号公報に開示されている。この先行技術では、ジャギー部等に相当する複数の画像パターンデータが用意され、2値画像データと画像パターンデータとのパターンマッチングを行うことによって、画素出力値を定める構成となっている。より具体的には、個々のパターン画像データに対して画素出力値が一意に定められていて、画像データがいずれかのパターン画像データに適合する場合には、このパターン画像データに一意に対応づけられた画素出力値が出力されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の先行技術では、画像パターンデータに対して一意に画素出力値が定められているため、膨大な数の画像パターンデータを用意しなければならない。また、上述の先行技術は、2値画像データの処理を前提としているから、3値以上の多値画像データに対して同様な処理を行おうとすれば、さらに膨大な数の画像パターンデータを用意しなければならない。
【0006】
これに伴って、パターン画像データを記憶するためのメモリの記憶容量を大きくしなければならず、構成および処理が複雑になるとともに、画像処理部のコストが高くなるという問題がある。
そこで、この発明の目的は、簡単かつ廉価な構成でスムージング処理を行うことのできる画像処理装置を提供することである。
また、この発明の他の目的は、3値以上に量子化された多値画像データにも良好に対応してスムージング処理を行うことができる画像処理装置を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、画像中の文字部および線画部のみを選択的にスムージング処理することができる画像処理装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
なお、この項において、括弧内に示す英数字は、後述の実施形態の説明において参照する添付図面(図1〜図14)中に示された構成要素等の参照符号である。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、画素毎の量子化された濃度を表す画像データを処理することによって画像のエッジ部にスムージング処理を施すための画像処理装置であって、注目画素(c3)の所定の第1方向に沿う一方側において注目画素に隣接する画素を中央に含んで上記第1方向に直交する第2方向に整列する所定個数の画素からなる第1画素列(b1〜b5またはd1〜d5)の構成画素の画像データがいずれも第1値以上の値をとり、かつ、注目画素の上記第1方向に沿う他方側において注目画素に隣接する画素を中央に含んで上記第2方向に整列する上記所定個数の画素からなる第2画素列(d1〜d5またはb1〜b5)の構成画素の画像データがいずれも上記第1値よりも小さな第2値以下の値をとることを条件に、当該注目画素を画像のエッジ部を構成するエッジ画素と判定するエッジ画素判定手段(231)と、このエッジ画素判定手段によってエッジ画素と判定された注目画素の画像データを、注目画素を中央に含んで上記第2方向に整列する上記所定個数の画素からなる第3画素列(c1〜c5)の構成画素の画像データの値の合計値(濃度の合計値)に応じて定めるスムージング演算手段(232)とを含むことを特徴とする画像処理装置である。
【0009】
この構成では、注目画素に隣接する画素を中央に含んで注目画素の両側にほぼ平行に整列している第1画素列および第2画素列の構成画素の画像データに基づいて、注目画素がエッジ部の画素か否かが判定される。すなわち、注目画素の一方側に位置する第1画素列の構成画素の画像データがいずれも大きな値を取り、かつ、注目画素の他方側に位置する第2画素列の構成画素の画像データがいずれも小さな値をとるとすれば、注目画素は画像のエッジ部を構成するエッジ画素である可能性が高い。したがって、このような場合に、注目画素をエッジ画素と判定するとともに、このエッジ画素に対して注目画素を中央に含んで第1および第2画素列と平行に整列する複数の画素からなる第3画素列の構成画素の画像データの値の合計値に応じて当該エッジ画素の画像データが定められる。
【0010】
すなわち、この発明では、エッジ画素の判定はパターンマッチングによって行われるものの、1つのパターンに対して一意的に出力画素値が定められるのではなく、注目画素の周辺の画素の画像データを加味してエッジ画素の画素値が定められるようになっている。したがって、上述の先行技術に比較して、パターンマッチングのためのパターン数を極めて少なくすることができる。よって、画像データが3値以上の多値画像データであっても、エッジ画素抽出のためのパターン数が膨大となることはない。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記第1値が画像データの上限値であり、かつ上記第2値が画像データの下限値であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置である。
この構成によれば、上限値の画像データを有する画素列と下限値の画像データを有する画素列との境界に位置する画素をエッジ画素として抽出できるので、文字画像や線画に対して適切なスムージング処理を施すことができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、第1のエッジ画素判定手段(231H)としての上記エッジ画素判定手段のほかに、注目画素(c3)の上記第2方向に沿う一方側において注目画素に隣接する画素を中央に含んで上記第1方向に整列する上記所定個数の画素からなる第4画素列(a2,b2,c2,d2,e2またはa4,b4,c4,d4,e4)の構成画素の画像データがいずれも上記第1値以上の値をとり、かつ、注目画素の上記第2方向に沿う他方側において注目画素に隣接する画素を中央に含んで上記第1方向に整列する上記所定個数の画素からなる第5画素列(a4,b4,c4,d4,e4またはa2,b2,c2,d2,e2)の構成画素の画像データがいずれも上記第2値以下の値をとることを条件に、当該注目画素を画像のエッジ部を構成するエッジ画素と判定する第2のエッジ画素判定手段(231V)をさらに含み、上記スムージング演算手段は、上記第2のエッジ画素判定手段によってエッジ画素と判定された注目画素の画像データについては、注目画素を中央に含んで上記第1方向に整列する上記所定個数の画素からなる第6画素列(a3,b3,c3,d3,e3)の構成画素の画像データの値の合計値(濃度の合計値)に応じて注目画素の画像データを定めるものであることを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置である。
【0013】
第1方向は、画像読取時または画像形成時における主走査方向または副走査方向であってもよい。また、上記第1方向は、主走査方向に対して45度の角度をなす方向であってもよい。
この発明では、直交する2つの方向に関してエッジ画素の抽出が行われ、それぞれの方向に関して抽出されたエッジ画素に対しては、対応する方向に整列する所定個数の画素からなる画素列(第3画素列または第6画素列)の構成画素の画像データの値の合計値に応じて注目画素の画像データが定められる。これにより、直交する2つの方向に関するエッジ部について、スムージング処理を行うことができる。
【0014】
もちろん、上記第1方向および上記第2方向とは異なる第3方向に関して同様のエッジ抽出処理および注目画素の画像データの補正処理が行われてもよい。
請求項4記載の発明は、上記エッジ画素判定手段(第1または第2のエッジ画素判定手段)は、エッジ画素の抽出条件を満たすマトリクス値を設定したマトリクスパターンを有し、注目画素を中心とした画素マトリクスと上記マトリクスパターンとのパターンマッチングによって、注目画素がエッジ画素か否かを判定するものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像処理装置である。
【0015】
この発明は、請求項1記載の発明におけるエッジ画素判定の具体的手段を提供する。すなわち、エッジ抽出のためのマトリクスパターンが予め用意され、このマトリクスパターンと注目画素を含むマトリクス内の画像データとのパターンマッチングによって、注目画素がエッジ画素か否かが判定される。
この場合に、準備すべきマトリクスパターンは少数でよい。一般的には、エッジを検出しようとする1つの方向に対して1つのマトリクスパターンを用意すればよい。
【0016】
請求項5記載の発明は、上記画像データは、3値以上の量子化レベルで量子化されたデータであり、上記スムージング演算手段は、上記第3画素列(または第6画素列)の構成画素の画像データの値の合計値がとりうる全区間を画像データの量子化レベルに応じて複数の区間に区分し、上記合計値がいずれの区間に属するかに応じて画像データを定めるものであり、上記複数の区間は、画像データの上限値および下限値に相当する区間よりも、画像データの中間値に相当する区間の方が大きくなるように区分されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像処理装置である。
【0017】
この発明では、注目画素を含んでエッジ方向に整列した複数の画素の画像データの値の合計値に基づいてエッジ画素の画像データを定める際に、当該合計値がとり得る全区間が複数の区間に区分され、当該合計値がいずれの区間に属するかに応じて画像データが定められる。すなわち、第3画素列の構成画素の画像データの値の合計値を量子化することによって、エッジ画素の画像データが定められることになる。この発明では、さらに、上記複数の区間が、画像データの上限値および下限値に相当する区間よりも画像データの中間値に相当する区間の方が大きくなるように区分されている。これによって、エッジ画素は上限値または下限値よりも中間値をとり易くなるから、良好なスムージング処理を行うことができる。
【0018】
請求項6記載の発明は、上記第1画素列および第2画素列(ならびに/または第4画素列および第5画素列)の構成画素数は、画像中の文字部および線画部のエッジ部を構成する画素のみがエッジ画素と判定されるように定められていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置である。
この構成によって、画像中の文字部または線画部のエッジ部分を形成するエッジ画素に関して選択的にスムージング処理を施すことができる。したがって、写真画像のような中間階調画像に対してはスムージング処理が行われないので、画像データの置き換えに起因して中間階調部の階調性が損なわれることがない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態にかかる画像処理装置が適用されたディジタル複写機の電気的構成を説明するためのブロック図である。このディジタル複写機は、原稿画像を光学的に読み取るための読取部1と、この読取部1によって原稿画像を読み取って得られた画像データに対して各種の処理を施すための画像処理部2と、この画像処理部2によって処理された後の画像データに基づき、記録シート上に原稿に対応した画像を形成する画像形成部3とを備えている。
【0020】
読取部1は、たとえばCCD等のイメージセンサ11と、このイメージセンサ11によって原稿画像を走査するための走査機構(図示せず)とを備えている。この走査機構は、原稿が載置されるコンタクトガラスの下方に設けられたランプと、このランプによる原稿の照明位置を変更するためにコンタクトガラスの下方で移動する移動機構を含むものであってもよい。また、上記走査機構は、定位置で原稿を照明するためのランプと、この原稿による照明位置である読取位置を通して原稿を搬送する原稿搬送機構とを含むものであってもよい。
【0021】
画像形成部3は、電子写真プロセスによって記録シート上にトナー像を形成する形式のものである。すなわち、画像形成部3は、感光体(図示せず)と、この感光体に静電潜像を書き込むためのレーザ走査ユニット(LSU)31と、書き込まれた静電潜像をトナー像に現像するための現像装置(図示せず)と、感光体表面のトナー像を記録シートの表面に転写するための転写機構(図示せず)と、記録シートの表面に転写されたトナー像を定着させるための定着装置(図示せず)とを含む。
【0022】
画像処理部2は、イメージセンサ11から出力されるたとえば8ビット(256階調)の多値画像データに対してフィルタ処理や階調補正処理を施す多値画像処理部21を備えている。この場合、フィルタ処理とは、たとえば画像データに対して平滑化処理またはエッジ強調処理を施す画像処理である。また、階調補正処理とは、たとえば、画像形成部3における出力エンジンのγ特性を補正するγ補正処理である。
【0023】
多値画像処理部21によって処理された後の画像データは、擬似中間調生成処理部22に入力される。この擬似中間調生成処理部22は、ディザ処理や誤差拡散処理等に代表される擬似中間調処理を行うものであって、多値画像処理部21から与えられる256値の画像データから、0,1,2,3の4値の画像データを生成する。
ディザ処理とは、各マトリクス位置に異なるしきい値を設定したディザマトリクスを用いて多値画像データを量子化レベルの低い画像データに変換する処理である。たとえば、入力画像データを2値化するディザ処理では、ディザマトリクスの各マトリクス位置にそれぞれ1つのしきい値が設定されていて、当該マトリクス位置に相当する画像データがそのしきい値以上か未満かに応じて画像データが2値化されることになる。擬似中間調生成処理の出力データが4値データである場合には、2値化結果は、「0」または「3」となる。4値化のためのディザ処理では、ディザマトリクスの各マトリクス位置にそれぞれ3つのしきい値が設定される。この3つのしきい値と入力画像データを比較することによって、0,1,2,3のいずれかの画像データが入力画像データの大小に応じて生成される。
【0024】
誤差拡散処理とは、入力画像データを量子化するときに生じた量子化誤差を周辺の画素に予め定める誤差拡散係数を生じて分配するとともに、個々の画素の量子化処理の際には当該画素の画像データに周辺の画素から分配される誤差の累積値である累積誤差を加算した値に対して量子化を行う処理である。2値誤差拡散処理では1つのしきい値が定められ、入力画像データと周辺の画素から分配される誤差の累積値との合計値が2値化しきい値と比較されて、画像データが2値化される。この場合の出力データは、「0」または「3」となる。4値誤差拡散処理では、入力画像データを量子化するための量子化しきい値が3つ用意される。入力画像データと周辺の画素からの累積誤差との合計値はそれら3つのしきい値と比較され、その比較結果に応じて0,1,2,3のいずれかのデータが出力されることになる。
【0025】
擬似中間調生成処理部22によって生成される4値画像データは、スムージング処理部23によるスムージング処理を受ける。スムージング処理とは、画像のエッジ部のジャギーや凹凸を軽減して画像の輪郭を滑らかにするための処理である。この処理の詳細については後述する。
スムージング処理後の4値画像データは、ドット補正処理部24に入力される。このドット補正処理部24は、主として画像のエッジ部のはみ出しを抑制するための処理を行う。より具体的には、レーザ走査ユニット31における個々の画素に対応したレーザ点灯時間を規定するパルス幅データと、個々の画素内のいずれの位置においてレーザを点灯させるかを規定する位置寄せデータとを生成する。このドット補正処理部24における処理の詳細は後述する。
【0026】
ドット補正処理部24からのパルス幅データおよび位置寄せデータは、パルス幅変調器(PWM)25に入力され、レーザ走査ユニット31が備える半導体レーザを点灯させるためのレーザ点灯信号に変換される。このレーザ点灯信号がレーザ走査ユニット31に与えられることにより、個々の画素位置において、位置寄せデータにより規定されるタイミングで、パルス幅データによって規定される時間にわたり、半導体レーザが点灯されることになる。
【0027】
図2は、スムージング処理部23の構成を説明するためのブロック図である。スムージング処理部23は、画像を形成する複数の画素を順次注目画素とし、この注目画素が文字部または線画部のエッジを構成するエッジ画素か否かを判定するためのエッジ画素判定部231と、このエッジ画素判定部231によってエッジ画素と判定された注目画素に対してスムージング演算を行うことにより、スムージング処理された画像データを出力するスムージング演算部232とを備えている。
【0028】
エッジ画素判定部231は、原稿画素を走査する際または記録画像を感光体上に書き込む際の主走査方向(第2方向)に沿った横エッジを形成する画素(横エッジ画素)を検出するための横エッジ判定部231Hと、主走査方向に直交する方向である副走査方向(第1方向)に沿う縦エッジを形成する画素(縦エッジ画素)を検出する縦エッジ判定部231Vとを備えている。横エッジ判定部231Hまたは縦エッジ判定部231Vによって注目画素が横エッジまたは縦エッジを形成する画素であると判定されれば、この注目画素に対してスムージング演算部232によるスムージング処理が施される。横エッジまたは縦エッジのいずれをも形成しない非エッジ画素に対しては、スムージング演算部232によるスムージング演算は行われない。
【0029】
図3は、横エッジ画素を検出するために横エッジ判定部231Hによって参照される横エッジマッチングパターンを示す図である。また、図4は、縦エッジを構成するエッジ画素を検出するために縦エッジ判定部231Vによって参照される縦エッジマッチングパターンを示す図である。
横エッジ判定部231Hによって参照される横エッジマッチングパターンは、主走査方向に5画素の範囲、副走査方向に3ラインの範囲からなる5×3画素のマトリクスパターンを2つ含む。図3(a)に示された第1のマッチングパターンは、注目画素c3を中央に含む5×3画素のマトリクスと照合されて、注目画素c3が画像の下端(走査方向下流側端)に相当する横エッジ部を形成する画素か否かを判定するためのマッチングパターンである。また、図3(b)には、注目画素c3を中心とする5×3画素のマトリクスの構成画素の画像データと照合されて、注目画素c3が画像の上端(走査方向上流側端)に相当するエッジ部を形成する画素か否かを判定するための第2の横エッジマッチングパターンが示されている。
【0030】
図3(a)の第1の横エッジマッチングパターンでは、注目画素c3に対して副走査方向上流側に隣接するラインにおいて主走査方向に整列した5つのマトリクス位置に4値画像データの上限値である「3」が設定されている。また、注目画素c3に対して副走査方向下流側に隣接するラインにおいて主走査方向に整列した5つのマトリクス位置には4値画像データの下限値である「0」が設定されている。
【0031】
図3(b)に示された第2の横エッジマッチングパターンでは、注目画素c3に対して副走査方向上流側に隣接するラインにおいて主走査方向に整列した5つのマトリクス位置に「0」が設定されている。そして、注目画素c3に対して副走査方向下流側に隣接するラインにおいては、主走査方向に整列した5つのマトリクス位置に「3」が設定されている。
図4(a)に示されている第1の縦エッジマッチングパターンは、主走査方向に3画素、副走査方向に5ラインの3×5画素のマトリクスで構成されている。この第1の縦エッジマッチングパターンでは、マトリクスの中央に位置する注目画素c3の主走査方向上流側に隣接する画素を中央に含んで副走査方向に整列した5つのマトリクス位置に、4値画像データの上限値である「3」が共通に設定されている。また、注目画素c3の主走査方向下流側に隣接する画素を中央に含んで副走査方向に整列した5つのマトリクス位置には、4値画像データの下限値である「0」が共通に設定されている。
【0032】
図4(b)に示す第2の縦エッジマッチングパターンも同様に3×5画素のマトリクスからなっている。そして、マトリクスの中央に位置する注目画素c3の主走査方向上流側に隣接する画素を中央に含んで副走査方向に整列した5つのマトリクス位置には、「0」が設定されていて、注目画素c3の主走査方向下流側に隣接する画素を中央に含んで副走査方向に整列した5つのマトリクス位置には共通に値「3」が設定されている。
【0033】
エッジ画素判定部231は、図5に示すように注目画素c3を中心とした5画素×5ラインのマトリクスを構成する画素a1〜a5,b1〜b5,c1〜c5,d1〜d5,e1〜e5の画像データに注目して、注目画素c3がエッジ画素か否かを判定する。具体的には、横エッジ判定部231Hにおいては、画素b1〜b5がいずれも値「3」をとり、画素d1〜d5がいずれも値「0」をとる場合に、図3(a)に示す第1の横エッジマッチングパターンに適合するものとして、注目画素c3を横エッジ画素と判定する。同様に、横エッジ判定部231Hは、画素b1〜b5がいずれも値「0」をとり、画素d1〜d5がいずれも値「3」をとる場合に、注目画素c3を横エッジ画素と判定する。
【0034】
縦エッジ判定部231Vにおいても同様に、画素a2,b2,c2,d2,e2がいずれも値「3」をとり、かつ画素a4,b4,c4,d4,e4がいずれも値「0」をとる場合に、図4(a)に示す第1の縦エッジマッチングパターンに該当するものとして、注目画素c3を縦エッジ画素と判定する。また、縦エッジ判定部231Vは、画素a2,b2,c2,d2,e2がいずれも値「0」をとり、かつ、画素a4,b4,c4,d4,e4がいずれも値「3」をとる場合に、図4(b)に示す第2の縦エッジマッチングパターンに該当するものとして、注目画素c3を縦エッジ画素と判定する。
【0035】
スムージング演算部232は、図2に示されているように、縦エッジ合計値演算部50Vと横エッジ合計値演算部50Hとを備えている。縦エッジ合計値演算部50Vは、注目画素c3を中央に含んで副走査方向に整列した5つの画素a3,b3,c3,d3,e3の画像データの値の合計値(濃度の合計値)を演算する。これに対して、横エッジ合計値演算部50Hは、注目画素c3を中央に含んで主走査方向に整列した5つの画素c1〜c5の画像データの値の合計値(濃度の合計値)を演算する。
【0036】
縦エッジ合計値演算部50Vおよび横エッジ合計値演算部50Hによって求められた合計値は、セレクタ51によりいずれか一方が選択され、この選択された合計値が合計値判定部52に入力されるようになっている。セレクタ51は、エッジ画素判定部231によって注目画素c3が縦エッジ画素であると判定されたときには縦エッジ合計値演算部50Vによって演算された合計値を選択して合計値判定部52に与える。これに対して、エッジ画素判定部231により、注目画素c3が横エッジ画素であると判定されたときには、セレクタ51は、横エッジ合計値演算部50Hが演算した合計値を合計値判定部52に与える。
【0037】
合計値判定部52の機能は下記の通りである。
(A)0≦合計値≦2のとき 出力値=0(白)とする。
(B)3≦合計値≦7のとき 出力値=1とする。
(C)8≦合計値≦12のとき 出力値=2とする。
(D)13≦合計値≦15のとき 出力値=3(黒)とする。
すなわち、合計値判定部52は、合計値の大小に応じて、0,1,2,3の4値画像データを出力する。
【0038】
合計値がとり得る値の下限値は「0」であり、上限値は「15」である。この合計値がとり得る全区間が、4つの区間に区分されており、合計値がいずれの区間に属するかに応じてスムージング処理後の画像データ値が定められるようになっている。
この実施形態では、4値画像データの値0,1,2,3に対して合計値がとり得る全区間が均等に区分されているわけではない。すなわち、0〜15の区間を均等に区分すれば、0〜3,4〜3,8〜11,12〜15のように出力値0,1,2,3にそれぞれ対応する区間が定められるべきである。この実施形態ではこのような均等に分割された区間を採用するのではなく、画像データの下限値「0」および上限値「3」に対応する区間が小さく、中間値「1」および「2」に対応した区間が大きくなるように、合計値の全区間が区分されている。これにより、注目画素c3の画像データが中間値「1」または「2」に補正される確率を高くして、スムージング処理を効果的に達成するようにしている。
【0039】
合計値がとり得る全区間を4つの区間に区分しているのは、4値画像データを取り扱っているからであって、この区分数は取り扱うべき画像データの量子化レベルに応じて定めればよい。
図6、図7および図8にスムージング処理部23による処理結果を示す。図6には、図6(a)に示す単純2値画像データに対してスムージング処理を行った後のデータが図6(b)に示されている。図7(a)には図6(a)の単純2値画像データに対して2値誤差拡散処理を施した画像データが示されている。この2値誤差拡散処理後の画像データに対してスムージング処理部23による処理を施すことにより、図7(b)に示すデータが得られる。
【0040】
図8(a)には、図6(a)の単純2値画像データに対して4値誤差拡散処理を施した画像データが示されている。この図8(a)の画像データに対してスムージング処理部23によるスムージング演算を施すと、図8(b)に示す画像データが得られる。
図6、図7および図8から理解されるように、いずれの場合にも、画像中のジャギーまたは凹凸が軽減され、エッジ部を滑らかに再現できる画像データが得られる。
【0041】
なお、この実施形態では、主走査方向または副走査方向に整列する5つの画素からなる画素列に注目して、画像の縦エッジ部または横エッジ部を形成するエッジ画素を抽出することとしているが、エッジ画素判定処理の際の判定領域を6×6画素または7×7画素等のより大きなマトリクス範囲に広げ、主走査方向または副走査方向に整列する6画素以上の画素列に注目して、エッジ判定を行うこととしてもよい。これにより、より確実に文字部または線画部のエッジを形成する画素に対してのみスムージング処理を選択的に施すことができる。すなわち、誤差拡散表現によるドット分散表現部やスクリーン表現によるドット集中表現部に代表される階調表現部に対しては、スムージング処理を施さないようにすることができ、階調再現に与える悪影響を低減することができる。このような効果を確実に得るためには、、エッジ判定の際に参照される画素列の長さは、文字部および線画部のエッジを選択的に抽出することができるように定められることが好ましい。
【0042】
図9は、ドット補正処理部24の構成を説明するためのブロック図である。ドット補正処理部24は、4値画像データである入力データDinが、0,1,2,3のいずれの値をとるかを判定する入力データ判定部61と、入力データDinに対応する注目画素が主走査方向に関するエッジ画素か否かを判定するエッジ判定部62と、注目画素がベタ画像部の中央部を形成するベタ部中央画素か否かを判定するベタ中央判定部63とを備えている。さらに、ドット補正処理部24は、入力データ判定部61およびエッジ判定部62における判定結果に基づいて1つの画素内におけるドット形成位置を表わす位置寄せデータPOSを出力するドット位置設定部64を備えている。さらに、入力データ判定部61、エッジ判定部62およびベタ中央判定部63における判定結果に基づいて、個々の画素に形成されるドットサイズを規定することになるパルス幅データWDを生成するドットサイズ設定部65が備えられている。
【0043】
ドットサイズ設定部65には、レジスタDOTAJ0ないしDOTAJ6が接続されていて、ドットサイズ設定部65は、これらの7つのレジスタのいずれかに設定されたパルス幅データをパルス幅データWDとして出力するようになっている。7つのレジスタDOTAJ0ないしDOTAJ6のうち1つのレジスタDOTAJ5の設定値は、モード切換部70によって2種類の値に切り換えられるようになっている。モード切換部70は、通常モードとトナーセーブモードとを切り換えるためのものであって、たとえばディジタル複写機の上面の前方部に備えられる切換操作部としてのモード切換キーを含むものである。
【0044】
図10は、ドット位置設定部64によって出力される位置寄せデータPOSの値を説明するための図である。位置寄せデータPOSは0,1,2の3種類の値をとり得る。位置寄せデータPOS=0は、画素内において主走査方向中央位置にドットを形成すべきことを表わし、位置寄せデータPOS=1は、画素内において主走査方向下流側にドットを寄せて形成すべきことを表わし、位置寄せデータPOS=2は、画素内において主走査方向上流側にドットを寄せて形成すべきことを表わす。
【0045】
後述するように、注目画素が画像の左側エッジ(主走査方向上流側のエッジ)を形成するエッジ画素である場合には、位置寄せデータPOS=1とされて、ドットの右寄せ処理が行われる。同様に、注目画素が画像の右側エッジ(主走査方向下流側のエッジ)を形成するエッジ画素であると判定されると、位置寄せデータPOS=2とされて、ドットの左寄せ処理が行われる。エッジ画素以外については、位置寄せデータPOS=0とされて、ドットの右寄せ処理または左寄せ処理が行われることはない。
【0046】
下記表1−1,1−2には、レジスタDOTAJ0〜DOTAJ6におけるパルス幅データの設定例が示されている。通常モード時には、DOTAJ0≦DOTAJ1≦DOTAJ2≦DOTAJ3≦DOTAJ4≦DOTAJ6≦DOTAJ5なる関係が成立するようにレジスタDOTAJ0〜DOTAJ6の設定値が定められている。これに対して、トナーセーブ時には、表1−2に示されている通り、レジスタDOTAJ5とレジスタDOTAJ6との間でパルス幅データの大小関係が逆転している。
【0047】
【表1】
Figure 0003679993
【0048】
ドットサイズ設定部65は、入力データ判定部61における判定結果に基づき、注目画素のデータDin=0のときには、レジスタDOTAJ0の設定値をパルス幅データWDとして出力する。また、入力データ判定部61によって注目画素の入力データDin=1と判定されたときには、エッジ判定部62における判定結果を参照し、注目画素がエッジ以外の画像部分を形成する画素(すなわち非エッジ画素)であれば、レジスタDOTAJ1に設定された値をパルス幅データWDとして出力する。また、入力画像データDin=1であってかつエッジ判定部62が注目画素をエッジ画素であると判定している場合には、ドットサイズ設定部65は、レジスタDOTAJ2の設定値をパルス幅データWDとして出力する。
【0049】
注目画素の画像データDin=2であって、この注目画素がエッジ判定部62によって非エッジの画素であると判定されると、ドットサイズ設定部65はレジスタDOTAJ3の設定値をパルス幅データWDとして出力する。また、注目画素の画像データDin=2であって、エッジ判定部62がこの注目画素をエッジ画素であると判定していれば、ドットサイズ設定部65は、レジスタDOTAJ4の設定値をパルス幅データWDとして出力する。
【0050】
入力データ判定部61によって注目画素の画像データDin=3であると判定されているときには、ドットサイズ設定部65は、エッジ判定部62の判定結果は参照せずに、ベタ中央判定部63における判定結果を参照する。すなわち、入力データDin=3であって、かつベタ中央判定部63によって注目画素がベタ部中央画素であると判定されると、ドットサイズ設定部65はレジスタDOTAJ5の設定値をパルス幅データWDとして出力する。入力画像データDin=3であって、ベタ中央判定部63が注目画素をベタ部中央画素であると判定していなければ、ドットサイズ設定部65はレジスタDOTAJ6の設定値をパルス幅データWDとして出力することになる。
【0051】
図11は、エッジ判定部62の働きを説明するための図である。エッジ判定部62には入力データ判定部61における判定結果が与えられていて、このエッジ判定部62は注目画素の画像データDinが上限値「3」または下限値「0」以外の中間値「1」または「2」である場合にのみ、注目画素が画像のエッジ部を形成する画素であるか否かの判定を行う。エッジ画素の判定に際し、エッジ判定部62は、注目画素と、この注目画素に対して主走査方向上流側および下流側にそれぞれ隣接する2画素との合計3画素を参照し、この3つの画素とエッジ判定パターンEJ1,EJ2とのパターンマッチングを行う。
【0052】
エッジ判定パターンEJ1は、画像の右エッジ部を形成するエッジ画素を抽出するための判定パターンである。またエッジ判定パターンEJ2は、画像の左エッジ部を検出するための判定パターンである。すなわち、「*」で示す注目画素の主走査方向上流側に隣接する画素の画像データが上限値「3」であって、注目画素に対して主走査方向下流側に隣接する画素の画像データが下限値「0」である場合に、注目画素は画像の右側エッジを形成するエッジ画素であるものと判定される。このとき、位置寄せデータPOS=2とされてドットの左寄せ処理が行われることになる。また、パルス幅データWDには、画像データDin=1であればレジスタDOTAJ2の値が設定され、画像データDin=2であればレジスタDOTAJ4の値が設定される。
【0053】
また、注目画素を含む上記3画素がエッジ判定パターンEJ2に適合する場合、すなわち注目画素に対して主走査方向上流側の画素の画像データが下限値「0」であって、注目画素に対して主走査方向下流側に隣接する画素の画像データが上限値「3」である場合には、注目画素は画像の左側エッジを形成するエッジ画素であるものと判定される。この場合には、位置寄せデータPOS=1とされてドットの右寄せ処理が行われるとともに、パルス幅データWDには、画像データDin=1であればレジスタDOTAJ2の設定値が与えられ、画像データDin=2であればレジスタDOTAJ4の値か与えられる。
【0054】
エッジ判定パターンEJ1,EJ2のいずれにも適合しない場合には、注目画素は非エッジ画素であると判定される。この場合、位置寄せデータPOS=0とされてドットの位置寄せ処理は行われない。また、パルス幅データWDには、画像データDin=1のときにはレジスタDOTAJ1の値が設定され、画像データDin=2のときにはレジスタDOTAJ3の値が設定される。
このようにして、画像のエッジを形成する画素については、この画素の画像データが中間値をとる場合に、その画素内において画像の中央部の方向に寄せてドットが形成されることになる。レジスタDOTAJ1,DOTAJ2;DOTAJ4,DOTAJ3の間には、表1−1,1−2に示されている通り、DOTAJ1≦DOTAJ2,DOTAJ3≦DOTAJ4なる関係が成立している。したがって、エッジ画素については非エッジ画素よりも大きなサイズのドットが形成される。これによって、画像のエッジ部の明確化が図られている。
【0055】
図12は、ベタ中央判定部63の働きを説明するための図である。このベタ中央判定部63は、入力データ判定部61による判定結果を受けて、画像データDin=3の注目画素に関してのみベタ中央部の構成画素か否かを判定する。具体的には、注目画素を中心とした3×3画素のマトリクスの構成画素の画像データを参照して、それらの画像データが図12に示されているベタ部中央画素判定パターンSJに適合しているかどうかを調べるためのパターンマッチング処理が行われる。ベタ部中央画素判定パターンSJは「*」で示す注目画素の周囲の8つの隣接画素がすべて画像データの上限値「3」をとるパターンである。したがって、画像データの上限値「3」をとる注目画素が上限値「3」の8個の画素によって取り囲まれているときに、この注目画素はベタ部中央画素であると判定され、さもなければ、その注目画素はベタ部中央画素ではないと判定される。ベタ部中央画素に対しては、ドットサイズ設定部65の働きによって、レジスタDOTAJ5の設定値がパルス幅データWDとして設定される。ベタ部中央画素ではないが、上限値「3」の画像データを有する注目画素については、パルス幅データWDにレジスタDOTAJ6の設定値が当てはめられる。
【0056】
通常モード時には、表1−1に示されている通り、DOTAJ5>DOTAJ6なる大小関係が成立しているから、ベタ部中央画素はベタ部中央画素以外の画素であって画像データ「3」を有する画素よりも大きなサイズのドットで再生されることになる。これに対して、モード切換部70によってトナーセーブモードが設定されていれば、表1−2から理解されるとおり、DOTAJ5<DOTAJ6である。したがって、ベタ部中央画素はベタ画像部の周縁にあって画像データ「3」を有する画素よりも小さなサイズのドットで再生されることになる。
【0057】
図13は、通常モード時におけるドット形成イメージおよびパルス幅変調器25(図1参照)によって出力されるPWM出力パルス信号の一例を示す図である。格子配列された個々の画素領域に形成されるドットが円または縦長の楕円で表わされており、それらの内部に各画素の画像データの値が記されている。また、ラインL1ないしL6に対応したPWM出力パルス信号が、ドット形成イメージ図に対して主走査方向位置を整列させて表わしてある。
【0058】
ドット形成イメージ図において最も大きな円で表わされたベタ部中央画素に対しては、100%のパルス幅が設定されている。この場合、記録シート上におけるトナーの散りに起因して、ドットは個々の画素領域内に留まらず、その隣接画素の領域まではみ出して形成されることになる。ベタ画像部の周縁にあって上限値「3」をとる各画素に対しては、100%よりも小さなパルス幅が設定されている。これによって、ドットが個々の画素の領域からはみ出さないように調整されていて、エッジ部における形状再現性の向上が図られている。
【0059】
中間値「1」または「2」の画素については、それらの値に応じてパルス幅が小さく設定され、その結果として主走査方向に関して縮小されたドットが各画素の領域内に形成されている。そして、主走査方向に関してエッジを形成する画素については、画像の中央部側に寄せてドットが形成されていることが理解される。
このような処理によって、ドットを効率的に集中させることができるので、特に、中間階調の表現のための網点画像領域において、良好な網点を形成することができる。これにより、中間階調の再現性を向上することができる。
【0060】
図14は、トナーセーブモード時におけるドット形成イメージ図およびPWM出力パルスの波形図である。トナーセーブモード時には、画像データが「3」である画素のうちベタ部中央画素のドットが比較的小さくされ、ベタ部中央画素以外の画素のドットが比較的大きく形成される。したがって、ベタ部中央画素に対応したパルス幅は100%よりも小さく定められることになる。このような処理の結果、画像の周縁部の形状再現性を良好に保持しつつ、トナー消費量の節減を図ることができる。
【0061】
以上のようにこの実施形態によれば、スムージング処理のために4つのエッジ検出パターンを用意し、縦エッジまたは横エッジを形成する画素に関しては、その周辺の画素との画像データの合計値に応じて画像データの値を補正することにより、スムージング処理を達成している。したがって、少ない個数のエッジ検出パターンで良好なスムージング処理を行えるので、構成が複雑になることがなく、また処理内容も簡単になる。それに応じて、コストの削減を図ることができる。
【0062】
さらに、スムージング処理後の4値画像データに対してドットの位置寄せ処理およびドットサイズの調整処理をドット補正処理部24で行うことにより、画像のエッジ部における形状再現性の向上を図りつつ、ベタ画像部の濃度再現性の向上またはトナー消費量の節減が併せて図られている。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。たとえば、スムージング処理とドット補正処理とは必ずしも組合わせる必要がない。たとえば、スムージング処理を行いドット補正処理を行わないとすれば、スムージング処理の結果として得られた4値画像データに応じたパルス幅データを生成するとともに、ドット位置を中央位置に固定した位置寄せデータ(POS=0)を生成してパルス幅変調器25に与えるようにしてもよい。スムージング処理を省いてドット補正処理のみを行う場合には、擬似中間調生成処理部22によって生成された4値画像データに対してドット補正処理部24によるドット補正処理を行えばよい。
【0063】
また、上記の実施形態では、この発明がディジタル複写機に適用された例について説明したが、この発明はレーザビームプリンタなどの電子写真プロセスを利用した画像形成装置に広く適用できるほか、画素毎にドットサイズの変更が可能な形態の他の方式による画像形成装置に対しても適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる画像処理装置が適用されたディジタル複写機の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図2】スムージング処理部の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】横エッジ画素を検出するために横エッジ判定部によって参照される横エッジマッチングパターンを示す図である。
【図4】縦エッジを構成するエッジ画素を検出するために縦エッジ判定部によって参照される縦エッジマッチングパターンを示す図である。
【図5】エッジ画素判定部によって参照される5画素×5ラインのマトリクスを示す図である。
【図6】単純2値画像データに対してスムージング処理を施した例を示す図である。
【図7】2値誤差拡散処理を施した画像データに対してスムージング処理を施した例を示す図である。
【図8】4値誤差拡散処理を施した画像データに対してスムージング処理を施した例を示す図である。
【図9】ドット補正処理部の構成を説明するためのブロック図である。
【図10】ドット位置設定部によって出力される位置寄せデータの値を説明するための図である。
【図11】エッジ判定部の働きを説明するための図である。
【図12】ベタ中央判定部の働きを説明するための図である。
【図13】通常モード時におけるドット形成イメージおよびPWM出力パルス信号の一例を示す図である。
【図14】トナーセーブモード時におけるドット形成イメージおよびPWM出力パルス信号の波形を示す図である。
【符号の説明】
1 読取部
2 画像処理部
3 画像形成部
11 イメージセンサ
21 多値画像処理部
22 擬似中間調生成処理部
23 スムージング処理部
24 ドット補正処理部
25 パルス幅変調器
31 レーザ走査ユニット
50H 横エッジ合計値演算部
50V 縦エッジ合計値演算部
51 セレクタ
52 合計値判定部
61 入力データ判定部
62 エッジ判定部
63 ベタ中央判定部
64 ドット位置設定部
65 ドットサイズ設定部
70 モード切換部
231 エッジ画素判定部
231H 横エッジ判定部
231V 縦エッジ判定部
232 スムージング演算部
DOTAJ0〜DOTAJ6 レジスタ
EJ1 エッジ判定パターン
EJ2 エッジ判定パターン
SJ ベタ部中央画素判定パターン
POS 位置寄せデータ
WD パルス幅データ

Claims (6)

  1. 画素毎の量子化された濃度を表す画像データを処理することによって画像のエッジ部にスムージング処理を施すための画像処理装置であって、
    注目画素の所定の第1方向に沿う一方側において注目画素に隣接する画素を中央に含んで上記第1方向に直交する第2方向に整列する所定個数の画素からなる第1画素列の構成画素の画像データがいずれも第1値以上の値をとり、かつ、注目画素の上記第1方向に沿う他方側において注目画素に隣接する画素を中央に含んで上記第2方向に整列する上記所定個数の画素からなる第2画素列の構成画素の画像データがいずれも上記第1値よりも小さな第2値以下の値をとることを条件に、当該注目画素を画像のエッジ部を構成するエッジ画素と判定するエッジ画素判定手段と、
    このエッジ画素判定手段によってエッジ画素と判定された注目画素の画像データを、注目画素を中央に含んで上記第2方向に整列する上記所定個数の画素からなる第3画素列の構成画素の画像データの値の合計値に応じて定めるスムージング演算手段とを含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 上記第1値が画像データの上限値であり、かつ上記第2値が画像データの下限値であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 第1のエッジ画素判定手段としての上記エッジ画素判定手段のほかに、
    注目画素の上記第2方向に沿う一方側において注目画素に隣接する画素を中央に含んで上記第1方向に整列する上記所定個数の画素からなる第4画素列の構成画素の画像データがいずれも上記第1値以上の値をとり、かつ、注目画素の上記第2方向に沿う他方側において注目画素に隣接する画素を中央に含んで上記第1方向に整列する上記所定個数の画素からなる第5画素列の構成画素の画像データがいずれも上記第2値以下の値をとることを条件に、当該注目画素を画像のエッジ部を構成するエッジ画素と判定する第2のエッジ画素判定手段をさらに含み、
    上記スムージング演算手段は、上記第2のエッジ画素判定手段によってエッジ画素と判定された注目画素の画像データについては、注目画素を中央に含んで上記第1方向に整列する上記所定個数の画素からなる第6画素列の構成画素の画像データの値の合計値に応じて注目画素の画像データを定めるものであることを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
  4. 上記エッジ画素判定手段は、エッジ画素の抽出条件を満たすマトリクス値を設定したマトリクスパターンを有し、注目画素を中心とした画素マトリクスと上記マトリクスパターンとのパターンマッチングによって、注目画素がエッジ画素か否かを判定するものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 上記画像データは、3値以上の量子化レベルで量子化されたデータであり、
    上記スムージング演算手段は、上記第3画素列の構成画素の画像データの値の合計値がとりうる全区間を画像データの量子化レベルに応じて複数の区間に区分し、上記合計値がいずれの区間に属するかに応じて画像データを定めるものであり、上記複数の区間は、画像データの上限値および下限値に相当する区間よりも、画像データの中間値に相当する区間の方が大きくなるように区分されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像処理装置。
  6. 上記第1画素列および第2画素列の構成画素数は、画像中の文字部および線画部のエッジ部を構成する画素のみがエッジ画素と判定されるように定められていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置。
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