JPH08307669A - 画像処理装置及び方法 - Google Patents

画像処理装置及び方法

Info

Publication number
JPH08307669A
JPH08307669A JP7114967A JP11496795A JPH08307669A JP H08307669 A JPH08307669 A JP H08307669A JP 7114967 A JP7114967 A JP 7114967A JP 11496795 A JP11496795 A JP 11496795A JP H08307669 A JPH08307669 A JP H08307669A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
gradation
value
thrld
threshold value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7114967A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeaki Sumiya
繁明 角谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP7114967A priority Critical patent/JPH08307669A/ja
Publication of JPH08307669A publication Critical patent/JPH08307669A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 誤差拡散法により多階調画像を2値化する場
合、低濃度又は高濃度領域の立上り部でのドット生成の
遅延、低濃度又は高濃度領域が終わった後の尾引き、及
び中間階調の細線の再現性の悪化の問題を、画質を劣化
させず且つ複雑な処理を用いずに解決する。 【構成】 多階調画像データ200を誤差拡散法を2値
化する際に、閾値設定部32が、注目画素の多階調画像
データ200の階調値に基づき、次の範囲内に2値化閾
値を設定する。 data≦mのときには、data≦thrld≦(m+data)/2 data>mのときには、(m+data)/2 ≦thrld≦data ここに、dataは注目画素の階調値、mは第1階調値およ
び第2階調値の中間の値、thrldは2値化閾値である。
更に、多階調画像データ200が細線を多く含む場合、
2値化閾値thrldが、thrld=dataにより近い特性に設定
変更される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多階調画像データを、
中間調表示可能な2階調画像データに変換出力する画像
処理装置、特に多階調画像データを誤差拡散法または平
均誤差拡散最小法を用い、中間調表示な2階調画像デー
タに変換出力する画像処理装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、スキャナなどの画像入力を用
いて読み取った多階調画像データや、コンピュータを用
いて演算された多階調グラフィック画像データ等を、例
えばディスプレイやプリンタ等を用いて再生表示させた
り、あるいはファクシミリやデジタル複写機等を用いて
再生表示させることが行われている。
【0003】このとき、画像出力装置として、多階調の
画像データが再生表示できるものを用いる場合には問題
はないが、例えばドット単位での階調制御ができないプ
リンタ装置や、ディスプレイ装置を用いた場合には、各
画素の階調を2階調に減らす2値化処理を行う必要があ
る。
【0004】さらに、前記多階調画像データを保存し、
あるいは転送するために、そのデータ容量を減らそうと
する場合には、同様に各画素の階調数を2階調に減らす
2値化処理することが広く行われている。
【0005】このように、多階調画像データを2値化処
理する手法としては、各種のものがある。その中で、最
も画質の優れたものとして、誤差拡散法や、それと等価
な平均誤差最小法が広く用いられている。前記誤差拡散
法や平均誤差最小法は、高解像度でありながら、連続的
な階調制御が可能であるという優れた特徴をもつ。
【0006】前記誤差拡散法は、ある画素の2値化時に
生じた量子化誤差を、周辺のまだ2値化していない画素
に拡散して加えるものである。一方、平均誤差最小法
は、周辺の2値化済みの画素に生じた量子化誤差の重み
付き平均値で、次の注目画素のデータ値を修正するもの
である。誤差拡散法と、平均誤差最小法は、誤差の拡散
作業をいつ行うかが異なるだけであり、論理的には等価
である。誤差拡散法を使用した例としては、例えば特開
平1−284173号公報の「画像処理方法及び装置」
等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし誤差拡散法や平
均誤差最小法を用いた従来の画像処理装置では、多階調
画像データを2階調画像データに変換する際に、次のよ
うな問題があった。
【0008】(1) 第1の問題点 低濃度領域(黒ドットが疎な領域)の立上がり部におけ
る黒ドットの生成および、高濃度領域(白ドットが疎な
領域)の立上がり部における白ドットの生成が、大幅に
遅延し、その結果、最悪の場合には画像が変形してしま
う場合があるという問題がある。
【0009】(2) 第2の問題点 また、低濃度領域や高濃度領域が終わった後も、周辺画
素に対する異常な誤差の拡散が残り、低濃度領域の後に
続く画像データは高濃度側に、高濃度領域の後に続く画
像データは低濃度側に歪む「尾引き」という現象が生じ
るという問題がある。
【0010】(3) 第3の問題点 原画像データ中に中間的な階調値の細い線がある場合、
それを誤差拡散法又は平均誤差最小法によって2値化す
ると、その細線がうまく再現できずに極めて濃度が薄く
なったり、場合によっては完全に消えてしまう、という
問題点がある。
【0011】前記第1の問題点を、白い紙上に黒インク
のドットを印画する2階調プリンタ装置の場合について
考えると、黒ドットはインクが滲んで大きくなるのに対
し、白ドットは周囲の黒ドットからの滲みで潰れて目立
ちにくくなるので、前記第1の問題点は特に低濃度部で
目立つ結果となる。
【0012】前記第1から第3の問題点を、図面を用い
てより詳細に説明する。
【0013】図1は、濃度階調値0〜255の256多
階調を用いて表示された原画像100である。この原画
像100は、濃度階調値252の正方形をした高濃度領
域110の中に、濃度階調値3の正方形の低濃度領域1
20が存在し、さらにこの低濃度領域120の右下に濃
度階調値231(背景濃度252よりやや低濃度)の傾
き45度の直線130が引いてある。さらに、画像の右
下部分に濃度階調値0の白領域140があり、この白領
域140内に、濃度階調値12をもつ低濃度の細い直線
150が引いてある。
【0014】図2(A)には、誤差拡散法を用いた従来
技術により、図1に示す原画像100の多階調画像デー
タを2値化した画像が示されている。なお、図2(B)
には、図2(A)の場所を示すための概略図が示されて
いる。この2値化画像は、原画像100の左上隅画素を
2値化開始点とし、右方向に1行分2値化した後、1画
素下の行の左端に移る、という2値化作業を繰り返し得
られたものである。
【0015】図2に示すように、正方形をした高濃度領
域110の上辺および左辺の領域150(図2(B)参
照)で白ドットの生成が遅延し、さらに正方形の低濃度
領域120の上辺および左辺の領域142では、黒ドッ
トの生成の遅延が生じている。すなわち、領域140、
142では、前述した第1の問題が発生している。
【0016】また、階調値3の正方形をした低濃度領域
120の尾引きの影響で、その右下にある領域160が
完全に黒の階調になってしまっている。このように、領
域160では、前述した第2の問題が発生している。
【0017】さらに、細い直線130、150に関して
はほとんど消えており、特に直線150にあっては完全
に消えてしまっている。つまり、細い線において第3の
問題点が発生している。
【0018】上記第1および第2の問題を解決するため
に、特開平1−130945号公報にかかる「画像処理
装置」の提案がなされている。
【0019】この提案に記載の第1の実施例は、0〜2
55の256階調の入力濃度データを扱う場合に、入力
濃度データ値が1以上29以下の場合に、閾値が以下に
示すようにランダムに変化するようにしている。
【0020】入力データが1〜4の時は、20〜23
0、入力データが5〜14のときは50〜200、入力
データが15〜29のときは100〜150の幅で閾値
をランダムに変化させる。ランダムノイズの幅は、デー
タが1〜4の時はプラスマイナス105、データが5〜
14のときはプラスマイナス75、データが15〜29
のときはプラスマイナス25というふうになっており、
0に近い低濃度領域ほど、大きなノイズを加える結果と
なっている。ただし、閾値の期待値はいずれも125で
一定となっている。
【0021】このようにすると、低濃度時には大きな閾
値ノイズによって閾値が非常に小さな値になるケースが
生じる。このため、低濃度領域の立上り部でも255側
に2値化される画素が発生し、ドット生成の遅延が改善
される。しかし、この手法によって前記第1の問題点を
改善しようとした場合には、低濃度領域は非常にノイズ
の多い、低品位な画像となってしまう。また、この従来
例では、判定回路という特別な機構を設け、この判定回
路を用い、注目画素周辺の2値化済み画素の2値化結果
を調べ、周辺に既にドットがある場合には、注目画素を
ドット有りに2値化しないような判定処理を行ってい
る。これは、前記問題を少しでも改善するためであろう
と思われる。しかし、そのためには、判定回路が付近の
12画素という多くの画素の2値化結果を参照するとい
う複雑な判定処理が必要となり、処理時間がかかる上
に、画質的にもまだ十分ではないという問題がある。こ
れに加えて、この従来技術では、第2の問題点の改善も
不十分である。
【0022】また、この従来技術に記載の「その他の実
施例1」には、信号410を定義する式と、その例を示
す図1とが食い違って記載されており、その正確な理解
は難しい。しかし、この従来技術には、「前述の実施例
の場合と同じような閾値設定の機能をもたせて、かつハ
ード規模を小さくできる」と述べられていることから、
第1の実施例同様に、低濃度領域では閾値に大量のノイ
ズを加えていると考えられる。従って、この従来例に記
載の「その他の実施例1」は、「第1の実施例」と同様
な問題点を有している。
【0023】また、前記第1および第2の問題点を改善
するための別の手法として、特開平3−112269号
公報にかかる「画像処理装置」や、特開平4−1264
64号公報にかかる「画像形成装置」などの提案があ
る。これらの従来技術は、注目画素近傍の複数画素の2
値化結果を参照することによって、平均濃度値を推定
し、それを閾値として注目画素の2値化を行っている。
【0024】しかし、これらの従来技術は、次の、
の問題がある。
【0025】周辺の10以上もの画素の2値化結果を
参照する必要があり、処理時間がかかったり、複雑な処
理回路が必要となったりするという問題がある。
【0026】さらに、データが急に変化しているエッ
ジ部分では、周辺画素の平均濃度値を用いるのは適切で
なく、この結果、不適切な2値化が行われ、ノイズが発
生してしまうという問題がある。
【0027】また、前記第3の問題点に対する対策とし
ては、2値化を行う前に、高域強調フィルターをかける
などの前処理を行うのが一般的である。しかし、この方
法は、前処理を行うために処理時間が長くかかるという
問題点がある。
【0028】本発明は、このような従来の課題に鑑みな
されたものであり、その目的は、低濃度領域、高濃度領
域の立上り部でのドット生成の遅延の問題、低濃度領
域、高濃度領域が終わった後の尾引きの問題、及び中間
調の細線の再現性の悪化の問題を解決する事ができると
ともに、画質劣化につながる副作用がなく、複雑な処理
回路などを用いなくても多階調画像データを高速に二階
調画像データに画像処理できる画像処理装置を得ること
にある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置
は、多階調画像データを、誤差拡散法または平均誤差最
小法を用いて、第1階調値および第2階調値(第1階調
値<第2階調値)のみからなる2階調画像データに変換
出力するものであって、注目画素の多階調画像データ
に、周辺の既に2値化済の画素から拡散された誤差を加
えて補正し、補正画素データとして出力する誤差補正手
段と、注目画素の多階調画像データの階調値に基づき、
2値化閾値を設定する閾値設定手段と、設定された閾値
に基づき、補正画素データを2階調画像データに変換出
力する2値化手段とを含む。
【0030】そして、注目画素の多階調画像データの階
調値をdata、前記第1階調値および第2階調値の中間の
値をm、前記閾値をthrldとしたとき、閾値設定手段
が、次の2つの条件 dataが第1階調値の付近の値の場合には、data≦thrld
≦(m+data)/2 dataが第2階調値の付近の値の場合には、(m+data)/2≦
thrld≦data の少なくとも一方を満たす範囲内の特性に2値化閾値th
rldを設定し、且つこの2値化閾値thrldの設定を上記範
囲内で変更することができる。
【0031】上記閾値設定手段は、例えば、多階調画像
の種類又はユーザの指示に応じて、2値化閾値thrldの
設定を変更する。或は、多階調画像データに含まれる画
像の種類を判別する画像種類判別手段を更に設けて、こ
の画像種類判別手段の判別結果に応じて2値化閾値thrl
dの設定を変更するようにしてもよい。
【0032】2値化閾値thrldの設定変更は次のような
態様で行うことが出来る。一つの態様は、多階調画像が
細線を多く含む所定の種類である場合に、他の種類の場
合よりもthrld=dataにより近い特性に、2値化閾値thr
ldの設定を変更するものである。また、別の態様は、ユ
ーザからエッジ強調の指示を受けた場合に、同指示を受
けない場合よりもthrld=dataにより近い特性に、2値
化閾値thrldの設定を変更するものである。
【0033】更に、このように2値化閾値の設定を変更
する場合、thrld=dataを越えた上記範囲外の特性に変
更するようにしてもよい。
【0034】好適な一つの実施例では、注目画素の多階
調画像データの階調値dataの値に基づき、次式 thrld=(data*(K−1)+m)/K ここに、Kは2以上の整数で表される定数、に従い2値
化閾値thrldを設定し、且つ上記定数Kを2から∞の範
囲で可変できるようにしている。
【0035】また、好適な別の実施例では、次式 data<m−L1 のときには、thrld=data+L1 m−L1 <data<m+L2 のときには、thrld=m m+L2 <dataのときには、thrld=data−L2 ここに、L1、L2 は0からmの間の整数で表される定
数、に従い2値化閾値thrldを設定し、かつ定数L1、L
2を0からmの範囲で可変できるようにしている。
【0036】
【作用】多階調画像データは、誤差補正手段および閾値
決定手段に入力される。
【0037】誤差補正手段は、注目画素の多階調データ
に、周辺の既に2値化済の画素から拡散された誤差を加
えて補正し、補正画素データとして出力する。
【0038】閾値設定手段は、注目画素の多階調画像デ
ータの階調に基づき、2値化閾値を設定する。このと
き、注目画素の多階調画像データの階調値dataが、
2値化された後の画像の第1階調値および第2階調値
(第1階調値<第2階調値)の少なくともいづれか一方
の付近の値を取るとき、2値化閾値thrldを次式に示す
範囲内の特性に設定する。
【0039】dataが第1階調値付辺の値の時には、data
≦thrld≦(m+data)/2 dataが第2階調値付辺の値の時には、(m+data)/2 ≦th
rld≦data なお、「第1階調値付近」とは、mより小さい範囲の一
部または全部を、「第2階調値付近」とは、mより大き
い範囲の一部または全部を意味している。
【0040】ここで、この2値化閾値thrldの設定は、
多階調画像の種類やユーザからの指示などによって、変
更できるようになっている。例えば、多階調画像が細線
を多く含む種類であったり、ユーザから細線の強調が指
示された場合、そうでない場合に比較して、よりthrld
=dataに近い特性(場合によっては、thrld=dataを越
えて上記範囲外に出た特性)に設定変更される。
【0041】そして、2値化設定手段は、設定された閾
値に基づき、前記補正画素データを、中間調表示可能な
第1階調値および第2階調値のみからなる2階調画像デ
ータに変換出力する。
【0042】このように、本発明では、多階調画像デー
タ値が小さいときには、閾値を小さく、画像データ値が
大きいときには、閾値も大きくするよう注目画素の多階
調画像データの階調値に応じて2値化閾値を最適化する
ことで、2値化に伴い発生する誤差の蓄積を解消するこ
とができる。その結果、注目画素のドット生成を遅れず
に良好に行うことができ、且つ尾引きの問題も解決する
ことができる。
【0043】更に、閾値の特性を可変とすることによ
り、中間調の細線が薄れたり消えたりする問題も解決す
ることができる。即ち、誤差の蓄積を解消するという目
的に対し最適の閾値の特性が上記範囲内に存在するが、
この最適特性からthrld=dataの側に閾値の特性を遷移
させると、画像内のパターンのエッジが強調されるとい
う効果が現れてくる。更にはthrld=dataを越えて上記
範囲外に閾値を遷移させると、エッジ強調効果は一層顕
著となる。そこで、原画像に細線が多く含まれる場合な
どに、閾値の特性を人為的に遷移させエッジ強調効果を
生じさせることにより、細線が良好に再現できるように
なる。
【0044】尚、誤差拡散法または平均誤差最小法を用
い2値化処理を行う場合には、上記のように2値化閾値
を変化させても、全体としての出力濃度はほとんど変動
しない。
【0045】このように、本発明では、低濃度領域や高
濃度領域で多量の誤差の蓄積が発生するという現象を解
消することができ、それに起因して生じていた、低濃度
または高濃度領域の立上り部でのドット生成の遅延や、
低濃度領域または高濃度領域が終わった後の尾引きなど
の問題を画質劣化につながる副作用なしに根本的に解決
することができる。また、閾値を調整するという簡単な
方法で、細線の再現性を向上させることができる。
【0046】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例を図面に基づき
詳細に説明する。
【0047】(1) システム全体の説明 図3には、本発明にかかる画像処理装置を用いたシステ
ムの概略が示されている。
【0048】階調画像データ出力装置10から出力され
る原画像の多階調画像データ200及び画像種別情報2
10は、画像処理装置30へ入力される。ここで、画像
種別情報210は、ユーザの指定した原画像の種別、例
えばカラー写真、白黒ハーフトーン、線画、テキスト、
これらの複合等を示すものである。
【0049】画像処理装置30は、入力された原画像の
多階調画像データ200を、二値画像出力装置20の出
力可能な2階調に階調数変換して出力する。すなわち、
多階調画像データ200を、誤差拡散法または平均誤差
最小法を用いて補正し、中間調表示可能な第1階調値お
よび第2階調値のみからなる2階調画像データ230に
変換して出力する。ここで、誤差拡散法または平均誤差
最小法で用いる閾値は、後述するように、所定の特性に
従って、原画像の階調値に応じて値が変わるように設定
されている。しかも、この閾値の特性は、原画像の種別
によって、又はユーザの指示によって、変更されるよう
になっている。
【0050】二値画像出力装置20は、画像処理装置3
0から出力される2階調画像データ230に基づき、原
画像を再生出力する。
【0051】本実施例において、前記階調画像データ出
力装置10は、例えばコンピュータを用いて構成されて
いる。そして、このコンピュータは、ハードディスク等
に記憶された多階調画像データ200を画像処理装置3
0へ向け出力するように構成されている。多階調画像デ
ータ200は、0〜255の256階調の濃度データと
して表されている。なお、この階調画像データ出力装置
10は、これ以外に、例えばコンピュータグラフィック
の多階調画像データを出力するように形成してもよく、
また、コンピュータ以外でも、例えば、スキャナ、ビデ
オカメラなど各種の手段を用いてもよい。
【0052】画像処理装置30は、入力される256階
調の画像データを、誤差拡散法により、0(白)または
255(黒)のみからなる2階調画像データ230に変
換出力する。
【0053】二値画像出力装置20は、例えば、画素単
位での階調制御ができないプリンタを用いて構成され、
入力される2階調画像データ230に基づき、原画像を
中間調表示可能に再生出力する。なお、二値画像出力装
置20は、プリンタ以外に、必要に応じ、ディスプレイ
や、ファクシミリ装置、デジタル複写機等を用いてもよ
い。
【0054】(2) システムの具体例 本発明において、画像処理装置30は、階調画像データ
出力装置10または二値画像出力装置20と別体に形成
してもよいが、必要に応じ、これら各装置10、20と
一体に形成してもよい。
【0055】例えば、図4に示すよう、階調画像データ
出力装置10としてホストコンピュータ12を用い、二
値画像出力装置20としてプリンタ20を用いた場合に
は、本発明の画像処理装置30を、プリンタ22内へ一
体的に組み込んで形成することができる。この場合に
は、プリンタ22は、ホストコンピュータ12より出力
される多階調画像データ200及び画像種別情報210
が入力されるデータ入力部24と、本発明の画像処理装
置30と、2値化ドット印画部26とを含んで構成され
る。
【0056】また、本発明の画像処理装置30を、図5
に示すよう、ホストコンピュータ12内へ一体的に組み
込んで形成してもよい。この場合、ホストコンピュータ
12は、階調画像ファイルの読込部14と、キー入力部
15と、プリンタドライバ16と、データ出力部18と
を含むように構成される。そして、前記プリンタドライ
バ16は、階調画像ファイル読込部14及びキー入力部
15から多階調画像データ200及び画像種別情報21
0がそれぞれ入力される本発明の画像処理装置30と、
この画像処理装置30の出力に基づき、プリンタ制御コ
マンドを生成するプリンタ制御コマンド生成部16aと
を含み、プリンタ制御コマンドに基づき、プリンタ22
を制御するように構成されている。
【0057】なお、図6に示すよう、階調画像データ出
力装置10としてスキャナ50を用い、このスキャナ5
0で読み込んだ多階調画像データを2値化データとして
ホストコンピュータ60へ出力する場合には、スキャナ
50に本発明の画像処理装置30を一体的に組み込んで
形成すればよい。この場合には、スキャナ50は、画像
を光学的に読み取る階調画像データ読み取り部52と、
読み取られた多階調画像データ200をホストコンピュ
ータ60からの画像種別情報210に応じた閾値を用い
て2値化し、2階調画像データ230として出力する本
発明の画像処理装置30と、出力された2階調画像デー
タ230のデータをホストコンピュータへ向け出力する
2値化データ出力部54とを含んで構成される。
【0058】なお、本発明の画像処理装置は必要に応
じ、前述以外の装置に一体的に組み込んで形成すること
もできる。
【0059】なお、説明の都合上、以降の説明では、図
3に示すよう、本発明の画像処理装置30は、階調画像
データ出力装置10および二値画像データ出力装置20
とは別体に形成されるものとして、その説明を行う。
【0060】(3) 画像処理装置 図7には、画像処理装置30の機能ブロック図が示され
ている。
【0061】画像処理装置30は、最適閾値設定部32
と、誤差補正部34と、2値化部36とを含んで構成さ
れる。
【0062】最適閾値設定部32および誤差補正部34
には、注目画素の多階調画像データ200として、i行
j列目の画素P[i,j]のデータdata(i,j)が入
力されている。また、最適しきい値設定部32には、画
像種別情報210も入力される。
【0063】最適閾値設定部32は、この注目画素P
[i,j]の多階調画像データ200を2値化するのに
用いる閾値thrld(i,j)を、注目画素の多階調画像
データdata(i,j)に応じ、次式に基づき設定する。
【0064】 thrld(i,j)=(data(i,j)*(K−1)+128)/K …(1) ここで、Kは、2以上の整数で表される定数である。こ
の定数Kは、注目画素の多階調画像データdata(i,j)に
応じて2値化閾値thrld(i,j)が変化する特性を決定する
パラメータであり、画像種別に応じて異なる値が選ばれ
るようになっている。その具体的な説明は後に行う。
【0065】誤差補正部34は、注目画素P[i,j]
の多階調画像データdata(i,j)を、周辺画素の2値
化によって生じる2値化誤差に基づき誤差拡散法を用い
て補正し、補正画素データdata c(i,j)として2値
化部36へ向け出力する。
【0066】2値化部36は、入力される注目画素P
[i,j]の補正画素データdata c(i,j)を、閾値
thrld(i,j)と比較して2値化し、その2値化結果r
esult(i,j)を2階調画像データ230として出力
する。すなわち、補正画素データを、次のように2値化
して出力する。
【0067】 data c(i,j) ≧thrld(i,j) ならば、result(i,j) =255 data c(i,j) <thrld(i,j) ならば、result(i,j) =0 …(2) 誤差補正部34は、データ補正部38、誤差拡散部4
0、拡散誤差記憶部42を含んで構成される。
【0068】拡散誤差記憶部42は、原画像の各画素毎
の拡散誤差積算値total err (n,m)を記憶してい
る。
【0069】そして、誤差拡散部40は、まず、2値化
結果result(i,j)と補正データdata c(i,j)と
により、2値化誤差err を、 err(i,j)=data c(i,j)−result(i,j) …(3) のようにして求める。次にその2値化誤差err (i,
j)を近傍の未2値化画素P[m,n](P[i,j+
1]、P[i+1,j]等)へ分配して拡散する。具体
的には、拡散誤差記憶部40が記憶している各画素毎の
拡散誤差積算値total err (n,m)に、注目画素P
[i,j]からの拡散誤差分を加算していく。いま、図
8(a)のような誤差拡散重みマトリクスを用いるとす
る。図8の*が注目画素を示す。重みの合計値は16な
ので、注目画素での2値化誤差に、分配対象の画素位置
に応じた重み値を乗じた後、16で割った値を、以下の
ようにtotal err (m,n)に加算する。
【0070】 total err(i ,j+1)=total err(i ,j+1)+err(i,j)*3/16 total err(i ,j+2)=total err(i ,j+2)+err(i,j) /16 total err(i+1,j-2)=total err(i+1,j-2)+err(i,j) /16 total err(i+1,j-1)=total err(i+1,j-1)+err(i,j)*2/16 total err(i+1,j )=total err(i+1,j )+err(i,j)*3/16 total err(i+1,j+1)=total err(i+1,j+1)+err(i,j)*2/16 total err(i+1,j+2)=total err(i+1,j+2)+err(i,j) /16 total err(i+2,j-1)=total err(i+2,j-1)+err(i,j) /16 total err(i+2,j )=total err(i+2,j )+err(i,j) /16 total err(i+2,j+1)=total err(i+2,j+1)+err(i,j) /16 …(4) 以上の工程により注目画素P[i,j]の2値化に伴う
誤差拡散は終わる。
【0071】以上の工程を、2値化部36から2値化結
果が出力される毎に繰り返して行う。なお、誤差拡散法
の重みマトリクスの例としてはこれ以外にも、必要に応
じ、例えば図8(b)、図8(c)など各種のものを採
用することができる。
【0072】そして、データ補正部38は、注目画素P
[i,j]の多階調画像データdata(i,j)が入力さ
れると、その注目画素P[i,j]に対応した拡散誤差
積算値total err (i,j)を拡散誤差記憶部42か
ら読み出し、これを次式に基づき注目画素の多階調画像
データdata(i,j)に加え、補正画像データdata c
(i,j)を求める。
【0073】 data c(i,j)=data(i,j)+total err(i,j) …(5) このような動作を、全画素について繰り返し行うこと
で、全画面の2値化を行う。
【0074】(4) 第1、第2の問題点の解消 このようにして、画像処理装置30は、入力される注目
画素の多階調画像データ200を、誤差拡散法を用い、
中間調表示可能な0階調値および255階調値のみから
なる2階調画像データ230に変換出力する。
【0075】本実施例の画像処理装置30の第1の特徴
は、低濃度領域や高濃度領域で多量の2値化誤差の蓄積
が生じていたのを、最適閾値設定部32を用い解消し、
それに起因して発生していた、低濃度領域または高濃度
領域の立上り部でのドット生成の遅延や、低濃度領域ま
たは高濃度領域が終わった後の尾引き等の問題を解消し
たことにある。
【0076】以下、本発明の画像処理装置によって、前
述した第1の問題点(ドット生成の遅延)および第2の
問題点(尾引きの問題)の双方が解決される理由につい
て説明する。
【0077】本発明者は、まず、前記第1および第2の
問題点の原因の解明を行った。このために、図7に示す
画像処理装置30において、最適閾値設定部32が設定
する2値化閾値thrldを階調値128(0〜255の中
間値)に固定し、しかも画像データ200として、全画
素が一定階調値であるような画像のデータを入力した。
そして、前記数式(5)で原画像データに加えられる2
値化誤差err (i,j)の平均値がどうなるかを調べて
みた。
【0078】具体的には、図7に示す実施例の画像処理
装置から最適閾値設定部32を取り除き、2値化閾値th
rldを階調値128にほぼ固定した。そして、図9に示
すよう、原画像サイズが600画素×400画素であ
り、全画素が一定の階調値であるような原画像180
を、その左上隅を出発点として2値化処理した。そし
て、ドット形成が安定状態に達したと思われる、右下隅
の200画素×100画素の領域190について、前記
数式(5)で原画像データに加えられる2値化誤差err
(i,j)の平均値を、平均2値化誤差として求めた。
ただし、閾値は128に完全固定ではなく、特定の規則
的パターンが生じる事態を回避する目的で、プラスマイ
ナス6の範囲の少量のランダムノイズを加えてある。こ
のノイズは、原画像データが本例のようにコンピュータ
で作り出した人工的なデータの場合に、パターンが規則
的に生じるのを防ぐために付加したものである。
【0079】図10には、以上の実験を、原画像の階調
値を0から255まで変えてみて行った結果を表したも
のである。この実験結果から明らかなように、原画像1
80は、その階調値が1〜4という低濃度のものや、階
調値が251〜254という高濃度のものでは、その平
均2値化誤差が0になるどころか、絶対値で100にも
達するような大きな値となっていることがわかる。平均
2値化誤差は、定常状態における誤差の拡散、蓄積量の
期待値に相当するものである。誤差拡散法は、2値化誤
差の局所的平均値を最小にする手法であると考えられて
いるから、低濃度領域や高濃度領域で平均2値化誤差が
0ではなく、このような絶対値の大きな値を取るという
ことは、非常に興味深い発見であった。
【0080】この図10に示す実験データから、前述し
た第1および第2の問題点の生じるメカニズムを、次の
ように解析することができる。
【0081】原画像180の階調値が、1〜8や、2
47〜254というように0または255近辺の値をと
る場合には、2値化閾値を128のように固定すると、
ドットが安定して形成される定常状態に落ち着くまでに
は、平均2値化誤差の絶対値が80以上に達するような
多量の誤差蓄積がなされる必要がある。特に、階調値が
1〜4や251〜254の値の原画像データ180で
は、ドットが安定して形成される定常状態に落ち着くま
でに、100以上の多量の誤差が蓄積される必要があ
る。この誤差蓄積量は、多階調画像データ200の濃度
値が2値化濃度値である0および255に近付くほど大
きくなる。
【0082】誤差の蓄積時間 また、画像データの濃度が0付近の値の場合、それを0
に2値化してもわずかな2値化誤差しか生じない。その
ため、この2値化誤差が拡散・蓄積して80〜100前
後の値に達するまでには、かなりの蓄積期間が必要とな
る。また、画像データの濃度が255付近の値の場合に
も、その2値化誤差が拡散・蓄積して、80〜100前
後の値に達するまでには、同様にかなりの蓄積期間が必
要となる。しかも、蓄積速度も、画像データの濃度値が
2値化濃度値である0および255に近付くほど遅くな
る。
【0083】第1の問題点 誤差が蓄積されて、定常状態での蓄積量に達するまでの
蓄積期間中は、ドットは形成されない。このため、ドッ
ト形成のために多量の誤差蓄積量が必要とされ、しか
も、必要とされる誤差蓄積量に達するまでにかなりの蓄
積期間が必要になると、ドット生成の遅延が発生するこ
とになる。これが、第1の問題の原因となる。
【0084】第2の問題点 ドット形成のために多量の誤差蓄積量が必要になると、
多量に蓄積された誤差が、領域外部にまで拡散されて周
辺の画像データを歪ませる。これが、第2の問題の原因
となり、前述した尾引きの問題が生じる。
【0085】以上、〜で述べたように、画像データ
が2値化濃度値である0および255付近の値をとる場
合に、平均2値化誤差が非常に大きな絶対値を取り、
「誤差の蓄積」現象が生じる。この「誤差の蓄積」現象
が、前記第1および第2の問題点の発生原因である。
【0086】本実施例の画像処理装置において、最適閾
値設定部32は、この「誤差の蓄積」という根本原因を
解消し、前記第1および第2の問題点を本質的に解決す
るものである。すなわち、原画像データ200が低濃度
の時には、2値化閾値を小さく、高濃度の時には閾値を
大きくするように変化させて、原画像データ200の濃
度に応じて2値化閾値を最適化することで、「誤差の蓄
積」自体を解消しつつ、「誤差の蓄積」なしでドット生
成を行うことを可能とするものである。
【0087】ここで、「低濃度領域での閾値を勝手に小
さくしたりすると、255(黒ドット)に2値化される
画素が増えて、濃度が大幅に上昇してしまうのではない
か?」というような疑問が生じるかもしれない。確かに
誤差拡散を行わない一般のディザ法においては閾値の変
動は即濃度の変化に繋がる。しかし、本発明者が確認し
たところでは、誤差拡散法では閾値を変えてもトータル
での出力濃度はほとんど変動しなかった。すなわち、閾
値を128に固定して2値化した場合と、64や192
に固定して2値化した場合とで、出力濃度はほとんど変
わらないのである。これは、誤差拡散法では2値化誤差
を捨て去ることなく、周辺の未2値化画素に拡散させる
ためである。例えば、閾値を小さくしたために従来なら
ば0に2値化されていた画素が255に2値化される事
態が生じても、その画素にはより絶対値の大きな負の2
値化誤差が生じる。それが周辺の未2値化画素に拡散さ
れ、周辺画素階調レベルを下げる方向に働いて帳尻を合
わせる。
【0088】図11には、本実施例による「誤差の蓄
積」の解消効果が示されている。すなわち、図11は、
本実施例の最適閾値設定部32を用いた場合に、図10
と同様にして調べた平均2値化誤差がどのようになるか
を明らかにしたもので、図10に示した閾値が128固
定の場合に加えて、本実施例の数式(1)におけるKの
値を、2、4、8、∞とした場合の結果がプロットして
ある。K=∞の場合、thrld=dataとなる。ただし図1
1の場合も、図10の場合同様、数式(1)で決まった
閾値に、最大でプラスマイナス6の少量のランダムノイ
ズを加えている。
【0089】図11より、K=2、すなわち、thrld=
(data+128)/2とすれば、平均2値化誤差が最大
でも50以下と半分以下に減少し、誤差の蓄積量を大き
く減少させる効果があるのがわかる。さらに、K=4と
すると、全体的に平均2値化誤差が0に近付き、K=8
とすると、画像データの濃度が1、2や253、254
といった0や255に極めて近い階調値の場合でも、平
均2値化誤差はほぼ0になる。
【0090】次に、本実施例の画像処理装置30から出
力される2階調画像データ23に基づき、実際にプリン
タを用いて印画を行い、前述した第2の問題点の「尾引
き」の影響を評価する実験を行った。その結果、この評
価実験の結果、平均2値化誤差の絶対値を50以下に押
さえることにより、第2の問題点の「尾引き」の影響を
大幅に軽減できることが確認された。このことから、前
記数式(1)のKの値をK=2〜∞の範囲に設定するこ
とにより、すなわち、閾値thrldを画像データdataの階
調値に応じて、 data<128のときには data≦thrld≦(128+data)/2 data>128のときには (128+data)/2≦thrld≦data …(6 ) の範囲になるよう設定することにより、平均2値化誤差
の絶対値を50以下に納めることができ、第2の問題点
を解決することができる。
【0091】次に、前記第1の問題点の「ドット生成遅
れ」の影響を評価する実験も行った。この実験の結果、
ドット生成遅れも、平均2値化誤差が減るに従って改善
されることが確認された。ただし、前記数式(1)のK
を大きくしすぎると、平均2値化誤差が0を越えて、そ
の符号が逆転してしまう「過補正状態」が生じる。しか
し、実際の印字結果の主観評価では、やや過補正状態に
までドット生成速度を早めたほうが、印字強調的な効果
が生じて好ましい画質になった。data値が、1、2や2
53、254といったドット生成の遅れの最も大きいデ
ータ領域の再現性を重視した主観評価結果では、K=8
〜24程度の範囲が非常に良好で、K=16は最適であ
った。
【0092】図12には、平均2値化誤差が常に0にな
る2値化閾値が曲線Aで示されている。この曲線Aの2
値化閾値は、図11を基にして補間演算による推定値と
して求めたものである。
【0093】実施例の画像処理装置の最適閾値設定部3
2を、図12の曲線Aに従って原画像データから2値化
閾値を決定するように構成すれば、前記第2の問題点の
「尾引き」の期待値が0になる最良の最適閾値設定部が
実現できる。なお、図12には、併せて、数式(1)の
Kの値が2、8、∞の場合の特性線B、C、Dも描かれ
ている。これらの特性線B、C、Dから、Kの値をK=
8前後に設定した場合に、平均2値化誤差を近似的に0
にすることができる2値化閾値が得られることがわか
る。
【0094】尚、図12では、原画像データ200が0
または255の場合の最適閾値を128としたが、デー
タ階調値と2値化結果値が等しい場合の閾値は、どのよ
うに設定しても大差なくなる。したがって、本実施例の
最適閾値設定部32でも、データ値が0または255の
場合には、閾値をどのように設定してもよい。
【0095】(5) 第3の問題の解消 本発明の第2の特徴は、最適閾値設定手部32が画像種
別に応じて異なる閾値を選択し、それにより、特に線画
のように細線の多い画像に対しては細線が確実に再現さ
れるようにした点にある。
【0096】即ち、先に述べたように、第1の問題点の
ドット生成の遅延の改善の点から、平均2値化誤差が0
を越えて符号が逆転した「過補正状態」気味のほうがよ
い主観評価が得られる場合がある。例えば、実験によれ
ば、K=16程度の近似式を用いた場合に最良の主観評
価が得られた。
【0097】さらに、K=∞まで増やすと、データ変化
部のエッジがかなり強調される結果となるが、これが細
線を確実に再現させる効果を生じる。従って、線画のよ
うに細線が多く含まれる画像を細線が明確に再現される
ように印刷する場合には、Kを∞または十分大きい値に
設定することにより、線のエッジが強調され細線が確実
に再現されるので好都合である。
【0098】そこで、本実施例の最適閾値設定部32
は、画像種別情報210により与えられる原画像の種別
に応じて、適切なKを選択するようになっている。例え
ば、画像種別がカラー写真や白黒ハーフトーンのように
細線が多くない画像の場合には、K=8のように平均2
値誤差が0になる2値化閾値を選択し、一方、画像種別
が線画やテキストのように細線が多く且つそれを良好に
再現する必要がある場合にはK=∞のようにエッジが強
調される2値化閾値を選択する。また、テキストや写真
や線画などが複合された画像に対しては、例えばK=1
6のようにいずれの画像種別に対しても程々に適度な2
値化閾値を選択するようにしてもよい。
【0099】尚、画像種別情報210として、画像の種
別を示すのでなくユーザが任意にKの値を調整するため
の制御情報を用いることもできる。例えば、エッジの強
調度合いを指示した情報、又はKの値を直接指示する制
御情報を最適閾値設定部32に与えて、この制御情報に
応じてKを決めるようにしてもよい。また、テキストや
写真や線画などが複合された画像を最適に2値化するた
めに、画像内の部分領域毎に画像種別又はエッジ強調の
度合いをユーザが指定できるようにしてもよい。更に、
画像処理装置30内に、多階調画像データ200に基づ
いて原画像の種類を自動判別する手段を設けて、その判
別結果に基づき最適閾値設定部32が適合したKを選択
するにようにしてもよい。
【0100】また、図12に示すように、Kが2→8→
∞と大きくなるに従って特性線はB→C→Dのように傾
きが急になり、最大のK=∞でthrld=dataとなるが、
このthrld=dataを越えて更に傾きを急にした例えば特
性線Eのような2値化閾値も用意しておいて、ユーザの
好みで選択できるようにしてもよい。この特性線Eの閾
値を選択した場合は、エッジ強調がより一層強度になる
が、用途によってはそれが好ましいケースがあり得るで
あろう。
【0101】また、このように2値化閾値を調整するこ
とでエッジ強調等の特殊効果が得られることから、特殊
効果用のフィルタリングの代りとして、この2値化閾値
調整を利用することもできる。
【0102】このように、本実施例によれば、多階調画
像データ200を誤差拡散法を用いて、中間調表示可能
な2階調画像データ230に変換出力するとともに、そ
の2値化処理に使用する2値化閾値を、多階調画像デー
タ200の階調値に基づき、前記数式(6)の範囲に設
定することにより、前記第1および第2の問題点を、画
質劣化に繋がる副作用なしに根本的に解決することがで
きる。
【0103】しかも、本実施例によれば、数式(1)の
定数K(または、図12の特性線の傾き)の設定を画像
種別またはユーザの指示により変えることにより、所望
の特性をもった2値化出力画像を得ることができ、特
に、線画などにおける第3の問題点を解消できる。
【0104】なお、図11、図12に示した補正データ
は、図8(a)に示した誤差拡散重みマトリクスを用い
て誤差拡散した場合の例である。異なる重みマトリクス
を用いた場合は、定量的には多少異なった結果が得られ
るが、定性的な傾向はほとんど変わりがない。このよう
に、本発明は、異なる誤差拡散重みマトリクスを用いた
場合にも、有効である。
【0105】図13は、本実施例の画像処理装置30を
用い、かつ過補正状態に2値化閾値を設定して、図1に
示した原画像100を2値化した場合の印刷例を示す図
である。従来問題となった、ドット生成の遅延や、低濃
度領域120からの尾引きによる直線130の中央部の
消失等の問題点や、細線130、150の消失の問題点
が、完璧に解消しているのがわかる。
【0106】このように、本発明によれば、第1、第
2、第3の問題点を理想的に解決できることが確認され
た。さらに、本発明によれば、有害な副作用を伴うこと
なく、第1、第2、第3の問題点を解決できることも確
認できた。
【0107】(6) 最適閾値設定部の他の実施例 前記実施例において、最適閾値設定部32は、数式
(1)に基づき2値化閾値の設定を行っている。本発明
はこれに限らず、必要に応じて他の手法を用い2値化閾
値の設定を行うようにしてもよい。
【0108】図14には、最適閾値設定部32によって
設定される2値化閾値thrldの他の実施例が示されてい
る。
【0109】本実施例の最適閾値設定部32は、注目画
素の多階調画像データ200として入力されるデータda
ta[i,j]に基づき、次式に示すようにして閾値を設
定するように形成されている。
【0110】 0 ≦data(i,j) <128-L1ならばthrld(i,j)=data(i,j)+L1 128-L1≦data(i,j) ≦128+L2ならばthrld(i,j)=128 128+L2<data(i,j) ≦255 ならばthrld(i,j)=data(i,j)-L2 …(7) ここにおいて、L1、L2 は0〜64の適当な値でよい
が、8〜16の範囲とすると写真などに対するものとし
て最適となる。なお、L1、L2 は同じ値に設定しても
よい。また、L1、L2を小さい値に設定する程、過補正
の度合いが強くなり、線画などに適するようになる。L
1=L2=0とした場合は、一点鎖線で示す特性線とな
り、これは数式(1)のK=∞の場合と同じである。
【0111】本実施例の場合は、data値が128前後の
場合には、数式(6)で示した data<128 の時にはdata≦thrld≦(128+data)/2 data>128 の時には(128+data)/2≦thrld≦data という範囲からはずれることになるが、本発明が解決し
ようとしている第1,第2の問題点が特に顕著になるの
は、dataが0または255近辺の値(0および255は
含まない)の場合である。したがって、全データ領域で
数式(6)が満たされる必要はなく、dataが0または2
55近辺の値の場合に数式(6)が満たされればよい。
【0112】したがって、2値化閾値を、前記数式
(7)に示すように設定することによっても、前記第
1、第2および第3の問題点を解決し、前記第1実施例
と同様に良好な2値化画像を得ることができる。
【0113】図15には、最適閾値設定部32による2
値化閾値thrldのさらに別の実施例が示されている。
【0114】本実施例の最適閾値設定部32では、原画
像データ200の階調値に応じ、2値化閾値を連続的で
はなく、段階的に設定する。このようにしても、前記実
施例と同様に第1および第2の問題点を解決し、良好な
2値化画像を得ることができる。第3の問題点を解消す
るため過補正状態にする場合には、例えば、一点鎖線で
示したようにthrld=dateに近づくように段階数を増や
せばよい。
【0115】また、図16には、最適閾値設定部32の
さらに別の実施例が示されている。本実施例の最適閾値
設定部32は、低濃度領域のみに、本発明の特徴とする
閾値最適化動作が働くように形成されている。すなわ
ち、画像データ200の閾値が高濃度領域側にある場合
には、2値化閾値は128に固定され、画像データ20
0が低濃度領域側の0近辺の値にあった時に、最適閾値
を前記数式(6)を満足するように設定するよう形成さ
れている。
【0116】例えば、ドットの滲み量の大きいプリンタ
装置では、高濃度部の孤立した白ドットがほとんど潰れ
てしまうため、高濃度部では、第1の問題点がもともと
顕著に現われない。そのため、第1の問題点が目立ちや
すい低濃度部のみを、本発明により改善しようとするも
のである。
【0117】なお、画像出力装置の特性に応じ、これと
は逆に高濃度部領域のみに本発明の閾値最適化動作が働
くように形成してもよい。
【0118】このように、本発明の最適閾値設定部32
は、その画像出力装置に応じて、必要な原画像濃度領域
にのみ、最適閾値設定するように形成してもよい。この
場合にも、過補正状態用の閾値も用意しておき、用途に
応じて選択できるようにしておく。
【0119】(7) 閾値設定部の具体例 前述した各実施例における最適閾値設定部32は、原画
像データから2値化閾値を設定するために、前記した数
式(1)のような演算をその都度行うように形成しても
よく、また原画像データの階調値と2値化閾値との対応
関係をあらかじめ変換テーブル内に記憶しておき、それ
を参照するように形成してもよい。
【0120】図17には、最適閾値設定部32を、RO
Mを用いて構成した具体例が示されている。ROMのア
ドレスバスA0〜A7に8ビット原画像データを入力す
ると、それに対応した8ビットの2値化閾値がデータバ
スD0〜D7に出力されるよう形成されている。尚、実
際のROMのアドレスバスは8ビットより遥かに多いた
め、アドレス領域を違えて種々の特性の2値化閾値をR
OMに格納しておいて、画像種別等に応じてアドレスす
る領域を選択するようにすれば、画像種別等に適した2
値化閾値を出力することができる。
【0121】尚、各実施例の中には、最適閾値設定部3
2によって設定された2値化閾値に、さらに少量のラン
ダムノイズを加えている例があった。これは、原画像デ
ータが、コンピュータ等で描いた非常に整然としたデー
タの場合に、誤差拡散法での2値化により特定の規則的
パターンが生じてしまうことがあるのを防ぐために行う
ものである。したがって、原画像データが、階調値の適
当なばらつきをもった自然画の場合には、このようなラ
ンダムノイズを加える処理は不必要になる。
【0122】また、ランダムノイズを付加した結果、閾
値が数式(6)で示した範囲からはずれてしまうことが
ありうるが、閾値の期待値が数式(6)の範囲に入って
いればよいものとする。
【0123】また、閾値ではなく、原画像データ側にノ
イズを付加しても、同様の効果が得られる。
【0124】(8) 他の実施例 なお、本発明は前記各実施例に限定されるものではな
く、本発明の要旨の範囲内で各種の変形実施が可能であ
る。
【0125】例えば、前記実施例では、原画像データが
0で白、255で黒となるような濃度データである場合
を例にとり説明したが、原画像データが0で黒、255
で白となるような、明度データである場合も、本発明を
同様に適用できることはいうまでもない。
【0126】また、原画像データがA〜B(A>B)の
範囲の値をとる場合に、この原画像データをaまたはb
(a>b)に2値化する場合には、第1の実施例の数式
(1)を、 thrld(i,j)=(data(i,j)*(K-1)+(a+b)/2)/K …(1) に変換し、数式(2)を data C(i,j) ≧thrld(i,j) ならば、result(i,j)=a data C(i,j) <thrld(i,j) ならば、result(i,j)=b …(2) のように変更すればよい。一般にはA=a、B=bであ
るが、出力装置の出力可能濃度が原画像データの範囲と
大きく異なっている場合には、Aとa、Bとbが一致し
ない例もある。
【0127】この場合、数式(6)の閾値設定のための
条件式は、m=(a+b)/2として、 data<mの時にはdata≦thrld≦(m+data)/2 data>mの時には(m+data)/2≦thrld≦data …(8) のようになる。
【0128】また、前記実施例では、多階調画像データ
200を、誤差拡散法を用いて補正する場合を例にとり
説明したが、本発明はこれに限らず、平均誤差最小法を
用いて補正する場合にも適用できる。
【0129】図18には、平均誤差最小法を用いた画像
処理装置30の好適な実施例が示されている。なお、図
2に示す前記実施例と対応する部材には同一の符号を付
しその説明は省略する。
【0130】本実施例において、誤差補正部34は、デ
ータ補正部38と、誤差計算部44と、誤差記憶部46
とを含んで構成される。
【0131】前記誤差計算部44は、前記数式(3)に
基づき、注目画素の2値化誤差errを演算し、誤差記憶
部46の注目画素に対応したアドレスにその値を書き込
むよう形成されている。この結果、誤差記憶部46の各
画素アドレスに対応した記憶エリアには、2値化済みの
画素の2値化誤差が順次書き込み記憶されていく。
【0132】データ補正部38は、注目画素P[i,
j]の多階調画像データdata(i,j)が入力される
と、その注目画素P[i,j]近傍の2値化済みの画素
の誤差を誤差記憶部46から読み出す。そして、読み出
した誤差データに所定の重みを付けをして平均誤差を求
め、この平均誤差を注目画素の多階調画像データdata
(i,j)に加え、これを補正画像データdata c(i,
j)として2値化部36へ向け出力する。
【0133】なお、これ以外の構成は、前記第1実施例
と同様であるので、ここではその説明は省略する。
【0134】このような平均誤差最小法を用いた場合で
も、前記第1実施例と同様な効果を奏することができ
る。
【0135】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
多階調画像データを、誤差拡散法または平均誤差最小法
を用いて補正し、しかも、注目画素の階調値画像データ
の階調値に基づき、2値化閾値を最適化する閾値設定部
を設けることにより、低濃度領域や高濃度領域で多量の
誤差の蓄積が生じているという現象を解消することがで
き、それに起因して発生していた、低濃度領域や高濃度
領域の立上り部でのドット生成の遅延や、低濃度領域や
高濃度領域が終わった後の「尾引き」などの問題を、画
質劣化に繋がる副作用なしに根本的に解消できる画像処
理装置を得ることができるという効果がある。
【0136】さらに、本発明によれば、閾値設定部を、
簡単な演算を行うか、または変換テーブルを参照するな
どの単純な構成で実現できるため、複雑な処理回路を必
要とせず、高速にかつ良好な画像処理を行うことができ
る。
【0137】さらに、本発明では、閾値設定部が設定す
る閾値を増減させることで、ドット生成速度の調整が可
能となり、必要に応じ過補正状態を設定することで、例
えばエッジ強調的な効果を期待でき、それにより中間階
調の細線も確実に再現できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2に示す2値化画像を得るために用いた原画
像の説明図である。
【図2】従来の誤差拡散法により得られた、2値化結果
の説明図である。
【図3】本発明が適用された画像処理システムの概略説
明図である。
【図4】本発明の画像処理装置を組み込んだ画像処理シ
ステムの1例の全体概略説明図である。
【図5】画像処理システムの他の例の説明図である。
【図6】画像処理システムの更に他の例の説明図であ
る。
【図7】図1に示す画像処理システムに用いられる画像
処理装置の機能ブロック図である。
【図8】本実施例で用いられる拡散重みマトリクスの具
体例の説明図である。
【図9】平均2値化誤差を求めるために使用した原画像
データと、平均2値化誤差を求める領域との関係を示す
説明図である。
【図10】原画像データの階調値と、平均2値化誤差の
関係を示す説明図である。
【図11】本発明の第1実施例で、平均2値化誤差がど
のように発生するかを示す説明図である。
【図12】平均2値化誤差が常に0になる2値化閾値の
説明図である。
【図13】本発明の画像処理装置を用いて得られる2値
化結果の説明図である。
【図14】本発明に用いられる閾値設定部の他の実施例
の説明図である。
【図15】本発明に用いられる閾値設定部の他の実施例
の説明図である。
【図16】本発明に用いられる閾値設定部の他の実施例
の説明図である。
【図17】本発明に用いられる閾値設定部をハードウェ
アにて構成した例の説明図である。
【図18】多階調画像データの補正に平均誤差最小法を
用いる画像処理装置の実施例のブロック図である。
【符号の説明】
30 画像処理装置 32 閾値設定部 34 誤差補正部 36 2値化部 38 データ補正部 40 誤差拡散部 42 拡散誤差記憶部 200 多階調画像データ 210 画像種別情報

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多階調画像データを、誤差拡散法または
    平均誤差最小法を用いて、第1階調値および第2階調値
    (第1階調値<第2階調値)のみからなる2階調画像デ
    ータに変換出力する画像処理装置において、 注目画素の多階調画像データに、周辺の既に2値化済の
    画素から拡散された誤差を加えて補正し、補正画素デー
    タとして出力する誤差補正手段と、 前記注目画素の多階調画像データの階調値に基づき、2
    値化閾値を設定する閾値設定手段と、 設定された閾値に基づき、前記補正画素データを前記2
    階調画像データに変換出力する2値化手段と、 を含み、 前記注目画素の多階調画像データの階調値をdata、前記
    第1階調値および第2階調値の中間の値をm、前記閾値
    をthrldとしたとき、 前記閾値設定手段が、次の2つの条件 dataが第1階調値の付近の値の場合には、data≦thrld
    ≦(m+data)/2 dataが第2階調値の付近の値の場合には、(m+data)/2≦
    thrld≦data の少なくとも一方を満たす範囲内の特性に前記2値化閾
    値thrldを設定し、且つこの2値化閾値thrldの設定を前
    記範囲内で変更できることを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記閾値設定手段が、前記多階調画像の種類又はユーザ
    の指示に応じて、前記2値化閾値thrldの設定を変更す
    ることを特徴とする画像処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 更に、前記多階調画像データに含まれる画像の種類を判
    別する画像種類判別手段を備え、 前記閾値設定手段が、前記画像種類判別手段の判別結果
    に応じて前記2値化閾値thrldの設定を変更することを
    特徴とする画像処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3のいずれか1項におい
    て、 前記閾値設定手段が、前記多階調画像が細線を多く含む
    所定の種類である場合、他の種類の場合よりもthrld=d
    ataにより近い特性に前記2値化閾値thrldの設定を変更
    することを特徴とする画像処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3のいずれか1項におい
    て、 前記閾値設定手段が、ユーザからエッジ強調の指示を受
    けた場合、前記指示を受けない場合よりもthrld=data
    により近い特性に前記2値化閾値thrldの設定を変更す
    ることを特徴とする画像処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5のいずれか1項におい
    て、 前記閾値設定手段が、前記2値化閾値の設定を変更する
    場合、thrld=dataを越えた前記範囲外の特性に変更で
    きることを特徴とする画像処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、 前記閾値設定手段が、 前記注目画素の多階調画像データの階調値dataの値に基
    づき、次式 thrld=(data*(K−1)+m)/K ここに、Kは2以上の整数で表される定数、に従い前記
    2値化閾値thrldを設定し、且つ前記Kを2から∞の範
    囲で可変できることを特徴とする画像処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項1において、 前記閾値設定手段が、 前記注目画素の多階調画像データの階調値dataの値に基
    づき、次式 data<m−L1 のときには、thrld=data+L1 m−L1 <data<m+L2 のときには、thrld=m m+L2 <dataのときには、thrld=data−L2 ここに、L1、L2 は0からmの間の整数で表される定
    数、に従い前記2値化閾値thrldを設定し、かつ前記L
    1、L2を0からmの範囲で可変できることを特徴とする
    画像処理装置。
  9. 【請求項9】 多階調画像データを、誤差拡散法または
    平均誤差最小法を用いて、第1階調値および第2階調値
    (第1階調値<第2階調値)のみからなる2階調画像デ
    ータに変換出力する画像処理方法において、 注目画素の多階調画像データに、周辺の既に2値化済の
    画素から拡散された誤差を加えて補正し、補正画素デー
    タとして出力する誤差補正過程と、 前記注目画素の多階調画像データの階調値に基づき、2
    値化閾値を設定する閾値設定過程と、 設定された閾値に基づき、前記補正画素データを前記2
    階調画像データに変換出力する2値化過程と、 を含み、 前記注目画素の多階調画像データの階調値をdata、前記
    第1階調値および第2階調値の中間の値をm、前記閾値
    をthrldとしたとき、 次の2つの条件 dataが第1階調値により近い値の場合には、data≦thrl
    d≦(m+data)/2 dataが第2階調値により近い値の場合には、(m+data)/2
    ≦thrld≦data の少なくとも一方を満たす範囲内の特性に前記2値化閾
    値thrldが設定され、且つこの2値化閾値thrldの設定が
    前記範囲内で変更できることを特徴とする画像処理方
    法。
JP7114967A 1995-05-12 1995-05-12 画像処理装置及び方法 Pending JPH08307669A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7114967A JPH08307669A (ja) 1995-05-12 1995-05-12 画像処理装置及び方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7114967A JPH08307669A (ja) 1995-05-12 1995-05-12 画像処理装置及び方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08307669A true JPH08307669A (ja) 1996-11-22

Family

ID=14651070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7114967A Pending JPH08307669A (ja) 1995-05-12 1995-05-12 画像処理装置及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08307669A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6643031B1 (en) 1998-12-21 2003-11-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Image processing apparatus
JP2004326613A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Fuji Xerox Co Ltd 画像処理方法、及び画像処理装置
JP2007288277A (ja) * 2006-04-12 2007-11-01 Sharp Corp 画像処理装置およびそれを備える画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラムならびに記録媒体
US7342684B2 (en) 2002-09-20 2008-03-11 Canon Kabushiki Kaisha Image processing method and apparatus
JP2008206182A (ja) * 2001-05-30 2008-09-04 Senshin Capital Llc 適応可能なエラー拡散を利用するレンダリング画像

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6643031B1 (en) 1998-12-21 2003-11-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Image processing apparatus
JP2008206182A (ja) * 2001-05-30 2008-09-04 Senshin Capital Llc 適応可能なエラー拡散を利用するレンダリング画像
US7342684B2 (en) 2002-09-20 2008-03-11 Canon Kabushiki Kaisha Image processing method and apparatus
JP2004326613A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Fuji Xerox Co Ltd 画像処理方法、及び画像処理装置
JP2007288277A (ja) * 2006-04-12 2007-11-01 Sharp Corp 画像処理装置およびそれを備える画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラムならびに記録媒体
JP4499685B2 (ja) * 2006-04-12 2010-07-07 シャープ株式会社 画像処理装置およびそれを備える画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラムならびに記録媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3360391B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
US5801843A (en) Pixel correction and smoothing method
US20020126313A1 (en) Image processing method and apparatus for varibly processing image based upon image characteristics
US6771814B1 (en) Image processing device and image processing method
JP3444094B2 (ja) 画像処理方法及びその装置
JP3765847B2 (ja) 画素の修正およびスムージング方法
EP0862319B1 (en) Pixel correction and smoothing method
EP2111032B1 (en) Image processing apparatus and method thereof
JP3357776B2 (ja) 画像処理方法
JP3554077B2 (ja) 画像処理装置
JPH08307669A (ja) 画像処理装置及び方法
JP3685148B2 (ja) 画像処理装置及び方法
JP2004304814A (ja) 画像処理装置および方法
JP3646694B2 (ja) 画像処理装置および方法
JP4324532B2 (ja) 画像処理装置および記憶媒体
JP3304108B2 (ja) 画像処理方法及び装置
JP3253140B2 (ja) 画像処理装置
JPH05278191A (ja) 多階調の文字・線画データのコントラスト変換方法
GB2294174A (en) Digital gray scale image halftoning including error diffusion and selective image adjustment
JPH0738753A (ja) 画像再現装置
JPH10233924A (ja) 画像処理装置
JPH06178107A (ja) 画像処理装置
JP2000125126A (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
JPH05145747A (ja) 画像処理装置
JPH056460A (ja) 文書画像2値化処理装置