JP3709317B2 - 光学活性シアノヒドリンの合成方法 - Google Patents

光学活性シアノヒドリンの合成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3709317B2
JP3709317B2 JP2000003386A JP2000003386A JP3709317B2 JP 3709317 B2 JP3709317 B2 JP 3709317B2 JP 2000003386 A JP2000003386 A JP 2000003386A JP 2000003386 A JP2000003386 A JP 2000003386A JP 3709317 B2 JP3709317 B2 JP 3709317B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carrier
enzyme
hydroxynitrile lyase
reaction
immobilized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000003386A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001190275A (ja
Inventor
尚 仙波
幸生 ▲土▼▲橋▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2000003386A priority Critical patent/JP3709317B2/ja
Priority to AT01300240T priority patent/ATE277173T1/de
Priority to DE60105657T priority patent/DE60105657T2/de
Priority to US09/758,317 priority patent/US6709847B2/en
Priority to EP01300240A priority patent/EP1116789B1/en
Publication of JP2001190275A publication Critical patent/JP2001190275A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3709317B2 publication Critical patent/JP3709317B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P13/00Preparation of nitrogen-containing organic compounds
    • C12P13/002Nitriles (-CN)
    • C12P13/004Cyanohydrins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N11/00Carrier-bound or immobilised enzymes; Carrier-bound or immobilised microbial cells; Preparation thereof
    • C12N11/14Enzymes or microbial cells immobilised on or in an inorganic carrier
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/88Lyases (4.)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定化担体に高い吸着率でS-ヒドロキシニトリルリアーゼが固定化された固定化酵素、該固定化酵素の製造方法及び該固定化酵素を用いる光学活性シアノヒドリンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
S-ヒドロキシニトリルシアーゼは、光学活性シアノヒドリン合成用の酵素として有用である。通常、使用する反応系は有機溶媒系であることから、有機溶媒不溶性の酵素を反応系に分散させ、効率よく反応を行うための方法として、固定化酵素として使用することが挙げられる。S-ヒドロキシニトリルシアーゼを固定化した例としては、微小なセルロース粉末やニトロセルロースに固定化したものが報告されている。しかし、これらセルロース系の担体は、酵素の吸着率が低く、反応に必要な量の酵素を固定するには担体が極めて多量に必要なことなどの不都合が存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、固定化担体に高い吸着率でS-ヒドロキシニトリルリアーゼが固定化された固定化酵素、該固定化酵素の製造方法及び該固定化酵素を用いる光学活性シアノヒドリンの製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った結果、酵素の固定化担体として、粘土系焼結担体、シリカ系担体、アルミナ系担体及びシリカアルミナ系担体などの多孔性無機担体を用いることによって、S-ヒドロキシニトリルリアーゼを高い吸着率で固定することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、S-ヒドロキシニトリルリアーゼが多孔性無機材料からなる担体(例えば、粘土系焼結担体、シリカ系担体、アルミナ系担体、シリカアルミナ系担体であって、10〜80nmの細孔径を有するもの)に固定化されていることを特徴とする固定化酵素である。ここで、S-ヒドロキシニトリルリアーゼは、トウダイグサ科植物、イネ科植物又はボロボロノキ科植物由来のものを用いることができる。
【0006】
さらに、本発明は、S-ヒドロキシニトリルリアーゼを多孔性無機材料からなる担体(例えば粘土系焼結担体、シリカ系担体、アルミナ系担体、シリカアルミナ系担体であって、10〜80nmの細孔径を有するもの)に固定化することを特徴とする固定化酵素の製造方法である。ここで、S-ヒドロキシニトリルリアーゼは、トウダイグサ科植物又はイネ科植物由来のものを用いることができる。
【0007】
さらに、本発明は、前記固定化酵素を、水に難溶性又は不溶性の有機溶媒存在下で、カルボニル化合物及びシアン化合物と接触させることを特徴とする光学活性シアノヒドリンの製造方法である。ここで、該固定化酵素は、反応液から回収され再使用されるものであり得る。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の固定化酵素は、S-ヒドロキシニトリルリアーゼを多孔性無機材料からなる担体に吸着させた固定化酵素である。本固定化酵素は、S-ヒドロキシニトリルリアーゼをセルロース系固定化担体に吸着させた従来の固定化酵素よりも、担体への酵素吸着率が高いという特徴を有する。固定化担体への吸着率が格段に高い固定化酵素である。本発明の固定化酵素は、以下のようにして製造することができる。
【0009】
1.S-ヒドロキシニトリルリアーゼの調製
固定化の対象となるS-ヒドロキシニトリルリアーゼは、当該酵素を含む植物など生物組織からの抽出法や遺伝子工学的手法によって調製することができる。S-ヒドロキシニトリルリアーゼの大量且つ安定的な供給のためには、S-ヒドロキシニトリルリアーゼは遺伝子工学的手法によって調製することが好ましい。遺伝子工学的手法によるS-ヒドロキシニトリルリアーゼの調製は、例えば、以下のようにして行うことができる。
【0010】
(1) S-ヒドロキシニトリルリアーゼをコードする遺伝子の供給源
S-ヒドロキシニトリルリアーゼをコードする遺伝子(以下S-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子ともいう)の供給源としては、キャッサバ(Manihot esculenta)、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)などのトウダイグサ科植物、モロコシピカラー(Sorghum bicolor)などのイネ科植物、キシメニア(Ximenia americana)などのボロボロノキ科植物などが挙げられる。また、それ以外にも、S-ヒドロキシニトリルリアーゼを含有するあらゆる生物を、S-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子の供給源として用いることができる。
【0011】
(2) S-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子のクローニング
S-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子は、上記(1)に記載の供給源から、以下のようにしてクローニングすることができる。すなわち、まず常法に従って生物体からcDNAを調製する。一方、PCRによるS-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子増幅用のプライマーを、公知のS-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子の塩基配列に基づいて設計・合成する。例えば、キャッサバ由来S-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子増幅用プライマーは、文献 [Arch. Biochem. Biophys. 311,496-502(1994)]に記載の塩基配列に基づき、以下のようなプライマーとすることができる。
センスプライマー: 5'-ggggaattcatggtaactgcacattttgttctgattc-3'(配列番号1)
アンチセンスプライマー: 5'-ggggtcgacctcacggattagaagccgccg-3'(配列番号2)
【0012】
次いで、合成した増幅用プライマーを用い、上記(1)の生物から常法によって調製したcDNAを鋳型として、PCRによってS-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子を増幅する。得られたPCR増幅断片を適当なベクターに連結後、塩基配列を確認し、S-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子の塩基配列を有するものをS-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子含有クローンとする。
【0013】
(3) S-ヒドロキシニトリルリアーゼ発現ベクターの構築
S-ヒドロキシニトリルリアーゼ発現ベクターの構築は、上記(2)において得られたS-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子含有クローンから、S-ヒドロキシニトリルリアーゼをコードする領域を切り出し、適当な発現ベクターに連結することにより構築することができる。ここで用いる発現ベクターは、S-ヒドロキシニトリルリアーゼタンパク質の発現に使用する宿主の種類に応じて選択する。例えば、酵母サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)を宿主とする場合には、YEp51、YEp351、pYES2などのエピソーム型発現ベクターを用いることができ、大腸菌を宿主として使用する場合には、pKK223-3、pKK233-2、pTrc99Aなどを用いることができる。
【0014】
(4) S-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子を含有する形質転換体の作製
S-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子を含有する形質転換体は、上記(3)において得られたS-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子発現ベクターを宿主細胞に形質転換することにより作製することができる。すなわち、酵母サッカロマイセス・セレビシエへの形質転換は、エレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法などによって行うことができ、大腸菌への形質転換は、塩化カルシウム法、エレクトロポレーション法などによって行うことができる。所望の形質転換体の選抜は、形質転換操作の後、適当な選択培地上に形質転換処理物を播種し、生育してきた菌株を選択することによって行うことができる。
【0015】
(5) S-ヒドロキシニトリルリアーゼタンパク質の調製
S-ヒドロキシニトリルリアーゼタンパク質は、上記(4)において得られた形質転換体を培地に培養し、その培養物を採取することにより得ることができる。培養物とは、培養上清、あるいは培養細胞若しくは培養菌体又は細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。形質転換体を培地に培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。
【0016】
例えば、酵母を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、導入したS-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子が安定に保持され、且つ該遺伝子の発現によってS-ヒドロキシニトリルリアーゼが生産されるものであれば、特に限定されない。宿主の性質及び導入した選択マーカー遺伝子の性質によって培養に用いる炭素源及び/又はアミノ酸組成及び/又は添加物の組成を調整することが好ましい。培養は、宿主の生育を阻害しない温度及びpH(通常30℃、pH4〜8)において、菌体によるS-ヒドロキシニトリルリアーゼの生産が停止するまで行う。
【0017】
培養後、S-ヒドロキシニトリルリアーゼタンパク質が菌体内に生産される場合には、菌体又は細胞を破砕することにより該タンパク質を抽出する。また、酵素タンパク質が菌体外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離などにより菌体又は細胞を除去する。その後、タンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば、硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィーなどを単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、前記培養物中からS-ヒドロキシニトリルリアーゼタンパク質を精製することができる。
【0018】
2.S-ヒドロキシニトリルリアーゼの固定化
(1)S-ヒドロキシニトリルリアーゼの固定化担体
S-ヒドロキシニトリルリアーゼの固定化担体としては、各種の多孔性無機材料からなる担体を使用することができる。例えば、多孔性無機材料からなる固定化担体としては、粘土系焼結担体、シリカ系担体、アルミナ系担体、シリカアルミナ系担体などが挙げられる。
【0019】
上記粘土系焼結担体とは、ケイ酸塩類原料(例えば、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイトなどのカオリナイト族鉱物、パイロフィライト、モンモリロナイト、絹雲母、滑石、緑泥石などの粘土系のものなど)を造粒し、焼結して得られる多孔性担体をいう。具体的には、Toyonite200(東洋電化工業社製)、Toyonite200A(東洋電化工業社製)などが挙げられる。
【0020】
上記シリカ系担体とは、二酸化ケイ素の微粒子が凝集してできた高表面積の多孔性担体をいう。具体的には、Micro Bead Silica Gel(富士シリシア化学社製)、Chromatography Silica Gel(富士シリシア化学社製)などが挙げられる。
【0021】
上記アルミナ系担体とは、酸化アルミニウムを主成分とする多孔性担体をいう。具体的には、NeoBead DL(水沢化学工業)、γ-アルミナ KHA-34(住友化学工業社製)などが挙げられる。
【0022】
上記シリカアルミナ系担体とは、酸化アルミニウムと二酸化ケイ素とを主成分とする多孔性担体をいう。具体的には、ミズカシーブスY-540 Y型ゼオライト(水沢化学工業社製)、ミズカシーブス 13X-488 ゼオライト13X(水沢化学工業社製)、HSZ-630HOA H-モルデナイト(東ソー社製)、Na−モルデナイト(触媒化成社製)などが挙げられる。
【0023】
上記多孔性無機材料担体は、酵素の吸着量が担体の細孔径によって左右されることから、酵素を充分固定化するために有効な細孔径の担体を選択することが好ましい。具体的には、細孔径が10〜80nm、好ましくは10〜60 nm、最も好ましくは10〜40 nmのものを選択する。さらに、多孔性無機材料は、より多くの酵素を固定化することができるように、比表面積が、より大きいことが好ましく、具体的には20m2/g以上であることが好ましい。また、固定化に用いる場合の担体の形状は、多孔性であれば特に限定されないが、充填型反応槽用の固定化酵素を作製する場合には球状であることが好ましい。粒径は固定化酵素の分離作業性の面、あるいは充填型反応装置の場合では通液の圧力損失の面を考慮すると、粒度分布が比較的狭く、粒径は10μm〜5mm、好ましくは100μm〜2mmであることが好ましいが、その限りではない。
【0024】
(2) 担体へのS-ヒドロキシニトリルリアーゼの固定化
担体へのS-ヒドロキシニトリルリアーゼの固定化は以下のようにして行うことができる。すなわち、上記1において調製したS-ヒドロキシニトリルリアーゼを含む溶液を酵素活性が損なわれない範囲のpHに調整した後、上記(1)の固定化担体と混合し、吸着率が最大となるまで攪拌・放置することにより固定化する。通常、6〜24時間の攪拌・放置時間で最大の吸着率を達成することができる。なお、担体への酵素の吸着は、塩濃度が高い程、抑制される傾向があるため、固定化時の塩濃度は低くすることが好ましい。例えば、固定化時の塩濃度は0.5M以下、好ましくは0.1M以下で行う。次いで、固定化処理後、得られた固定化酵素は、濾過などによって分離することができる。なお、固定化酵素は過剰に水分を含んだ状態では、光学活性シアノヒドリンの合成時に反応溶媒中で担体同志が凝集する原因となるので、固定化酵素中に含まれる水分は、分散可能なレベルまで除去することが好ましい。固定化酵素からの水分の除去は、減圧乾燥、通風乾燥などによって行うことができる。
【0025】
3.本発明の固定化酵素を用いた光学活性シアノヒドリンの合成
本発明の固定化酵素を用いた光学活性シアノヒドリンの合成は、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、反応溶媒中に、上記2において得られた固定化酵素及び反応基質を加え、反応温度10〜50℃において、20分間〜24時間反応させることによって、光学活性シアノヒドリンを合成することができる。反応時間は、基質の転換速度に応じて適宜調整する。合成反応終了後、固定化酵素は、回収し、再度光学活性シアノヒドリンの合成に使用することができる。ここで、反応基質としては、カルボニル化合物及びシアン化合物を使用する。ここで、カルボニルアル化合物とは、アルデヒドまたはケトンをいい、具体的には、下記式(1)で表される。
【0026】
【化1】
Figure 0003709317
【0027】
上記式(1)において、R1 とR2 は、(i) 水素原子、(ii)置換または非置換の炭素数1〜18の線状または分枝鎖状の飽和アルキル基、または(iii) 置換または非置換の環員が5 〜22の芳香族基である。ただし、R1 とR2 は同時に水素原子を表すことはない。
【0028】
上記(ii)で、R1 とR2 が置換アルキル基の場合、置換基は、1個またはそれ以上のアミノ基、イミノ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン、カルボキシル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、または N 、O、Sのヘテロ原子で置換されていてもよい炭素数22までの芳香属基である(ここで、置換基が環状置換基の場合は、それ自体が1個またはそれ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、炭素数1〜8の線状若しくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数2〜8の線状若しくは分枝鎖状のアルケニル基で置換されていてもよい。)。
【0029】
上記(iii) で、芳香族基は、環員の4個までがN、Oおよび/またはSによって置換されているヘテロ芳香族基であってもよい。また、R1 とR2 が置換芳香族基の場合、置換基は、1個またはそれ以上のアミノ基、イミノ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アリルオキシ基、ハロゲン、カルボキシル基、炭素数22までの線状若しくは分枝鎖状の飽和若しくは不飽和のアルキル基である(ここで、一つの芳香族基が少なくとも2個の置換基により置換されてもよい)。
【0030】
さらに、反応系に基質として添加するシアン化合物としては、シアン化物イオン(CN-) を生じる物質であれば、特に限定されず、例えば、シアン化ナトリウムやシアン化カリウムなどのシアン化水素塩、アセトンシアンヒドリンなどのシアノヒドリン類などが挙げられる。
【0031】
さらに、反応溶媒としては、反応系内に水が大量に存在すると、酵素反応によって生成した光学活性シアノヒドリンのラセミ化が起こりやすくなったり、水に対する溶解度の小さいアルデヒドまたはケトンを原料として用いる場合には生産効率が低下するなどの点から、水に難溶または不溶である有機溶媒を主成分としてなる反応溶媒を用いることが好ましい。かかる有機溶媒としては、酵素反応による光学活性シアノヒドリンの合成反応に影響を与えないものであれば特に制限なく用いることができ、合成反応に用いる原料のアルデヒドまたはケトンの物性、生成物であるシアノヒドリンの物性に応じて適宜選択することができる。具体的には、ハロゲン化されていてもよい脂肪族または芳香族の直鎖状または分枝状または環状の飽和または不飽和炭化水素系溶媒、例えば、ペンタン、ヘキサン、トルエン、キシレン、塩化メチレンなど;ハロゲン化されていてもよい脂肪族または芳香族の直鎖状または分枝状または環状の飽和または不飽和アルコール系溶媒、例えば、イソプルピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、n−アミルアルコールなど;ハロゲン化されていてもよい脂肪族または芳香族の直鎖状または分枝状または環状の飽和または不飽和エーテル系溶媒、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソピルエーテル、ジブチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテルなど;ハロゲン化されていてもよい脂肪族または芳香族の直鎖状または分枝状または環状の飽和または不飽和エステル系溶媒、例えば、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルなどが挙げられ、これらを単独で用いても、また複数を混合して用いてもよい。また、上記溶媒は水又は水系の緩衝液を含有又は飽和させたものを用いることもできる。
【0032】
さらに、本発明においては、固定化酵素の安定化を図る目的で、光学活性シアノヒドリン合成反応の反応系内の酸素濃度を減ずる処理、該反応系内のハイドロキノン及びハイドロキノンより誘導される化合物(ベンゾキノン、キンヒドロンなど)を減ずる処理のいずれか、又は両方を行うことができる。
【0033】
本発明において、反応系内の酸素濃度を減ずる処理は、具体的には、反応溶媒と反応に影響を与えない気体(窒素、アルゴン、ヘリウムなど)とを接触させ、反応溶媒中で溶存酸素を上記気体と置換することにより、溶存酸素を減ずる処理をいう。この反応系内の溶存酸素濃度を減ずる処理は、常法に従って行えばよく、例えば、攪拌機能を持つ容器に反応溶媒を入れ、攪拌下、液中に上記の不活性な気体を通気することで行うことができる。具体的には、反応溶媒1L当り、上記不活性な気体を毎分1ml〜10Lの通気量で1分間〜1時間、好ましくは、反応溶媒1L当り、毎分10ml〜5Lの通気量で5〜30分間通気処理することで行うことができる。あるいは、上記の不活性な気体の雰囲気下で、反応溶媒を蒸留することでも行うことができる。また、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトなどの脱酸素剤を加えることによっても行うことができる。さらに、反応容器の気相部分に不活性な気体を上記の通気量で通気しながら反応させることによっても行うことができる。
【0034】
本発明において、反応系内のハイドロキノン及びハイドロキノンより誘導される化合物の濃度を減ずる処理は、反応溶媒を蒸留し、反応溶媒に含まれるハイドロキノン、又はハイドロキノンより誘導される化合物と分離させることにより行う。ハイドロキノン及びハイドロキノンより誘導される化合物の濃度は、40ppm未満、好ましくは1ppm未満に減ずることが好ましい。蒸留は、常圧又は減圧下、ハイドロキノン及びハイドロキノンより誘導される化合物が残留し、反応溶媒のみが蒸留分離される温度条件で実施すればよい。あるいは、上記処理は、活性炭などの吸着剤を使い、ハイドロキノン及びハイドロキノンより誘導される化合物を反応溶媒に投入するか、吸着剤を充填したカラムなどに溶媒を通液するか、あるいはその他の方法で反応溶媒と吸着剤とを一定時間接触させることによって実施することができる。その場合、吸着剤の投入量は、その吸着剤の吸着能力に応じて適宜決定される。
【0035】
次いで、生成された光学活性シアノヒドリンは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等によって測定・定量することができる。
【0036】
【実施例】
以下に、本発明を実施例を示して具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0037】
〔実施例1〕S-ヒドロキシニトリルリアーゼの調製
S-ヒドロキシニトリルリアーゼは、酵母サッカロマイセス・セレビシエを宿主として用い、遺伝子工学的に調製した。すなわち、まず、キャッサバの葉から常法に従って、全mRNAを抽出した。次いで、得られたmRNAを鋳型として、cDNA合成を行い、cDNAを作製した。一方、文献[Arch. Biochem. Biophys. 311,496-502(1994)]に記載のキャッサバ由来のS-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子の配列に基づいて、下記のプライマーを合成した。
センスプライマー:ggggaattcatggtaactgcacattttgttctgattc(配列番号1)
アンチセンスプライマー:ggggtcgacctcacggattagaagccgccg (配列番号2)
【0038】
合成したプライマーを用い、上記cDNAを鋳型としてPCR(90℃、30秒;55℃、30秒;72℃、60秒;計35サイクル)を行い、S-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子を獲得した。遺伝子配列の解析を行ったところ、文献に示されている配列と一致した。
【0039】
次いで、得られたPCR断片を発現ベクターYEp352-GAPのプロモーターとターミネーターとの間に挿入することにより、酵母エピソーム型発現ベクターYEp352-GCを作製した。これを酵母サッカロマイセス・セレビシエInv-Sc1株へ、常法によって形質転換し、ウラシルを含まない最少選択培地において増殖する株を選択することによって発現ベクターYEp352-GCを含む組換え酵母菌YEp352-GC-S2株を得た。
【0040】
次いで、得られた組換え酵母菌株YEp352-GC-S2株を、YNBDCas液体培地(6.7g/L Yeast nitrogen base without amino acid(Difco社製)、20g/Lグルコース、20g/Lカザミノ酸、40mg/mL L-トリプトファン)中で24時間培養することによって、細胞内にS-ヒドロキシニトリルリアーゼを生産させた。組換え菌培養液から遠心分離によって菌体を回収し、ビーズミルを用い、菌体を破砕した。破砕菌体液を遠心分離し、粗酵素液を調製、これを硫安分画することによって粗精製したものをS-ヒドロキシニトリルリアーゼ溶液として、以下の実施例に使用した。
【0041】
〔実施例2〕S-ヒドロキシニトリルリアーゼ固定化担体の検討
(1) 粘土系焼結担体及びシリカ系担体への固定化
実施例1において調製したS-ヒドロキシニトリルリアーゼを、各種の酵素固定化担体に固定化し、該酵素の固定化に適した固定化担体の種類について検討した。酵素の固定化は、S-ヒドロキシニトリルリアーゼ溶液(活性:64U/ml、0.02M HEPES-Na緩衝液(pH6.0))0.5mlに、各種担体0.1gをそれぞれ加え、4℃で24時間攪拌することにより、酵素タンパク質を担体に吸着固定することにより行った。次いで、担体への酵素タンパク質の吸着率を調べた。担体への酵素タンパク質の吸着率は、固定化後の上澄み液中の残存S-ヒドロキシニトリルリアーゼ活性(残存活性)と対照(担体を加えていない酵素混合液)中のS-ヒドロキシニトリルリアーゼ活性(対照活性)とを測定し、下式に代入することによって算出した。結果を表1に示した。酵素活性は、DL−マンデロニトリルを基質として、基質が酵素によって分解されてベンズアルデヒドを生成する際の吸光度変化を249.6nmの波長で測定することによって算出した。ここで、1単位(U;unit)は1分間にベンズアルデヒド1μmolを生成する活性と定義した。
【0042】
式(1)
Figure 0003709317
【0043】
【表1】
Figure 0003709317
【0044】
従来よりS-ヒドロキシニトリルリアーゼの固定化担体として知られる、セルロース系固定化担体への吸着率は、Avicel Cellusose Microcristalline(Merck社製)が20.19%、セルロース w-200G(富士シリア化学株式会社製)が9.75%であったのに対し、粘土系焼結担体のToyonite 200(東洋電化工業社製)への吸着率は100%、シリカ系担体のChromatography Silica Gel FL60D(富士シリア化学社製)への吸着率は99.88%であった。
【0045】
(2) その他の多孔性無機材料からなる担体への固定化
さらに広範な多孔性無機材料からなる担体へのS-ヒドロキシニトリルリアーゼの固定化について検討した。酵素の固定化は、上記(1)と同様の手順で行った。すなわち、S-ヒドロキシニトリルリアーゼ溶液(活性:35U/ml、0.02M HEPES-Na緩衝液(pH6.0))1mlに、各種担体0.1gをそれぞれ加え、4℃で24時間攪拌することにより、酵素タンパク質を担体に吸着固定した。次いで、担体への酵素タンパク質の吸着率を調べた。結果を表2に示した。
【0046】
【表2】
Figure 0003709317
【0047】
アルミナ系担体のNeoBead DL(水沢化学工業社製)への吸着率は46.4%、シリカアルミナ系担体のミズカシーブス Y-540 Y型ゼオライト(水沢化学工業社製)への吸着率は46.45%であった。このように、従来のセルロース系担体よりも吸着率の高い固定化担体として、アルミナ系担体及びシリカアルミナ系担体が見出された。
【0048】
〔実施例3〕酵素の吸着率に及ぼす細孔径の影響
粘土系焼結担体のToyonite 200及びシリカ系担体のMicro Bead Silica Gelを用い、担体の細孔径と酵素吸着率との関係について検討した。酵素の固定化は、上記(1)と同様の手順で行った。すなわち、S-ヒドロキシニトリルリアーゼ溶液(活性:50U/ml、0.02M HEPES-Na緩衝液(pH6.0))1mlに、各種担体0.05gをそれぞれ加え、4℃で24時間攪拌することにより、酵素タンパク質を担体に吸着固定した。次いで、担体への酵素タンパク質の吸着率を調べた。Toyonite 200を用いた場合の結果を表3及び図1に、Micro Bead Silica Gelを用いた場合の結果を表4及び図2に示した。
【0049】
【表3】
Figure 0003709317
【0050】
【表4】
Figure 0003709317
【0051】
表3及び図1からも明らかなように、粘土系焼結担体Toyonite200においては、細孔径28〜60nmの範囲において比較的高い吸着率が得られ、中でも38nm付近で最も高い吸着率が得られた。シリカ系担体Micro Bead Silica Gelにおいては18.9〜50nmの範囲において比較的高い吸着率が得られ、中でも20nm付近で最も高い吸着率が得られた。
【0052】
〔実施例4〕酵素の吸着率及び光学活性シアノヒドリンの生成率に及ぼす固定化時pHの影響
固定化担体としてシリカ系担体のMicro Bead Silica Gel 300Aを用い、酵素の吸着率及び光学活性シアノヒドリンの生成率に及ぼす固定化時のpHの影響について調べた。すなわち、まず吸着率に及ぼすpHの影響は、pH3.81〜pH7.73の範囲の様々なpHに調節した、S-ヒドロキシニトリルリアーゼ(活性:50U/ml)を含有するクエン酸-リン酸緩衝液1mlに、担体0.05gをそれぞれ加え、4℃で24時間攪拌することにより、酵素タンパク質を担体に吸着固定することにより行った。次いで、先と同様にして担体への酵素タンパク質の吸着率を調べた。
【0053】
次いで、各pHにおいて調製した固定化酵素を濾過により回収後、0.15M クエン酸-Na緩衝液(pH5.0)を用いて洗浄し、固定化酵素が乾燥してほぐれるまで濾過を継続した。得られた固定化酵素に、反応溶媒として酢酸エチル2.5ml、及び反応基質として3-フェノキシベンズアルデヒド99μl(0.5mmol)及び青酸57μl(1.5mmol)を加え、室温で16時間、ローラーボトル中で回転させながら光学活性シアノヒドリンの合成反応を行った。反応終了後、生成されたS体3-フェノキシベンズアルデヒドシアノヒドリンの量をHPLCによって測定した。吸着率及び最高のS体3-フェノキシベンズアルデヒドシアノヒドリン生成量を示したpH5.44のときのHPLCピーク面積を100としたときの相対生成量を表5及び図3に示した。
【0054】
【表5】
Figure 0003709317
【0055】
表5及び図3からも明らかなように、Micro Bead Silica Gel 300Aにおいては、吸着率は、pH4.83〜6.79の比較的広い範囲で良好であり、生成率はpH5.5において最も高い値を示した。
【0056】
〔実施例5〕酵素の吸着率に及ぼす固定化時の塩濃度の影響
固定化担体としてシリカ系担体のMicro Bead Silica Gel 300Aを用い、酵素の吸着率に及ぼす固定化時の塩濃度の影響について調べた。すなわち、0.02〜0.5Mの範囲の様々な塩濃度に調節した、S-ヒドロキシニトリルリアーゼ(活性:50U/ml)を含有するクエン酸-リン酸緩衝液1mlに、担体0.05gをそれぞれ加え、4℃で24時間攪拌することにより、酵素タンパク質を担体に吸着固定した。次いで、先と同様にして担体への酵素タンパク質の吸着率を調べた。結果を表6及び図4に示した。
【0057】
【表6】
Figure 0003709317
【0058】
表6及び図4からも明らかなように、0.02Mにおいて最も吸着率は高く、さらに酵素固定化時の塩濃度が低い方が吸着率は高いことがわかった。
【0059】
〔実施例6〕反応系内の酸素濃度及びハイドロキノン濃度を減ずる処理を行った合成反応
蒸留によってハイドロキノンを除去した後、窒素を通気そて窒素置換したジイソプロピルエーテルを溶媒に用い、S-3-フェノキシベンズアルデヒドシアノヒドリン合成を実施した。
【0060】
実施例2と同様の方法で調製した、粘土系焼結担体のToyonite 200を固定化担体とする固定化酵素に、ジイソプロピルエーテル235.8ml、3-フェノキシベンズアルデヒド11.9g、シアン化水素-ジイソプロピルエーテル溶液(37.85gHCN/500ml)64mlを添加し、25℃で攪拌することで反応を行った。
【0061】
反応がほぼ完結した時点で固定化酵素を分離し、上記と同量の溶媒、基質を添加し、繰り返し反応を行った。図5に示すように、4回の繰り返し反応を行っても、反応速度の低下は見られなかった。また、各回の反応終了時の転換率と生成されたS-3-フェノキシベンズアルデヒドの光学純度を表7に示す。これより、光学純度の低下も起こらないと言える。
【0062】
【表7】
Figure 0003709317
【0063】
〔実施例7〕固定化酵素の再使用
実施例1の方法で得たS-ヒドロキシニトリル酵素溶液(活性:43U/ml)14mlにMicro Bead Silica Gel 200A(細孔径20nm)1.5gを添加し、緩やかに攪拌して酵素を固定化した。固定化酵素を濾過により回収し、余分な水分を通風乾燥によって除去した。この固定化酵素に、1.5Mのシアン化水素を含むt-ブチルメチルエーテル5mlを添加した後、ベンズアルデヒドを1Mの濃度になるように添加した。これを室温下、攪拌混合することによってS-マンデロニトリルの合成を行った。反応終了後、固定化酵素と反応液とを分離し、反応液をHPLC分析した。分析の結果、反応開始1.5時間後、ベンズアルデヒドの転化率97.8%で光学純度99.9%ee以上のS-マンデロニトリルが得られた。分離した固定化酵素は上記と同じ量の溶媒、基質を添加して繰り返し反応を行った。結果を表8に示した。表8に示す通り、反応を繰り返しても高い転換率及び生成されたS-マンデロニトリル高い光学純度が維持された。以上のことから、本発明の固定化酵素は、光学活性シアノヒドリンの合成反応において再使用可能な、極めて安定性の高いものであることがわかった。
【0064】
【表8】
Figure 0003709317
【0065】
【発明の効果】
本発明によって、高い吸着率でS-ヒドロキシニトリルリアーゼが固定化された固定化酵素、該固定化酵素の製造方法及び該固定化酵素を用いる光学活性シアノヒドリンの製造方法が提供される。
【0066】
【配列表】
Figure 0003709317
Figure 0003709317
【0067】
【配列表フリーテキスト】
配列番号1:合成DNA
配列番号2:合成DNA
【図面の簡単な説明】
【図1】固定化担体としてToyonite 200を用いた場合の、酵素の吸着率に及ぼす細孔径の影響を示した図である。
【図2】固定化担体としてMicro Bead Silica Gelを用いた場合の、酵素の吸着率に及ぼす細孔径の影響を示した図である。
【図3】固定化担体としてMicro Bead Silica Gel 300Aを用いた場合の、酵素の吸着率及び反応性に及ぼすpHの影響を示した図である。
【図4】固定化担体としてMicro Bead Silica Gel 300Aを用いた場合の、酵素の吸着率に及ぼす塩濃度の影響を示した図である。
【図5】各反応回における転換率の変化を示した図である。

Claims (4)

  1. キャッサバ又はパラゴムノキ由来のS-ヒドロキシニトリルリアーゼが、28〜60nmの細孔径において43〜120m2/gの比表面積を有する粘土系焼結担体、又は18.9〜50nmの細孔径において69〜250m2/gの比表面積を有するシリカ系担体に吸着されてなることを特徴とする固定化酵素。
  2. キャッサバ又はパラゴムノキ由来のS-ヒドロキシニトリルリアーゼを28〜60nmの細孔径において43〜120m2/gの比表面積を有する粘土系焼結担体、又は18.9〜50nmの細孔径において69〜250m2/gの比表面積を有するシリカ系担体に吸着することを特徴とする固定化酵素の製造方法。
  3. 請求項1に記載の固定化酵素を、水に難溶性又は不溶性の有機溶媒存在下で、カルボニル化合物及びシアン化合物と接触させることを特徴とする光学活性シアノヒドリンの製造方法。
  4. 固定化酵素が、光学活性シアノヒドリン生成反応終了後の反応液から回収され再使用されるものであることを特徴とする請求項3記載の光学活性シアノヒドリンの製造方法。
JP2000003386A 2000-01-12 2000-01-12 光学活性シアノヒドリンの合成方法 Expired - Fee Related JP3709317B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000003386A JP3709317B2 (ja) 2000-01-12 2000-01-12 光学活性シアノヒドリンの合成方法
AT01300240T ATE277173T1 (de) 2000-01-12 2001-01-12 Immobilisiertes enzym und verfahren zur herstellung von optisch aktiven cyanhydrinen
DE60105657T DE60105657T2 (de) 2000-01-12 2001-01-12 Immobilisiertes Enzym und Verfahren zur Herstellung von optisch aktiven Cyanhydrinen
US09/758,317 US6709847B2 (en) 2000-01-12 2001-01-12 Immobilized euphorbiaceae, poaceae or olacaeae s-hydroxynitrile lyase
EP01300240A EP1116789B1 (en) 2000-01-12 2001-01-12 Immobilised enzyme and method for synthesizing an optically active cyanohydrin

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000003386A JP3709317B2 (ja) 2000-01-12 2000-01-12 光学活性シアノヒドリンの合成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001190275A JP2001190275A (ja) 2001-07-17
JP3709317B2 true JP3709317B2 (ja) 2005-10-26

Family

ID=18532337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000003386A Expired - Fee Related JP3709317B2 (ja) 2000-01-12 2000-01-12 光学活性シアノヒドリンの合成方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6709847B2 (ja)
EP (1) EP1116789B1 (ja)
JP (1) JP3709317B2 (ja)
AT (1) ATE277173T1 (ja)
DE (1) DE60105657T2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7168485B2 (en) * 2001-01-16 2007-01-30 Schlumberger Technology Corporation Expandable systems that facilitate desired fluid flow
JP4729408B2 (ja) * 2006-02-01 2011-07-20 株式会社日本触媒 固定化酵素の製造方法
EP2078748A4 (en) 2006-09-29 2010-01-06 Nippon Catalytic Chem Ind NEW HIGH-ACTIVE MODIFIED TYPE-S-HYDROXYNITRIL LYASE

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6096241U (ja) * 1983-12-07 1985-07-01 株式会社段上商店 包装袋
JPS6222937U (ja) * 1985-07-26 1987-02-12
US5177242A (en) * 1991-12-17 1993-01-05 Fmc Corporation Process for preparing optically active cyanohydrins with enzymes
DK0799894T3 (da) * 1996-02-09 2004-08-09 Degussa Fremgangsmåde til fremstilling af (S)-cyanhydriner

Also Published As

Publication number Publication date
US6709847B2 (en) 2004-03-23
JP2001190275A (ja) 2001-07-17
DE60105657D1 (de) 2004-10-28
US20020064840A1 (en) 2002-05-30
EP1116789A1 (en) 2001-07-18
ATE277173T1 (de) 2004-10-15
EP1116789B1 (en) 2004-09-22
DE60105657T2 (de) 2005-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2812933B2 (ja) (s)−シアノヒドリンの製造法
JP6720420B2 (ja) メチロピラ及びその選択的分割による(S)−α−エチル−2−オキソ−1−ピロリジン酢酸塩の調製における使用
JP3174171B2 (ja) 光学的に活性なシアノヒドリンのエナンチオ選択的、酵素による製造方法
JP3709317B2 (ja) 光学活性シアノヒドリンの合成方法
RU2144959C1 (ru) Ферментативный гидролиз 4-метилтиобутиронитрилов
ES2264182T3 (es) Proceso enzimatico para la preparacion de (s)-cian-hidrinas.
US20100240116A1 (en) Lovastatin esterase enzyme immobilized on solid support, process for enzyme immobilization, use of immobilized enzyme, biocatalytic flow reactor and process for preparation and/or purification of simvastatin
EP1026256B1 (en) Method for the production of optically active cyanohydrins
CN114606221B (zh) 固定化酶、其制备方法及应用
US20030032149A1 (en) Synthesis of 2-oxoglutaramate from L-glutamine
EP2295592B1 (en) An enzyme reaction method and a method for enzymatically producing an optically active cyanohydrin
JPH04229190A (ja) セファロスポリン誘導体をグルタリル−7−アミノセファロスポラン酸誘導体に連続転化する方法
JPWO2007026860A1 (ja) 光学活性α−ヒドロキシカルボン酸の製造方法
JP2007508005A (ja) 鏡像体に富むα−ヒドロキシカルボン酸及びα−ヒドロキシカルボン酸アミドの製造方法
JP3835958B2 (ja) ヒドロキシニトリルリアーゼを用いた光学活性シアノヒドリンの製造方法
Obón et al. L (−)-Carnitine production with immobilized Escherichia coli cells in continuous reactors
CN111647591A (zh) 利用固定化酶制备他汀中间体的方法
CN111647634A (zh) 一种填充床连续流不对称合成(S)-1-Boc-3-氨基哌啶的方法
JP3784251B2 (ja) 固定化酵素及び光学活性シアノヒドリンの製造方法
Maksimova et al. A study of the catalytic properties of the nitrile hydratase immobilized on aluminum oxides and carbon-containing adsorbents
RU2146291C1 (ru) Усовершенствованный биотехнологический способ получения акриламида
JP3647065B2 (ja) 光学活性アラニンの製造方法
Conceição et al. Regio-and enantioselective reduction of a α-methyleneketone by Rhodotorula glutinis
JP4729408B2 (ja) 固定化酵素の製造方法
JP2006521102A (ja) 組合わされた補因子依存型酵素反応系

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040907

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041108

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050317

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050808

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090812

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100812

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100812

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110812

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120812

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120812

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130812

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees